JP2855173B2 - Cdma復調装置 - Google Patents

Cdma復調装置

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JP2855173B2
JP2855173B2 JP50290897A JP50290897A JP2855173B2 JP 2855173 B2 JP2855173 B2 JP 2855173B2 JP 50290897 A JP50290897 A JP 50290897A JP 50290897 A JP50290897 A JP 50290897A JP 2855173 B2 JP2855173 B2 JP 2855173B2
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衛 佐和橋
英浩 安藤
義則 三木
健一 樋口
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、スペクトル拡散を用いた符号分割多元接続
(CDMA:Code Division Multiple Access)システムの信
号受信に使用されるCDMA復調装置に係り、特に、セルラ
構成を用いた移動通信システムに好適なCDMA復調装置に
関する。
背景技術 DS(Direct Sequence)−CDMAは、複数のユーザが同
一の周波数帯を用いて通信を行う方式であり、各ユーザ
の識別は拡散符号で行う。各ユーザの拡散符号として
は、Gold符号のような拡散符号が用いられる。他ユーザ
による干渉信号電力は、受信機の逆拡散の過程で平均拡
散率(PG)分の1になる。しかしながら、各ユーザは、
特に、移動通信の上りの非同期環境下において、独立の
フェージングによる瞬時変動、短区間変動、および距離
変動を受ける。
したがって、システムで決まる所望の受信品質を、各
ユーザが受信側で満足するためには、送信電力制御を行
い、基地局の受信機入力におけるSIR(Signal−to−Int
erference Ratio)を一定にする必要がある。ここで、S
IRとは,各ユーザが他のユーザから受ける干渉信号電力
に対する希望波受信信号電力の比である。しかしなが
ら、たとえ送信電力制御が完全で、基地局受信機入力に
おけるSIRが一定に保持されたとしても、移動通信のマ
ルチパス環境下においては、拡散符号が完全に直交する
ことはない。このため、他のユーザ一人あたり、平均で
拡散率分の1の電力の相互相関に起因する干渉を受け
る。
このように、同一の周波数帯で通信するユーザ数が増
加するにしたがって、干渉信号電力レベルが増加するた
め、1セル当たりのユーザ容量を増加させるためには、
他ユーザからの相互相関を低減する干渉キャンセル技術
が必要である。
干渉キャンセル技術としては、マルチユーザ型干渉キ
ャンセラとシングルユーザ型干渉キャンセラとが知られ
ている。マルチユーザ型干渉キャンセラは、自チャネル
の希望波信号を復調するだけでなく、他ユーザの拡散符
号情報および受信信号タイミングも用いて、他ユーザの
信号も同時に復調する。一方、シングルユーザ型干渉キ
ャンセラは、自チャネルの拡散符号のみを用いて、他ユ
ーザからの平均的な相互相関および雑音成分を最小にす
る。
マルチユーザ型干渉キャンセラとしては線形処理型
(デコリレータ等)と非線形処理型がある。デコリレー
タは、自チャネルの拡散符号および受信機入力の他の全
ての拡散符号の相互相関を計算し、相互相関から構成さ
れる行列の逆行列を求め、この逆行列を用いてマッチト
フィルタの出力信号を補償することにより相互相関を除
去する。ユーザの数をK、各ユーザの受信パス数をLk、
相互相関の伝搬を考慮すべき過去、未来のシンボル数を
Mとすると、デコリレータの行列の次元Dmは、次式で与
えられる。
このため、ユーザ数が多くなるに従い、回路規模が増
大して、実現が困難になる。
非線形型マルチユーザ型干渉キャンセラとして、レプ
リカ再生型の干渉キャンセラがある。これは、他のユー
ザのチャネルからの干渉信号を復調、判定して、送信情
報データレプリカを再生し、このレプリカから各チャネ
ルの干渉信号レプリカを計算し、その干渉信号レプリカ
を受信信号から差し引いて、希望波信号に対するSIRを
高めて希望波信号を復調するものである。
図1は、文献“Serial interference cancellation m
ethod for CDMA",IEE,Electronics Letters Vol.30,No.
19,pp.1581−1582,Sept.1994に提案されているレプリカ
再生型のマルチステージ干渉キャンセラ(シリアル干渉
キャンセラ)を示す。
図1において、11は拡散信号入力端子、12,16は遅延
器、13,17はマッチトフィルタ、14,18は再拡散部、15は
干渉減算器である。シリアルキャンセラは、干渉キャン
セル部を複数ステージ、縦続接続した構成を有し、各ス
テージの干渉キャンセル部は、復調すべきM人のユーザ
に対して、順番に、復調、干渉信号レプリカの生成を行
う。
受信機は、まず、受信信号を、受信信号レベルの大き
い順番に並べ換える。説明上、並べ換えた後の信号に1
からM番目までのシリアル番号をふり、番号1の受信信
号のレベルが最も大きいとする。第1ステージの干渉キ
ャンセル部は、この1番目の受信信号について、マッチ
トフィルタ13で、逆拡散、復調およびデータ判定を行
い、その結果得られた再生データをD1 (1)とする。再拡
散部14は、再生データD1 (1)からこのチャネルの干渉信
号レプリカS1 (1)を計算する。干渉減算器15は、遅延器1
6を通した受信信号Sからこの干渉信号レプリカS1 (1)
差し引く。マッチトフィルタ17は、引き算で得られた信
号に対して、ユーザ2の拡散符号レプリカを用いて、逆
拡散、復調およびデータ判定を行い、ユーザ2の再生デ
ータD2 (1)を求める。ユーザ2のマッチトフィルタ入力
信号は受信信号Sから直接逆拡散する場合に比較して、
ユーザ1の干渉信号レプリカS1 (1)を差し引いた分だ
け、SIRが向上している。
ユーザ2に対しても、同様に、再生データから干渉信
号レプリカS2 (1)を求める。ユーザ3のマッチトフィル
タ入力信号は遅延器を通した受信信号Sからユーザ1お
よび2の干渉信号レプリカ差し引く。これによって、以
降のユーザに対して、さらに受信SIRを高めることがで
きる。以下、M番目のユーザの受信信号の逆拡散時に
は、合計(M−1)人のユーザの干渉信号レプリカS1
(1)+S2 (1)+…+SM-1 (1)を、受信信号Sから差し引い
た信号を生成するため、受信信号Sよりも大幅にSIRが
増大する。この結果、M番目のチャネルの復調信号の信
頼性が向上する。
この第1ステージの干渉キャンセル部で推定した、各
ユーザの干渉信号レプリカS1 (1),S2 (1),…,SM-1 (1)を用
いて、第2ステージの干渉キャンセル部で同様の逆拡
散、復調、データ判定および再拡散の処理を行う。例え
ば、ユーザ1については、受信信号Sから第1ステージ
の干渉キャンセル部で求めたユーザ1以外の干渉信号レ
プリカS2 (1)+S3 (1)+…+SM (1)を差し引いて、SIRが良
好な信号を生成し、この信号に対して、逆拡散、復調お
よびデータ判定を行う。他の各チャネルについても、同
様に処理する。すなわち、自チャネル以外のチャネルの
第1ステージにおける干渉信号レプリカを、受信信号S
から差し引いて得た信号に対して、逆拡散、復調および
データ判定を行い、この再生データから、第2ステージ
の干渉キャンセル部における、各チャネルの干渉信号レ
プリカS1 (2),S2 (2),…,SM (2)を求める。
第2ステージの干渉キャンセル部における干渉信号レ
プリカの精度は、前ステージにおける干渉信号レプリカ
に比較して向上している。これは、前ステージでの干渉
信号レプリカを差し引いた信号を基に、データ再生を行
っているためである。シリアル干渉キャンセルを、数ス
テージ繰り返すことによって、再生データの信頼性をさ
らに向上させることができる。
移動通信環境下においては、移動局と基地局との相対
位置の変化に伴うレイリーフェージングよって、振幅変
動および位相変動が生じる。図1のマルチステージ型干
渉キャンセラ(シリアル型干渉キャンセラ)では、干渉
信号レプリカを生成する過程でこの位相・振幅変動を推
定する必要がある。このチャネル(位相;振幅)推定精
度がマルチステージ型干渉キャンセラの受信特性に大き
く影響するが、先の文献ではこの点の実現性については
言及されていない。先の文献のシリアル干渉キャンセラ
は、移動通信環境下における伝送路変動の推定を付加し
た方法として、文献、深澤ら、「パイロット信号を用い
た伝送路推定に基づく干渉キャンセラの構成とその特
性」、電子情報通信学会論文誌Vol.J77−B−II No.11,
pp.628−640 1994年11月がある。
図2Aおよび2Bは、この文献に示されたシリアルキャン
セラのブロック図である。また、図3は、この方法にお
けるチャネル構成を示す。
図2Aおよび2Bにおいて、21は拡散信号入力端子、22は
ユーザ1の第1ステージの再生データ出力端子、23は遅
延器、24はパイロットチャネル伝送路変動推定部、25は
干渉減算器、26はユーザ2の第1ステージの干渉キャン
セルユニット、27はユーザ1の第2ステージの干渉キャ
ンセルユニット、28はマッチトフィルタ、29は伝送路変
動補償部、30はRAKE合成部、31はデータ判定部、32は信
号分配部、33は伝送路変動付加部、34は再拡散部であ
る。
このシステムは、図3に示すように、通信チャネルと
並列に、送信パターン既知のパイロットチャネルを備え
ており、このパイロットチャネルの受信位相を基に伝送
路推定を行う。また、このパイロットチャネルの伝送路
推定に基づいて、各ユーザの各パスの受信信号の振幅、
位相推定を行う。さらに、この振幅、位相推定値を用い
て、シリアル干渉キャンセル部で数ステージの干渉キャ
ンセルを行って、各ユーザのデータを再生する。この場
合、先の文献と同様に、各パスの受信信号電力の総和が
大きい順番にランク付けする。図2Aおよび2Bの場合、ユ
ーザ1の受信信号電力が最も大きいものとする。
第1ステージの干渉キャンセル部においては、まずユ
ーザ1について復調を行う。すなわち、ユーザ1の各パ
ス毎にマッチトフィルタ28で逆拡散を行い、伝送路変動
補償部29において、パイロットチャネルに基づいて推定
した各パスの位相変動によって、ユーザ1の各パスの位
相変動を補償する。さらに、RAKE合成部30において、位
相変動補償後の各パスの信号を、各パスの受信複素包絡
線で同相合成する。この同相合成された信号を、データ
判定部31において判定し、ユーザ1の再生データを求め
る。分配部32は、この再生データレプリカをRAKE合成時
の重みで分配し、伝送路変動付加部33は、各パスの位相
変動を与え、再拡散部34は、各パスの拡散符号で再拡散
して、ユーザ1の干渉信号レプリカS1 (1)を生成する。
ユーザ2については、次のような処理を行う。まず、
遅延器35は、受信信号Sを遅延する。干渉減算器25は、
この遅延した信号から、ユーザ1の干渉信号レプリカS1
(1)を差し引く。ユーザ2の第1ステージの干渉キャン
セル部26は、干渉減算器25の出力信号に対して、各パス
毎に、逆拡散、位相補償、RAKE合成、データ判定および
干渉信号レプリカの生成を行う。この場合、ユーザ2の
干渉キャンセル部の入力信号はユーザ1の干渉信号レプ
リカが差し引かれている分だけ、受信SIRが改善されて
いる。同様に、ユーザMまで第1ステージの干渉キャン
セル部で、各ユーザ毎に再生データを推定し、干渉信号
レプリカを求める。
第2ステージの干渉キャンセル部は、第1ステージの
干渉キャンセル部で求めた干渉信号レプリカS1 (1),S2
(1),…,SM (1)を用いて、同様の処理を行う。例えば、ユ
ーザ1の第2ステージの干渉キャンセルユニット27(第
1ステージの構成要素28〜34で構成される)は、遅延器
23で遅延後の受信信号Sから、自チャネル以外のチャネ
ル干渉信号レプリカを差し引いた信号を、逆拡散するこ
とによってデータ復調を行う。
この従来方法が、前述の文献の方法と異なる点は、次
の点である。前述の方法では、例えばユーザ2につい
て、前ステージでの干渉信号レプリカS1 (1)+S3 (1)+…
+SM (1)を、全パスの干渉信号レプリカとして用いてい
る。これに対して、本文献の方法では、第2ステージに
おけるユーザ1の干渉信号レプリカとしては、S1 (2)
用いている。前ステージでの推定値S1 (1)に比較して、
本ステージのでの推定値S1 (2)の方が信頼性が高い。こ
のため、干渉信号レプリカを差し引いて得られる希望波
信号の精度も、また、これを復調して得られた判定デー
タの信頼度も向上することになる。
しかしながら、本方法は、各ユーザ毎に通信チャネル
と並列にパイロットチャネルを設け、パイロットチャネ
ルで推定したチャネルを干渉キャンセル部の各ステージ
で用いている。この場合パイロットチャネルでのチャネ
ル推定は干渉キャンセルループとは独立に行うために、
高精度にチャネル(位相、振幅)変動を推定するために
は、非常に長い時間にわたり(多くのパイロットシンボ
ルを用いて)平均化する必要があった。このように非常
に多くのパイロットシンボルを用いて平均化するには、
この間のチャネル推定値はほぼ一定であることが前提で
あり、従って、チャネル変動の速い(フェージング周波
数の大きい)環境への適用には限界がある。フェージン
グが速い場合には一定とみなせる範囲でのみ平均化が可
能であり、従って平均化シンボル数が少なければ十分な
チャネル推定精度を得ることはできない。
発明の開示 本発明は、同時ユーザの数が多く、SIRが低い環境下
において、再生データの信頼性を向上させることのでき
るCDMA復調装置を提供することを目的とする。
第1に、本発明によれば、情報レートより高速の拡散
符号によって情報データを広帯域信号に拡散して送信
し、多元接続伝送を行うCDMA(Code Division Multiple
Access)通信システムにおいて、パターン既知のパイ
ロットシンボルを受信してチャネル変動を推定し、複数
のチャネルを通して受信された各受信信号を、推定され
たチャネル変動によって補償し、補償された前記受信信
号を復調して、前記情報データを再生するCDMA復調装置
において、 前記各チャネルの各パスの受信タイミングに同期した
拡散符号を拡散符号レプリカとし、該拡散符号レプリカ
と前記各パスの受信信号との相関検出を行う相関検出器
と、 前記相関検出器の該当パスの受信電力の総和を求め
て、希望波受信信号レベルを検出する受信レベル検出器
と、 該受信レベル検出器によって検出された各ユーザの受
信信号レベルに応じて、前記ユーザの復調処理の順番を
制御するチャネルランキング部と、 該チャネルランキング部から出力された制御信号に基
づいて干渉キャンセルを行う複数ステージの干渉キャン
セラであって、前記複数ステージの各ステージにおい
て、前記パイロットシンボルを用いたチャネル変動の推
定を各チャネル毎に行い、推定されたチャネル変動によ
って該チャネルの受信信号を補償し、補償された受信信
号を再拡散して干渉信号レプリカを生成する干渉キャン
セラと を具備することを特徴とするCDMA復調装置が提供され
る。
上記CDMA復調装置において、前記複数ステージの第i
(iは2以上の整数)ステージの干渉キャンセラは、第
(i−1)ステージの干渉キャンセラで推定した各ユー
ザの干渉信号レプリカを入力とし、該第iステージの干
渉キャンセラで推定した各ユーザの干渉信号レプリカ
を、第(i+1)ステージの干渉キャンセラに供給する
ようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記各ステージの各干渉
キャンセラは、前記干渉信号レプリカを生成するサブ干
渉キャンセラをユーザ毎に具備し、前記第iステージの
干渉キャンセラの第k(k=1,2,…,Mのいずれか)番目
のユーザのサブ干渉キャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レ
プリカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにお
ける干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
(k+1),…,(M−1)およびM番目のユーザの干
渉信号レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キ
ャンセラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から
差し引く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボル
のチャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロッ
トシンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信
号中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、
各前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル
変動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定した
チャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動
補償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信
信号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部
と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チ
ャネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を
与えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号
を、各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散
する再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユー
ザの干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記相関検出器は、複数
のマッチトフィルタからなるようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記相関検出器は、複数
のスライディング・コリレータからなるようにしてもよ
い。
上記CDMA復調装置において、前記パイロットシンボル
は、前記情報データの間に周期的に挿入されたようにし
てもよい。
上記CDMA復調装置において、前記各ステージの干渉キ
ャンセラは、1つの前記サブ干渉キャンセラと、前記各
ステージの各ユーザの干渉信号レプリカを格納するメモ
リとから構成され、前記サブ干渉キャンセラを時分割で
使用するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記干渉キャンセラは、
少なくとも隣接する2つのパイロット信号区間を含む一
定時間単位のブロックを処理単位とし、前記サブ干渉キ
ャンセラは、さらに、前記パイロット信号区間の外側の
情報シンボルについては、該情報シンボルに最も近い位
置の前記パイロットシンボルを外挿して、前記情報シン
ボルのチャネル変動を求める外挿部を具備するようにし
てもよい。
上記CDMA復調装置において、第i(iは2以上の整
数)ステージの干渉キャンセラの第k番目のユーザのサ
ブ干渉キャンセラの第j(jは1から、前記RAKE合成の
パス数Lkまでの整数)番目のパスの相関検出器の入力側
に、第(i−1)ステージにおける第k番目の通信者の
第j番目のパス以外の干渉信号レプリカを、前記干渉減
算器の出力信号から差し引く減算器を設けたようにして
もよい。
上記CDMA復調装置において、前記サブ干渉キャンセラ
は、さらに、 前記相関検出器から出力された逆拡散後の各パスの受
信信号の電力を求める受信信号電力検出器と、 前記各パスの受信信号電力を加算する加算器と、 前記加算器の出力から同相成分および直交成分の振幅
を検出する振幅変換器と、 前記振幅変換器の出力信号を平均化する平均化部と、 前記平均化部の出力を前記判定データに乗算する乗算
器と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、第1ステージの前記干渉
キャンセラは、 前記受信信号レベルの大きい方からK(Kは2以上で
拡散率PG以下の整数)のユーザの各パスの信号を入力ベ
クトルとして、互いに干渉除去された逆拡散出力ベクト
ルを得る逆相関フィルタと、 前記逆相関フィルタから出力されたKのユーザの送信
データを推定し、各ユーザの推定干渉量を生成する絶対
同期検波・干渉生成部とを具備し、 前記干渉キャンセラは、前記Kのユーザの干渉信号レ
プリカとしては、前記絶対同期検波・干渉生成部から出
力された干渉信号レプリカを用い、残りの(M−K)の
ユーザの各干渉信号レプリカを生成するようにしてもよ
い。
上記CDMA復調装置において、前記複数ステージの第i
(iは2以上の整数)ステージの干渉キャンセラは、第
(i−1)ステージの干渉キャンセラで推定した各ユー
ザの干渉信号レプリカを入力とし、該第iステージの干
渉キャンセラで推定した各ユーザの推定干渉量を、第
(i+1)ステージの干渉キャンセラに供給するように
してもよい。
上記CDMA復調装置において、前記第1ステージの干渉
キャンセラは、第(K+1)番目以降のユーザ毎に、前
記推定干渉量を生成するサブ干渉キャンセラを具備し、
第k(k=(K+1),(K+2),…,Mのいずれか)
番目のユーザのサブ干渉キャンセラは、 第1,2,…K番目のユーザの推定干渉量として、前記逆
相関フィルタから出力された干渉信号レプリカを前記受
信信号から差し引き、かつ第(K+1),…,(k−
1)番目のユーザの推定干渉量として、前記第1ステー
ジの干渉キャンセラにおける干渉信号レプリカを前記受
信信号から差し引く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボル
のチャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロッ
トシンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信
号中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、
各前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル
変動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定した
チャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動
補償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信
信号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部
と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チ
ャネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を
与えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号
を、各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散
する再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユー
ザの干渉信号レプリカを生成する加算器とを具備し、 第2ステージ以降の各前記干渉キャンセラは、前記干
渉信号レプリカを生成するサブ干渉キャンセラをユーザ
毎に具備し、前記第iステージの干渉キャンセラの第k
(k=1,2,…,Mのいずれか)番目のユーザのサブ干渉キ
ャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レ
プリカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにお
ける干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
(k+1),…,(M−1),M番目のユーザの干渉信号
レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キャンセ
ラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引
く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボル
のチャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロッ
トシンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信
号中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、
各前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル
変動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定した
チャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動
補償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信
信号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部
と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チ
ャネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を
与えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号
を、各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散
する再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユー
ザの干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記相関検出器は、複数
のマッチトフィルタからなるようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記相関検出器は、複数
のスライディング・コリレータからなるようにしてもよ
い。
上記CDMA復調装置において、前記パイロットシンボル
は、前記情報データの間に周期的に挿入されたようにし
てもよい。
上記CDMA復調装置において、前記各ステージの干渉キ
ャンセラは、1つの前記サブ干渉キャンセラと、前記各
ステージの各ユーザの干渉信号レプリカを格納するメモ
リとから構成され、前記サブ干渉キャンセラを時分割で
使用するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記絶対同期検波・干渉
生成部は、 前記逆相関フィルタの出力信号中の前記パイロットシ
ンボルのチャネル変動を各ユーザの各パス毎に推定し、
推定したパイロットシンボルのチャネル変動を、前記逆
相関フィルタの出力信号中の前記情報データの各シンボ
ル位置に内挿補間し、各前記情報シンボルのチャネル変
動を推定するチャネル変動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定した
チャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動
補償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信
信号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部
と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チ
ャネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を
与えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号
を、各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散
する再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユー
ザの干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置は、さらに、 前記相関検出器の出力のSIRを測定するSIR測定部と、 前記干渉キャンセラの出力信号の受信品質を測定する
受信品質測定部と、 測定された前記受信品質、および所要受信品質に基づ
いて、目標SIRを設定する目標SIR設定部と、 前記SIR測定部から出力されたSIRを、前記目標SIRと
比較して、送信電力制御信号を生成する送信電力制御信
号生成部と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記目標SIR設定部は、
同時通信者数に応じて、前記目標SIRの初期値を設定す
るようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記受信品質測定部は、
フレーム誤り率を測定する誤り率測定部と、該フレーム
誤り率を予め定めたフレーム誤り率のしきい値と比較し
て、前記受信品質を判定する手段とを具備するようにし
てもよい。
上記CDMA復調装置において、前記受信品質測定部は、
前記パイロットシンボルのビット誤り率を測定する誤り
率測定部と、該ビット誤り率を予め定めたビット誤り率
のしきい値と比較して、前記受信品質を判定する手段と
を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記相関検出器は、マッ
チトフィルタであるようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記干渉キャンセラは、
前記マッチトフィルタからの出力信号から、各チャネル
毎に、各パスの逆拡散信号からなる受信ベクトルを生成
する受信ベクトル生成部と、自チャネルの拡散符号、お
よび受信機入力の他の全ての拡散符号の相互相関を計算
し、相互相関から構成される行列の逆行列を生成する相
互相関逆行列生成部と、前記逆行列によって、前記受信
ベクトルを補償して、各受信ベクトル間の相互相関を除
去し干渉を除去する行列ベクトル乗算部とを具備するよ
うにしてもよい。
第2に、本発明によれば、情報レートより高速の拡散
符号によって情報データを広帯域信号に拡散して送信
し、多元接続伝送を行うCDMA(Code Division Multiple
Access)通信システムにおいて、パターン既知のパイ
ロットシンボルを受信してチャネル変動を推定し、複数
のチャネルを通して受信された各受信信号を、推定され
たチャネル変動によって補償し、補償された前記受信信
号を復調して、前記情報データを再生するCDMA復調装置
において、 前記各チャネルの各パスの受信タイミングに同期した
拡散符号を拡散符号レプリカとし、該拡散符号レプリカ
と前記各パスの受信信号との相関検出を行う相関検出器
と、 前記相関検出器の該当パスの受信電力の総和を求め
て、希望波受信信号レベルを検出する受信レベル検出器
と、 該受信レベル検出器によって検出された各ユーザの受
信信号レベルに応じて、前記ユーザの復調処理の順番を
制御するチャネルランキング部と、 前記チャネルランキング部から出力された制御信号に
よって決められた順番にしたがって、各ユーザに対し
て、前記受信信号を逆拡散し、逆拡散された信号を再拡
散し、再拡散によって得られた他ユーザの干渉信号レプ
リカを当該ユーザの受信信号から差し引く複数ステージ
の干渉キャンセラと、 前記複数ステージの内の最終ステージの干渉キャンセ
ラにおいて、他ユーザの干渉量を差し引いた後の信号中
の前記パイロットシンボルを用いてチャネル変動を推定
し、推定されたチャネル変動を用いて前記情報データを
補償し、補償された情報データの絶対同期検波を行うパ
イロット内挿補間・絶対同期検波部と を具備することを特徴とするCDMA復調装置が提供され
る。
上記CDMA復調装置において、前記複数ステージの第i
(iは2以上の整数)ステージの干渉キャンセラは、第
(i−1)ステージの干渉キャンセラで推定した各ユー
ザの干渉信号レプリカを入力とし、該第iステージの干
渉キャンセラで推定した各ユーザの干渉信号レプリカ
を、第(i+1)ステージの干渉キャンセラに供給する
ようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記各ステージの各干渉
キャンセラは、前記干渉信号レプリカを生成するサブ干
渉キャンセラをユーザ毎に具備し、前記第iステージの
干渉キャンセラの第k(k=1,2,…,Mのいずれか)番目
のユーザのサブ干渉キャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レ
プリカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにお
ける干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
(k+1),…,(M−1)およびM番目のユーザの干
渉信号レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キ
ャンセラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から
差し引く干渉減算器と、 前記干渉減算器の出力信号と、前記各パスの受信タイ
ミングに同期した拡散符号レプリカとの間の相関検出を
行い、前記各パス毎の逆拡散信号を求めるマッチトフィ
ルタと、 前記各パス毎の逆拡散信号を、前記各パスの受信タイ
ミングに同期した拡散符号で拡散し、前記各ユーザのパ
スの干渉信号レプリカを推定し、推定された前記干渉信
号レプリカを加算して各ユーザの干渉信号レプリカを生
成する再拡散・合成部と を具備するようにしてもよい。
上記CDMA復調装置において、前記パイロットシンボル
は、前記情報データの間に周期的に挿入されたようにし
てもよい。
上記CDMA復調装置において、前記各ステージの干渉キ
ャンセラは、1つの前記サブ干渉キャンセラと、前記各
ステージの各ユーザの干渉信号レプリカを格納するメモ
リとから構成され、前記サブ干渉キャンセラを時分割で
使用するようにしてもよい。
本発明によれば、各ステージの各チャネル毎に、パイ
ロット信号を用いてチャネル変動を推定している。言い
換えれば、パイロット信号を用いたチャネル変動の推定
部と、各ステージの各チャネルの干渉キャンセラループ
の中に含めた構成とした。この結果、干渉キャンセラの
各ステージにおいて、干渉信号レプリカの精度が順次向
上し、各チャネル変動の推定精度も向上する。したがっ
て、ユーザ数の多い場合の干渉キャンセル効果が向上す
る。
また、SIRが低い第1ステージの一部のユーザに対し
て、逆相関フィルタにより干渉除去し、SIRを向上させ
てから復調処理を行うことによって、判定データおよび
干渉信号レプリカの精度が向上する。後続する干渉キャ
ンセラは、この判定データおよび干渉信号レプリカを用
いて、干渉キャンセル処理を行うため、チャネル変動の
推定精度が向上する。
SIRが低いランキングの大きい最初の数ユーザについ
てデコリレータを用いて干渉低減を行い、干渉を低減し
た信号に対してパイロットシンボルを用いたチャネル推
定を行うことにより、この数ユーザ分について推定精度
をさらに向上させることができる。
また、受信側において、マルチユーザ型干渉キャンセ
ラの出力側で通信品質を測定し、この受信品質情報をSI
R測定のSIRしきい値に帰還して補正することにより、マ
ッチトフィルタ出力信号でSIR−定型クローズドループ
送信電力制御を行うことによって、干渉低減された信号
のSIRに基いた送信電力制御信号を、制御遅延の増大を
伴うことなく達成することができる。
図面の簡単な説明 図1は、従来のCDMA復調装置における、マルチステー
ジ干渉キャンセラの構成を示すブロック図である。
図2Aおよび2Bは、従来の他のマルチステージ干渉キャ
ンセラの構成を示すブロック図である。
図3は、図2Aおよび2Bの装置で使用される従来のチャ
ネル構成を示す概念図である。
図4は、本発明によるCDMA復調装置の第1実施例の全
体構成を示すブロック図である。
図5Aおよび5Bは、図4に示すCDMA復調装置のマルチス
テージ干渉キャンセラを示すブロック図である。
図6は、第1実施例において使用されるフレーム構成
を示す概念図である。
図7は、第1実施例における、パイロット信号を用い
た情報データ位相誤差補償方法を説明するためのベクト
ル図である。
図8および9は、第1実施例におけるマルチステージ
干渉キャンセラの効果を示すグラフである。
図10は、本発明によるCDMA復調装置の第2実施例にお
いて使用される干渉キャンセラを示すブロック図であ
る。
図11は、本発明によるCDMA復調装置の第3実施例の干
渉キャンセラにおいて、各ユーザの干渉レプリカを生成
するための、チャネル変動推定部およびチャネル変動補
償部の構成を示すブロック図である。
図12は、第3実施例における干渉レプリカの生成方法
を説明するための概念図である。
図13は、第3実施例における干渉レプリカ生成のため
の、チャネル変動の推定方法を説明するためのベクトル
図である。
図14は、本発明によるCDMA復調装置の第4実施例にお
ける、第2ステージ以降のマルチステージ干渉キャンセ
ラの、第k番目のユーザのICU(干渉キャンセルユニッ
ト)を示すブロック図である。
図15は、本発明によるCDMA復調装置の第5実施例にお
ける、第2ステージ以降のマルチステージ干渉キャンセ
ラの、第k番目のユーザのICUを示すブロック図であ
る。
図16Aおよび16Bは、本発明によるCDMA復調装置の第6
実施例における、第1ステージの干渉キャンセラを示す
ブロック図である。
図17Aおよび17Bは、本発明によるCDMA復調装置の第7
実施例における、マルチステージ干渉キャンセラを示す
ブロック図である。
図18Aおよび18Bは、本発明によるCDMA復調装置の第8
実施例の全体構成を示すブロック図である。
図19Aおよび19Bは、第8実施例におけるマルチステー
ジ干渉キャンセラを示すブロック図であり、図19Bの破
線で囲んだ部分は、第8実施例の変形例を示す。
図20は、本発明によるCDMA復調装置の第9実施例にお
ける、マルチステージ干渉キャンセラおよびパイロット
内挿補間・RAKE合成絶対同期検波部を示すブロック図で
ある。
図21は、フェージングの速さに対する、クローズドル
ープ送信電力制御の誤差を示すグラフである。
図22は、本発明によるCDMA復調装置に、送信電力制御
を適用した実施例を示すブロック図である。
図23Aおよび23Bは、図22の受信品質測定部の構成を示
すブロック図である。
図24は、図22のマッチトフィルタ出力における受信電
力と、干渉キャンセラ出力における受信電力とを比較し
て示した概念図である。
図25は、本発明によるCDMA復調装置に、送信電力制御
を適用した他の実施例を示すブロック図である。
図26は、本発明によるCDMA復調装置に、送信電力制御
を適用したさらに他の実施例を示すブロック図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明
する。
実施例1 図4は、本発明によるCDMA復調装置の第1実施例の全
体構成を示すブロック図、図5Aおよび5Bは、このCDMA復
調装置の第1ステージおよび第2ステージの干渉キャン
セル部の構成を示すブロック図、図6は、本発明を適用
したCDMA通信システムのフレーム構成を示す概念図であ
る。
本発明を適用したシステムのフレームは、図6に示す
ように、パターン既知のパイロット信号を、数シンボル
単位で、情報信号の間に一定周期で挿入した構成であ
る。
このシステムの受信側は、図4に示すように、チャネ
ル1−Nに対応して設けられたマッチトフィルタ103お
よび受信レベル検出器104と、チャネルランキング部105
と、第1−第Hステージの干渉キャンセル部106〜108と
から構成されている。マッチトフィルタ103は、各チャ
ネルの各パスにおいて、受信タイミングに同期した拡散
符号を拡散符号レプリカとして、該拡散符号レプリカと
受信信号との相関検出を行う。受信レベル検出器104
は、マッチトフィルタ103から出力される各パスの受信
電力の総和を各チャネル毎にとって、希望波受信信号レ
ベルを検出する。チャネルランキング部105は、各ユー
ザの受信信号レベルに応じて、受信機入力のユーザの復
調処理の順番を制御するチャネルランキング情報を出力
する。干渉キャンセル部106〜108は、チャネルランキン
グ情報に応じて、受信レベルの高いユーザから順番に復
調処理を行うとともに、前ステージの干渉キャンセル部
で推定された、各ユーザの干渉信号レプリカを入力と
し、各ユーザの新たな干渉信号レプリカを出力する。
図5Aおよび5Bは、それぞれ、干渉キャンセル部106お
よび107の構成を示す。
干渉キャンセル部106の入力端201に供給された受信拡
散信号Sは、遅延器202,203(203−2 − 203−
M)、および干渉キャンセルユニット(以下、ICUと呼
ぶ)210−1に供給される。遅延器202の出力は、第2ス
テージの干渉キャンセル部107に供給される。また、各
遅延器203の出力は、第2−第Mチャネルの各干渉減算
器204(204−2 − 204−M)に供給される。これら
の遅延器203は、処理タイミングを合わせるためのもの
である。第k(k=2,…,M)番目のユーザの干渉減算器
204−kは、第1,2,…,(k−1)番目のユーザの当干
渉キャンセル部での干渉信号レプリカと、第(k+
1),…,(M−1),M番目のユーザの前ステージの干
渉キャンセル部での干渉信号レプリカとを、入力信号か
ら差し引く。
ICUは、ユーザ数×ステージ数分設けられている。そ
の構成を、第1ステージのユーザ1のICU210−1を例に
とって説明する。ICU210−1は、マルチパスの各パス毎
に設けられたマッチトフィルタ211、パイロットシンボ
ルチャネル変動推定部(PCHEと呼ぶ)212およびチャネ
ル変動補償部213と、RAKE合成部214と、データ判定部21
5と、各パス毎に設けられたチャネル変動付加部216およ
び再拡散部217と、加算器218とから構成されており、加
算器218の出力(チャネル変動推定値)が出力端子219か
ら出力される。
マッチトフィルタ211は、各パス毎に、受信拡散信号
と拡散符号レプリカとの相互相関をとり、逆拡散信号を
出力する。PCHE212は、各パス毎に、逆拡散信号中の各
シンボルの、伝送路における変動を推定する。すなわ
ち、各パス毎に、パイロットシンボルによって推定した
伝送路変動を、その間の情報シンボル位置に内挿補間
し、各情報シンボルにおける伝送路変動を推定する。チ
ャネル変動補償部213は、各パス毎に、推定された位相
変動を補償する。RAKE合成部214は、各チャネル変動補
償部213の出力信号を、各パスの受信電力の大きさに応
じて重み付け合成する。データ判定部215は、RAKE合成
部214の出力信号を判定し、判定データを出力する。チ
ャネル変動付加部216は、データ判定部215から出力され
た各パスの信号は、PCHE212から出力された位相変動を
与える。再拡散部217は、チャネル変動付加部216から出
力された各パスの信号を、各パスの受信タイミングに同
期して拡散符号で再拡散する。加算器218は、このユー
ザの各パスの推定受信信号の総和をとって、このユーザ
の受信信号レプリカS1 (1)を生成する。受信信号レプリ
カS1 (1)は、他のチャネルにとっては干渉となるので、
干渉信号レプリカと呼ぶことができる。この干渉信号レ
プリカS1 (1)は、ユーザ2の減算器204−2に供給され、
遅延器203−2によって遅延された受信拡散信号Sから
減算される。このため、第2ユーザのICU210−2は、干
渉量が軽減された信号に対して、干渉キャンセル処理を
行うことになる。本ステージの他のICU210も同様の構成
を有している。また、他の干渉キャンセル部107および1
08も同様の構成である。
本実施例の動作を説明する。マッチトフィルタ103
は、各ユーザの各パス毎に対応する拡散符号をレプリカ
として、受信機入力信号を逆拡散する。受信レベル検出
器104は、各ユーザ毎に、RAKE合成すべきマルチパスの
マッチトフィルタ相関出力値を加算することによって、
各ユーザ毎に受信信号電力を求める。チャネルランキン
グ部105は、受信信号電力レベルの大きいユーザから順
番にランク付けを行い、チャネルランキング情報を出力
する。
シリアルキャンセル部106〜108は、ランクの上のユー
ザから順番に復調処理を行う。第1ステージの干渉キャ
ンセル部106の動作は、次の通りである。
ICU210−1は、ユーザ1の干渉信号レプリカS1 (1)
生成する。まず、マッチトフィルタ211は、各パス毎
に、受信拡散信号Sを逆拡散する。PCHE210は、図6に
示すパイロットシンボルで挟まれた情報ビット毎に、パ
イロットシンボルにおける受信位相を内挿補間して、各
情報シンボルの伝送路位相変動を求める。
図7は、パイロットシンボルの内挿補間による、情報
シンボルの伝送路変動の推定方法を示す。図7の横軸は
パイロットシンボルおよび情報シンボルの同相成分の大
きさを示し、縦軸はそれらの直交成分の大きさを示す。
PiおよびPi+1は、各パイロットシンボル区間で平均化し
て求めたパイロットシンボルの受信位相ベクトルを示
す。破線L1は、パイロットシンボルの受信位相ベクトル
PiおよびPi+1を、情報シンボル区間に線形内挿補間して
得られた直線である。ベクトルS1,S2,...は、この内挿
補間によって推定した、各情報シンボルの受信位相ベク
トルを示す。曲線C1は、伝送路変動にともなう各シンボ
ルの実際の受信位相ベクトルの終点の軌跡を示す。図7
に示すように、各パイロットシンボル区間における受信
位相ベクトルを、それらの間の各情報シンボルの位置に
まで線形内挿補間することによって、情報シンボルの受
信位相ベクトルを推定することができる。本実施例で
は、このようなパイロットシンボルによる位相変動の推
定を、マルチステージ干渉キャンセラの、各ステージの
各ユーザの各パス毎に行っている。なお、パイロットシ
ンボルの挿入間隔は、伝送路の位相変動に追従できるよ
うに決定する。
チャネル変動補償部213は、得られたチャネル位相変
動推定値を用いて、情報シンボルの位相補償を行う。RA
KE合成部214は、位相補償された各パスの信号を、各パ
スの受信電力を重みとしてRAKE合成する。データ判定部
215は、RAKE合成された信号を、識別・判定して再生デ
ータレプリカを生成する。チャネル変動付加部216は、
判定データに、各パスの推定位相変動を付加する。再拡
散部217は、チャネル変動付加部216の出力を、各パスの
受信タイミングに同期した拡散符号で再拡散して、各パ
スの干渉信号レプリカを求める。加算器218は、各パス
の干渉信号レプリカの総和を求めることによって、ユー
ザ1の干渉信号レプリカS1 (1)を求める。
次に、ユーザ2についての処理を説明する。干渉減算
器204−2は、受信拡散信号Sからユーザ1の干渉信号
レプリカS1 (1)を差し引く。ICU210−2は、ICU210と同
様にして、ユーザ2の干渉量S2 (1)を推定する。この場
合、ユーザ2のICU210−2への入力信号は、受信拡散信
号Sと比較して、SIR(Signal−to−Interference rati
o)が向上している。これは、受信信号Sからユーザ1
の干渉信号レプリカS1 (1)を差し引いているためであ
る。同様に、第k番目のユーザのICUへの入力信号は、
第1−第(k−1)番目のユーザの干渉信号レプリカ
(受信信号レプリカ)を差し引くため、SIRを順次に高
めることができる。以下、第M番目のユーザまでの各ユ
ーザに対して、その直前のユーザまでの干渉信号レプリ
カの総和を差し引いた信号に対してデータ復調処理を行
う。
第2ステージの干渉キャンセル部107は、第1ステー
ジの干渉キャンセル部106と同様に、ユーザ1から順次
復調処理を行う。すなわち、ユーザ1のICU230−1は、
処理遅延を考慮した受信信号Sdから第1ステージにおけ
る他のユーザの干渉信号レプリカの総和、S2 (1)+S3 (1)
+…+SM (1)を差し引いた信号について、ICU210−1と
同様にして、ユーザ1の干渉信号レプリカを求める。
第2ステージのユーザ2のICU230−2も、第2ステー
ジで求めた第1ユーザの干渉信号レプリカと、第1ステ
ージで求めた第3ユーザから第Mユーザまでの干渉信号
レプリカとの総和、S1 (2)+S3 (1)+…+SM (1)を受信信
号Sdから差し引いた信号に対して、同様の処理を行い、
第2ユーザの干渉信号レプリカを求める。さらに、第M
ユーザのICU230−Mも、第2ステージで推定した他のユ
ーザの干渉信号レプリカの総和、S1 (2)+S2 (2)+…+S
M-1 (2)を受信信号Sdから差し引いた信号に対して、同様
の処理を行い、第Mユーザの干渉信号レプリカを求め
る。
言い換えれば、第kユーザは、自分よりもランキング
の高い(すなわち、受信信号レベルが大きい)ユーザに
ついては、当該ステージでの干渉信号レプリカを用い、
自分よりもランキングの低いユーザについては、1ステ
ージ前の干渉キャンセル部で生成された干渉信号レプリ
カを用いて、干渉信号レプリカの算出を行う。
本実施例が従来技術と異なる点は、各ステージの各ユ
ーザ毎に、各パスの位相推定を行う点である。この方法
によれば、干渉キャンセル部のステージを1段経過する
毎に、各ユーザの干渉信号レプリカの精度が向上する。
この結果、受信信号から他ユーザの干渉信号レプリカを
差し引いた推定誤差が減少し、位相変動の推定精度も改
善される。
なお、本実施例においては、逆拡散手段としてマッチ
トフィルタを用いたが、各パス数分のスライディング相
関器でシリアルキャンセラを構成しても、同等の特性を
得ることができる。
図8は、本実施例によるCDMA復調装置における平均ビ
ットエラーレートを、従来装置のものと比較して示した
グラフである。このグラフにおいて、横軸は、Eb/No(e
nergy per bit to noise spectral density)を示し、
縦軸は、平均ビット誤り率を示している。従来装置は、
図7に示すように、逆拡散して得たパイロットシンボル
を情報シンボル区間に内挿補間して、チャネル変動を推
定している点は、本発明と同様である。しかしながら、
本発明が、干渉キャンセル部の各ステージ毎に、各ユー
ザの各パスについてチャネル推定が逐次実行しているの
に対して、従来装置は、各ユーザの各パイロットシンボ
ル区間で得た受信ベクトルを、干渉キャンセル部の全ス
テージで共通に使用している点が異なっている。
図8のグラフから分かるように、誤り率の改善は、干
渉キャンセル部が3ステージのときにほぼ最高となり、
それ以上ステージ数を増やしても、効果はほとんど増加
しない。また、Eb/Noが10dBの付近では、本発明装置
は、従来装置に比較して、1桁近く誤り率を減らすこと
ができる。
図9は、本発明装置の平均ビット誤り率を、今回パイ
ロット区間と前回パイロット区間の間で加重平均をとっ
て、パイロットシンボルの位相推定を行う場合のものと
比較して示すグラフである。図において、αおよび(1
−α)が加重であり、黒丸が本発明の誤り率を示してい
る。図から分かるように、Eb/Noが10dBの付近では、本
発明の誤り率は、加重平均化するものと比較して、約1/
6に減少している。
実施例2 図10は、本発明によるCDMA復調装置の第2実施例の干
渉キャンセル部を示すブロック図である。この実施例が
第1実施例と異なる点は、1つのICUで、M人のユーザ
に対して、全ステージ分の処理を実行している点であ
る。すなわち、1つのICUを時分割で繰り返し使用する
ことによって、ハードウェアの簡単化を図っている点で
ある。
図10において、入力端子301に入力された受信拡散信
号Sは、メモリ303に供給される。メモリ303は、チャネ
ルランキング部105から供給されるユーザ制御信号(チ
ャネルランキング信号)の制御下で、遅延器として機能
する。すなわち、図5Aの遅延器202、203および223に対
応する。また、干渉減算器304は、図5Aの干渉減算器204
および224に対応するもので、メモリ303から読み出され
た拡散信号Sから、干渉信号レプリカメモリ305から読
み出された干渉信号レプリカを減算する。ICU310は、図
5AのICU210および図5BのICU230に対応するもので、干渉
減算器304の出力に対して、チャネル推定、RAKE合成、
および干渉信号レプリカ生成を実行し、新たな干渉信号
レプリカを出力する。こうして、ICU310は、各ユーザ、
各パスの干渉信号レプリカを順次更新し、得られた干渉
信号レプリカを干渉信号レプリカメモリ305に書き込
む。
実施例3 図11は、本発明によるCDMA復調装置の第3実施例にお
ける、ICU内のマッチトフィルタ、PCHE(パイロットシ
ンボルチャネル変動推定部)およびチャネル変動補償部
の構成を示すブロック図である。第3実施例の詳細を説
明する前に、その原理を説明する。
セルラ通信システムにおいては、基地局から移動局に
向かう下りチャネルでは、各ユーザの送信タイミングは
同期している。しかしながら、それに応答する上りチャ
ネルでは、伝搬遅延が異なるために、各ユーザの情報シ
ンボルタイミングおよび拡散符号チップタイミングが非
同期となる。
図12は、非同期チャネルにおける各ユーザのフレーム
構成を示す。図に示すように、ユーザXのパイロットシ
ンボルに対しては、ユーザYの前のパイロットブロック
内の情報シンボルの干渉がある。マルチステージ干渉キ
ャンセラでは、推定干渉レプリカは、チップ単位で生成
するからである。このため、1パイロットブロック単位
で行うマルチステージ干渉キャンセラ処理は、パイロッ
トブロックの前後の情報シンボルまで含めた時間単位で
行うことが必要となる。すなわち、図12に示すパイロッ
トブロック時間TBではなく、その前後の情報シンボルを
取り込んだ干渉キャンセル処理時間TA単位で推定干渉レ
プリカを生成する必要がある。このため、受信信号レベ
ルの平均値によるチャネルランキングや、推定干渉レプ
リカの生成などの処理は、処理時間TA毎に行わなくては
ならない。
図13は、非同期チャネルにおける干渉レプリカ生成の
ための、チャネル推定の原理を示すベクトル図である。
図13の処理が、図7の処理と異なる点は、パイロットシ
ンボルPiの外側の数シンボルについては、パイロットシ
ンボルの受信包絡線を外挿して、チャネル変動を推定し
ている点である。この外側のシンボル数は、伝搬遅延を
考慮しても数シンボルであるために、パイロットシンボ
ルのチャネル変動推定値を、パイロットシンボルの外側
の情報シンボルのチャネル推定値として採用しても大き
な誤差は生じない。これらの推定値を用いることによっ
て、パイロットシンボルの外側の情報シンボルの、拡散
信号レプリカを生成することができる。また、2つのパ
イロットシンボルで挟まれた情報シンボルについては、
図7と同様に、両側のパイロットシンボルを情報シンボ
ル区間内に内挿補間して変動推定し、情報シンボルの拡
散信号レプリカを生成する。これらの拡散信号レプリカ
を受信信号Sから差し引くことによって、上りの非同期
チャネルにおいても、マルチユーザ干渉キャンセラを構
成することができる。この方法によれば、1パイロット
ブロック時間TB間の受信信号のみをメモリに蓄積してお
けば、それより長い処理時間TAの範囲で干渉レプリカを
生成することができ、効率的なマルチユーザ干渉キャン
セラを実現できる。
図11に戻り、本実施例のICU内のPCHEおよびチャネル
変動補償部の構成を説明する。他の構成は、図5Aと同様
である。
図11において、入力端子201に印加された受信拡散信
号は、受信信号メモリ403に書き込まれる。メモリ403
は、図12の1パイロットブロック時間TB間の受信信号を
蓄積する。蓄積された受信信号は、マッチトフィルタ41
1に供給され逆拡散される。逆拡散信号は、遅延器413、
チャネル推定部415、およびパイロットフレーム同期部4
19に供給される。
チャネル推定部415は、パターン既知のパイロットシ
ンボルを逆拡散信号の中から抽出し、パイロット信号発
生部417から供給されるパイロットシンボルと、シンボ
ル毎に比較し、位相変動を推定する。この場合、パイロ
ット信号発生部417のパイロットシンボルの発生位相
は、パイロットフレーム同期部419からの信号によって
制御される。
チャネル推定部415によって推定された位相変動は、
信号化されて内挿補間部421および外挿部423に供給され
る。パイロットブロックの内側の情報シンボルについて
は、両側のパイロット区間において推定した推定値を各
情報シンボルの位置に内挿して、各情報シンボルのチャ
ネル変動を推定する。一方、パイロットブロックの外側
の情報シンボルについては、これらの情報シンボルに最
も近いパイロット区間における推定チャネル変動を、チ
ャネル変動推定値とする。上述したように、これらの情
報シンボル数は、セル半径が数kmのセルラシステムにお
ける伝搬遅延を考慮しても、数個に過ぎない。これらの
チャネル変動推定値は、フェージングひずみ補償部425
に供給され、遅延器413を通った逆拡散信号に乗算さ
れ、そのチャネル変動が補償される。
このような処理が、このユーザの各パスについて行わ
れ、チャネル変動補償された各パスの逆拡散信号がRAKE
合成部430に供給される。RAKE合成された信号は、デー
タ判定部440によって判定される。
この実施例によれば、上りの非同期チャネルにおいて
も、一定時間単位のブロック処理で、マルチステージの
干渉キャンセル処理が可能となる。この実施例では、ブ
ロック間で干渉レプリカ情報のやりとりをする必要がな
いため、装置の簡単化を図ることができる。
実施例4 図14は、本発明によるCDMA復調装置の第4実施例の、
第2ステージ以降の干渉キャンセラのICUを示すブロッ
ク図である。この実施例は、自チャネルのマルチパス信
号による干渉レプリカをも除去するものである。
移動通信環境下では、建物や土地からの反射によっ
て、マルチパス伝搬路が形成される。自チャネルのマル
チパス信号も、他ユーザからの信号と同様に、逆拡散時
に相互相関を生じて干渉の原因となる。上述した各実施
例のように、パイロットシンボルを用いて、各ユーザ毎
に逐次的にチャネル推定を行う構成では、第2ステージ
以降のステージのICUの入力信号には、自チャネルのマ
ルチパス信号による干渉レプリカが含まれている。
高速チップレートの広帯域DS−CDMAでは、時間分解能
が低いために、受信信号を多数のマルチパス信号に分離
でき、RAKE合成機能が効果的である。しかしながら、RA
KE合成においては、マルチパスの1パス当たりの信号電
力が低減し、自チャネルのマルチパス信号からの干渉が
無視できなくなる。したがって、マルチステージ干渉キ
ャンセラにおいては、受信信号から、他ユーザの干渉レ
プリカだけでなく、自チャネルのマルチパス信号により
干渉レプリカをも差し引いた信号を、ICU入力信号とし
て用いて、SIRをさらに向上させる必要がある。
図14は、このような考えの下に実現されたCDMA復調装
置の、第iステージ(iは2以上の整数)の第kユーザ
のICUを示す。
このICU510−kが、図5Aに示す第1実施例のICU210と
異なる点は、次の通りである。
(1)干渉レプリカ除去部505(505−1 − 505−L
k)を新たに設けた点。この干渉レプリカ除去部505は、
自チャネルのマルチパス波に起因する干渉レプリカを除
去するためのものである。
図14の干渉減算器504−kは、図5Bの干渉減算器224に
対応し、入力端子501に供給された受信拡散信号S2(受
信拡散信号Sを遅延した信号)から、他のユーザの干渉
レプリカを差し引く。すなわち、干渉減算器504−k
は、自分より前の第1から第(k−1)ユーザについて
は、本ステージiで得られた干渉レプリカを受信拡散信
号から差し引き、自分より後の第(k+1)から第Mま
でのユーザについては、1つの前の第(i−1)ステー
ジで得られた干渉レプリカを受信拡散信号から差し引
く。他ユーザの干渉レプリカが除去された受信拡散信号
S3は、干渉レプリカ除去部505に供給される。
干渉レプリカ除去部505は、自チャネルの各マルチパ
スについて、1つ前の第(i−1)ステージで得られ他
のマルチパスの干渉レプリカを、受信拡散信号S3から差
し引いて除去する。たとえば、干渉レプリカ除去部505
−1は、前の第(i−1)ステージで得られた、第2マ
ルチパス以降のすべてのマルチパスの干渉レプリカを、
受信拡散信号S3から引いて除去する。一般に、第k番目
のユーザの第Li番目のマルチパス波に関して考えると、
前ステージのICUで推定した第k番目のユーザの、Li
除くマルチパスの干渉レプリカを、受信拡散信号S3から
差し引く。こうして得られた受信拡散信号は、各パスに
対応した設けられたマッチトフィルタ211に供給され、
以後、第1実施例と同様の処理を受け、再拡散部217で
再拡散される。なお、図14において、LkはユーザkのRA
KE合成パス数である。
(2)各パスの再拡散部217の出力を、当ステージのマ
ルチパス波の干渉レプリカとして、出力端子507(507−
1 − 507−Lk)から出力する点。これらの干渉レプ
リカは、次の第(i+1)ステージに供給され、マルチ
パス波の干渉レプリカ除去に用いられる。
なお、図14のICUでは、干渉レプリカ除去部504および
505を、ICUの外側および内側にそれぞれ配置したが、こ
れに限定されない。要は、ICU510内のマッチトフィルタ
211への入力信号として、受信拡散信号から、他ユーザ
の干渉レプリカ、および自チャネルの他のパスのマルチ
パス波の干渉レプリカを差し引いた信号が供給されれば
よい。
この実施例によれば、第1実施例と比較して、SIRを
さらに向上させることができる。この結果、受信特性を
改善することができ、システムの加入者容量を増大する
ことが可能となる。
実施例5 図15は、本発明によるCDMA復調装置の第5実施例の、
第2ステージ以降の干渉キャンセラのICUの構成を示す
ブロック図である。この実施例は、データ判定部215か
ら出力される判定データの振幅を、希望波の振幅にマッ
チングさせて、各ユーザの各マルチパスの干渉レプリカ
をさらに高精度に生成しようとするものである。
図15に示す第5実施例が、図14に示す第4実施例と異
なる点は、判定データ振幅値を求める回路を新たに設け
た点である。以下、この点を説明する。受信信号電力検
出器521(521−1 − 521−Lk:ただし、LkはRAKE合成
のパス数)は、各パス毎に逆拡散信号の信号電力を求め
る。これは、逆拡散信号の同相成分および直交成分の振
幅2乗和として求めることができる。加算器523は、電
力検出器521の各出力を、RAKE合成のマルチパス分だけ
加算して、RAKE合成後の受信信号電力を求める。同相・
直交成分振幅変換部525は、この受信信号電力から、受
信信号の同相および直交成分の絶対振幅を求める。各シ
ンボル毎の振幅値は、雑音の影響でばらついているた
め、1パイロットブロックにわたって、平均化して、雑
音の影響を取り除いた振幅値を得る。この平均化を実行
するのが、平均化部527である。平均化された振幅値
は、乗算器529に供給され、判定データの振幅値が受信
信号の振幅値にマッチするように調整される。
本実施例によれば、各ユーザの各マルチパスの干渉レ
プリカを精度よく生成することができる。
実施例6 図16Aおよび16Bは、本発明によるCDMA復調装置の第6
実施例の、第1ステージの干渉キャンセル部の構成を示
すブロック図である。他の構成要素は、図4に示す構成
と同様である。すなわち、図4に示すマッチトフィルタ
103、受信レベル検出器104およびチャネルランキング部
105と、第2ステージ以降の干渉キャンセル部107および
108は、第1実施例と同様である。
前述したように、マッチトフィルタ103は、各チャネ
ルの各パスの受信拡散符号に同期した拡散符号レプリカ
と、受信拡散信号Sとの相関検出を行う。受信レベル検
出器104は、マッチトフィルタ103から出力された各パス
の受信電力の総和をチャネル毎に計算して、希望波受信
信号レベルを検出する。チャネルランキング部105は、
受信レベル検出器104の各ユーザの受信信号レベルに応
じて、受信機入力のユーザの復調処理の順番を制御する
チャネルランキング情報を出力する。
本実施例の第1ステージの干渉キャンセル部が、図5A
に示す干渉キャンセル部と異なる点は、第1−第kユー
ザの干渉キャンセル部を、デコリレータ(逆相関フィル
タ)を中心として構成した点である。
図16Aおよび16Bにおいて、マッチトフィルタ601(601
−1 − 601−k)は、 チャネルランキング部105から供給されたチャネルラ
ンキング情報に基づいて、受信信号レベルの大きい方か
らkユーザの各パスの信号を逆拡散する。デコリレータ
603は、逆相関フィルタとして機能するもので、マッチ
トフィルタ106と、チャネルランキング部105からの情報
によって、受信信号レベルの大きい方からkユーザの各
パスの、各マッチトフィルタ601からの信号を入力ベク
トルとして、互いに干渉除去された逆拡散ベクトルを出
力する。
絶対同期検波・干渉生成部610(610−1 − 610−
k)は、図5AのICU210からマッチトフィルタ211を除い
た構成を有し、デコリレータ603の出力信号から第1−
第kチャネルの干渉レプリカを計算する。
第(k+1)−第Mユーザに関しては、図5Aに示す第
1実施例の対応部分と同様である。すなわち、遅延器20
3、干渉減算器204、およびICU210は、第1実施例と同様
である。こうして、受信信号レベルの大きいkユーザに
ついては、デコリレータ603の出力に基づいて干渉レプ
リカを推定し、この推定干渉レプリカを用いて残りの
(M−k)ユーザの復調処理を行う。また、第2ステー
ジ以降の干渉キャンセル部では第1実施例と同様にし
て、各ユーザの推定干渉レプリカを計算する。最終ステ
ージ(第Hステージ)の干渉キャンセル部108は、各ユ
ーザの再生データを出力する。
デコリレータ603は、受信信号レベルの大きいkユー
ザのΣLkパスについて直交化処理を行い、受信拡散信号
のSIRを向上させる。デコリレータ603による直交化処理
は次のように行う。すなわち、デコリレータ603は、k
ユーザの拡散符号と受信タイミングとから、各パスの受
信拡散符号レプリカを生成する。次いで、ΣLk個の拡散
符号間の相互相関を計算し、この相互相関の値を用いて
相関行列を生成する。さらに、この相関行列の逆行列を
計算して、受信信号ベクトルにかけることにより、kユ
ーザの全パスの受信信号ベクトル間の直交化処理を行
う。
この結果、たとえば第1ユーザの各パスの信号は、第
2−第kユーザの各パスの信号と直交化する。したがっ
て、第1ユーザの各パスに対する干渉信号は、第(k+
1)ユーザから第Mユーザの各パスからの残留干渉信号
のみとなって、SIRが向上する。デコリレータ603で直交
化を行ったkユーザの各パス毎に、絶対同期検波・干渉
生成部610によって、チャネル変動推定、チャネル変動
補償、RAKE合成および干渉レプリカ生成を行う。これら
kユーザの干渉レプリカは、第(k+1)ユーザのICU2
10−(k+1)以降への入力となり、第1実施例と同様
の処理が行われる。
本実施例によれば、第1実施例の欠点が除かれる。す
なわち、第1実施例では、最初の段階で干渉レプリカ推
定を受ける、受信信号レベルの大きい方のユーザが、不
利であった。しかしながら、本実施例では、最初のkユ
ーザに対しては、デコリレータ603によって、干渉キャ
ンセルを行っているので、このような第1実施例の欠点
を除去することができる。このkの値は、一般には2以
上、かつ拡散率PG以下であるが、あまり大きな値はとれ
ない。これは、チャネル数が増加するにしたがって、デ
コリレータが扱う行列の次数が急激に増加するからであ
る。
実施例7 図17Aおよび17Bは、本発明によるCDMA復調装置の第7
実施例の干渉キャンセル部を示すブロック図である。こ
の実施例が第6実施例と異なる点は、1つのICUで、M
人のユーザに対して、全ステージ分の処理を実行してい
る点である。すなわち、1つのICUを時分割で繰り返し
使用することによって、ハードウェアの簡単化を図って
いる点である。
本実施例の構成および作用は、第2実施例および第6
実施例から容易に理解できるので、詳細な説明は省略す
る。
実施例8 図18Aおよび18Bは本発明によるCDMA復調装置の第8実
施例を示すブロック図である。
本実施例は、図4に示す第1実施例を簡単化したもの
であり、第1実施例とは、次の点で異なっている。
(1)干渉キャンセル部700,720および740の構成が、図
4の干渉キャンセル部106,107及び108の構成よりも簡単
化されている点。
図19Aおよび19Bは、第1および第2ステージの干渉キ
ャンセル部の構成を示すブロック図である。ただし、図
19Bの破線で囲んだ部分は、本実施例の変形例に関わる
部分であり、これについては、後述する。
図19Aおよび19Bに示す干渉キャンセル部が、図5Aに示
す干渉キャンセル部と異なる点は、ICU710(710−1
− 710−M)の構成である。このICU710は、逆拡散信
号の位相変動の推定・補償およびデータ判定を行わな
い。具体的には、図5AのICU210から、構成要素212−216
を省いた構成である。すなわち、ICU710のマッチトフィ
ルタ211は、受信拡散信号を各パス毎に逆拡散し、逆拡
散信号を出力する。この逆拡散信号は、再拡散部217に
直接供給される。再拡散部217は、各パスの逆拡散信号
を、各パスの受信拡散符号に同期した拡散符号レプリカ
を用いて再拡散し、各パスの干渉信号レプリカを求め
る。加算器218は、各パスの干渉信号レプリカの総和を
求める。これが、ユーザ1の推定干渉レプリカS1 (1)
ある。このように、マッチトフィルタ211で逆拡散した
信号を、直ちに再拡散部217で再拡散することによっ
て、第1実施例と比較して回路の簡単化を図ることがで
きる。
(2)最終ステージの干渉キャンセル部740の出力側
に、パイロット内挿補間・RAKE合成絶対同期検波部750,
760および770を接続した点。
最終ステージ、すなわち、第Hステージの干渉キャン
セル部740の各チャネルのICUから、干渉が低減された信
号D1(H),D2(H),…,DM(H)が出力される。これらの信号
は、各チャネル毎に設けられたパイロット内挿補間・RA
KE合成絶対同期検波部750,760および770に、それぞれ入
力される。検波部750の構成と動作は、第1実施例のICU
210内の、マッチトフィルタ211からデータ判定部215ま
での構成および動作と同様であるが、以下に簡単に説明
する。
干渉キャンセル部740から信号D1(H)を受けたマッチト
フィルタ751は、この信号を、各パス毎に逆拡散する。P
CHE(パイロットシンボルチャネル変動推定部)752は、
各パイロットシンボルの位相変動を推定し、パイロット
区間における平均をとり、これを位相変動推定値とす
る。チャネル変動補償部753は、この位相変動推定値
を、パイロットシンボルではさまれた情報シンボルの各
位置に内挿補間して、各情報シンボルのチャネル位相変
動を推定し、マッチトフィルタ751の出力に対して、こ
の推定チャネル位相変動を用いて、情報シンボル区間の
チャネル変動を補償する。RAKE合成部754は、位相補償
された各パスの信号を、各パスの受信電力を重みとして
RAKE合成する。データ判定部755は、RAKE合成された信
号を判定して、再生データを出力する。こうして、絶対
同期検波が行われる。
本実施例は、上述した他の実施例とは異なり、各ステ
ージの各ユーザ毎に各パスの位相推定は行わない。これ
によって、各ステージの干渉キャンセル部の構成が大幅
に簡単化される。本実施例における干渉信号レプリカ
は、データ判定を行わないために、熱雑音の影響を直接
受けることとなるが、これは上述した他の実施例におい
て、再生データレプリカを生成する再の判定誤りの影響
とほぼ等価である。また、再生データレプリカを生成し
ないために、生成した干渉信号レプリカには、各拡散符
号の相互相関の影響が、各ステージの干渉キャンセル部
に伝搬することが考えらえるが、干渉キャンセル部のス
テージ数を、数段に抑えることによって、影響を小さく
することができる。
本実施例では、逆拡散手段としてマッチトフィルタを
用いたが、スライディング相関器を用いても、同等の特
性のシリアルキャンセラを構成できる 図19Bの破線で囲んだ部分は、第8実施例の変形例を
示す。この変形例においては、第2ステージの干渉キャ
ンセル部720の、各ICU730への入力信号を、パイロット
内挿補間・RAKE合成絶対同期検波部750に入力してい
る。
実施例9 図20は、本発明によるCDMA復調装置の第9実施例を示
すブロック図である。本実施例は、図10に示す第2実施
例を簡単化したものであり、その構成および作用は、第
2実施例および第8実施例から明らかなので、詳細な説
明は省略する。
実施例10 前述したように、DS−CDMAにおいては、各通信者は、
フェージングによる瞬時変動、短区間変動および距離変
動を受ける。このため、移動局で所要の受信品質を満足
するためには、基地局の受信機入力におけるSIRを一定
にする送信電力制御を行う必要がある。
送信電力制御は、オープンループ型と、クローズドル
ープ型とに分けられる。前者は、受信側でSIRを測定
し、それに基いて送信電力を制御する。後者は、受信側
でSIRを測定し、それと目標SIR値との差に基いて、通信
相手側に送信電力制御信号を送り、相手側の送信電力を
制御する。送受の搬送波レベルに相関がない場合には、
クローズドループ型の送信電力制御が有効である。
クローズドループ型の送信電力制御を、CDMA移動通信
に適用した場合の特性は、主に制御遅延で決定される。
図21は、送信電力制御遅延をパラメータとしたとき
の、送信電力制御の誤差特性の一例を示すグラフであ
る。送信電力制御の制御周期で正規化したフェージング
の速さfdT(横軸)が増加するにつれて、送信電力の制
御誤差(縦軸)が増大する。フェージングが、ある速さ
以上になると、送信電力制御がフェージングに追従しな
くなり、特性が平坦になる。また、制御遅延が増すにつ
れて、制御誤差の平坦部が増大している。送信電力制御
誤差が増大すると、SIRが目標値を下回る区間で通信品
質が劣化し、加入者容量の減少につながるため、送信電
力制御の遅延はできるだけ小さいことが望ましい。
一方、送信電力制御が完全で、受信機入力におけるSI
Rが一定になることを保証されたとしても、移動通信の
マルチパス環境下においては拡散符号が完全に直交する
ことはない。このため、他の通信者からの干渉を受ける
こととなり、その大きさは、一人の他通信者あたり、平
均で拡散率分の1の電力となる。したがって、同一の周
波数帯での通信者数が増加すると、干渉信号電力レベル
が増加し、1セル当たりの通信者容量を制限することに
なる。1セル当たりの通信者容量をさらに増加させるた
めには、上述した干渉キャンセル技術が用いられる。
受信側で干渉キャンセラを用いると、干渉電力が低減
し、受信SIRが向上するため、干渉キャンセラを用いな
い場合に比べて、送信電力を低減することができる。し
たがって、他の通信チャネルに与える干渉量が低減し、
各通信チャネルの受信SIRがより一層向上する。
干渉キャンセラによるSIR向上効果を有効に利用する
ためには、干渉低減後の信号のSIRを測定する必要があ
る。ところが、マルチユーザ型の干渉キャンセラは処理
遅延を伴う。例えば、マルチステージ型においては、ス
テージ数およびユーザ数が増えるにしたがって、処理遅
延が大きくなる。また、デコリレータ型においては、ユ
ーザ数およびパス数が増えるにともなって、逆行列演算
に要する処理量が増大して処理遅延が増え、さらに、過
去および未来の複数のシンボルに対する直交化処理を行
うために、数シンボルの処理遅延を免れない。
上述したように、送信電力制御の特性は、主に制御遅
延で決まる。干渉低減後の信号のSIRを測定すると、こ
の制御遅延が極めて大きくなる。この結果、送信電力制
御誤差が大きくなって、加入者容量の減少につながって
しまう。
このような理由で、マルチユーザ型干渉キャンセラを
用いた場合の受信SIR向上効果を、クローズドループ送
信電力制御に適用する方法は、開示されていなかった。
本実施例は、受信側で干渉キャンセラを適用した場合
に、クローズドループ送信電力制御を有効に作用させ、
送信電力低減および加入者容量増大効果を達成するもの
である。
図22は、本発明によるCDMA復調装置に送信電力制御を
適用した実施例を示すブロック図である。
図22において、マッチトフィルタ801は、同じ周波数
帯域で通信を行うN(Nは2以上の整数)の通信者に対
して、各通信チャネルの各パス受信タイミングに同期し
た拡散符号レプリカを用いて、相関検出を行う。SIR測
定部802は、マッチトフィルタ801の出力信号のSIRを測
定する。マルチユーザ干渉キャンセラ803は、各通信チ
ャネルについて、干渉除去された信号を出力する。受信
品質測定部804は、マルチユーザ干渉キャンセラ803から
出力された、干渉除去された信号の受信品質を、各チャ
ネル毎に測定する。目標SIR設定部805は、受信品質測定
部804から出力された受信品質を、所要受信品質と比較
して、各チャネル毎に目標SIR値を設定する。TPC(送信
電力制御)ビット生成部806は、SIR測定部802から得ら
れた受信SIRを、目標SIR設定部805から得られた目標SIR
と比較して、送信電力制御信号を生成する。
図23Aおよび23Bは、受信品質測定部804の詳細を示す
ブロック図であり、図23Aは、フレーム誤り率を測定し
て、受信品質を監視する受信品質測定部804を示し、図2
3Bは、パイロットシンボルの誤り率を測定して、受信品
質を監視する受信品質測定部804を示している。送信電
力制御が、瞬時変動に追従して目標SIRを実現するのを
目指すのに対して、受信品質測定部804は、比較的長時
間に渡って平均化を行い、干渉キャンセラ803の出力に
おける通信品質をモニタし、送信電力制御の目標SIR値
を補正する。したがって、干渉キャンセラ803の処理遅
延は問題にならない。
図23Aにおいて、CRCチェック部811は、マルチユーザ
干渉キャンセラ803から出力された受信データに対し
て、CRC検査(Cyclic Redundancy Ckeck)を行う。すな
わち、生成多項式による割算回路に、受信データを入力
し、剰余が0か否かを判定する。剰余が0であれば、通
信路におけるフレーム誤りは無かったと判定し、剰余が
0でなければ、フレーム誤りが生じたと判断する。
フレーム誤り計数部812は、フレーム誤りの個数を計
数し、フレーム誤り率を出力する。フレーム誤り率しき
い値発生部813は、フレーム誤り率のしきい値を出力す
る。受信品質測定部804は、フレーム誤り率と、そのし
きい値とを比較して、受信品質を示す信号を出力する。
目標SIR設定部805は、この信号によって基準SIRを修正
し、修正された基準SIRを出力する。
図23Bに示す、パイロットシンボルの誤り率による受
信品質測定部804は、次のように構成される。パイロッ
トシンボル生成部821は、パターン既知のパイロットシ
ンボルを生成する。パイロットシンボル誤り率計数部82
2は、マルチユーザ干渉キャンセラ803から出力された受
信データから、パイロットシンボルを抽出し、パイロッ
トシンボル生成部822から供給されたパイロットシンボ
ルと比較し、パイロットシンボルの誤り率を計算する。
パイロットシンボル誤り率しきい値発生部823は、パ
イロットシンボル誤り率のしきい値を出力する。受信品
質判定部824は、パイロットシンボル誤り率と、そのし
きい値とを比較して、受信品質を示す信号を出力する。
目標SIR設定部805は、この信号によって基準SIRを修正
し、修正された基準SIRを出力する。
本実施例の動作を説明する。マッチトフィルタ801
は、各通信チャネルの各パス毎に受信拡散信号と拡散符
号レプリカとの相関を検出し、各ユーザの逆拡散信号を
出力する。SIR測定部802は、逆拡散信号を用いて、各ユ
ーザ毎にSIRを測定する。一方、マルチユーザ干渉キャ
ンセラ803は、受信拡散信号を用いて、干渉除去された
逆拡散信号を出力する。ただし、この逆拡散信号は、処
理遅延を伴っている。
受信品質測定部804は、干渉キャンセラ803から出力さ
れた逆拡散信号の通信品質を測定する。測定された通信
品質は、目標SIR設定部805に送られ、所要受信品質と比
較される。
図24は、マッチトフィルタ801の出力と干渉キャンセ
ラ803の出力とを比較した図である。目標SIR設定部805
による目標SIRの設定は、次のように行われる。
(1)目標SIRは、干渉キャンセラ803による干渉低減効
果を見込んで、干渉キャンセラ803の出力における所要S
IRに比べて低めに設定する。
(2)干渉キャンセラ803の干渉除去能力は、同時通信
者数に応じてある程度予測できるので、目標SIRも、同
時通信者数に応じて設定する。
(3)受信品質測定部804が測定した通信品質が、所要
の品質に比べて良い場合には、目標SIRを下げる。これ
によって、通信の過剰品質を避け、送信電力の一層の低
減を図る。
(4)逆に、受信品質測定部804が測定した通信品質
が、所要の品質に比べて悪い場合には、目標SIRを上げ
る。
(5)上記(3)および(4)の補正を繰り返すことに
よって、目標SIRを、干渉キャンセラ803の出力において
所要の品質が満たされる値に収束させていく。
TPCビット生成部806は、SIR測定部802から出力された
測定SIRと目標SIRとを比較し、前者が上回っているとき
は、通信の相手に、送信電力を下げよとの制御信号(TP
Cビット)を送る。逆に、後者が上回っているときは、
通信の相手方に、送信電力を上げよとの制御信号を送
る。これによって、電送路の瞬時変動に追従するクロー
ズドループ送信電力制御を実現することができる。
なお、所要受信品質は通信チャネル毎に設定する。こ
れは提供するサービス(音声伝送,画像伝送,データ伝
送等)によって、要求される通信品質が異なるためであ
る。
実施例11 図25は、本発明によるCDMA復調装置に送信電力制御を
適用した他の実施例を示すブロック図である。
本実施例の特徴は、以下の通りである。
(1)マルチユーザ干渉キャンセラ803として、実施例
1のレプリカ再生型マルチステージ干渉キャンセラを用
いた点。
(2)受信品質測定部804として、図23Bに示すパイロッ
トシンボルのビット誤り率によって通信品質を測定す
る。パイロットシンボル平均誤り率測定部804を用いた
点。
本実施例の動作は、実施例1、10および図23Bに関す
る説明から明らかなので、簡単に説明する。
干渉キャンセラ803の各段において、他の通信者のチ
ャネルからの干渉信号を復調・判定して、送信情報デー
タレプリカを再生する。この再生データレプリカから各
チャネルの干渉信号レプリカを計算し、受信信号から差
し引いていくことによって、希望波信号に対するSIRを
高めて希望波信号を復調する。
一方、チャネルランキング部807は、通信者の受信電
力の強い順に並び替えるチャネルランキングを行う。こ
れに基づいて、干渉キャンセラ803は、受信電力が強い
順に、希望波信号を復調する。この操作を、多ステージ
に渡って実行することにより、後のステージほどSIRが
向上する。また、干渉キャンセラ803の各ステージにお
いて、干渉信号レプリカの精度が向上するに従って、各
チャネルの変動推定精度も向上する。したがって、通信
者数の多い場合の干渉キャンセラ効果が向上する。
実施例12 図26は、本発明によるCDMA復調装置に送信電力制御を
適用した、さらに他の実施例を示すブロック図である。
本実施例が図25に示す第11実施例と異なる点は、パイロ
ットシンボル平均誤り率測定部804の代わりに、デイン
ターリーブ部808、ビタビ復号部809およびフレーム誤り
率測定部810からなる受信品質測定部を設けた点であ
る。
この構成によっても第11実施例と同様の作用効果を得
ることができる。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−325881 (32)優先日 平7(1995)12月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平7−131382(JP,A) 特開 平7−273713(JP,A) 特開 平7−264111(JP,A) 特開 平7−303092(JP,A) 特開 平7−30514(JP,A) 「パイロット信号を用いた伝送路推定 に基づく干渉キャンセラの構成とその特 性」電子情報通信学会論文誌,Vol. J77−B−▲II▼,No11,11月 1994,pp628−640 「DS−CDMAにおけるパイロット シンボルを用いる遂次チャネル推定型シ リアルキャンセラ」信学技法,SAT95 −14,RCS95−70,7月1995,pp43 −48 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04J 13/00

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報レートより高速の拡散符号によって情
    報データを広帯域信号に拡散して送信し、多元接続伝送
    を行うCDMA(Code Division Multiple Access)通信シ
    ステムにおいて、パターン既知のパイロットシンボルを
    受信してチャネル変動を推定し、複数のチャネルを通し
    て受信された各受信信号を、推定されたチャネル変動に
    よって補償し、補償された前記受信信号を復調して、前
    記情報データを再生するCDMA復調装置において、 前記各チャネルの各パスの受信タイミングに同期した拡
    散符号を拡散符号レプリカとし、該拡散符号レプリカと
    前記各パスの受信信号との相関検出を行う相関検出器
    と、 前記相関検出器の該当パスの受信電力の総和を求めて、
    希望波受信信号レベルを検出する受信レベル検出器と、 該受信レベル検出器によって検出された各ユーザの受信
    信号レベルに応じて、前記ユーザの復調処理の順番を制
    御するチャネルランキング部と、 該チャネルランキング部から出力された制御信号に基づ
    いて干渉キャンセルを行う複数ステージの干渉キャンセ
    ラであって、前記複数ステージの各ステージにおいて、
    前記パイロットシンボルを用いたチャネル変動の推定を
    各チャネル毎に行い、推定されたチャネル変動によって
    該チャネルの受信信号を補償し、補償された受信信号を
    再拡散して干渉信号レプリカを生成する干渉キャンセラ
    と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記複数ステージの第i(iは2以上の整数)
    ステージの干渉キャンセラは、第(i−1)ステージの
    干渉キャンセラで推定した各ユーザの干渉信号レプリカ
    を入力とし、該第iステージの干渉キャンセラで推定し
    た各ユーザの干渉信号レプリカを、第(i+1)ステー
    ジの干渉キャンセラに供給することを特徴とするCDMA復
    調装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記各ステージの各干渉キャンセラは、前記干
    渉信号レプリカを生成するサブ干渉キャンセラをユーザ
    毎に具備し、前記第iステージの干渉キャンセラの第k
    (k=1,2,…,Mのいずれか)番目のユーザのサブ干渉キ
    ャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レプ
    リカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにおけ
    る干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
    (k+1),…,(M−1)およびM番目のユーザの干
    渉信号レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キ
    ャンセラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から
    差し引く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボルの
    チャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロット
    シンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信号
    中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、各
    前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル変
    動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定したチ
    ャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動補
    償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信信
    号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チャ
    ネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を与
    えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号を、
    各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散する
    再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユーザ
    の干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記相関検出器は、複数のマッチトフィルタか
    らなることを特徴とするCDMA復調装置。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記相関検出器は、複数のスライディング・コ
    リレータからなることを特徴とするCDMA復調装置。
  6. 【請求項6】請求の範囲第3項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記パイロットシンボルは、前記情報データの
    間に周期的に挿入されたことを特徴とするCDMA復調装
    置。
  7. 【請求項7】請求の範囲第3項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記各ステージの干渉キャンセラは、1つの前
    記サブ干渉キャンセラと、前記各ステージの各ユーザの
    干渉信号レプリカを格納するメモリとから構成され、前
    記サブ干渉キャンセラを時分割で使用することを特徴と
    するCDMA復調装置。
  8. 【請求項8】請求の範囲第6項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、前記干渉キャンセラは、少なくとも隣接する2
    つのパイロット信号区間を含む一定時間単位のブロック
    を処理単位とし、前記サブ干渉キャンセラは、さらに、
    前記パイロット信号区間の外側の情報シンボルについて
    は、該情報シンボルに最も近い位置の前記パイロットシ
    ンボルを外挿して、前記情報シンボルのチャネル変動を
    求める外挿部を具備することを特徴とするCDMA復調装
    置。
  9. 【請求項9】請求の範囲第3項に記載のCDMA復調装置に
    おいて、第i(iは2以上の整数)ステージの干渉キャ
    ンセラの第k番目のユーザのサブ干渉キャンセラの第j
    (jは1から、前記RAKE合成のパス数Lkまでの整数)番
    目のパスの相関検出器の入力側に、第(i−1)ステー
    ジにおける第k番目の通信者の第j番目のパス以外の干
    渉信号レプリカを、前記干渉減算器の出力信号から差し
    引く減算器を設けたことを特徴とするCDMA復調装置。
  10. 【請求項10】請求の範囲第3項に記載のCDMA復調装置
    において、前記サブ干渉キャンセラは、さらに、 前記相関検出器から出力された逆拡散後の各パスの受信
    信号の電力を求める受信信号電力検出器と、 前記各パスの受信信号電力を加算する加算器と、 前記加算器の出力から同相成分および直交成分の振幅を
    検出する振幅変換器と、 前記振幅変換器の出力信号を平均化する平均化部と、 前記平均化部の出力を前記判定データに乗算する乗算器
    と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  11. 【請求項11】請求の範囲第1項に記載のCDMA復調装置
    において、第1ステージの前記干渉キャンセラは、 前記受信信号レベルの大きい方からK(Kは2以上で拡
    散率PG以下の整数)のユーザの各パスの信号を入力ベク
    トルとして、互いに干渉除去された逆拡散出力ベクトル
    を得る逆相関フィルタと、 前記逆相関フィルタから出力されたKのユーザの送信デ
    ータを推定し、各ユーザの干渉信号レプリカを生成する
    絶対同期検波・干渉生成部とを具備し、 前記干渉キャンセラは、前記Kのユーザの干渉信号レプ
    リカとしては、前記絶対同期検波・干渉生成部から出力
    された干渉信号レプリカを用い、残りの(M−K)のユ
    ーザの各干渉信号レプリカを生成することを特徴とする
    CDMA復調装置。
  12. 【請求項12】請求の範囲第11項に記載のCDMA復調装置
    において、前記複数ステージの第i(iは2以上の整
    数)ステージの干渉キャンセラは、第(i−1)ステー
    ジの干渉キャンセラで推定した各ユーザの干渉信号レプ
    リカを入力とし、該第iステージの干渉キャンセラで推
    定した各ユーザの干渉信号レプリカを、第(i+1)ス
    テージの干渉キャンセラに供給することを特徴とするCD
    MA復調装置。
  13. 【請求項13】請求の範囲第12項に記載のCDMA復調装置
    において、前記第1ステージの干渉キャンセラは、第
    (K+1)番目以降のユーザ毎に、前記干渉信号レプリ
    カを生成するサブ干渉キャンセラを具備し、第k(k=
    (K+1),(K+2),…,Mのいずれか)番目のユー
    ザのサブ干渉キャンセラは、 第1,2,…K番目のユーザの干渉信号レプリカとして、前
    記逆相関フィルタから出力された干渉信号レプリカを前
    記受信信号から差し引き、かつ第(K+1),…,(k
    −1)番目のユーザの干渉信号レプリカとして、前記第
    1ステージの干渉キャンセラにおける干渉信号レプリカ
    を前記受信信号から差し引く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボルの
    チャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロット
    シンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信号
    中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、各
    前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル変
    動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定したチ
    ャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動補
    償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信信
    号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チャ
    ネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を与
    えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号を、
    各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散する
    再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユーザ
    の干渉信号レプリカを生成する加算器とを具備し、 第2ステージ以降の各前記干渉キャンセラは、前記干渉
    信号レプリカを生成するサブ干渉キャンセラをユーザ毎
    に具備し、前記第iステージの干渉キャンセラの第k
    (k=1,2,…,Mのいずれか)番目のユーザのサブ干渉キ
    ャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レプ
    リカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにおけ
    る干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
    (k+1),…,(M−1),M番目のユーザの干渉信号
    レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キャンセ
    ラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引
    く干渉減算器と、 該干渉減算器の出力信号中の前記パイロットシンボルの
    チャネル変動を各パス毎に推定し、推定したパイロット
    シンボルのチャネル変動を、前記干渉減算器の出力信号
    中の前記情報データの各シンボル位置に内挿補間し、各
    前記情報シンボルのチャネル変動を推定するチャネル変
    動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定したチ
    ャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動補
    償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信信
    号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チャ
    ネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を与
    えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号を、
    各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散する
    再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユーザ
    の干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  14. 【請求項14】請求の範囲第11項に記載のCDMA復調装置
    において、前記相関検出器は、複数のマッチトフィルタ
    からなることを特徴とするCDMA復調装置。
  15. 【請求項15】請求の範囲第11項に記載のCDMA復調装置
    において、前記相関検出器は、複数のスライディング・
    コリレータからなることを特徴とするCDMA復調装置。
  16. 【請求項16】請求の範囲第13項に記載のCDMA復調装置
    において、前記パイロットシンボルは、前記情報データ
    の間に周期的に挿入されたことを特徴とするCDMA復調装
    置。
  17. 【請求項17】請求の範囲第13項に記載のCDMA復調装置
    において、前記各ステージの干渉キャンセラは、1つの
    前記サブ干渉キャンセラと、前記各ステージの各ユーザ
    の干渉信号レプリカを格納するメモリとから構成され、
    前記サブ干渉キャンセラを時分割で使用することを特徴
    とするCDMA復調装置。
  18. 【請求項18】請求の範囲第11項に記載のCDMA復調装置
    において、前記絶対同期検波・干渉生成部は、 前記逆相関フィルタの出力信号中の前記パイロットシン
    ボルのチャネル変動を各ユーザの各パス毎に推定し、推
    定したパイロットシンボルのチャネル変動を、前記逆相
    関フィルタの出力信号中の前記情報データの各シンボル
    位置に内挿補間し、各前記情報シンボルのチャネル変動
    を推定するチャネル変動推定部と、 前記チャネル変動推定部によって各パス毎に推定したチ
    ャネル変動を、前記受信信号に補償するチャネル変動補
    償部と、 該チャネル変動補償部から出力された各パス毎の受信信
    号を合成するRAKE合成部と、 前記RAKE合成部の出力信号を判定するデータ判定部と、 該データ判定部から出力された判定データに、前記チャ
    ネル変動推定部の出力として得られたチャネル変動を与
    えるチャネル変動付加部と、 該チャネル変動付加部から出力された各パスの信号を、
    各パスの受信タイミングに同期した拡散符号で拡散する
    再拡散部と、 前記再拡散部の出力を加算して、前記第k番目のユーザ
    の干渉信号レプリカを生成する加算器と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  19. 【請求項19】請求の範囲第1項に記載のCDMA復調装置
    は、さらに、 前記相関検出器の出力のSIRを測定するSIR測定部と、 前記干渉キャンセラの出力信号の受信品質を測定する受
    信品質測定部と、 測定された前記受信品質、および所要受信品質に基づい
    て、目標SIRを設定する目標SIR設定部と、 前記SIR測定部から出力されたSIRを、前記目標SIRと比
    較して、送信電力制御信号を生成する送信電力制御信号
    生成部と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  20. 【請求項20】請求の範囲第19項に記載のCDMA復調装置
    において、前記目標SIR設定部は、同時通信者数に応じ
    て、前記目標SIRの初期値を設定することを特徴とするC
    DMA復調装置。
  21. 【請求項21】請求の範囲第19項に記載のCDMA復調装置
    において、前記受信品質測定部は、フレーム誤り率を測
    定する誤り率測定部と、該フレーム誤り率を予め定めた
    フレーム誤り率のしきい値と比較して、前記受信品質を
    判定する手段とを具備することを特徴とするCDMA復調装
    置。
  22. 【請求項22】請求の範囲第19項に記載のCDMA復調装置
    において、前記受信品質測定部は、前記パイロットシン
    ボルのビット誤り率を測定する誤り率測定部と、該ビッ
    ト誤り率を予め定めたビット誤り率のしきい値と比較し
    て、前記受信品質を判定する手段とを具備することを特
    徴とするCDMA復調装置。
  23. 【請求項23】請求の範囲第19項に記載のCDMA復調装置
    において、前記相関検出器は、マッチトフィルタである
    ことを特徴とするCDMA復調装置。
  24. 【請求項24】請求の範囲第23項に記載のCDMA復調装置
    において、前記干渉キャンセラは、前記マッチトフィル
    タからの出力信号から、各チャネル毎に、各パスの逆拡
    散信号からなる受信ベクトルを生成する受信ベクトル生
    成部と、自チャネルの拡散符号、および受信機入力の他
    の全ての拡散符号の相互相関を計算し、相互相関から構
    成される行列の逆行列を生成する相互相関逆行列生成部
    と、前記逆行列によって、前記受信ベクトルを補償し
    て、各受信ベクトル間の相互相関を除去し干渉を除去す
    る行列ベクトル乗算部とを具備することを特徴とするCD
    MA復調装置。
  25. 【請求項25】情報レートより高速の拡散符号によって
    情報データを広帯域信号に拡散して送信し、多元接続伝
    送を行うCDMA(Code Division Multiple Access)通信
    システムにおいて、パターン既知のパイロットシンボル
    を受信してチャネル変動を推定し、複数のチャネルを通
    して受信された各受信信号を、推定されたチャネル変動
    によって補償し、補償された前記受信信号を復調して、
    前記情報データを再生するCDMA復調装置において、 前記各チャネルの各パスの受信タイミングに同期した拡
    散符号を拡散符号レプリカとし、該拡散符号レプリカと
    前記各パスの受信信号との相関検出を行う相関検出器
    と、 前記相関検出器の該当パスの受信電力の総和を求めて、
    希望波受信信号レベルを検出する受信レベル検出器と、 該受信レベル検出器によって検出された各ユーザの受信
    信号レベルに応じて、前記ユーザの復調処理の順番を制
    御するチャネルランキング部と、 前記チャネルランキング部から出力された制御信号によ
    って決められた順番にしたがって、各ユーザに対して、
    前記受信信号を逆拡散し、逆拡散された信号を再拡散
    し、再拡散によって得られた他ユーザの干渉信号レプリ
    カを当該ユーザの受信信号から差し引く複数ステージの
    干渉キャンセラと、 前記複数ステージの内の最終ステージの干渉キャンセラ
    において、他ユーザの干渉量を差し引いた後の信号中の
    前記パイロットシンボルを用いてチャネル変動を推定
    し、推定されたチャネル変動を用いて前記情報データを
    補償し、補償された情報データの絶対同期検波を行うパ
    イロット内挿補間・絶対同期検波部と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  26. 【請求項26】請求の範囲第25項に記載のCDMA復調装置
    において、前記複数ステージの第i(iは2以上の整
    数)ステージの干渉キャンセラは、第(i−1)ステー
    ジの干渉キャンセラで推定した各ユーザの干渉信号レプ
    リカを入力とし、該第iステージの干渉キャンセラで推
    定した各ユーザの干渉信号レプリカを、第(i+1)ス
    テージの干渉キャンセラに供給することを特徴とするCD
    MA復調装置。
  27. 【請求項27】請求の範囲第26項に記載のCDMA復調装置
    において、前記各ステージの各干渉キャンセラは、前記
    干渉信号レプリカを生成するサブ干渉キャンセラをユー
    ザ毎に具備し、前記第iステージの干渉キャンセラの第
    k(k=1,2,…,Mのいずれか)番目のユーザのサブ干渉
    キャンセラは、 第1,2,…および(k−1)番目のユーザの干渉信号レプ
    リカとして、前記第iステージの干渉キャンセラにおけ
    る干渉信号レプリカを前記受信信号から差し引き、第
    (k+1),…,(M−1)およびM番目のユーザの干
    渉信号レプリカとして、第(i−1)ステージの干渉キ
    ャンセラにおける干渉信号レプリカを前記受信信号から
    差し引く干渉減算器と、 前記干渉減算器の出力信号と、前記各パスの受信タイミ
    ングに同期した拡散符号レプリカとの間の相関検出を行
    い、前記各パス毎の逆拡散信号を求めるマッチトフィル
    タと、 前記各パス毎の逆拡散信号を、前記各パスの受信タイミ
    ングに同期した拡散符号で拡散し、前記各ユーザのパス
    の干渉信号レプリカを推定し、推定された前記干渉信号
    レプリカを加算して各ユーザの干渉信号レプリカを生成
    する再拡散・合成部と を具備することを特徴とするCDMA復調装置。
  28. 【請求項28】請求の範囲第25項に記載のCDMA復調装置
    において、前記パイロットシンボルは、前記情報データ
    の間に周期的に挿入されたことを特徴とするCDMA復調装
    置。
  29. 【請求項29】請求の範囲第25項に記載のCDMA復調装置
    において、前記各ステージの干渉キャンセラは、1つの
    前記サブ干渉キャンセラと、前記各ステージの各ユーザ
    の干渉信号レプリカを格納するメモリとから構成され、
    前記サブ干渉キャンセラを時分割で使用することを特徴
    とするCDMA復調装置。
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