JP2854394B2 - 液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法 - Google Patents
液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法Info
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- JP2854394B2 JP2854394B2 JP18507990A JP18507990A JP2854394B2 JP 2854394 B2 JP2854394 B2 JP 2854394B2 JP 18507990 A JP18507990 A JP 18507990A JP 18507990 A JP18507990 A JP 18507990A JP 2854394 B2 JP2854394 B2 JP 2854394B2
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Description
【産業上の利用分野】 本発明は，細胞の生体外で長期間培養することができ
る，液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法に関する
ものである。
る，液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法に関する
ものである。
細胞を生体外で長期間培養するためにカルチヤーバツ
グが用いられる。その際，液体培地をカルチヤーバツグ
に入れ,,培養されるべき細胞をこのバツグに添加する方
法が一般に行われている。
グが用いられる。その際，液体培地をカルチヤーバツグ
に入れ,,培養されるべき細胞をこのバツグに添加する方
法が一般に行われている。
カルチヤーバツグを用いる細胞培養も盛んに行われる
につれて，最近は液体培地の標準化が進んできた。その
ため培養試験の都度，カルチヤーバツグに液体培地を封
入する作業が面倒になってきた。 本発明者は新規に液体培地入りカルチヤーバツグなる
ものを提供し，本発明はその製造方法を示すものであ
る。
につれて，最近は液体培地の標準化が進んできた。その
ため培養試験の都度，カルチヤーバツグに液体培地を封
入する作業が面倒になってきた。 本発明者は新規に液体培地入りカルチヤーバツグなる
ものを提供し，本発明はその製造方法を示すものであ
る。
本発明は，ガス透過率の大なるフイルムからなり，γ
線で滅菌したカルチヤーバツグに，濾過滅菌を施した液
体培地を無菌的に充填し，その充填口を無菌的にシール
した後，ガス透過率が小さくγ線で滅菌した２次包材で
無菌的に包装することを特徴とする液体培地入りカルチ
ヤーバツグの製造方法であり，また，該製造方法であっ
て，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包装す
ることを要旨とする。 本発明において，カルチヤーバツグの材質としては，
γ線の滅菌に耐えるもので現在一般に使用されている軟
質プラスチツクを指し，ポリエチレン・ポリ塩化ビニル
・エチレンビニルアセテートコポリマー（EVA）・エチ
レンエチルアクリレートコポリマー（EEA）・エチレン
メチルメタアクリレートコポリマー（EMMA）・スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレン（SEBS）とポリプロピ
レン又はポリエチレンとのポリマーブレンド等を素材と
したフイルムから造られたものである。培養にあたり，
ガス透過率の大なること，中でも酸素がカルチヤーバツ
グのフイルムをできるだけ透過することが必要である
が，この点で上記具体例は好ましいとされる。 本発明において液体培地は以下に述べるように公知の
方法により調製する。市販培地の代表例としては,199培
地,MEM,αMEM,ダルベツコMEM,浮遊培地用MEM,RPMI1640
培地,L−15培地，ハム培地（Ｆ−12），ウエイマウス培
地MB752/1等がある。培地溶解には，スターラー付きの
ビーカー又はテフロン・コーテイング容器,SUS316ステ
ンレス容器を用いることが好ましく，規定量の80〜90％
の蒸留水に粉末培地及び抗生物質を撹拌しながら，完全
に溶解させることが必要である。NaHCO3の溶解後はpHが
アルカリ性に傾くのでできるだけすみやかに希塩酸で最
終pHを調製し，次いて蒸留水を加えて規定の容量にした
後濾過滅菌を行う。 本発明において２次包材としてはγ線滅菌に耐えるも
ので，ポリプロピレン・ポリエチレンの他，ナイロン・
ポリエステル・ポリ塩化ビニリデン（PVDC）・ポリ塩化
ビニリデンコートナイロン・ポリ塩化ビニリデンコート
ポリエステル・ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレ
ン・ポリビニルアルコール（PVAL）・エチレン−ビニル
アルコールコポリマー（EVAL）・ビニロン・アルミ蒸着
ポリエステル・シリカ（SiO2）コートポリエステル等を
素材とした合成樹脂のフイルムである。 ２次包材はガス透過率の小さいものが良いが，それは
封入された液体培地の変質を防ぐためである。本発明の
うち，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包装
する場合は，上述の素材のうち比較的透過率が大なるフ
イルムを２次包材に用いることができる。 本発明において，脱酸素剤としては鉄又は鉄系化合物
の粉体とハロゲン化金属とからなるものを用いることが
好ましい。鉄系化合物の例としては炭化鉄・鉄カルボニ
ル・酸化第１鉄・水酸化第１鉄・珪素鉄等がある。 本発明において，脱酸素剤は上記のものであるが，こ
れを実際に用いるにはこの脱酸素剤を不織布・紙・布帛
等のシート状のものに洩れないように詰めて用いる。 本発明において，γ線の滅菌条件としては，通常の条
件を指し，室温において,2.5Mrad程度の線量でよい。
線で滅菌したカルチヤーバツグに，濾過滅菌を施した液
体培地を無菌的に充填し，その充填口を無菌的にシール
した後，ガス透過率が小さくγ線で滅菌した２次包材で
無菌的に包装することを特徴とする液体培地入りカルチ
ヤーバツグの製造方法であり，また，該製造方法であっ
て，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包装す
ることを要旨とする。 本発明において，カルチヤーバツグの材質としては，
γ線の滅菌に耐えるもので現在一般に使用されている軟
質プラスチツクを指し，ポリエチレン・ポリ塩化ビニル
・エチレンビニルアセテートコポリマー（EVA）・エチ
レンエチルアクリレートコポリマー（EEA）・エチレン
メチルメタアクリレートコポリマー（EMMA）・スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレン（SEBS）とポリプロピ
レン又はポリエチレンとのポリマーブレンド等を素材と
したフイルムから造られたものである。培養にあたり，
ガス透過率の大なること，中でも酸素がカルチヤーバツ
グのフイルムをできるだけ透過することが必要である
が，この点で上記具体例は好ましいとされる。 本発明において液体培地は以下に述べるように公知の
方法により調製する。市販培地の代表例としては,199培
地,MEM,αMEM,ダルベツコMEM,浮遊培地用MEM,RPMI1640
培地,L−15培地，ハム培地（Ｆ−12），ウエイマウス培
地MB752/1等がある。培地溶解には，スターラー付きの
ビーカー又はテフロン・コーテイング容器,SUS316ステ
ンレス容器を用いることが好ましく，規定量の80〜90％
の蒸留水に粉末培地及び抗生物質を撹拌しながら，完全
に溶解させることが必要である。NaHCO3の溶解後はpHが
アルカリ性に傾くのでできるだけすみやかに希塩酸で最
終pHを調製し，次いて蒸留水を加えて規定の容量にした
後濾過滅菌を行う。 本発明において２次包材としてはγ線滅菌に耐えるも
ので，ポリプロピレン・ポリエチレンの他，ナイロン・
ポリエステル・ポリ塩化ビニリデン（PVDC）・ポリ塩化
ビニリデンコートナイロン・ポリ塩化ビニリデンコート
ポリエステル・ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレ
ン・ポリビニルアルコール（PVAL）・エチレン−ビニル
アルコールコポリマー（EVAL）・ビニロン・アルミ蒸着
ポリエステル・シリカ（SiO2）コートポリエステル等を
素材とした合成樹脂のフイルムである。 ２次包材はガス透過率の小さいものが良いが，それは
封入された液体培地の変質を防ぐためである。本発明の
うち，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包装
する場合は，上述の素材のうち比較的透過率が大なるフ
イルムを２次包材に用いることができる。 本発明において，脱酸素剤としては鉄又は鉄系化合物
の粉体とハロゲン化金属とからなるものを用いることが
好ましい。鉄系化合物の例としては炭化鉄・鉄カルボニ
ル・酸化第１鉄・水酸化第１鉄・珪素鉄等がある。 本発明において，脱酸素剤は上記のものであるが，こ
れを実際に用いるにはこの脱酸素剤を不織布・紙・布帛
等のシート状のものに洩れないように詰めて用いる。 本発明において，γ線の滅菌条件としては，通常の条
件を指し，室温において,2.5Mrad程度の線量でよい。
本発明は，液体培地入りカルチヤーバツグを製造し，
滅菌するにあたり，該カルチヤーバツグを一体にしてγ
線で滅菌するのではなく，カルチヤーバツグ・液体培地
・２次包材・脱酸素剤の各々を別々に滅菌し，それらを
無菌の状態で「液体培地入カルチヤーバツグ」の製品に
仕上げるものである。従って，滅菌の難しい液体培地も
放射線の照射を受けないですむのである。 また，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包
装することにより，比較的透過率が大なるフイルムを２
次包材に用いることができる。
滅菌するにあたり，該カルチヤーバツグを一体にしてγ
線で滅菌するのではなく，カルチヤーバツグ・液体培地
・２次包材・脱酸素剤の各々を別々に滅菌し，それらを
無菌の状態で「液体培地入カルチヤーバツグ」の製品に
仕上げるものである。従って，滅菌の難しい液体培地も
放射線の照射を受けないですむのである。 また，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに,2次包材で包
装することにより，比較的透過率が大なるフイルムを２
次包材に用いることができる。
以下，実施例により具体的に説明する。 カルチヤーバツグに，線状低密度ポリエチレンを用
い，インフレーシヨン法により厚さ0.1mm,巾230mmのチ
ユーブ状フイルムを得た。 このフイルムのガス透過率はASTM D−3985に準じた測
定で,5,280cc/m2・atm・24時間のものであった。 このチユーブ状フイルムを長さ350mmに切断し充填口
・混注口・排出口を付け熱溶着によりカルチヤーバツグ
を作成した。 これに液体培地のハムＦ−12培地（ニツスイ）を使用
した。この使用にあたっては，この10.6gを蒸留水に溶
解し，全量を1,000mlとし，炭酸水素ナトリウムを1.2〜
2.0g加え,5％炭酸ガス下,37℃でpHを7.2に調製した。 ２次包材として，厚さ70μで，ポリエチレンが表面に
あり，エチレン−ビニルアルコールコポリマー（EVAL）
を内層とする３層構造のフイルムを使用した。 その２次包材のガス透過率はASTM D−3985に準じた測
定で,1.9cc/m2・atm・24時間のものであった。 上記カルチヤーバツグに培地を充填し,2次包装後４〜
６℃で３カ月にわたり保存した。そのときのpHは7.4で
あり，かつ，無菌テストは陰性であった。
い，インフレーシヨン法により厚さ0.1mm,巾230mmのチ
ユーブ状フイルムを得た。 このフイルムのガス透過率はASTM D−3985に準じた測
定で,5,280cc/m2・atm・24時間のものであった。 このチユーブ状フイルムを長さ350mmに切断し充填口
・混注口・排出口を付け熱溶着によりカルチヤーバツグ
を作成した。 これに液体培地のハムＦ−12培地（ニツスイ）を使用
した。この使用にあたっては，この10.6gを蒸留水に溶
解し，全量を1,000mlとし，炭酸水素ナトリウムを1.2〜
2.0g加え,5％炭酸ガス下,37℃でpHを7.2に調製した。 ２次包材として，厚さ70μで，ポリエチレンが表面に
あり，エチレン−ビニルアルコールコポリマー（EVAL）
を内層とする３層構造のフイルムを使用した。 その２次包材のガス透過率はASTM D−3985に準じた測
定で,1.9cc/m2・atm・24時間のものであった。 上記カルチヤーバツグに培地を充填し,2次包装後４〜
６℃で３カ月にわたり保存した。そのときのpHは7.4で
あり，かつ，無菌テストは陰性であった。
本発明はγ線による滅菌が主体であるので，オートク
レーブ滅菌法の場合における熱履歴の心配が不要で，耐
熱性の乏しいポリエチレン等の材料が使用でき，また，
ガス滅菌法における酸化エチレンやホルムアルデヒドの
残留による毒性の心配がない。
レーブ滅菌法の場合における熱履歴の心配が不要で，耐
熱性の乏しいポリエチレン等の材料が使用でき，また，
ガス滅菌法における酸化エチレンやホルムアルデヒドの
残留による毒性の心配がない。
Claims (2)
- 【請求項１】ガス透過率の大なるフイルムからなり，γ
線で滅菌したカルチヤーバツグに，濾過滅菌を施した液
体培地を無菌的に充填し，その充填口を無菌的にシール
した後，ガス透過率が小さくγ線で滅菌した２次包材で
無菌的に包装することを特徴とする液体培地入りカルチ
ヤーバツグの製造方法。 - 【請求項２】ガス透過率の大なるフイルムからなり，γ
線で滅菌したカルチヤーバツグに，濾過滅菌を施した液
体培地を無菌的に充填し，その充填口を無菌的にシール
した後，γ線で滅菌した脱酸素剤とともに，ガス透過率
が小さくγ線で滅菌した２次包材で包装することを特徴
とする液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18507990A JP2854394B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18507990A JP2854394B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0471482A JPH0471482A (ja) | 1992-03-06 |
| JP2854394B2 true JP2854394B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=16164454
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18507990A Expired - Lifetime JP2854394B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 液体培地入りカルチヤーバツグの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2854394B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005287425A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Koojin Bio Kk | 培地バッグ付き培養バッグ |
| JP2016101095A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養容器、培地入細胞培養容器および細胞の培養方法 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1942575B (zh) | 2004-04-13 | 2012-07-18 | 东洋制罐株式会社 | 双层培养容器以及培养方法 |
| JP4534702B2 (ja) * | 2004-10-07 | 2010-09-01 | ニプロ株式会社 | 細胞培養用容器及び培地の保存方法 |
| JP6582375B2 (ja) * | 2014-09-04 | 2019-10-02 | 大日本印刷株式会社 | 培地包装体および培地容器 |
-
1990
- 1990-07-12 JP JP18507990A patent/JP2854394B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005287425A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Koojin Bio Kk | 培地バッグ付き培養バッグ |
| JP2016101095A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養容器、培地入細胞培養容器および細胞の培養方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0471482A (ja) | 1992-03-06 |
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