JP2849981B2 - 欠歯領域を備えた歯状突条をもつ金属成形品の成形方法 - Google Patents

欠歯領域を備えた歯状突条をもつ金属成形品の成形方法

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JP2849981B2 JP27806494A JP27806494A JP2849981B2 JP 2849981 B2 JP2849981 B2 JP 2849981B2 JP 27806494 A JP27806494 A JP 27806494A JP 27806494 A JP27806494 A JP 27806494A JP 2849981 B2 JP2849981 B2 JP 2849981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠歯領域を備えたスプ
ラインやギヤ歯等の歯状突条をもつ金属成形品を成形す
る成形方法に関する。本発明は、例えば、車両のトラン
スミッションに使用されるギヤ部品に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、歯状突条をもつ金属成形品と
して、例えば、車両のトランスミッションに使用される
ギヤ部品1(図12参照)が知られている。このギヤ部
品1の外周部には、多数個のスプライン14が周方向に
間隔を隔てて列設されている。このギヤ部品1において
は、スプライン14が形成されていない領域、つまり欠
歯領域が設けられている。欠歯領域は例えば油穴の形成
のために利用される。
【0003】この様なギヤ部品1を鍛造成形する場合に
は、図13に模式的に示す様に、筒状をなす炭素鋼製の
粗形材700と、ダイス孔201を備えたダイス200
と、ダイス200のダイス孔201内に略同軸的に配置
されたマンドレル400とを用いる。そして、パンチ5
50を降下することにより、ダイス200のダイス孔2
01の内周部とマンドレル400の外周部との間のリン
グ状の隙間に、筒状の粗形材700をパンチ550によ
り強圧して押し込む。
【0004】これにより、ダイス200のダイス孔20
1の内周部に形成されている成形条溝270の空隙に、
粗形材700の材料部分が流れ込み、前記した多数個の
スプライン14が成形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ギヤ部品1においては、前述した様に、スプライン14
が形成されていない欠歯領域が存在している。この様な
欠歯領域においては、成形条溝270で区画される空隙
が存在していない。そのため上記した様に押し込みを行
ないスプライン14を成形する際に、欠歯領域付近にお
いては欠歯に相当するぶんの材料が余分となる。従って
上記した押し込み途中においては、行き場を失った余分
の材料は、押し込み方向へ流れて、図14に示す様に後
方側に集まりバリMとなり易い。このバリMは、押し込
み末期にダイス200の型面200kにより圧潰される
ので好ましくない。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その課題は、金属成形品における欠歯領域付近
におけるバリの発生を抑制し得る金属成形品の成形方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る欠歯領域を
備えた歯状突部をもつ金属成形品の成形方法は、内周部
及び外周部の一方において周方向に間隔を隔てて列設さ
れ軸長方向と平行に延びる多数個の歯状突条をもち、周
方向の所定位置において歯状突条が存在しない欠歯領域
とされた金属成形品を得る方法であり、筒状をなす金属
製の粗形材と、ダイス孔を備え粗形材の外周部を規定す
るダイスと、ダイスのダイス孔内に略同軸的に配置され
粗形材の内周部を規定するマンドレルと、ダイス孔の内
周部及びマンドレルの外周部の一方に形成され、軸長方
向と平行な方向に延び金属成形品の歯状突条を成形する
多数個の成形条溝からなる成形条溝群と、ダイス孔の内
周部及びマンドレルの外周部の他方に形成され、周方向
において互いに隣設する成形条溝間に位置すると共に周
方向において欠歯領域に対応する位置に設けられ、半径
方向において成形条溝群の窪み方向と反対の方向に窪む
逃溝と、を用い、ダイスのダイス孔の内周部とマンドレ
ルの外周部との間のリング状の隙間に、筒状の粗形材を
パンチにより強圧して押し込み、成形条溝群により、粗
形材の外周部及び内周部の一方に、軸長方向と平行な方
向に延びる多数個の歯状突条を成形すると共に、欠歯領
域に対応する粗形材の肉部分を逃溝に流入させ、余肉逃
がし突部をもつ中間成形体を形成する押込工程と、ダイ
スから取り出した中間成形体の余肉逃がし突部を切削除
去し、金属成形品を得る除去工程と、を順に実施するこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明方法によれば、押込工程においては、ダ
イスのダイス孔の内周部とマンドレルの外周部との間の
リング状の隙間に、筒状の粗形材をパンチにより強圧し
て押し込む。これにより、成形条溝で区画されている空
隙に粗形材の材料が流れ込む。故に、成形条溝により、
粗形材の外周部及び内周部の一方に多数個のスプライン
やギヤ歯等の歯状突条が成形される。
【0009】本発明方法によれば、押込工程において、
粗形材の材料のうち、欠歯領域に対応する余分の材料部
分は、逃溝に流れ込む。逃溝に流れ込んだ材料部分は、
余肉逃がし突部となる。これにより余肉逃がし突部を備
えた中間成形体が形成される。除去工程においては、ダ
イスから取り出した中間成形体の余肉逃がし突部は、切
削除去され、金属成形品となる。
【0010】
【実施例】本発明の成形方法の実施例を具体的に説明す
る。まず図12に基づき、金属成形品としてのギヤ部品
1から説明する。ギヤ部品1は、従来技術で説明したギ
ヤ部品と同じものであり、自動車のオートマチックトラ
ンスミッションに使用されるものであり、炭素鋼製であ
る。
【0011】このギヤ部品1は、図12に示す様に、筒
状体10と、筒状体10と一体的に遠心方向に延びるフ
ランジ部11と、フランジ部11から軸長方向に延びる
径大筒状体12とを備えている。径大筒状体12は、筒
状体10と同軸的であり、筒状体10よりも径大であ
る。本実施例では上記したギヤ部品1となる中間成形体
8を成形する。図1は中間成形体8の要部を示す。図2
は中間成形体8の底面を示す。この中間成形体8は、ギ
ヤ部品1と実質的に酷似した形状をもつ。ここで、中間
成形体8は、多数個のスプライン14と、後述する余肉
逃がし突部80とを備えている。余肉逃がし突部80を
含む中間成形体8の内周部8iを全周にわたり所定深さ
で切削除去して、ギヤ部品1とする。
【0012】即ち、図1に示す様に中間成形体8の外周
部には、歯状突条としてのスプライン14が形成されて
いる。スプライン14は、中間成形体8の周方向つまり
矢印R1方向にそって間隔を隔てて多数個(欠歯も含む
合計歯数47個;欠歯4個)列設されている。図1から
理解できる様にスプライン14は、横断面略台形状をな
しており、ギヤ部品1となる中間成形体8の軸長方向つ
まり矢印P1方向と平行に延びている。図1から理解で
きる様にこのスプライン14は、互いに対向する一対の
背向面14aと、背向面14aをつなぐ外端面14bと
を備えている。なお、背向面14aはインボリュート曲
線で規定されているが、これに限定されるものではな
い。
【0013】図1から理解できる様に、ギヤ部品1とな
る中間成形体8では、スプライン14が形成されていな
い欠歯領域16が存在している。即ち図2において矢印
M1で示す基準位置である1番目に相当するスプライン
が存在せず欠歯領域16とされ、また矢印M2で示す1
2番目に相当するスプラインが存在せず欠歯領域16と
され、また矢印M3で示す24番目に相当するスプライ
ンが存在せず欠歯領域16とされ、また矢印M4で示す
35番目に相当するスプラインが存在せず欠歯領域16
とされている。
【0014】なお、このギヤ部品1において欠歯領域1
6は、例えば次の様な形態で使用される。即ち欠歯領域
16には、その厚み方向に貫通する適数個の油穴が形成
される。そしてギヤ部品1の使用時には、生じた遠心力
により作動油の流入がこの油穴を介して行われる。油穴
の形成にはスプラインが存在しない方が好ましく、この
意味で欠歯領域16とされている。但し、欠歯領域16
の使用形態はこれに限定されるものではない。
【0015】図1において、スプライン14付近の目標
寸法としては、スプライン14の歯底付近の周方向にそ
うスプライン14の厚みAは4.81mm、欠歯領域1
6における周方向にそう歯底の間隔Bは8.03mm、
外径Cは96mm、内径Eは83.7mmとされてい
る。次に、本実施例で使用する鍛造装置の要部について
図3を参照して説明する。図3において、ダイス2はそ
の中央域にダイス孔20を備えており、粗形材7の外周
部を規定、拘束するものである。ダイス孔20は、上面
開口側にリング状の拡径凹部22を備えている。この拡
径凹部22はリング状のテーパ面22e、リング状の縦
壁面22f、リング状の底面22kを有する 更に、鍛造装置の図略の下ボルスタ側にはリング状の耐
圧盤30、31が配置されている。更に鍛造装置の図略
の下ボルスタ側にリング状のホルダ33が配置され、ホ
ルダ33にダイス2は嵌合されて保持されている。そし
てリング状の押さえ盤34をボルト35でホルダ33に
取付けることにより、ダイス2は耐圧盤30の上面側に
固定されている。
【0016】マンドレル4は、略円柱状をなし、ダイス
2のダイス孔20内に略同軸的に配置されており、粗形
材7の内周部を規定、拘束するものである。そして、ダ
イス2のダイス孔20の内周部とマンドレル4の外周部
との間には、拡径凹部22を含むリング状の隙間44が
形成されている。この隙間44は、ギヤ部品1となる中
間成形体8を成形するための成形キャビティとなる。
【0017】図3に示す様に、マンドレル4とダイス2
との間には、離型用のノックアウトスリーブ50、ノッ
クアウトスリーブ50を押し上げるノックアウトピン5
2が配置されている。ノックアウトピン52はマンドレ
ル4に形成されているピン通路57を通過する。更に上
記した鍛造装置の昇降可能な図略の上ボルタスタ側に
は、押圧型として機能する略円柱状のパンチ55が保持
され、更に、パンチ55を包囲するリング状の押さえ盤
56、57が保持されている。パンチ55の先端部には
凹部55aを区画するリング状の押込部55cが形成さ
れている。図3に示す様に凹部55aはマンドレル4の
先端部4aに嵌合し、これにより互いの位置決めが行わ
れる。
【0018】図4はダイス2のダイス孔20にマンドレ
ル4が挿入されている状態の主要部を示す。図4から理
解できる様に、前記したダイス2のダイス孔20の内周
部には、成形条溝群26が形成されている。成形条溝群
26は、ダイス孔20の内周部に周方向つまり矢印R1
方向にそって所定間隔で形成された多数個の成形条溝2
7からなる。成形条溝27は、前記したスプライン14
を成形するものであり、ダイス2の軸長方向つまり矢印
P1方向に平行な方向に延びている。成形条溝27は、
互いに対向する一対の型面27aと、一対の型面27a
をつなぐ型面27bとをもつ。
【0019】図6〜図8はマンドレル4を示す。図6
は、図8のW3−W4−W5にそう断面図である。図7
は図6の矢印W1方向からみた図である。図8は図6の
矢印W2方向からみた図である。図7に示す様にマンド
レル4の外周部4xには合計4個の逃溝47が周方向に
そって所定の間隔で形成されている。図6に示す様に逃
溝47はマンドレル4の軸長方向にそってのびている。
【0020】更に図1及び図4の比較から理解できる様
に、この逃溝47は、欠歯領域16に臨む様に位置し、
周方向つまり矢印R1方向において互いに隣設する2個
の成形条溝27間に配置されている。図4から理解でき
る様に、逃溝47は、互いに対向する一対の溝側面47
a、47bと、一対の溝側面47a、47bをつなぐ溝
底面47cとを備えている。図4に示す様に、逃溝47
の窪み方向は、ダイス2に形成されている成形条溝27
の窪み方向と反対である。
【0021】筒状の粗形材7の要部の断面を図9に示
す。粗形材7は、鋼材(例えばS45C)を熱間鍛造加
工において所定の荒地形状に熱間鍛造成形したものであ
る。この粗形材7は、粗形筒状体70と、粗形筒状体7
0と一体的に遠心方向に延設された粗形フランジ部71
と、粗形フランジ部71から軸長方向に延びる粗形径大
筒状体72とを備えている。粗形筒状体70は、ギヤ部
品1の筒状体10に相当するものである。粗形フランジ
部71は、ギヤ部品1のフランジ部11に相当するもの
であり、ギヤ部品1のフランジ部11と近似した形状、
寸法をもつ。粗形径大筒状体72は、ギヤ部品1の径大
筒状体12に相当するものであり、ギヤ部品1の径大筒
状体12と近似した形状、寸法をもつ。
【0022】図9において粗形材7によれば、粗形筒状
体70の内径Daは83.8mm、粗形筒状体70の外
径Dbは100.2mm、粗形径大筒状体72の内径D
cは108mm、粗形径大筒状体72の外径Ddは11
8mmが目標値とされている。なお内径や外径は直径を
意味する。図9において、本実施例では、ダイス2の成
形条溝27の谷に相当する部位の大内径D4は、粗形材
7に係る外径Dbに近似した値とされ、即ち99.78
5mmとされている。成形条溝27の山に相当する部位
の内径D5は95.786mmが目標値とされている。
拡径凹部22の垂直面22tの内径D3は118mmが
目標値とされている。マンドレル4の外径D6は、粗形
材7に係る内径Daと近似した値とされ、83.7mm
とされている。
【0023】さて本実施例の押込工程では、図9に示す
様に、ダイス2のダイス孔20の内周部とマンドレル4
の外周部との間のリング状の隙間44に、筒状の粗形材
7の粗形筒状体70側を対面させる。そしてこの状態
で、図略の鍛造装置を駆動させて、図10に示す様にパ
ンチ55を矢印Y1方向に降下させる。すると、パンチ
55の押込部55cにより粗形材7は強圧され、ダイス
2とマンドレル4との間の隙間44内に、粗形材7は強
制的に押し込められる。なお、この押込工程は粗形材7
が常温状態である冷間状態で実施される。
【0024】この押込工程においては、粗形材7のうち
主として粗形筒状体70の材料がダイス2の成形条溝2
7で区画された空隙に矢印N1方向(図10参照)に流
れ込む。この結果成形条溝27の型面27a、27bに
より、粗形材7の外周部に、多数個のスプライン14が
成形される。スプライン14は、成形条溝27と実質的
に型対象の形状となり、軸長方向つまり矢印P1方向と
平行な方向に延びる(図1参照)。
【0025】さて本実施例においては、欠歯領域16に
はスプライン14が形成されないので、欠歯領域16に
対応する粗形材7の材料部分は、前述のごとく余分とな
り、本来的には行き場がないものである。従って、欠歯
領域16のため余分となる材料は、マンドレル4の逃溝
47(本実施例では合計4個)に矢印N2方向(図10
参照)に流れ込む。これにより図1、図2に示す様な余
肉逃がし突部80となる。従って、スプライン14の他
に余肉逃がし突部80(合計4個)をもつリング状の中
間成形体8が形成される。
【0026】図2に示す様に、周方向つまり矢印R1方
向において、余肉逃がし突部80と欠歯領域16とは略
同位相とされている。図5は、余肉逃がし突部80付近
の拡大図を示す。図5において仮想線T1、T2は中間
成形体8の半径方向に沿い、余肉逃がし突部80の周方
向における端面80h、80iの根元と中間成形体8の
中心軸芯とを仮想的に結ぶ線である。図5に示す様に、
逃がし突部80の周方向における一方の端面80h(別
の見方をすれば、逃溝47の溝側面47a)は、仮想線
T1よりも角度αぶん内側に位置している。また他方の
端面80i(別の見方をすれば、逃溝47の溝側面47
b)も同様に、仮想線T2よりも角度β(α=β)ぶん
内側に位置している。
【0027】本実施例では、余肉逃がし突部80の横断
面積(つまり逃溝47の横断面積)をSAとし、スプラ
イン14の横断面積(つまり成形条溝27の横断面積)
をSBとすると、バリの回避のためには、両者の関係は
SB≦SAであることが好ましい。上記した様に中間成
形体8を成形したら、その後は、パンチ55を矢印Y2
方向に上昇させてダイス2から離脱させると共に、ノッ
クアウトピン52を押し上げてノックアウトスリーブ5
0を押し上げ、これにより中間成形体8をダイス2のダ
イス孔20から取り出す。
【0028】その後、除去工程を実施すべく、その中間
成形体8を切削加工機にセットする。そして、切削加工
機の切削具により、中間成形体8の余肉逃がし突部80
を切削除去する。この場合には、余肉逃がし突部80を
含む中間成形体8の内周部8i全体を所定深さぶん切削
除去する形態としても良い。或いは、余肉逃がし突部8
0のみを切削除去する形態としても良い。これにより中
間成形体8から、スプライン14を備えたギヤ部品1が
形成される。
【0029】(試験例)上記した形態において、マンド
レル4の外周部に形0した逃溝47の溝幅(周方向にそ
う円弧状の幅寸法)をL1(図4参照)とし、溝深さを
K1(図4参照)としたとき、L1とK1とを適宜変更
し、両者の関係を試験した。試験結果を図11に示す。
図11において●は余肉によるバリ発生有りを意味し、
○は余肉によるバリ発生無しを意味する。
【0030】本実施例における形態では、図11に示す
様に、溝深さK1が大きくても、逃溝47の溝幅L1が
小さな場合には、バリが発生して『バリ有領域』の領域
となり易い。また溝深さK1が小さくても、溝幅L1が
大きくなるにつれて、バリが発生しにくくなり、『バリ
無領域』の領域に移行することが確認された。但し、溝
幅L1が過剰に大きくなると、成形条溝27に流れてス
プライン14を本来形成するはずの材料部分が成形条溝
27に流れにくくなることもある。この意味では溝幅L
1を過剰に大きくすることは、好ましくない。従って図
5に示す様に余肉逃がし突部80の端面80hとスプラ
イン14の歯元との間には、ΔLの間隔を設定すること
が好ましい。また、溝深さK1が過剰に大きくなると、
逃溝47への材料の流れ込みが充分行われないため、溝
深さK1を過剰に大きくすることも、好ましくない。
【0031】この様な試験結果から、本実施例に係るス
プライン14の形態においては、逃溝47の溝幅L1は
6mm程度、溝深さK1は2mm程度が好ましいことが
推定される。 (他の例)上記した例ではスプライン14は中間成形体
8の外周部に形成され、余肉逃がし突部80は中間成形
体8の内周部8iに形成されているが、これに限定され
るものではなく、逆の形態でも良い。即ち、スプライン
は、ギヤ部品1となる中間成形体8の内周部8iに形成
され、余肉逃がし突部は中間成形体8の外周部に形成さ
れていても良い。この場合には、スプラインを成形する
成形条溝はマンドレル4の外周部4xに形成され、周方
向において欠歯領域と同じ位相の逃溝は、ダイス2のダ
イス孔20の内周部に形成される。
【0032】上記した実施例では、欠歯領域16の数は
4個であるが、これに限定されず、それ以下でも以上の
数でも良い。上記した実施例では、歯状突条として、ス
プライン14の成形に適用した形態であるが、スプライ
ン以外の形態に適用することもできる。例えば、歯状突
条として、軸長方向にのびるギヤ歯に適用する形態でも
良い。
【0033】上記した寸法関係に限定されるものではな
く、必要に応じて適宜変更できることは勿論である。上
記した例は鍛造成形に適用した例であるが、これに限ら
ず、押出用のダイス及びマンドレルを用い、粗形材を押
出加工することにより、スプラインを形成する押出成形
装置に適用することもできる。
【0034】その他、本発明は上記しかつ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しな
い範囲内で必要に応じて適宜選択できるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、欠歯領域に対応す
る粗形材の材料部分は本来的には余肉となるが、この余
肉となる材料部分は、欠歯領域に対応する位置に形成さ
れている逃溝に流れ込む。従って、余肉となる材料部分
がバリとなることを軽減、回避するのに有利となる。よ
ってバリに起因するキズの軽減、回避に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ギヤ部品となる中間成形体の余肉逃がし突部付
近の斜視図である。
【図2】中間成形体の底面図である。
【図3】鍛造装置の要部の縦断面図である。
【図4】ダイスのダイス孔に挿入されているマンドレル
の外周部に形成した逃溝付近の拡大斜視図である
【図5】中間成形体の主要部の構成図である。
【図6】図8のW3−W4−W5に沿うマンドレルの断
面図である。
【図7】図6を矢印W1方向からみた状態の図である。
【図8】図6を矢印W2方向からみた状態の図である。
【図9】ダイスの上方に粗形材を位置させた状態の断面
図である。
【図10】パンチで粗形材をダイスのダイス孔に押し込
めた状態を示す断面図である。
【図11】バリの発生の有無における逃溝の溝幅と溝深
さとの関係を示すグラフである。
【図12】一部切断した状態を示すスプラインを備えた
ギヤ部品の斜視図である。
【図13】パンチで粗形材をダイスのダイス孔に押し込
めた状態を模式的に示す従来技術に係る断面図である。
【図14】粗形材をダイスのダイス孔に押し込めた際に
発生したバリをもつ粗形材を模式的に示す従来技術に係
る構成図である。
【符号の説明】
図中、1はギヤ部品(金属成形品)、14はスプライン
(歯状突条)、16は欠歯領域、2はダイス、26は成
形条溝群、27は成形条溝、4はマンドレル、47は逃
溝、55はパンチ、7は粗形材、8は中間成形体、80
は余肉逃がし突部を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21K 1/30 B21J 5/06 B21J 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周部及び外周部の一方において周方向に
    間隔を隔てて列設され軸長方向と平行に延びる多数個の
    歯状突条をもち、該周方向の所定位置において該歯状突
    条が存在しない欠歯領域とされた金属成形品を得る方法
    であり、 筒状をなす金属製の粗形材と、 ダイス孔を備え該粗形材の外周部を規定するダイスと、 該ダイスのダイス孔内に略同軸的に配置され該粗形材の
    内周部を規定するマンドレルと、 該ダイス孔の内周部及び該マンドレルの外周部の一方に
    形成され、軸長方向と平行な方向に延び該金属成形品に
    該歯状突条を成形する多数個の成形条溝からなる成形条
    溝群と、 該ダイス孔の内周部及び該マンドレルの外周部の他方に
    形成され、周方向において互いに隣設する成形条溝間に
    位置すると共に周方向において該欠歯領域と対応する位
    相に設けられ、半径方向において該成形条溝群の窪み方
    向と反対の方向に窪む逃溝と、 を用い、 該ダイスのダイス孔の内周部と該マンドレルの外周部と
    の間のリング状の隙間に、筒状の該粗形材をパンチによ
    り強圧して押し込み、 該成形条溝群により、該粗形材の外周部及び内周部の一
    方に、軸長方向と平行な方向に延びる多数個の歯状突条
    を成形すると共に、 該欠歯領域に対応する該粗形材の材料部分を逃溝に流入
    させ、余肉逃がし突部をもつ中間成形体を形成する押込
    工程と、 該ダイスから取り出した該中間成形体の該余肉逃がし突
    部を切削除去し、金属成形品を得る除去工程と、 を順に実施することを特徴とする欠歯領域を備えた歯状
    突条をもつ金属成形品の成形方法。
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