JP2849920B2 - 高強度高靭性アルミニウム合金の製造方法 - Google Patents

高強度高靭性アルミニウム合金の製造方法

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JP2849920B2 JP9702589A JP9702589A JP2849920B2 JP 2849920 B2 JP2849920 B2 JP 2849920B2 JP 9702589 A JP9702589 A JP 9702589A JP 9702589 A JP9702589 A JP 9702589A JP 2849920 B2 JP2849920 B2 JP 2849920B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は高強度高靭性アルミニウム合金の製造方法に
関する。
(2) 従来の技術 従来、この種合金として、機械的特性等を改善する目
的で、組織を微細化した急冷凝固アルミニウム合金が知
られている。
(3) 発明が解決しようとする課題 しかしながら前記従来合金は、高硬度ではあるが低靭
性であるため、適用範囲が狭く、汎用性に欠けるという
問題がある。
本発明は前記に鑑み、比較的硬度が高く、且つ優れた
靭性を有すると共に、汎用性のあるアルミニウム合金を
得ることのできる前記製造方法を提供することを目的と
する。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明に係る高強度高靭性アルミニウム合金の製造方
法は、化学式:AlaFebYcで表わされ、a,b,cがそれぞれ原
子%で、90<a<94、3<b<7、1<c<6であり、
且つ非晶質相と過飽和固溶体とが混在した金属組織を有
するアルミニウム合金素材に、350〜400℃にて熱処理を
施すことにより、前記金属組織を、各相の大きさが0.4
μm以下である、金属間化合物を含む複相組織に変換す
ることを特徴とする。
(2) 作用 前記製造方法によれば、前記のように特定された組成
および金属組織を備えることによって、比較的高硬度
で、且つ高靭性であり、また高い引張強さを有するアル
ミニウム合金を容易に得ることができる。またアルミニ
ウム合金素材は高靭性であるから熱間成形性が良好であ
り、したがって合金製造と同時に成形を行うことも可能
である。たゞし各化学成分の配合割合が前記範囲を逸脱
すると、アルミニウム合金が高硬度で、且つ脆弱になる
か、または高靭性ではあるが低硬度になる。
(3) 実施例 アルミニウム合金の製造に当っては次のような方法が
採用された。
即ち、アーク溶解によりAl−Fe−Y系母合金を溶製
し、次いでAr雰囲気中での単ロール法(直径250mmの銅
製ローラ、回転数4000rpm)により一次組織を持つリボ
ン状アルミニウム合金素材(以下、1次合金と称す)を
製造し、その後1次合金に真空下で熱処理を施して二次
組織を持つリボン状アルミニウム合金(以下、2次合金
と称す)を得る。
表Iは各種1次,2次合金の組成および各種物性を示
す。
表Iにおいて、2次合金(1)〜(11)が実施例によ
るアルミニウム合金であり、他の2次合金(12)〜(2
7)が比較例によるアルミニウム合金である。
各1次,2次合金(1)〜(27)のビッカース硬さはマ
イクロビッカース硬度計を用いて測定された。
また密着曲げ試験は、第1図に示すようにリボン状の
2次合金Aを、それの両端部Aa,Abを把持して折曲げ、
中央部分が破断したときの、その中央部分外周面に生じ
る円弧Acの直径lを測定することにより行われた。この
密着曲げ試験の測定値は、破断ひずみ(εf)として表
わされ、2次合金Aの厚さをtとしたとき破断ひずみ
(εt)は、εf=t/(l−t)となる。
密着曲げ可能状態は、2次合金Aが破断せずにその両
端部Aa,Abが密着した状態であって、このときの破断歪
(εf)は、εf=t/(2t−t)=1である。表Iにお
いて、「○」は密着曲げが可能であることを示し、また
「×」は密着曲げが不可能であることを示す。
第2図は、1次合金(1)〜(27)におけるFeおよび
Yの配合割合とビッカース硬さとの関係を示す。図中、
点(1)〜(27)は1次合金(1)〜(27)に対応し、
また各点(1)〜(27)近傍の数値はビッカース硬さ
(Hv)を示す。
表Iおよび第2図に示すように、1次合金(1)〜
(11)は、AlaYebFcにおいて、a,b,cがそれぞれ原子%
で、90<a<94、3<b<7、1<c<6の条件を満足
しており、また非晶質相と過飽和固溶体とが混在した金
属組織を有する。これら1次合金(1)〜(11)は、ビ
ッカース硬さ(Hv)が250≦Hv≦400であって高硬度であ
るが高靭性であるため、熱間成形性が良好となり、また
引張強さも向上している。
1次合金(12),(13),(15)〜(24)は、非晶質
相と過飽和固溶体とが混在した金属組織を有する。この
場合、1次合金(12),(13)はFeおよびYの配合割合
が小さいので引張強さが低く、一方、1次合金(15)〜
(24)は高硬度であり、且つ脆弱である。
また1次合金(14)は過飽和固溶体であって、高靭性
ではあるがFeおよびYの配合割合が小さいので引張強さ
が低い。
さらに1次合金(25)〜(27)は非晶質相であって、
高靭性ではあるが低硬度である。
第3図は、2次合金(1)〜(27)におけるFeおよび
Yの配合割合とビッカース硬さとの関係を示す。図中、
点(1)〜(27)は2次合金(1)〜(27)に対応し、
また各(1)〜(27)近傍の数値はビッカース硬さ(H
v)を示す。
表Iおよび第3図に示すように、実施例による2次合
金(1)〜(11)は、AlaFebFcにおいて、a,b,cがそれ
ぞれ原子%で、90<a<94、3<b<7、1<c<6の
条件を満足し、また熱処理により相分解が行なわれて、
各相の大きさが0.4μm以下である微細な複相組織が出
現し、その結果、ビッカース硬さ180以上と比較的硬度
であって、引張強さも向上しており、その上密着曲げ試
験結果より高靭性であることが明らかである。
比較例による2次合金(12)〜(14)、(16)〜(1
9)は高靭性ではあるが低硬度であり、また2次合金(1
5),(20)〜(27)は高硬度であって低靭性である。
第4,第5図は、1次合金に対する熱処理温度と、2次
合金の破断ひずみ(図中、線x)およびビッカース硬さ
(図中、線y)との関係を示す。第4図は実施例による
2次合金(8)〔Al92Fe5Y3〕に、第5図は比較例によ
る2次合金(26)〔Al90Fe5Y5〕にそれぞれ該当する。
熱処理条件は、各温度にて1時間加熱、その後徐冷であ
る。
第4図線xから明らかなように、2次合金(8)の場
合は、熱処理温度300℃にて破断ひずみが最低値となる
が、それ以上の熱処理温度域では相分解が行われて微細
な複相組織が出現するので破断ひずみが上昇し、熱処理
温度を350〜400℃の範囲に設定することによって破断ひ
ずみεf=1に回復し、したがって高靭性となる。
また第4図線yから明らかなように、ビッカース硬さ
については熱処理温度300℃にて最高値となり、それ以
上の熱処理温度域ではビッカース硬さが低下するが、熱
処理温度350〜400℃においては200以上の値を有し、し
たがって比較的高硬度である。
一般に、アルミニウム合金を用いた粉末冶金分野で
は、300〜450℃にて素材の脱ガス処理および熱間押出し
加工等の熱間成形作業を行うので1次合金(8)の場合
は、前記熱処理温度350〜400℃を脱ガス温度および熱間
成形温度に設定することによって、2次合金(8)の製
造と同時にその高靭性を利用して低圧力下にて成形作業
を行うことが可能となり、また2次合金(8)は高強度
高靭性といった機械的特性を備えている。
第5図において、2次合金(26)の場合は、線xから
明らかなように一旦低下した破断ひずみはεf=1には
回復せず、したがって前記2次合金(8)に比較して靭
性が低い。
第6図は1次合金(8)および2次合金(8)の金属
組織を示す透過型電子顕微鏡写真であり、同図(a)は
1次合金(8)に該当し、また同図(b)は2次合金
(8)において熱処理条件を温度350℃、1時間に設定
した場合に、さらに同図(c)は2次合金(8)におい
て熱処理条件を温度500℃、1時間に設定した場合にそ
れぞれ該当する。
第6図(a)から明らかなように、1次合金(8)は
非晶質相と過飽和固溶体とが混在した微細な金属組織を
有する。
また同図(b)から明らかなように、2次合金(8)
においては、熱処理条件を前記のように特定することに
より相分解が行われて微細な複相組織が出現している。
この場合、高強度高靭性の面から各相の大きさは0.4μ
m以下であることが望ましい。
さらに同図(c)においては、熱処理温度が高いため
に成長が起って金属組織が粗大化することが明らかであ
る。これは、第4図線xからも分かるように2次合金
(8)の低靭性化および低硬度化を招来する。
表IIは、各種2次合金の複相組織における同定金属間
化合物と、未同定金属間化合物(unidentified compoun
d、表中、u.i.c)を示す。表IIにおいて、「○」は金属
間化合物が存在することを示す。
第7図は2次合金(8)において、熱処理温度を300
℃に設定したときの時間と破断ひずみとの関係を示す。
同図より、熱処理温度を300℃と低く設定しても、30時
間以上加熱することにより、相分解の発生による破断ひ
ずみの回復が認められる。
第8図は、Heアトマイズ法を適用して得られた粉末状
1次合金(8)における粒径とビッカース硬さとの関係
を示す。点zは、単ロール法により得られリボン状1次
合金(8)のビッカース硬さを示す。
この粉末状1次合金(8)の粒径が25μmよりも小さ
い場合(即ち、粒径<25μm、Hv≧250)には、粉末状
1次合金(8)の金属組織は、大部分が過飽和固溶体で
あり、前記リボン状1次合金(8)と同等であることが
確認された。
前記粉末状1次合金(8)を、400℃まで加熱した
後、熱間押出し加工を行って直径10mm、長さ180mmの丸
棒状2次合金(8)を得たところ、その2次合金(8)
の引張強さは約90kg f/mm2で、またシャルピー衝撃値は
約1.3kg−m/cm2であった。このシャルピー衝撃値は、通
常の急冷凝固アルミニウム合金の0.3〜0.5kg−m/cm2
比べて優れている。これは前記2次合金(8)の高硬度
高靭性に起因する。
また熱間押出し加工において、押出圧は50〜80kg f/m
m2であり、通常の急冷凝固アルミニウム合金の80〜100k
g f/mm2に比べて低下している。これは前記2次合金
(8)の前記温度における高靭性化に起因する。
表IIIは、過飽和固溶体である他の2次合金の組成と
相分解温度を示す。
表IIIより明らかなように各2次合金(A)〜(F)
は相分解温度が低く、したがって実施例による2次合金
(8)に比べて脱ガス処理および熱間成形性の点におい
て劣る。
C.発明の効果 本発明によれば、前記のように特定された組成および
金属組織を備えることによって、高強度で、且つ高靭性
であると共に、汎用性を持つアルミニウム合金を容易に
製造することができる。
また本発明によれば、前記アルミニウム合金を容易に
製造することができる。その上、アルミニウム合金素材
は熱間成形性が良好であるから合金製造と同時に成形を
行ってアルミニウム合金に所定の形態を付与することが
できる。その成形に当っては、熱間成形圧力を低くし得
るので、製造設備の小形化および設備コストの低減を図
り、延いてはアルミニウム合金の製造コストを安価にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は密着曲げ試験法の説明図、第2図は1次合金に
おけるFeおよびYの配合割合とビッカース硬さとの関係
を示すグラフ、第3図は2次合金におけるFeおよびYの
配合割合とビッカース硬さとの関係を示すグラフ、第4,
第5図は二種の2次合金における熱処理温度と、破断ひ
ずみおよびビッカース硬さとの関係を示すグラフ、第6
図(a)は1次合金の金属組織を示す顕微鏡写真、第6
図(b),(c)は2次合金の金属組織を示す顕微鏡写
真、第7図は2次合金における熱処理温度を300℃に設
定した場合の熱処理時間と破断ひずみとの関係を示すグ
ラフ、第8図は粉末状1次合金の粒径とビッカース硬さ
との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691B (72)発明者 堀村 弘幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−248860(JP,A) 特開 平1−275732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/04 C22C 21/00 - 21/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学式:AlaFebYcで表わされ、a,b,cがそれ
    ぞれ原子%で、90<a<94、3<b<7、1<c<6で
    あり、且つ非晶質相と過飽和固溶体とが混在した金属組
    織を有するアルミニウム合金素材に、350〜400℃にて熱
    処理を施すことにより、前記金属組織を、各相の大きさ
    が0.4μm以下である、金属間化合物を含む複相組織に
    変換することを特徴とする高強度高靭性アルミニウム合
    金の製造方法。
JP9702589A 1989-04-17 1989-04-17 高強度高靭性アルミニウム合金の製造方法 Expired - Lifetime JP2849920B2 (ja)

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