JP2848632B2 - ピペット尖端 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はピペットの嵌着ヘッドに嵌着自在なピペット
尖端に関する。

［従来の技術］ 円錐形嵌合面を有するピペット尖端は例えばドイツ特
許第1090449号から公知である。この公知例では、嵌着
円錐体がその全長に亘って円錐形に形成されている。嵌
着尖端自体の可撓性を考慮に入れても、尖端の円錐体と
ピペットの嵌着ヘッド円錐体との間の嵌合公差を補償で
きる範囲は限られている。従って、この構成を実用に供
したところ密封効果が多くの場合不完全であった。

嵌着可能なピペット尖端を安定させるため、その上部
に張出し縁を設けたピペット装置はドイツ特許第129114
2号から公知である。壁厚は上から下まで均一である。
密封域を含む上部では、軸方向のリブによって形状を補
強している。この場合、補強は嵌合面の領域にまで達す
ると開示されているが、このような対策を講じても確実
な密封効果は得られなかった。

同様の構成は東ドイツ特許第50016号からも公知であ
り、この公知例では、円錐形嵌合部を有する嵌着容器を
対応する円錐形に構成されたピペットの嵌着ヘッドに嵌
着することができる。上記開口部をフランジ付き縁によ
って補強する。

嵌着可能なピペット尖端の挿入域を補強するという考
え方は米国特許第3732734号から公知である。この公知
例では、嵌着域を段状に外方へ張出した外周壁部分によ
って補強する。内側に環状リブを設けるが、これは壁を
可撓化するための肉薄化にはならず、円周方向の環状密
封帯を形成するだけであり、しかもその基礎部分はピペ
ット尖端のほとんど変形不能な壁部分である。この壁部
分の基本的な形状は上記リブの領域においてもピペット
の嵌着ヘッドと同様に円錐形である。

上記リブは確実な嵌合部をも、ある程度平滑な嵌合域
をも形成しない。この公知例は例えば上縁にだけ円周方
向のフランジを有し、ピペット尖端のほほ全長に亘って
均一な壁厚を有する。必要に応じて下方放出口の領域に
おいて壁厚をテーパさせる。

米国特許第4349109号に開示されているピペット尖端
は複数部分から構成され、円錐台形に形成された最上部
分はテーパ度が例えば３゜の内面を有し、ピペットに対
する楔形嵌合部を構成する。密封域を形成する嵌合面を
有するこの部分はピペット尖端の最大壁厚を有するか
ら、著しく非可撓性である。嵌合面は斜め内方へ張出し
た段状面を経てピペット尖端の下方壁部分に移行し、前
記下方壁部分は容積が比較的小さいピペットに対する嵌
合部として機能できるように嵌合面を含む上方部分に対
して内方へ位置がずれている。但し、下方部分の上縁は
上方部分の外方へ張出し壁のため極めて強固であり、非
可撓性である。従って順応性に欠け、また、壁が中心線
に対してずれているから壁の輪郭にオーバラップ関係が
成立しない。

円錐形の嵌着ヘッドに順応させることができるように
密封域の壁に肉薄化部分を設けた上述のような嵌着可能
なピペット尖端はドイツ特許第2526296号から公知であ
る。この公知例はピペット尖端が特に弾性を有し、少な
くとも可撓性で、好ましくは拡張させた際にある程度の
復元特性を示すような材料、特にプラスチック材から成
ることを前提としている。ゴム系材料のほかに、ポリプ
ロピレンという商品名で市販されているようなプラスチ
ック材を挙げている。

嵌合効果を高める可撓的順応性がピペット尖端及び嵌
着ヘッドの精度に問題があってもこれを補償するから、
製造公差が比較的大きくてもよく、しかもすぐれた密封
効果が達成され、さらに、操作に要する力、即ち、ピペ
ット尖端の嵌着、抜取りに要する力が小さくて済むとい
うことも上記文献に記載されている。

これらの文献から既に公知の壁肉薄化はそれなりの成
果を上げていることは実証されている。公知の壁肉薄化
は外側に施され、外周を囲んで環状に形成されるか、ま
たは所々に溝状凹みの形で形成される。壁の外側に肉薄
化部分を形成する場合、ピペット尖端の下端よりも密封
域上縁において深く形成し、密封域上縁に外方へ張出す
環状段部を形成し、密封域におけるピペット尖端の壁厚
が上方に向かって次第に薄くなるようにする。

このように肉薄化部分を外側に形成する実施態様は対
応の射出成形型を制作することが比較的容易であるとい
う点でも好ましいと考えられる。しかし実際にはアンダ
ーカットを回避しながら型からの取出しを行わねばなら
ないから、この方法は実用に供し難い。特にテーパ度の
小さい細いピペット尖端の場合、密封域に充分な肉薄化
を施し、所定の密封域の全域に亘ってこの肉薄化を均一
に形成することは極めて困難である。多くの場合、密封
域における壁厚にばらつきが現われる。従って、このよ
うなピペット尖端では密封域を光学的に観察し難く、使
用者の信頼を得られないという結果になり易い。

［発明の目的］ そこで、本発明の目的は上記の公知例の欠点に鑑み、
軸方向に所定の長さに亘る、明確に確認できる密封域に
おける壁肉薄化量を任意に選択でき、有害なアンダーカ
ットのため型からの取出しを妨げられずに製造できるピ
ペット尖端を提供することにある。このことはテーパ度
が少なくとも円筒形に近いほど小さい細いピペット尖端
についても同様である。

［発明の概要］ 本発明は上方に嵌着口、下方に液体採取／放出口を有
し、ピペット尖端が嵌着ヘッドと結合する密封域をピペ
ット尖端の上端から距離を隔てた位置に有し、ピペット
尖端内壁に平滑な嵌合面を形成すると共に、該密封域の
壁を全体的なピペット尖端の壁よりも肉薄化することに
よって該密封域を可撓性とした、ピペットの嵌着ヘッ
ド、特にその円錐形に合わせて少なくとも一部を円錐形
に構成した、特に全体が円錐形の容器の形状を呈する嵌
着可能なピペット尖端に係わる。

本発明はまた、ピペット尖端の上端から距離を隔て
て、平滑な嵌合面を有する密封域を有し、少なくとも一
部を円錐形に構成した上記ピペット尖端の実施態様をも
含む。

この実施態様においてピペットのヘッドがピペット尖
端に嵌着する付近を円筒状のままとしてもよい。

平滑な嵌合面という場合、表面に凹凸があってはなら
ないということではなく、円錐面における密封効果を高
める小さい凹凸が存在してもよい。しかし、基本的には
平滑な嵌合面であることが好ましい。

なお、ピペットの嵌着ヘッドを、ピペット尖端の円錐
形壁部分に挿入される円錐体として形成してもよい。そ
の場合、嵌着のためのこのような円錐体を外方へ張出し
た形でピペット尖端にも設ける。即ち、環状に突出させ
てこの領域でのみピペット尖端が密封嵌合できるように
構成してもよい。

密封嵌合という点では、外方へ張出した嵌着ヘッドの
嵌合域が球面を有するように構成してもよい。このよう
に構成すれば、ピペット尖端の特に弾性的かつ可撓性な
嵌合面に対する密封嵌合も得られ、弾性がピペット尖端
を嵌着ヘッドの環状嵌合域に密封状態に嵌合させる。

本発明では上記目的を達成するため、少なくとも密封
域においてピペット尖端壁の外側及び内側に溝の形で肉
薄化加工を施す。壁肉薄化を外側だけでなく内側にも施
すことにより、嵌合域または密封域における壁厚が一様
となる。即ち、密封域全体に亘って均一な壁厚が得られ
る。

好ましい実施態様では、下方を起点とする外側肉薄化
部分と上方を起点とする内側肉薄化部分を所定の密封域
において互いにオーバラップさせることによって上記目
的を達成する。

ピペット尖端の壁を起点として互いにオーバラップす
るように次第に深さが変化する肉薄化という場合、壁を
直接起点とし、次第に深くなり、肉薄化の終端が段状部
となるように形成することを意味し、内壁肉薄化の段状
部は嵌着口に対して下方にあり、外壁肉薄化の段状部は
採取口／放出口に対して上方に位置する。

このような構成には、特に壁厚が比較的大きい場合、
テーパ度の小さいピペット尖端であってもオーバラップ
域を任意の量だけ肉薄化でき、上下が明確に限定され、
確認し易い有効な壁肉薄化が達成できるという大きい利
点がある。

公知の技術には密封域の壁厚が例えば下方から上方へ
次第に薄くなるというように不均一となる問題がある
が、同時に内壁にも肉薄化部分を形成することで、上記
利点のほかに、特定の壁厚パターンを選択できるという
利点も得られる。

下方を起点とする外壁肉薄化及び上方を起点とする内
壁肉薄化を施すことによってそれぞれの肉薄化部分の端
部に環状段部が形成され、内側環状段部をピペット嵌着
ヘッドの制止片として利用することにより確実な、再現
可能な嵌合が達成されるという利点も得られる。

嵌着口に向かって上方へ、上向きに広がる環状段部に
まで達して、本来の壁厚に戻るような外壁肉薄化部分を
形成した場合には肉薄化の最も深い部分によって決定さ
れる境界が与えられる一方、密封域に上方から下方に向
かってテーパする不均一な壁厚が存在するという問題を
生ずる。ところが、同時に内壁肉薄化部分をも設けるこ
とにより、嵌合域または密封域の壁厚を密封域全域に亘
って均一化できるだけでなく、特定の壁厚パターンを選
択することもできる。

このような観点から、嵌着口に向かって上方へ、上向
きに広がる段状面に達して本来の壁厚に戻るように外壁
肉薄化部分を形成する実施態様においては、逆に上方か
ら下方に向かって次第に深くなり、その下端に下内方へ
張出す環状段部を有する内壁肉薄化部分を密封域に形成
することが好ましい。その場合、下内方へ張出す円錐形
環状段部の傾斜を30゜程度に小さく設定することが好ま
しい。このように構成すれば内部に平滑な過渡部が得ら
れ、従って、ピペット尖端材料の弾性作用下に適正な収
縮効果が得られるなら、突出する嵌着ヘッドがある程度
の深さ、即ち、軸方向長さを有する限り、過渡部の僅か
な傾斜によって嵌合効果が高められる。

互いに反対の方向へ次第に深くなる外側及び内側肉薄
化部分がピペット尖端の密封域に表面が互いにほぼ平行
な壁部分を両者の間に形成することが特に好ましい。

このように構成すれば、嵌着ヘッドが円錐形でも球形
でも、バランスのとれた嵌合効果が高められ、特に球形
の場合、嵌合に好ましく影響し、嵌着、取外しに要する
力が比較的小さくて済む。また、この実施態様では内側
環状段部を円錐状嵌着ヘッドの制止部として利用するこ
とが好ましく、これにより確実かつ再現性の高い嵌合と
いう利点が得られる。

上記の観点に基づき、好ましい実施態様として、互い
に逆方向の内側及び外側肉薄化により、円錐状ピペット
尖端の壁中心線に対して傾斜し、少なくとも壁中心線よ
りは小さいテーパ度の壁部分を残すようにする。

密封域における壁厚が均一であれば、テーパ度を特定
の作業条件に合わせることができ、これに関連して、テ
ーパ度の公差を調整する際にピペット尖端の着脱条件を
考慮に入れることができる。

ただし、互いに逆方向の内側及び外側肉薄化により、
円錐状ピペット尖端の壁中心線に対して傾斜し、ピペッ
ト尖端の中心軸を軸線とするほぼ円筒形の壁部分を残す
ようにするのが特に好ましい。この実施態様では、ピペ
ットの嵌着ヘッドが外方に張出した球形の段部を有する
ようにすれば好ましい嵌合部が得られる。この球形体は
上下とも直径が等しいから、伸縮性及び弾性を有するピ
ペット尖端のそれ自体は円筒形の嵌合域がかぶさること
によって密封度の高い安定した嵌合が可能となり、しか
も、ピペットとピペット尖端を連結する可撓リンクとし
て作用する嵌合部となる。

嵌合をゆるめたり、密封効果を低下させたりすること
なく、必要に応じてピペット尖端とピペットとの軸方向
嵌着に所定の範囲内で変化を与えることができ、また、
既に述べたように、内側環状段部との関連において確実
かつ再現性の高い嵌合を達成することができる。これに
関連して、互いに逆方向の内側及び外側肉薄化により、
円錐状ピペット尖端の壁中心線に対して傾斜し、ピペッ
ト尖端の中心軸を軸線として上方から下向きに広がり、
全体的なピペット尖端壁の円錐形とは逆方向の円錐形を
形成する壁部分を残すようにすれば、嵌合はさらに強固
になる。

その場合、僅かながらアンダーカットが発生するが、
これは有害ではなく逆に、型から取外す際に射出によっ
て放出されるまでピペット尖端を心金に固定保持させる
機能を果す。従って、再現性にすぐれた所要の射出成形
サイクルが達成される。この実施態様のさらに他の利点
として、材料が弾性を有するから、制止手段として利用
できる内側環状段部と相俟って極めて確実なピペット尖
端嵌合を可能にするある程度のスナップ効果が発生す
る。

以上の説明から明らかなように内側及び外側に肉薄化
部分を有する本発明の構成は有益であり、しかも、その
好ましい実施態様においてはアンダーカットを形成する
のに必要なスライドコアなどのような装置を用いず成形
型の構成を極めて簡単にすることができる。本発明の特
徴である互いにオーバラップする内外両側の肉薄化は成
形サイクルごとに内型と外型を結合すれば総形バイトの
形状に従って簡単に成形できる。

［実施例］ 本発明を添付図面に示す実施例に関連して以下に説明
する。

ピペット尖端１は口縁を面取りすることで広げること
のできる上方嵌着口２を有する。上部は比較的厚い壁３
で囲まれ、さらに、この部分を強固にするためリブ４に
よって補強されている。この壁の上縁には円環状のフラ
ンジ3aを設けてもよい。

この壁厚は領域５まで一様であり、この領域の終端は
横線６の位置である。横線６から壁厚が薄くなり、密封
域10を含む長い部分が続く。前記密封域10は横線７の位
置にまで達する。横線７の下方には横線６よりも上方の
壁厚とほぼ等しい壁厚を有するピペット尖端壁17が下方
の採取／放出口８にまで達している。なお、典型的な実
施態様として、密封域10の下方から下端の採取／放出口
８まで壁厚をテーパさせてもよい。

ピペット尖端１の円錐体を形成する壁の中心面を一点
鎖線９で示した。この中心面は横線６の上方と横線７の
下方では壁の中心を通る。

横線6,7間の密封域10では壁厚が薄くなっている。た
だし、密封域10は正確に両横線にまで達していなくても
よい。ピペット尖端１の軸方向にもっと短くしてもよ
い。

また、壁の肉薄化部分11として円周方向の溝を彫り込
み、溝の底が壁中心線９に対して傾斜した円筒面12を形
成するようにする。この肉薄化部分11は少なくとも他の
壁部分よりもそのテーパ度が小さい。肉薄化部分11は横
線７とほぼ一致するその下端13における本来の壁厚の外
側を起点とし、上外方へ円錐状に広がる環状段部14を経
てその上端において再び本来の壁厚に戻る。このような
肉薄化だけでは密封域10における壁厚が不均一になる。
そこで図示の実施例ではこれと対応する肉薄化部分15を
内側にも形成する。この肉薄化部分15は段部14の下端に
ほぼ相当する位置を起点とし、ほぼ外側肉薄化部分の起
点に相当する下端13の高さまで下方に向かって次第に深
くなる。内側肉薄化部分15は下方に向かって次第に深く
なり、円錐状に内方へ収斂する環状段部16を経てピペッ
ト尖端の本来の厚さの壁17に移行する。下向きにテーパ
する環状段部16の勾配は例えば30゜とする。

外側肉薄化部分11はピペット尖端１の下方を起点と
し、内側肉薄化部分15はその上方を起点とするが、この
場合、ピペット尖端１の嵌着口２を上方とすることはい
うまでもない。この方向は肉薄化の深さが次第に増大す
る方向であり、外側及び内側の肉薄化部分11,15が互い
にオーバラップすることもいうまでもない。

外側肉薄化部分11と内側肉薄化部分15に挟まれた壁部
分18は両壁面が互いに平行なら、密封域10の全長に亘っ
て均一な厚さを具える。

第２図はピペット尖端１の上部を円筒形に構成した例
を示す。嵌着口２においてピペット尖端１は本来の厚い
壁３を有し、嵌着口２を起点として円筒状の内側肉薄化
部分19が下方の環状段部20にまで達している。この肉薄
化部分19は上方を起点とする。

これとは逆に、下方から上方へ外側肉薄化部分21が下
向きに環状段部22にまで達している。互いに対向する環
状段部20,22間の密封域10において両肉薄化部分19,21が
オーバラップするから、顕著な肉薄化が得られる。この
肉薄化は内径23及び外径24を適当に寸法設定することに
よって、つまり、両肉薄化部分の寸法設定によって任意
に薄くすることができる。

第３図には、外側肉薄化部分25が下方を起点として上
方のテーパ環状段部26にまで達し、内側肉薄化部分27が
上方を起点として下方のテーパ環状段部28にまで達する
実施例を示した。従って、密封域10にはその上下の域よ
りも壁厚の小さい壁部分29が画定されるが、密封域10に
おける嵌合面はテーパ度が1:15の円錐形に形成されてい
る。この実施例は密封域10における壁厚そのものはほぼ
均一に保ちながら密封域10における上向きに広がる円錐
角を本発明の範囲内で調整できることを明らかにするの
がその目的である。この実施例の場合、壁部分29のテー
パ度はピペット尖端１の全体的な壁17または壁中心線９
のテーパ度よりも小さい。

第３図のピペット尖端では、嵌着口２の下方の上部壁
３が密封域10の壁よりも厚く、密封域10より下方の壁17
も本来の厚さを有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例として構成されたピペット尖
端の部分縦断面図、第２図はピペット尖端上部の円筒状
構成を明らかにするための別の実施例の部分縦断面図、
第３図はピペット尖端の差込口付近の壁、特にその密封
域を上向きに開口する円錐形に構成したことを示す別の
実施例の部分縦断面図である。 １……ピペット尖端、２……嵌着口、3,17……ピペット
尖端壁、８……採取／放出口、９……壁中心線、10……
密封域、11,25……溝（外側肉薄化部分）、14,16,20,2
2,26,28……環状段部、15,27……溝（内側肉薄化部
分）、18,29……壁部分、19,21……溝（円筒状肉薄化部
分）

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上方に嵌着口（２）、下方に液体採取／放
   出口（８）を有し、ピペット尖端（１）が嵌着ヘッドと
   結合する密封域（10）をピペット尖端の上端から距離を
   隔てた位置に有し、ピペット尖端内壁に平滑な嵌合面を
   形成すると共に、該密封域（10）の壁をピペット尖端の
   壁（17）よりも肉薄化することによって該密封域（10）
   を可撓性とした、ピペットの嵌着ヘッド、特にその円錐
   形に合わせて少なくとも一部を円錐形に構成した、特に
   全体が円錐形の容器の形状を呈する嵌着可能なピペット
   尖端（１）であって、少なくとも密封域（10）において
   ピペット尖端壁の外側及び内側に溝（11,21,25,15,19,2
   7）の形で肉薄化加工を施したことを特徴とする嵌着可
   能なピペット尖端。
2. 【請求項２】密封域（10）における外側肉薄化部分が下
   方から嵌着口に向かって上方へ上向きに広がる段状面ま
   で次第に深くなり、この段状面を経て本来の壁厚に戻
   り、密封域（10）における内側肉薄化部分（15,27）が
   逆に上方から下方へ次第に深くなり、下向きにテーパす
   る環状段部（16,28）をその下端に有することを特徴と
   する請求項第（１）項に記載のピペット尖端。
3. 【請求項３】下方を起点とする外側肉薄化部分（11,21,
   25）と上方を起点とする内側肉薄化部分（15,19,27）が
   所定の密封域（10）において互いにオーバラップするこ
   とを特徴とする請求項第（１）項または第（２）項に記
   載のピペット尖端。
4. 【請求項４】下内方へ収斂する円錐状の内側環状段部
   （16,28）が30゜程度のゆるやかな傾斜を有することを
   特徴とする請求項第（２）項に記載のピペット尖端。
5. 【請求項５】互いに反対の方向へ次第に深くなる外側及
   び内側肉薄化部分（11,21,25,15,19,27）がピペット尖
   端（１）の密封域（10）に表面が互いにほぼ平行な壁部
   分（18,29）を両者の間に形成することを特徴とする請
   求項第（１）項から第（４）項までのいずれかに記載の
   ピペット尖端。
6. 【請求項６】互いに逆方向の内側及び外側肉薄化部分
   （27,25）により、円錐状ピペット尖端（１）の壁中心
   線（９）に対して傾斜し、少なくとも壁中心線よりは小
   さいテーパ度の壁部分（29）を残すことを特徴とする請
   求項第（１）項から第（５）項までのいずれかに記載の
   ピペット尖端。
7. 【請求項７】互いに逆方向の内側及び外側肉薄化部分
   （11,15）により、円錐状ピペット尖端（１）の壁中心
   線（９）に対して傾斜し、ピペット尖端の中心軸を軸線
   とするほぼ円筒形の壁部分を残すことを特徴とする請求
   項第（１）項から第（５）項までのいずれかに記載のピ
   ペット尖端。
8. 【請求項８】互いに逆方向の内側及び外側肉薄化部分
   （11,15）により、円錐状ピペット尖端（１）の壁中心
   線（９）に対して傾斜し、ピペット尖端の中心軸を軸線
   として上方から下向きに広がり、全体的なピペット尖端
   壁（3,17）の円錐形とは逆方向の円錐形を形成する壁部
   分を残すことを特徴とする請求項第（１）項から第
   （５）項までのいずれかに記載のピペット尖端。
9. 【請求項９】ピペット尖端の円筒状壁部分における内側
   の円筒状肉薄化部分（19）と外側の円筒状肉薄化部分
   （21）とを密封域（10）において互いにオーバラップし
   たことを特徴とする請求項第（１）項に記載のピペット
   尖端。