JP2847003B2 - 機能性フィルム付陰極線管 - Google Patents

機能性フィルム付陰極線管

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JP2847003B2
JP2847003B2 JP4281418A JP28141892A JP2847003B2 JP 2847003 B2 JP2847003 B2 JP 2847003B2 JP 4281418 A JP4281418 A JP 4281418A JP 28141892 A JP28141892 A JP 28141892A JP 2847003 B2 JP2847003 B2 JP 2847003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管のフェース
プレート部の表面に様々な機能を付与した透明導電性プ
ラスチックフィルムを貼付した、機能性フィルム付陰極
線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のOA化、FA化および、パーソナ
ルコンピュータの普及に伴い、VDT(VIDEO D
ISPLAY TERMINAL)はこれまでの様に専
門家だけでなく、ごく一般的なユーザにまで使用される
ようになってきている。また、VCR(VIDEO C
ASSETTE RECORDER)の普及にともな
い、“家庭シアター”といって映画館のような迫力ある
映像が楽しめるように、一般家庭にも大画面のテレビジ
ョンセットがおかれるようになってきている。このよう
に、高性能カラー陰極線管は、もはや特殊なものではな
く、一般的なユーザがごく日常的に使用するものであ
る。このため陰極線管には、様々な使用状況を想定した
さらなる高機能化が望まれている。
【0003】その一つとして、フェース面のチャージア
ップを防止する為の帯電防止機能がある。陰極線管の大
型化および、輝度性能やフォーカス性能の改善にともな
い、陰極線管の蛍光面に印加する電圧が高くなってきて
いる。例えば21型クラスの従来のカラー陰極線管では
蛍光面に印加される電圧は25〜27kV程度であった
が、最近の30型以上のカラー陰極線管では、30〜3
4kVもの電圧が印加されている。そのため、テレビジ
ョンセットの電源のON−OFF時にカラー陰極線管の
フェースプレート部の外表面(以下、「フェース面」と
いう)がチャージアップし、フェース面に空気中のごみ
等が付着して汚れが目立ちやすくなり、結果としてカラ
ー陰極線管の輝度、解像度等の性能を劣化させる原因に
なっている。
【0004】また、VDT作業の場合、ディスプレイ面
と使用者が接近しているため、電源のON−OFF時に
チャージアップしたフェースプレートの外表面に使用者
が接近したときに放電現象が起こり、観視者に不快感を
与える不都合も生じる。
【0005】帯電防止処理型陰極線管では、フェース面
にチャージアップした電荷を、フェースプレート外表面
に導電性を持たせて電荷をアースに逃がすように工夫し
ている。導電性を持たせる方法としては、フェース面に
透明導電膜を形成する方法が一般的である。
【0006】さらに、陰極線管のフェース面への外光の
写り込みは、陰極線管の映像および文字情報を大変見ず
らいものとしている。このような外光の写り込みを和ら
げ、より観視者に好ましい陰極線管とするための方法の
一つとして、フェース面に外光を散乱するための凹凸ま
たは凹凸膜を形成する方法がある。
【0007】このような防眩および帯電防止機能を有し
た陰極線管の構成の一例を図15に示す。図において、
1はネック部で電子銃を内蔵している。2は偏向ヨー
ク、3はファンネル部、4はフェースプレート部、4a
はフェース面、5は高圧ボタンで、偏向ヨーク2はリー
ド線2aを介して偏向電源に接続され、高圧ボタン5は
リード線5aを介して高圧電源に接続され、図示しない
電子銃はリード線1aを介して駆動電源に接続されてい
る。6は防眩処理のための凹凸面に形成されている導電
性凹凸膜、7は金属性防爆バンド、8は取り付け耳、9
はアース線、9aはアース、10は導通テープまたは導
通ペースト、11は全体としての陰極線管である。
【0008】導電性凹凸膜6は、十分な導電性と実用上
問題無い程度の硬度と、フェース面4aとの接着性を要
求される為、導電性フィラを分散したシリカ溶液を噴霧
法によりフェース面4aに吹き付け、比較的高い温度、
例えば150〜200°Cで焼き付け処理を行って形成
するのが一般的である。このようなシリカ溶液として
は、シリコン(Si)アルコキシドのアルコール溶液
に、In;Sn(スズ含有酸化インジウム)やS
nO;Sb(アンチモン含有酸化錫)等の導電性フィ
ラを混合分散させたものである。
【0009】また、テレビジョンセットに用いる場合、
コントラストの向上、色再現範囲の拡大、並びに外光反
射の低減を目的として、陰極線管のフェース面4aにカ
ラーフィルタ効果を有する色吸収膜を形成する技術が一
般的である。ある波長に対し、透過率に吸収ピークを持
たせた色吸収膜を光選択吸収型フィルタ、可視光の全波
長域に対しほぼ一定の透過率スペクトルを示す色吸収膜
をニュートラルフィルタといい、両者ともシリカ溶液中
に複数の染料もしくは顔料を分散させることにより得る
ことができる。
【0010】また、シリカ溶液中に導電材を合わせて分
散させることにより帯電防止機能も得られている。この
ようなカラーフィルタ機能と帯電防止機能を合わせ持っ
た機能性プラスチックフィルムの構成を、図16に示
す。図において、12は導電性光吸収膜で、染料または
顔料粒子13と、導電性粒子14とが分散されているシ
リカ系の膜で構成されている。
【0011】導電性光吸収膜12を光選択吸収型フィル
タに構成した場合、透過率の吸収ピークを蛍光体の発光
スペクトルの間に設計することにより、蛍光体の発光を
無駄にすることなく透過率を落とすことが可能となり、
コントラストの向上、色再現範囲の拡大、並びに外光反
射の低減による画質の向上が可能である。
【0012】図17は導電性色吸収膜12の透過率スペ
クトルの一例を示す図で、図中の特性Bはカラー陰極線
管の蛍光面の青色発光の相対発光強度のスペクトル分布
を示し、約450nmに主スペクトル波長を有する。ま
た、特性Rは赤色発光の相対発光強度のスペクトル分布
を示し、約626nmに主スペクトル波長を有する。ま
た、特性Gは緑色発光の相対発光強度のスペクトル分布
を示す。
【0013】図中の特性Iは導電性光吸収膜12を光選
択吸収膜型フィルタに構成した場合の分光透過率分布の
一例を示しており、特性G,Rの相対発光強度のスペク
トル分布の主スペクトル波長間535〜626nmのう
ち、この主スペクトル波長に近い部分に吸収ピークがあ
るとカラー陰極線管の蛍光面の輝度性能上不利となるの
で、この吸収帯の半値巾等も考慮して570〜610n
mの範囲に吸収帯の吸収ピークを置いている。この範囲
の波長の光は人間の目の視覚度の比較的高い領域と一致
するので、外光(白色光)成分のうちこの領域の光が吸
収、除去されるのはコントラスト性能上好ましい。
【0014】また、図中の特性IIは導電性光吸収膜1
2をニュートラルフィルタに構成した場合のスペクトル
分布の一例を示しており、元来、ガラスの生地と肉厚で
決まってくるフェースパネル部の透過率を、かなり自由
にコントロールすることが可能となり、蛍光体の発光効
率と透過率の最適化が図れ、同様の画質の向上が可能で
ある。
【0015】図18は導電性吸収膜12の帯電防止機能
を説明するための特性図で、陰極線管の電源をON−O
FFした時のフェース面4aの電位変化は図中の特性M
およびM1に示すようになり、帯電防止機能がない場合
の特性L,L1よりも大幅にチャージアップが小さくな
っている。
【0016】つぎに、陰極線管のフェース面に帯電防止
機能を設ける別な方法として、陰極線管のフェース面の
表面に直接帯電防止機能を付加するのでは無く、透明プ
ラスチックフィルム基板に帯電防止処理を施した後に、
そのフィルムをフェース面に貼り付けるようにしたもの
が、特開平3−131180号公報に開示されている。
図19はこのような、機能性プラスチックフィルム15
による帯電防止機能付き陰極線管のフェースプレート部
の構成を示す図で、透明プラスチックフィルム基板16
と、その表面上に形成された透明導電膜(以下、「導電
膜」という)17から構成されており、接着剤18によ
り陰極線管のフェース面4aに貼り付けられている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管のフェース面
にシリカ系のコーティング膜を形成する方法では、十分
な導電性と強度を得るためには、100〜200°Cの
焼き付け工程が必要であり、光熱費や、設備費が大きい
ためコスト高になる問題点が有った。
【0018】また、コーティング不良による焼き付け後
の膜の除去作業(サルベージ、再生作業)は、極めて困
難な作業であった。
【0019】また、機能性プラスチックフィルムを陰極
線管のフェース面に貼り付ける構成では、接着剤で機能
性フィルムを貼り付けるだけで陰極線管に熱処理を加え
る必要が無く、また、機能性フィルムを剥がすことによ
り、比較的簡単にサルベージすることができるが、従来
の機能性プラスチックフィルムによって実現できる機能
は、帯電防止機能やコントラスト向上機能に限られてい
た。
【0020】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、カラー陰極線管に要求される幾
多の機能を兼ね備えた機能性フィルム付陰極線管を得る
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明は、透明プラス
チックフィルム基板の表面に導電膜とカラーフィルタ機
能を有する光吸収膜とが形成された機能性フィルムを、
陰極線管のフェース面に貼り付けたものである。
【0022】また、透明プラスチックフィルム基板の表
面に導電膜と光吸収膜と凹凸膜とを形成した機能性フィ
ルムを、陰極線管のフェース面に貼り付けたものであ
る。
【0023】また、透明プラスチックフィルム基板の表
面に導電膜とカラーフィルタ機能を有する光吸収膜と反
射防止膜とを形成した機能性フィルムを、陰極線管のフ
ェース面に貼り付けたものである。
【0024】また、透明導電性プラスチックフィルム基
板の表面に凹凸膜または反射防止膜を形成した機能性フ
ィルムを、陰極線管のフェース面に貼り付けたものであ
る。
【0025】また、透明導電性プラスチックフィルム基
板の表面に光選択カラーフィルタ機能を有する光吸収膜
または凹凸面が形成された光選択カラーフィルタ機能を
有する光吸収膜を配置して形成した機能性フィルムを陰
極線管のフェース面に貼り付けたものである。
【0026】また、カラーフィルタ機能を有する透明導
電性プラスチックフィルム基板の表面に凹凸膜または反
射防止膜を形成した機能性フィルムを、陰極線管のフェ
ース面に貼り付けたものである。
【0027】
【作用】この発明によれば、透明プラスチックフィルム
基板の表面に、導電膜と、カラーフィルタ機能を有する
光吸収膜と、凹凸膜または光反射防止膜をそれぞれ単体
で、または組み合わせて形成した機能性フィルムを陰極
線管のフェース面に貼り付けたものであるから、各形成
膜の機能を加え合わせた特性を有する陰極線管が得られ
る。
【0028】また、導電性を有する透明プラスチックフ
ィルム基板の表面に、光吸収膜と、凹凸膜をそれぞれ単
体で、または組合わせせて形成した機能性プラスチック
フィルムを陰極線管のフェース面に貼り付けたものであ
るから、プラスチックフィルム基板のもつ機能と各形成
膜の機能を加え合わせた特性を有する陰極線管が得られ
る。
【0029】また、カラーフィルタ機能または導電性と
カラーフィルタ機能を有する透明プラスチックフィルム
基板の表面に、凹凸膜または光反射防止膜を形成した機
能性フィルムを陰極線管のフェース面に貼り付けたもの
であるから、プラスチックフィルム基板のもつ機能と各
形成膜の機能を加え合わせた特性を有する陰極線管が得
られる。
【0030】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例を図面とともに説明する。図1
は、実施例1による機能性プラスチックフィルム付陰極
線管の構成を示し、図2はそのA部拡大断面図である。
図において、19はフェース面4aに接着された機能性
プラスチックフィルムであり、このフィルム19は透明
プラスチックフィルム基板16と、その表面に形成され
た導電膜17と、その表面に形成された光選択吸収膜2
0とで構成され、透明プラスチックフィルム基板16の
裏面側が接着剤18によりフェース面4aに接着されて
いる。
【0031】この実施例1の導電膜17は、図1に示す
ように従来例と同様に、導通テープまたは導通ペースト
10で金属性防爆バンド7に接続され、アース線9を介
して接地される。また、光吸収膜20は図17中に示し
た特性Iに調整されているので、この実施例1の陰極線
管は、帯電防止機能とコントラスト向上機能とを有して
いる。
【0032】実施例2. 図3はこの発明の実施例2の図1A部相当の拡大断面図
(以下単にA部拡大断面図という)で、機能性プラスチ
ックフィルム19が、透明プラスチックフィルム基板1
6と、導電膜17と、ニュートラルフィルタ21とで構
成されており、帯電防止機能とコントラスト向上機能を
有している。
【0033】この実施例2のニュートラルフィルタの分
光透過率の分布は、図17中に示す特性IIのように可
視光域での平均透過率は約80%に調整されており、コ
ントラスト向上機能を有している。
【0034】実施例3. 図4はこの発明の実施例3のA部拡大断面図で、機能性
プラスチックフィルム19が、透明プラスチックフィル
ム基板16と、導電膜17と、光選択吸収膜20と、凹
凸膜22とで構成されており、帯電防止機能とコントラ
スト向上機能と防眩機能を有している。
【0035】実施例4. 図5はこの発明の実施例4のA部拡大断面図で、機能性
プラスチックフィルム19が、透明プラスチックフィル
ム16と導電膜17と、光選択吸収膜20と、多層光学
薄膜で構成された反射防止膜23とで構成されており、
帯電防止機能とコントラスト向上機能と反射防止機能を
有している。
【0036】図6は反射防止膜23の特性図で、特性イ
は反射防止膜23がない場合の表面分光反射率を示し、
可視光域で平均約4%の表面反射率を有している。これ
に対し、2層光学薄膜で構成した反射防止膜23を有す
る場合は、特性ロに示すように可視光域で平均1.3%
程度の表面反射率に抑えることができ、光学薄膜の層数
と、各層の屈折率と、各層の膜厚を調節することによっ
て表面反射率を調節することができる。
【0037】また、反射防止効果は、屈折率の異なる光
学薄膜材料を、高屈折率材料/低屈折率材料/高屈折率
材料/・・・・/高屈折率材料/低屈折率材料/高屈折
率材料のように交互に積層することにより発現する。低
屈折率材料としては、沸化マグネシウム(MgF),
酸化ケイ素(SiO)等が用いられ、高屈折率材料と
しては、酸化チタン(TiO),酸化タンタル(Ta
),酸化ジルコニウム(ZrO),硫化亜鉛
(ZnS)等が用いられる。
【0038】実施例5. 図7はこの発明の実施例5のA部拡大断面図で、機能性
プラスチックフィルム19を透明プラスチックフィルム
基板16と、導電膜17と、ニュートラルフィルタ21
と、凹凸膜22とで構成しており、帯電防止機能と、コ
ントラスト向上機能と、防眩機能とを有している。
【0039】実施例6. 図8はこの発明の実施例6のA部拡大断面図で、機能性
プラスチックフィルム19が、透明プラスチックフィル
ム基板16と、導電膜17と、ニュートラルフィルタ2
1と、反射防止膜23とで構成されており、帯電防止機
能と、コントラスト向上機能と、反射防止機能と、防眩
機能を有している。
【0040】図9はこの発明に関連する改良案のA部拡
大断面図で、機能性プラスチックフィルム19が、光選
択吸収機能を付与した光選択吸収機能付プラスチックフ
ィルム基板24と、導電膜17とで構成されており、帯
電防止機能と、コントラスト向上機能を有している。こ
の場合、光選択吸収機能付プラスチックフィルム基板2
4は、特定の色調をもつが、ヘイズ(白っぽさ)値が小
さいので、プラスチックフィルム基板自体は透明と云え
るものである。
【0041】図10はこの発明に関連する他の改良案
A部拡大断面図で、機能性プラスチックフィルム19
が、染料または顔料を分散させたニュートラルフィルタ
機能付プラスチックフィルム基板25と、導電膜17
と、凹凸膜22とで構成されており、帯電防止機能と、
コントラスト向上機能と、防眩機能を有している。この
場合、ニュートラルフィルタ機能付プラスチックフィル
ム基板25も、上述の光選択吸収機能付プラスチックフ
ィルム基板と同様に、ヘイズ値が小さいためプラスチッ
クフィルム基板自体は透明と云えるものである。
【0042】図11はこの発明に関連する更に他の改良
のA部拡大断面図で、機能性プラスチックフィルム1
9が、ニュートラルフィルタ機能付プラスチックフィル
ム基板25と、導電膜17と、反射防止膜23とで構成
されており、帯電防止機能と、コントラスト向上機能
と、反射防止機能とを有している。
【0043】実施例. 図12は、透明導電性プラスチックフィルム基板26の
表面に、シリカ系の溶液を噴霧法により塗布して凹凸膜
22を形成した機能性プラスチックフィルム19を貼り
付けた、防眩機能および帯電防止機能付き陰極線管のA
部拡大断面図である。フェース面4aに当たる外光は、
凹凸膜22の表面に形成された凹凸によって乱反射され
て反射光が低減されるので、陰極線管に表示される映像
および文字情報が見やすくなる。透明導電性プラスチッ
クフィルム基板としては種々の構成のものが広く知られ
ているが、例えば雑誌「表面」の1980年発行のVo
l.18,No8の第440ページ〜第449ページに
開示されているように、高分子電解質を高分子フイルム
の表面に塗布するか、高分子に練り込んだものをフィル
ムに成形する形で形成される。プラスチックフィルム基
板26自体が導電性を持つため、凹凸膜22を形成する
シリカ溶液に導電性を持たせる必要が無い。このため、
シリカ溶液中に導電性フィラを分散させる必要が無くな
り、凹凸膜22のヘイズ(白っぽさ)も下げることがで
きた。
【0044】このような凹凸膜22の形成は、機能性プ
ラスチックフィルム19のみの加工で良いので、凹凸膜
を形成するための設備および工程も簡単となり、安価に
凹凸膜を得ることができる。陰極線管への貼付加工は、
最後のフィルムの貼付段階で行なわれることになり、帯
電防止性の付与や凹凸膜形成時の不良による生産効率の
低下を防止することができる。また、貼付後に膜欠陥が
判明した場合や、貼付時の不良に対しても、機能性フィ
ルム19を剥がすだけでよいので、比較的容易にサルベ
ージすることができる。
【0045】実施例. 図13は、透明導電性プラスチックフィルム基板26の
表面に反射防止膜23を形成した機能性プラスチックフ
ィルム19を貼り付けた、反射防止機能および帯電防止
機能付陰極線管のA部拡大断面図である。ここで、反射
防止膜23は、透明導電性プラスチックフィルム基板2
6上に蒸着またはコーティングにより多重光学薄膜を形
成したものであり、これにより反射防止効果を持たせて
いる。
【0046】実施例. 図14は、透明導電性プラスチックフィルム26の表面
に、複数の染料または顔料を分散させて光選択吸収型の
カラーフィルタ機能を持つシリカ系の平滑な光吸収膜2
0を形成した陰極線管のA部拡大断面図である。複数の
染料または顔料を選択してその配合比を最適にすること
により、図17中の特性Iに示すような光選択吸収型の
透過スペクトルを得ることが出来た。また光選択吸収膜
20のボディーカラーとしては、フェースプレート部4
の内面に形成された蛍光面のボディーカラーも含めて無
彩色化することが望ましい。
【0047】カラーフィルタの特性としては、550n
m〜580nm付近に透過率75%程度の最小ピークが
有り、可視光域380nm〜730nmでの平均透過率
として85%程度のものが得ることができた。染料また
は顔料の濃度を加減することにより透過率のピークおよ
び平均透過率をコントロールすることができる。また、
基板フィルム26自体が導電性を持っているため、シリ
カ系の光選択吸収膜20中に帯電材を分散する必要は無
い。この結果、光選択吸収膜20の透明度が向上すると
ともに膜強度も大幅に改善できた。
【0048】実施例10. 上記実施例では、カラーフィルタとして光選択吸収型
のものについて述べたが、可視光域においてほぼフラッ
トな透過スペクトルを持つニュートラルフィルタを形成
する場合にも同様のことが言える。
【0049】実施例11. また、光選択吸収膜20は平滑膜でなく、染料または顔
料を分散したシリカ溶液を噴霧法により塗布して凹凸膜
に形成し、カラーフィルタ機能と、帯電防止機能に加え
て防眩機能を合わせて付与することもできる。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、透明プラスチック基
板の表面に、導電膜と、カラーフィルタ機能を有する光
吸収膜とを形成した機能性フィルムをカラー陰極線管の
フェース面に貼り付けたものであるから、帯電防止機能
と、コントラスト向上機能とを備えた陰極線管を得るこ
とができる。
【0051】また、機能性フィルムに、導電膜と、
収膜と、凹凸膜とを設けたので、帯電防止機能と、コン
トラスト向上機能と、防眩機能とを有する陰極線管を得
ることができる。
【0052】また、機能性フィルムに、導電膜と、カラ
ーフィルタ機能を有する光吸収膜と、反射防止膜とを設
けたので、帯電防止機能と、コントラスト向上機能と、
外光の反射防止機能とを有する陰極線管を得ることがで
きる。
【0053】また、機能性フィルムを、導電性をもたせ
た透明プラスチックフィルム基板と、凹凸膜で構成した
ので、導電膜を設けないで帯電防止機能と、防眩機能と
を有する陰極線管を得ることができる。
【0054】また、機能性フィルムを、導電性をもたせ
た透明プラスチックフィルム基板と、反射防止膜で構成
したので、導電膜を設けないで帯電防止機能と、反射防
止機能とを有する陰極線管を得ることができる。
【0055】また、機能性フィルムを、導電性をもたせ
た透明プラスチックフィルム基板と光選択カラーフィル
タ機能を有する光吸収膜または凹凸面が形成された光選
択カラーフィルタ機能を有する光吸収膜を配置して形成
したので、導電膜を設けないで帯電防止機能と、コント
ラスト向上機能と、防眩機能とを有する陰極線管を得る
ことができる。
【0056】また、機能性フィルムを、光吸収性と導電
性とを付与した透明プラスチックフィルム基板と、凹凸
膜とで構成したので、光吸収膜や帯電膜を設けないで帯
電防止機能と、コントラスト向上機能と、防眩機能とを
有する陰極線管を得ることができる。
【0057】また、機能性フィルムを、光吸収性と導電
性とを付与した透明プラスチックフィルム基板と、反射
防止膜とで構成したので、光吸収膜や導電膜を設けない
で帯電防止機能と、コントラスト向上機能と、反射防止
機能とを有する陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の側面図である。
【図2】実施例1のフェースパネル部の一部である図1
中のA部拡大断面図である。
【図3】この発明の実施例2のA部拡大断面図である。
【図4】この発明の実施例3のA部拡大断面図である。
【図5】この発明の実施例4のA部拡大断面図である。
【図6】実施例4の反射防止膜の特性図である。
【図7】この発明の実施例5のA部拡大断面図である。
【図8】この発明の実施例6のA部拡大断面図である。
【図9】この発明に関連する改良案のA部拡大断面図で
ある。
【図10】この発明に関連する他の改良案のA部拡大断
面図である。
【図11】この発明に関連する更に他の改良案のA部拡
大断面図である。
【図12】この発明の実施例のA部拡大断面図であ
る。
【図13】この発明の実施例のA部拡大断面図であ
る。
【図14】この発明の実施例のA部拡大断面図であ
る。
【図15】従来の帯電防止機能と防眩機能を有する陰極
線管の側面図である。
【図16】従来の帯電防止機能とコントラスト向上機能
とを有する陰極線管のフェースプレート部の一部拡大断
面図である。
【図17】コントラスト向上機能を得るカラーフィルタ
の特性図である。
【図18】帯電防止機能を有するフェース面のチャージ
特性を示す図である。
【図19】従来の機能性プラスチックフィルムをフェー
ス面に貼り付けた陰極線管のフェースプレート部の一部
拡大断面図である。
【符号の説明】
4 フェースプレート部 4a フェース面 11 陰極線管 16 透明プラスチックフィルム基板 17 透明導電膜 18 接着剤 19 機能性プラスチックフィルム 20 光選択吸収膜 21 ニュートラルフィルタ(光吸収膜) 22 凹凸膜 23 反射防止膜(多層金属薄膜) 24 光選択吸収機能付プラスチックフィルム基板 25 ニュートラルフィルタ機能付プラスチックフィル
ム基板 26 透明導電性プラスチックフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−278800(JP,A) 特開 平2−82434(JP,A) 特開 平4−184846(JP,A) 特開 平4−67545(JP,A) 特開 昭64−79041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 29/88,29/89 G02B 1/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明プラスチックフィルム基板の表面に
    導電膜を設け、この導電膜の表面にカラーフィルタ機能
    を有する光吸収膜を配置して機能性フィルムを形成する
    と共に、この機能性フィルムの上記透明プラスチックフ
    ィルム基板を陰極線管のフェース面に接着してなる機能
    性フィルム付陰極線管。
  2. 【請求項2】 透明プラスチックフィルム基板の表面に
    導電膜を設け、この導電膜の表面にニュートラルフィル
    タ機能を有する光吸収膜を設け、更にこの光吸収膜の表
    面に凹凸膜を配置して機能性フィルムを形成すると共
    に、この機能性フィルムの上記透明プラスチックフィル
    ム基板を陰極線管のフェース面に接着してなる機能性フ
    ィルム付陰極線管。
  3. 【請求項3】 透明プラスチックフィルム基板の表面に
    導電膜を設け、この導電膜の表面にカラーフィルタ機能
    を有する光吸収膜を設け、更にその表面に反射防止膜を
    配置して機能性フィルムを形成すると共に、この機能性
    フィルムの上記透明プラスチックフィルム基板を陰極線
    管のフェース面に接着してなる機能性フィルム付陰極線
    管。
  4. 【請求項4】 透明導電性プラスチックフィルム基板の
    表面に凹凸膜または反射防止膜を配置して機能性フィル
    ムを形成すると共に、この機能性フィルムの上記透明導
    電性プラスチックフィルム基板を陰極線管のフェース面
    に接着してなる機能性フィルム付陰極線管。
  5. 【請求項5】 透明導電性プラスチックフィルム基板の
    表面に光選択カラーフィルタ機能を有する光吸収膜また
    は凹凸面が形成された光選択カラーフィルタ機能を有す
    る光吸収膜を配置して機能性フィルムを形成すると共
    に、この機能性フィルムの上記透明導電性プラスチック
    フイルム基板を陰極線管のフェース面に接着してなる機
    能性フィルム付陰極線管。
  6. 【請求項6】 カラーフィルタ機能を有する導電性プラ
    スチックフィルム基板の表面に凹凸膜または反射防止膜
    を配置して機能性フィルムを形成すると共に、この機能
    性フィルムの上記導電性プラスチックフィルム基板を陰
    極線管のフェース面に接着してなる機能性フィルム付陰
    極線管。
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