JP2845583B2 - 生体表面部の力学特性の測定方法と装置並びにそのためのセンサ内蔵形加振器の構造 - Google Patents

生体表面部の力学特性の測定方法と装置並びにそのためのセンサ内蔵形加振器の構造

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Description

【発明の詳細な説明】 〔目 次〕 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 作 用 実施例 装置の構成(第3図、第4図) 構造依存性の影響を除いた力学特性 A.モデルを対象とする実験 (1)実験方法(第5図) (2)構造依存性の評価(第6図) (3)補正関数の決定(第7図) (4)媒質定数が異なる場合(第8図、第9図、第10
図) (5)測定条件が異なる場合(第11図、第12図、第13
図) (6)補正関数の適用(第14図、第15図、第16図、第
17図) B.眼瞼周囲の力学特性の測定とその解析 (1)眼瞼周囲の力学特性の測定(第18図、第19図、
第20図) (2)補正関数の適用(第21図) (3)考案(第22図、第23図、第24図) 構造依存性を含む力学特性 A.生体機械インピーダンスの測定と硬さの指標(第25
図) (1)硬さの指標(第26図、第27図) (2)機械インピーダンスと硬さの指標(第28図、第
29図) B.機械インピーダンスによる硬さのマッピング (1)バーモデル(第14図、第15図、第30図) (2)ブロックモデル(第31図、第32図、第33図) C.生体機械インピーダンスのSIマッピング (1)手背部(第34図、第35図、第36図) (2)胸部(第37図、第38図、第39図) D.硬さの指標と触診 (1)実験方法および結果(第40図、第41図、第42
図) 発明の効果 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生体の表面部の力学特性、特に、生体の皮
膚組織自身の弾性係数と粘性係数並びに触診によって経
験的に得られる生体表面の力学特性を客観的に評価する
ことのできる評価指数を測定するための方法および装
置、並びにそれらに使用するセンサ内蔵形加振器の構造
に関する。
〔従来の技術〕
生体の皮膚組織そのものの力学特性を表わすパラメー
タを測定することができれば、いわゆる“肌の張りと潤
い”の程度を客観的に表わす指標が得られ、基礎化粧品
等の開発および評価において貴重な手段となり得る。そ
の場合において、測定対象は生体であるので、無侵襲で
かつ迅速に測定できなければならない。
“H.E.von Gierke,et al.,Physics of Vibrations in
Living Tissues,J.Applied Physiology,4,886/900(19
52)”には、皮膚に接触させた振動子を加振し、その応
答から機械インピーダンスを算出し、予め導出した機械
インピーダンスの理論式を解くことによって皮膚の弾性
係数μおよび粘性係数μを算出する方法が記載され
ている。この方法において、振動子は正弦波で加振さ
れ、その代表的な有限個の周波数について機械インピー
ダンスの測定が行なわれ、その結果を簡略化された機械
インピーダンスの理論式に代入して得られた方程式を解
くことによって、前述のμ1が算出される。したが
ってこの方法では、1つの測定点についての測定が複数
回行なわれ、その間の測定対象の物理的状態が安定して
いなければならないという条件が要求されるので、生体
を対象とする測定に適した方法とは言えない。
“H.Oka,et al,.Measurement of bio−mechanical pr
oporties using rondom vibration,The Transaction of
the IECE of Japan,E67,49/50(1984)”および特開昭
62−172946号公報にはランダムな周波数分布を持つ振動
で加振することによって短時間で機械インピーダンスの
測定を行なう方法および装置が開示されている。
一方、臨床医学においては、触診は欠かすことのでき
ない簡便な診断法である。触診では手指による加圧や移
動によって生体の力学特性を検出しており、極めて敏感
な計測が可能であるが、経験を主とした計測法であるの
で、これまで触診の定性、定量化が待ち望まれてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の方法および装置で生体組織の機械インピーダン
スを測定する場合には、測定部位によってはその下層に
骨などが存在することが多く、振動が骨などにより反射
されることによる構造依存性の影響で測定結果がその生
体組織そのものの真の値よりも著しく異なって得られる
傾向がある。このことが無侵襲で生体組織の力学特性を
得る大きな障害となっている。
逆に、この構造依存性を含んだ力学特性は生体表面を
指で押した時の硬さ感覚に対応するものと考えられる。
したがって、前述の方法で測定した機械インピーダンス
の値に基づいて、触診によって経験的に得られる生体表
面の力学特性を客観的に評価する指標が得られるのでは
ないかとの期待が持たれる。
したがって本発明の第1の目的は、このような構造依
存性の影響を除き、生体組織の真の力学特性を得ること
のできる方法および装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、逆に構造依存性の効果
を含んだ機械インピーダンスの測定値から触診により生
体表面から感じられる硬さ感覚を客観的に評価する指標
を得ることのできる方法および装置を提供することにあ
る。
また、本発明の第3の目的は、前述の方法および装置
において生体組織を加振するアクチュエータとなり、か
つその応答を検知するセンサともなるセンサ内蔵形加振
器の新規な構造を提案することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前述の第1の目的を達成する本発明の生体表面部の力
学特性の測定方法は、生体表面に振動子を圧接し、該振
動子を所定の周波数分布において加振し、該圧接され加
振された振動子における駆動力と加速度とを時間領域に
おいて測定し、該時間領域において測定された駆動力と
加速度とをフーリエ変換して周波数領域に変換し、該周
波数領域における駆動力と加速度とから該生体表面にお
ける機械インピーダンスの周波数特性を算出し、有効振
動半径a、弾性係数μ、および粘性係数μをパラメ
ータとする機械インピーダンスの理論式から算出される
機械インピーダンスの周波数特性曲線が該駆動力と加速
度とから算出された機械インピーダンスの周波数特性曲
線を最適に近似する有効振動半径a、弾性係数μ、お
よび粘性係数μの値を決定し、有効振動係数aの関数
としての弾性係数μおよび粘性係数μの補正率を予
め記憶し、該決定された有効振動半径aの値から定めら
れる該記憶された補正率により、該決定された弾性係数
μまたは粘性係数μの値を補正する各段階を具備す
ることを特徴とするものである。
前述の第2の目的を達成する本発明の生体表面部の力
学特性の測定方法は、生体表面に振動子を圧接し、該振
動子を所定の周波数分布において加振し、該圧接され加
振された振動子における駆動力と加速度とを時間領域に
おいて測定し、該時間領域において測定された駆動力と
加速度とをフーリエ変換して周波数領域に変換し、該周
波数領域における駆動力と加速度とから該生体表面にお
ける機械インピーダンスの周波数特性を算出し、該算出
された機械インピーダンスの虚部の周波数特性曲線にお
ける共振周波数以下の領域の積分値を算出して生体表面
部の硬さの評価指数とする各段階を具備することを特徴
とするものである。
第1図は前述の第1の目的を達成する装置の原理構成
図である。図において、本発明の生体表面部の力学特性
の測定装置は、生体表面10に圧接される振動子12と、該
振動子12を所定の周波数分布において加振する加振手段
14と、圧接された該加振手段14により加振される該振動
子12における駆動力と加速度とを検知する検知手段16
と、該検知手段16において検知された時間領域における
駆動力と加速度とをフーリエ変換するフーリエ変換手段
18と、該フーリエ変換手段18が出力する周波数領域の駆
動力と加速度とから該生体表面10における機械インピー
ダンスの周波数特性を算出する機械インピーダンス算出
手段20と、有効振動半径a、弾性係数μ、および粘性
係数μをパラメータとする機械インピーダンスの理論
式から算出される機械インピーダンスの周波数特性曲線
が該駆動力と加速度とから算出された機械インピーダン
スの周波数特性曲線を最適に近似する有効振動半径a、
弾性係数μ、および粘性係数μの値を決定する曲線
適合手段22と、有効振動半径aの関数としての弾性係数
μおよび粘性係数μの補正率を記憶する補正値記憶
手段24と、該曲線適合手段22により決定された有効振動
半径aの値から定められる該補正値記憶手段24に記憶さ
れた補正率により、該曲線適合手段22により決定された
弾性係数μまたは粘性係数μの値を補正する補正手
段26とを具備することを特徴とするものである。
第2図は前述の第2の目的を達成する装置の原理構成
図である。図において、本発明の生体表面部の力学特性
の測定装置は、生体表面10に圧接される振動子12と、該
振動子12を所定の周波数分布において加振する加振手段
14と、圧接された該加振手段14により加振される該振動
子12における駆動力と加速度とを検知する検知手段16
と、該検知手段16において検知された時間領域における
駆動力と加速度とをフーリエ変換するフーリエ変換手段
18と、該フーリエ変換手段18が出力する周波数領域の駆
動力と加速度とから該生体表面10における機械インピー
ダンスの周波数特性を算出する機械インピーダンス算出
手段20と、該機械インピーダンス算出手段20が算出した
機械インピーダンスの虚部の周波数特性曲線における共
振周波数以下の領域の積分値を算出して生体表面部の硬
さの評価指数とする評価指数算出手段30とを具備するこ
とを特徴とするものである。
前述の第3の目的を達成する本発明のセンサ内蔵形加
振器構造は、振動すべき方向に伸びる振動軸と、弾性体
を介して該振動軸に釣支された永久磁石と、該永久磁石
に対向し、該振動軸に拘持された駆動コイルと、軸方向
の応力と加速度にそれぞれ比例した2つの電気信号を出
力するインピーダンスヘッドと、該インピーダンスヘッ
ドを介して該振動軸に固着された円盤状振動子とを具備
することを特徴とするものである。
〔作 用〕
後の実施例において詳述するように、本発明者の実験
結果によれば、機械インピーダンスの理論式による周波
数特性曲線と測定値に基づく周波数特性曲線とを曲線適
合(curve fitting)することにより決定された有効振
動半径a、弾性係数μおよび粘性曲線μの値は、い
ずれも構造依存性に相当する変化を示し、しかも、有効
振動半径aと他のパラメータとの間には一定の関数が認
められる。したがって有効振動半径aの関数としてμ1,
μの補正率を記憶し、曲線適合で決定されたaの値か
ら定められるμ1の補正率により補正することによ
って構造依存性の影響が除去されたμ1の値が得ら
れる。
一方、測定値から算出された機械インピーダンスの虚
部の周波数特性曲線における共振点の周波数は測定対象
の触診による硬さと密接な関係がある。さらに、共振点
の周波数とそれ以下の領域の積分値との間には一定の関
係が認められる。したがって、触診による硬さの評価指
数として共振点の周波数ではなくそれ以下の領域の積分
値を採用すれば、周波数特性がノイズに乱されても安定
した指標が得られる。
〔実施例〕
装置の構成 生体表面のある点に作用する力f(t)と、力の方向
に速度v(t)で振動するときの駆動点機械インピーダ
ンスは、f(t),v(t)のフーリエ変換をそれぞれF
(f),V(f)として、 により定義される。ここでA(f)は速度v(t)の微
分である加速度a(t)のフーリエ変換であり、ωは加
える振動の角周波数である。
第3図はこのf(t)とv(t)を測定し、それらの
フーリエ変換から(1)式に基づいて機械インピーダン
スZ(f)を算出し、それからさらに生体表面の力学特
性を評価するパラメータを算出するための本発明に係る
測定および演算装置のハードウェア構成の一例を表わす
図である。
ランダム波発生回路144はランダムな周波数分布を有
する正弦波を出力する。ランダム波発生回路144の出力
は低域フィルタ145において30Hz以上1KHz以下の周波数
成分のみが通過され、電力増幅器146において増幅さ
れ、センサ内蔵形加振器150の加振器140へコネクタ162
を経て印加される。
加振器140において電気信号が軸方向の機械的振動に
変換され、ロードセル161およびインピーダンスヘッド1
60を介して振動子121へ伝達される。ロードセル161は測
定対象10を押下する振動子121の静圧を測定するための
ものである。インピーダンスヘッド160には圧電素子が
内蔵され、振動子121の動的な圧力および加速度を検知
する。
ロードセル161において検知された静圧はひずみ増幅
器163において増幅され、インピーダンスヘッド160にお
いて検知される動的な圧力および加速度は電荷増幅器16
6において増幅され、いずれもA/D変換器164でデジタル
信号に変換されて、コンピュータ180へ入力される。フ
ットスイッチ165はコンピュータ180へ測定開始および終
了の指示を与えるためのものである。
第4図はセンサ内蔵形加振器150の詳細な構造を説明
するための図である。
永久磁石141は板バネ142により、振動軸120に釣支さ
れている。1対の駆動コイル143は永久磁石141の磁極に
対向する位置に、振動軸120に拘持されている。駆動コ
イル143に振動電流が供給されると、永久磁石141と駆動
コイル143間に作用する電磁力が電流に応じて変化し、
永久磁石141の慣性により、振動軸120がその軸方向に振
動する。円盤状の振動子121はロードセル161およびイン
ピーダンスヘッド160を介して振動軸120に固着され、振
動軸120の振動に伴って、ロードセル161、インピーダン
スヘッド160および振動子121が1体となって振動軸120
の軸方向に振動する。162は駆動コイル143へのケーブ
ル、ロードセル161およびインピーダンスヘッド160から
の信号ケーブルを接続するためのコネクタである。
このセンサ内蔵形加振器は加振器およびインピーダン
スヘッドと共に、静圧を測定するためのロードセルを一
体に組み込んだことをその特徴の1つとしており、測定
の際に接触力を同時に測定することができる。また、一
体化することにより、測定精度、信頼性、操作性が飛躍
的に向上する。また全体の形状は直径20mm長さ110mmと
細長い形状に設計されており、皮膚表面を対象とした計
測における操作性が良好である。
このセンサ内蔵形加振器150が測定対象の表面に所定
の静圧で圧接しつつ加振され、その応答がインピーダン
スヘッド160において動的な圧力および加速度として検
知され、電荷増幅器166において増幅されてA/D変換器16
4においてデジタル信号に変換されてコンピュータ180へ
入力される。時間領域において測定された圧力および加
速度は高速フーリエ変換アルゴリズムに従って周波数領
域に変換され(1)式により機械インピーダンスの周波
数特性Z(f)が算出される。
以下、この機械インピーダンスの周波数特性Z(f)
を基にして、構造依存性の影響を除いた生体表面組織自
身の力学的特性の算出過程および構造依存性を含んだ形
での生体表面の力学特性すなわち触診により経験的に得
られる生体表面の力学特性を客観的に評価する指標の算
出過程についてそれぞれ説明する。
構造依存性の影響を除いた力学特性 Gierke等による前述の文献によれば、無限な均質媒質
中で振動する球の放射インピーダンスZの理論式は、振
動の周波数が充分に低い(例えば1KHz以下)であるとき
媒質は圧縮できない媒体であることを仮定することがで
き、 と表わせる。ただし、ρは媒体の密度、h2=ρω2/(μ
+jωμ)、μは媒体のせん断弾性係数、μ
媒体のせん断粘性係数である。なおこの文献においてa
は振動球の半径とされているが、後述するように本発明
者はこれと異なる解釈を採用する。
(2)式の分母を有理化すると、 が得られる。
T.Yamamoto & H.Oka:“Experimental modeling of b
omechanical impedance characteristics"Med. & Bio
l.Eng. & Comput.,24,493/498(1986)によれば、生体
表面において測定された機械インピーダンスの周波数特
性はその測定部位によって、軟部特性、中間部特性、硬
部特性の3種類に分けられるが、(3)式に示した理論
解の周波数特性は軟部特性の特徴(実部が単調増加)を
持っているので、ここではこの軟部特性の特徴を示す部
位のみを対象とする。
本発明においては、生体表面からのみ加振するので半
無限媒質と考え、式(3)に1/2を乗じた理論式を用い
る。そして、aについては振動球の半径でなく振動子の
有効振動半径であるとの解釈に基づいて、a,μ1
パラメータとして算出される機械インピーダンスの周波
数特性が、測定で得られた機械インピーダンスの周波数
特性曲線に最も適合するようなパラメータa,μ1
値を曲線適合(curve fitting)法により算出する。こ
の方法を構造依存性のみを任意に変更することの可能な
モデルに適用してaの関数としてのμ1の補正率、
すなわち補正関数を決定する。
生体を対象とする測定においても同じ方法でa,μ1
を算出し、aの値によって定まるμ1の補正率を
補正関数から決定し、μ1を補正する。
A.モデルを対象とする実験 この手法の妥当性を示すためおよび補正関数の決定の
ための実験結果を以下に説明する。
(1)実験方法 触感が皮膚に似た材料を生体のシミュレータとして用
い、粘弾性係数の検討を行った。このシミュレータは白
色の粉末であり、これに水を加えると数分間で凝固し、
生体組織に似た力学特性をもった粘弾性媒質となる。シ
ミュレータと水の混合比(重量)を変えることによって
異なる密度、粘弾性係数の試料を作ることができるが、
今回は試料A(ρ=1083)、試料B(ρ=1038.5)の2
種類とした。
第5図は実験に用いたモデルの外観を表わす図であ
る。
鉄板104上にプラスチックフィルムを用いて作った円
柱状の輪102を乗せ、水を加えてかき混ぜた後、まだゾ
ル状のシミュレータ100をその中にそそぎ込む。凝固後
も表面部分から水分が蒸散するので、凝固後すぐに測定
を開始すると測定中の力学特性変化が大きい。そこで、
シミュレータ凝固後1時間の間隔をおいて水分の蒸散が
ほとんどなくなってから測定を行う。測定は一つの測定
点に対して3回行い、解析後その平均をとる。振動子の
直径(2a0)は5mmφと10mmφを用い、接触力pは15±1.
5および50±2.5gfとした。
(2)構造依存性の評価 試料Aの厚さを変えて実験を行った。プラスチックフ
ィルムの輪の直径は92mmφで、厚さを50mmから4mmまで
変えて、振動子の大きさ5mmφ、接触力15±1.5gfの条件
で測定した。第6図に実験結果を示す。横軸は材料の厚
さを対数目盛りで表している。同図のマークは、○が弾
性係数μ、△が粘性係数μ、□が有効振動半径aで
ある。ここでいう有効振動半径とはカーブフィッティン
グから得られるパラメータであるが、加振している振動
子の半径a0とは異なるもので、媒質中の振動子によって
加振されている実質的な振動範囲に比例する係数と定義
する。すなわち、十分に大きい試料と比較して垂直およ
び水平方向に振動を反射するような物質が存在する場合
には、実質的な振動範囲が小さくなり、aの値が減少す
ると考える。
厚さが20mmから50mmまではμ12,aは平坦であり、
鉄板による振動の反射(構造依存性)の影響は受けてい
ないものと考えられる。しかし、厚さが15mm以下になる
と振動反射の影響すなわち構造依存性がみられ、表面か
らみた見かけの力学特性が変化する。厚さが薄くなるに
したがって、μ1は共に増加し、aは減少する傾向
がみられる。したがって、測定結果から得られるμ1
は見かけの粘弾性係数と考えることができる。
(3)補正関数の決定 この実験結果からμ12,aの間に強い相関性が認め
られ、有効振動半径aを用いて弾性係数μ、粘性係数
μに対する補正関数を定義する。
第6図のμ1の平坦な部分(厚さ20mmから50mm)
の値をそれぞれμ1n2nとおく。第7図(a)の○は
横軸にp(=a/a0、補正係数と呼ぶ)、縦軸に補正率μ
11nをとって書き直したものである。同図(b)も同
様に横軸は補正係数p、縦軸は補正率μ22nである。
この結果に対して次に示す補正関数f1(p),f2(p)
を、 の形で定義し、最小自乗法によりg0,g1,g2,g3を求めて
補正曲線を決定する。同図の実線はそれぞれ近似された
補正曲線である。補正曲線は、厚さが20mm以上の場合に
はf1(p)=f2(p)=1に固定した(このときのpの
値をpnとする)。p>pnとなるような結果が得られた測
定点では構造依存性の影響を受けておらず、媒質の真の
粘弾性係数μ1n2nが得られていると考えられ、補正
を行う必要がないからである。
弾性係数μに対する補正関数f1(p)は また、粘性係数μに対する補正関数f2(p)は となった。ただし、この補正関数はp<pnで定義されて
おり、p≧pnの場合はf1(p)=f2(p)=1とする。
この実験ではpn=0.745であった。
(4)媒質定数が異なる場合 媒質定数の異なる試料Bを用いて前述と同様な実験を
行った結果を第8図に示す。この試料Bは水とシミュレ
ータとの混合比を変えた(水の割合を多くした)もの
で、手でさわった感じも試料Aに比べて柔らかく、μ1,
μの値も小さくなっている。試料Aの場合は厚さが15
mm以下で振動反射の影響を受けていたが、試料Bの場合
も同様に厚さが20mm以上ではa,μ1の値がほぼ一定
であり、15mm以下になると振動反射の影響を受け、見か
けの粘弾性が得られている。試料Aの場合はpn=0.745
であったが、ρが小さく柔らかい試料Bはpn=0.866と
大きくなった。これは柔らかい(機械インピーダンスの
値が小さい)試料の方が、有効振動範囲が大きくなるこ
とを示している。
第9図(a)中の○は横軸の補正係数p、縦軸に補正
率μ11nをとったもので、(b)の○も同様に横軸に
補正係数p、縦軸にμ22nをとったものである。それ
ぞれの図の実線は式(4)を最小自乗法で近似して得た
補正曲線である。
この場合の、弾性係数μに対する補正関数f1(p)
また、粘性係数μに対する補正関数f2(p)は と得られた。ただし、この補正関数はp<pn(=0.86
6)で定義されており、p≧pnの場合はf1(p)=f
2(p)=1とする。
試料の力学特性が違った場合の補正関数の変化を検討
するために、試料Aから求められた補正関数(実線)
と、試料Bから求められた補正関数(点線)を第10図
(a)(b)に示す。(a)は弾性係数μについて、
(b)は粘性係数μについて比較したものである。
(a)(b)ともに、同じ補正係数pに対して試料Bの
補正率の値が、試料Aの補正率の値よりも大きくなって
いる。これは、前述のように試料Bが試料Aに比べて柔
らかい(粘弾性係数で約半分)ため有効振動範囲が広く
振動反射の影響を受け易いためと思われる。
(5)測定条件が異なる場合 試料Aを用いて、振動子の大きさ10mmφ、接触力50±
2.5gfの条件で厚さを変えて実験を行った。その結果を
第11図に示す。厚さが40mm以上ではa,μ1はほぼ一
定となっているが、それ以下では振動反射の影響を受け
見かけの粘弾性が得られている。
第12図(a)(b)の○は弾性係数、粘性係数それぞ
れについて補正係数pと補正率の関係を示したもので、
実線は補正曲線である。この場合の、弾性係数μに対
する補正関数f1(p)は次のように求められる。
また、粘性係数μに対する補正関数f2(p)は となった。ただし、この補正関数はp<pn(=0.923)
で定義されており、p≧pnの場合はf1(p)=f2(p)
=1とする。
振動子の接触子の測定条件が変わった場合に補正関数
がどのように変化するかを調べるために、第13図(a)
(b)にここで得られた補正関数(点線)と前に振動子
の大きさ5mmφ、接触力15±1.5gfの条件下で得られた補
正関数(実線)とを示す。(a)は弾性係数μについ
て、(b)は粘性係数μについて比較したものであ
る。両図ともに、同じ補正関数pに対して10mmφ,50gf
での補正率が大きくなっている。
(6)補正関数の適用 次に、このようにして算出された補正関数を使用し
て、構造依存性が一様でないモデルについて本発明の方
法を適用することによって本方法の妥当性を示す実験に
ついて説明する。
第14図に示すような長さ120mm、直径4mmφの銅棒106
を4本組合せたバーモデルを、厚さ50mm、直径150mmφ
の試料Aに埋没させ、鉄板104の上に置いて測定を行っ
た。バーモデルにはアルミ製の足110を付け試料100の表
面から深さ10mmの位置に固定した。測定条件は振動子の
大きさ10mmφ、接触力50±2.5gfで測定を行った。測定
点は第15図に示すように72個所で、1点につき2回ずつ
測定し、得られた粘弾性係数を平均してもとめた。
第16図(a)(b)は得られた粘弾性係数の解析結果
を3次元画面で表したものである。ここではインピーダ
ンスマッピングと呼ぶことにする。2次元的測定結果に
対して双スプライン関数によって全体の形状を補間して
ある。同図(a)は弾性係数μ1,(b)は粘性係数μ
をZ軸にした場合のマッピング画面である。銅棒106を
格子状に組んだバーモデルの形状が表面によく表現され
ている。これは試料表面からみて浅い部分の形状が表現
されている。浅い部分では振動反射の影響を受けて、測
定された見かけのμ1は他の測定点に比べて大きく
なり、aは小さくなったためである。左下方から右上方
に延びている2本の***の方が左上方から右下方に延び
ている2本の***よりも高くなっているが、これは、組
み合わされた銅棒が交差しているためで、図に表されて
いるように、左下方から右上方に延びている2本が上に
なっており、このような僅かな深さの影響も表現できて
いる。また、格子点の部分が最も高く***しているが、
これは第14図にも示されているように、格子状に固定す
るために針金108によって銅棒を格子点で結び合わせて
いるためである。
この測定結果に対して前述した測定試料、測定条件の
等しい条件下(試料A、振動子の大きさ10mmφ、接触力
50±2.5gf)で得られた補正関数を適用する。第17図
(a)(b)は、補正後のμ1のマッピングであ
る。補正前の***している部分がなくなり、ほぼ平坦に
なっている様子がわかる。したがって、ここで用いた補
正関数は構造依存性の影響を除くのに有効であることが
証明された。
B.眼瞼周囲の力学特性の測定とその解析 (1)眼瞼周囲の力学特性の測定 4才女児を被験者として、第18図に示す左眼瞼周囲20
点において測定を行った。測定条件は振動子の大きさ5m
mφ、接触力15±1.5gfとした。これは眼瞼周囲のような
狭い測定範囲において多数の測定点で測定を行うには、
小さな振動子を用いる必要があるが、振動子を小さくす
ると圧力が大きくなるため接触力を小さくしなければな
らないからである。この測定は、一つの部位に対して1
回の測定を行っている。その解析結果を第19図に示す。
測定部位の5番、6番、16番、20番は機械インピーダン
スの周波数特性が中間部特性の傾向を示したので前述し
た理由で本発明の方法が適用されないので、削除してい
る。●は弾性係数μ、△は粘性係数μである。μ
とμは測定部位に対しほぼ同じ様な値の変化をしてい
るが、違っている部位もいくつかある。一つの部位に対
して1回の測定しか行っていないことも原因の一つであ
ると考えられる。
折れ線グラフでは測定点と部位との対応が分かりにく
いので、第20図(a)(b)に解析結果を3次元のマッ
ピングで示す。(a)は弾性係数μ、(b)は粘性係
数μマッピング画面である。この画面は第18図に示し
ているような左眼瞼周囲におけるマッピングである。こ
のマッピングは格子点が45点であるが、実際の測定結果
は16点のデータしかないので、不規則データによる平面
の平滑化を行っている。μのマッピング画面がそのほ
かの図と対称になっているが、これは凹凸を観察しやす
くするために画面を回転しているためであり、(a)で
は左下が眼瞼上部であり、そのほかの図では左上が眼瞼
上部となっている。
(2)補正関数の適用 この解析結果に対して補正関数の適用を試みる。眼瞼
周囲の測定の結果、弾性係数μの最も小さい値は4000
から5000程度であるのに対して試料A,Bの測定結果では
構造依存性を受けていない媒質自身の真の弾性係数μ10
がそれぞれ約1700,9500であるので適当とは云い難いが
試料Bの測定結果から求めた補正関数を用いることにす
る。第21図(a)(b)は、補正関数f1(p),f
2(p)によるμ1の補正後のマッピング画面であ
る。μ1の目尻の部分が少し高くなっている。ま
た、瞼に当たる部分(図の左下)が膨らんでいるが、こ
れは瞼の下の眼球の影響と考えられる。この補正関数は
生体における骨などを想定して、極めてインピーダンス
の大きな鉄板に対する構造依存性を考えたものであるの
で、眼球のようにあまりインピーダンスの大きくない場
合には、補正が十分でないと考えられる。この補正で
は、マッピング画面を平坦にすることが目的ではなく、
構造依存性の影響を相殺することが目的である。したが
って、補正後に得られた画面の起伏は生体組織本来のμ
1の値であると考えられるが、その点については以
下にさらに検討を加える。
(3)考 察 眼瞼周囲を第22図に示すように下眼瞼部、上眼瞼部、
外眼角部の三つに分けて、これまでに述べた測定結果に
ついて考察する。測定部位でみると、1から4は内側下
眼瞼部、8,9は上眼瞼部、10から13は外側下眼瞼部、14,
15は内側外眼角(いわゆる目尻)、18,19は外側外眼角
である。なお、7,17の部位は省略した。第23図は弾性係
数μについて、上述の三つの部位の結果で、(a)は
補正前、(b)は補正後である。○の中の数字は測定部
位を、また実線は内側を、点線は外側の部位を示してい
る。
補正を行う前の測定結果について考察する。手指など
の触診によれば、皮膚自身の粘弾性に骨などの組織構造
依存性が加わるため、表面から感じる硬さは皮膚自身の
硬さとは異なる。同図(a)に示すように、下眼瞼部で
は内側から外側へ、また外眼角部へいくに従って弾性係
数は大きくなることがわかる。外眼角部においても同様
に、内側から外側に向かって弾性係数は大きくなってい
ることがわかる。実際に手指の触診でもこのように感ず
る。またこれらの三つの部位の中では、触診で最も軟ら
かいと感ずる上眼瞼部では弾性係数が最も小さいことが
わかる。
実験では得られた弾性係数に対し、補正を行うと同図
(b)に示すような皮膚自身の弾性係数が得られるが、
下眼瞼部についてみれば、弾性係数は補正前とは逆で、
外側の方が小さく内側の方が大きくなっている。上眼瞼
部では補正前と同じ様な大きさとなっている。外眼角部
では補正前と同じように、皮膚自身の弾性係数も内側の
方が外側に比べて大きく、つまり硬化しやすくなってい
ると考えられる。これは皮膚の老化により、外側外眼角
部に比べて内側の方に皺、いわゆる“烏の足跡”ができ
やすいことを考えると、合理的である。
一方、粘性係数μについて示したのが第24図であ
る。第23図と同様に(a)は補正前、(b)は補正後で
ある。まず補正前について考察すると、下眼瞼部では、
内側と外側は部位番号の列に沿って、同じような傾向を
示しており、2,3,4および11,12の粘性係数が大きくなっ
ている。また弾性係数と同様に、内側より外側の方が大
きくなっている。外眼角部では外側の方が大きく眉に近
づくほど粘性係数も大きくなる。これは弾性係数と異な
った傾向である。上眼瞼部は眼瞼周囲の中では、粘性係
数が一番小さい。
同図(b)の補正後の粘性係数では、下眼瞼部の傾向
は、補正前とほぼ同じであるが、粘性係数の値もほぼ同
じになっていることがわかる。上眼瞼部では、補正前後
でほとんど変化していない。また外眼角部においてもほ
ぼ同じ値に補正されているが、眉に近づくにつれ、大き
くなっていることがわかる。補正された皮膚自身の弾性
係数では、内側外眼角部が大きな値となっていたが、粘
性係数では逆で、内側の方が外側に比べて小さくなって
いる。
以上のように本発明で用いた補正関数の考え方は眼瞼
周囲などの構造依存性の影響を受ける部位での測定・解
析に有効であると結論される。
構造依存性の影響を含む力学特性 A.生体機械インピーダンスの測定と硬さの指標 前述したように、第3図で説明した装置で測定された
生体表面の機械インピーダンスの周波数特性は第25図に
示すように、およそ軟部特性(a)、中間部特性
(b)、硬部特性(c)の三つに大別できる。軟部特性
では、実部が周波数の増加に伴って単調増加関数に、硬
部特性では実部が単調減少関数に、中間部特性では実部
が減少増加関数になっている。虚部は、どの特性も増加
関数になっているが、一般に硬部特性では、1KHzまでに
共振周波数はない。また、まれに第25図(d)(e)の
ように、典型的なパターンとは異なる周波数特性を示す
ものがある。
(1)硬さの指標 第26図に軟部特性を示す機械インピーダンスの周波数
特性を示す。虚部(リアクタンス)は負から始まって周
波数と共に増加し、共振周波数で0となりさらに増加し
ていく。しかし、生体表面での測定では、生体の不随意
な動きなどにより誤差が含まれるので、周波数特性に3
点の移動平均を3回かけて平滑化を行った。同図の実線
は移動平均をかける前、破線はかけた後の周波数特性で
ある。第27図に手背部の軟部特性(実線)、中間部特性
(破線)、硬部特性(一点鎖線)の周波数特性を示す。
この図より、対象が硬くなるほど共振周波数が高くな
り、また低周波数域ではリアクタンスの絶対値も大きく
なることがわかる。したがって、対象が硬くなるほど第
26図の斜線部の面積が大きくなる。低周波数域のリアク
タンスは被測定物の弾性を強く反映し、また粘性も反映
していることが、これまでの解析からわかってきた。し
たがって、この面積を以下のように生体表面からみた硬
さの指標SI(Stiffness Index)と定義する。
ここで、f0は共振周波数であり、積分範囲を40Hzから
としたのは、測定センサーの測定可能な周波数範囲によ
る制限からである。指標SIは次元的に〔N/m〕となり、
粘性や慣性を含んで弾性を表現していると考えられる。
また硬部特性では、一般に共振周波数は1KHzまでにはな
いので、共振周波数を1KHzと仮定して面積を求めること
にする。本法によれば、多少周波数特性が良くなくて
も、平均的で安定した結果が得られる。また第25図
(d)(e)のような典型的なパターンとは異なる周波
数特性の場合でも、十分に結果を得ることができる。
指標を求める際に、インピーダンスの実部を用いない
理由は、軟部特性と中間部特性を比較した場合、低周波
数域で中間部特性の実部が軟部特性のそれより小さくな
ることがあり、触診の硬さ感覚と一致していないためで
ある。また機械インピーダンスの絶対値を硬さの指標に
することも考えられるが、あまり対応は良くない。さら
に、部位によっては同一の共振周波数が得られるが、低
周波数域のリアクタンスが大きく異なっている場合があ
るので、共振周波数を硬さの指標とする場合には注意を
要する。そこで本発明者はリアクタンスの共振周波数ま
での面積をもって硬さの指標とすることを新たに提案す
る。
(2)機械インピーダンスと硬さ指標 生体表面を指で軽く触れてみると、その硬さが違うよ
うに感じる部位がある(例えば手背部の骨のある部位と
ない部位)。これは生体表面下の組織構造、すなわち骨
などの硬さを含んだ形で硬さを感じているためで、生体
表面の皮膚の硬さそのものが違うわけではない。ここで
はこれを見かけの硬さと呼ぶことにする。本発明者はこ
れまで力学特性の構造依存性について研究を進めてきた
が、この機械インピーダンスの構造依存性と硬さ指標と
の関係について述べる。
第28図には、第5図で説明したモデルについて、振動
子直径5mm、接触力15gf(測定条件A)の条件下で測定
を行った場合の周波数特性を示す。同図の実線はシミュ
レータの厚さが50mm、破線は7mm、一点鎖線は4mmのもの
であり、厚さが薄くなるほど、低周波数域においてはリ
アクタンスの絶対値が大きくなっていることがわかる。
また、実部では軟部特性から中間部特性への変化が低周
波数域でみられる。第29図にシミュレータの厚さと見か
けの硬さSIの関係を示す。同図において△は条件Aで、
○は条件B(振動子の直径10mm、接触力50gf)での結果
である。シミュレータの厚さが薄くなるほど、見かけの
硬さは硬くなっているが、これは鉄板による構造依存性
を徐々に受けてくるためである。しかし厚さが同じで
も、測定条件(振動子直径や接触力の大きさ)が異なれ
ば、SIも異なっている。これはインピーダンスの周波数
特性自体が、測定条件によって異なるためである。例え
ば、指で皮膚を軽く押さえた場合と強く押さえた場合
で、硬さが違って感じるのと同じである。したがって、
同じ測定条件でのSIを比較することはできるが、異なる
測定条件でのSIを比較することは難しいことがわかる。
また、同図において条件Bでは、約20mm以上から、条件
Aでは、約15mm以上の厚さから、SIがほぼ一定となって
いるが、これはその厚さ以上では、見かけのSIが組織構
造の影響を受けなくなる。すなわち構造依存性を受けて
いない厚さにおいて示されているSIはシミュレータ自身
の硬さであるということができる。
シミュレータの厚さが薄くなれば、見かけの硬さも硬
くなることは述べたが、シミュレータ自身の硬さが硬く
なれば、当然見かけの硬さも硬くなる。さらにシミュレ
ータ下部の鉄板の硬さが変化すれば、表面からの見かけ
の硬さも変化する。本測定法はシミュレータを表面から
励振させることによって機械インピーダンスを測定して
いるが、その厚さが薄くなると下部の構造物からの振動
反射によって得られる機械インピーダンスが変化する。
すなわちシミュレータと下部の構造物の機械インピーダ
ンスの大小が影響しているのであり、反射は構造物が硬
いすなわち構造物の機械インピーダンスが大きいほどよ
く起こる。したがって、構造物の硬さが硬くなるほど反
射の影響も強く受けるようになるので、見かけの硬さも
硬くなってくると考えられる。
B.機械インピーダンスによる硬さのマッピング 前述のシミュレータの中に、第14図で説明したように
格子状に組み合わせた銅棒を埋め込んだ場合(バーモデ
ルと呼ぶ)、および鉄製のMブロックを埋め込んだ場合
(ブロックモデルと呼ぶ)の二つについて実験を行っ
た。測定は1つの測定点に対して2回ずつ行い、振動子
直径は10mm、接触力は50gfとし、前述のSIを求めた。ま
た、硬さの分布が視覚的、直観的にとらえることができ
るよう、測定結果を双3次スプライン補間を用いて3次
元画像(SIマッピングと呼ぶ)で表現した。
(1)バーモデル 前述のシミュレータ(厚さ50mm、直径150mm)の中
に、長さ120mm、直径4mmの銅棒4本を図8(a)のよう
に組み合せて埋め込み、表面から10mmの位置に固定して
バーモデルを作製し、実験を行った。バーモデルは対称
であるため、測定は同図(b)に示すように、片側だけ
72(12×6)点で行った。第30図に硬さのSIマッピング
を示す。同図には銅棒を格子状に組み合わせた様子がよ
く表現されている。左下方から右上方に延びている2本
の***が、右下方から左上方に延びている2本の***よ
りも高くなっているが、これは組み合わせた銅棒の上に
なっている側と、下になっている側の差である。また、
銅棒が交差している部分が他よりも高くなっているが、
これは、第14図にも示すように、銅棒を格子状に固定す
るために用いたワイヤーによるものである。
(2)ブロックモデル 前述のシミュレータ(厚さ65mm、直径200mm)の中
に、高さ55mmのMブロックを第31図に示すように埋め込
み、ブロックの最も高い部分が表面から10mmとなるよう
にしてブロックモデルを作製し、実験を行った。第32図
には測定点を示すが、図では半分だけ示しており、実際
には105点の測定を行った。第33図は硬さのSIマッピン
グで、図には***した山のようなものが二つ現れてい
る。これはブロックの山の部分に相当し、ブロックの谷
の部分もうまく表現されている。SIマッピングの4隅が
大きくなっているのは、振動子の大きさに比べてシミュ
レータの大きさが十分でなかったため、フィルムの側壁
の影響を受けているからと考えられる。
C.生体機械インピーダンスのSIマッピング 今回提案した硬さの指標が、生体表面においても適用
できることを確認するために、手背部と胸部において測
定を行った。これらの部位は生体表面下の骨などの影響
を受けており、SIマッピングで示されている硬さは、見
かけの硬さである。
(1)手背部 手背部では、皮膚下部の構造が複雑であり、皮膚も薄
いので振動子直径を5mm、接触力を15gfとし、手背部を
上にして自然な状態で台の上に置き、2回ずつ測定を行
った。第34図に、左手背部の測定点(8×5:格子点上)
40点を示す。また、第35図に手背部からみた骨格の格子
を(金子:日本人体解剖学1(骨学、靭帯学、筋学)、
71(昭57)両山堂)、第36図にSIマッピングを示す。中
手指関節上で一番硬くなり、また中手指のある部位とな
い部位の硬さの差がはっきり現れていることがわかる。
また中手骨上でも手根骨側はSIが小さいので、皮膚表面
の粘弾性が同じであるとすれば、骨などの構造依存性の
影響が少ない、すなわち中手骨側に比べて皮膚が厚いと
考えられる。
(2)胸部 胸部では、手背部に比べて胸壁の面積が大きく比較的
構造が簡単なので、振動子直径を10mm、接触力を50gfと
し、被験者を仰向けに寝かせて2回ずつ測定を行った。
左胸部上は心拍の影響を受けて正確に測定を行えないた
め、第37図に示すように右胸部において105点(15×7:
格子点上)で測定した。第38図に胸部の骨格を(同)、
第39図にSIマッピングを示す。鎖骨上と胸骨柄から胸骨
体にかけて、見かけの硬さは硬くなっており、肋骨のあ
る部位とない部位の差がよく表現されている。なお、マ
ッピングは鎖骨上、胸骨体上のSIが極めて大きかったの
で、高さを対数で表した。
D.硬さの指標と触診 (1)実験方法および結果 右下腿外側部において振動子直径を10mm、接触力を50
gfとし、一点につき2回測定を行ってSIの平均値を得
た。測定部位は第40図に示すように、下腿外側の前脛骨
筋、腓骨筋、下腿三頭筋上にまたがる8cm×16cmの範囲
で、測定点は2cmおきに40点とした。測定部位が下腿外
側であるので足関節のわずかな変化によって筋の働きが
異なり、筋緊張度が変化すると考えられるので、足関節
はほぼ直角にしてテーピングを行い固定した。機械イン
ピーダンス測定と並行して、まず鍼灸師、次にマッサー
ジ師が全体にわたって触診を行い、1つの点に対して5
段階(硬さの程度は略均等)の点数で硬さを表現したマ
ップを作製した。次に脛骨側の20点について機械インピ
ーダンスの測定を行い、次に述べる方法で硬さ指標のマ
ップを作製した。さらに鍼灸師とマッサージ師が触診を
行って、2回目の触診のマップを作製し、次に残りの足
首側の20点について機械インピーダンスを測定した。も
う一度鍼灸師とマッサージ師が3回目の触診を行って、
マップを作製した。3回の触診を行ったのは、測定全体
が約2時間にも及ぶため、測定中に足関節角度の変化に
よる筋緊張度の変化を考慮するためである。同様な理由
で機械インピーダンスの測定も2回に分けて行った。
24才の男性の下腿において、触診と機械インピーダン
ス測定を行ってマッピングしたのが第41図および第42図
である。鍼灸師は被験者の下腿の筋が全体的に薄く、三
つの筋が区別しにくいと報告している。また触診の際の
加圧力は100〜500g程度である。測定の開始時には足関
節が少し動き、鍼灸師とマッサージ師の触診結果が異な
った。また測定終了時の足関節角度は開始時に比べると
かなり変化しており、測定中に徐々に角度が変化してい
たと考えられる。また被験者は測定の後半には足関節の
麻痺(しびれ)を訴えた。従って、触診のマッピングは
脛骨側(前半)の20点について、1回目のマッサージ師
(鍼灸師の触診は足関節角度が違うので除外する)、2
回目の鍼灸師、マッサージ師の触診結果から平均値を求
めて、20点の値とした。足首側(後半)の20点について
も2回目の鍼灸師、マッサージ師と3回目の鍼灸師、マ
ッサージ師の触診結果の平均値を求めて、残りの20点の
値としてマッピングを行った。
第41図および第42図の触診とSIマッピングを比べる
と、どちらも前脛骨筋、足首に向かって硬くなっていく
様子がわかる。しかし、SIでは腓脛骨筋上のいくつかの
山が特徴的なのに対し:触診はそれほど明確ではなく、
前脛骨筋中央部でかなり硬い部分があることが示されて
いる。SIでは三つの筋の特徴が判別できるようである
が、触診ではその区別がはっかりとわからない。今回の
結果では測定中に足関節角度が変化したこともあり、ま
た1例の結果でもあるので細かい部分の比較では明確な
結果を得ることができなかったが、全体の傾向(前脛骨
筋および足首に向かって硬くなっていく)は一致してい
ると考えてよいであろう。第43図に示すように触診とSI
の相関係数は0.797であり強い相関が認められるので、S
Iは触診に対応する硬さ指標として十分であると考え
る。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように本発明によれば生体内部の構造
依存性の影響を除いた生体表面組織そのものの力学特性
の測定が可能となり、また一方では、構造依存性を含ん
だ形で触診により経験的に得られる生体表面の力学特性
を客観的に評価する指標が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る第1の装置の原理構成図、 第2図は本発明に係る第2の装置の原理構成図、 第3図は本発明に係る測定装置の一実施例を表わす図、 第4図は本発明に係るセンサ内蔵形加振基の詳細図、 第5図は実験に用いたモデルの外観を表わす図、 第6図はモデルについての弾性係数μ、粘性係数
μ、および有効振動半径aの算出結果とモデルの厚み
dとの関係を表わす図、 第7図はμ1と補正係数pとの関係を表わす図、 第8図は異なる媒質定数における第6図と同様な図、 第9図は異なる媒質定数における第7図と同様な図、 第10図は異なる媒質定数における補正関数の比較を表わ
す図、 第11図は異なる測定条件における第6図と同様な図、 第12図は異なる測定条件における第7図と同様な図、 第13図は異なる測定条件における補正関数の比較を表わ
す図、 第14図はバーモデルの外観を表わす図、 第15図はバーモデルの測定点を表わす図、 第16図はバーモデルにおける補正前のμ1のマッピ
ングを表わす図、 第17図はバーモデルにおける補正後のμ1のマッピ
ングを表わす図、 第18図は眼瞼周囲の測定点と補間点を表わす図、 第19図は眼瞼周囲の測定結果を表わす図、 第20図は補正前の眼瞼周囲のμ1のマッピングを表
わす図、 第21図は補正後の眼瞼周囲のμ1のマッピングを表
わす図、 第22図は眼瞼周囲の上眼瞼、下眼瞼、外眼角部を表わす
図、 第23図は補正前後の部位別のμを表わす図、 第24図は補正前後の部位別のμを表わす図、 第25図はいくつかの特徴的な生体機械インピーダンスの
周波数特性を表わす図、 第26図は硬さの評価法を表わす図、 第27図は生体の硬さに応じた共振周波数の変化を表わす
図、 第28図はモデルの厚さに応じた周波数特性の変化を表わ
す図、 第29図はモデルの厚さとSIとの関係を表わす図、 第30図はバーモデルにおけるSI値のマッピングを表わす
図、 第31図はMブロックモデルを表わす図、 第32図はMブロックモデルにおける測定点を表わす図、 第33図はMブロックモデルにおけるSI値のマッピングを
表わす図、 第34図は手甲部の測定点を表わす図、 第35図は手背部からみた骨格図、 第36図は手背部のSI値のマッピングを表わす図、 第37図は胸部の測定点を表わす図、 第38図は胸部の骨格図、 第39図は胸部のSI値のマッピングを表わす図、 第40図は右下腿外側部の測定点を表わす図、 第41図は触診によって得られた右下腿外側部の硬さのマ
ッピングを表わす図、 第42図は右下腿外側部のSIマッピングを表わす図、 第43図は触診の結果とSIマッピングとの相関を表わす
図、 図において、 10……生体表面、12,121……振動子、 140……加振器、 150……センサ内蔵形加振器、 160……インピーダンスヘッド、 161……ロードセル、162……コネクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−107224(JP,A) 特開 昭61−193647(JP,A) 特開 昭59−120130(JP,A) 特開 平2−279135(JP,A) 特開 昭60−85729(JP,A) 特開 昭59−168835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/00 G01N 29/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体表面(10)に振動子(12)を圧接し、
    該振動子(12)を所定の周波数分布において加振し、 該圧接され加振された振動子(12)における駆動力と加
    速度とを時間領域において測定し、 該時間領域において測定された駆動力と加速度とをフー
    リエ変換して周波数領域に変換し、 該周波数領域における駆動力と加速度とから該生体表面
    における機械インピーダンスの周波数特性を算出し、 有効振動半径a、弾性係数μ、および粘性係数μ
    パラメータとする機械インピーダンスの理論式から算出
    される機械インピーダンスの周波数特性曲線が該駆動力
    と加速度とから算出された機械インピーダンスの周波数
    特性曲線を最適に近似する有効振動半径a、弾性係数μ
    、および粘性係数μの値を決定し、 有効振動半径aの関数としての弾性係数μおよび粘性
    係数μの補正率を予め記憶し、 該決定された有効振動半径aの値から定められる該記憶
    された補正率により、該決定された弾性係数μまたは
    粘性係数μの値を補正する各段階を具備することを特
    徴とする生体表面部の力学特性の測定方法。
  2. 【請求項2】生体表面(10)に振動子(12)を圧接し、
    該振動子(12)を所定の周波数分布において加振し、 該圧接され加振された振動子(12)における駆動力と加
    速度とを時間領域において測定し、 該時間領域において測定された駆動力と加速度とをフー
    リエ変換して周波数領域に変換し、 該周波数領域における駆動力と加速度とから該生体表面
    における機械インピーダンスの周波数特性を算出し、 該算出された機械インピーダンスの虚部の周波数特性曲
    線における共振周波数以下の部分の領域の積分値を算出
    して生体表面部の硬さの評価指数とする各段階を具備す
    ることを特徴とする生体表面部の力学特性の測定方法。
  3. 【請求項3】生体表面(10)に圧接される振動子(12)
    と、 該振動子(12)を所定の周波数分布において加振する加
    振手段(14)と、 圧接され該加振手段(14)により加振される該振動子
    (12)における駆動力と加速度とを検知する検知手段
    (16)と、 該検知手段(16)において検知された時間領域における
    駆動力と加速度とをフーリエ変換するフーリエ変換手段
    (18)と、 該フーリエ変換手段(18)が出力する周波数領域の駆動
    力と加速度とから該生体表面(10)における機械インピ
    ーダンスの周波数特性を算出する機械インピーダンス算
    出手段(20)と、 有効振動半径a、弾性係数μ、および粘性係数μ
    パラメータとする機械インピーダンスの理論式から算出
    される機械インピーダンスの周波数特性曲線が該駆動力
    と加速度とから算出された機械インピーダンスの周波数
    特性曲線を最適に近似する有効振動半径a、弾性係数μ
    、および粘性係数μの値を決定する曲線適合手段
    (22)と、 有効振動半径aの関数としての弾性係数μおよび粘性
    係数μの補正率を記憶する補正値記憶手段(24)と、 該曲線適合手段(22)により決定された有効振動半径a
    の値から定められる該補正値記憶手段(24)に記憶され
    た補正率により、該曲線適合手段(22)により決定され
    た補正係数μまたは粘性係数μの値を補正する補正
    手段(26)とを具備することを特徴とする生体表面部の
    力学特性の測定装置。
  4. 【請求項4】生体表面(10)に圧接される振動子(12)
    と、 該振動子(12)を所定の周波数分布において加振する加
    振手段(14)と、 圧接され該加振手段(14)により加振される該振動子
    (12)における駆動力と加速度とを検知する検知手段
    (16)と、 該検知手段(16)において検知された時間領域における
    駆動力と加速度とをフーリエ変換するフーリエ変換手段
    (18)と、 該フーリエ変換手段(18)が出力する周波数領域の駆動
    力と加速度とから該生体表面(10)における機械インピ
    ーダンスの周波数特性を算出する機械インピーダンス算
    出手段(20)と、 該機械インピーダンス算出手段(20)が算出した機械イ
    ンピーダンスの虚部の周波数特性曲線における共振周波
    数以下の領域の積分値を算出して生体表面部の硬さの評
    価指数とする評価指数算出手段(30)とを具備すること
    を特徴とする生体表面部の力学特性の測定装置。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の方法に使用するセ
    ンサ内蔵形加振器であって、 振動すべき方向に伸びる振動軸(120)と、 弾性体(142)を介して該振動軸(120)に釣支された永
    久磁石(141)と、 該永久磁石(141)の磁極に対向し、該振動軸(120)に
    拘持された駆動コイル(143)と、 軸方向の応力と加速度にそれぞれ比例した2つの電気信
    号を出力するインピーダンスヘッド(160)と、 該インピーダンスヘッド(160)を介して該振動軸(12
    0)に固着された円盤状振動子(121)とを具備すること
    を特徴とするセンサ内蔵形加振器の構造。
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