JP2844604B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気光学効果を利用してレーザー光等によ
り情報の記録・再生を行う光磁気記録媒体に関し、特に
腐食および孔食を抑制しつつ磁気光学特性を安定に維持
することが可能な光磁気記録媒体に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、Co層とPt層および/またはPd層が交互に積
層された人工格子膜を記録層とし、該記録層の全厚を50
〜800Åとすることにより、腐食および孔食を抑制しつ
つ磁気光学特性を安定に維持することが可能な光磁気記
録媒体を提供しようとするものである。
さらに本発明は、前記人工格子膜を記録層とする光磁
気記録媒体において、Cu,Rh,Pd,Ag,W,Ir,Pt,Auの少なく
とも1種よりなる下地膜を形成することにより、保磁力
のより一層の向上を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕 近年、書換え可能な高密度記録方式として、半導体レ
ーザー光等により記録・再生を行う光磁気記録方式が注
目されている。
この光磁気記録方式に使用される記録材料としては、
Gd,Tb,Dy等の希土類元素とFe,Co等の遷移元素とを組合
わせた非晶質合金が従来の代表例であった。しかし、こ
れらの非晶質合金を構成している希土類元素やFeは非常
に酸化され易く、空気中の酸素とも容易に結合して酸化
物を形成する性質がある。このような酸化が進行して腐
食や孔食に至ると信号の脱落を誘起し、また特に希土類
金属が選択酸化を受けると、保磁力と残留磁気カー回転
角の減少に伴ってC/N比が劣化するという問題が生ず
る。このような問題は、希土類元素を使用する限り免れ
ることができないものである。
一方、希土類元素の代わりにPt,Pd等の貴金属を使用
したCo−Pt系、あるいはCo−Pd系の材料は耐食性に優れ
たものであり、たとえば磁気記録媒体の記録材料として
の応用が期待されている。
しかしながら、これらCo−Pt系あるいはCo−Pd系の材
料については、ジャーナル・オブ・マグネティズム・ア
ンド・アグネティック・マテリアルズ(Journal of Mag
netism and Magnetic Materials)第66号,351〜355ペー
ジ(1987年)等に記載されるように、約2000Åもの比較
的厚い層厚領域において垂直磁気異方性が見出されてい
るに過ぎず、光磁気記録媒体への応用は未だ試みられて
いない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであり、希土類元素の代わりに貴金属元素を使用
し、腐食や孔食を効果的に抑制しつつ光磁気特性を安定
に維持することが可能な光磁気記録媒体を提供すること
を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上述の目的を達成するために検討を重ね
た結果、所定の層厚のCo層とPt層および/またはPt層を
超格子的に積層した人工格子膜が、極めて全厚の薄い領
域で良好な磁気光学特性を示すこと、およびこの人工格
子膜が光磁気記録に利用できることを見出し、本発明に
至ったものである。
すなわち、本発明にかかる光磁気記録媒体は、Co層と
Pt層および/またはPd層とが交互に積層された人工格子
膜を記録層とし、該記録層の全厚が50〜800Åであるこ
とを特徴とするものである。
さらに、本発明にかかる光磁気記録媒体は、Co層とPt
層および/またはPd層とが交互に積層された人工格子膜
を記録層とし、該記録層の全厚が50〜800Åである光磁
気記録媒体であって、Cu,Rh,Pd,Ag,W,Ir,Pt,Auの少なく
とも1種よりなる下地膜が形成されたことを特徴とする
ものである。
まず、本発明にかかる光磁気記録媒体において記録層
として利用できる人工格子膜は、Co層とPt層とを積層し
たCo−Pt系人工格子膜、Co層とPd層とを積層したCo−Pd
系人工格子膜、およびCo層,Pt層,Pd層の三者を積層した
Co−Pt−Pd系人工格子膜である。
いずれの場合にも、記録層となる人工格子膜の全厚
は、50〜800Åの範囲とすることが好ましい。これは、
前記範囲を外れると磁気カー回転角や保磁力が劣化する
等、磁気光学特性の低下が見られるからである。
特にCo−Pt系人工格子膜の場合には、Co層2〜8Å、
Pt層3〜40Å、全厚50〜400Åであることがより好まし
く、かかる範囲で良好な磁気光学特性を発揮する。勿
論、これ以外の範囲,例えば層厚800Å以下の領域でも
磁気光学特性を発揮するが、400Åを超えた領域では角
形比が若干低下する。
同様に、Co−Pd系人工格子膜の場合には、Co層1〜9
Å、Pd層2〜40Å、全厚50〜800Åで良好な磁気光学特
性を発揮する。
以上の層厚の範囲は磁気光学特性を最適化する観点か
ら設定されたものであり、いずれの場合も上記範囲外で
は面内磁化成分が発生して磁気光学特性が劣化する。
また、Co−Pt−Pd系人工格子膜の場合、積層構造とし
ては、Co層とPt−Pd合金層とを交互に積層したものであ
ってもよいし、Co層−Pt層−Co層−Pd層−,あるいはCo
層−Pt層−Pd層−Co層−の順に積層したものであっても
よい。
なお、上述の各人工格子膜を構成する金属層の界面
は、異種金属原子が互いに入り乱れずに平坦に形成さ
れ、いわゆる超格子構造とされていることが理想的であ
るが、界面にやや乱れを生じながらも全体としては一定
の周期を保って組成が変動する,いわゆる変調構造(組
成変調構造)を有するものであっても良い。
上記の人工格子膜は、スパッタリング,真空蒸着ある
いは分子線エピタキシー(MBE)等によって形成するこ
とができる。
このときの蒸発源は、Co−Pt系あるいはCo−Pd系のよ
うな2成分系の場合には各成分金属について独立に用意
する必要がある。また、Co−Pt−Pd系のような3成分系
の場合には、各成分金属について独立に蒸発源を用意す
る方法の他、特にPtおよびPdに関してはこれらを組み合
わせて合金蒸発源とする方法、あるいは少ない成分金属
の蒸発源を他の金属の蒸発源の上に置くなどの方法も可
能である。たとえば上述のような3成分系の光磁気記録
媒体をスパッタリングにより作成する場合、Ptチップを
載置したPdターゲットとCoターゲットとを使用した同時
二元スパッタリング、Coターゲット,Pdターゲット,お
よびPtターゲットを使用した同時三元スパッタリング、
あるいはCoターゲット,Ptターゲットおよび2個のPdタ
ーゲットを使用してCo−Pd−Pt−Pd−…の順番で各金属
層を積層する同時四元スパッタリング等の方法が可能で
ある。
また上記人工格子膜には、熱安定性を高めたりキュリ
ー点を下げる等の目的で各種元素を添加元素として適宜
添加しても良い。
この場合、人工格子膜の種類や添加する金属層の種類
によって最適な添加元素や添加量が異なる。
例えば、Co層とPt層が積層された人工格子膜におい
て、前記Co層に添加元素を加える場合、当該Co層はCo
100-xMx(ただし、xは置換量を原子%で表し、Mは添
加元素を表す。)で表され、添加元素MとしてはB,C,A
l,Si,P,Ti,V,Fe,Ni,Cu,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Sb,Gd,T
b,Dy,Taの少なくとも一種であることが好ましい。最適
な置換量は、元素毎に若干異なり、M=Alの場合0.1≦
x≦7、M=Zrの場合0.1≦x≦14、M=Si,Mo,Taの場
合0.1≦x≦20、M=Feの場合0.1≦x≦25、M=B,C,T
i,V,Cu,Ga,Ge,Nb,In,Snの場合0.1≦x≦30、M=Pの場
合0.1≦x≦35、M=Gd,Tb,Dyの場合0.1≦x≦40、M=
Sbの場合0.1≦x≦45、M=Niの場合0.1≦x≦70であ
る。
上記各元素の置換基xの下限は、0.1原子%とされて
いるが、これより低い場合にはキュリー点の低減効果が
現れない。また、上記各元素の置換量xの上限は添加す
る元素によって7〜40原子%と異なっているが、これら
の値より高い場合には磁気光学特性をかえって劣化させ
る虞れがある。
また、上述の第3の元素をPt層に添加し、当該Pt層の
組成をPt100-xMx(ただしxは置換量を原子%で表し、
0≦x≦15であり、Mは添加元素を表す。)とすること
も考えられるが、この場合は磁気光学特性や熱安定性を
改善することを目的とするのではなく、むしろキュリー
点の調節を主目的とすべきである。それは、第3の元素
をPt層に添加すると、一部の例外を除いてキュリー点が
上昇するとともに磁気カー回転角が低下するからであ
る。ただし、キュリー点は記録情報の保護の観点から無
制限に低ければ良いという性質のものではないので、も
ともと記録層のキュリー点が著しく低い場合等はこのよ
うな手段により実用的な範囲までこれを高めることが可
能である。Pt層に添加し得る元素としては、Co層と同様
の元素の他、Cr,Mn,Co,Zn,Y,Rh,Ag,La,Nd,Sm,Eu,Ho,Hf,
W,Ir,Au,Pb,Bi等が挙げられる。さらには、上記Pt層は
任意の割合でPdに置き換わっていても良い。
一方Co層とPd層が積層された人工格子膜において前記
Co層に添加元素を加える場合には、当該Co層はやはりCo
100-xMx(但し、xは置換量を原子%で表し、Mは添加
元素を表す。)で表され、添加元素MとしてはP,Ti,V,N
i,Ga,Ge,B,C,Al,Si,Fe,Cu,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Sb,Ta,Wの少
なくとも一種であることが好ましい。この場合にも最適
添加量は添加元素の種類によって異なり、M=Zrの場合
0.1≦x≦10、M=P,Alの場合0.1≦x≦12、M=Sn,Sb,
Wの場合0.1≦x≦20、M=Ti,V,Ni,Ga,Ge,Nbの場合0.1
≦x≦25、M=B,C,Si,Fe,Cu,Mo,Inの場合0.1≦x≦3
0、M=Taの場合0.1≦x≦40である。限定の理由は先の
Co−Pt系人工格子膜の場合と同様である。
また、Pd層に添加元素を添加してもよく、この場合の
添加元素の種類,添加量等をPt層の場合と同様である。
さらに、上述のような人工格子膜を記録層として形成
するに先立って、ガラス等の適当な基板の上にまず下地
膜をスパッタリング,真空蒸着あるいはMBE等により形
成してもよい。
この下地膜を構成する元素としては、面心立方構造
(fcc構造)を有するCu,Rh,Pd,Ag,Ir,Pt,Au、および体
心立方構造(bcc構造)を有するWの少なくとも1種が
使用される。特に顕著な効果を現す元素の種類は下地膜
の上に形成される記録層の種類によって若干異なり、た
とえばCo−Pt系記録層の場合はPd,Ag,W,Pt,Auの下地膜
を、Co−Pd系記録層の場合はPd,Ag,Pt,Auの下地膜を使
用することが効果的である。なお、これらの元素は単独
で使用しても、あるいは2種以上を組合わせて使用して
も良い。
上記下地膜の層厚は5〜5000Åとすることが望まし
く、より好ましい範囲は5〜500Åである。下地膜の厚
さが余り薄いと保磁力の向上が十分でなく、逆に余り厚
くても保磁力が飽和に達するためにこれ以上の効果は望
めない。特に、基板側(すなわち前記下地膜側)から信
号を読みだす場合には、10〜200Åとすることが好まし
く、人工格子膜側から信号を読みだす場合には、200〜2
000Åとすることが好ましい。
このような光磁気記録媒体に対する書込み方法として
は、光ビームの他、針型磁気ヘッド、熱ペン、電子ビー
ムなど、反転磁区を生じさせるのに必要なエネルギーを
供給できるものであれば、いかなるものでも良いことは
言うまでもない。
〔作用〕
CoとPtあるいはPdの少なくとも1種を交互に積層した
人工格子膜を記録層とする光磁気記録媒体は、希土類元
素を含まないため耐蝕性に優れるものである。そして、
特に全厚を50〜800Åとすることにより、極めて良好な
磁気光学特性が達成される。
このような光磁気記録媒体において、Cu,Rh,Pd,Ag,G
d,W,Ir,Pt,Auの少なくとも1種よりなる下地膜を形成す
ると、保磁力が大幅に向上される。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例について図面を参照しな
がら説明する。
第1の実施例 本実施例は、Co層とPt層とを交互に超格子的に積層し
た金属膜を記録層とするCo−Pt系光磁気記録媒体の例で
ある。
まず100mm径のCoおよびPtの各ターゲットをチャンバ
ー内に設置した。これらのターゲットと対向する位置に
ガラス基板を置き、所定のガス圧のアルゴン雰囲気中で
ガラス基板を所定の速度(6〜60rpm)で回転させなが
ら二元同時スパッタリングを行った。このときCoについ
ては直流スパッタリング(投入パワー:0.2〜1A,300
V)、Ptについては直流スパッタリング(投入パワー:0.
2〜1A,300V)あるいは高周波スパッタリング(投入パワ
ー:200〜500W)を行い、ガラス基板上にCo層とPt層とを
交互に積層し、所定の全厚の記録層を形成した。
第1図に、実際に形成した全厚100Åの各記録層のCo
層とPt層の層厚を示す。図中、縦軸はCo層の層厚
(Å)、横軸はPt層の層厚(Å)を表す。ここで、Coの
場合は2.5Å、Ptの場合は2.8Åがそれぞれ1原子層の層
厚に相当する。図中の各点は形成された各記録層におけ
る各原子層の層厚を表し、また太線の枠は各層の好まし
い層厚の範囲を示す。なお、各記録層が超格子金属膜と
なっていることは、X線小角散乱により確認した。
これら各記録層のうち、第1図に示す太線の枠内に存
在する記録層の幾つかについて、ポーラーカー測定装置
を使用して記録層側から波長780nmにて磁気光学効果を
測定した結果を第2図(A)ないし第2図(C)に示
す。記録層は、いずれもアルゴンガス圧5mTorrにて100
Åの全厚に形成されたものであり、第2図(A)は点a
(Co=3.3Å,Pt=6.2Å)、第2図(C)は点b(Co=
4.5Å,Pt=6.3Å)、第2図(C)は点c(Co=6Å,Pt
=11Å)に対応する記録層の磁気カー曲線を示す。縦軸
は磁気カー回転角(°)を表し、横軸は外部磁界の強さ
(kOe)をそれぞれ表す。これらの図をみると、各記録
層の角形比は1であり、極めて良好な磁気光学特性を有
していることがわかる。ここで角形比とは、残留磁気カ
ー回転角θK rと飽和磁気カー回転角θK sの比(=θK r
θK s)を指し、この値が1に近いほど再生時のC/N比が
良好となることを示すものである。
一方比較のために、各原子層の層厚が太線の枠内に属
さない記録層についても同様に形成し、その磁気光学特
性を測定した結果を第3図(A)および第3図(B)に
示す。第3図(A)は点d(Co=3.3Å,Pt=2.8Å)、
第3図(B)は点e(Co=0.6Å,Pt=1.7Å)に対応す
る記録層の磁気カー曲線を示す。これらの図をみると、
いずれの記録層も保磁力がゼロに近く、光磁気記録媒体
としての役目を果たさないことがわかった。
同様の測定を他の記録層についても行い、磁気カー曲
線から求められた保磁力を第4図に、また磁気カー回転
角を第5図に示す。これらの図から、保磁力としては数
十〜200Oeの値が得られ、また磁気カー回転角は最高で
0.5°という大きな値が得られていることがわかった。
次に、いくつかの記録層のキュリー点を測定した結果
を第6図に示す。キュリー点は、まず真空中にて波長78
0nmにおいて各記録層の磁気光学特性を測定した後、500
Oeの磁場を印加しながら温度を上昇させて磁気カー回転
角がゼロとなる温度(℃)を調べることにより求めた。
キュリー点はおおよそ100〜500℃の範囲に分布し、これ
らの記録層が光磁気記録媒体として実用的な温度範囲で
使用可能であり、しかも各原子層の層厚により任意に設
定できることがわかる。また、他種元素の添加によりキ
ュリー点を変化させることも可能である。
次に、記録層の磁気光学特性がスパッタリングの際の
アルゴンガス圧に依存する様子を調べた。一例として、
各原子層の層厚が第1図の点h(Co=6Å,Pt=17.2
Å)で表される全厚100Åの記録層を種々のアルゴンガ
ス圧下でスパッタリングを行うことにより作成し、磁気
光学特性を測定して保磁力および角形比を求めた。これ
らの値をアルゴンガス圧に対してプロットしたものを第
7図に示す。図中、縦軸は保磁力(Oe)あるいは角形比
を、横軸はアルゴンガス圧(mTorr)をそれぞれ表し、
黒丸のプロットは保磁力を、白丸のプロットは角形比を
それぞれ表す。また第8図(A)ないし第8図(C)に
は、代表的なアルゴンガス圧下における磁気カー曲線を
示す。第8図(A)はアルゴンガス圧が5mTorrの場合、
第8図(B)は11mTorrの場合、第8図(C)は25mTorr
の場合にそれぞれ対応する。以上の第7図、および第8
図(A)ないし第8図(C)より、保磁力は11mTorr付
近から、また角形比は16mTorr付近から急激に低下し、
良好な磁気光学特性が得られるアルゴンガス圧は5mTorr
付近であることがわかった。
次に、同じ記録層の磁気光学特性の全厚依存性を調べ
た。スパッタリング時のアルゴンガス圧は上述の実験結
果を踏まえて5mTorrとした。結果を第9図に示す。図
中、縦軸は磁気カー回転角(°),角形比あるいは保磁
力(Oe)、横軸は全厚(Å)を表し、黒丸のプロットは
磁気カー回転角,白丸のプロットは角形比、黒三角のプ
ロットは保磁力をそれぞれ表す。この図をみると、角形
比は400Å付近から急激に低下し、磁気カー回転角およ
び保磁力は極大値のある変化を示している。磁気カー回
転角が極大となる全厚は、各原子層の層厚にもよるが概
して80〜150Åの範囲に存在し、全厚が500Å以上になる
とほぼ一定の低い値となる。したがって、前述の第5図
に示した磁気カー回転角の値は、ほぼ極大値と言える。
ここで、別の記録層について磁気光学特性の全厚依存
性を磁気カー曲線でみた結果を第10図(A)および第10
図(B)に示す。この記録層は、各原子層の層厚が第1
図の点g(Co=3.5Å,Pt=5.4Å)で表され、アルゴン
ガス圧を4mTorrとして作成されたものであり、第10図
(A)は全厚100Å,第10図(B)は全厚500Åの場合に
それぞれ相当する。この図をみると、全厚100Åの記録
層は全厚500Åの記録層に比べて磁気光学特性に優れて
おり、前述の第9図に現れた傾向と対応していることが
わかった。
このように、層厚の極めて小さい領域において磁気カ
ー回転角が高くなるのは、本発明にかかる光磁気記録媒
体に特徴的な性質であり、転送レートや記録密度の向上
に極めて有利である。
次に、Co−Pt系記録層の耐蝕性について促進劣化試験
により検討した。まず、各原子層の層厚が第1図の点C
(Co=6Å,Pt=11Å)で表される全厚100ÅのCo−Pt系
記録層を温度80℃,相対湿度75%の高温湿潤環境下に一
定時間放置し、磁気光学特性の変化を調べた。この結果
を第11図に示す。図中、縦軸は保磁力の減少率(Hc(t)
/Hc(t0))あるいは磁気カー回転角の減少率(θK(t)
/θK(t0))を、横軸は放置時間(時間)を表し、白
丸のプロットは保磁力、黒丸のプロットは磁気カー回転
角をそれぞれ表す。ここで、上記保磁力の減少率とは放
置前の保磁力Hc(t0)に対する一定時間放置後の保磁力
Hc(t)の比であり、また上記磁気カー回転角の減少率と
は放置前の磁気カー回転角θK(t0)に対する一定時間
放置後の磁気カー回転角θK(t)の比である。また、本実
験における代表的な磁気カー曲線を第12図(A)および
第12図(B)に示す。第12図(A)は放置前、第12図
(B)は300時間放置後のCo−Pt系記録層にそれぞれ対
応している。これらの図から、高温湿潤環境下に300時
間もの間放置しても磁気光学特性の劣化は実用上差し支
えない程度であり、特に100時間以内ではほとんど劣化
が認められないことがわかった。
さらに、各原子層の層厚が第1図の点a(Co=3.3Å,
Pt=6.2Å)で表される全厚100ÅのCo−Pt系記録層につ
いても、別の条件にて促進劣化試験を行った。この結果
を第13図(A)ないし第13図(D)に示す。ここで第13
図(A)は放置前、第13図(B)は空中放置1週間後、
第13図(C)は温度80℃,相対湿度90%の高温湿潤環境
下における促進劣化試験開始5時間後、第13図(D)は
促進劣化試験開始100時間後の各記録層の磁気カー曲線
をそれぞれ示す。これらの図から、この記録層は促進劣
化試験開始100時間後においてやや磁気カー回転角が減
少するものの、十分な保磁力とほぼ1に近い角形比を保
ち、極めて安定した磁気光学特性を有することがわかっ
た。
この実験に対する比較として、Ptの代わりに希土類元
素のTbを含む記録層について同様の試験を行った。使用
した記録層は、約1原子層のTb層と約2原子層のCo層と
を交互に積層して全厚を200Åとしたものである。結果
を第14図(A)ないし第14図(E)に示す。ここで、第
14図(A)は放置前、第14図(B)は空中放置1週間
後、第14図(C)は温度80℃,湿度90%の高温湿潤環境
下における促進劣化試験開始2時間後、第14図(D)は
促進劣化試験開始5時間後、第14図(E)は促進劣化試
験開始30時間後の各記録層の磁気カー曲線をそれぞれ示
す。これらの図から、この記録層は空中放置一週間後に
おいて磁気光学特性は大きく劣化し、促進試験開始2時
間後ではもはや磁気光学特性を失っていることがわか
る。
第2の実施例 本実施例は、Co層とPd層とを交互に超格子的に積層し
た金属膜を記録層とするCo−Pd系光磁気記録媒体の例で
ある。
まず100mm径のCoおよびPdの各ターゲットをチャンバ
ー内に設置した。これらのターゲットと対向する位置に
ガラス基板を置き、所定のガス圧のアルゴン雰囲気中で
ガラス基板を所定の速度(6〜60rpm)で回転させなが
ら二元同時スパッタリングを行った。このときCoについ
ては直流スパッタリング(投入パワー:0.2〜1A,300
V)、Pdについては直流スパッタリング(投入パワー:0.
2〜1A,300V)あるいは高周波スパッタリング(投入パワ
ー:200〜500W)を行い、ガラス基板上にCo層とPd層とを
交互に積層し、所定の全厚の記録層を形成した。
第15図に、実際に形成した全厚150Åの各記録層のCo
層とPt層の層厚を示す。図中、縦軸はCo層の層厚
(Å)、横軸はPd層の層厚(Å)を表す。ここで、Coの
場合は2.5Å、Pdの場合は2.8Åがそれぞれ1原子層の層
厚に相当する。図中の各点は形成された各記録層におけ
る各原子層の層厚を表し、また太線の枠は各原子層の好
ましい層厚の範囲を示す。なお、各記録層が超格子金属
膜となっていることは、X線小角散乱により確認した。
これら各記録層のうち、第15図に示す太線の枠内に存
在する記録層の代表例について、ポーラーカー測定装置
を使用して記録層側から波長780nmにて磁気光学効果を
測定した結果を第16図(A)および第16図(B)に示
す。記録層は、いずれもアルゴンガス圧11mTorrにて150
Åの全厚に形成されたものであり、第16図(A)は点i
(Co=3.8Å,Pd=7.8Å)、第16図(B)は点j(Co=
3Å,Pd=6.6Å)に対応する記録層の磁気カー曲線を示
す。これらの図をみると、各記録層の角形比は1であ
り、極めて良好な磁気光学特性を有していることがわか
る。
同様の測定を他の記録層についても行い、磁気カー曲
線から求められた保磁力を第17図に、また磁気カー回転
角を第18図に示す。これらの図から、保磁力としては数
百〜2000Oeの値が得られ、また磁気カー回転角は最高で
0.2°という大きな値が得られていることがわかった。
次に、いくつかのCo−Pd系記録層のキュリー点を測定
した結果を第19図に示す。キュリー点はおおよそ100〜5
00℃の範囲に分布し、これらの記録層が光磁気記録媒体
として実用的な温度範囲で使用可能であり、しかも各原
子層の層厚により任意に設定できることがわかる。ま
た、他種元素の添加によりキュリー点を変化させること
も可能である。
次に、記録層の磁気光学特性がスパッタリングの際の
アルゴンガス圧に依存する様子を調べた。一例として、
各原子層の層厚が第15図の点i(Co=3.8Å,Pd=7.8
Å)で表される全厚150Åの記録層を種々のアルゴンガ
ス圧下でスパッタリングを行うことにより作成し、磁気
光学特性を測定して保磁力および角形比を求めた。これ
らの値をアルゴンガス圧に対してプロットしたものを第
20図に示す。図中、黒丸のプロットは保磁力を、白丸の
プロットは角形比をそれぞれ表す。また第21図(A)な
いし第21図(C)には、代表的なアルゴンガス圧下にお
ける磁気カー曲線を示す。第21図(A)はアルゴンガス
圧が5mTorrの場合、第21図(B)は11mTorrの場合、第2
1図(C)は25mTorrの場合にそれぞれ対応する。以上の
第20図、および第21図(A)ないし第21図(C)より、
アルゴンガス圧が高くなるにしたがって角形比が1に保
たれたまま保磁力が上昇する。磁気光学特性の観点から
はアルゴンガス圧は11mTorr以上と高くすることが特に
好ましい。
次に、同じ記録層の磁気光学特性の全厚依存性を調べ
た。スパッタリング時のアルゴンガス圧は上述の実験結
果を踏まえて11mTorrとした。結果を第22図に示す。図
中、縦軸は磁気カー回転角(°),角形比あるいは保磁
力(Oe)、横軸は全厚(Å)を表し、黒丸のプロットは
磁気カー回転角,白丸のプロットは角形比、黒三角のプ
ロットは保磁力をそれぞれ表す。この図をみると、角形
比は800Å付近までは良好であり、800Åを越えると漸減
する。保磁力,磁気カー回転角共に極大値をとる変化を
示すため、諸特性を考慮した場合の最適な全厚は150Å
付近であると言える。本実施例において、各種の実験デ
ータが全厚150Åの場合について説明されているのはこ
の理由による。
そこで、別の記録層について磁気光学特性の全厚依存
性を磁気カー曲線でみた結果を第23図(A)および第23
図(B)に示す。この記録層は、各原子層の層厚が第15
図の点k(Co=2.5Å,Pd=8.4Å)で表され、アルゴン
ガス圧を11mTorrとして作成されたものであり、第23図
(A)は全厚200Å,第23図(B)は全厚500Åの場合に
それぞれ相当する。この図をみると、全厚200Åの記録
層は全厚500Åの記録層に比べて優れていることがわか
る。
第3の実施例 本実施例は、Co,Pt,Pdからなる3成分系の金属膜を記
録層とするCo−Pt−Pd系光磁気記録媒体の例である。
3成分系の場合、上述の第1あるいは第2の実施例の
ような2成分系と違って積層にはいくつかの方式が考え
られる。そのひとつはPtとPtが第24図に示すような完全
固溶系を形成することを利用して、Pt−Pd合金層とCo層
とを積層する方法である。たとえばスパッタリングによ
りこれを作成する場合は、Pt−Pdの合金ターゲットおよ
びCoターゲットを使用した同時二元スパッタリングが考
えられる。より簡便には、Pt−Pd合金ターゲットを使用
する代わりに、Ptターゲットの上にPdのチップを載置
(あるいはこの逆でも良い。)しても良い。
あるいは、3成分それぞれについて独立のターゲット
を使用し、同時三元スパッタリングにより各金属層を積
層することもできる。
また、Pt層とPd層の積層数は必ずしも同じでなくとも
良く、たとえばCo−Pd−Pt−Pd−…のような積層構造を
同時四元スパッタリングにより作成することも可能であ
る。
なおスパッタリングを行う場合は、Coについては直流
スパッタリング(投入パワー:0.2〜1A,300V)、Pt,Pd,
およびPt−Pd合金については直流スパッタリング(投入
パワー:0.1〜1A,300V)あるいは高周波スパッタリング
(投入パワー:200〜500W)を行う。
第25図(A)ないし第25図(C)は以上のようにして
作成された各記録層の磁気カー曲線を示すものであり、
第25図(A)は厚さ2.5ÅのCo層と厚さ7ÅのPt−Pd合
金層とを同時二元スパッタリングにより交互に積層して
全厚を100Åとした記録層、第25図(B)は厚さ2.5Åの
Co層,厚さ2.8ÅのPt層,および厚さ2.8ÅのPd層を同時
三元スパッタリングにより積層して全厚を100Åとした
記録層、第25図(C)は厚さ2.5ÅのCo層,厚さ2.8Åの
Pd層,厚さ2.8ÅのPt層,厚さ2.8ÅのPd層をこの順番に
同時四元スパッタリングにより積層して全厚を100Åと
した記録層にそれぞれ対応するものである。
ところで、第1の実施例で述べたCo−Pt系記録層に
は、保磁力は若干低い(約200Oe)が磁気カー回転角は
比較的大きい(約0.5°)という特徴があった。一方、
第2の実施例で述べたCo−Pd系記録層には、比較的高い
保磁力(約500Oe以上)が得られるが磁気カー回転角は
若干小さい(約0.25分)という特徴があった。しかし、
第25図(A)ないし第25図(C)を見ると、記録層を3
成分系とし、かつ各金属層の積層方式を変えることによ
り、磁気光学特性をかなり大幅に調節することが可能で
あることがわかる。
第4の実施例 本実施例は、Co層とPt層とを二元同時マグネトロン・
スパッタリングにより交互に積層した金属薄膜を記録層
とする光磁気記録媒体において、その下地膜の材料とな
る元素を種々検討した例である。
まず、マグネトロン・スパッタリング装置のチャンバ
ー内に下地膜の材料となる元素の100mm径のターゲッ
ト、およびCoおよびPtの各ターゲットを設置し、これら
のターゲットと対向させた回転基台上に水冷ガラス基板
を載置した。
次に下地膜を形成するため、上記水冷ガラス基板を下
地膜の材料となる元素のターゲットと対向させ、400Å
の厚さの下地膜を作成した。ここで使用した元素はCu,R
h,Pd,Ag,W,Ir,Pt,Auであるが、これら本発明において限
定する元素の他にもTi,Al,Si,V,Cr,Mn,Ge,Y,Zr,Nb,Mn,G
e,Y,Zr,Nb,Mo,Sb,Gd,Taを用いて検討した。
次にガス圧5mTorrのアルゴンガス雰囲気中において二
元同時マグネトロン・スパッタリングを行い、上記下地
膜の上に記録層を形成した。この装置によれば、各ター
ゲットへの投入パワーあるいは水冷ガラス基板を載置し
た回転基台の回転数を変化させることにより、人工格子
の周期を任意に決定することができる。本実施例ではCo
については直流スパッタリング(投入パワー:0.40Å,30
0V)、Ptについては高周波スパッタリング(投入パワ
ー:400W)を行い、回転基台の回転数を16rpmとし、各原
子層の層厚が第1図の点h(Co=4.3Å,Pt=5.6Å)で
表される全厚100ÅのCo−Pt系記録層を作成し、光磁気
記録媒体の各サンプルを調製した。ここで、作成された
金属薄膜の周期は、X線小角散乱におけるピーク角度か
ら求めた。
なお比較のために、下地膜を設けずにガラス基板の上
に直接に記録層を作成したサンプルも調製した。
第1表には、上述のようにして作成された種々の下地
層を有するサンプルの保磁力を示す。なお、表中の保磁
力の欄に横線を記したものは、垂直磁気特性を示さなか
ったことを表す。
第1表をみると、まず下地膜を設けなかったサンプル
の保磁力は125(Oe)である。下地膜とされた場合にこ
れより保磁力を向上させる効果を有する元素は、Pd,Ag,
W,Pt,Ti,Gdであるが、TiとGdは効果が小さい。さらに同
表に示した元素以外にも、Cu,Rh,Ir,Auが保磁力を向上
させ、以上すべての元素のうち特に顕著な効果を現した
ものは、Pd,Ag,W,Pt,Auであった。
ここで、上述の各元素のうち最も大きく保磁力を向上
させたPtについて、下地膜の層厚と保磁力との関係を調
べた結果を第26図に示す。図中、縦軸は保磁力(Oe),
横軸はPt下地膜の層厚(Å)をそれぞれ表す。この図を
みると、10Åの薄い層厚にて保磁力は早くも約2倍(21
0Oe)となり、100Åでは約7倍(725Oe)にも達してい
ることがわかる。
これらの種々の厚さの下地膜を有するサンプルのう
ち、代表的なものについての磁気カー曲線を第27図
(A)ないし第27図(C)に示す。第27図(A)は下地
膜を設けないサンプル,第27図(B)は50ÅのPt下地膜
を有するサンプル,第27図(C)は200ÅのPt下地膜を
有するサンプルの特性をそれぞれ表すものである。また
図中の縦軸は相対スケールにて磁気カー回転角θ
K(°)を、横軸は外部磁場の強さ(kOe)をそれぞれ表
す。これらの図をみると、下地膜を設けることにより保
磁力が向上するのみならず、角形性も向上することがわ
かる。
第5の実施例 本実施例は、Co層とPd層とを二元同時マグネトロン・
スパッタリングにより交互に積層した金属薄膜を記録層
とする光磁気記録媒体において、その下地膜の材料とな
る元素を種々検討した例である。
まず、マグネトロン・スパッタリング装置のチャンバ
ー内に下地膜の材料となる元素の100mm径のターゲッ
ト、およびCoおよびPdの各ターゲットを設置し、これら
のターゲットと対向させた回転基台上に水冷ガラス基板
を載置した。
次に、上述の第4の実施例に記載した方法にしたがっ
て水冷ガラス基板の上に400Åの厚さの下地膜を作成し
た。ここで使用した元素も第4の実施例の場合と同じで
ある。
次に、ガス圧11mTorrのアルゴン雰囲気中において二
元同時マグネトロン・スパッタリングを行い、上記下地
膜の上に記録層を形成した。本実施例ではCoについては
直流スパッタリング(投入パワー:0.35Å,300V)、Pdに
ついては高周波スパッタリング(投入パワー:350W)を
行い、回転基台の回転数を16rpmとして各原子層の層厚
が第15図の点l(Co=3.5Å,Pd=5Å)で表される全厚
100ÅのCo−Pd系記録層を作成し、光磁気記録媒体の各
サンプルを調製した。
なお比較のために、下地膜を設けずにガラス基板の上
に直接に記録層を作成したサンプルも調製した。
第2表には、上述のようにして作成された種々の下地
膜を有するサンプルの保磁力を示す。
第2表をみると、まず下地膜を設けなかったサンプル
の保磁力は825(Oe)である。下地膜とされた場合にこ
れより保磁力を向上させる効果を有する元素は、Pd,Ag,
Ptである。さらに同表に示した元素以外にも、Cu,Rh,I
r,Auが保磁力を向上させ、以上すべての元素のうち特に
顕著な効果を現したものは、Pd,Ag,Pt,Auであった。
ここで、上述の各元素のうち最も大きく保磁力を向上
させたPdについて、下地膜の層厚と保磁力との関係を調
べた結果を第28図に示す。図中、縦軸は保磁力(Oe),
横軸はPd下地膜の層厚(Å)をそれぞれ表す。この図を
みると、10Åの薄い層厚でも保磁力の向上に効果が現れ
始め、400Åでは約4倍(3750Oe)にも達していること
がわかる。
これらの種々の厚さの下地膜を有するサンプルのう
ち、代表的なものについての磁気カー曲線を第29図
(A)ないし第29図(C)に示す。第29図(A)は下地
膜を設けないサンプル,第29図(B)は50ÅのPd下地膜
を有するサンプル,第29図(C)は200ÅのPd下地膜を
有するサンプルの特性をそれぞれ表すものである。また
図中の縦軸は相対スケールにて磁気カー回転角θ
K(°)を、横軸は外部磁界の強さ(kOe)をそれぞれ表
す。これらの図から、下地膜を設けることにより保磁力
が向上する様子が明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明は従来から
磁気記録媒体記録材料としての使用が検討されてきたCo
−Pt系、あるいはCo−Pd系の超格子金属薄膜あるいは変
調構造金属薄膜が全厚800Å以下という薄い領域におい
て良好な垂直磁気異方性および磁気光学特性を示すこと
を利用して、これを光磁気記録媒体に応用する道を開い
たものである。
さらに本発明は、これらの超格子金属薄膜あるいは変
調構造金属薄膜を記録層とする光磁気記録媒体におい
て、Cu,Rh,Pd,Ag,W,Ir,Pt,Auの少なくとも1種からなる
下地膜を設けることにより、一層の保磁力の向上を可能
とするものである。
本発明にかかる光磁気記録媒体には、今後世界的に供
給が逼迫すると予想される希土類元素が使用されていな
いため、光磁気記録媒体の安定かつ経済的な供給が期待
できる。
このような光磁気記録媒体を、たとえば光ビームを用
いて書込み、磁気カー効果を利用して読出しを行ういわ
ゆるビーム・アドレッサブル・ファイル・メモリ等の光
磁気メモリの貯蔵媒体として使用すれば、極めて高密度
でC/N比が大きく、かつ長期にわたって高い信頼性を保
つメモリ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はCo−Pt系記録層におけるCo層とPt層の層厚を示
す説明図である。第2図(A)ないし第2図(C)は代
表的なCo−Pt系記録層の磁気カー曲線を示す特性図であ
り、第2図(A)は3.3ÅのCo層と6.2ÅのPt層を積層し
た記録層、第2図(B)は4.5ÅのCo層と6.3ÅのPt層を
積層した記録層、第2図(C)は6ÅのCo層と11ÅのPt
層を積層した記録層にそれぞれ対応するものである。第
3図(A)および第3図(B)は上述の第2図(A)な
いし第2図(C)に対する比較として各原子層の層厚が
本発明で限定する範囲内にないCo−Pt系記録層の磁気カ
ー曲線を示す特性図であり、第3図(A)は3.3ÅのCo
層と2.8ÅのPt層を積層した記録層、第3図(B)は0.6
ÅのCo層と1.7ÅのPt層を積層した記録層にそれぞれ対
応するものである。第4図は代表的なCo−Pt系記録層の
保磁力、第5図は代表的なCo−Pt系記録層の磁気カー回
転角、第6図は代表的なCo−Pt系記録層のキュリー点を
それぞれ示す特性図である。第7図は6ÅのCo層と17.2
ÅのPt層を積層した記録層の保磁力および角形比のアル
ゴンガス圧依存性を示す特性図である。第8図(A)な
いし第8図(C)は同じ記録層の代表的なアルゴンガス
圧下における磁気カー曲線を示す特性図であり、第8図
(A)はアルゴンガス圧が5mTorrの場合、第8図(B)
はアルゴンガス圧が11mTorrの場合、第8図(C)はア
ルゴンガス圧が25mTorrの場合にそれぞれ対応する。第
9図は同じ記録層の磁気カー回転角,角形比および保磁
力の全厚依存性を示す特性図である。第10図(A)およ
び第10図(B)は3.5ÅのCo層と5.4ÅのPt層を積層した
記録層の磁気光学特性の全厚依存性を示す磁気カー曲線
であり、第10図(A)は全厚100Å、第10図(B)は全
厚500Åの場合にそれぞれ対応する。第11図は6ÅのCo
層と11ÅのPt層を積層した記録層を高温湿潤環境下に放
置して促進劣化試験を行った結果を示す特性図である。
第12図(A)および第12図(B)は同じ促進劣化試験に
おける代表的な磁気カー曲線を示す特性図であり、第12
図(A)は放置前、第12図(B)は促進劣化試験開始30
0時間後にそれぞれ対応するものである。第13図(A)
ないし第13図(D)は別の条件下で空中放置あるいは促
進劣化試験を行った場合の磁気カー曲線を示す特性図で
あり、第13図(A)は放置前、第13図(B)は空中放置
1週間後、第13図(C)は促進劣化試験開始5時間後、
第13図(D)は促進試験開始100時間後の各記録層の特
性にそれぞれ対応するものである。第14図(A)ないし
第14図(E)は比較例としてPtの代わりに希土類元素の
Tbを含む代表的な記録層について空中放置あるいは促進
劣化試験を行った場合の磁気カー曲線を示す特性図であ
り、第14図(A)は放置前、第14図(B)は空中放置1
週間後、第14図(C)は促進劣化試験開始2時間後、第
14図(D)は促進劣化試験開始5時間後、第14図(E)
は促進劣化試験開始30時間後の各記録層の磁気カー曲線
をそれぞれ示す。第15図はCo−Pd系記録層におけるCo層
とPd層の層厚を示す説明図である。第16図(A)および
第16図(B)は代表的なCo−Pd系記録層の磁気カー曲線
を示す特性図であり、第16図(A)は3.8ÅのCo層と7.8
ÅのPd層を積層した記録層、第16図(B)は3ÅのCo層
と6.6ÅのPd層を積層した記録層にそれぞれ対応するも
のである。第17図は代表的なCo−Pt系記録層の保磁力、
第18図は代表的なCo−Pt系記録層の磁気カー回転角、第
19図は代表的なCo−Pt系記録層のキュリー点をそれぞれ
示す特性図である。第20図は3.8ÅのCo層と7.8ÅのPd層
を積層した記録層の保磁力および角形比のアルゴンガス
圧依存性を示す特性図である。第21図(A)ないし第21
図(C)は同じ記録層の代表的なアルゴンガス圧下にお
ける磁気カー曲線を示す特性図であり、第21図(A)は
アルゴンガス圧が5mTorrの場合、第21図(B)はアルゴ
ンガス圧が11mTorrの場合、第21図(C)はアルゴンガ
ス圧が25mTorrの場合にそれぞれ対応する。第22図は同
じ記録層の磁気カー回転角,角形比および保磁力の全厚
依存性を示す特性図である。第23図(A)および第23図
(B)は2.5ÅのCo層と8.4ÅのPd層を積層した記録層の
磁気光学特性の全厚依存性を示す磁気カー曲線であり、
第23図(A)は全厚200Å、第23図(B)は全厚500Åの
場合にそれぞれ対応する。第24図はPtとPdの二元状態図
である。第25図(A)ないし第25図(C)は代表的なCo
−Pt−Pd系記録層の磁気カー曲線を示す特性図であり、
第25図(A)はCo層とPt−Pd合金層を積層した記録層、
第25図(B)はCo層,Pt層およびPd層を積層した記録
層、第25図(C)はCo層,Pd層,Pt層およびPd層をこの順
番に積層した記録層にそれぞれ対応するものである。第
26図はCo−Pt系金属薄膜を記録層とする光磁気記録媒体
おけるPt下地膜の層厚と保磁力との関係を示す特性図で
ある。第27図(A)ないし第27図(C)はCo−Pt系金属
薄膜を記録層とする光磁気記録媒体においてPt下地膜の
層厚と磁気光学特性との関係を示す磁気カー曲線であ
り、第27図(A)はPt下地膜を設けない場合、第27図
(B)は50ÅのPt下地膜を設けた場合、第27図(C)は
200ÅのPt下地膜を設けた場合にそれぞれ対応するもの
である。第28図はCo−Pd系金属薄膜を記録層とする光磁
気記録媒体におけるPd下地膜の層厚と保磁力との関係を
示す特性図である。第29図(A)ないし第29図(C)は
Co−Pd系金属薄膜を記録層とする光磁気記録媒体におい
てPd下地膜の層厚と磁気光学特性との関係を示す磁気カ
ー曲線であり、第29図(A)はPd下地膜を設けない場
合、第29図(B)は50ÅのPd下地膜を設けた場合、第29
図(C)は200ÅのPd下地膜を設けた場合にそれぞれ対
応するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−169757(JP,A) 特開 昭62−289948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 506 G11B 11/10 521

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Co層とPt層および/またはPd層とが交互に
    積層された人工格子膜を記録層とし、該記録層の全厚が
    50〜500Åであることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】Co層とPt層および/またはPd層とが交互に
    積層された人工格子膜を記録層とし、該記録層の全厚が
    500〜800Å(ただし500Åを含まず。)であることを特
    徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】Co層とPt層および/またはPd層とが交互に
    積層された人工格子膜を記録層とし、該記録層の全厚が
    50〜800Åである光磁気記録媒体であって、 Cu,Rh,Pd,Ag,W,Ir,Pt,Auの少なくとも1種よりなる下地
    膜が形成されたことを特徴とする光磁気記録媒体。
JP63178135A 1987-08-26 1988-07-19 光磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2844604B2 (ja)

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