JP2844014B2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は炊飯中にフタからも加熱して米を均一に加熱
し、かつ、沸騰後の加熱量を調節しておいしい御飯を提
供しようとする炊飯器に関するものである。

従来の技術 従来の炊飯器は、ふたにふたの温度を検出する温度セ
ンサーを設け、沸騰によってふたの温度が上昇する事を
利用し、沸騰を検出する技術がある。沸騰の検出によっ
て本体側に設けられた炊飯用ヒーターの通電を制御し、
昔から言われる「始めチョロチョロなかパッパ…」の
「グツグツいうころ火をひいて」にあたる制御を行って
いる。（例えば特開昭59−135027号公報） 一方、ふたにふたヒーターを設け、ふたからも御飯を
加熱する事によりムラ無く素早く加熱するようにした技
術がある。（例えば実開昭62−100126号公報） 発明が解決しようとする課題 上記技術は両者とも、ごはんをおいしく炊くための技
術であり、両者を同時に実施すれば大変美味なごはんが
得られる。しかるに、ふたを加熱してしまうとふたに設
けた温度センサーの温度が上がり、誤って沸騰を検知し
てしまうため、この両者を同時に実施することは不可能
であった。

従ってふたに温度センサーだけを設けたものではふた
の温度上昇が低目となり沸騰後ふたに露がつきやすく、
ふたにふたヒーターだけを設けたものではふたの温度上
昇は早いが温度が高くなり過ぎふたからの放熱が多くな
るという欠点があった。

課題を解決するための手段 本発明は前記課題を解決するためになされたものであ
り、炊飯器本体に炊飯用ヒーターと、この通電を制御す
る通電制御手段とを設け、本体の上部開口をふさぐふた
にふたヒーターと温度を検出する温度センサーとを設け
た。さらに温度センサーの検出温度が設定温度になるよ
うにふたヒーターの通電を制御する温度調節手段と、炊
飯中に発生する蒸気によって前記温度調節手段の設定温
度より高い温度に温度センサーの出力温度が至ったとき
沸騰と判断する沸騰検出手段とを本体に設け、沸騰検出
後、即、又は一定時間後から通電制御手段により炊飯用
ヒーターの加熱量を調整するようにした。

作用 上記本発明の構成では、炊飯を開始時すると温度セン
サーの検出温度が温度調節手段の設定温度になるまでふ
たヒーターに通電され、設定温度以上になると通電を停
止する。設定温度未満に温度が下降すると再び通電す
る。以降この動作を繰り返すことにより温度センサーの
温度が設定温度になるよう温度調節される。すなわち温
度センサーはふたに設けられているためフタの温度が設
定温度となり、ふたヒーターによりふたから米（水）を
加熱することができる。又炊飯開始と同時に通電制御手
段の動作により炊飯用ヒーターにも通電される。炊飯用
ヒーターとふたヒーターの加熱により米と水が加熱され
沸騰すると、蒸気によってふたが加熱されるため、温度
調節手段がふたヒーターの通電を停止しても設定温度で
制御できなくなり温度センサーの温度が設定温度より高
い温度（Ｔ）に至ったとき沸騰検出手段が沸騰検出す
る。

１）請求項１では沸騰検出すると即通電制御手段により
炊飯用ヒーターの加熱量を調整する。

２）請求項２では沸騰検出一定時間後から通電制御手段
により炊飯用ヒーターの加熱量を調整する。

以上の構成により、ふたからの加熱を行うと同時に、
沸騰を検出して炊飯用ヒーターの加熱量コントロールも
行うことができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。第
１図は本発明による炊飯器の断面図、第２図は同炊飯器
のヒーター回路構成図、第３図は同発明のふたの温度特
性とふたヒーターへの通電状況を示す例である。図中１
は本体、２は炊飯用ヒーター、３は内釜、４はふた、５
はふたヒーター、６は温度センサー、７は通電制御手
段、８は温度調節手段、９は沸騰検出手段である。

その構成は本体１内部には炊飯用ヒーター２が取り付
けられ、内釜３は着脱自在に本来１に収納される。本体
１にはふた４が取り付けられ、ふた４内部にはふたヒー
ター５及び温度センサー６が取り付けられている。本体
１内部には制御部にて制御される通電制御手段７、温度
調節手段８及び沸騰検出手段９が設けられており、通電
制御手段７には炊飯用ヒーター２が、温度調節手段８に
はふたヒーター５及び温度センサー６が接続されてい
る。

以下、上記構成からなる本実施例の作用について説明
する。使用者が内釜３に米と水を入れ、本体１に収納し
ふた４を閉じる。次に炊飯スイッチ（図示せず）を押す
と通電制御手段７の働きにより炊飯用ヒーター２に通電
が開始される。同時に温度調節手段８の働きにより温度
センサー６の出力温度が設定温度になるように温度調節
が開始される。すなわち、温度センサー６の出力温度が
設定温度未満ではふたヒーター５に通電し、設定温度以
上では通電を停止することにより設定温度に温度調節さ
れる。本実施例では設定温度を55℃に定める。

内釜３内部の米と水は炊飯用ヒーター２で下から加熱
されると同時に、ふたヒーター５によって上からも加熱
される。米は水温が高いほど水を急速に吸収しやすく炊
飯用ヒーター２で下からのみ加熱した場合は下部の温度
が先行して上昇することになり、下部の米ばかりが水を
吸収して軟らかくなり、反対に上部は硬くなってしま
う。ところが本実施例ではふたヒーター５で上からも加
熱されるので、上部と下部の温度ムラを少なくでき、米
に同じように吸水させることができる。特に近年多く見
られるマイクロコンピューター制御式炊飯器では炊飯初
期に「予熱炊き」「浸し炊き」等と称し、水温を一定に
一定時間保つ工程が設けられている。米は水温が60℃を
越えると表面が糊化を始め芯まで水分を吸収しなくなる
ので、40〜50℃で一定時間保ち、米に水を芯まで十分吸
収させ、それから炊き上げるようにしている。本実施例
の構成では、特にこの工程において均一に加熱出来、効
果がある。

この工程を終了して炊き上げ工程になると通電制御手
段７によって炊飯用ヒーター２にフル通電され、やがて
水温が上昇し、蒸気が出始めると蒸気がふた４に当たっ
て今度は蒸気がふた４を加熱する。ふた４に設けられた
温度センサー６がこの温度上昇を検出し、温度Ｔ（約70
℃）になると沸騰検知手段が沸騰と判断する。沸騰する
と通電制御手段７により炊飯用ヒーター２の加熱量が減
少される。これは昔からの言い伝えによる「始めチョロ
チョロ…」の「グツグツいうころ火をひいて」にあた
る。過剰な蒸気の噴出や、炊きこぼれを防止し、煮込み
時間を延ばし御飯の旨味を引き出す効果がある。沸騰の
判断後は温度調節手段８によるふた４の加熱を停止して
も良いし、設定温度を沸騰検出温度（温度Ｔ）よりさら
に高い温度に設定し直して沸騰後もふた４から加熱する
ようにしてもよい。

発明の効果 以上のように本発明ではふたヒーターの通電を制御す
る温度調節手段の設定温度を沸騰検出温度（水温Ｔ）よ
り低い設定温度としたことにより、ふたを加熱しなが
ら、かつ沸騰検出可能としたことにより、ふた加熱によ
る効果と沸騰検出による炊飯用ヒーターの通電制御効果
の相乗により大変美味なごはんが提供できる。

なお、本実施例では沸騰検出して直ぐに炊飯用ヒータ
ーの通電制御を行ったが、沸騰検出してから一定時間計
時するまで通電制御手段の動作を遅らせても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による炊飯器の断面図、第２
図は同炊飯器のヒーター回路構成図、第３図は同ふたの
温度特性図とふたヒーターへの通電状況図を示す。 １……本体、２……炊飯用ヒーター、 ４……ふた、５……フタヒーター、 ６……温度センサー、７……通電制御手段、 ８……温度調節手段、９……沸騰検出手段。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】炊飯器本体（１）に炊飯用ヒーター（２）
   と、この通電を制御する通電制御手段（７）とを設け、
   本体（１）の上部開口をふさぐふた（４）にふたヒータ
   ー（５）と温度を検出する温度センサー（６）とを設
   け、さらにこの温度センサー（６）の検出温度が設定温
   度になるようにふたヒーター（５）の通電を制御する温
   度調節手段（８）と、炊飯中に発生する蒸気によって前
   記温度調節手段（８）の設定温度より高い温度（Ｔ）に
   温度センサー（６）の出力温度が至ったとき沸騰と判断
   する沸騰検出手段（９）とを本体（１）に設け、沸騰検
   出後、即通電制御手段（７）により炊飯用ヒーター
   （２）の加熱量を調整するものとしたことを特徴とする
   炊飯器。
2. 【請求項２】沸騰検出後、一定時間後から通電制御手段
   （７）により炊飯用ヒーター（２）の加熱量を調整する
   ようにした請求項１記載の炊飯器。