JP2843604B2 - 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法 - Google Patents

溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法

Info

Publication number
JP2843604B2
JP2843604B2 JP22041789A JP22041789A JP2843604B2 JP 2843604 B2 JP2843604 B2 JP 2843604B2 JP 22041789 A JP22041789 A JP 22041789A JP 22041789 A JP22041789 A JP 22041789A JP 2843604 B2 JP2843604 B2 JP 2843604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scrap
secondary combustion
gas
smelting reduction
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22041789A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0387307A (ja
Inventor
哲治 茨城
通隆 金本
雅夫 山内
征司 緒方
通保 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP22041789A priority Critical patent/JP2843604B2/ja
Publication of JPH0387307A publication Critical patent/JPH0387307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2843604B2 publication Critical patent/JP2843604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶銑
の製造方法に係り、詳しくは鉄浴式の溶融還元炉を使用
して、主として酸化鉄を含む原料の溶融還元と鉄系スク
ラップの溶融との複合による溶銑の製造方法に関する。
これは、各種のニーズに対して、炉の操業にフレキシ
ビリティを持たせながら対応させ、溶銑を製造できるよ
うにした分野で利用されるものである。
(従来の技術) 近年、コークス製造−鉱石塊成化−高炉プロセスに置
き代わるプロセスとして、溶融還元製鉄法が活発に研究
されている。この溶融還元製鉄法が実用化される場合に
は、一貫プロセスとしての溶融還元炉、予備還元炉、酸
素ガス製造装置などの大規模な新規の投資が必要とな
る。
一方、諸般の事情により高炉が休止し、それに伴い転
炉や連続鋳造機も休止し、圧延設備のみが移動する製鉄
所が出現し始めている。このような製鉄所では、高炉が
休止したことに伴い転炉、連結鋳造機、酸素発生設備、
発電設備、原燃料荷上げ輸送設備などが遊休状態とな
る。
ところが、製品の品種構成、販売量と価格、納期如何
によっては、これらの遊休設備を活用した最小の設備投
資による溶融還元法もしくはスクラップ溶解法を適用す
ることができれば、鋼片の一部を製造することが著しく
有利になる場合がある。
ところで鉄鉱石の溶融還元において、生産性、変動コ
ストに影響する操業要因として二次燃焼率がある。溶融
還元法においては多量のFe2O3を還元するが、この際に
多量の熱を消費する。この熱を補償するためにCを極力
CO2まで燃焼する二次燃焼を高めることにより、酸素原
単位、石炭原単位を低減することが可能となる。
かかる二次燃焼率および着熱効率を向上させ、その結
果、生産性の向上、酸素および炭材原単位の低下を実現
する発明として、例えば特開昭61−213310号公報に記載
された鉄系合金溶湯の製造方法がある。
その要点は、(1)スラグ量を溶湯1屯当たり250kg
以上にすること、好ましくは、300〜400kgとすることに
より、溶融鉄合金層および底吹きによって生じたスプラ
ッシュが高接高温の雰囲気と接触することを防止して、
二次燃焼率を向上させること(2)スラグ中にスラグ重
量の20%以上の炭素分を残留させることにより、スラグ
の泡立ち状態を適度に維持して、スロッピングを防止さ
せることにより、着熱効率を向上させている。これによ
って、着熱効率を90%程度以上に維持しながら、従来法
に較べて、大幅に二次燃焼率を向上させることが可能と
なった。
なお、上記の公報には、同じ思想をスクラップ溶解に
も適用できることが述べられている。因みにスクラップ
溶解について、多量スラグを適用した例が、特開昭61−
221322号公報に、金属原料溶解精錬方法として開示され
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら多量スラグ複合転炉における鉄鉱石の溶
融還元、あるいはスクラップ溶解のいずれにおいても、
生産性(溶銑製造速度ともいう)および後工程への余剰
エネルギー(単位時間当り回収ガス熱量ともいう)のフ
レキシビリティについては、予想外に小さいことを知見
した。
鉄鉱石の溶融還元において生産性を向上させるには、
酸素発生設備、酸素配管の能力に制約があることから、
送酸速度(Nm3/hr)を最大としておき、二次燃焼率およ
び着熱効率を向上させ、溶銑1屯当たりの酸素ガス原単
位および石炭原単位は低下させることが一般的に行われ
ている。
ところが溶融還元法においては、鉄鉱石の還元熱が多
量に必要なことから石炭、酸素の原単位は高く、例えば
酸素については500〜800(Nm3/T)となり、生産性の向
上にも限りがある。例えば30,000(Nm3/hr)の大型酸素
発生設備を用いたとしても、日産1000〜1500屯と低い生
産性である。これに加えて石炭原単位が高いことから溶
融還元炉における発生ガス量が多いと言う問題もある。
而して余剰のガスを例えば発電用の燃料として使用す
る場合、昼間は市中の電力消費が多く、発生ガス量が多
くても問題はないが、夜間になると電極消費量が低下す
ることから発生ガスを消化できないと言う問題を生ず
る。
一方、スクラップ溶解法単独では、酸素原単位は150
〜250(Nm3/T)と少ないことから生産性の問題は無いも
のの、石炭原単位が少ないことから発生ガス量は、溶融
還元法の1/4〜1/5と少なく、ガスの需要に対応できな
い。このため発電設備では発生ガスの不足分を高価な重
油や天然ガスで補填しなければならない。
ここで、転炉、電気炉、自家発電設備、酸素発生設
備、連続鋳造機、圧延設備を有し、転炉により溶融還元
および転炉による製鋼の排ガスを回収して自家発電し、
その自給電力および購入電力によって電気炉、酸素発生
設備、圧延設備などを運転するシステムを有する製鉄所
を例として、前述した問題をより具体的に説明する。
周知のように、昼間の電力需要の多い時間帯における
購入電力単価は、深夜のそれに較べて著しく高価であ
る。而して製鉄所のエネルギー需要を考えれば、昼間の
高需要時間帯は自家発電量を増加させるため、転炉の排
ガスのエネルギーを増加させることがコスト的に望まし
い。
一方、深夜は逆に安価な購入電力量を増やして、排ガ
スのエネルギーを減少させるようにするとよい。また、
安価に溶銑を製造するためには原料価格を考えつつ広い
原料の選択枝から最も安価な組み合わせを選択すること
が重要である。
つまり鉱石、石炭、酸素ガス、スクラップの相対的価
格、特にスクラップ価格が時系列的に大幅に変動するこ
とが知られてる。さらに販売量すなわち生産量も時系列
的に変動する。また圧延工場の修繕等により溶銑の生産
量を減少させる必要が生じるときもある。
しかしながらこのような後工程への余剰エネルギーの
増減などのニーズに対応する操業のフレキシビリティ
は、二次燃焼率の増減によって若干可能となるが、溶融
還元法およびスクラップ溶解は、ともに単独では小さ
く、前述したような問題が存在する結果となる。
それ故、稼働中の運転形態、すなわち後工程への余剰
エネルギー、原料選択、生産性などにおいて、大きなフ
レキシビリティを有する方法が強く望まれていた。
本発明は前述した問題に鑑みなされたもので、その目
的は、後工程への余剰エネルギーと生産量の比率など
を、より広範囲に変化させることができ、特にエネルギ
ー需給の適正化を図って、安価な製造形態を実現するこ
とができるようにした溶銑の製造法を提供することであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、鉄源として鉄鉱石及びスクラップを
用い、原料として前記鉄源の他に炭材及び石炭を用い、
鉄鉱石を含む原料の溶融還元とスクラップの溶融との複
合による溶銑の製造方法において、炭材を懸濁した泡立
ちスラグに酸素ガスを上吹きして二次燃焼を行い、酸素
ガス流量、鉄鉱石とスクラップの比及び二次燃焼率の各
水準の組み合わせを変更することにより、溶融還元炉か
らの単位時間当り回収ガス熱量及び溶銑製造速度を広範
囲に変更できるようにしたことにある。
すなわち、溶銑の製造を鉄鉱石の溶融還元とスクラッ
プ溶解の複合法によることとし、上記の組み合わせの変
更により、後工程への余剰エネルギー、原料選択、生産
性などのフレキシビリティを大幅に向上させようとする
ものである。
(作用) まず電力の供給と需要の関係に注目した操業について
述べる。
購入電力の安価な時間帯は、通常の水準に較べてスク
ラップ溶解の比率を増加する。このようにすれば、溶融
還元に較べてスクラップ溶解の酸素原単位が著しく低下
するために、酸素流量を落としても生産性が一定に保た
れる。そして二次燃焼率が一定ならば、酸素流量を落と
した分だけ、排ガスのエネルギーを減少させることがで
きる。
加えて、二次燃焼率を向上させれば、さらに排ガスの
エネルギー減少を可能とすることができる。つまり、回
収されるガス量が減少することから、回収ガスにより発
電される比較的高価な電力を安価な購入電力に置き換え
ることができる。
逆に、電力の高価な時間帯は、スクラップ溶解の比率
を低下させ、酸素ガス流量を増加することにより回収ガ
ス量を増加させ、発生ガスエネルギーによる発電量を増
やす。また、二次燃焼率を増減させることにより発生ガ
スエネルギーを変化させることも可能である。
つまり、二次燃焼率を減少させれば、石炭原単位が増
加して発生ガスエネルギーを増加することができる。送
酸能力に余裕があればスクラップ溶解の比率を低下し、
送酸量をさらに増加することによって、発生ガスエネル
ギーを一層増大させることができる。また逆に二次燃焼
率を増加させれば、発生ガスエネルギーを低下させ、ガ
ス需要が少ない場合に対応することも可能である。
その他のケースも含めて、スクラップ溶解比率、酸素
ガス流量および二次燃焼率の水準の組み合わせと、その
結果としての排ガスエネルギーおよび生産性は、第1表
に示すようになる。
第1表での標準作業は、その製鉄所における能力バラ
ンスおよびエネルギーバランスなどの局所的条件に応じ
て設定されるのは当然である。なお、石炭装入量(屯/h
r)は、酸素流量(Nm3/hr)と二次燃焼率およびスクラ
ップ溶解の比率の関数である。
(実 施 例) 本発明を標準的な実施態様として、第1図に示す鉄浴
式の溶融還元炉を用いて操業した場合を例にして詳細に
説明する。
第1図において1は溶融還元用炉体であり、2は溶
銑、3はスラグである。4は酸素ガスを供給する酸素ラ
ンス、5は溶銑2およびスラグ3の測温やサンプリング
を行うためのサブランス、6は石炭供給ホッパー、7は
鉱石供給ホッパーである。更に8は粉鉱、粉炭の供給ホ
ッパー、9はスクラップ供給コンベヤを示し、10は排ガ
ス回収ダクト、11はダストキャッチャーである。12は
N2,CO,O2等を底吹きガスとして供給する底吹羽口、13は
前記底吹羽口12に底吹きガスを送給するガス配管であ
る。
さて本実施例における溶融還元用炉体1の炉内容積は
200m3であり、炉体1は耐火レンガで内張りされてい
る。このような溶融還元設備では、まず溶融還元および
スクラップ溶解後に炉体1を傾倒し出銑および排滓する
際に、例えば溶銑を種湯として40〜100屯残し、かつス
ラぐを20〜50屯残しておく。
この残量溶銑の下限量は底吹きの撹拌ガスの効率の良
い浴深さ、例えば400mm以上を確保することから決めら
れており、溶銑の上限量は製造する増分の溶銑量とスラ
グ量を確保する空間的余裕代より決めている。
前述した出銑、排滓の後、1ヒートに装入するスクラ
ップ量の20〜100%を吹錬前に炉内に装入する。前記初
期装入するスクラップは、吹錬の後半に鉄浴温度を測定
する時期には溶解を終了している必要がある。何故なら
前記測温はサブランスで行われ、この測温時未溶解のス
クラップがあると、サブランスプローブと未溶解スクラ
ップが接触し、プローブを折損する恐れがあるためであ
る。
そこでスクラップの溶解特性について調査した結果、
通常の操業時間で必要とされる溶解時間である40分以内
に、溶解をほぼ完了させるためのスクラップサイズの上
限は、形状には関係なく板状体では厚さ250mm、ブルー
ム等では300mm角程度までであった。而して初期装入さ
れるスクラップは前述したサイズ以下のものであること
が好ましい。
次いで前記第1図に示す酸素ランス4から送酸を開始
し、1分以内に所定の送酸速度まで上げ、この間にスラ
グ3上に浮上していた炭材をスラグ中に懸濁させ、スラ
グ3の過剰な泡立ちによる炉口からの溢れを防止する。
このときの炭材量は、スラグ総重量の20%以上にするこ
とが好ましい。
所定の送酸速度に達した後、溶銑温度が約1350℃以上
になってから、石炭、鉄鉱石、石灰、およびスクラップ
の連続もしくは半連続装入を開始する。尚、1350℃に達
する前に前記装入を開始すると、鉄鉱石のスラグへの溶
解が遅れるとともに反応速度が不十分となり、スラグ内
の(FeO)濃度が高くなったり、異常スロッピングを生
じたりする問題が発生した。而して溶銑温度が約1350℃
以上になったことを確認した後、前記装入を開始するこ
とが肝要である。
石炭および鉄鉱石の粒度は特に限定されるものではな
く、第1図に示すように塊状の石炭および鉄鉱石は、炉
上方の石炭供給ホッパー6、鉱石供給ホッパー7から重
力を利用した落下投入方式を採用した。
また粉状の石炭および鉄鉱石等の原料については飛散
を防止する目的からスラグ中にインジェクションする
か、炉肩部よりキャリヤーガスとともに吹付ける方式等
が採用可能である。
本実施例においては第1図に示すように炉肩部からの
吹付け方式を採用し、20〜100m/minの速度で吹付け、粉
状原料の飛散を効果的に防止した。
初期装入に用いる以外のスクラップも、炉上から供給
コンベヤ9によって投入されるが、装入し易いように例
えばシュレッダー屑、塊ダライ、ダライ粉等を予め適宜
な大きさにプレス成形しておくことや、切断しておくこ
とが好ましい。
これらの送酸中に投入されるスクラップは迅速に溶解
されることが重要であり、係る迅速な溶解を可能とする
ために板状のスクラップでは10mm以下、粒状のものでは
13mm以下のサイズとする必要があった。
石灰投入量は、適度なスラグ泡立状態を維持するため
に、スラグ塩基度(CaO/SiO2)が、1.0ないし1.5好まし
くは約1.3になるようにしておき、前述した塊鉱石と混
合して上部から重力を利用して装入する方式を採用し
た。
水分は石炭中の固定炭素を燃焼させ、しかも熱効率を
悪化させるために有害である。従って装入する石炭、鉄
鉱石の付着水分は2%以下に乾燥しておくことが望まし
い。鉄鉱石およびスクラップは予熱して装入すればさら
に好ましい。
酸素ガスの上吹きは、主孔と3〜15個の副孔を有する
いわゆる二次燃焼ランスを使用したソフトブローとす
る。その際、上吹き酸素ジェットによるスラグの凹み深
さLSと、泡立ちスラグ層の厚さLSOとの比LS/LSOを、0.7
以下としておくとよい。
すなわち、二次燃焼率の低下の要因として、上吹きの
酸素ガスと溶銑中の炭素源との接触があるが、上記範囲
になるようなソフトブローとすれば酸素ジェットと溶銑
が直接接触して、一酸化炭素ガスが生成し、二次燃焼率
を低下させるのを防止できる。
鉄浴およびスラグを撹拌して物質・熱移動を促進する
ために、前記第1図に示す底吹羽口12より底吹きガスを
吹込む。底吹きガスとしては通常N2が用いられるが、前
記撹拌機能を発揮できるものであれば、例えばCO2,CO,O
2,LPG等を用いることでもよい。
このときのガス流量は下記(1)式で示される撹拌エ
ネルギー密度の式において1〜6kW/T−メタルが望まし
い。
但し :撹拌エネルギー密度(kW/T−メタル)、 k :鉄浴内での反応による容積変化係数、 例.CO2ガスの場合2.0、 N2,Arガスの場合1.0、 Q :底吹きガス流量(Nm3/s)、 WT:溶銑重量(t) ρ:溶銑の密度(kg/m3)、 h :溶銑の高さ(m)、 P :炉内圧(Pa,絶対圧)、 T1:吹込みガス温度(K)、 T2:浴(溶銑orスラグ)温度(K)、 前記撹拌力が弱い場合は、スクラップの溶解が遅くな
り、サブランス5による測温ができない。スラグの撹拌
が不充分となり、二次燃焼の着熱が不良となる現象が発
生する。特に本発明においてはスクラップの溶解が操業
上重要となり、撹拌力が1kW/T−メタル未満となった場
合は、未溶解のままの初期装入の大型スクラップが原因
で、45分間以上も測温ができなかった。逆に6kW/T−メ
タル超の強撹拌では、底吹きガスにより溶銑が吹き上げ
られて鉄系のダストロスが増加したり、溶銑と酸素が接
触して二次燃焼率が低下することも認められた。
溶融還元炉からの発生ガスは、非燃焼式の排ガス回収
ダクト10から回収される。この回収ダクト10で回収され
た発生ガスは、その顕著を前記回収ダクト10に付設され
た排熱ボイラーによって回収された後、ダストキャッチ
ャー11で除塵され、しかる後、燃料もしくは鉱石の還元
ガスとして利用する。除塵されたダストは、供給ホッパ
ー8を介して他の粉原料とともに炉内へ供給される。
尚、本実施例において鉱石は未還元のものを用いた
が、予備還元炉を設置して、部分的に還元された鉱石を
使用することも可能である。
また、本実施例において操業中は、サブランス5を用
いて定期的に溶銑温度の測定、スラグと溶銑のサンプリ
ングを行い、その組成を測定し、さらに回収ダクト10の
頂部から発生ガスを連続的に採取して、排ガス分析計14
によってガスの組成と二次燃焼率を連続測定し、操業状
況の確認と制御を実施するようにされている。
而して溶銑の温度あるいは排ガスの二次燃焼率が、前
述した目標値よりずれている場合には、鉱石の供給速
度、上吹ランス高さ、石炭の供給速度(すなわち装入炭
素と酸素との比)を変更することによって、目標値に復
元させることができる。
排滓時のスラグ中鉄ロスを低減するための対応とし
て、全溶銑製造量のうちスクラップ溶解の比率が低い操
業で、スラグのFeO含有率が5%以上になる場合は、送
酸末期に鉱石の供給を停止して、スラグ中のFeOを還元
する仕上げ還元を行うこともある。
かくして、所定量の溶銑が得られたときに酸素吹錬を
中止し、前述したように所定量の種湯とスラグを残して
出銑・出滓する。
本発明においては、かかる操業法のうちに、鉱石とス
クラップの比(以下スクラップ混合比と言う)、二次燃
焼率および酸素ガス流量を、予め設定された所定の水準
の組み合わせに基づいて変更することにより、エネルギ
ー需給、操業コスト、および生産性を、そのときの諸条
件に最も適した操業方法を選択することを特徴とするも
のである。
そこで前記操業方法として、まず二次燃焼率による生
産性と発生ガス量の制御について説明する。
二次燃焼率を上げると石炭・酸素当たり発熱量が増加
することから、酸素供給能力に対して生産性が向上し、
発生ガスエネルギーは減少する。例えば本実施例で未還
元鉱石を使用し、酸素流量45,000Nm3/hrの操業で、二次
燃焼率が35%の場合、生産性41.7T/hr、発生ガスエネル
ギー195Gcal/hr(4.7cal/T)であるのに対して、二次燃
焼率が45%の場合は、生産性が62.5T/hrで、発生ガスエ
ネルギー179Gcal/hr(2.8Gcal/T)であった。つまり、
二次燃焼率を10%向上させることによって、生産性が1.
5倍に、また溶銑屯当たりの発生ガスエネルギーを約60
%にすることができた。
二次燃焼率の制御方法としては、使用する石炭の揮発
分(以下VMと言う)を変える方法、前述したLS/LSOを変
化させる方法、および底吹きガス量を変化させる方法等
がある。
第2図は本実施例の設備において、着熱が良好な条件
でのVMと最大二次燃焼率との関係の調査結果の一例を示
すもので、VMが少なくなるに従って二次燃焼率を高くで
きることが判る。
同様に第3図はLS/LSOと最大二次燃焼率との関係の調
査結果の一例を示すもので、LS/LSOが低くなるに従って
二次燃送率を高くすることができる。
次に生産性と発生ガス量に対するスクラップ混合比の
影響について説明する。
スクラップは還元のための熱が不要であることから石
炭源単位、酸素原単位が鉱石の還元に較べて少ない。第
4図はスクラップ混合比と生産性、発生ガスエネルギー
との関係の調査結果の一例を示すものである。
この第4図から判るようにスクラップ混合比を変化さ
せることにより生産性も変化し、スクラップ混合比が高
くなるに従って生産性は向上し、逆に発生ガスエネルギ
ーは減少する。
以上のように、二次燃焼率、スクラップ混合比、酸素
流量を適宜組み合わせて変更することによって、計画さ
れている生産量、および製鉄所内外で使用するエネルギ
ーの必要量に適合し、しかも最も経済的な操業を行うこ
とが可能となった。
而して次に、後工程への余剰エネルギーおよび生産性
を、広範囲に変更できるようにするための、前記二次燃
焼率、スクラップ混合比、酸素流量の組み合わせ、およ
びその制御法について説明する。
前述したように余剰エネルギーおよび生産性を変更す
る二次燃焼率、スクラップ混合比、酸素流量の組み合わ
せは多数ある。このため当該操業条件を満足しつつ、最
も安価に溶銑製造を可能とする操業方法を選択すること
が当然のことながら好ましい。一般的に生産性Pr、発生
ガスエネルギーE、製造コストCは下記(2)〜(4)
式で表される。
Pr=F(SCR,PCR,COAL,FO2,…) ……(2) E=G(SCR,PCR,COAL,FO2,…) ……(3) C=H(SCR,PCR,COAL,FO2,ORE,…) ……(4) 但し、SCR :スクラップ混合比 PCR :二次燃焼率 FO2 :酸素流量 COAL:石炭成分 ORE :鉱石成分 本実施例においては、前記第1図に示すプロセスコン
ピューター15に、石炭フィーダー18、および鉱石フィー
ダー19からの入力信号に基づき使用する原料の種別、量
等が、スクラップ供給コンベヤ9の駆動モーター20から
の入力信号に基づきスクラップの投入量が、酸素流調弁
17、および底吹きガス流調弁16からの入力信号に基づき
酸素流量、底吹きガス流量等がそれぞれ入力される。
プロセスコンピューター15には、各種原料の単価や、
各操業条件の原単位に対する影響係数等が予め記憶され
ており、当該操業条件、当該操業時点において、設定生
産量、発生ガスエネルギーを満足しつつ、最も経済的な
操業方法を前記(2)〜(4)式に基づいて自動的に演
算する。
この演算結果に基づいてプロセスコンピューター15か
らは制御信号が発せられ、酸素流調弁17によって酸素ガ
ス流量の制御が、また石炭フィーダー18、鉱石フィーダ
ー19、駆動モーター20等により、スクラップ混合比が制
御される。さらに前述した制御に加えて底吹きガス流調
弁16による底吹きガスの流量制御を実施することなどに
よって、二次燃焼率も制御される。
第5図〜第8図は、第2表に示す如き各種操業条件に
基づく前述した最適組み合わせの具体的実施例を示すも
のである。
第5図〜第8図において実線は生産性と発生ガスエネ
ルギーの操業条件を同時に満たすためのスクラップ混合
比と二次燃焼率の組み合わせを、また点線は酸素発生装
置の能力60,000Nm3/hrである制約条件から求められる酸
素原単位限界線を、一点鎖線はコスト演算結果に基づく
等コスト線を示すものである。
さらに操業上の制約条件として二次燃焼率が高過ぎる
と炉体1の耐火物の損耗が大きくなるため、二次燃焼率
の最大値を65%に設定した。
実施例(1)は、高生産性で、かつ発生ガスの消化能
力の大きい操業の実施例であり、またスクラップ価格が
比較的高価である実施例である。
この操業条件でのスクラップ混合比と二次燃焼率の組
み合わせは第5図に実線で示されているが、スクラップ
混合比が44%以下の条件では、酸素の供給能力が不足し
て操業できない。
従って係る生産性と発生ガス量の条件において、スク
ラップ混合比は44〜100%の間となる。一方、この操業
条件でのコスト計算の結果は、第5図の等コスト線から
判定できるようにスクラップ混合比が低いほど、低コス
トとなる。以上より本実施例では第5図に●で示すよう
にスクラップ混合比は44%、二次燃焼率48%の条件で操
業した。
次に実施例(2)は、生産性と発生ガスの条件は実施
例(1)と同じであるが、スクラップの価格が鉱石価格
より高く、鉱石価格と溶融還元のエネルギー価格の合計
とほぼ等しい実施例である。
本実施例における等コスト線は、実線で示されるスク
ラップ混合比と二次燃焼率の組み合わせの線とほぼ平行
となっており、従って本実施例では第6図に●で示すよ
うにスクラップ混合比77%、二次燃焼率38%が最低コス
ト条件となり、この条件で操業した。
次に実施例(3)では、発生ガス量の制限は実施例
(1),(2)と同じであるが、低生産性の操業条件に
おける実施例である。この実施例におけるスクラップ価
格は、実施例(1)と同様に高価であった。
操業可能なスクラップ混合比と二次燃焼率の組み合わ
せは、実施例(1),(2)よりも低二次燃焼率もしく
は低スクラップ混合比の条件であることが第7図より判
る。また低生産性であることから酸素発生装置の制限は
緩くなっており、より低スクラップ混合比での操業も可
能である。
スクラップ価格が高価であることからスクラップ混合
比が低いほど生産コストは安価となり、本実施例では第
7図に●で示すようにスクラップ混合比16%、二次燃焼
率38%の条件で操業した。
次に実施例(4)は、発生ガスの許容量が小さい場合
の例である。第8図から判るように発生ガスの許容量が
小さい場合は、より高スクラップ混合比、高二次燃焼率
で操業する必要がある。
本実施例においてスクラップ混合比50%以下では、二
次燃焼率が制限の65%を超えていることから、スクラッ
プ混合比50〜100%の範囲が操業域であった。従ってス
クラップ価格が高価であることから制限の許す限り低ス
クラップ混合比、つまり50%での操業が最も経済的であ
った。
(発明の効果) 本発明の実施により、余剰エネルギーの要求量、生産
性、スクラップ価格の高下などのニーズと状況に応じ
て、溶融還元・スクラップ溶解複合法を採用し、しか
も、スクラップ溶解の比率、二次燃焼率、送酸速度を適
度に変更すれば、後工程への余剰エネルギー、原料選
択、生産性などについて、極めてフレキシブルな対応が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に基づく操業方法を説明するためのも
ので周知の鉄浴式の溶融還元炉の構成図、第2図は、着
熱が良好な条件でのVMと最大二次燃焼率との関係の調査
結果の一例を示す図表、第3図は、上吹き酸素ジェット
によるスラグの凹み深さLSと、泡立ちスラグ層の厚さL
SOとの比(LS/LSO)と最大二次燃焼率との関係の調査結
果の一例を示す図表、第4図は、スクラップ混合比と生
産性、発生ガスエネルギーとの関係の調査結果の一例を
示す図表、第5図〜第8図は、本発明に基づく各種操業
条件において、スクラップ混合比、二次燃焼率、コスト
条件の最適組み合わせの具体的実施例を示す図表であ
る。 1:溶融還元用炉体、2:溶銑 3:スラグ、4:酸素ランス 5:サブランス、6:石炭供給ホッパー 7:鉱石供給ホッパー 8:粉鉱、粉炭の供給ホッパー 9:スクラップ供給コンベヤ 10:排ガス回収ダクト 11:ダストキャッチャー 12:底吹き羽口、13:ガス配管 14:排ガス分析計 15:プロセスコンピューター 16:底吹きガス流調弁、17:酸素流調弁 18:石炭フィーダー、19:鉱石フィーダー 20:駆動モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 征司 大阪府堺市築港八幡町1 新日本製鐵株 式会社堺製鐵所内 (72)発明者 本多 通保 大阪府堺市築港八幡町1 新日本製鐵株 式会社堺製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭60−218407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄源として鉄鉱石及びスクラップを用い、
    原料として前記鉄源の他に炭材及び石炭を用い、鉄鉱石
    を含む原料の溶融還元とスクラップの溶融との複合によ
    る溶銑の製造方法において、炭材を懸濁した泡立ちスラ
    グに酸素ガスを上吹きして二次燃焼を行い、酸素ガス流
    量、鉄鉱石とスクラップの比及び二次燃焼率の各水準の
    組み合わせを変更することにより、溶融還元炉からの単
    位時間当り回収ガス熱量及び溶銑製造速度を広範囲に変
    更できるようにしたことを特徴とする溶融還元・スクラ
    ップ溶解複合法による溶銑の製造方法。
JP22041789A 1989-08-29 1989-08-29 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法 Expired - Fee Related JP2843604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22041789A JP2843604B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22041789A JP2843604B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0387307A JPH0387307A (ja) 1991-04-12
JP2843604B2 true JP2843604B2 (ja) 1999-01-06

Family

ID=16750783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22041789A Expired - Fee Related JP2843604B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2843604B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4781812B2 (ja) * 2005-12-28 2011-09-28 新日本製鐵株式会社 転炉製鋼方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60218407A (ja) * 1984-04-13 1985-11-01 Nippon Tekko Renmei 溶融還元システムの操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0387307A (ja) 1991-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6648942B2 (en) Method of direct iron-making / steel-making via gas or coal-based direct reduction and apparatus
EP1021570B1 (en) Method of making iron and steel
US4564388A (en) Method for continuous steelmaking
JP5954551B2 (ja) 転炉製鋼法
US4543124A (en) Apparatus for continuous steelmaking
CA3022024C (en) Method and apparatus for the production of cast iron, cast iron produced according to said method
AU2003238774A1 (en) Finisher-hearth-melter furnace and method of using for iron-making / steel-making
JPH07216426A (ja) 転炉製鉄法
JPS6294792A (ja) 製鋼炉用装入原料の連続予熱方法および装置
US4419128A (en) Continuous melting, refining and casting process
JP2843604B2 (ja) 溶融還元・スクラップ溶解複合法による溶鉄の製造方法
JP3509072B2 (ja) 製鉄・製鋼法
JPH0297611A (ja) 冷鉄源溶解方法
Macauley Options increase for non-BF ironmaking
WO2022163200A1 (ja) 溶鉄の精錬方法
US4557758A (en) Steelmaking process
Cavaliere et al. Integration of Open Slag Bath Furnace with Direct Reduction Reactors for New-Generation Steelmaking. Metals 2022, 12, 203
JPH0641606B2 (ja) 鉄系合金溶湯のスラグ浴式溶融還元製造装置および方法
JP2007177294A (ja) 溶銑製造方法及び転炉製鋼方法
JPS58197208A (ja) 金属酸化鉱石の溶融還元方法
Petros et al. Modernising steelmaking at Vitkovice using EFK technology
JPH03111507A (ja) 鉄系合金溶湯の製造法および装置
Nath et al. Integration of Mini Blast Furnace with Existing Electric Arc Furnace for Modernisation & Expansion of Usha Martin Mini Steel Complex at Jamshedpur
Blough et al. Developments in operations in the past 25 years
Vallomy et al. Nucor hopes trials will show if converting EAFs to continuous steelmaking is viable

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071023

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081023

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees