JP2843319B1 - マイクロストリップガスチャンバー高速データ収集システム及びそれを用いた試料の測定方法 - Google Patents

マイクロストリップガスチャンバー高速データ収集システム及びそれを用いた試料の測定方法

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JP2843319B1 JP10089750A JP8975098A JP2843319B1 JP 2843319 B1 JP2843319 B1 JP 2843319B1 JP 10089750 A JP10089750 A JP 10089750A JP 8975098 A JP8975098 A JP 8975098A JP 2843319 B1 JP2843319 B1 JP 2843319B1
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    • G01T1/2921Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions; Radio-isotope cameras
    • G01T1/2935Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions; Radio-isotope cameras using ionisation detectors

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Abstract

【要約】 【課題】 迅速にして大量のイメージングマイクロスト
リップガスチャンバーの出力信号を処理することができ
る高速データ収集システム及びそれを用いた試料の測定
方法を提供する。 【解決手段】 2次元のマイクロストリップガスチャン
バー102の陽極と背面から出力される信号を二値化す
る弁別回路103,104と、信号同期化回路111,
112と、データエンコーダ回路113,114と、入
射粒子線ヒット判定回路115と、この入射粒子線ヒッ
ト判定回路115に接続され、入射粒子線の縦座標の位
置と横座標の位置、粒子線の入射タイミング、出力信号
の広がり、全体のパルス高から得られる入射粒子線のエ
ネルギーを各事象毎に記録する大容量記憶装置116
と、この記憶装置に接続されるコンピュータ117を具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イメージングマイ
クロストリップガスチャンバー(MSGC)高速データ
収集システム及びそれを用いた試料の測定方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】MSGC(マイクロストリップガスチャ
ンバー)は、高い位置分解能と時間分解能を持つ、新し
いタイプのガス増幅型粒子線検出器として、1988年
にA.Oedによって提案された。更に、本願発明者等
は、この検出器を2次元化し、画像検出器としてほぼ実
用化の一歩手前の段階まで来ている。この検出器の特徴
として、高い位置分解能の他に、ガス増幅器としては極
めて不感時間が短いことが挙げられており、高輝度の粒
子線に対する検出器としても大きな期待が持たれてい
る。現在、X線を用いたテストでは毎秒・1平方mm当
たり107 カウント以上の輝度の下でも動作に支障がな
いことが確かめられている。
【0003】しかし、MSGCは数百〜数千本という非
常に多くの信号線出力を持つため、ここから高速に信号
を取り出し、入射粒子の位置を特定することが難しくな
り、問題となる。データを収集する方法の一つとして、
全ての信号線を隣同士抵抗で連結し、両端からの電気信
号のパルスの高さを測定し、この比から位置を求めると
いうもの(電荷分布法)が従来技術として用いられてき
た。
【0004】しかし、この方法では、かなり高い精度で
パルス高を求める必要があり、MSGCでX線や高速荷
電粒子の信号を見る場合のように非常に微弱な信号(1
6電子数以下)を扱うのは、非常に困難であった。ま
た、パルスの高さを高精度(8ビット以上)のデジタル
信号に変換して演算するには、数百nsec〜数μse
c程度の時間を要した。
【0005】別の方法として、全ての信号線を、抵抗で
はなく遅延線(遅延装置)で結び、両端に現れる信号の
時間差から入力信号の位置を求める技術も従来から存在
している。この方法では、信号の到達時間差を求める精
度の向上によって粒子検出の位置分解能を上げることが
できるが、遅延装置を使う以上、原理的に高速のデータ
収集は不可能である。
【0006】最も確実、かつ、高速な方法として、全て
の信号線の出力を別個に読み出すことが考えられるが、
2次元的な画像を取得するためには、縦方向、横方向の
それぞれの信号出力を、そのタイミングと共に読み出さ
なければならないため、このための電子装置は膨大なも
のになる。本願発明者等は、従来全ての信号線の出力を
on−offと二値化したものを、タイミング測定装置
(TDC)に入力し、この結果を全てコンピュータで読
み取り、ソフトウェアによって信号入射位置を求める方
法を採っていた。
【0007】しかし、この方法では、TDCからコンピ
ュータに吸い上げるデータ量が膨大なものになり、その
転送に時間がかかることに加えてコンピュータにおける
処理の高速化も困難であるため、毎秒1000個程度の
粒子のデータを収集することが限界であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、一枚の画像に
必要とされる粒子の数は数万個以上であり、これを動画
として捉えるためには、毎秒数十枚以上の画像が必要と
なる。また、たとえ一枚の画像当たりの粒子数は少なく
ても、画像撮影の時間分解能を上げる(例えば、数μ秒
程度まで)ことができれば、従来は全く見ることが不可
能だった現象も観測することができるようになる。
【0009】特に、X線回折法や透視法により時分割撮
影を必要としている分野では、高性能の実時間X線画像
検出器の実現に対する期待が大きい。近年では、X線源
も、SPring−8のような大型で強力な放射光施設
が建設されるようになり、これに見合った画像検出器が
待ち望まれている。MSGCは、200μmピッチとい
う非常に狭い信号線間隔のガス検出器であることから、 (1)約100μmの高位置分解能 (2)107 cps/mm2 以上の高入射粒子許容量 (3)約50nsec程度の高時間分解能 など、検出器としては新しい放射光実験の要求に耐え得
るだけの十分な性能を持っている。
【0010】しかしながら、従来のデータ収集システム
では、特に入射許容量に対する能力について、前述の通
り要求される能力には遙かに及ばなかった。そのため、
MSGC本来の能力を活かすような、すなわち毎秒10
6 以上のX線事象を処理/記録するような高速のデータ
収集システムの構築が必要になってくる。このような高
速のデータ収集システムにおいては、各信号線のデータ
をコンピュータなどに取り込み、ソフトウェアで処理す
る従来の方法は、もはや通用しない。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するために、
迅速にして大量のイメージングマイクロストリップガス
チャンバーの出力信号を処理することができるイメージ
ングマイクロストリップガスチャンバー高速データ収集
システム及びそれを用いた試料の測定方法を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕2次元のマイクロストリップガスチャンバー高速
データ収集システムにおいて、2次元のマイクロストリ
ップガスチャンバーの陽極と背面から出力される信号を
二値化する弁別回路と、この弁別回路により二値化され
た非同期である信号をクロック同期に変換する信号同期
化回路と、この信号同期化回路に接続されるデータエン
コーダ回路と、このデータエンコーダ回路に接続され、
2次元の軸に対応する各信号線のうち、同じタイミング
で近接した数本の信号入力があった場合は、その中心の
値を出力し、同じタイミングで離れた場所に信号入力が
あった場合は、その信号を無効とする入射粒子線ヒット
判定回路と、この入射粒子線ヒット判定回路に接続さ
れ、入射粒子線の縦座標の位置と横座標の位置、粒子線
の入射タイミング、出力信号の広がり、全体のパルス高
から得られる入射粒子線のエネルギーを各事象毎に記録
する記憶装置と、この記憶装置に接続されるコンピュー
タを具備するようにしたものである。
【0013】〔2〕上記〔1〕記載のマイクロストリッ
プガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前
記マイクロストリップガスチャンバーの陽極とバック電
極に増幅器を接続し、この増幅器によって増幅された出
力信号を前記弁別回路に入力するようにしたものであ
る。 〔3〕上記〔1〕記載のマイクロストリップガスチャン
バー高速データ収集システムにおいて、前記データエン
コーダ回路は、上位優先エンコーダと、下位優先エンコ
ーダと、加算回路を備え、前記上位優先エンコーダと下
位優先エンコーダを用いてそれぞれ上位、下位の信号線
の値を求め、この平均値をとることにより、入射粒子線
の座標を求めるようにしたものである。
【0014】〔4〕上記〔1〕記載のマイクロストリッ
プガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前
記信号同期化回路、データエンコーダ回路及び入射粒子
線ヒット判定回路とをCPLDで構成するようにしたも
のである。 〔5〕上記〔1〕記載のマイクロストリップガスチャン
バー高速データ収集システムにおいて、前記2次元のマ
イクロストリップガスチャンバーは、弾性を有する有機
薄膜からなる基板と、この基板上に形成され、交互に平
行に配置される陽極ストリップと陰極ストリップと、前
記陽極ストリップと陰極ストリップ間に印加される高電
圧と、前記基板の下面に形成され、前記陽極ストリップ
と陰極ストリップに交差するバックストリップと、所定
の間隔を隔てて配置されるドリフト板と、前記基板の表
面と前記ドリフト板間に流通するガスとを備え、前記ガ
スの電子増幅を起こしてX線又は粒子線の信号を取り出
し、2次元座標の同時計測を行うようにしたものであ
る。
【0015】〔6〕上記〔5〕記載のマイクロストリッ
プガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前
記陰極ストリップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜
で被覆するようにしたものである。 〔7〕上記〔5〕又は〔6〕記載のマイクロストリップ
ガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前記
弾性を有する有機薄膜はポリイミド膜である。
【0016】〔8〕上記〔5〕記載のマイクロストリッ
プガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前
記基板の表面に有機チタニウムをコーティングし、表面
抵抗を制御するようにしたものである。
〔9〕上記〔5〕記載のマイクロストリップガスチャン
バー高速データ収集システムにおいて、前記バックスト
リップの下方にICパッケージを設け、このICパッケ
ージをLSI高密度パッケージとするようにしたもので
ある。
【0017】〔10〕上記〔5〕記載のマイクロストリ
ップガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、
前記バックストリップを微小スルーホールを介して、前
記基板の上面の第1のボンディングパッドに接続し、前
記ICパッケージの端部を立ち上げて壁部を設け、この
壁部の上面に第2のボンディングパッドを形成し、この
第2のボンディングパッドと前記第1のボンディングパ
ッドとをボンディングワイヤで接続するようにしたもの
である。
【0018】〔11〕上記〔5〕記載のマイクロストリ
ップガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、
X線照射を用いたX線イメージング検出器として構成す
るようにしたものである。 〔12〕試料の測定方法において、2次元のマイクロス
トリップガスチャンバーの陽極と背面から出力される信
号を二値化する弁別回路と、この弁別回路により二値化
された非同期である信号をクロック同期に変換する信号
同期化回路と、この信号同期化回路に接続されるデータ
エンコーダ回路と、このデータエンコーダ回路に接続さ
れ、2次元の軸に対応する各信号線のうち、同じタイミ
ングで近接した数本の信号入力があった場合は、その中
心の値を出力し、同じタイミングで離れた場所に信号入
力があった場合は、その信号を無効とする入射粒子線ヒ
ット判定回路と、この入射粒子線ヒット判定回路に接続
され、入射粒子線の縦座標の位置と横座標の位置、粒子
線の入射タイミング、出力信号の広がり、全体のパルス
高から得られる入射粒子線のエネルギーを各事象毎に記
録する記憶装置と、この記憶装置に接続されるコンピュ
ータを具備する2次元のマイクロストリップガスチャン
バー高速データ収集システムを構成し、前記2次元のマ
イクロストリップガスチャンバーは、弾性を有する有機
薄膜からなる基板と、この基板上に形成され、交互に平
行に配置される陽極ストリップと陰極ストリップと、前
記陽極ストリップと陰極ストリップ間に印加される高電
圧と、前記基板の下面に形成され、前記陽極ストリップ
と陰極ストリップに交差するバックストリップと、所定
の間隔を隔てて配置されるドリフト板と、前記基板の表
面と前記ドリフト板間に流通するガスとを備え、動きの
ある試料にX線ビームを照射し、X線回折による試料の
超高速な変化のプロセスを直接観察可能にするようにし
たものである。
【0019】〔13〕上記〔12〕記載の試料の測定方
法において、前記試料は固体結晶であり、この固体結晶
構造の変化のプロセスを観察可能にするようにしたもの
である。 〔14〕上記〔12〕記載の試料の測定方法において、
前記試料の変化のプロセスを1000分の1秒以下の単
位で測定するようにしたものである。
【0020】〔15〕上記〔13〕記載の試料の測定方
法において、前記固体結晶の励起状態を観察するように
したものである。 〔16〕上記〔12〕記載の試料の測定方法において、
回転連続写真法によりX線回折したX線の位置及びその
タイミングを計測し、3次元結晶構造を明らかにするよ
うにしたものである。
【0021】MSGCでは、非常に多くの信号出力線が
あるため、この出力線からの情報をどのように処理する
かが問題となる。回路を簡略化し、実現可能なシステム
を構築するために、本発明では、各信号線のアナログ情
報(パルスの高さ)は捨て、ある閾値を設けて、その閾
値に基づいて信号の有無を見る形で、一本の信号線を1
ビットのデジタル信号として扱うようにした。従来のワ
イヤーチェンバーなどでは、この方法を用いると著しく
位置分解能が低下してしまうが、MSGCは非常に細か
い信号線間隔を持つので、この方法によっても、アナロ
グ信号を用いた場合とほとんど遜色がない性能が得られ
る。
【0022】デジタル化された信号からは、論理回路に
よって粒子線入射位置の縦座標、横座標を求め、同じタ
イミングで入射した縦・横のそれぞれの座標から2次元
的な位置座標を求め、専用の記憶装置(メモリ)に蓄積
する。また、この記憶装置はコンピュータからのアクセ
スも可能であり、ほぼリアルタイムの収集データの処理
も可能である。
【0023】これにより、従来の5000倍以上であ
る、毎秒1000万個程度のデータ収集が可能となり、
MSGCを用いて、X線など粒子線の画像の時間変化を
動画像として捉えることができるようになった。このシ
ステムを実現するために、以下のような手法をとった。 (a)MSGCからの出力信号は、ON−OFFの二値
化することにより、回路を簡略化した。
【0024】(b)非同期である入力信号をクロック同
期に変換することにより、後段の信号処理におけるタイ
ミングハザードを無くし、信頼性を向上させた。また、
これにより、後述のパイプライン処理を可能にした。 (c)回路の実装には、PLD(Programabl
e logic array)を用いることで複雑な論
理操作を少数のデバイスで可能とし、なおかつ、専用の
ゲートアレイなどのカスタムLSIを作る場合と違い、
安価な費用と短い開発期間で単品のシステムを構築する
ことができる。
【0025】(d)回路内の処理では、縦・横それぞれ
の軸に対応する各信号線のうち、同じタイミングで近接
した数本の信号入力があった場合は、その中心の値を出
力し、同じタイミングで離れた場所に信号入力があった
場合(重複信号)には、その信号を無効にするようにし
た。 (e)信号は回路内部で順送りに処理(パイプライン
化)される。各処理過程で、前のデータが次の処理過程
に送り出されると同時に、次のデータを処理できるよう
にした。このため、信号の入力は毎クロック可能であ
る。簡素化した各処理過程は20MHzのクロックで動
作する。最終的には、MSGCのパルス幅の100MH
z程度まで可能である。
【0026】(f)最終的な信号の有無の判断は、一つ
のクロックサイクルの中に縦・横両方向に信号入力が検
知され、かつ、重複のない場合が選ばれる。 (g)このシステムによって、粒子線入射の縦座標の位
置と横座標の位置、粒子線の入射のタイミング(0.1
μsec以下)、出力信号の広がり、全体のパルス高か
ら得られる入射粒子線のエネルギーなどが各事象(イベ
ント)毎に記録される。
【0027】(h)この論理回路によって、約1000
本の入力信号が、一事象当たり30ビット程度のデータ
となり、これが大容量の記憶装置にFIFO(Firs
t−In First−Out:先入れ先出しのバッフ
ァ回路)を通して書き込まれる。 (i)一回のデータ収集で必要なデータは、一度、全て
この記憶装置に記録することで、高速のデータ収集は、
メモリ容量の限り途切れることなく続けることができ
る。
【0028】(j)このシステム(粒子線の入射位置エ
ンコーダ、及び記憶装置)は、VME(Versa M
odule European:16,32,64ビッ
トの非同期バス)規格でそれぞれ接続されており、同様
にVME規格に準じたコンピュータを用いれば、システ
ムの操作や記憶装置からのデータの読み出しを簡単に、
かつ、高速に行うことができる。これにより、VME規
格上のコンピュータを高速ネットワークに接続すること
で、更に、細かいデータの処理を外部のコンピュータで
行うこともできる。
【0029】以上のように、このシステムにおいては、
MSGCによって出力される信号を高速収集し、さらに
コンピュータ直結で解析をすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示すMSG
Cのデータ収集システムの全体構成を示すブロック図で
ある。本発明のMSGCのデータ収集システムは、大別
すると、2次元MSGC、前置増幅器(プリアンプ)・
波高弁別器、信号同期化回路、データ(粒子線入射位
置)エンコーダ、入射粒子線のヒット判定回路、大容量
記憶装置、コンピュータから構成されている。
【0031】すなわち、図1に示すように、マザーボー
ド101には、2次元MSGC(以下、単にMSGCと
いう)102、前置増幅器・波高弁別器103,10
4、前置増幅器105が搭載される。また、MSGC1
02の陽極からの出力信号(ECL規格による信号)を
処理する第1の信号同期化回路111、MSGC102
の背面電極(バックストリップ)からの出力信号(EC
L規格による信号)を処理する第2の信号同期化回路1
12、第1の信号同期化回路111に接続される第1の
エンコーダ113、第2の信号同期化回路112に接続
される第2のエンコーダ114、入射粒子線のヒット判
定回路115、大容量記憶装置116、コンピュータ1
17により、VME規格のデータ収集システム110を
構築している。
【0032】また、MSGC102の陰極は前置増幅器
105−アナログ・ディジタル変換器(ADC)106
を介して大容量記憶装置116に接続されている。以
下、MSGCのデータ収集システムの各部を詳細に説明
する。図2は本発明の実施例を示すMSGCの分解斜視
図、図3はそのMSGCの陰極ストリップのエッジの被
覆状態を示す図であり、図3(a)はその部分平面図、
図3(b)は図3(a)のA部拡大図である。なお、図
2及び図3に示される各部の寸法は一例に過ぎず、適宜
変更可能である。
【0033】図2及び図3において、2次元イメージ素
子であるMSGC102は10cm×10cmの有効面
積を持ち、1は基板(サブストレート)であり、厚さ略
17μmのポリイミド薄膜を用いる。2はその基板1上
に形成される陽極ストリップであり、1μm厚のAu,
Tiからなり、その幅D2 が略10μmの形状を有す
る。3は陰極ストリップであり、1μm厚のAu,Ti
からなり、その幅D3 が略100μmの形状を有する。
その陽極ストリップ2と陰極ストリップ3とは、交互に
配置されて、陽極ストリップ2のピッチD4 は略200
μmである。
【0034】また、4はセラミックからなるベース基
板、5はそのベース基板4上に形成されるとともに基板
1の下層に位置するバックストリップであり、1μm厚
のAu,Tiからなり、その幅D5 が略180μmの形
状を有する。更に、このようにして形成される素子上に
ほぼ1cmの間隔D1 を隔ててドリフト板6が配置さ
れ、例えば、アルゴンとエタンからなるガスが流通する
チャンバーが形成される。なお、一般的には、ここで用
いられるガスは、原子量の大きい希ガスが使用され、こ
れに放電を抑えるガス、例えば、メタン、エタン、炭酸
ガス等を混合して用いることができる。なお、7は増幅
器である。
【0035】このように、基板1として厚さが略約17
μmのポリイミド薄膜を用いて、このポリイミド薄膜の
下層にあり、セラミックからなるベース基板4上のバッ
クストリップ5に誘起される信号を使って2次元読み出
しを可能にしている。つまり、ポリイミド薄膜を基板1
に用いて、2次元座標の同時計測を可能にしている。ポ
リイミドは柔軟性、弾性を持つので、完全に平らで滑ら
かな表面を持ち、広くて一様な基板の中に容易に作製で
きる。
【0036】さらにポリイミドは、MCM技術を用い
て、ミクロのスケールで所望の形状に形成することがで
きる。すなわち、このMSGCでは陽極ストリップを防
御するガーディングマスクとスルーホールは、この技術
により形成されている。それゆえ、基本的に、2次元M
SGCのサイズは20cm×20cm以上の大きさに拡
張することができる。
【0037】なお、上記実施例では基板としてポリイミ
ドを用いた場合について述べたが、ポリイミド以外であ
っても、弾性を有する有機膜であれば本発明のMSGC
を構成可能であり、その際の弾性を有する有機膜として
は、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポ
リカーボネイト等が挙げられる。なかでも、ポリイミド
がより望ましい。この際、弾性を有する有機膜の膜厚
は、5〜100μmであれば、使用可能であるが、10
〜30μmがより望ましい。
【0038】また、ガスの電子増幅を起こして放射線の
信号を取り出すためには、陽極ストリップ2と陰極スト
リップ3との間の約50μm間に500Vの電圧を印加
する必要がある。その時、当然、陽極ストリップ2と陰
極ストリップ3の間での放電が起き易くなる。この放電
は電極を破壊し、MSGC102にダメージを与えるこ
とになるので、これを抑えるために、図3に示すよう
に、放電が起こる陰極ストリップ3の両エッジ3Aを、
厚さ数μmのポリイミド薄膜8で幅7μm程度被覆する
ことによって放電を抑えるようにしている。
【0039】MSGC102のような基板を持つ構造の
場合、陽極ストリップ2近傍で起こる増幅作用で作られ
る正イオンが基板1上に付着し、その空間電荷効果でゲ
インの低下を引き起こしてしまうことがある。そのた
め、現在、ポリイミド薄膜8からなる基板の適切な抵抗
値を見出すようにしており、ポリイミド薄膜8の表面に
有機チタニュームをコーティングし、表面抵抗を制御す
るようにしている。
【0040】MSGC102は、100μm以下の高い
位置分解能を得るために、200μmピッチという微小
間隔でX,Y両方向から信号を取り出している。そのた
め、5cm□MSGCの場合、500本以上の信号線と
増幅器7の接続が必要になる。そこで、本発明では、L
SI高密度パッケージに実装し、MSGCと回路基板と
の接合を改善するように構成している。
【0041】X線、粒子線の位置を測定するのに必要な
座標は、バックストリップ5と陽極ストリップ2からの
信号を用いており、粒子のMSGCガス中でのエネルギ
ー損失を測定するためには陰極ストリップ3を使用して
いる。陰極ストリップ3は読み出しチャンネルを減らす
ために十本程度をグループ化して、読み出すようになっ
ている。信号はICパッケージ11(図5参照)から取
り出せるようになっている。
【0042】次に、このMSGCの読み出しエレクトロ
ニクスのシステムについて説明する。図4は本発明の実
施例を示す10cm×10cmの2次元MSGCが搭載
されたPGAパッケージの構造を示す図であり、図4
(a)は上面を示す斜視図、図4(b)は下面図であ
る。
【0043】ここで、ICパッケージ11は、セラミッ
クで作製され、裏側面に0.1インチのピッチでトリッ
プを541本を有する。254の陽極と255のバック
ストリップと17グループの陰極すべてが、セラミック
パッケージ上に金のワイヤボンディングにより接続さ
れ、裏面のピン12に送られているので、MSGC10
2のプレートに直接取り付けなければならないワイヤは
存在しない。
【0044】図5は本発明の実施例を示す2次元MSG
Cが搭載されたICパッケージの部分断面図である。な
お、図2と同じ部分については、同じ符号を付してその
説明は省略する。この図において、4はベース基板、1
0はポリイミド薄膜からなる基板1の表面に形成され、
微小スルーホール1Aを介してバックストリップ5に接
続される第1のボンディングパッド、11はICパッケ
ージ、このICパッケージ11は、その端部を立ち上げ
て壁部11Aを設け、この壁部11Aの上面に第2のボ
ンディングパッド13を形成する。
【0045】そこで、第2のボンディングパッド13と
第1のボンディングパッド10とをボンディングワイヤ
14で接続する。図5に概略的に示すように、ポリイミ
ド薄膜からなる基板1の下に配置されるセラミックから
なるベース基板4からの信号が、MCM技術を用いて微
小スルーホール1Aを介して、第1のボンディングパッ
ド10から第2のボンディングパッド13へと導出され
ること、及びMSGC上の全ての電極から出た全ての第
1のボンディングパッド10が同一の基板面に配置され
るということは、特に注目に値する。これにより、MS
GCとICパッケージ11との接続が大いに簡単にな
る。
【0046】隣合うストリップ間のクロストークを測定
した結果、ほぼ5%であり、本発明のMSGCでのデジ
タル読み出しに関しては問題とはならない。次に、本発
明の実施例を示すMSGCのイメージングの性能につい
て説明する。図2に示すように、MSGC102をX線
イメージングデバイスとして用いるために、陽極ストリ
ップ2の他にもう1つ別の電極が必要である。MSGC
102の場合、陽極ストリップ2に加えてさらに3電極
がある。すなわち、陰極ストリップ3、ドリフト板6、
バックストリップ5である。陰極ストリップ3は確かに
大きな誘導信号を持つが、ほぼ200nsという立ち上
がり時間というのはかなり遅く、陰極ストリップ3の電
極列は、陽極ストリップ2の電極列と平行に走ってい
る。
【0047】電子なだれで生成したイオンのうちのある
部分は、ドリフト面に向かって流れ、ドリフト面上に信
号を誘導する。しかしながらこれは、ほぼ10μsと大
変遅い。バックプレーンにおいても、あるタイプのMS
GC102では誘導信号が観察された。パルス高とパル
ス形状は、各MSGCの持つ電極の幾何学的構造、基板
の厚さや材料に依存しているものの、高速信号は、明ら
かにバックストリップから獲得されている。
【0048】そして、MSGC102は、図1に示すよ
うに、陽極(アノード)512ch、背面電極512c
h、陰極(カソード)を有している。このMSGC10
2によって出力される微弱な信号パルスは、波形整形前
置増幅器(LeCroy MQS104)により増幅さ
れる。この波形整形前置増幅器の出力はパルス幅が30
nsec以下である。この出力は、前置増幅器・波高弁
別器(LeCroy MVL407)103,104に
入力され、その弁別信号が、ECL:エミッタ・カップ
ルド・ロジック)規格により出力される。これらに用い
られているICは、それぞれ一つにつき4ch分の回路
が収められており、このシステムでは、64ch分の前
置増幅器・波高弁別器103,104を一枚の基板に収
めたカードを、MSGC102のマザーボード101上
に装着することで、装置の小型化を図っている。
【0049】ECL規格による出力は、多芯線の信号ケ
ーブルによりデータ収集システムに送られる。データ収
集装置は、送られてきた信号線から信号の位置を割り出
すエンコーダ113,114と、入射粒子線のヒット廃
帝回路115、得られた位置情報を蓄えておく大容量記
憶装置116の部分に分けられる。これに、コンピュー
タ117、つまり、制御用のCPU(Force CP
U−7V,SUN互換)を含めたものが、VME規格9
U幅のクレートに収められている。前記CPU117
は、高速のネットワーク(現状では100Mbps)に
接続され、MSGC102により得られたデータは他の
コンピュータでも解析することができるようになってい
る。
【0050】以下に、本発明のデータ収集システムの各
部分について詳細に説明する。 〔1〕前置増幅器・波高弁別器 MSGCによるガス増幅率は、通常は500位と、ワイ
ヤーを用いた他のガス増幅器に比べて非常に小さい。通
常は8keV程度のX線入射によりMSGC上に誘起さ
れる電荷量は1.0〜2.0×10-14 C程度である。
【0051】また、10MHzを越える信号を分離する
ために、信号は20nsec程度の時間幅に整形されて
いる必要がある。さらに、非常に多くの信号線を扱う。
これらの要求から、高増幅率、高速、高集積度の前置増
幅器が必要になる。この前置増幅器は、LeCroy社
のMQS104Aで、そもそもワイヤチェンバー用に開
発された前置増幅器である。この前置増幅器を構成する
ICは、30mV/fCの電荷増幅率を持ち、内蔵され
ている波形整形器によって出力波形は20nsecの半
値幅を持つ。また、約1cm角の大きさのICの中に、
4回路が内蔵されているため、前置増幅器を比較的コン
パクトにまとめることができる。
【0052】陽極と背面電極より得られた出力信号は、
全てコンパレータによって二値化している。このコンパ
レータとしては、前置増幅器との相性を考え、同社製の
MVL407Sを採用した。このコンパレータを構成す
るICも一チップに4回路を含み、出力はECL差分出
力なので、そのまま数m程度のケーブルをドライブでき
る。
【0053】一般的に、ガス増幅器で、各信号線から出
力を得る場合は、出力をADC(アナログデジタル変換
器)にかけ、隣接するワイヤーのいくつかの信号の加重
平均をとってその位置を求めることで、位置分解能の向
上を図ることが多く、一般的にはRMS分解能で30μ
mまで可能であるが、MSGCではストリップの間隔が
200μmと狭いため、このような二値読み出しによる
方法でもRMS分解能で約60μm程度出すことができ
る。
【0054】これらの前置増幅器、及び波高弁別器は、
検出器回りに高い密度で配置するために検出器本体を装
着しているマザーボード上に垂直に装着できる前置増幅
器・波高弁別器一体型の回路ボードを作製した。このボ
ードは、図示しないが、約15cm角の8層プリント基
板の表裏に、表面実装型のMQS104A,MVL40
7Sを各16個、その他集積型回路部品を実装すること
により、64ch分の回路を実現している。マザーボー
ドとの接続は、120pinの1/20インチ間隔コネ
クタにより行い、ここから信号線の他、回路の電源、弁
別電圧の供給も受ける。
【0055】信号出力は、ECL差分出力となるため、
一信号に二本信号線が必要であるため、68pinのハ
ーフピッチコネクタを二つ実装することで、64ch分
の信号出力を確保している。10cm角のMSGCで
は、出力の数が、陽極・背面電極合わせて1024本に
なるため、この前置増幅器・波高弁別器ボードは16枚
必要となる。
【0056】〔2〕信号同期化回路、データエンコーダ
及び入射粒子線ヒット判定回路 前置増幅器・波高弁別器103,104の出力は、全て
の信号線に対応しており、扱うデータ量としては非常に
多い。一方で必要なデータは、入射粒子線の位置座標で
あり、x軸、y軸、それぞれ10ビットずつ程度の情報
量である。この、各信号線の出力から、入射粒子の座標
値に変換するのが、データエンコーダの役割である。こ
の部分は、従来はソフトウェアの役割であった部分をハ
ードウェア化し、MSGCデータ収集システム高速化の
決め手とするシステムの中核となる。
【0057】第1、第2のデータエンコーダ113,1
14は、VME−9U規格のボードに搭載されており、
一枚のボード当たり2幅分のフロントパネルを持つ。こ
のフロントパネルに、先の前置増幅器・波高弁別器10
3,104からのケーブルの接続コネクタが8個並び、
256ch分の信号入力が可能となっている。10cm
角MSGCのデータを読み出すためには、x軸側、y軸
側それぞれ512本の信号入力が必要となるため、それ
ぞれ2枚ずつ、合計4枚のエンコーダボードが必要とな
る。 一枚のエンコーダボードの構成を示すと、ECL
差分入力による信号は、TTL(Transistor
−Transistor−Logic)信号に変換され
た後、CPLD(Complex Programma
bleLogic Device)により構成されるエ
ンコーダ回路に供給される。CPLDは、従来のPLD
を集積化したもので、このシステムでは、アルテラ社製
のEPM7192及びEPM7256を用いた。入力さ
れる信号は非同期であるが、エンコーダ回路の第一段目
に信号同期化回路を導入することで、以降の信号処理を
全てクロック同期で行っている。
【0058】このシステムでは、一枚のボード当たり3
個のCPLDを用いているが、そのうち2個が、この信
号同期化のためのものであり、残り1個が座標エンコー
ダ回路が内蔵されている。エンコーダ回路により出力さ
れるのは、入射粒子線の座標の他、各クロック周期毎の
事象の有無の信号(HIT)、離れた位置で同時に信号
が入力された場合に、信号を無効にするために出される
信号(DUP)、及び一つの事象が、近接する何本かの
信号線に渡っているのかを示す信号があり、いずれも、
VMEバスのJ3コネクタへ出力され、メモリボードへ
引き渡される。
【0059】MSGCの出力信号はパルス状であるため
に、信号を単にフリップフロップでラッチするだけで
は、信号の確認ができない。そのため、この信号同期化
回路では、信号入力をフリップフロップのクロック入力
信号として用い、信号入力のエッジを認識するように
し、同期クロックにより出力をクリアして次の入力を待
つという方法を採用した。
【0060】図6はかかる本発明の実施例を示すMSG
Cの出力信号の同期化回路図、図7はそのMSGCの出
力信号の同期化回路の各部の波形図であり、ここでは1
チャンネル分を示している。これらの図に示すように、
MSGC102からの入力パルスAは第1のフリップフ
ロップ201のクロック端子に入力され、そのQ端子か
らの出力パルスBが第2のフリップフロップ202のD
端子に入力される。また、第1のフリップフロップ20
1のQ端子からの出力信号Bは第3のフリップフロップ
203のPR(プリセット)端子に入力されるととも
に、第1のフリップフロップ201のCLR端子からの
クリア信号は第3のフリップフロップ203のQ端子に
入力される。
【0061】一方、クロック(同期信号)入力CLK
は、第2のフリップフロップ202と第3のフリップフ
ロップ203のそれぞれのCK端子に入力される。な
お、第1のフリップフロップ201のD端子は電源へ、
第3のフリップフロップ203のD端子はアースへそれ
ぞれ接続されている。すると、第2のフリップフロップ
202のQ端子からは、出力信号、つまり信号同期化出
力信号Dが出力される。
【0062】第1のフリップフロップ201のCLR端
子は第3のフリップフロップ203のQ端子に接続され
ている。ここでは、1チャンネル分を説明したが、多チ
ャンネルの場合は、図8に示すように、各第1のフリッ
プフロップ201のQ端子からの出力信号BをOR回路
204を介して第3のフリップフロップ203のPR端
子へ接続するように構成すればよい。
【0063】ここで問題となるのは、同期クロックとほ
ぼ同じ時間に入力された信号を前の周期の信号とみなす
か、後の周期の信号とみなすかを分離するタイミングで
ある。通常MSGCは、隣接する数本の信号線が同時に
信号を出すため、この間に僅かな時間差があると、これ
が二つの別々の事象として扱われてしまう可能性があ
る。
【0064】しかし、これを回避するための配線も行っ
ている。論理回路としては、この部分はあまり意味を持
たないが、タイミングを考えた場合、この回路分の遅延
(十数nsec程度)分の時間差については、吸収され
る仕組みになっている。各周期を分離する関係上、どう
しても、各周期につき10nsec程度の不感時間が存
在することは避けられないが、タイミング差による寄生
的な事象の発生はほぼ全て抑えることができる。
【0065】MSGCでは、一つの事象につき、近接す
る数本のストリップが信号を出す。ここから求めるべき
入射粒子線の座標は、この中心値である。このエンコー
ダ回路においては、同じ周期中に同時にヒットした信号
線のうち、最も上位のものと最も下位のものの中間をと
ることにより、座標を求めている。これを求めるために
は、基本的には上位優先エンコーダと下位優先エンコー
ダを用いてそれぞれ上位、下位の信号線の値を求め、こ
の平均値をとればよい。しかし、数百本の入力を受け付
けるエンコーダ回路は複雑で、多くの素子を必要とし、
処理にかかる時間も多くなるものと考えられる。そこ
で、MSGC用エンコード回路では、有効な入力の場合
には、同時にヒットする信号が隣接する数本であるとい
うことに注目し、エンコード回路を大幅に縮小する方法
を採用した。
【0066】具体的には、入力信号を16本ずつに分
け、分けられたそれぞれのn本目同士の論理和をとり、
これを適当な方法でエンコーダにかけることで求めるべ
き座標値の下位ビットを求め、先に分けた信号(実際に
は8本毎)そのものの論理和同士をエンコードすること
によって、座標値の上位ビットを求める。このような、
上位ビットエンコード、下位ビットエンコードのために
信号をまとめる操作は、先の信号同期化回路と同じCP
LDで行っている。
【0067】この出力から、最終的な座標を計算した
り、離れた位置に同時にヒット(hit)した信号を判
断(重複信号)するために、もう一つCPLDを用いて
いる。図9は本発明のデータエンコーダ回路の概略構成
図である。上記した同期化出力信号Dは信号合成回路3
01に送られ、この信号合成回路301からの上位ビッ
ト用合成信号SU は信号の重なりチェック回路302
と、エンコーダ303と、中位ビット用信号処理回路3
04とにそれぞれ接続される。
【0068】一方、上位ビット用合成信号SL は、中位
ビット用信号処理回路304と、上方優先エンコーダ3
05、下方優先エンコーダ306にそれぞれ接続され
る。更に、上方優先エンコーダ305及び下方優先エン
コーダ306の出力信号はそれぞれ加算器307と減算
器308に接続される。また、信号の重なりチェック回
路302には中位ビット用信号処理回路304からの出
力信号と減算器308からの出力信号とが入力される。
【0069】そこで、信号の重なりチェック回路302
からは重複信号SD が、エンコーダ303からは上位ビ
ットエンコード出力が、中位ビット用信号処理回路30
4からは中位ビットエンコード出力が、加算器307か
らは下位ビットエンコード出力が、減算器308からは
信号幅出力がそれぞれ送出される。これらの信号(エン
コードされたアドレス、ヒットした信号の本数、ヒッ
ト、重複の信号)は、VME規格のJ3バックプレーン
バスを介してメモリボードの基板に接続される。x軸同
士、y軸同士のアドレスの信号は、それぞれ2枚ずつの
データ収集ボードで共通のバスが使われ、これとは別
に、ヒット信号は各ボード独立に出力される。このヒッ
ト信号によって、現在のアドレス信号がどのボードから
来たものか確認することができる。また、重複信号は一
本のバスに共通して出力される。
【0070】〔3〕大容量記憶装置 各データ収集ボードからのエンコードされた信号を蓄積
し、VMEバス上のコンピュータとのインターフェイス
の役割を持つのが記憶装置の役割である。記憶装置で
は、20MHzのクロックを生成し、データ収集ボード
のシステムクロックとして供給する。また、データ収集
ボードからの出力は、このクロックに同期して出力され
る。一つのクロック当たりの信号が、入力信号として適
当であるかどうかは、各データ収集ボードからのヒット
信号、及び重複信号により判断される。
【0071】重複信号がなく、かつ、陽極と背面電極の
それぞれ1枚のボードからのみヒット信号が出ている時
を受け入れる。この信号は、一度、FIFOメモリに入
り、その後、最大512MBの容量を持つDRAMに記
憶される。ここに記録される内容は、陽極と背面電極の
エンコードされたヒット位置の他、ヒットした信号の本
数、記憶装置に外部から入力されるADCの値、信号の
記録された時間等があり、このうちいくつかを選択し
て、1事象当たり32ビット幅のデータとする。よっ
て、この記憶装置には、一時的に128M事象分のデー
タを蓄えておくことができる。
【0072】記憶装置は、VMEバスのインターフェー
スを持っており、このバスを通じ、制御用のコンピュー
タに接続されている。コンピュータから、記憶装置の各
動作を制御するためのレジスタを操作できる他、データ
を蓄積しているDRAMを、コンピュータのCPUのア
ドレス空間と同等にアクセスすることができる。これに
よって得られたデータを、簡単にコンピュータで扱うこ
とができるようになる。
【0073】〔4〕コンピュータ 制御用のコンピュータとしては、VME規格に合致する
ものであれば、各種のものが使用可能であるが、特にこ
のシステムでは、microSPARCチップを搭載し
たFORCE社製の製品(CPU−7V)にUNIXを
搭載したものを扱っている。UNIXの強力なネットワ
ーク機能を用いることにより、VME上のコンピュータ
で記憶装置から引き上げたデータを、高速の(100B
ASE−T)ローカルネットワークに出力し、これをさ
らに高速のコンピュータで受け取り、ほぼリアルタイム
に大量のデータを解析することができるようになる。
【0074】〔5〕動作試験の結果次に、実際にMSG
Cとデータ収集システムを接続した場合の動作試験につ
いて、現在まで得られている結果を述べる。図10にX
線の入射強度と実際にデータを得ることのできたカウン
ト数の相関の実測結果を示す。
【0075】この図において、横軸はX線発生レート
(cps)、縦軸はデータ収集レート(cps)を示
し、曲線aは本発明のデータ収集システムを、曲線bは
従来のデータ収集システムを使用した場合を示してい
る。ここで、クロックのサイクルは10MHzを用い
た。ここでは、データ収集の速度が、2.5Mcps程
度になるところを上限に、それ以上の強度では次第に下
がってくる。直線性は、1Mcps付近まではほとんど
直線的に増加し、その後、次第に直線からはずれてく
る。このデータ収集システムでは、同じクロックサイク
ル上で2つ以上の信号が検出された時は、その事象を無
視するようになっている。そのため、たとえ10MHz
のデータ収集クロックを持っていても、この速さでデー
タをとれるということはなく、ランダムな入力に対して
は、ポアソン統計に従い、クロック数の1/eが上限と
なる。同じ図に、このポアソン分布で計算した、データ
収集数の論理曲線を挿入する。
【0076】本発明の高速データ収集システムによって
得られたペンダントの2次元X線透過像の例を図11に
示す。この図では、ペンダントの同時間計測(8秒)に
よる画像の比較であり、図11(a)は従来の5k事象
のレートが6×102 cps相当の画像、図11(b)
は本発明の5M事象のレートが5.9×105 cps相
当の画像である。
【0077】本発明によれば、このように非常に鮮明な
ペンダントのX線画像を、短時間のうちにとることがで
きる。また、図示しないが、本発明による高速データ収
集システムを用いて、図11に示したペンダントをモー
ターの上で回転させて、X線透過像をとったが、良好な
動画像を得ることができた。
【0078】このように、本発明によれば、MSGC
を、今回開発した高速データ収集システムと組み合わせ
ることで、迅速にして大量のイメージングマイクロスト
リップガスチャンバーの出力信号を処理することがで
き、粒子線の測定を確実に行うことができる。次に、本
発明のMSGCによるX線結晶学における時間分解測定
実験について説明する。
【0079】本発明の高速データ収集システムを備えた
MSGCは、実時間(リアルタイム)X線領域検出器と
して十分な能力を有する。X線結晶学は、MSGCを有
用化する一分野として最も期待されている。MSGCに
は高度のイメージング能力と、非常に優れたタイミング
分析能力の2つが備わっているので、結晶構造の変化の
プロセスを、1000分の1秒以下単位で測定すること
ができる。
【0080】従来の検出器では、高速のタイミングで連
続した映像を得ることが不可能であった。本発明のMS
GCによれば、後述の“連続回転写真(RCP)法”の
通り、結晶構造の新しい分析方法をも生み出すことがで
きる。以下、光励起を用いた時間分解結晶学の測定及び
単結晶を用いたRCP法について述べる。
【0081】〔1〕固体結晶の光学励起の時間分解測定 分子は、化学反応において、励起状態を経由する。その
反応プロセスを直接観察するために、X線回折(XR
D)を用いて励起構造の観察が試みられてきた。しかし
ながら、励起状態の存続時間は非常に短く(数秒以
下)、同時には、ごく少数の分子しか励起反応を起こさ
ない。ゆえに、XRDを用いた励起状態観察は、現在ま
でほぼ不可能であった。従来の励起状態の観察は、分光
学的方法、あるいは何らかの特別な物理的特性を用いて
しか行われていない。しかし、実時間のX線画像検出器
が実現されれば、反応プロセスを直接観察することが可
能になる。
【0082】従来のX線回折検出器には、X線回折方法
によって時間変化と画像の両方を観察する能力は、ほと
んど皆無に等しかった。X線乾板またはイメージングプ
レート(IP)は、通常静止状態のXRD撮影に使用さ
れてきた。このイメージングプレート(IP)には、高
度のイメージング能力とダイナミックレンジを持ってい
るが、時間分解測定は極めて難しい。一方、パルス計数
型検出器は、時間分解測定に有用である。比例計数器
(PC)、シンチレーション計数器(SC)及び固体半
導体検出器(SSD)も、従来使用されてきた。しかし
ながら、従来のパルス計数型検出器では、実時間測定を
行うイメージング能力は不十分であり、2次元回折パタ
ーンを得るには平面または球面上で走査する必要があっ
た。
【0083】本発明のMSGCは、優れたイメージング
能力と、20nsに及ぶタイミング分析力を持つ。これ
により、反応プロセスを直接観察するための高速タイミ
ング分析が可能になる。励起状態の観察の一例として、
金属化合物の光励起を観察した。最近では、光照射にお
ける回折パターンの歪みが、X線粉末回折計〔Che
m,Let,P.829,1997〕を用いた[Bu4
N]4 [Pt2 (pop)4](pop =P2 5 2 - )によ
り観察されている。[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]の
X線粉末パターンにおいて現れたピークは、光照射時に
より大きな回折散乱角に向かって移動し、光を消すと元
に戻る。
【0084】このことは、固体結晶中の単位格子の構造
は、光の照射によって変化することを意味する。これと
似た現象がVO(acac)2 (acac=アセチルアセトン:C
3C=OCHC=OCH3 )にも見られる。光がon
状態のVO(acac)2 の回折パターンを、小さな角度へ移
動した。これは固体結晶には珍しい現象だが、励起状態
を直接観察し研究する上で優れた検証となりうると考え
られる。
【0085】VO(acac)2 と[Pt2 (pop)4]の構造を
図12と図13にそれぞれ示す。ここで、図12はVO
(acac)2 の構成を示す図であり、図12(a)はそのV
O(acac)2 の立体構造図、図12(b)はそのVO(aca
c)2 の構造式を示す図、図13は[Bu4 N]4 [Pt
2 (pop)4]の構成を示す図であり、図13(a)はその
[Pt2 (pop)4]の立体構造図、図13(b)はその
[Pt2 (pop)4]の構造式を示す図である。
【0086】この変化の時定数は重要なパラメータであ
ると思われるが、未だ知られていない。この実験では、
回折ピーク移動の時定数をMSGCを用いて測定した。
これは、MSGCによって初めて可能となる測定であ
る。 〔2〕実験装置 ここでの目的は、光励起によって生じた構造変化の時定
数を測定することである。なお、この測定においては、
結晶構造分析までは行われなかった。実験装置の概略図
を図14に示す。
【0087】図14において、102は本発明に係るM
SGC、110は本発明に係る高速データ収集システ
ム、401はキセノン光源(キセノンランプ)、402
はフィルタ、403は凸レンズ、404はシャッター、
405はX線電子管、406はホトダイオード、407
はタイミング発生器、408はサンプルを示している。
実験には、VO(acac)2 結晶の粉末と[Bu4 N]
4 [Pt2 (pop)4]の単結晶が使用された。ここで、V
O(acac)2 の回折ピークは、CrKα(5.4keV)
X線の散乱角度が43°のとき、大きな変化が予想され
ており、このピークの移動は、約0.1°であると予想
される。[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]のピーク移動
は非常に小さいと予想されるが(0.03°程度)、光
励起によるピーク移動の方向は、熱作用による方向とは
反対であるとの報告がある。ゆえに、確信をもって熱効
果と光励起効果とを識別することが可能なのである。
【0088】この測定において、サンプル408はMS
GC102の前面に配置し、サンプル408とMSGC
102間の距離を8〜9cmとした。キセノン光はサン
プルを照射する光源として使用された。150Wのキセ
ノン光源401は、X線ビーム軸から45°の角度で照
射され、キセノン光源401とサンプル408との間に
は、シャッター404と凸レンズ403を置いた。キセ
ノン光の赤外線部分をカットするために、キセノン光に
はフィルター402が付けられた。
【0089】CrターゲットのX線電子管405及びバ
ナジウムフィルター(Kα=5.4keV)が、X線光
源として使用された。このエネルギーにおいて、回折パ
ターンの歪みは、CuKα(8.0keV)X線の歪み
よりも1.5倍の大きさであると予想されている。ま
た、VO(acac)2 中のバナジウム原子から出る蛍光X線
も、CrKαX線を用いることで最小限に抑えられた。
X線光源は1mmφにコリメートされ、X線電子管の電
圧及び電流はそれぞれ40kV、40mAに設定され
た。検出器は予想される回折パターン(あるいは斑点)
の方向へ傾斜し、MSGCの斜め入射効果を回避した。
この実験においては、この傾斜角は35〜40°であ
る。
【0090】〔3〕測定と分析 MSGCによって求めたVO(acac)2 の粉末X線回折パ
ターンであるデバイ・シェラーリングの像を図15に示
す。図15において、縦縞は放電ストリップによるも
の、横縞は電子読み出し装置が不安定のために生じてい
る。MSGCの検出面は、X線ビームの垂直面より傾斜
しているため、デバイ・シェラーリングの形状は、楕円
あるいは双曲線になる。
【0091】図16は、図15と同じデータで回折角度
2θに対応する粉末回折パターンを示す図である。この
うち、光を照射した時の散乱角が43°であるピークの
移動を、MSGCを用いて測定した。測定したピーク幅
は、図17の通り約1°である。これはMSGC(20
0μm幅の区分幅)の位置決定と、サンプルのサイズ
(0.5mmφ×1mm)によるものである。正確な回
折角度を求めるには、数多くの事象数と統計分析が必要
である。
【0092】X線強度は1.6kW(40kV,40m
A)であり、回折したX線の計算率は、約104 サイク
ル毎秒(cps)である。図17のピークにおける計数
率は、〜140cpsであった。十分な統計を得るため
に、光照射を、6msの開/閉時間を有する光シャッタ
ーによって、10秒または2秒毎と周期的にチョップ
し、光の状態を、サンプルの背後にあるフォトダイオー
ドでモニターした。この光をチョップするタイミング
を、フォトダイオード信号で標識をつけ、それぞれのX
線事象のタイミングと位置データを記録した。
【0093】同様に、回折点の時間変化を[Bu4 N]
4 [Pt2 (pop)4]の単結晶で測定した。測定及び分析
は基本的に粉末回折の場合と同じである。[Bu4 N]
4 [Pt2 (pop)4]の回転写真画像を図18に示す。特
定の回折点を求めるには、まずRCP法によって全ての
回折点を記録し、これを基に、結晶角度を、適切な回折
点が現れる位置に固定した。この測定で、2つの回折点
が選ばれた。分析のための方位角度は、適切な位置角度
の周囲3°幅以内に制限した。
【0094】VO(acac)2 粉末の場合、2θ=42.7
°(CrKα)のリングをピーク移動の測定に選択し
た。図17は、適切なピーク付近の回折パターンであ
る。統計学的手法により、平均値及び誤差が算出され、
図19及び図20の通り、光照射後の経過時間を横軸と
したグラフを作成した。図19では、光のon/off
により変化する回折角度(その1)を示しており、VO
(acac)2 の粉末回折ピークのうち一つが、測定用に選択
された。各データポイントは1秒区分で表示されてい
る。また、図20では、光のon/offにより変化す
る回折角度(その2)を示しており、VO(acac)2 の粉
末回折ピークのうち一つが、測定用に選択された。各デ
ータポイントは100msタイミング区分で示されてい
る。
【0095】これらの図からピーク移動の推定値を出し
た。図示された各点の統計的な誤差は、光照射後の経過
時間で折り畳んで統計量を増やしたために、0.01°
未満に抑えられた。図19で、ピークの位置移動は0.
2°で移動時間は約5秒であった。さらに高速のピーク
移動の因子も、図20の通り分析した。ここでは、回折
ピーク角度は100msの時間間隔を置いて分析され
た。しかしながら、有意に高速のピーク位置変化の因子
は見られなかった。光励起および熱膨張効果によるピー
クの移動方向はサンプルと同じであり、これら二つの効
果は、この平面図において識別不可能である。にも関わ
らず、本願発明者等はMSGCを用いた時間分解測定に
より結晶構造の力学的プロセスを直接に観察可能である
ことを示すことに成功した。
【0096】一方で、[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4
サンプルの光励起測定は、熱効果と光効果との識別がで
きると期待されている。図21は光のon/offによ
り変化する回折角度を示す図であり、回折角度35.7
°及び34.7°の測定結果をそれぞれ図21(a)及
び図21(b)に示す。
【0097】図21において、[Bu4 N]4 [Pt2
(pop)4]単結晶の回折点2点〔図21(a)は2θ=3
5.7°,図21(b)は2θ=34.7°)が、測定
用に選択された。図の一周期においては光照射の終了に
対応する時間を0秒としている。光のon/off周期
の継続時間はどちらも200秒であり、図示された各点
の統計的誤差は、時間的な畳み込み法により統計量を上
げたため0.001°までに達した。この移動が、二つ
のタイミング成分を持っているのは明らかである。うち
1成分は移動時間が約50秒と遅く、ピークは光がon
状態で回折角度の大きい方へ移動した。もう1つは移動
時間が数秒程度と速く、そのピークは低速度成分とは反
対方向へ移動する。これらのピーク移動は、その移動が
どちらも0.2°以下であった。
【0098】光をonした瞬間、近辺の1秒刻みのピー
クの移動を図22に示す。この図では、光照射後1秒毎
に、[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]単結晶の回折点2
θ≒34.7°を用いて分析を行った。図22(a)は
全周期に含まれたデータポイントを、図22(b)は光
照射開始前後の、図22(a)を拡大した点及び線を示
す。この図では、統計量が小さくなるため、統計誤差は
0.003°以下となるが、回折ピークの移動の高速成
分は明らかに観測されている。高速成分の時定数を求め
ると1.9秒であった。
【0099】熱効果のみを原因とするピーク移動の方向
を定めるために、サンプルに温度変化する空気を吹き込
んだ時の、ピーク移動も同様に測定した。温度を変化さ
せながらの散乱角の移動を、図23に示す。図23か
ら、[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]結晶は熱収縮して
いることが分かる。ゆえに、高速成分のピーク移動は光
の照射が原因であり、低速成分のピーク移動は熱効果が
原因であるという結論が導かれる。
【0100】〔4〕MSGCを用いたRCP法による、
結晶構造解析のための基礎実験 (XRD結晶分析の従来の理論)一般に結晶構造は3次
元の構造を持っているが、X線回折写真は2次元画像で
あり、情報量が不足してしまう。しかし、単色X線を使
用した場合において、結晶軸の1つと入射X線ビームの
なす角を連続的に変化させることにより、複数の回折点
を得ることが可能になる。MSGCを用いれば、各X線
粒子の到着時刻を数十nsの時間分解能で計測できるた
め、結晶を回転させながらX線回折写真を撮る場合、回
折像の他に結晶の回転角を正確に求めることも可能にな
る。これによって、一度の測定で、結晶解析に必要な3
次元の情報を得ることが可能になるのである。
【0101】従来は、結晶構造を分析するために、以下
2つの段階が求められた。 (a)サイズ、単位格子の形状、およびサンプルの空間
群を推定する。 (b)回折ポイントの位置及び強度を求める。 任意の波長λを持つX線について、図24の通り、結晶
サンプルからの反射点は、逆格子空間上におけるEwa
ld’s球上に現れる。図24において、500はX線
ビーム軸、501はEwald’s球、502は逆格子
点を示している。
【0102】この逆格子空間Oの原点はEwald’s
球上になくてはならず、原点を含む直径は、入射するX
線の進路と一致する。格子は立体(3次元)だが、従来
のX線回折法が提供できるのは2次元情報のみである。
ゆえに、逆格子の像を得るためには次元がもう一つ必要
となる。Laue法は、逆格子像を得る技術として一般
的なものの一つである。連続スペクトラムを持つX線ビ
ームを用い、極線角度(polar angle)2θ
及び方位角φを持つ格子点をX線フィルム上に投射す
る。この方法では、各点の格子に3次元ポイントを再現
するために、結晶系のような何らかの既知のパラメータ
が必要である。それゆえに軸が未知である結晶の場合に
は、厳密な軸を求めるため、何枚も写真を撮影しなくて
はならない。
【0103】別の一般的な方法として振動写真があり、
これは単色性のX線ビームを用いる。図25に示すよう
に結晶がθ1 とθ2 の間を振動する時、X線フィルム上
に現れた映像は、図25中のグレーで示した部分におけ
る格子点に対応する。図25において、601はEwa
ld’s球、602は逆格子点である。この方法で、回
折点の像は振動角度にわたって蓄積され、格子の厳密な
構造は、既知のパラメータをも用いて推定する必要があ
る。また、回折点を逆格子点に対応させるために、振動
角度を変化させながら数多くの写真を撮影することが要
求される。
【0104】ワイセンベルグカメラにより、逆格子を投
射する方法もある。このカメラの模式構造図を図26に
示す。図26において、701は円筒形X線フィルムの
移動機構、702はスクリーン、703は円筒形X線フ
ィルム、704はX線ビーム、705はサンプルとして
の結晶である。ここで、結晶705は結晶軸の周囲を回
転し、円筒形X線フィルム703は、同じ回転をする結
晶軸と同時に移動する。回転軸方向へ向かうサンプルと
しの結晶705とX線フィルム703との間には円筒形
の隙間があり、任意の回折パターン層を(例;(hk
0),(hk1)・・・)結晶の回転角度に沿って2次
元パターンとして測定する。この測定では、結晶軸の一
つが、回転軸と正確に一致しなくてはならない。この方
法は主に、単位格子のサイズ及び結晶系を求めるのに使
用される。
【0105】全てのX線回折点の正確な強度を測定する
には、4軸X線回折計が一般に使用される。サンプル結
晶は、3軸(φ,κ,ω)の周囲を回転することがで
き、パルス計数器(例;シンチレータや比例計数管)が
2θ軸の周囲を回転する。この回折計を用いて、半径2
/λの球内にある逆格子空間中の格子点と、全ての点の
強度を厳密に測定する。この計数器は0次元タイプ(検
出部分が点状)なので、逆格子空間全てを走査するには
非常に時間がかかる。典型的な未知結晶試料を測定する
には、一般に10〜20時間を要する。
【0106】〔5〕MSGCを用いた3次元結晶測定法 MSGCを用いれば、入射したX線の位置及びタイミン
グの両方を求めることができる。これにより、サンプル
結晶の回転角度は、タイミングと対応させられるので、
回折点の位置及び回転角の両方が測定可能となる。ゆえ
に、MSGCで求めたデータのみを用いて、サンプル結
晶中の逆格子空間を広範囲にわたり即時に計算できる。
この方法を、ここではRCP(回転連続写真=Rota
tionContinuous Photograp
h)法と呼ぶ。この方法を用いれば、3次元の逆格子点
が迅速に(光源強度及び回転速度に依存するが、数分以
下)単位格子のサイズ及び格子定数の二つが、観察した
3次元の点から同時に求められるため、観察できるのみ
ならず、結晶軸と回転軸が厳密に一致する必要もなくな
る。よって、軸を固定するためにX線映像の測定を繰り
返し試みる必要がない。さらに、それぞれの回折点の強
度は、MSGCのパルス計数能力により、正確に計算で
きる。
【0107】〔6〕RCP法の測定及び結果 ここでは、MSGCを用いたRCP測定を実際に行った
結果について述べる。X線源としては、銅製ターゲット
とニッケル製フィルター(Kα:8.0keV)を備え
たX線電子管を使用した。結晶サンプルとして、フェノ
チアジンとベンジル酸の化合物を用いた。このサンプル
は、回転ゴニオメーター(角度計)上に配置された。結
晶の回転速度は、1サイクルにつき216秒であり、こ
れは毎秒5/3°に相応する。MSGCをX線ビームと
垂直に置き、ビームの中心は検出領域の端に位置するよ
うに配置した。
【0108】図27にこの実験の概略図を示す。図27
において、801はX線電子管(Cuターゲット8.0
keV)、802は回転ゴニオメーター(回転角度計)
〔5/3(°/秒)〕、803はサンプルである。そこ
で、回折したX線の位置及びそのタイミングを、MSG
C102と前記した高速データ収集システム110を用
いて測定した。X線電子管801の電圧及び電流はそれ
ぞれ40kVと40mAであり1mmφにコリメートさ
れたX線ビームをサンプル803に照射した。サンプル
803のサイズは約(0.5mm)3 である。この測定
で、カウント率は毎秒2000〜10000事象であ
り、各々のX線事象(位置・タイミング)が全て記録さ
れた。
【0109】一回転分の回折パターンの積分画像を図2
8に示す。この図は、回転写真画像に相当する。この図
では、回折点以外のX線の散乱が数多く見られる。ま
た、結晶軸が回転軸と正確に一致していないことが分か
る。図29に0.3秒毎に観察された連続映像を示す。
それぞれの写真は振動するX線写真の0.5°幅と一致
する。回折点は、図28中の積分画像と比べて非常に明
瞭であることが分かる。時間(角度)分析による回折点
のSN比は、この測定においては、100〜300程度
であった。
【0110】2次元の位置(x,y)と、結晶の回転角
度(φ)の大きさによって示される3次元像を図30に
示す。また、この図の(y,φ)面への投影図を図31
に示す。0.5°の範囲内に集中したピークが見られる
が、これによりピークから離れた散乱を、角度情報を用
いて容易に除去できることが分かる。図32は図30か
らこの散乱除去方法を応用した後の図である。
【0111】なお、上記実施例では固体結晶の測定につ
いて述べたが、これに限定するものではなく、以下のよ
うな超高速での動きがある試料の測定を行うことができ
る。 (1)液体の試料においても、固体結晶と同様に高速時
分割X線回折像を得ることができる。これによって、溶
液の光・熱などによる物理的変化や、物質混合による化
学的変化、蛋白質の構造変化に代表されるような生物学
的変化の直接観察が可能になる。
【0112】(2)X線回折(散乱)像だけでなく、X
線透過像の時分割測定も可能である。これによって、配
管中の流体の流れや、生体中の血液の流れなどを被測定
物を破壊することなく、実時間撮影することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これ
らを本発明の範囲から排除するものではない。
【0113】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、迅速にして大量の
イメージングマイクロストリップガスチャンバーの出力
信号を処理することができ、粒子線の測定を確実に行う
ことができる。
【0114】(2)請求項2記載の発明によれば、微弱
な信号パルスを増幅し、確実な弁別信号を得ることがで
きる。 (3)請求項3記載の発明によれば、精度の高い入射粒
子線の2次元座標値を得ることができる。 (4)請求項4記載の発明によれば、データ収集システ
ムを集積化し、コンパクトに構成することができる。
【0115】(5)請求項5記載の発明によれば、高速
データ収集システムにおいて用いられる大面積で、しか
も形状が柔軟性を有する2次元MSGCを提供すること
ができる。 (6)請求項6記載の発明によれば、陰極ストリップの
両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆するようにし
たので、電極の破壊を有効に防止することができる。
【0116】(7)請求項7記載の発明によれば、弾性
を有する有機薄膜としてポリイミド膜を用いるようにし
たので、大面積化が可能で、形状が柔軟性を有する面上
に、均一な像を描くことができる。 (8)請求項8記載の発明によれば、基板の表面に有機
チタニウムをコーティングするようにしたので、その基
板表面上の抵抗値を制御し、基板表面チャージングを抑
制することができる。
【0117】(9)請求項9記載の発明によれば、バッ
クストリップの下方にICパッケージを設け、このIC
パッケージをLSI高密度パッケージとするようにした
ので、コンパクトで高密度に集積された2次元MSGC
を提供することができる。大面積、例えば、10cm×
10cmの有効面積をもつ大きな2次元MSGCを設計
することができる。この2次元MSGCはほぼ1000
のチャネルを有し、回路ボードに直接載置し、その上に
増幅器を設けることができる。
【0118】(10)請求項10記載の発明によれば、
バックストリップを微小スルーホールを介して、基板の
上面の第1のボンディングパッドに接続し、ICパッケ
ージの端部を立ち上げて壁部を設け、この壁部の上面に
第2のボンディングパッドを形成し、この第2のボンデ
ィングパッドと第1のボンディングパッドとをボンディ
ングワイヤで接続するようにしたので、高密度化が可能
で、しかも配線を容易に行うことができる。
【0119】また、一般的に、半導体分野で利用されて
いる、スルーホール、マイクロレジスターやキャパシタ
ーの形成などの多岐にわたるマイクロエレクトロニクス
技術を用いることが可能である。 (11)請求項11記載の発明によれば、大X線強度照
射において安定した動作を行うX線イメージング検出器
を得ることができる。
【0120】X線照射で2×107 Hz/mm2 レベル
の高い計数条件における良好な動作が可能である。同時
に100μm以下の高い位置分解能の非常に鮮明な像を
得ることができる。 (12)請求項12記載によれば、動きのある試料にX
線ビームを照射し、X線回折による試料の超高速な変化
のプロセスを直接観察することができ、試料の研究に資
することが著大である。
【0121】(13)請求項13記載の発明によれば、
X線回折による固体結晶構造の変化のプロセスを直接観
察し、固体結晶の挙動を迅速、的確に測定することがで
きる。 (14)請求項14記載の発明によれば、試料の変化の
プロセスを短い時間分解能で測定することができる。
【0122】(15)請求項15記載の発明によれば、
固体結晶の励起状態を迅速、的確に測定することができ
る。 (16)請求項16記載の発明によれば、3次元結晶の
変化のプロセスを迅速、的確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すMSGCのデータ収集シ
ステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例を示すMSGCの分解斜視図で
ある。
【図3】本発明の実施例を示すMSGCの陰極ストリッ
プのエッジの被覆状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す5cm×5cmの2次元
MSGCが搭載されたPGAパッケージの構造を示す図
である。
【図5】本発明の実施例を示す2次元MSGCが搭載さ
れたICパッケージの部分断面図である。
【図6】本発明の実施例を示すMSGCの出力信号の同
期化回路図(1チャンネル)である。
【図7】本発明の実施例を示すMSGCの出力信号の同
期化回路の各部の波形図(1チャンネル)である。
【図8】本発明の実施例を示すMSGCの出力信号の同
期化回路図(多チャンネル)である。
【図9】本発明の実施例を示すデータエンコーダ回路の
概略構成図である。
【図10】本発明の実施例を示すX線の入射強度と、実
際にデータを得ることのできたカウント数の相関の実測
結果を示す図である。
【図11】本発明の実施例を示すデータ収集システムを
用いたペンダントの2次元X線透過像の例を示す図であ
る。
【図12】VO(acac)2 の構成を示す図である。
【図13】[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]の構成を示
す図である。
【図14】本発明の光励起測定の実験装置を示す図であ
る。
【図15】10cm四方MSGCの、粉末VO(acac)2
のX線回折映像を示す図である。
【図16】回折角度に対応するVO(acac)2 の粉末回折
パターンを示す図である。
【図17】回折角度が40°付近のVO(acac)2 粉末X
線回折パターンの一部を示す図である。
【図18】10cm四方MSGCによって撮影した[B
4 N]4 [Pt2 (pop)4]の回転写真画像を示す図で
ある。
【図19】光のon/offにより変化する回折角度を
示す図(その1)である。
【図20】光のon/offにより変化する回折角度を
示す図(その2)である。
【図21】光のon/offにより変化する回折角度を
示す図である。
【図22】光励起(光on/off後、0〜5秒)及び
熱効果(光on/off後、5〜50秒)における回折
ピーク移動の時間変化を示す図である。
【図23】[Bu4 N]4 [Pt2 (pop)4]単結晶の回
折点2θ=34.7°を用いた温度変化による回折ピー
ク移動を示す図である。
【図24】逆格子空間及びEwald’s球を示す図で
ある。
【図25】振動写真画像のEwald’s球を示す図で
ある。
【図26】ワイセンベルグカメラの模式構造図である。
【図27】RCP法を用いた実験装置を示す図である。
【図28】10cm四方MSGCを用いた、フェノチア
ジンとベンジル酸の化合物の回転写真画像を示す図であ
る。
【図29】0.3秒毎の露出時間に撮影された、連続写
真画像を示す図である。
【図30】平面図の位置(x,y)及び結晶の回転角度
(φ)に従って各点が示された回折点の立体映像を示す
図である。
【図31】図30のy−φ平面への立体投射図である。
【図32】タイミング(φ軸)情報を用いて雑音除去を
応用した後の、RCP法を用いた立体映像を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基板(サブストレート) 1A 微小スルーホール 2 陽極ストリップ 3 陰極ストリップ 4 ベース基板 5 バックストリップ 6 ドリフト板 10 第1のボンディングパッド 11 ICパッケージ 11A 壁部 12 裏面のピン 13 第2のボンディングパッド 14 ボンディングワイヤ 101 マザーボード 102 2次元MSGC 103,104 前置増幅器・波高弁別器 105 前置増幅器 106 ADC 110 高速データ収集システム(VME規格のデー
タ収集システム) 111 第1の信号同期化回路 112 第2の信号同期化回路 113 第1のエンコーダ 114 第2のエンコーダ 115 入射粒子線のヒット判定回路 116 大容量記憶装置 117 コンピュータ(CPU) 201 第1のフリップフロップ 202 第2のフリップフロップ 203 第3のフリップフロップ 204 OR回路 301 信号合成回路 302 信号の重なりチェック回路 303 エンコーダ 304 中位ビット用信号処理回路 305 上方優先エンコーダ 306 下方優先エンコーダ 307 加算器 308 減算器 401 キセノン光源 402 フィルタ 403 凸レンズ 404 シャッター 405 X線電子管〔クロミウム(Cr)ターゲット
5.4keV) 406 ホトダイオード 407 タイミング発生器 408 サンプル 500 X線ビーム軸 501,601 Ewald’s球 502,602 逆格子点 701 円筒形X線フィルムの移動機構 702 スクリーン 703 円筒形X線フィルム 704 X線ビーム 705,803 サンプル(結晶) 801 X線電子管(Cuターゲット8.0keV) 802 回転ゴニオメーター(回転角度計)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 谷森ら,”MicroStrip G as Chamberが切り開く新たな X線画像解析法”,電気学会原子力研究 会試料,社団法人電気学会,平成9年9 月8日,NE−97−1〜6,p.1−6 越智,マイクロストリップガスチェン バーの開発”,ICRP報告,東京大学 宇宙線研究所,平成8年10月,116−96 −1,p.81−88 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01T 1/18 - 1/185 G01T 1/00 H01J 47/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元のマイクロストリップガスチャン
    バー高速データ収集システムにおいて、(a)2次元の
    マイクロストリップガスチャンバーの陽極と背面から出
    力される信号を二値化する弁別回路と、(b)該弁別回
    路により二値化された非同期である信号をクロック同期
    に変換する信号同期化回路と、(c)該信号同期化回路
    に接続されるデータエンコーダ回路と、(d)該データ
    エンコーダ回路に接続され、2次元の軸に対応する各信
    号線のうち、同じタイミングで近接した数本の信号入力
    があった場合は、その中心の値を出力し、同じタイミン
    グで離れた場所に信号入力があった場合は、その信号を
    無効とする入射粒子線ヒット判定回路と、(e)該入射
    粒子線ヒット判定回路に接続され、入射粒子線の縦座標
    の位置と横座標の位置、粒子線の入射タイミング、出力
    信号の広がり、全体のパルス高から得られる入射粒子線
    のエネルギーを各事象毎に記録する記憶装置と、(f)
    該記憶装置に接続されるコンピュータを具備することを
    特徴とするマイクロストリップガスチャンバー高速デー
    タ収集システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記マイ
    クロストリップガスチャンバーの陽極とバック電極に増
    幅器を接続し、該増幅器によって増幅された出力信号を
    前記弁別回路に入力するようにしたことを特徴とするマ
    イクロストリップガスチャンバー高速データ収集システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記デー
    タエンコーダ回路は、上位優先エンコーダと、下位優先
    エンコーダと、加算回路を備え、前記上位優先エンコー
    ダと下位優先エンコーダを用いてそれぞれ上位、下位の
    信号線の値を求め、この平均値をとることにより、入射
    粒子線の座標を求めるようにしたことを特徴とするマイ
    クロストリップガスチャンバー高速データ収集システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記信号
    同期化回路、データエンコーダ回路及び入射粒子線ヒッ
    ト判定回路とをCPLDで構成することを特徴とするマ
    イクロストリップガスチャンバー高速データ収集システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記2次
    元のマイクロストリップガスチャンバーは、(a)弾性
    を有する有機薄膜からなる基板と、(b)該基板上に形
    成され、交互に平行に配置される陽極ストリップと陰極
    ストリップと、(c)前記陽極ストリップと陰極ストリ
    ップ間に印加される高電圧と、(d)前記基板の下面に
    形成され、前記陽極ストリップと陰極ストリップに交差
    するバックストリップと、(e)所定の間隔を隔てて配
    置されるドリフト板と、(f)前記基板の表面と前記ド
    リフト板間に流通するガスとを備え、(g)前記ガスの
    電子増幅を起こしてX線又は粒子線の信号を取り出し、
    2次元座標の同時計測を行うことを特徴とするマイクロ
    ストリップガスチャンバー高速データ収集システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記陰極
    ストリップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆
    することを特徴とするマイクロストリップガスチャンバ
    ー高速データ収集システム。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のマイクロストリッ
    プガスチャンバー高速データ収集システムにおいて、前
    記弾性を有する有機薄膜はポリイミド膜であることを特
    徴とするマイクロストリップガスチャンバー高速データ
    収集システム。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記基板
    の表面に有機チタニウムをコーティングし、表面抵抗を
    制御することを特徴とするマイクロストリップガスチャ
    ンバー高速データ収集システム。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のマイクロストリップガス
    チャンバー高速データ収集システムにおいて、前記バッ
    クストリップの下方にICパッケージを設け、該ICパ
    ッケージをLSI高密度パッケージとしたことを特徴と
    するマイクロストリップガスチャンバー高速データ収集
    システム。
  10. 【請求項10】 請求項5記載のマイクロストリップガ
    スチャンバー高速データ収集システムにおいて、前記バ
    ックストリップを微小スルーホールを介して、前記基板
    の上面の第1のボンディングパッドに接続し、前記IC
    パッケージの端部を立ち上げて壁部を設け、該壁部の上
    面に第2のボンディングパッドを形成し、該第2のボン
    ディングパッドと前記第1のボンディングパッドとをボ
    ンディングワイヤで接続することを特徴とするマイクロ
    ストリップガスチャンバー高速データ収集システム。
  11. 【請求項11】 請求項5記載のマイクロストリップガ
    スチャンバー高速データ収集システムにおいて、X線照
    射を用いたX線イメージング検出器として構成すること
    を特徴とするマイクロストリップガスチャンバー高速デ
    ータ収集システム。
  12. 【請求項12】2次元のマイクロストリップガスチャン
    バーの陽極と背面から出力される信号を二値化する弁別
    回路と、 該弁別回路により二値化された非同期である信号をクロ
    ック同期に変換する信号同期化回路と、 該信号同期化回路に接続されるデータエンコーダ回路
    と、 該データエンコーダ回路に接続され、2次元の軸に対応
    する各信号線のうち、同じタイミングで近接した数本の
    信号入力があった場合は、その中心の値を出力し、同じ
    タイミングで離れた場所に信号入力があった場合は、そ
    の信号を無効とする入射粒子線ヒット判定回路と、 該入射粒子線ヒット判定回路に接続され、入射粒子線の
    縦座標の位置と横座標の位置、粒子線の入射タイミン
    グ、出力信号の広がり、全体のパルス高から得られる入
    射粒子線のエネルギーを各事象毎に記録する記憶装置
    と、 該記憶装置に接続されるコンピュータを具備する2次元
    のマイクロストリップガスチャンバー高速データ収集シ
    ステムを構成し、 前記2次元のマイクロストリップガスチャンバーは、 弾性を有する有機薄膜からなる基板と、 該基板上に形成され、交互に平行に配置される陽極スト
    リップと陰極ストリップと、 前記陽極ストリップと陰極ストリップ間に印加される高
    電圧と、 前記基板の下面に形成され、前記陽極ストリップと陰極
    ストリップに交差するバックストリップと、 所定の間隔を隔てて配置されるドリフト板と、 前記基板の表面と前記ドリフト板間に流通するガスとを
    備え、 動きのある試料にX線ビームを照射し、X線回折による
    試料の超高速な変化のプロセスを直接観察可能にするこ
    とを特徴とする試料の測定方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の試料の測定方法にお
    いて、前記試料は固体結晶であり、該固体結晶構造の変
    化のプロセスを観察可能にすることを特徴とする試料の
    測定方法。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の試料の測定方法にお
    いて、前記試料の変化のプロセスを1000分の1秒以
    下の単位で測定することを特徴とする試料の測定方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の試料の測定方法にお
    いて、前記固体結晶の励起状態を観察することを特徴と
    する試料の測定方法。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の試料の測定方法にお
    いて、回転連続写真法によりX線回折したX線の位置及
    びそのタイミングを計測し、3次元結晶構造を明らかに
    することを特徴とする試料の測定方法。
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