JP2843243B2 - 耐食性鋳鉄管の製造方法 - Google Patents
耐食性鋳鉄管の製造方法Info
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- JP2843243B2 JP2843243B2 JP30809893A JP30809893A JP2843243B2 JP 2843243 B2 JP2843243 B2 JP 2843243B2 JP 30809893 A JP30809893 A JP 30809893A JP 30809893 A JP30809893 A JP 30809893A JP 2843243 B2 JP2843243 B2 JP 2843243B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、砂型により鋳造される
異形管等の耐食性鋳鉄管の製造方法に関するものであ
る。
異形管等の耐食性鋳鉄管の製造方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、鋳鉄管の多くが金型遠心力鋳造法
を利用して製造されており、鋳造後、該鋳鉄管は通常フ
ェライト化焼鈍熱処理が行われるが、焼鈍の際、焼鈍炉
内の酸化性雰囲気に曝されるため、外周面が酸化されて
厚いスケールが生成し易い。そこで、鋳鉄管の外周面に
厚いスケールが生成するのを防止すると共に優れた耐食
性を有する皮膜を形成すべく、焼鈍処理前の鋳鉄管の外
周面にＡｌ又はＡｌ合金皮膜を被着し、該鋳鉄管を焼鈍
熱処理し、前記皮膜を酸化して外周面に酸化アルミニウ
ム皮膜を形成する方法が提案されている（特願平１−２
８８５３５号）。
を利用して製造されており、鋳造後、該鋳鉄管は通常フ
ェライト化焼鈍熱処理が行われるが、焼鈍の際、焼鈍炉
内の酸化性雰囲気に曝されるため、外周面が酸化されて
厚いスケールが生成し易い。そこで、鋳鉄管の外周面に
厚いスケールが生成するのを防止すると共に優れた耐食
性を有する皮膜を形成すべく、焼鈍処理前の鋳鉄管の外
周面にＡｌ又はＡｌ合金皮膜を被着し、該鋳鉄管を焼鈍
熱処理し、前記皮膜を酸化して外周面に酸化アルミニウ
ム皮膜を形成する方法が提案されている（特願平１−２
８８５３５号）。
【０００３】一方、砂型で鋳造された異形管等の比較的
厚肉の鋳鉄管は、鋳放し状態で基地がフェライト化され
ているため、フェライト化焼鈍を行わないのが通例であ
る。そこで、かかる鋳鉄管の表面の耐食性を向上させる
ために、管表面に溶射金属層を形成する場合もある。該
溶射金属層はポーラスで耐食性が十分でないので、焼鈍
によって溶射金属層を緻密な酸化物層とすることも可能
である。
厚肉の鋳鉄管は、鋳放し状態で基地がフェライト化され
ているため、フェライト化焼鈍を行わないのが通例であ
る。そこで、かかる鋳鉄管の表面の耐食性を向上させる
ために、管表面に溶射金属層を形成する場合もある。該
溶射金属層はポーラスで耐食性が十分でないので、焼鈍
によって溶射金属層を緻密な酸化物層とすることも可能
である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、砂型鋳造鋳鉄
管の場合、本来フェライト化焼鈍が不要であるにもかか
わらず、耐食性向上のために焼鈍熱処理を必要とし、極
めて不経済でコスト高になるという難点がある。本発明
は、上述のような問題点に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、耐食性の良好な砂型鋳造鋳鉄管を
容易に、かつ経済的に製造しうる方法を提供するにあ
る。
管の場合、本来フェライト化焼鈍が不要であるにもかか
わらず、耐食性向上のために焼鈍熱処理を必要とし、極
めて不経済でコスト高になるという難点がある。本発明
は、上述のような問題点に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、耐食性の良好な砂型鋳造鋳鉄管を
容易に、かつ経済的に製造しうる方法を提供するにあ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、鋳鉄管鋳造用砂型の表面の一部又は全部に、鉄と
の合金化が可能な耐食金属であるアルミ又はアルミ合金
を付着し、前記砂型内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、
溶湯熱で前記耐食金属を溶かして異形鋳鉄管表面の一部
又は全部に、その厚み方向にアルミの含有率が異なる鉄
・アルミ合金からなる耐食合金層を形成することを特徴
としている。
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、鋳鉄管鋳造用砂型の表面の一部又は全部に、鉄と
の合金化が可能な耐食金属であるアルミ又はアルミ合金
を付着し、前記砂型内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、
溶湯熱で前記耐食金属を溶かして異形鋳鉄管表面の一部
又は全部に、その厚み方向にアルミの含有率が異なる鉄
・アルミ合金からなる耐食合金層を形成することを特徴
としている。
【０００６】
【作用】本発明によれば、砂型を構成する主型又は／及
び中子型の表面に溶射や塗布等により付着された耐食金
属は、砂型内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、溶湯熱で
溶融され、鋳鉄と合金化して耐食合金層を形成する。こ
のようにして鋳造された鋳鉄管の外周面又は／及び内周
面には、鋳放し状態で耐食合金層が形成されている。
び中子型の表面に溶射や塗布等により付着された耐食金
属は、砂型内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、溶湯熱で
溶融され、鋳鉄と合金化して耐食合金層を形成する。こ
のようにして鋳造された鋳鉄管の外周面又は／及び内周
面には、鋳放し状態で耐食合金層が形成されている。
【０００７】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図面は、砂型からなる鋳型１を用いて異形鋳鉄管２
を製造する本発明の一実施例の説明図で、前記鋳型１は
主型１Ａと中子型１Ｂとにより構成されており、主型１
Ａの内表面には、鉄との合金化が可能な耐食金属である
Ａｌ３を、約１５０μの厚さで溶射し、その後、中子型
１Ｂをセットする。
る。図面は、砂型からなる鋳型１を用いて異形鋳鉄管２
を製造する本発明の一実施例の説明図で、前記鋳型１は
主型１Ａと中子型１Ｂとにより構成されており、主型１
Ａの内表面には、鉄との合金化が可能な耐食金属である
Ａｌ３を、約１５０μの厚さで溶射し、その後、中子型
１Ｂをセットする。
【０００８】このようにして、Ａｌ３が溶射された鋳型
１内に、ダクタイル鋳鉄（Ｃ：３．５３％，Ｓｉ：２．
７５％，Ｍｇ：０．０３５％）の溶湯４を１３７０℃で
鋳込み（図２（ａ）参照）、製品である鋳鉄管２が３０
０℃まで冷却された時点で型バラシを行った。溶湯４の
鋳込みによって、Ａｌ３が溶融して鉄と合金化し、図２
（ｂ）に示すように鉄・アルミ合金層５が鋳鉄管２の外
周面に皮膜状に形成される。
１内に、ダクタイル鋳鉄（Ｃ：３．５３％，Ｓｉ：２．
７５％，Ｍｇ：０．０３５％）の溶湯４を１３７０℃で
鋳込み（図２（ａ）参照）、製品である鋳鉄管２が３０
０℃まで冷却された時点で型バラシを行った。溶湯４の
鋳込みによって、Ａｌ３が溶融して鉄と合金化し、図２
（ｂ）に示すように鉄・アルミ合金層５が鋳鉄管２の外
周面に皮膜状に形成される。
【０００９】そこで、鋳造された製品鋳鉄管２を切断し
て、肉厚方向で顕微鏡観察を行ったところ、管外周面側
に約１８５μの鉄・アルミ合金層５が形成されているこ
とを確認できた。また、鋳鉄管２の顕微鏡試片をＥＰＭ
Ａによりアルミ濃度分析を行ったところ、前記合金層５
の最外周面には５８％のアルミが、またその最内面には
１３％のアルミが検出され、良好な耐食金属皮膜が形成
されていることが判明した。
て、肉厚方向で顕微鏡観察を行ったところ、管外周面側
に約１８５μの鉄・アルミ合金層５が形成されているこ
とを確認できた。また、鋳鉄管２の顕微鏡試片をＥＰＭ
Ａによりアルミ濃度分析を行ったところ、前記合金層５
の最外周面には５８％のアルミが、またその最内面には
１３％のアルミが検出され、良好な耐食金属皮膜が形成
されていることが判明した。
【００１０】本発明における耐食金属（合金を含む）３
は、溶射に代えて粉末状として鋳型表面に塗布すること
ができ、粉末状の場合は、金属粉末に有機バインダーを
混ぜて塗布してもよい。耐食金属３の溶射又は塗布厚さ
は、８０〜３００μｍ程度でよい。上記実施例では、鋳
型１の主型１Ａの内面に耐食金属３を溶射したが、耐食
性の要求される部分、例えば中子型１Ｃの表面又は主型
１Ａ内面と中子型１Ｃの両方、更には鋳型表面全面に耐
食金属を付着してもよい。
は、溶射に代えて粉末状として鋳型表面に塗布すること
ができ、粉末状の場合は、金属粉末に有機バインダーを
混ぜて塗布してもよい。耐食金属３の溶射又は塗布厚さ
は、８０〜３００μｍ程度でよい。上記実施例では、鋳
型１の主型１Ａの内面に耐食金属３を溶射したが、耐食
性の要求される部分、例えば中子型１Ｃの表面又は主型
１Ａ内面と中子型１Ｃの両方、更には鋳型表面全面に耐
食金属を付着してもよい。
【００１１】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、材質上はダクタイル鋳鉄以外の普通鋳鉄にも採
用しうること勿論である。
はなく、材質上はダクタイル鋳鉄以外の普通鋳鉄にも採
用しうること勿論である。
【００１２】
【発明の効果】本発明は、上述のように、鋳鉄管鋳造用
砂型の表面の一部又は全部に、鉄との合金化が可能な耐
食金属であるアルミ又はアルミ合金を付着し、前記砂型
内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、溶湯熱で前記耐食金
属を溶かして異形鋳鉄管表面の一部又は全部に、その厚
み方向にアルミの含有率が異なる鉄・アルミ合金からな
る耐食合金層を形成することを特徴とするものであるか
ら、耐食性の良好な鋳鉄管を、至極容易に、かつ焼鈍熱
処理を要することなく経済的に得ることができ、大幅に
生産性が向上する。
砂型の表面の一部又は全部に、鉄との合金化が可能な耐
食金属であるアルミ又はアルミ合金を付着し、前記砂型
内に鋳鉄溶湯を鋳込むことにより、溶湯熱で前記耐食金
属を溶かして異形鋳鉄管表面の一部又は全部に、その厚
み方向にアルミの含有率が異なる鉄・アルミ合金からな
る耐食合金層を形成することを特徴とするものであるか
ら、耐食性の良好な鋳鉄管を、至極容易に、かつ焼鈍熱
処理を要することなく経済的に得ることができ、大幅に
生産性が向上する。
【図１】本発明の実施例に係る砂型鋳型の中央縦断面図
である。
である。
【図２】図１のＡ部拡大図で、（ａ）は鋳型内に溶湯を
鋳込んだ直後の状態、（ｂ）は型バラシ前の状態を示し
ている。
鋳込んだ直後の状態、（ｂ）は型バラシ前の状態を示し
ている。
１ 鋳型 １Ａ 主型 １Ｂ 中子型 ２ 鋳鉄管 ３ 耐食金属（Ａｌ） ４ 溶湯 ５ 鉄・アルミ合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B22D 19/00 B22C 3/00 B22D 19/08
Claims (1)
- 【請求項１】 鋳鉄管鋳造用砂型の表面の一部又は全部
に、鉄との合金化が可能な耐食金属であるアルミ又はア
ルミ合金を付着し、前記砂型内に鋳鉄溶湯を鋳込むこと
により、溶湯熱で前記耐食金属を溶かして異形鋳鉄管表
面の一部又は全部に、その厚み方向にアルミの含有率が
異なる鉄・アルミ合金からなる耐食合金層を形成するこ
とを特徴とする耐食性鋳鉄管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30809893A JP2843243B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐食性鋳鉄管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30809893A JP2843243B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐食性鋳鉄管の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07155929A JPH07155929A (ja) | 1995-06-20 |
| JP2843243B2 true JP2843243B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=17976845
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30809893A Expired - Fee Related JP2843243B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐食性鋳鉄管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2843243B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001269767A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-10-02 | Kurimoto Ltd | 球状黒鉛鋳鉄製品の製造方法 |
| JP3723522B2 (ja) * | 2001-08-03 | 2005-12-07 | 富士通株式会社 | 金属成形体製造方法 |
| CN104889339A (zh) * | 2015-05-28 | 2015-09-09 | 南京皓威机械有限公司 | 散热管道模具 |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP30809893A patent/JP2843243B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07155929A (ja) | 1995-06-20 |
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