JP2842322B2 - 静電式インクジェット記録ヘッド - Google Patents

静電式インクジェット記録ヘッド

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JP2842322B2
JP2842322B2 JP21477095A JP21477095A JP2842322B2 JP 2842322 B2 JP2842322 B2 JP 2842322B2 JP 21477095 A JP21477095 A JP 21477095A JP 21477095 A JP21477095 A JP 21477095A JP 2842322 B2 JP2842322 B2 JP 2842322B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/06Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by electric or magnetic field
    • B41J2002/061Ejection by electric field of ink or of toner particles contained in ink

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式インクジェ
ット記録ヘッドに係り、特に、電界の作用により帯電ト
ナーを吐出させて記録動作を行う静電式インクジェット
記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の静電式インクジェット記録ヘッ
ドとして、特開昭61−57343号公報に記載のもの
がある。この公報記載のものは、インク導入口を備えイ
ンクを一時的に蓄えるインク室と、このインク室に通ず
るインク流路およびノズルと、このノズルの先端に設け
られた吐出孔とを備えている。ここでインク室の底面と
インク流路及びノズルの底面とは、流れ抵抗等を考慮し
て同一面上に一直線に形成されている。このうち、ノズ
ルの先端部分にはインク吐出制御用の信号電極が装備さ
れ、一方、インク室またはインク流路には補助電極が装
備されている。
【0003】そして、この信号電極及び補助電極に所定
の電圧が印加されることにより電界が形成され、この電
界の作用を受けてノズル部に溜まった帯電インクが吐出
されるようになっている。また、インクの吐出後にはノ
ズル部に不足したインクを補うためにインク室内または
インク流路に多孔質体で形成された部材を設け、この多
孔質体の作用により、インク室内のインクがノズル側に
有効に供給されるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、製造にあたりインク室内やインク流路
内に多孔質体を配設する必要があり、製造工程が複雑化
する不都合や形成に高精度が要求される不都合があっ
た。また、信号電極と補助電極とを同一面上に設けこれ
らが短絡しないよう間隔を隔てて配設しているので、ヘ
ッド全体が大型化する不都合があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、製造工程が比較的容易であり、かつ、
小型化を図った静電式インクジェット記録ヘッドを提供
することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、帯電トナーを含むインクを貯留するインク室と、こ
のインク室に通ずるスリット状のインク流路と、このイ
ンク流路の先端に設けられたインク吐出孔とを備えてい
る。また、このインク吐出孔の近傍に設けられインク流
路に溜まったインクに含まれる帯電トナーに吐出力を付
勢する電界を形成する吐出電極と、この吐出電極に併設
されインク吐出孔からの帯電トナーの吐出を阻止する電
界を形成する吐出制御電極とを有している。そして、吐
出電極と吐出制御電極とを絶縁層を介して積層配設し
た、という構成を採っている。
【0007】本発明では、例えば図2に示すように、例
えば基板1上に吐出電極2cを形成した後に絶縁層Z1
を形成し、この絶縁層Z1 の上で吐出電極2cと重なる
位置に吐出制御電極3bを形成し、更に、例えばこの吐
出制御電極3bの上に絶縁層Z2 を形成した後にこれら
の電極2c,3bに重ねて流路隔壁7やインク吐出孔8
を設ける。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、インク流路
を囲む面のうち、インク室との連結面とこのインク室と
の連結面に接続され互いに対向する少なくとも1組の側
面とに帯電トナーの電気泳動を付勢する泳動電極を配設
した、という構成を採っている。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、インク流路
を囲む面のうち、インク室との連結面とこのインク室と
の連結面に接続された上面及び下面とに帯電トナーの電
気泳動を付勢する泳動電極を配設すると共に、上面に配
された泳動電極とインク流路との間に、当該上面に配さ
れた電極の支持部材を設けた、という構成を採ってい
る。
【0010】請求項2又は3記載の発明では、インク流
路を囲む面の泳動電極に所定の電圧が印加されると、イ
ンク流路中の帯電トナーが電気泳動によりインク吐出孔
付近に移動される。
【0011】請求項4記載の発明では、インク流路の上
面に配された電極と、支持部材とが一体的に形成される
構成を採っている。
【0012】本発明では、例えば、PSP法(Photo Sel
ectiove Plating),APE法(Additiive Photo Etchin
g) やMold-n-Plate法等により帯電トナー泳動用の電極
が支持部材上に一体的に形成される。
【0013】請求項5記載の発明では、吐出電極がイン
ク流路のインク移動方向に沿って帯状に形成される構成
を採っている。
【0014】本発明では、例えば帯状の吐出電極を平行
に複数本形成する。
【0015】請求項6記載の発明では、帯状の吐出電極
を基板上に複数平行に形成すると共に、吐出制御電極を
当該複数の吐出電極と直行する帯状に形成した、という
構成を採っている。
【0016】本発明では、複数の吐出電極による吐出動
作が1本の吐出制御電極により制御される。
【0017】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、複数の吐出
電極及び一つの吐出制御電極を一組としてこれらを基板
上に少なくとも2組並列に形成すると共に、これら各組
の対応する吐出電極を吐出制御電極と平行に設けた帯状
の短絡部材でそれぞれ短絡した、という構成を採ってい
る。
【0018】本発明では、吐出電極の数によらず、外部
のヘッド駆動装置との接点が1組分の吐出電極の数で足
りる。
【0019】請求項8記載の発明は、泳動電極の一部を
インク流路に剥き出しにした構成となっている。
【0020】本発明では、泳動電極に電圧が印加される
と、帯電トナーの飛翔後に吐出電極近傍で発生した余剰
のカウンターイオン(帯電トナーと逆極性)が強制的に
放電される。
【0021】これらにより、前述した目的を達成しよう
とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1では、図2
乃至図4に示す第1の泳動電極5,第2の泳動電極1
1,支持部材13及びカバー部材14の図示を省略して
ある。
【0023】図1乃至図4において、基板1(ベース基
板)上には、複数の吐出電極2a〜2hが形成されてい
る。本実施形態において、基板1はSi材料で形成され
た絶縁体である。これによらず、基板1はガラス材料等
により形成されたものでも良い。複数の吐出電極2a〜
2hはそれぞれ帯状に形成され、本実施形態では8本が
平行に形成されている。この吐出電極2a〜2hは、基
板1表面の全面にスパッタしたクロム等の導電性材料を
フォトリソグラフィによりパターン形成されている。本
実施形態において、各吐出電極2a〜2hはそれぞれ3
00dpiピッチ、即ち約85μm間隔で形成されてい
る。
【0024】この吐出電極2a〜2hの吐出側先端部
は、鋭い針状に形成されている。また、この吐出電極2
a〜2hが形成された第1の配線層H1 には、当該吐出
電極2a〜2hの他に、吐出制御電極3a,3bの一部
3a1 ,3a2 ,3b1 ,3b2 が当該吐出電極2a〜
2hと平行に形成されている。吐出電極2a〜2hは、
図1の上方と下方で4本ずつに2組L,Uに分けられて
いる。上述した吐出制御電極3a,3bの一部3a1
3a2 ,3b1 ,3b2 は、吐出電極の組L,Uにそれ
ぞれ対応して2本ずつ形成されている。
【0025】第1の配線層H1 の上層には第1の絶縁層
1 が一面に形成され、この第1の絶縁層Z1 の更に上
層に第2の配線層H2 が設けられている。この第2の配
線層H2 には、吐出制御電極3a,3bの一部3a3
3a4 ,3b3 ,3b4 が第1の配線層H1 に形成され
た吐出電極2a〜2hと直行する方向に形成されてい
る。これら吐出制御電極3a,3bの一部3a3 ,3a
4 ,3b3 ,3b4 は、第1の絶縁層Z1 に設けられた
複数のスルーホールthを介して第1の配線層H1 に形
成された吐出制御電極3a,3bの一部3a1 ,3
2 ,3b1 ,3b2と接続されている。これにより、
2本の吐出制御電極3a,3bがそれぞれL字状に形成
されている。このL字状に形成された吐出制御電極3
a,3bの一辺は、それぞれL組の吐出電極2a〜2d
の全てとU組の吐出電極2e〜2hの全てをその吐出側
においてそれぞれ横断している。
【0026】また、第2の配線層H2 には、L組の吐出
電極2a〜2dとU組の吐出電極2e〜2hをそれぞれ
1対1に対応づけて短絡する4本の帯状の短絡部材4a
〜4dが当該吐出電極2a〜2hに直行して配設されて
いる。この短絡部材4a〜4dは、スルーホールthを
介し、吐出電極2aと吐出電極2e,吐出電極2bと吐
出電極2f,吐出電極2cと吐出電極2g,吐出電極2
dと吐出電極2hをそれぞれ短絡している。
【0027】第2の配電層H2 の上層には第2の絶縁層
2 が一面に形成され、更にその上層には第1の泳動電
極5が一面に形成されている。この第1の泳動電極5
は、フォトリソグラフィにより形成され、その吐出側先
端部分が、図2に示すように、吐出電極2a,…及び吐
出制御電極3a,3bの先端よりも幾分後退した位置に
設定されている。また、第1の泳動電極5の電極幅は、
図3乃至図4に示すように、第2の絶縁層Z2 よりも両
袖が幾分狭く設定され、インク流路6の幅に対応した電
極幅を備えている。そして、第1の泳動電極5が形成さ
れていない第2の絶縁層Z2 の両袖部分からはインク流
路6を画する側壁10が立設されている。更に、第1の
泳動電極5の上層にはその一面に第3の絶縁層Z3 が形
成されている。
【0028】また、第3の絶縁層Z3 の上層にはインク
流路6が形成されている。具体的には、吐出制御電極3
a,3bの一部3a3 ,3b3 に沿って各吐出電極2a
〜2hに対応する位置に流路隔壁7,7,…が配設され
ている。この流路隔壁7,7,…はその平面形状が野球
のホームベース型に形成され、インク吐出方向に出っ張
りを備えている。そして、これにより隣接する流路隔壁
7,7間に複数のインク吐出孔(インク引出孔)8,
8,…が形成されている。また、インク吐出孔8と反対
側のインク供給側にも、吐出電極2a,2b,…と直行
する方向に所定の間隔を隔てて複数の流路隔壁9,9,
…が配設されている。本実施形態において、これら流路
隔壁7,…,9,…は、基板1上にラミネートした感光
性高分子フィルムをフォトリソグラフィにより加工した
ものであり、インク流路6がスリット状のものとなるよ
うに、全て同一の所定の厚みに形成されている。
【0029】また、インク流路6の上方及びインク供給
側には、第2の泳動電極11が第1の泳動電極5と平行
に設けられている。この第2の泳動電極11は、図2に
示すように縦断面がL字状に形成され、吐出側の端部が
第1の泳動電極5と対応する位置に設定されている。こ
の第2の泳動電極11は、そのインク供給側の面(後述
するインク室15との連結面)に、図3に示すように複
数のインク供給口12を備えている。このインク供給口
12は、上述したインク供給側の流路隔壁9の配設位置
に対応して開けられている。また、第2の泳動電極11
の一の端部は、第3の絶縁層Z3 に入り込み、これによ
り、第1の泳動電極5と短絡されている。
【0030】また、図2の符号Eが示すように、第2の
泳動電極11の一部はインク流路6に剥き出しになって
いる。
【0031】第2の泳動電極11とインク流路6との間
には、当該第2の泳動電極11を支持する支持部材13
が設けられている。この支持部材13は、第2の泳動電
極11の形状に対応して縦断面がL字状に形成されてお
り、流路隔壁7,…,9,…を柱としてインク流路6の
天板を成している。この支持部材13のインク供給側に
は、第2の泳動電極11に開けられたインク供給口12
に対応して同様にインク供給口が開けられている。ここ
で、実際には、第2の泳動電極5は、支持部材13の表
面に、PSP(Photo Selectiove Plating)法,APE
(Additiive Photo Etching)法やMold-n-Plate法等を
用いて一体的に形成されている。
【0032】また、第2の泳動電極11の上層には、イ
ンク流路6のインク供給側にインク室15を画するカバ
ー部材14が形成されている。このカバー部材14は、
図2に示すように第2の泳動電極11の上面を絶縁する
絶縁部分と、インク流路6のインク供給側に第2の泳動
電極11との間に所定の間隔を空けて設けられたインク
室形成部分と、前述したインク流路6の側壁10とを一
体的に備えている。また、カバー部材14のインク室1
5部分には、インク循環用の孔15Aが2つ設けられて
おり、外部のインクタンクとチューブを介して接続され
ている(図示略)。これにより、インク室内のインクに
は、常時1cmH2 O程度の負圧が付勢されると共に、
強制的なインク循環が行われるようになっている。
【0033】ここで、吐出電極2a〜2h、吐出制御電
極3a,3b並びに第1及び第2の泳動電極5,11
は、外部の電圧駆動部に接続され所定の電位に設定され
るようになっている(図示略)。
【0034】次に、本実施形態の全体動作を説明する。
ここで、本実施形態において用いられるインクは、石油
系有機溶媒(インパラフィン)に帯電制御剤とともに着
色した熱可逆性樹脂の微粒子、即ちトナーを分散したも
のであって、当該トナーはゼータ電位をもって正極性に
見かけ上の帯電が施されたものである。また、本実施形
態の静電式インクジェット記録ヘッドは、そのインク吐
出側に所定の間隔を隔てて設けられた記録用電極(図示
略)と対向して配置され動作する。この記録用電極は接
地されており、当該記録用電極と記録ヘッドのインク吐
出側との間に記録紙が配設される。
【0035】まず、インク室15にインクが循環される
と共に、スリット状のインク流路6内にインクが浸透し
た状態において、外部の電圧駆動部により、第1及び第
2の泳動電極5,11に正電圧が印加されると、インク
内の帯電トナーと当該泳動電極5,11との間に静電力
(斥力)が生じる。これによりインク流路6内の帯電ト
ナーがインク吐出孔8,8,…の側に付勢され、各イン
ク吐出孔8,8,…では、当該インクの表面張力によ
り、流路隔壁7,7,…の出っ張り部分にインクメニス
カスIが形成される。このインクメニスカスIの縦断面
は、図2に示すように一辺が窪んだ三角形状となる。こ
れは、流路隔壁7,7,…の先端部よりも第1及び第2
の泳動電極5,11の先端部が幾分後退した位置に設定
されているためである。
【0036】続いて、吐出電極2a〜2hのうちインク
吐出を行うべき一本の吐出電極が選択されると、まず、
当該選択された吐出電極を含まない組の吐出制御電極の
電圧がローレベルに設定される。例えば、吐出電極2b
が選択されたとすれば、この吐出電極2bを含まない電
極の組Uに属する吐出制御電極3bがローレベルに設定
される。これにより、U組の流路隔壁7,7,…の先端
にインクメニスカスを形成していた帯電トナーが吐出制
御電極3bとの間に生じた引力を受けて、インク流路6
内に幾分引き戻される。
【0037】次に、上記選択された吐出電極の電圧がハ
イレベルに設定されると、当該吐出電極と、記録ヘッド
に対向する記録用電極との間に電界が生じ、これによ
り、インクメニスカスを形成していた帯電トナーが当該
吐出電極の針状先端部に集まり、トナー郡を成して記録
用電極に向けて飛翔する。この結果、記録ヘッドと記録
用電極との間に配設された記録紙にインクが付着して像
形成が行われる。
【0038】例えば、吐出電極2bがハイレベルに設定
されれば、この吐出電極2bの先端位置から記録紙に向
けてトナーが飛翔する。このとき、吐出電極2bと短絡
されているU組の吐出電極2fも同様にハイレベルに設
定される。しかしながら、U組の吐出制御電極3bが予
めローレベルに設定されているため、静電力の力関係と
電圧印加時間との関係により、吐出電極2fからはトナ
ーの飛翔が生じない。
【0039】具体的には、吐出電極に印加される電圧と
吐出制御電極に印加される電圧との関係は図5に示すよ
うになっている。図5(a)はトナーの吐出が阻止され
る吐出電極及び吐出制御電極の電圧(駆動パルス)の関
係を示している。上記例ではU組の吐出電極2f及び吐
出制御電極3bが該当する。まず、吐出制御電極がロー
レベル(低電位)に設定され、その直後に吐出電極がハ
イレベル(高電位)に設定される。その後、吐出電極へ
の印加電圧が初期状態に復帰され、続いて吐出制御電極
への印加電圧が初期状態に復帰される。また、図5
(b)はトナーの吐出が行われる吐出電極及び吐出制御
電極の電圧関係を示している。上記例では、L組の吐出
電極2b及び吐出制御電極3aが該当する。この場合、
吐出電極がハイレベル(高電位)に設定され、その後、
吐出電極への印加電圧が初期状態に復帰されるが、吐出
制御電極の電位は変動されない。
【0040】上記インク吐出動作により記録紙に飛翔さ
れたトナーは、その後ヒータによって加熱され定着され
る(図示略)。
【0041】帯電トナーの飛翔により、インク吐出孔8
付近で不足した帯電トナーはインク流路6から供給され
る。具体的には、インク流路6内の帯電トナーが、泳動
電極5,11より発散されインク吐出側に向かう電界の
作用によりインク室15側からインク吐出孔8へ電気泳
動し、インクメニスカスIに供給される。そして、適宜
吐出電極が選択され上記飛翔動作が連続的に行われる。
【0042】ここで、正極性に帯電したトナーの飛翔後
は、吐出電極近傍のインクに負極性のカウンターイオン
が充満する。このカウンターイオンは、泳動電極5,1
1と吐出電極との間に形成される電界を乱すため、電気
泳動によるトナー補給を十分に行うことができなくな
る。本実施形態では、第2の泳動電極11をインク流路
6に剥き出しにし、インクと直接短絡させているので、
上記不都合の原因となる余剰のカウンターイオンは強制
的に放電され除去される。
【0043】以上のように、本実施形態では、帯電トナ
ーを飛翔させる吐出電極と吐出制御電極とを絶縁層を介
して積層形成しているので、記録ヘッド全体の小型化を
図ることができる。
【0044】また、帯電トナーをインク室側からインク
吐出孔側に供給するにあたりインク流路を囲む泳動電極
を形成し、帯電トナーを電気泳動させるので、インク流
路内部に従来例のような多孔質体を設ける必要がなく、
帯電トナーを非接触で供給することができることから、
多孔質体を用いた従来例に比べ高速なトナー供給を行う
ことができ、高速かつ高品質な印字を実現することがで
きる。
【0045】更に、泳動電極はフォトリソグラフィ,P
SP法,APE法やMold-n-Plate法等を用いて比較的容
易に形成することができるので、インク流路内に多孔質
体を配設した従来例に比べ製造工程の簡略化や製造費用
の削減を図ることができる。
【0046】これに加え、吐出電極を帯状に形成してい
るので吐出電極の高密度形成を行うことができ、印字解
像度の向上や記録ヘッドの小型化に利益がある。
【0047】また、複数の吐出電極に対しこれと直行す
る方向に吐出制御電極を形成したので、複数の吐出電極
の吐出動作を一本の吐出制御電極で一括して阻止するこ
とができ、吐出制御電極の数を削減することができ、こ
れにより、記録ヘッドの小型化を図ることができる。ま
た、吐出制御電極の数が削減されたことにより、記録ヘ
ッドの駆動装置の構成をも簡略化できる利益がある。
【0048】更に、複数の吐出電極を2組に分割し、各
組の対応する吐出電極を短絡し、インク吐出を行う吐出
電極を吐出制御電極に印加する電圧との関係で選択する
ように構成したので、外部の駆動装置との配線数を吐出
電極の数に対し半分に削減することができ、これによ
り、本記録ヘッドと外部の駆動装置とのコネクト部の接
触不良等の不都合の発生が抑制され、吐出動作の信頼性
を向上することができる。また、吐出電極の束を3組以
上に増設した場合でも各組の対応する吐出電極をそれぞ
れ短絡することにより、外部の駆動装置と接続される吐
出電極の接点数は変化せず、増設した組数分の吐出制御
電極の接点が増えるだけである。このため、記録装置の
構成に応じて柔軟な設計変更を容易に行うことができる
という利点もある。
【0049】また、泳動電極の一部がインク流路に剥き
出しになっているので、帯電トナーの飛翔後に吐出電極
近傍で発生した余剰のカウンターイオンを強制的に放電
することにより、電気泳動を付勢する電界を正常化する
ことができ、これがため、インク吐出孔近傍への帯電ト
ナーの供給を常時安定して行うことができる。
【0050】ここで、本実施形態では、基板上において
各電極を吐出電極,吐出制御電極,第1の泳動電極とい
う順序で積層したが、これら各電極の積層順序はこれに
限定されるものではない。第1の泳動電極及び第2の泳
動電極はそれぞれインク流路の側面に設けられていても
良い。吐出電極は帯状でなくとも良い。吐出電極の短絡
部材は、吐出電極と直行して設けられていなくとも良
い。吐出電極の束は2組以上でも良い。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、帯電トナーを飛翔させる吐出電
極と吐出制御電極とを絶縁層を介して積層形成するの
で、記録ヘッド全体の小型化を図ることができる。
【0052】請求項2又は3記載の発明では、帯電トナ
ーをインク室側からインク吐出孔側に供給するにあたり
インク流路を囲む泳動電極を形成し、帯電トナーを電気
泳動させるので、インク流路内部に従来例のような多孔
質体を設ける必要がなく、帯電トナーを非接触で供給す
ることができることから、多孔質体を用いた従来例に比
べ高速なトナー供給を行うことができ、高速かつ高品質
な印字を実現することができる。
【0053】請求項4記載の発明では、泳動電極を、例
えばPSP法,APE法やMold-n-Plate法等を用いて支
持部材と一体的に形成するので、インク流路内に多孔質
体を配設した従来例に比べ製造工程の簡略化や製造費用
の削減を図ることができる。
【0054】請求項5記載の発明では、吐出電極を帯状
に形成しているので吐出電極の高密度形成を行うことが
でき、印字解像度の向上や記録ヘッドの小型化に利益が
ある。
【0055】請求項6記載の発明では、複数の吐出電極
に対しこれと直行する方向に帯状の吐出制御電極を形成
したので、複数の吐出電極の吐出動作を一本の吐出制御
電極で一括して阻止することができ、吐出制御電極の数
を削減することができ、これにより、記録ヘッドの小型
化を図ることができる。また、吐出制御電極の数が削減
されることにより、記録ヘッドの駆動装置の構成をも簡
略化できる利益がある。
【0056】請求項7記載の発明では、複数の吐出電極
を複数組に分割し、各組の対応する吐出電極を短絡し、
インク吐出を行う吐出電極を吐出制御電極に印加する電
圧との関係で選択するように構成したので、外部の駆動
装置との配線数を吐出電極の数に対し半分に削減するこ
とができ、これにより、本記録ヘッドと外部の駆動装置
とのコネクト部の接触不良等の不都合の発生が抑制さ
れ、吐出動作の信頼性を向上することができる。また、
吐出電極の束を増設した場合でも各組の対応する吐出電
極をそれぞれ短絡することにより、外部の駆動装置と接
続される吐出電極の接点数は変化せず、増設した組数分
の吐出制御電極の接点が増えるだけである。このため、
記録装置の構成に応じて柔軟な設計変更を容易に行うこ
とができるという利点もある。
【0057】請求項8記載の発明では、泳動電極の一部
がインク流路に剥き出しになっているので、帯電トナー
の飛翔後に吐出電極近傍で発生した余剰のカウンターイ
オンを強制的に放電することにより、電気泳動を付勢す
る電界を正常化することができ、これがため、インク吐
出孔近傍への帯電トナーの供給を常時安定して行うこと
ができる。
【0058】このように、本発明によれば、従来にない
優れた静電式インクジェット記録ヘッドを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す一部省略した平面図
である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った縦断面図であ
る。
【図3】図2におけるB−B線に沿った縦断面図であ
る。
【図4】図2におけるC−C線に沿った縦断面図であ
る。
【図5】図1に示す実施形態において吐出電極と吐出制
御電極に印加される駆動パルスの時間的変化を示す線図
であって、図5(a)はインク吐出が阻止される場合の
各駆動パルスを示し、図5(b)はインク吐出が行われ
る場合の各駆動パルスを示す。
【符号の説明】
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h 吐
出電極 3a,3b 吐出制御電極 4a,4b,4c,4d 吐出電極の短絡部材 5,11 泳動電極 6 インク流路 8 インク吐出孔 13 支持部材 L,U 吐出電極の組 Z1 ,Z2 ,Z3 絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯本 仁史 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 萩原 良広 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電トナーを含むインクを貯留するイン
    ク室と、このインク室に通ずるスリット状のインク流路
    と、このインク流路の先端に設けられたインク吐出孔
    と、このインク吐出孔の近傍に設けられ前記インク流路
    に溜まったインクに含まれる帯電トナーに吐出力を付勢
    する電界を形成する吐出電極と、この吐出電極に併設さ
    れ前記インク吐出孔からの帯電トナーの吐出を阻止する
    電界を形成する吐出制御電極とを備えた静電式インクジ
    ェット記録ヘッドにおいて、 前記吐出電極と吐出制御電極とを絶縁層を介して積層配
    設したことを特徴とする静電式インクジェット記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静電式インクジェット記
    録ヘッドにおいて、 前記インク流路を囲む面のうち、前記インク室との連結
    面とこのインク室との連結面に接続され互いに対向する
    少なくとも1組の側面とに前記帯電トナーの電気泳動を
    付勢する泳動電極を配設したことを特徴とする静電式イ
    ンクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の静電式インクジェット記
    録ヘッドにおいて、 前記インク流路を囲む面のうち、前記インク室との連結
    面とこのインク室との連結面に接続された上面及び下面
    とに前記帯電トナーの電気泳動を付勢する泳動電極を配
    設すると共に、 前記上面に配された泳動電極と前記インク流路との間
    に、当該上面に配された電極の支持部材を設けたことを
    特徴とする静電式インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インク流路の上面に配された電極
    と、前記支持部材とが一体的に形成されていることを特
    徴とする請求項3記載の静電式インクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記吐出電極が前記インク流路のインク
    移動方向に沿って帯状に形成されていることを特徴とし
    た請求項1,2,3又は4記載の静電式インクジェット
    記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記帯状の吐出電極を基板上に複数平行
    に形成すると共に、前記吐出制御電極を当該複数の吐出
    電極と直交する帯状に形成したことを特徴とする請求項
    5記載の静電式インクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の静電式インクジェット記
    録ヘッドにおいて、 前記複数の吐出電極及び一つの吐出制御電極を一組とし
    てこれらを前記基板上に少なくとも2組並列に形成する
    と共に、これら各組の対応する吐出電極を前記吐出制御
    電極と平行に設けた帯状の短絡部材でそれぞれ短絡した
    ことを特徴とする静電式インクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】前記泳動電極の一部が前記インク流路に剥
    き出しになっていることを特徴とした請求項2記載の静
    電式インクジェット記録ヘッド。
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