JP2837981B2 - 車載用センサ - Google Patents

車載用センサ

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JP2837981B2 JP3238228A JP23822891A JP2837981B2 JP 2837981 B2 JP2837981 B2 JP 2837981B2 JP 3238228 A JP3238228 A JP 3238228A JP 23822891 A JP23822891 A JP 23822891A JP 2837981 B2 JP2837981 B2 JP 2837981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波又は電波を用い
て自動車の車速及び/又は路面の摩擦係数(μ)を測定
する車載用センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車載用μ・速度センサは、自動車
の前方に向けて一定の伏角を有する超音波又は電波ビー
ムを発射し、車速やμを測定していた。例えば、送受波
器から超音波ビームを発射し、速度演算器により反射波
のドップラ偏移から自車の車速を求める。また、路面か
ら送受波器方向への反射波の強さの変化に基づきμ検出
器により路面のμを推定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、μが小さい路
面からは十分な反射信号が得られず、車速の測定が不能
になることがありまたμの測定が不正確になる等の不都
合があった。すなわち、送受波器で観測されるドップラ
偏移Δf[Hz]から車速Vを求める式 V=(Δf/f)・C・(1/(2・cosθ)) …(1) ただし、f:送信波の周波数[Hz] C:送信波の伝搬速度(音速又は光速) θ:送信ビームの伏角 からわかるように、車速Vの測定精度はドップラ偏移Δ
fの観測値やビームの伏角θにより決まる。例えば、ビ
ームの伏角θを小さくすれば、車速Vの測定精度を高め
ることができる。しかし、このとき、路面のμが小さく
なると路面から送受波器への反射エネルギーが極度に低
下してしまい、車速Vが測定できなくなる。μが低い路
面でも車速を測定できるようにするためには、ビームの
伏角θを大きくすればよいが、このようにすると車速V
の測定精度が低下してしまう。
【0004】また、一定の伏角θを有する送信ビームに
より路面のμを測定しようとする場合、路面から送受波
器方向への反射波の強さの変化から路面のμを推定して
いたが、μの測定精度が不十分であるという問題点があ
った。
【0005】さらに、1個の送信ビームを用いて車速と
μを測定しようとする場合、伏角θを路面のμの大小に
かかわらず最良な値に選定することは困難であった。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、路面のμにかかわ
らず、十分な強度の反射を得ることができ、車速及びμ
の測定精度が高い車載用μ・速度センサを得ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1は、送受波器を、車両前方
に長く左右方向に狭い領域を分割して覆うべく、それぞ
れ異なる伏角で路面にビームを送信するよう複数個が車
体に装着され、送信信号に応じて当該車両の前下方に向
け超音波又は電波ビームを送信し、路面からの反射波を
受信して受信信号を出力する送受波器と、送受波器に送
信信号を与える送信機と、送受波器に対応して複数個設
けられ当該送受波器に係る受信信号の振幅を検出する振
幅検出器と、各振幅検出器により検出される振幅に基づ
き、受信信号の振幅が所定値以上である送受波器のうち
最も伏角が小さい送受波器、又は受信信号の振幅が所定
値以下である送受波器のうち最も伏角が大きい送受波器
を選択し、この送受波器の伏角から路面の摩擦係数の値
を判定するμ判定器と、を備えることを特徴とする車載
用μセンサを提案する。
【0008】本発明の請求項2は、送受波器に対応して
複数個設けられ当該送受波器に係る受信信号からドップ
ラ偏移を検出するドップラ検出器と、各ドップラ検出器
により検出されるドップラ偏移のうち、μ判定器により
選択された送受波器又はその次に伏角が小さい送受波器
に係る受信信号から検出されるドップラ偏移に基づき、
車両の速度を演算する速度演算器と、を備えることを特
徴とする車載用μ・速度センサを提案する。
【0009】さらに、本発明の請求項3は、請求項1又
は2記載の車載用μセンサ又は車載用μ・速度センサに
おいて、前記複数の送受波器を車両の前後に一組ずつ対
称配置したことを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の請求項4は、送信信号に
応じて当該車両の前下方路面に向け車両前方に長く左右
方向に狭い超音波又は電波ビームを送信し、路面からの
反射波を受信して受信信号を出力する送受波器と、送受
波器に送信信号を与える送信機と、路面上のビーム照射
領域を車両前方に沿い複数の部位に区分するよう、時分
割測定タイミングを連続して発生させるタイミング発生
器と、それぞれ異なる時分割測定タイミングにおける受
信信号の振幅を検出するよう時分割測定タイミングの発
生個数に対応して複数個設けられた振幅検出器と、各振
幅検出器により検出される振幅に基づき、受信信号の振
幅が所定値以上である時分割測定タイミングのうち最も
遅い時分割測定タイミング、又は受信信号の振幅が所定
値以下である時分割測定タイミングのうち最も早い時分
割測定タイミングを選択し、この時分割測定タイミング
に対応する伏角から路面の摩擦係数の値を判定するμ判
定器と、を備えることを特徴とする車載用μセンサを提
案する。
【0011】本発明の請求項5は、送信信号に応じて当
該車両の前下方路面に向け車両前方に長く左右方向に狭
い超音波又は電波ビームを送信し、路面からの反射波を
受信して受信信号を出力する送受波器と、送受波器に送
信信号を与える送信機と、路面上のビーム照射領域を車
両前方に沿い複数の部位に区分するよう、時分割測定タ
イミングを連続して発生させるタイミング発生器と、時
分割測定タイミングで時分割動作し受信信号の振幅を検
出する振幅検出器と、振幅検出器により検出される振幅
に基づき、受信信号の振幅が所定値以上である時分割測
定タイミングのうち最も遅い時分割測定タイミング、又
は受信信号の振幅が所定値以下である時分割測定タイミ
ングのうち最も早い時分割測定タイミングを選択し、こ
の時分割測定タイミングに対応する伏角から路面の摩擦
係数の値を判定するμ判定器と、を備えることを特徴と
する車載用μセンサを提案する。
【0012】また、本発明の請求項6は、請求項4又は
5記載の車載用μセンサと、それぞれ異なる時分割測定
タイミングにおける受信信号からドップラ偏移を検出す
るよう時分割測定タイミングの発生個数に対応して複数
個設けられたドップラ検出器と、各ドップラ検出器によ
り検出されるドップラ偏移のうち、μ判定器により選択
された時分割測定タイミング、又はこの時分割測定タイ
ミングに係る部位の次に伏角が小さい部位に係る時分割
測定タイミングにおける受信信号から検出されるドップ
ラ偏移に基づき、車両の速度を演算する速度演算器と、
を備えることを特徴とする車載用μ・速度センサを提案
する。
【0013】本発明の請求項7は、請求項4乃至記載
の車載用μセンサ又は車載用μ・速度センサにおいて、
前記送受波器を車両の前後に1個ずつ対称配置したこと
を特徴とする。
【0014】
【作用】本発明においては、それぞれ異なる伏角で設け
られた複数個の送受波器のうち、受信信号の振幅が所定
値以上であって、さらにそのうち最も伏角θが小さい第
nの送受波器が選択され、そのθnに基づき路面のμが
検出される。あるいは、受信信号の振幅が所定値以下で
あって、さらにそのうち最も伏角θが大きい第n´の送
受波器が選択され、そのθn´に基づき路面のμが検出
される。すなわち、複数の振幅検出器により受信信号の
振幅がそれぞれ検出され、各振幅検出器により検出され
る振幅に基づきμ判定器により前記第n又は第n´の送
受波器が選択され、その伏角θn又はθn´から路面の
μの値が判定される。このように、全反射の結果受信信
号の振幅が低下する直前又は直後の角度がθn又はθn
´として検出され、これに基づきμが求められるため、
一定の伏角θを有する単一の送受波器によってμを求め
た場合に比べ、μの安定かつ高精度な測定が可能とな
る。
【0015】本発明の請求項2においては、更に、選択
された第nの送受波器の受信信号に基づき、車両の速度
Vが検出される。すなわち、複数のドップラ検出器によ
り複数の受信信号からそれぞれドップラ偏移Δfが検出
され、さらに、第nの送受波器に係るドップラ偏移Δf
に基づき、速度演算器により車両の速度Vが演算され
る。ここに、速度演算の対象となるドップラ偏移Δfは
第nの送受波器に係るものであり、当該送受波器は、上
に述べたように、μ判定器により選択されたものか、あ
るいはμ判定器により選択された第n´の送受波器の次
に伏角が小さいものである。従って、車両の速度Vの検
出に十分な振幅が確保されつつ、伏角θが最も小さい送
受波器に係る受信信号が速度Vの検出に用いられること
になり、車両の速度Vの検出精度が向上確保される。
【0016】本発明の請求項3においては、いわゆるペ
アビーム構成が実現される。ペアビーム構成とすること
により、車速検出にとって不要な路面上下方向に係るド
プラシフトを車両前部の送受波器群の出力と車両後部の
送受波器群の出力とで相殺可能となる。また、トリムヒ
ールに対する一次補正が実現される。
【0017】また、本発明の請求項4においては、送受
波器の指向性が車両前方に長く左右方向に狭い。路面上
のビーム照射領域を車両前方に沿い複数の部位に区分す
るよう時分割測定タイミングがタイミング発生器により
連続して発生し、このような送受波器から得られる受信
信号が時分割処理される。すなわち、複数の振幅検出器
により受信信号の振幅がそれぞれ検出され、各振幅検出
器により検出される振幅に基づきμ判定器により前記第
n又は第n´の時分割測定タイミングが選択され、その
伏角θn又はθn´から路面のμの値が判定される。こ
のように、受信信号の振幅が所定値以上となる時分割測
定タイミングのうち最も遅い第nの時分割測定タイミン
グが求められ、あるいは受信信号の振幅が所定値以下と
なる時分割測定タイミングのうち最も早い第n´の時分
割測定タイミングが求められ、このタイミングに対応す
る部位の伏角θn又はθn´に基づき路面のμが検出さ
れる。これにより、請求項1と異なり、単一の送受波器
で足りることとなる。
【0018】本発明の請求項5においては、振幅検出器
が時分割測定タイミングで時分割動作し、受信信号の振
幅が検出される。これにより、請求項4における複数の
振幅検出器に代え、単一の振幅検出器により同様のμ検
出が実現される。
【0019】本発明の請求項6においては、複数のドッ
プラ検出器により複数の受信信号からそれぞれドップラ
偏移Δfが検出され、第nの時分割測定タイミングに係
るドップラ偏移Δfに基づき、速度演算器により車両の
速度Vが演算される。
【0020】そして、本発明の請求項7においては、請
求項2と同様の作用が奏せられる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0022】図1には、本発明の第1実施例に係る車載
用μ・速度センサの構成が示されている。この図に示さ
れるように、本実施例は、それぞれ異なる伏角θ1,θ
2,…θNで車両に取り付けられたN個(N:複数)の
送受波器(トランスデューサ)10−1,10−2,…
10−Nと、送受波器10に同一の送信信号を供給する
送信機20と、各送受波器10の受信信号から路面のμ
を検出するμ検出器30と、各送受波器10による受信
波から自車の車速を検出する車速検出器31と、から構
成されている。伏角θ1,θ2,…θNは、θ1<θ2
<…<θNの関係を有している。送信信号は連続波でも
パルス波でも構わない。
【0023】この実施例において、送信機20から各送
受波器10に送信信号が供給されると、図2に示される
ように、N個の送受波器10−1,10−2,…10−
Nから送信されるビームは異なった伏角で路面Rに向け
て入射する。この送信波は路面Rにより反射され、反射
波の一部が対応する送受波器10−1,10−2,…1
0−Nに受信される。このようにして得られた受信信号
は、各送受波器10からμ検出器30及び車速検出器3
1に導かれる。
【0024】図3に示されるように、送受波器(トラン
スデューサTR)10−1,10−2,…10−Nを番
号順に並べ、受信信号の振幅を比較した場合、ある番号
で振幅が非常に小さい値から大きい値に急激に変化す
る。μ検出器30は、内蔵する振幅検出器により受信信
号の振幅を求め、当該振幅が急変する送受波器10−n
(大きな振幅が得られる最も小さい番号の送受波器、図
3では送受波器10−4)の番号n(図では4)を求め
る。μ検出器30は、この番号nから伏角θnを知り、
伏角θnに基づきμを検出し、ブレーキ制御システムに
検出結果を出力する。ブレーキ制御システムは、検出結
果に応じ、所定の制動動作等を実行する。
【0025】このような振幅の急変が生じるのは、伏角
θが小さいと送信ビームが路面Rで全反射するためであ
る。例えば路面Rが粗い場合(μが大きい場合)、伏角
θにかかわらずいずれの送受波器10に係る送信波も路
面Rにより反射される。この場合、反射エネルギーはい
ずれの伏角θについても十分大きい。しかし、路面Rの
μが小さい場合、伏角θの小さい送信ビームは全反射
し、送信に係る送受波器に反射してくる反射波のエネル
ギーは極度に小さくなる。したがって、上述のように、
十分大きな受信信号振幅が得られている送受波器10−
nを求め、この送受波器10の番号nを用いてμの検出
を行えば、路面のμにかかわらず十分な強度の反射を得
て十分な精度でのμ測定を行うことができる。
【0026】一方、この実施例における車速の検出は、
車速検出器31によって実行される。車速検出器31が
式(1)に基づき車速Vを検出するためには、当該車速
検出器31による処理対象たる受信信号は十分な振幅で
なければならない。この実施例では、上述のように、μ
検出器30によって十分な振幅を得ている送受波器10
−nの番号nが得られているので、車速検出器31はこ
の番号nをμ検出器30から入力する。車速検出器31
は、したがって、十分な振幅の受信信号のうち最も伏角
が小さい受信信号に基づき、車速Vを検出する。車速検
出器31は、ブレーキ制御システムに検出結果を出力す
る。ブレーキ制御システムは、検出結果に応じ、所定の
制動動作等を実行する。
【0027】車速Vの検出は、式(1)に基づき行われ
る。すなわち、車速検出器31はドップラ偏移Δfを求
め車速Vを検出する。このとき、車速Vの測定精度は伏
角θが小さいほど良くなる。この実施例のように十分な
振幅の受信信号のうち最も伏角が小さい受信信号を選択
するようにすれば、車速Vの測定精度をも確保すること
ができる。
【0028】図4には、この実施例のより詳細な構成が
示されている。この図においては、受信信号を増幅する
増幅器40−1,40−2,…40−Nが示されている
他、μ検出器30及び車速検出器31の内部構成も示さ
れている。
【0029】μ検出器30は、各送受波器10に対応す
るように振幅検出器30−1,30−2,…30−Nを
備えている。振幅検出器30−1,30−2,…30−
Nは対応する送受波器10からの受信信号の振幅を検出
する。μ検出器30は、さらにμ判定器30−0を備え
ている。μ判定器30−0は振幅検出器30−1,30
−2,…30−Nの検出結果を取り込み、μを求める。
【0030】車速検出器31は、各送受波器10に対応
するようにドップラ検出器31−1,31−2,…31
−Nを備えている。ドップラ検出器31−1,31−
2,…31−Nは受信信号に含まれているドップラ偏移
を検出する。車速検出器31は、さらに速度演算器31
−0を備えている。車速検出器31はドップラ検出器3
1−1,31−2,…31−Nの検出結果を取り込み、
車速Vを求める。このとき、先に述べたように、車速検
出器31はμ検出器30から振幅が急変する番号nを取
り込み、当該番号に係る伏角θnを用いて式(1)によ
り車速Vを求める。
【0031】図5には、本発明の第2実施例の構成が示
されている。この実施例は、図1及び図4に示される第
1実施例と異なり、送受波器10が1個である。一方
で、振幅検出器及びドップラ検出器は第1実施例同様N
個設けられている。この実施例では、単一の送受波器1
0の受信信号を切り替えつつ振幅検出器及びドップラ検
出器に供給すべく、タイミング発生器50及び切替器6
0を備えている。
【0032】図6及び図7には、この実施例の動作原理
及び動作タイミングが示されている。タイミング発生器
50から送信機20に送信タイミングが与えられ、この
タイミングで送信機20から送受波器10に例えばパル
ス状の送信信号が与えられると、送受波器10から路面
Rに向けてビームが送信される。この実施例において用
いられる送受波器10は、図6においてBで示されるよ
うに前方に長く横方向に狭い指向性を有している。すな
わち、送信されるビームは路面R上でBのような形状と
なる。
【0033】従って、反射波は、路面Rのどの部位で反
射したかに応じて異なる時刻で送受波器10に受信され
る。図7に示されるように、送信パルスの発生から時間
τmin経過後に、図6で最も後方に示される(すなわ
ち最も送受波器10に近い)部位SNからの反射波が送
受波器10に受信され、次に部位SN−1からの反射波
が送受波器10に受信され、最後に最も前方の(すなわ
ち最も送受波器10から遠い)部位S1からの反射波
が、送受波器10に受信される(時刻τmax)。これ
ら各部位S1,S2,…SNからの反射波は、送受波器
10から受信信号として増幅器40に入力され、増幅さ
れた後切替器60に入力される。切替器60は、タイミ
ング発生器50により与えられる時分割測定タイミング
#1,#2,…#Nで切り替わり、増幅器40により増
幅された受信信号を各振幅検出器及びドップラ検出器に
切替供給する。例えば、タイミング#1では図6の部位
S1に係る受信信号が振幅検出器30−1及びドップラ
検出器31−1、タイミング#2では次の部位S2に係
る受信信号が振幅検出器30−2及びドップラ検出器3
1−2、…というように、供給先が切り替わる。時分割
測定タイミング#1,#2,…#Nは、送信パルスの発
生後時間τmin経過からτmax経過までをN個に分
割するように設定されている。
【0034】このようにして、振幅検出器30−1,3
0−2,…30−N及びドップラ検出器31−1,31
−2,…31−Nには、異なる部位S1,S2,…SN
に係る受信信号が供給される。時分割測定タイミング#
1,#2,…#Nは、μ検出器30及び車速検出器31
にも与えられ、切替器60の切替と同期して振幅検出器
及びドップラ検出器が動作し、対応する部位S1,S
2,…SNからの受信信号の振幅の検出及びドップラ成
分の検出が行われる。各部位S1,S2,…SNは、図
6に示されるようにそれぞれ異なる伏角θ1,θ2,…
θNを有しており、各振幅検出器及びドップラ検出器は
第1実施例と同様異なる伏角θ1,θ2,…θNの受信
信号を処理する。
【0035】この実施例において得られる受信信号のパ
ルス幅PWは、図7に示されるようにPW≦τmax−
τminとなる。これは、伏角θが小さい部位(前方寄
りの部位)では全反射が生じ十分なエネルギーの反射波
が得られないことによる。路面Rのμが徐々に小さくな
っていく場合を考えると、受信パルス幅PWが小さくな
っていき、N個の振幅検出器30−1,30−2,…3
0−Nのうち後方寄りの部位に対応するものにのみ、十
分な振幅を有する受信信号が供給されるようになる。本
実施例では、μ判定器30−0は、十分な振幅を有する
受信信号が得られる伏角θのうち最も小さい伏角θn
を、振幅検出器により所定値以上の振幅が検出されるう
ち最も遅い時分割測定タイミングを判定することにより
求める。速度演算器31−0は、この伏角θnに係る受
信信号から検出されたドップラ成分Δfから車両の速度
Vを演算する。
【0036】いい換えれば、本実施例では、第1実施例
においてN個の送受波器10−1,10−2,…10−
Nを用いて行ったのと同様の作用効果が得られることと
なる。さらには、送受波器10が1個で良く、車体への
取り付けが容易で安価かつ信頼性が高い装置となる。
【0037】なお、本実施例において、N個の振幅検出
器30−1,30−2,…30−Nに代え1個の振幅検
出器を用い、時分割測定タイミングで時分割動作するよ
うにしても構わない。この場合、μ検出器30の構成が
より簡素になる。
【0038】さらに、いわゆるペアビーム構成を採用す
ると、より好ましい。すなわち、一組又は2個の送受波
器を、車両の前部及び後部に幾何学的に対称となるよう
配置する。例えば図1の実施例であれば送受波器10−
1,10−2,…10−Nの組を一組づつ車両の前部及
び後部に、図5の実施例であれば送受波器10を1個づ
つ車両の前部及び後部に、配置する。このようにした上
で、各送受波器の出力を対応する送受波器の出力と合成
等すれば、速度検出等に不要な路面Rの上下方向のドッ
プラシフトを相殺できる。
【0039】すなわち、図8に示されるように、路面R
からの反射波に路面Rの凹凸等による垂直速度成分が含
まれている場合、水平速度をV、垂直速度をUとする
と、車両の前部の送受波器により受信される反射波のド
プラ周波数fd1は fd1=(2f/C)・(Vcosθ−Usinθ) …(2) となる。ただし、θは伏角である。逆に、車両の後部に
設けられている同一伏角の送受波器により受信される反
射波のドプラ周波数fd2は fd2=(2f/C)・(−Vcosθ−Usinθ) となる。すると、この式(2)及び(3)の差は、 fd=fd1−fd2=(4fV/C)cosθ となる。このように、車両前後の送受波器の出力の差を
求めることにより、Uが含まれない数値が得られる。こ
の数値に基づいて車速を検出することにより、垂直速度
Uの影響のないより正確な車速を検出できる。
【0040】また、このようなペアビーム構造により、
トリムヒールの影響を除去できる。今、式(2)におい
て垂直速度Uを無視した式 fd1=(2f/C)Vcosθ において、θが微小角δだけ増加したとする。すなわ
ち、車体がδだけ傾いたとする。この場合、ドプラ周波
数は、 fd1´=(2f/C)Vcos(θ+δ) と表せる。従って、車体がδだけ傾いたときのドプラ周
波数の誤差E1は、 となる。一方、車両後方の送受波器10については、車
体がδだけ傾いたときのドプラ周波数fd2´は fd2´=(2f/C)Vcos(θ−δ) となる。ペアビームでは、fd´=fd1´−fd2´
を用いて車速Vを求めるため、問題となるのはこのfd
´の誤差E12である。E12は、 E12=((cosδ−tanθsinδ−1) +(cosδ+tanθsinδ−1))/2 =cosδ−1 となる。従って、ペアビームとすることにより、誤差が
低減し、トリムヒールの影響が低減する。
【0041】さらに、以上の説明では、受信信号の振幅
が所定値以上となる受波器の番号、又は振幅が所定値以
上となる時分割タイミングのうち最も遅いタイミングに
対応する部位の伏角に基づいて、μや車速の検出を行っ
ていた。これは、振幅が所定値以上となる受波器の番号
又は時分割タイミングではなく、その一つ前の番号又は
タイミングを用いても良い。例えば図3の例では、受波
器10−3を用いるというように、振幅が所定値を越え
る一つ手前の受波器の番号を用いても良く、また、振幅
が所定値を越える時分割タイミングの一つ前のタイミン
グに係る部位の伏角を用いても良い。この様にしても、
上述の作用、効果等は好適に実現される。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、それぞれ異なる伏角で設けられた複数個の送
受波器のうち、受信信号の振幅が所定値以上であってさ
らにそのうち最も伏角θが小さい第nの送受波器、又は
受信信号の振幅が所定値以下であってさらにそのうち最
も伏角θが大きい第n´の送受波器を選択してそのθn
´に基づき路面のμを検出するようにしたため、μの安
定かつ高精度な測定が可能となる。
【0043】本発明の請求項2によれば、同様にして選
択された第nの送受波器の受信信号に基づき、車両の速
度Vを検出するようにしたため、車両の速度Vの検出に
十分な振幅が確保され、かつ、車両の速度Vの検出精度
が向上確保される。
【0044】本発明の請求項3によれば、いわゆるペア
ビーム構成が実現され、路面上下方向のドプラシフトの
相殺や、トリムヒールの一次補正が実現され、より好適
な検出結果を得ることが可能になる。
【0045】また、本発明の請求項4によれば、路面上
のビーム照射領域を車両前方に沿い複数の部位に区分す
るようμ検出を時分割で行い、車両前方に長く左右方向
に狭い指向性の送受波器を用いるようにしたため、単一
の送受波器で足り、より小型で自動車への装着に適する
装置となる。また、μ測定の分解能を送受波器の構成の
複雑化・大型化を伴うこと無く実現でき、測定精度、信
頼性、安定性に優れた装置となる。
【0046】本発明の請求項5によれば、振幅検出器を
時分割測定タイミングで時分割動作させるようにしたた
め、単一の振幅検出器による小型な装置構成で請求項4
と同様のμ検出を実現できる。
【0047】本発明の請求項6によれば、時分割測定に
より車両の速度Vを検出するようにしたため、請求項4
又は5と同様の効果が車速計測について得られる。
【0048】そして、本発明の請求項7によれば、請求
項3と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る車載用μ・速度センサ
の構成を示す図である。
【図2】この実施例におけるビーム送信方向を示す図で
ある。
【図3】この実施例における送受波器選択の原理を示す
図である。
【図4】この実施例の詳細構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る車載用μ・速度センサ
の構成を示す図である。
【図6】この実施例におけるビーム受信部位の区分を示
す図である。
【図7】この実施例における時分割測定タイミングを示
す図である。
【図8】この実施例をペアビームとした場合の効果を説
明する図である。
【符号の説明】
10−1,10−2,…10−N 送受波器 20 送信機 30 μ検出器 30−0 μ判定器 30−1,30−2,…30−N 振幅検出器 31 車速検出器 31−0 速度演算器 31−1,31−2,…31−N ドップラ検出器 50 タイミング発生器 60 切替器 θ−1,θ−2,…θ−N 伏角 #1,#2,…#N 時分割測定タイミング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−115987(JP,A) 特開 平2−236451(JP,A) 特開 昭51−65678(JP,A) 特開 昭53−17376(JP,A) 特開 平1−148985(JP,A) 実開 昭63−124677(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 13/50 - 13/64 G01S 15/50 - 15/62

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方に長く左右方向に狭い領域を分
    割して覆うべく、それぞれ異なる伏角で路面にビームを
    送信するよう複数個が車体に装着され、送信信号に応じ
    て当該車両の前下方に向け超音波又は電波ビームを送信
    し、路面からの反射波を受信して受信信号を出力する送
    受波器と、 送受波器に送信信号を与える送信機と、 送受波器に対応して複数個設けられ当該送受波器に係る
    受信信号の振幅を検出する振幅検出器と、 各振幅検出器により検出される振幅に基づき、受信信号
    の振幅が所定値以上である送受波器のうち最も伏角が小
    さい送受波器、又は受信信号の振幅が所定値以下である
    送受波器のうち最も伏角が大きい送受波器を選択し、こ
    の送受波器の伏角から路面の摩擦係数の値を判定するμ
    判定器と、 を備えることを特徴とする車載用μセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車載用μセンサと、 送受波器に対応して複数個設けられ当該送受波器に係る
    受信信号からドップラ偏移を検出するドップラ検出器
    と、 各ドップラ検出器により検出されるドップラ偏移のう
    ち、μ判定器により選択された送受波器又はその次に伏
    角が小さい送受波器に係る受信信号から検出されるドッ
    プラ偏移に基づき、車両の速度を演算する速度演算器
    と、 を備えることを特徴とする車載用μ・速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の車載用μセンサ又
    は車載用μ・速度センサにおいて、 前記複数の送受波器を車両の前後に一組ずつ対称配置し
    たことを特徴とする車載用センサ。
  4. 【請求項4】 送信信号に応じて当該車両の前下方路面
    に向け車両前方に長く左右方向に狭い超音波又は電波ビ
    ームを送信し、路面からの反射波を受信して受信信号を
    出力する送受波器と、 送受波器に送信信号を与える送信機と、 路面上のビーム照射領域を車両前方に沿い複数の部位に
    区分するよう、時分割測定タイミングを連続して発生さ
    せるタイミング発生器と、 それぞれ異なる時分割測定タイミングにおける受信信号
    の振幅を検出するよう時分割測定タイミングの発生個数
    に対応して複数個設けられた振幅検出器と、 各振幅検出器により検出される振幅に基づき、受信信号
    の振幅が所定値以上である時分割測定タイミングのうち
    最も遅い時分割測定タイミング、又は受信信号の振幅が
    所定値以下である時分割測定タイミングのうち最も早い
    時分割測定タイミングを選択し、この時分割測定タイミ
    ングに対応する伏角から路面の摩擦係数の値を判定する
    μ判定器と、 を備えることを特徴とする車載用μセンサ。
  5. 【請求項5】 送信信号に応じて当該車両の前下方路面
    に向け車両前方に長く左右方向に狭い超音波又は電波ビ
    ームを送信し、路面からの反射波を受信して受信信号を
    出力する送受波器と、 送受波器に送信信号を与える送信機と、 路面上のビーム照射領域を車両前方に沿い複数の部位に
    区分するよう、時分割測定タイミングを連続して発生さ
    せるタイミング発生器と、 時分割測定タイミングで時分割動作し受信信号の振幅を
    検出する振幅検出器と、 振幅検出器により検出される振幅に基づき、受信信号の
    振幅が所定値以上である時分割測定タイミングのうち最
    も遅い時分割測定タイミング、又は受信信号の振幅が所
    定値以下である時分割測定タイミングのうち最も早い時
    分割測定タイミングを選択し、この時分割測定タイミン
    グに対応する伏角から路面の摩擦係数の値を判定するμ
    判定器と、 を備えることを特徴とする車載用μセンサ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の車載用μセンサ
    と、 それぞれ異なる時分割測定タイミングにおける受信信号
    からドップラ偏移を検出するよう時分割測定タイミング
    の発生個数に対応して複数個設けられたドップラ検出器
    と、 各ドップラ検出器により検出されるドップラ偏移のう
    ち、μ判定器により選択された時分割測定タイミング、
    又はこの時分割測定タイミングに係る部位の次に伏角が
    小さい部位に係る時分割測定タイミングにおける受信信
    号から検出されるドップラ偏移に基づき、車両の速度を
    演算する速度演算器と、 を備えることを特徴とする車載用μ・速度センサ。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至記載の車載用μセンサ又
    は車載用μ・速度センサにおいて、 前記送受波器を車両の前後に1個ずつ対称配置したこと
    を特徴とする車載用センサ。
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