JP2837701B2 - ポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の
製造方法に関し、さらに詳しくは、寸法のバラツキがな
く、またそりのない特に長尺のポリテトラフルオロエチ
レン樹脂チューブ、ロッド等の成形品を押出成形するた
めの製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、周知のように融
点(327℃)以上の380℃においても、その溶融粘度が10
11ポアズ程度で通常のプラスチックの成形温度における
粘度103〜104ポアズに比べてはるかに高い。
そのために、通常のプラスチックの如く、加熱により
軟化または流動状態としたうえで押出、圧延等の成形を
行なうことはできない。そこでポリテトラフルオロエチ
レン樹脂(以下PTFE樹脂)からなるチューブ、ロッド等
の成形品は、ペースト押出法により成形が行なわれてい
る。
このペースト押出法は、未焼成のPTFE樹脂粉末に室温
付近での流動性を与えるために通常ソルベントナフサ、
白灯油あるいはトルオール等の押出助剤を配合し、これ
を円筒状に予備成形し、得られた予備成形品(ビレッ
ト)を押出機のシリンダーに入れ、ラムにより加圧して
押出すことにより行なわれる。この押出法によれば、PT
FE樹脂粒子が助剤の力をかりて塑性変形し、シリンダー
先端に取付けられたダイから押出され、所定形状の連続
した未焼成PTFE樹脂成形品を得ることができる。次に、
この未焼成PTFE成形品は、次工程で、長い円筒状の炉体
に入るが、ここでは第1段階の約100〜250℃の乾燥ゾー
ンで上記未焼成PTFE樹脂成形品に含まれる押出助剤が除
去され、次いでPTFE樹脂の融点以上の温度、たとえば36
0〜380℃の焼成ゾーンで未焼成PTFE樹脂が焼成され、最
後に冷却されて、最終的に充分な機械的強度を持った緻
密な既焼成PTFE樹脂成形品が得られる。
ところが、特にチューブやロッド等の長尺物を押出成
形すると、所望の寸法精度がmm単位で得られず、助剤乾
燥後の焼成工程で成形品の外径寸法が不均一になった
り、チューブやロッドの断面の真円度が出なくなった
り、あるいは上記長尺物が直線状に焼成されず、長さ方
向にそりを生じてしまい商品価値を著しく損うなどの問
題点があった。
そこで、本発明者らは、前記押出成形法による不具合
を一挙に解決し、所望寸法の押出成形品を精度よく、し
かも容易かつ低コストで製造し得るPTFE押出成形品の製
造方法を開発するに至り、これを既に提案した(特願昭
63−238,426号参照)。
この製造方法は、押出機から押出された未焼成ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂ペースト押出し成形物を、該
成形物の外径寸法より僅かに大きい内径を有する焼成金
型内に挿入した状態で、焼成と冷却を行ないポリテトラ
フルオロエチレン樹脂成形品を製造するものである。
この方法によれば、焼成時に前記押出し成形物が熱膨
脹したとしても、その径方向外方への膨脹は、焼成金型
の内周面によって制限され、その後の成形品の冷却に伴
なう成形品の収縮が均一となり、軸方向にも外径寸法が
一定の所望のPTFE押出成形品を精度良く得ることができ
る。
ところが、この方法によって成形されたPTFE押出成形
品、特に、その内径が大きいチューブ状の長尺物で薄肉
チューブ(約2.0mm以下)の場合には、焼成冷却した後
に、竹の節状の環状突部がその表面に生じる場合が希に
あった。このような竹の節状の環状突部は成形品の商品
価値を損うのみでなく、このPTFE押出成形品の物性上か
らも好ましくない。
本発明者等は、かかる竹の節状の環状突部の発生原因
について、鋭意検討を行なった結果、次のような原因に
よるものと推定した。
つまり、未焼成のポリテトラフルオロエチレン樹脂を
ペースト状にして押出し成形した成形物を、焼成金型内
に挿入した状態で焼成する場合には、この成形物は、径
方向には熱膨脹を起して焼成金型内周面に密着するが、
軸方向には収縮して焼成金型の内周面に沿って移動変位
する。そして、これを冷却すると、径方向に向けてわず
かに収縮すると共に、長さ方向にも収縮して焼成金型の
内周面に沿って移動変位するが、この冷却途中時の300
〜330℃付近においては、逆に7%近く軸方向に膨脹変
位することが認められた。
このように径方向の膨脹収縮と、軸方向の膨脹収縮と
が一致しない時点では、前記成形物の外周面は、まだ焼
成金型の内周面に接しており、この接触状態で成形物が
膨脹と収縮により軸方向に移動変位すると、この成形物
と焼成金型との間の摩擦が均一でなければ、成形物の軸
方向膨脹と収縮は全体にわたり一様に行なわれず、不均
一なものとなり、一部に前述の竹の節状の環状突部が発
生することになるものと本発明者等は推定し、本発明を
完成するに至った。
発明の目的 本発明は、このような実情に鑑みてなされ、外表面形
状が滑らかな所望寸法のPTFE押出成形品を精度よく、し
かも容易かつ低コストで製造し得るPTFE押出成形品の製
造方法を提供することを目的とする。
発明の概要 このような目的を達成するための本発明に係るポリテ
トラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法は、押出機
から押出された未焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂
ペースト押出し成形物を、該成形物の外径寸法より僅か
に大きい内径を有し、内周面に摩擦抵抗の少ない滑り層
を有する焼成金型内に挿入した状態で、焼成と冷却を行
ない、ポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品を得るこ
とを特徴としている。
前記滑り層は、カーボン層、グラファイト層、チッ化
ホウ素層、金網を用いて形成したり、金型の内周面を凹
凸面にすること、あるいは周面に多数の貫通孔を形成す
ることにより形成することが好ましい。
前記焼成金型の内径(D)と、未焼成ポリテトラフル
オロエチレン樹脂ペースト押出成形物の外径(d1)との
関係は、1<D/d1≦1.2であることが好ましい。
このような本発明に係るPTFE樹脂成形品の製造方法に
よれば、押出機から押出されたPTFE樹脂ペースト押出成
形物を、焼成金型内に挿入して焼成冷却を行なう場合
に、この成形物は、焼成金型の内周面の滑り層に沿って
滑動することになる。また、成形物と焼成金型との間に
空気が入り込むことがあっても、この滑り層を通って逃
がすことができる。したがって、焼成および冷却に伴な
う成形物の軸方向変位が円滑に行なわれ、竹の節状の環
状突部が表面に生じることがなくなり、成形品の外周面
が平滑になり、しかも外径寸法も軸方向に一定になる。
発明の具体的説明 以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説明する。
第1,3,4,5図は本発明の一実施例に係るPTFE樹脂成形
品の製造方法の各工程を示す概略断面図、第2図は同実
施例で用いる焼成金型の要部断面図である。
第1〜5図に示す本発明の実施例は、チューブ形状の
PTFE樹脂成形品を製造する場合を示している。なお、本
実施例では、未焼成PTFEチューブを上方を押出すいわゆ
る上方押出の例であるが、本発明では、これに限定され
ることなく、たとえばPTFEチューブを下方へ押出すこと
もできる。
本発明方法では、まず、未焼成のPTFE樹脂粉末に室温
付近での流動性を与えるために、ソルベントナフサ、白
灯油あるいはトルオール等の押出助剤を配合し、これを
筒状もしくは柱状に予備成形して予備成形物を形成す
る。この予備成形物を得るためのPTFE樹脂粉末の粒径
は、特に限定されないが、好ましくは平均一次粒径0.05
〜1.0μmの微細粉末であって、これが二次粒子を形成
して凝集粒子となったいわゆるPTFEファインパウダーで
ある。
次に、この予備成形物を押出機のシリンダーに入れ、
ラムにより加圧して、たとえば第1図に示すように、押
出機のダイ1よりチューブ状に押出成形する。その際
に、押出されたチューブ状の未焼成PTFE樹脂ペースト押
出し成形物2の先端部にフック3を係止し、このフック
3をワイヤ4および滑車5により引き上げることによ
り、ペースト押出し成形物2の押出成形をスムーズにし
ている。
前記押出機のダイ1より押出された未焼成PTFE樹脂ペ
ースト押出し成形物2は、この成形物2の外径d1より僅
かに大きい内径Dを有する焼成金型6内に挿入される。
特に、本実施例における焼成金型6は、第2図に詳示
するように、金型本体6aのその内周面に摩擦抵抗の少な
い滑り層Sを形成している。この滑り層Sは、前記成形
物2を後述する焼成あるいは冷却する場合にこの成形物
2との摩擦抵抗を低減し、円滑に変位させるためのもの
である。したがって、この滑り層Sは、ポリテトラフル
オロエチレン樹脂の焼成温度での耐熱性を有し、摺動抵
抗の少ないものであればどのようなものでもよいが、本
実施例では、金型本体6aの内周面にカーボン層6bを密着
させたものを用いている。
この焼成金型6の内径D、つまり滑り層Sの内径D
は、後述する押出し成形物2を焼成する際に、この成形
物2が径方向外方に膨張する場合に、焼成金型6の内周
面に圧接するような寸法に決定されている。焼成金型6
の内径Dと、ペースト押出成形物2の外径d1とは、次の
関係式で表わせる範囲にあることが好ましい。
1<D/d1≦1.2 また、焼成金型6を構成する金型本体6aは、本来的に
は、作業性向上のためと、焼成金型6内の焼成されるPT
FE樹脂成形物の外観に悪影響を与えない観点からは、薄
肉の金属製シームレス管、特にステンレス製のシームレ
ス管が好ましいが、前述した滑り層Sを有する焼成金型
6の場合には、金型本体6aを安価な管を用いて形成し、
その内周面にカーボン層を形成してもよく、このように
すればコスト的に有利になる。なお、滑り層Sとして
は、カーボン層以外にグラファイト層やチッ化ホウ素層
であっても良い。また、このような滑り層Sを構成する
材質で焼成金型6全体を滑り層Sと一体的に形成するこ
ともできる。
このような焼成金型6内にPTFE樹脂ペースト押出し成
形物2を長手方向に沿って挿入した後に、第3図に示す
ように、焼成金型6の下端とダイ1との間の位置するペ
ースト押出し成形物2を切断する。そして、フック3と
ワイヤ4との係止を外し、フック3を移動手段7に係止
し、この移動手段7によりペースト押出し成形物2と焼
成金型6とを保持する。
次に、この移動手段7により、ペースト押出し成形物
2が挿入された焼成金型6を第4図に示す炉8内に移動
させ、この焼成金型6をワイヤ9により保持する。それ
と同時に、もしくはその前に、焼成金型6の下端部を盲
板10で蓋をしておく。
このような状態で、炉8内の温度を上昇させ、焼成金
型6内のペースト押出し成形物2を焼成するが、その前
に、ペースト押出し成形物2中に含まれる押出助剤を乾
燥除去させる。このような乾燥除去工程は、100〜250℃
程度の温度で加熱することにより行なわれるが、焼成と
同時に行なっても良いが、別工程で行なうようにしても
良い。
ペースト押出し成形物2の焼成温度は、PTFEの融点
(327℃)以上の温度で、通常340〜380℃が適当であ
る。また。焼成時間は2〜6時間が好ましい。
このような焼成工程において、焼成中のペースト押出
し成形物2は、径方向外方に膨張するが、径方向外方に
は焼成金型6における金型本体6aが存在し、この焼成金
型6により成形物2の膨張が制限され、成形物2の外周
面と焼成金型6の内周面とは圧接状態となる。すなわ
ち、焼成中の成形物2の外径d2は、焼成金型6の内径D
に等しくなる(d2=D)。この場合、焼成金型6におけ
る金型本体6aは金属製であるから、その熱膨張は、成形
物2の熱膨張に比べ無視できる。したがって、焼成中の
成形物2は、焼成金型6の内周面を押圧し、各部均一な
熱応力が付与された状態で膨張することになる。
特に、本実施例では、焼成金型6の内周面に滑り層S
を形成しているので、焼成する場合に成形物2が収縮変
位しても、両者間に生じる摩擦抵抗は極めて小さなもの
となり、成形物2は、滑り層Sに沿って常に円滑に変位
することになり、成形物2の径方向外周面が変形するこ
とはない。
次に、焼成された後の成形物2は、焼成金型6ととも
に炉8から取り出され、第5図に示すように室温まで冷
却する。PTFEの融点以下まで冷却すると、焼成された成
形物2は、径方向の収縮を開始し、熱応力が徐々に解除
され、やがて焼成金型6の内径Dよりも小さい外径d3
有するPTFE樹脂成形品2aが得られる。
この冷却時初期において、成形物2は径方向に収縮す
ると共に軸方向に膨脹変位するが、焼成金型6の内周面
に滑り層Sを形成しているので、この軸方向の膨脹変位
によっても、両者間に生じる摩擦抵抗は極めて小さなも
のとなり、成形物2は、滑り層Sに沿って常に円滑に変
位することになり、成形物2の径方向外周面が変形する
ことはない。また、径方向の収縮が軸方向に均一かつス
ムーズに行なわれるため、外径寸法が軸方向にも一定な
所望寸法のPTFE押出成形品を精度良く得ることができ
る。
なお、この最終製品としてのPTFE樹脂成形品2aの外径
d3は、未焼成のPTFE樹脂ペースト押出し成形物2の外径
d1と、焼成金型6の内径Dとの比D/d1、および冷却速度
等の種々の要因によって決定される。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば第6図に示すように、押出機のダイ1の端部
にサイジング用ダイ11を取付け、押出機のダイ1から押
出された直後の未焼成PTFE樹脂ペースト押出し成形物2
をサイジング用ダイ11でサイジング(縮径)させた後、
このサイジングされた成形物2を、成形物2の外径寸法
d1より僅かに大きい内径を有する焼成金型6内に挿入す
るようにしても良い。他の工程は、先に示す実施例と同
様である。
第6図に示す例では、押出機のダイ1の口径aとサイ
ジング用ダイ11の口径bとの関係は、(a−b)/a<0.
08であることが好ましい。
このように、押出機のダイ1から押出された直後の未
焼成PTFE樹脂ペースト押出成形物2をサイジングする
と、より径の小さい焼成金型に成形物2を挿入すること
が可能で、挿入後は未焼成PTFE成形物2の応力回復によ
り、焼成管内面により良く密着し、サイジングしない成
形物よりも寸法精度のよい製品が得られる。
また、前記PTFE樹脂成形物は、チューブ形状に限ら
ず、中実柱形状、ベローズ形状、補強材との積層形状等
のあらゆる形状であっても良い。
第7図は、本発明の他の実施例を示すもので、前記滑
り層Sを、金網6cにより形成したものである。このよう
な金網6cは、そのワイヤー1本1本が断面円形をしてい
るので、これを滑り層Sとして使用すれば、成形物2と
の接触状態は点接触となり、動摩擦あるいは摺動抵抗は
小さくなり、前記カーボン層6bと同様に成形物2との摩
擦抵抗のないものとすることができる。この金網6cの網
目の大きさとしては、例えば30〜60メッシュ程度のもの
が好ましい。なお本発明では、このような金網のみで焼
成管6を構成するようにしても良い。
第8図は、さらに本発明の他の実施例を示すもので、
前記焼成金型本体6aの内周面にブラスト仕上げを施こす
ことにより、前記滑り層Sとしての細かな凹凸面6dを形
成したものである。このような凹凸面6dも、成形物2と
の接触状態は略点接触となり、動摩擦あるいは摺動抵抗
は小さくなり、成形物2との摩擦抵抗のないものとする
ことができる。
また、第9図に示すように金網6自体をエンボス加工
された筒体で構成し、内周面に多数のエンボス6eを形成
するようにしても良い。エンボス6eの形状は、成形品と
点接触となるように半円形状であることが好ましい。ま
た、エンボス6eのピッチは0.4〜5.0mmが好ましく、エン
ボス6eが形成されている面積は全内周面積に対して20〜
60%が好ましい。エンボス6eの山の高さは0.1〜2.0mm程
度が好ましい。
さらに第10図に示すように、金型6の周面に多数の貫
通孔6fを設けて、滑り層Sを構成するようにしても良
い。貫通孔の孔径は特に限定されないが0.1〜3.0mm、好
ましくは0.5〜1.5mmが良い。また、開孔率は全内周面積
に対して20〜60%が好ましい。
本発明では、このようなエンボス6eまたは貫通孔6fが
形成された管体を焼成金型自体として用いても良いが、
別途金型本体を準備し、この金型本体内に挿入すること
により、焼成金型を構成するようにしても良い。
特に第7〜10図に示す滑り層Sを有する焼成金型の場
合は、滑り層Sの通気性が優れたものとなるので、成形
物2と滑り層Sとの間の一部に空気溜りが形成されるこ
とはなく、この空気溜りによって外周面を変形させるこ
ともない。
発明の効果 このような本発明に係るPTFE樹脂成形物の製造方法に
よれば、焼成金型の内周面に摩擦抵抗の少ない滑り層を
形成しているので、焼成時あるいは冷却時に成形物が軸
方向に膨張収縮変位したとしても、その軸方向の変位は
円滑に行なわれ、成形品の外周面に、たとえば竹の節状
の凹凸部等が生じることはなくなり、成形品の外周面が
平滑になる。しかも本発明では、外径寸法が軸方向にも
一定な所望寸法のPTFE押出成形品を精度良く得ることが
でき、またその製造も容易で、コスト的にも有利とな
る。
また、金網、凹凸面で滑り層を構成した場合は、滑り
層の通気性が向上し、成形物と金型との間の空気溜りに
基づく成形品の変形を有効に防止できる。
以下、本発明を、より具体的な実施例に基づき説明す
る。
実施例1 PTFE粉末(テフロン 6J)に押出助剤(アイソパー
E)を約20重量%加えて混合し、これを5kgf/cm2で予備
成形した後、内径113mmの口金を有する押出機用ダイか
ら呼び寸法100A 外径114mm、内径110mm、長さ7.2mの未
焼成PTFEチューブを押出した。
次いで、このチューブを、内周面にカーボン層6aが形
成された内径118mm、長さ7.2mの焼成管内に挿入した
後、約150℃で前記押出助剤を除去乾燥した。
次に乾燥工程を経た前記未焼成PTFEチューブを前記焼
成管内に挿入した状態で、炉に入れ、370℃で前記未焼
成チューブを焼成した。焼成後、炉より室温まで冷却し
た。冷却後、焼成されたPTFEチューブの外径寸法のバラ
ツキ、偏平度等を表1および表2に示す。
実施例2 内周面に30〜60メッシュの金網が形成された内径118m
mの焼成管に、該未焼成PTFEチューブを挿入した後、実
施例1と同一条件にて助剤の乾燥およびPTFEの焼成を行
なった。
冷却後、焼成されたPTFEチューブの外径寸法のバラツ
キ偏平度等を表1および表2に示す。
比較例1 実施例1で押出した未焼成PTFEチューブを焼成管に挿
入せず、フックにつるした状態で、助剤を乾燥させた
後、実施例1と同一条件にて焼成した。
冷却後、焼成されたPTFEチューブの外径寸法のバラツ
キと、偏平度等を表1および表2に示す。
【図面の簡単な説明】
第1,3,4,5図は本発明の一実施例に係るPTFE樹脂成形品
の製造方法の各工程を示す概略断面図、第2図は同実施
例で用いる焼成金型の要部断面図、第6図は本発明の他
の実施例を示す概略断面図、第7〜9図は本発明のさら
に他の実施例を示す概略断面図、第10図は本発明のさら
にその他の実施例を示す斜視図である。 1……ダイ、 2……ペースト押出し成形物、 2a……PTFE樹脂成形品、 6……焼成金型、6a……焼成金型本体、 6b……カーボン層、6c……金網、 6d……凹凸面、6e……エンボス 6f……貫通孔、8……炉、 S……滑り層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−86427(JP,A) 特開 昭54−106573(JP,A) 特開 昭59−178228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 67/00 - 67/04 B29C 33/00 - 33/76

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出機から押出された未焼成ポリテトラフ
    ルオロエチレン樹脂ペースト押出し成形物を、該成形物
    の外径寸法より僅かに大きい内径を有し、内周面に摩擦
    抵抗の少ない滑り層を有する焼成金型内に挿入した状態
    で、焼成と冷却を行ない、ポリテトラフルオロエチレン
    樹脂成形品を得ることを特徴とするポリテトラフルオロ
    エチレン樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記滑り層は、カーボン層、グラファイト
    層またはチッ化ホウ素層である請求項第1項に記載のポ
    リテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記滑り層は、金網により形成してなる請
    求項第1項に記載のポリテトラフルオロエチレン樹脂成
    形品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記滑り層は、金型の内周面を凹凸面とす
    ることにより形成してなる請求項第1項に記載のポリテ
    トラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記滑り層は、金型の周面に多数の貫通孔
    を形成することにより形成してなる請求項第1項に記載
    のポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】押出機から押出された直後の未焼成ポリテ
    トラフルオロエチレン樹脂ペースト押出し成形物をサイ
    ジング用ダイによりサイジングした後、該サイジングさ
    れた成形物を、前記焼成金型内で焼成と冷却を行なうこ
    とを特徴とする請求項第1項から第4項のいずれかに記
    載のポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記焼成金型の内径(D)と、未焼成ポリ
    テトラフルオロエチレン樹脂ペースト押出成形物の外径
    (d1)との関係が、1<D/d1≦1.2であることを特徴と
    する請求項第1項から第5項に記載のポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂成形品の製造方法。
JP1219296A 1988-09-22 1989-08-25 ポリテトラフルオロエチレン樹脂成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP2837701B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005512687A (ja) * 2001-12-20 2005-05-12 トリバスキュラー,インコーポレイティド 血管内移植切片を製造するための方法及び装置
US7678217B2 (en) 2001-12-20 2010-03-16 Trivascular2, Inc. Method for manufacturing an endovascular graft section

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