JP2835185B2 - シャドウマスクパターン描画装置における位置制御装置 - Google Patents

シャドウマスクパターン描画装置における位置制御装置

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JP2835185B2
JP2835185B2 JP40261390A JP40261390A JP2835185B2 JP 2835185 B2 JP2835185 B2 JP 2835185B2 JP 40261390 A JP40261390 A JP 40261390A JP 40261390 A JP40261390 A JP 40261390A JP 2835185 B2 JP2835185 B2 JP 2835185B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光ヘッドと感光材を
相対移動させながら露光を繰り返すことによりシャドウ
マスク製造用のマスクパターン原板全体を露光する装置
に関し、特に、その露光ヘッドと感光材の相対位置を正
確に制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高解像度TVやコンピュータグラ
フィック用表示用装置が開発される中、カラーブラウン
管用シャドウマスクは、大サイズ化と共に、高微細化、
高品位化の要求も益々強くなっている。
【0003】ところで、シャドウマスクは、薄い鋼材に
レジストを塗布し、表裏をマスクパターン原板を用いて
パターニングし、表裏を同時又は片面ずつエッチングし
て形成するもので、そのマスクパターン原板の良し悪し
が最終製品であるシャドウマスクの品質に大きく影響す
る。したがって、表裏用のマスクパターン原板をいかに
高精度に作成するかが、シャドウマスクの品質を左右す
る。マスクパターン原板を高精度に作成する阻害因子と
して上げられるものにムラがある。このムラは、規則正
しく配列されるべき小孔パターンの位置精度の低下によ
って起きる。この位置精度の低下を抑えることが、ムラ
の少ないシャドウマスクを作成する上で不可欠になって
いる。
【0004】ところで、従来のシャドウマスク製造用の
マスクパターン原板は、マスクパターン原板となる感光
材と露光ヘッドを相対的にX−Y方向に歩進的に移動さ
せながら露光を繰り返すことにより全体のパターニング
を行っている。その装置の1例の要部斜視図を図2に示
す。すなわち、感光材Pは、Y方向に移動制御されるス
テージ1の上にセットされる。一方、マスクの孔パター
ンを縮小レンズ3により縮小して感光材P上に投影露光
する露光ヘッド2は、図示していないX方向移動制御台
に取り付けられている。したがって、ステージ1と露光
ヘッド2をそれぞれY方向、X方向に正確に所定ピッチ
で歩進させながら露光を繰り返すことにより、マスクパ
ターン原板のパターニングが行なえる。このような正確
な歩進制御するために、露光ヘッド2には、X方向干渉
計7とY方向干渉計8とが取り付けられており、各干渉
計の一部を構成する移動鏡11、12が各干渉計に対向
してステージ1に取り付けられている。なお、露光ヘッ
ド2には、各干渉計に入出射する光を移動鏡11、12
に向けるための鏡9、10も取り付けられている。そし
て、このような装置本体Bには、各干渉計共通で近接す
る2つの周波数f1 、f2 の光を同時に発振するのレー
ザ光源4と、その光の一部をY方向干渉計8に向けるた
めに分割するビームスプリッター5と、残りの光をX方
向干渉計7に向ける鏡6と、各干渉計からのビート光を
受光して各方向への移動量を検知するためのX方向検出
器13及びY方向検出器14とが設けられている。そし
て、各干渉計の光学的構成は図3に示すようになってい
る。すなわち、干渉計7(8)は、偏光ビームスプリッ
ター15と、その上下の面に接着されたコーナキューブ
ミラー16、17からなり、その入射側の面と反対の面
には、4分の1波長板18が配置されている。レーザ光
源4からの周波数f1 の光は紙面に平行に偏光してお
り、周波数f2 の光は紙面に垂直に偏光している。この
2つの光が偏光ビームスプリッター15に入射し、紙面
に平行に偏光した周波数f1 はスプリット面を透過し、
4分の1波長板18で円偏光に変換され、移動鏡11
(12)に当たってドップラーシフトΔfを受け、再度
4分の1波長板18に入射し、ここで紙面に垂直な偏光
に変換され、今度はスプリット面で反射され、下側のコ
ーナキューブミラー17に入射し、光路が多少ずれて戻
り、スプリット面で反射されて先の光路からずれた光路
を経て4分の1波長板18で円偏光に変換され、移動鏡
11(12)に再度当たってドップラーシフトΔfを受
け、合計2Δfのドップラーシフトとなって4分の1波
長板18に入射し、ここで紙面に平行な偏光に変換さ
れ、スプリット面を通過して出射する。一方、紙面に垂
直に偏光した周波数f2 の光はスプリット面で反射さ
れ、上側のコーナキューブミラー16に入射し、光路が
多少ずれて戻り、スプリット面で再度反射されて、2Δ
fのドップラーシフトを受けた周波数f1 の信号と重ね
合って出力する。したがって、露光ヘッド2に対する感
光材Pの相対移動量は、各方向について、移動鏡11、
12からの戻り光のドップラーシフト2Δfを取り出し
(そのためには、例えば、周波数f1 ±2Δfとf2
ビート信号周波数から周波数f1 とf2 のビート信号周
波数を減算すればよい。)、例えばドップラー周波数2
Δfの各周期毎にパルスを出すようにしてこのパルス数
を累計することにより、Δf=2vnf/c=2vn/
λ0 =2v/λの関係から、移動量dがd=N×λ/4
として求まる。ただし、ここで、vは移動鏡11、12
の速度、nは空気の屈折率、fはレーザ光の周波数、c
は真空中の光速、λ0 は真空中の波長、λは空気中の波
長である。したがって、このようなパルスの数を計数す
ることにより、ステージ1と露光ヘッド2をそれぞれY
方向、X方向に正確な所定ピッチで歩進させながら露光
を繰り返すことができ、正確なマスクパターン原板のパ
ターニングが行なえる。その他の装置の例として、露光
ヘッドがX−Y方向に移動する場合、感光材を載せたス
テージがX−Y方向に移動する場合も上記と同様であ
る。
【0005】ところで、シャドウマスクパターンのムラ
は、従来より、図2のようなシャドウマスクパターン描
画装置によるパターン描画時の小孔パターン配列ムラが
原因とされているが、その大半は、干渉計を用いた測長
系に使用するレーザ光の波長の不安定さによるものであ
る(上記d=N×λ/4の式より明らかなように、レー
ザ光の波長λが変化すると、同じ計数Nでも実際の移動
量dは異なったものとなってしまう。)。空気中の波長
λは、気圧、気温、湿度に応じて変化するため、レーザ
光の波長の不安定要因としては、レーザ光が通過する光
路の空気の1)気圧、2)気温、3)湿度があげられる。電子
ビーム描画装置では、レーザ光が通過する光路を真空中
に置くことで波長の不安定さから解放されるが、装置が
大きいシャドウマスクパターン描画装置では、装置全体
を高真空系に入れることがコスト的に不可能なため、レ
ーザ光の光路の空気の1)気圧、2)気温、3)湿度による波
長変化をリアルタイムで補正する必要がある。そのため
の位置制御システムの例を図6と図7に示す。
【0006】図6の例においては、目標位置入力装置2
0から各回の露光毎に露光ヘッド2と感光材の相対的に
位置させるべき目標位置が入力される。実際には、予め
プログムされて順次入力されるものである。一方、図3
に示したような干渉計とそれから得られたドップラーシ
フトをパルス化して出力する回路とからなる干渉計測長
器22からのパルス信号は、パルスカウンタ23により
加減算される。上記したように、このパルスカウント値
は、露光ヘッド2と感光材の相対の移動量、すなわちX
−Yステージ系21の位置を表す。ところで、シャドウ
マスクパターン描画装置が置かれた雰囲気の気圧を検出
する気圧計24、気温を検出する温度計25、湿度を検
出する湿度計26が設けられており、これらの検出器か
らの検出信号は、レーザ波長算出装置27に送られ、こ
こで予め記憶されたテーブルを参照にして、真空中の波
長λ0 を補正して得られるその状態の空気中の実際の波
長λが求められる(なお、気圧、気温、湿度と波長の関
係を表すオーエンズの式に従って波長を求めるようにし
てもよい。)。パルスカウンタ23に累計されているカ
ウント値にレーザ波長算出装置27から与えられる波長
λを掛算器28により乗じて、X−Yステージ系21の
現在位置が求められる(なお、n分の1波長の移動毎に
1パルスを出す測長器を用いる場合には、λ/nを乗じ
る。)。目標位置入力装置20から入力された目標位置
と上記のように補正されて求められた現在位置との差
を、位置エラー算出のための減算器29により求め、そ
の誤差信号をアンプ30により増幅して、Y−Xステー
ジ系21をX、Y方向へ移動させるサーボモータ31に
加えることにより、露光ヘッド2と感光材の相対目標位
置、すなわち、測長系の波長変化による測定値のズレを
補正した目標位置へ正確に歩進移動させて露光を繰り返
すことができる。なお、制御の開始に当たっては、最初
に干渉計7、8の移動鏡11、12を原点(基準位置)
に戻し、その位置でリセット装置32によりカウンタ2
3をゼロにリセットしてから、移動制御か開始される。
図7の例は、図6の制御系を変形して、割算器33によ
り目標位置入力装置20から入力された目標位置を、レ
ーザ波長算出装置27出力された実際の波長λで割っ
て、目標位置を予め量子化しておいて、この量子化した
目標デジタル値とパルスカウンタ23に累計されている
現在位置を表すデジタル値とを比較して誤差信号を発生
させるようにしたものであり、本質的に同様の作用をす
る。
【0007】
【発明か解決しようとする課題】しかしながら、図6、
図7の位置制御システムにより、露光ヘッドと感光材の
相対位置決め精度が雰囲気の状況に左右されないように
描画装置を構成しても、小孔パターン配列の位置精度低
下による不定期なムラの発生がみられる。その1例を図
8に示す。この例は、気温がほぼ一定で、気圧が変化す
る雰囲気((a)参照)において、1日以上かけて1面
目と2面目のマスクパターン((b)参照)を連続して
描画した例である。2面目において、気圧が急激に変化
した時に、スジ状のムラが発生している。
【0008】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、露光ヘッドと感光材を歩進的
に相対移動させながら露光を繰り返すことによりシャド
ウマスク製造用のマスクパターン原板全体を露光するシ
ャドウマスクパターン描画装置において、干渉計からな
る露光ヘッド位置制御装置の気圧、気温、湿度の影響を
考慮した補正をして、不定期的なムラを除いた位置制御
装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシャドウマスク
パターン描画装置における位置制御装置は、マイケルソ
ン干渉計の移動鏡の原点からの移動量を干渉計からの干
渉縞ないしドップラーシフト周波数をカウンタでカウン
トすることにより制御して、シャドウマスクパターン描
画装置の露光ヘッドと感光材の相対位置を制御する装置
であって、移動鏡の原点をマイケルソン干渉計のビーム
スプリッターから離れた位置に設定し、移動鏡を原点に
移動してカウンタのカウント値をゼロにリセットし、そ
の後にカウンタのカウント値にその時の空気中の波長を
掛けて得られた値と移動鏡の目標位置の差に基づいて移
動鏡の位置をフィードバック制御する位置制御装置にお
いて、移動鏡を原点に移動してカウンタのカウント値を
ゼロにリセットする時の空気中の波長を記憶する手段を
設け、ビームスプリッターと原点の間の距離をこの記憶
手段に記憶された波長で割った値を前記カウンタの値に
加算した後に、その時の空気中の波長を掛け、得られた
値からビームスプリッターと原点の間の距離を差し引
き、その値と移動鏡の目標位置の差に基づいて移動鏡の
位置をフィードバック制御することを特徴とするもので
ある。
【0010】また、マイケルソン干渉計の移動鏡の原点
からの移動量を干渉計からの干渉縞ないしドップラーシ
フト周波数をカウンタでカウントすることにより制御し
て、シャドウマスクパターン描画装置の露光ヘッドと感
光材の相対位置を制御する装置であって、移動鏡の原点
をマイケルソン干渉計のビームスプリッターから離れた
位置に設定し、移動鏡を原点に移動してカウンタのカウ
ント値をゼロにリセットし、その後にカウンタのカウン
ト値と移動鏡の目標位置をその時の空気中の波長で割っ
て得られた値との差に基づいて移動鏡の位置をフィード
バック制御する位置制御装置において、移動鏡を原点に
移動してカウンタのカウント値をゼロにリセットする時
の空気中の波長を記憶する手段を設け、移動鏡の目標位
置にビームスプリッターと原点の間の距離を加えてから
その時の空気中の波長で割るように構成し、この商と、
ビームスプリッターと原点の間の距離を前記記憶手段に
記憶された波長で割った値を前記カウンタの値に加算し
て得られた値との差に基づいて移動鏡の位置をフィード
バック制御するように変形することもできる。
【0011】
【作用】本発明においては、移動鏡を原点に移動してカ
ウンタのカウント値をゼロにリセットする時の空気中の
波長を記憶する手段を設け、ビームスプリッターと原点
の間の距離をこの記憶手段に記憶された波長で割った値
を前記カウンタの値に加算した後に、その時の空気中の
波長を掛け、得られた値からビームスプリッターと原点
の間の距離を差し引き、その値と移動鏡の目標位置の差
に基づいて移動鏡の位置をフィードバック制御するよう
にしているので、ビームスプリッターと原点の間のデッ
トパスにおける空気の気圧、気温、湿度の変化に基づい
て波長が変化しても、この変化による位置ズレが補正さ
れ、シャドウマスクパターン描画装置の環境の気圧、気
温、湿度が変化しても、描画されたシャドウマスクには
不定期的なムラが発生することはない。
【0012】
【実施例】〕例えば、図2に示したようなシャドウマス
クパターン描画装置において、例えば図3に示したよう
な光学系からなる干渉系を測長系に用いる場合、露光ヘ
ッド2の移動量は、移動鏡11、12の移動方向に選ん
だ測定開始点(原点)から測定される。その理由は、図
3に示したようなマイケルソン干渉計からなる測長系
は、相対移動距離を測定するものであるからである。こ
の測定開始点は、機械的な配置上、偏光ビームスプリッ
ター15から空気をはさんで測長方向にある程度離して
設けざるを得ない。このことは、移動鏡11、12を完
全に干渉計7、8に密着できないことからも理解でき
る。そして、実際の露光ヘッドの位置制御に当たって
は、この測定開始点(原点)に露光ヘッドを戻して、図
6、図7に示すように、リセット装置32により制御装
置をリセットしてから、所望に目標位置へ移動制御を開
始させる。
【0013】ところで、種々検討の結果、上記したよう
なシャドウマスクパターンの不定期的なムラは、上記原
点と偏光ビームスプリッターの間の光路(以下、デッド
パスと言う。)の空気中における波長変化によって発生
することが分かった。この点をもう少し説明すると、こ
のデッドパスの距離は、具体的には、0.2〜0.3m
程度あり、ピッチのエラーとしては、不定期的に0.1
μm程度発生する。すなわち、図6、図7に示した従来
の制御装置においては、図9に示したように、原点を決
めて、その点において制御装置をリセットし(図の
(a))、目標位置を入力して図6又は図7のサーボ系
により位置制御して露光ヘッド2を移動しているが(図
の(b))、原点と移動鏡11(12)の間の波長変化
のみを補正し、偏光ビームスプリッター7(8)と原点
の間のデッドパス中における波長変化は補正していな
い。そのため、このデッドパスにおいて、波長が変化
し、これに基づいてパルスカウント数が変化するため、
正確な移動距離制御ができなくなり、上記したシャドウ
マスクパターンの不定期的なムラが発生している。
【0014】そこで、本発明の1実施例においては、こ
の部分で発生する波長変化を補正するために、図1に示
したような位置制御システムを採用している。すなわ
ち、目標位置入力装置20から各回の露光毎に露光ヘッ
ド2を位置させるべき原点から測った目標位置が入力さ
れる(実際には、予めプログムされて順次入力されるも
のである。)。一方、図3に示したような干渉計とそれ
から得られたドップラーシフト周波数をパルス化して出
力する回路とからなる干渉計測長器22からのパルス信
号は、パルスカウンタ23により加減算される。パルス
カウンタ23は、露光開始時にX−Yステージ系21を
原点に戻した時に、リセット装置32によりゼロにリセ
ットされる。したがって、パルスカウンタ23のパルス
カウント値は、露光ヘッド2の原点からの移動量、すな
わちX−Yステージ系21の原点に対する相対位置を表
す。また、従来の装置(図6)と同様、シャドウマスク
パターン描画装置が置かれた雰囲気の気圧を検出する気
圧計24、気温を検出する温度計25、湿度を検出する
湿度計26が設けられており、これらの検出器からの検
出信号は、レーザ波長算出装置27に送られ、ここで予
め記憶されたテーブルを参照にして、真空中の波長λ0
を補正して得られるその状態の空気中の実際の波長λが
求められる(なお、気圧、気温、湿度と波長の関係を表
すオーエンズの式(工藤恵栄著「分光学的性質を主とし
た基礎物性図表」共立出版(株)昭47.5.15発
行,第138頁)に従って波長を求めるようにしてもよ
い。)。パルスカウンタ23のリセット時の空気中の波
長λS は、リセット装置32からの信号に基づいて、レ
ーザ波長算出装置27からレジスター37に記憶され
る。ところで、デットパス入力装置34が設けられてお
り、ここからデットパスの長さが与えられる(実際に
は、メモリーに記憶しておき、その記憶を呼び出すこと
によって与えられる。)。デットパス入力装置34から
出力されたデットパスの長さは、割算器35において、
レジスター37に記憶されている原点へのリセット時の
波長λS により割られ、その商(デットパスのリセット
時の波長λS で換算したデジタル値)は、加算器36に
おいてパルスカウンタ23のパルスカウント値に加えら
れる。そして、この加算値は、掛算器28においてレー
ザ波長算出装置24からのその時点での空気中の波長λ
を乗じることにより、実際のX−Yステージ系21の現
在位置(偏光ビームスプリッターから測った位置)が求
められる。そして、減算器38において、この位置の信
号からデットパス入力装置34から出力されたデットパ
スの長さを減ずることにより、デットパス及び原点から
現在位置の間の両者での波長変化を補正して原点から測
定したX−Yステージ系21の現在位置が得られる。目
標位置入力装置20から入力された目標位置と上記のよ
うに補正されて求められた現在位置との差を、位置エラ
ー算出のための減算器29により求め、その誤差信号を
アンプ30により増幅して、Y−Xステージ系21をX
−Y方向へ移動させるサーボモータ31に加えることに
より、露光ヘッド2を目標位置、すなわち、測長系の全
ての空間での波長変化による測定値のズレを補正した目
標位置へ正確に歩進移動させて露光を繰り返すことがで
きる。
【0015】以上の制御装置の作用を数式で説明する
と、目標位置入力装置から入力された目標位置をA、デ
ットパス入力装置34から出力されるデットパスの長さ
をDとし、図1のフィードバック制御系が動作してX−
Yステージ系21が正確に目標位置に達して静止してい
るとする。レジスター37には、X−Yステージ系21
を原点へ戻し、パルスカウンタ23をゼロにリセットし
た時の波長λS が記憶されている。そして、掛算器28
には、レーザ波長算出装置27からその時点での空気中
の波長λが入力している。このような状態で、パルスカ
ウンタ23には、(A+D)/λ−D/λS 個のパルス
がカウントされているはずである。割算器35からは、
D/λS のデジタル値が出力されるので、加算器36か
らは(A+D)/λのデジタル値が出力される。したが
って、掛算器28において、この値にλが掛けられるの
で、掛算器28から出力される値は(A+D)、すなわ
ち、偏光ビームスプリッター15から移動鏡11(1
2)の間の距離である。この距離(A+D)から減算器
38においてデットパスの長さDを減ずることにより、
目標位置Aが得られる。すなわち、波長がλS からλに
変化しても、このような制御系を用いると、デットパス
での波長変化も補正されて、正確に目標位置にフィード
バック制御することができる。このような、デットパス
入力装置34、割算器35、加算器36、レジスター3
7、減算器38を設けない図6のような従来のものにお
いては、同じ条件で、減算器38から出力する値は、A
−D×λ/λS となり、X−Yステージ系21が正確に
目標位置Aに達しているにもかかわらず、フィードバッ
クループにより誤った位置に移動されることになる。し
たがって、以上のような本発明の位置制御装置による
と、シャドウマスクパターン描画装置の環境の気圧、気
温、湿度が変化しても、描画されたシャドウマスクには
不定期的なムラが発生することはない。
【0016】図1の制御装置の場合も、従来の図7のも
のと同様に変形して、図4に示すように、原点からの目
標位置とデットパスの長さを加算器39により加えて得
た目標位置を、割算器33でレーザ波長算出装置27出
力された実際の波長λで割って目標位置を予め量子化し
ておいて、この量子化した目標デジタル値とパルスカウ
ンタ23のパルスカウント値にデットパスのリセット時
の波長λS で換算したデジタル値を加えた値、すなわ
ち、現在位置を表すデジタル値とを比較して誤差信号を
発生させるようにすることもできる。その作用は、本質
的に図1の場合と同様である。
【0017】ところで、以上の図1、図4の実施例は、
図2に示したような描画装置全体を空気中に置き、ステ
ージ1及び露光ヘッド2の相対位置を制御して描画する
ものであるが、図5に模式図を示すように、ステージ
1、露光ヘッド2、移動鏡11、12のみを真空室40
内に収容し、干渉計7、8を空気中に配置し、干渉計
7、8を通って移動鏡11、12に向かう光は真空室4
0の窓41から導入するようにすることもできる。この
ような場合、デットパスDの中、ビームスプリッターと
窓41の間D′においてのみ波長変化を受ける。このよ
うな場合、図1、4において、デットパスの長さはDで
なくこのD′として制御するようにする。
【0018】なお、以上の実施例において、X−Yステ
ージ系21を原点に移動させて、パルスカウンタ23を
リセットするリセット装置32については手動の装置を
考えていたが、X−Yステージ系21が所定の原点に達
したとき、これを自動的に検知してパルスカウンタ23
のリセット端子に信号を送るものであれば、公知の機械
的、光学的、電気的、磁気的、光電的手段等の何れのも
のでも用いることができる。
【0019】以上、本発明のシャドウマスクパターン描
画装置における露光ヘッド位置制御装置のいくつかの実
施例について説明してきたが、本発明はこれらの実施例
に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、X−
Yステージ系21を原点に移動したとき、パルスカウン
タ23をリセットするのではなく、割算器35から出力
する値をパルスカウンタ23にプリセットするようにし
てもよい。また、本発明は、シャドウマスクパターン描
画装置以外にも、マイケルソン干渉計を用いて位置制御
するその他の描画装置、それ以外の装置にも適用するこ
とができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスクパターン描画装置における位置制御装置による
と、移動鏡を原点に移動してカウンタのカウント値をゼ
ロにリセットする時の空気中の波長を記憶する手段を設
け、ビームスプリッターと原点の間の距離をこの記憶手
段に記憶された波長で割った値を前記カウンタの値に加
算した後に、その時の空気中の波長を掛け、得られた値
からビームスプリッターと原点の間の距離を差し引き、
その値と移動鏡の目標位置の差に基づいて移動鏡の位置
をフィードバック制御するようにしているので、ビーム
スプリッターと原点の間のデットパスにおける空気の気
圧、気温、湿度の変化に基づいて波長が変化しても、こ
の変化による位置ズレが補正され、シャドウマスクパタ
ーン描画装置の環境の気圧、気温、湿度が変化しても、
描画されたシャドウマスクには小孔パターン位置精度低
下による不定期的なムラが発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のシャドウマスクパターン描
画装置における位置制御装置の構成を説明するための図
である。
【図2】シャドウマスクパターン描画装置の要部斜視図
である。
【図3】マイケルソン干渉計の1例の光学的構成を示す
図である。
【図4】本発明の別の実施例の構成を説明するための図
である。
【図5】描画装置の一部が真空中にある場合の模式図で
ある。
【図6】従来の1例のシャドウマスクパターン描画装置
における露光ヘッド位置制御システムの構成を説明する
ための図である。
【図7】従来の別の例の構成を説明するための図であ
る。
【図8】シャドウマスクの描画条件とその際に発生した
ムラを示すための図である。
【図9】デットパスを説明するための図である。
【符号の説明】
P…感光材 1…ステージ 2…露光ヘッド 4…レーザ光源 7、8…干渉計 11、12…移動鏡 13、14…検出器 15…偏光ビームスプリッター 20…目標位置入力装置 21…X−Yステージ系 22…干渉計測長器 23…パルスカウンタ 24…気圧計 25…温度計 26…湿度計 27…レーザ波長算出装置 28…掛算器 29、38…減算器 30…アンプ 31…サーボモータ 32…リセット装置 33、35…割算器 34…デットパス入力装置 36、39…加算器 37…レジスター 40…真空室 41…窓

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイケルソン干渉計の移動鏡の原点から
    の移動量を干渉計からの干渉縞ないしドップラーシフト
    周波数をカウンタでカウントすることにより制御して、
    シャドウマスクパターン描画装置の露光ヘッドと感光材
    の相対位置を制御する装置であって、移動鏡の原点をマ
    イケルソン干渉計のビームスプリッターから離れた位置
    に設定し、移動鏡を原点に移動してカウンタのカウント
    値をゼロにリセットし、その後にカウンタのカウント値
    にその時の空気中の波長を掛けて得られた値と移動鏡の
    目標位置の差に基づいて移動鏡の位置をフィードバック
    制御する位置制御装置において、移動鏡を原点に移動し
    てカウンタのカウント値をゼロにリセットする時の空気
    中の波長を記憶する手段を設け、ビームスプリッターと
    原点の間の距離をこの記憶手段に記憶された波長で割っ
    た値を前記カウンタの値に加算した後に、その時の空気
    中の波長を掛け、得られた値からビームスプリッターと
    原点の間の距離を差し引き、その値と移動鏡の目標位置
    の差に基づいて移動鏡の位置をフィードバック制御する
    ことを特徴とするシャドウマスクパターン描画装置にお
    ける位置制御装置。
  2. 【請求項2】 マイケルソン干渉計の移動鏡の原点から
    の移動量を干渉計からの干渉縞ないしドップラーシフト
    周波数をカウンタでカウントすることにより制御して、
    シャドウマスクパターン描画装置の露光ヘッドと感光材
    の相対位置を制御する装置であって、移動鏡の原点をマ
    イケルソン干渉計のビームスプリッターから離れた位置
    に設定し、移動鏡を原点に移動してカウンタのカウント
    値をゼロにリセットし、その後にカウンタのカウント値
    と移動鏡の目標位置をその時の空気中の波長で割って得
    られた値との差に基づいて移動鏡の位置をフィードバッ
    ク制御する位置制御装置において、移動鏡を原点に移動
    してカウンタのカウント値をゼロにリセットする時の空
    気中の波長を記憶する手段を設け、移動鏡の目標位置に
    ビームスプリッターと原点の間の距離を加えてからその
    時の空気中の波長で割るように構成し、この商と、ビー
    ムスプリッターと原点の間の距離を前記記憶手段に記憶
    された波長で割った値を前記カウンタの値に加算して得
    られた値との差に基づいて移動鏡の位置をフィードバッ
    ク制御することを特徴とするシャドウマスクパターン描
    画装置における位置制御装置。
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