JP2833586B2 - 磁気抵抗効果素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及びその製造方法

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JP2833586B2 JP15400296A JP15400296A JP2833586B2 JP 2833586 B2 JP2833586 B2 JP 2833586B2 JP 15400296 A JP15400296 A JP 15400296A JP 15400296 A JP15400296 A JP 15400296A JP 2833586 B2 JP2833586 B2 JP 2833586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果型ヘ
ッド(以下、「MRヘッド」という。)に関し、特に磁
気ディスク装置、磁気テープ装置などの磁気記録装置内
で磁気記録媒体に記録された磁化情報を、磁気抵抗効果
を利用して読み出すMRヘッドにおける磁気抵抗効果素
子(以下、「MR素子」という。)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】MR素子は、磁化の方向とセンス電流の
方向とのなす角度によって抵抗が変化することを利用し
て情報を検出する素子であり、磁界の変化に対して高感
度を有することから磁気記録装置の再生ヘッドとして用
いられている。磁気抵抗効果を有する材料としては、軟
磁性材料のNiFe等が用いられている。
【0003】磁気記録媒体に書き込まれた磁気的情報に
対して、線形応答性を示す効率のよい再生ヘッドとして
NiFeを使用するには、NiFeに流すセンス電流と
NiFeの磁化方向のなす角度(以下、「バイアス角
度」という。)を所定の値(望ましくは45度)に設定
するためのバイアス手段を具備しなければならない。こ
のようなバイアス手段としては、種々の技術が開示され
ているが、この中で実願昭59−48201号公報に開
示されたMRヘッドにおいては、軟磁性体横バイアス層
上に非磁性導電体層と磁気抵抗効果層(以下、「MR
層」という。)とを順次積層した構造により、良好なバ
イアス角度が得られ、線形応答性に優れたMRヘッドが
実現できることが示されている。
【0004】例えば、図9に示すような磁区制御膜28
1,282を有する一般的なシールド型MRヘッドにお
いて、センス電流は電極膜291、292からMR層2
7のみならず非磁性導電体層26及び軟磁性体横バイア
ス層25にも分流する。したがって、このような構造に
おいては、MR層27及び非磁性導電体層26に分流し
たセンス電流により、軟磁性体横バイアス層25の面内
を通りかつセンス電流の方向に対して垂直方向の磁界が
発生し、この磁界により軟磁性体横バイアス層25の磁
化方向が回転する。このため、センス電流の方向に対し
て垂直方向に磁化した軟磁性体横バイアス層25は、そ
の周囲に磁界を発生し、その一部がMR層27に印加さ
れる。一方、軟磁性体横バイアス層25及び非磁性導電
体層26に分流したセンス電流により、MR層27の面
内を通り、センス電流の方向と垂直方向の磁界が生じ、
この磁界の方向は前述の軟磁性体横バイアス層25の磁
化によって発生する磁界の方向と一致する。つまり、軟
磁性体横バイアス層25の磁化によって発生する磁界と
センス電流によって生じる磁界とがMR層27にバイア
ス磁界として印加される。このバイアス磁界は、MR層
27の磁化をセンス電流に対して回転させ、MR層27
のバイアス角度を所定の値(理想的には45度)とし、
線形応答性に優れたMRヘッドを実現する。なお、図9
のシールド型MRヘッドでは、前述の構成要素の他に、
基板21、基板保護膜22、第1のシールド膜23、第
1のギャップ膜24、第2のギャップ膜30、第2のシ
ールド膜31、保護膜32等を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の構造(図9参
照)、すなわち軟磁性体横バイアス層25、非磁性導電
体層26及びMR層27を積層した構造を有するMRヘ
ッドにおいては、MRヘッドの出力を増大させるため
に、軟磁性体横バイアス層25、非磁性導電体層26及
びMR層27の薄膜化が進められている。例えば、MR
層27については、従来25[nm]〜30[nm]程
度の膜厚が一般に用いられていたが、薄膜化に伴い、例
えば15[nm]〜20[nm]程度の膜厚とされる。
これによって、MR層27に適切なバイアス磁界を印加
するためには、軟磁性体横バイアス層25の膜厚も薄く
する必要がある。
【0006】しかし、従来の軟磁性体横バイアス層25
は、図10に示すように膜厚が約20[nm]程度にな
ると飽和磁束密度(以下、「Bs 」という。) が急激に
小さくなり、MR層に適切なバイアス磁界を印加できな
くなる。これを補うために膜厚を増やすという方法が用
いられているが、この方法ではヘッドの再生出力の低下
を招くという問題がある。
【0007】その理由について説明する。MRヘッドの
再生出力(V)は、MR層27に流れる電流(I)とM
R層27の抵抗変化量(△R)の積(V=I×△R)で
表される。つまり、VはIに比例する。一方、Iは電極
膜291,292に流れるセンス電流によって規定され
るが、電極膜291,292からのセンス電流はMR膜
27だけでなく軟磁性体横バイアス層25及び非磁性導
電体層26にも分流する。その分流量は、それぞれの膜
厚が厚く、また比抵抗が小さいほど多くなる。ここで、
軟磁性体横バイアス層25の膜厚を薄くすると、図10
に示すようにBs が減少してしまうので、これを補うた
めに膜厚を増やさざるを得ず、また、比抵抗も膜厚の増
大とともに減少する傾向がある。これらの作用が重なっ
て軟磁性体横バイアス層25に分流する電流が増大し、
MR膜27のIが減少する。つまり、再生出力を低下さ
せてしまう。
【0008】また、MR層27に適切なバイアス磁界を
印加させるもう一つの方法として、軟磁性体横バイアス
層25のBs を増加させるという方法がある。具体的に
は軟磁性体横バイアス層25中の強磁性体元素の添加量
を増加させる方法であるが、強磁性体元素の添加量をむ
やみに増加させると、センス電流による磁界では磁化が
飽和せずMR層に適切なバイアス磁界を印加できないこ
と、及びヘッドの出力波形にノイズを生じさせるなどの
問題がある。
【0009】その理由について説明する。軟磁性体横バ
イアス層25のBs を増加させるために、軟磁性体横バ
イアス層25中の強磁性体元素の添加量をむやみに増加
させると軟磁性体横バイアス層25の異方性磁界(以
下、「Hk 」という。)も増大してしまう。その結果、
MR層27に流れるIによる磁界では磁化が飽和しなく
なり、MR層27に適切なバイアス磁界を印加できなく
なる。また、磁化困難軸方向の保磁力(以下、
「Hc,h 」という。)も増大し、大きな磁気ヒステリシ
スによってヘッドの出力波形にノイズを生じさせてしま
う。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、薄い膜厚においても大
きなBs (例えば6500[Gauss]以上)、小さ
なHk (例えば8[Oe]以下)及び小さなHc,h (例
えば0.5[Oe]以下)を有することによって、薄い
膜厚でもMR膜27に安定した適切なバイアス磁界を印
加でき、さらに磁化の飽和が早くヘッドの出力波形にノ
イズを生じさせないような軟磁性体横バイアス層を有す
るMR素子及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るMR素子
は、軟磁性体横バイアス層、非磁性導電体層、MR層を
備えたものである。そして、軟磁性体横バイアス層は、
Ta層とCoZrMo層との積層体(以下、「Ta/C
oZrMo」という。)を1構成単位として2構成単位
以上の多層膜である。軟磁性体横バイアス膜中のCoZ
rMoの組成は、例えばCo100-x-y Zrx Moy (3
≦x≦13)[原子百分率]の範囲内である。また、上
記MR素子に対して、例えば、30[Oe]以上の外部
磁場を印加しながら、200℃以上350℃以下の温度
で、1時間以上20時間以下の熱処理を行うことを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るMR素子の一実施形
態における軟磁性体横バイアス層の諸特性について詳述
する。
【0013】まず、ガラス基板上に、スパッタ法を用い
て、第1のTa層、第1のCoZrMo層、第2のTa
層、第2のCoZrMo層、及びTa層を、図1に示す
ような層厚及びCoZrMo組成で、順次積層成膜した
評価用試料A、B、Cを作製した。このとき、スパッタ
成膜時に75[Oe]の磁界を印加することによって、
CoZrMo層に一軸磁気異方性を付与した。
【0014】また、このようにして用意された試料A、
B、Cについて、振動試料型磁力計を用いて、Bs 、H
k 、Hc,h 及び磁化容易軸方向の保持力(以下、「H
c,e 」という。)を測定した。
【0015】測定後、これらの試料を8×10-5[P
a]以下の真空中で磁化容易軸方向に800[Oe]の
外部磁場を印加しながら270℃で1時間熱処理した。
熱処理後、同時にBs 、Hk 、Hc,h 及びHc,e を測定
した。図2にそれらの結果を示す。
【0016】図2に示すようにCoZrMoの膜厚が1
0[nm]の場合でも、Ta膜を下地として積層するこ
とによって、また成膜後に磁場中熱処理をすることによ
って、Bs ≧6500[Gauss]、Hk ≦8[O
e]、Hc,h ≦0.5[Oe]の特性が実現しているこ
とがわかる。磁場中熱処理は、Hk とHc,h を減少させ
る効果がある。
【0017】また、軟磁性体横バイアス層は、Ta/C
oZrMoを1構成単位として上記のように2構成単位
とする場合のみに限らず、例えば3構成単位の場合でも
下記に示すように同様の結果が得られた。
【0018】ガラス基板上にスパッタ法を用いて、第1
のTa層、第1のCoZrMo層、第2のTa層、第2
のCoZrMo層、第3のTa層、第3のCoZrMo
層、及びTa層を、図3に示すような層厚及びCoZr
Mo組成で、順次積層成膜し、評価用試料Dを作製し
た。なお、このとき、スパッタ成膜時に750[Oe]
の磁界を印加することによって、CoZrMo層に一軸
磁気異方性を付与した。次に、これらの試料を、8×1
-5[Pa]以下の真空中で磁化容易軸方向に550
[Oe]の外部磁場を印加しながら250℃で17時間
熱処理した。
【0019】このようにして用意された試料Dについ
て、振動試料型磁力計を用いて、Bs、Hk 、Hc,h
びHc,e を測定したところ、図4に示すような結果が得
られた。
【0020】すなわち、図4に示すように、CoZrM
oの膜厚が6.7[nm]でかつ軟磁性体横バイアス層
がTa/CoZrMoを1構成単位として3構成単位の
場合においても、Bs ≧6500[Gauss]、Hk
≦8[Oe]、Hc,h ≦0.5[Oe]の特性が実現し
ていることがわかる。
【0021】また、試料A、B、C、Dを8×10
-5[Pa]以下の真空中で磁化容易軸方向に550[O
e]の外部磁場を印加しながら400℃で1時間熱処理
し、振動試料型磁力計でHc,h 及びHc,e を測定したと
ころ、どちらも10[Oe]以上となった。これは、軟
磁性体横バイアス層の構造変化によってHc,h 及びH
c,eが増加したものと考えられるため、熱処理温度は3
50℃以下であることが望ましい。熱処理時間が20時
間を越える場合についても同様にHc,h 及びHc,e の増
大が見られた。
【0022】次に比較例として、軟磁性体横バイアス層
がCoZrMoだけの場合及びTa/CoZrMoの1
構成単位だけの場合の特性について述べる。ガラス基板
上に、スパッタ法を用いて、第1のTa層(またはTa
層なし)、第1のCoZrMo層、及びTa層の順に、
図5に示すような層厚及びCoZrMo組成で評価用試
料E、F、Gを作製した。なお、このとき、スパッタ成
膜時に75[Oe]の磁界を印加することによってCo
ZrMo層に一軸磁気異方性を付与した。
【0023】また、このようにして用意された試料E、
F、Gについて、振動試料型磁力計を用いて、Bs 、H
k 、Hc,h 、及びHc,e を測定した。測定後、これらの
試料を、8×10-5[Pa]以下の真空中で磁化容易軸
方向に800[Oe]の外部磁場を印加しながら270
℃で1時間熱処理した。熱処理後、同様にBs 、Hk
c,h 、及びHc,e を測定した。図6にそれらの結果を
示す。
【0024】図6の結果より、Ta下地膜が無い場合
(試料E)は第1のTa膜がある場合(試料F、G)の
ような熱処理によるHk の減少は見られず、しかも第1
のTa膜がある場合と比べてHc,h が大きいことがわか
る。すなわち、第1のTa膜は、Hk を熱処理によって
減少させる効果、及びHc,h を小さくする効果がある。
【0025】また、試料F、Gのように軟磁性体横バイ
アス層がTa/CoZrMoの1構成単位の場合では、
磁場中熱処理後に、Bs ≧6500[Gauss]、H
k ≦8[Oe]、Hc,h ≦0.5[Oe]の特性を全て
実現させるには軟磁性体横バイアス層をTa/CoZr
Moを1構成単位として2構成単位以上の多層膜にする
必要がある。
【0026】次に、CoZrMoの組成をCo100-x-y
Zrx Moy (3≦x≦5、11≦y≦13)[原子百
分率]に限定した理由について述べる。まず、Bs はC
oの添加量に依存し添加量が多い程大きいので、Bs
6500[Gauss]の特性を実現させるためには、
CoZrMoを82[原子百分率]以上にすることが好
ましい。また、Hk はMoの添加量に依存し添加量が多
い程小さいので、Hk≦8[Oe]の特性を実現させる
ためには、CoZrMo中のMoを11[原子百分率]
以上にすることが好ましい。しかし、Moの添加量を増
加させるとキュリー温度が低下し、13[原子百分率]
を越えてしまうとキュリー温度が約300℃以下にまで
低下してしまう。そのため、Bs も減少し、Bs ≧65
00[Gauss]が実現できなくなってしまう。した
がって、Moの添加量は11〜13[原子百分率]にす
ることが好ましい。また、Hc,h はZrの添加量に依存
し、添加量が少ないとHc,h が大きくなる。Hc,h
0.5[Oe]の特性を実現するには、Zrの添加量を
3[原子百分率]以上にすることが好ましい。
【0027】したがって、CoZrMoの組成はCo
100-x-y Zrx Moy ( 3≦x≦5、11≦y≦13)
[原子百分率]の範囲内であることが好ましい。
【0028】以上述べてきたように、軟磁性体横バイア
ス層としてTa/CoZrMoを1構成単位として2層
構成単位以上からなる多層膜を用い、CoZrMoをC
10 0-x-y Zrx Moy ( 3≦x≦5、11≦y≦1
3)[原子百分率]の範囲内の組成にすることによっ
て、軟磁性体横バイアス層の厚みが20[nm]以下と
薄くなっても6500[Gauss]以上の大きなBs
及び0.5[Oe]以下の小さなHc,h を有する軟磁性
体横バイアス層が得られる。
【0029】また、上記軟磁性体横バイアス層を、30
[Oe]以上の外部磁場を印加しながら、200℃以上
350℃以下の温度で、1時間以上20時間以下の熱処
理を実施することによって、軟磁性体横バイアス層の厚
みが20[nm]以下と薄くなっても8「Oe」以下の
小さなHk を有する軟磁性体横バイアス層が得られる。
【0030】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照して詳
細に説明する。
【0031】図7に示すように、Al2 3 −TiC系
のセラミック基板上に予め設けられたNiFeからなる
厚さ1μmの第1のシールド膜(図7では省略してあ
る)上に、厚さ0.1μmのAl2 3 からなるギャッ
プ膜1を作製した。さらに、スパッタ法を用いて1[n
m]の厚さを有する第1のTa層2、10[nm]の厚
さを有する第1のCoZrMo層3、1[nm]の厚さ
を有する第2のTa層4、及び10[nm]の厚さを有
する第2のCoZrMo層5を順に積層成膜した。そし
てその上に、厚さ20[nm]の非磁性導電体層6、及
び厚さ20[nm]のMR層7を、永久磁石による75
[Oe]の均一磁界下において成膜した。図7には記載
されていないが、さらにそのMR層7の両端に、20
[nm]の厚さの反強磁性を示すFeMn層からなる磁
区制御膜と、厚さ100[nm]のAuからなる電極膜
とを配設した。そして、その磁区制御膜、電極膜おびM
R層7を覆うように、厚さ0.1μmのAl2 3 から
なるギャップ膜と、NiFeからなる厚さ1μmの第2
のシールド膜と、厚さ0.1μmのAl2 3 からなる
保護膜とを積層成膜することによってMR素子を作製し
た。さらに、このMR素子を、8×10-5[Pa]以下
の真空中で550[Oe]の外部磁場を印加しながら2
70℃で1時間熱処理した。
【0032】続いて、このMR素子は、周知の技術によ
りスライダ加工を施すとともに、加圧バネ、支持アーム
等の取付け及び電極への配線等を行ってMRヘッドを作
製した。このようにして作製されたMRヘッドについて
再生特性を調べたところ、8mAの小さなセンス電流で
軟磁性体横バイアス膜8の磁化が飽和しMR層7に適切
なバイアス磁界が印加されることによって得られる再生
出力を示し、さらに出力波形にノイズのない良好な再生
特性が得られた。
【0033】また、他の実施例として図8に示すよう
に、Al2 3 −TiC系のセラミック基板上に予め設
けられたNiFeからなる厚さ1μmの第1のシールド
膜(図8では省略してある)上に、厚さ0.1μmのA
2 3 からなるギャップ膜10を作製した。さらにス
パッタ法を用いて1[nm]の厚さを有する第1のTa
層11、6.7[nm]の厚さを有する第1のCoZr
Mo層12、1[nm]の厚さを有する第2のTa層1
3、6.7[nm]の厚さを有する第2のCoZrMo
層14、1[nm]の厚さを有する第3のTa層15、
6.7[nm]の厚さを有する第3のCoZrMo16
を順に積層成膜した。そしてその上に、厚さ10[n
m]の非磁性導電体層17、厚さ20[nm]の非磁性
導伝導体17、及び厚さ20[nm]のMR層18を、
永久磁石による75[Oe]の均一磁界下において成膜
した。図8には記載されていないが、さらにそのMR層
18の両端に、50[nm]の厚さの反強磁性を示すN
iMn層からなる磁区制御膜と、厚さ100[nm]の
Auからなる電極膜とを配置し、その磁区制御膜、電極
及びMR層18を覆うように、厚さ0.1μmのAl2
3 からなるギャップ層と、厚さ1μmのNiFeから
なる第2のシールド膜と、厚さ0.1μmのAl2 3
からなる保護膜とを積層成膜することによって、MR素
子を作製した。さらに、このMR素子を、8×10
-5[Pa]以下の真空中で800[Oe]の外部磁場を
印加しながら270℃で17時間熱処理した。
【0034】そして、このMR素子は、周知の技術によ
りスライダ加工を施すとともに、加圧バネ、支持アーム
等の取付け及び電極への配線を行ってMRヘッドを作製
した。このようにして作製されたMRヘッドについて再
生特性を調べたところ、8mAの小さなセンス電流で軟
磁性体横バイアス膜19の磁化が飽和しMR層18に適
切なバイアス時間が印加されることによって得られる再
生出力を示し、さらに出力波形にノイズのない良好な再
生特性が得られた。
【0035】以上、本発明において適する2つの実施例
について記述してきたが、本実施例以外においても本発
明に該当する範囲内で様々な変更が可能であることはい
うまでもないことである。
【0036】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明に係わる
MR素子及びその製造方法を用いることにより、薄い膜
厚においても大きなBs (例えば6500[Gaus
s]以上)、小さなHk (例えば8[Oe]以下)及び
小さなHc,h (例えば0.5[Oe]以下)を有する軟
磁性体横バイアス膜が得られる。したがって、MR膜に
安定した適切なバイアス磁界を印加でき、さらにセンス
電流によって作られる小さな磁界も磁化が飽和し、磁気
ヒステリシスも小さいため、ヘッドの出力波形にノイズ
を生じさせないようなMR素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMR素子の一実施形態における、
軟磁性体横バイアス層の膜厚及び組成を示す図表であ
る。
【図2】図1のMR素子における測定結果を示す図表で
ある。
【図3】本発明に係るMR素子の他の実施形態におけ
る、軟磁性体横バイアス層の膜厚及び組成を示す図表で
ある。
【図4】図3のMR素子における測定結果を示す図表で
ある。
【図5】本発明に係るMR素子の比較例における、軟磁
性体横バイアス層の膜厚及び組成を示す図表である。
【図6】図5のMR素子における測定結果を示す図表で
ある。
【図7】本発明に係るMR素子の一実施例を示す断面図
である。
【図8】本発明に係るMR素子の他の実施例を示す断面
図である。
【図9】従来のMR素子を示す断面図である。
【図10】従来のMR素子における、飽和磁束密度の軟
磁性体横バイアス層膜厚依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,10 ギャップ膜 2,11 第1のTa層 3,12 第1のCoZrMo層 4,13 第2のTa層 5,14 第2のCoZrMo層 6,17,26 非磁性導電体層 7,18,27 MR層 8,19,25 軟磁性体横バイアス層 9,20 MR素子 15 第3のTa層 16 第3のCoZrMo層 21 基板 22 基板保護膜 23 第1のシールド膜 24 第1のギャップ膜 30 第2のギャップ膜 31 第2のシールド膜 32 保護膜 281,282 磁区制御膜 291,292 電極膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性体横バイアス層、非磁性導電体層
    及び磁気抵抗効果層を備えた磁気抵抗効果素子におい
    て、 前記軟磁性体横バイアス層は、Ta層とCoZrMo層
    との積層体を1構成単位として2構成単位以上の多層膜
    からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性体横バイアス層中のCoZr
    Moの組成が、Co100-x-y Zrx Moy (3≦x≦
    5、11≦y≦13[原子百分率])の範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果素子に対して、30
    [Oe]以上の外部磁場を印加しながら、200℃以上
    350℃以下の温度で、1時間以上20時間以下の熱処
    理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気抵
    抗効果素子の製造方法。
JP15400296A 1996-06-14 1996-06-14 磁気抵抗効果素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2833586B2 (ja)

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