JP2831678B2 - インクタンク一体型記録ヘッドおよび該ヘッドを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

インクタンク一体型記録ヘッドおよび該ヘッドを用いるインクジェット記録装置

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JP2831678B2
JP2831678B2 JP1018228A JP1822889A JP2831678B2 JP 2831678 B2 JP2831678 B2 JP 2831678B2 JP 1018228 A JP1018228 A JP 1018228A JP 1822889 A JP1822889 A JP 1822889A JP 2831678 B2 JP2831678 B2 JP 2831678B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクタンク一体型インクジェット記録ヘ
ッドおよびこれを用いるインクジェット記録装置に関す
るものである。
[従来の技術] 従来、インクジェット記録装置では、所定量のインク
を収容するカートリッジタイプのインクタンクを記録ヘ
ッドとは別体に具備し、その残量が無しもしくは僅少と
なったときにこれを交換してインク補給を行うようにし
たものが一般的であった。しかしインク吐出を行う記録
ヘッド本体が低廉である場合(インク吐出のためのエネ
ルギ発生素子に電気熱変換体を用いたものにあっては、
半導体と同様な製造工程により吐出口を高密度配置した
形態のものを量産可能であることから、その製造コスト
を低くできる)、インクタンクと記録ヘッド本体とを一
体化し、これをカートリッジとして装置本体に着脱可能
としたものも種々提案されている。
後者の形態では、インクタンクと記録ヘッド本体とを
一体化することにより、インク容量に見合った所定の記
録量毎に確実かつ自動的に記録ヘッドを更新できるの
で、常に良好な記録品位を維持することが可能となる。
また、万が一記録品位が低下するようなトラブルが記録
ヘッド本体に生じ、これが回復不能である場合でも、装
置にとっての心臓部とも言うべき記録ヘッドを安易に交
換できるので、記録装置としての動作が不能である期間
(ダウンタイム)を著しく短縮することが可能である。
さらに、記録ヘッド本体とインクタンクとが別体である
場合に生じ得る問題点、すなわちインク供給の際に生じ
うる異物の混入や、インクタンクと記録ヘッド本体との
インク供給路中への気泡等の混入といった問題点も生じ
にくいものである。
かかるカートリッジに用いられるインクタンクには、
特に記録媒体に対し所定方向に記録ヘッドを走査しつつ
記録を行う所謂シリアルプリンタ形態のインクジェット
記録装置に搭載可能なカートリッジに用いられるインク
タンクにあっては、吸収体を配設してこれにインクを含
浸させる工夫が採られている。これは、水頭差によって
吐出口に生じる圧力の安定化の他に、走査時あるいは走
査反転時または運搬時その他の衝撃の作用に伴うインク
の揺れによって生じる気体の溶存やインク漏洩を防止す
る上で有効である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、インクタンク一体型の記録ヘッドにお
いては、インクに加えてインクジェット記録ヘッドの本
体部分のコストもランニングコストに含まれてくるの
で、インクのみのカートリッジに比べてランニングコス
トが割高になるという不都合が生ずる。
ランニングコストを低減するためには、インク容量を
大きくすることが考えられるが、カートリッジの大型化
を招く、インクタンク一体型の記録ヘッドのカートリッ
ジは、シリアルプリンタでは通常インクジェット記録装
置の本体内を左右に移動させられるので、カートリッジ
の大型化にともない、その移動空間も大容積化すること
になり、記録装置本体の大型化が避けられないことにな
る。また、この場合、大型で重いカートリッジを高精度
をもって繰り返し移動させるのは難しく、従って、記録
品位の低下を招くことも考えられる。
そこで、この場合ヘッド本体部分とインクタンク部分
とを分割して別々の移動手段に搭載し、これらをチュー
ブ等で連絡して同時に走査するようにした方式も提案さ
れているが、インクタンクの交換方式を採るものであり
インク補給の際に生ずる異物混入の危険も回避できると
いうヘッドのカートリッジ化の特長を生かすことができ
ないことになる。
特に、インクを含浸させた吸収体を内蔵するインクタ
ンクを一体化した記録ヘッドにあっては、吸収体自体の
容積がインクタンク内容積の数十%を占め、初期インク
量のうち最終的に吸収体から取り出せないインク量を10
%以上あるので、内容積に対する正味のインクの使用可
能量が低く、上記問題点は顕著となる。
また、インク吸収体に含浸させたことは、単にインク
を貯留して自由表面をもたせる場合に比べて水頭差によ
る吐出口部分の圧力をかなり安定化できるが、当該圧力
の変動は吐出口からのインクの漏れや吐出方向、あるい
は吐出口形成面の濡れによる「よれ」等、さらには吐出
量の変動等をもたらすものであるので、厳しく安定化す
るべきである。しかし吸収体を設ける場合はその毛管力
によってインクが吸収体方向に引かれるので、インクタ
ンクの内部に吸収体を充填した従来の構成では、インク
残量の多寡によってその力が著しく変動し、従って吐出
口部分の圧力の安定化には限界があった。
本発明の目的は、タンク内容積に対するインク収容量
を大としてランニングコストの低減ないしは走査空間の
小容量化を図るとともに、吐出口部分の圧力変動を抑制
して良好な画像を安定して得ることができるようにする
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1の形態は、インクを吐出して記録を行う
吐出部と、この吐出部に供給するためのインクを収容し
たインクタンクとを一体に具えたインクタンク一体型記
録ヘッドであって、前記インクタンクは、大気連通口と
インクを保持する吸収体とを有し、この吸収体に保持さ
れたインクを前記吐出部に供給する供給部と、 この供給部に補充されるインクを当該供給部とは独立
して貯溜する収容部と、 この収容部と前記供給部とに連通して当該収容部に貯
溜されたインクを前記供給部に補充するための連通路
と、 この連通路を開閉し得る開閉手段とを具えたことを特
徴とするものである。
この場合、前記吸収体に保持されたインクの残量を検
知する残量検知手段をさらに具えるようにしてもよい。
また、前記連通路は、前記供給部の下部に連通している
ものであってもよい。さらに、前記吐出部は、電気熱変
換体を有する吐出エネルギ発生手段を具えたものであっ
てもよい。この場合、前記電気熱変換体は、吐出のため
の熱エネルギを通電に応じて発生するものであってもよ
い。
一方、本発明の第2の形態は、上述したインクタンク
一体型記録ヘッドを着脱可能に支持する手段と、前記開
閉手段を駆動させるための駆動手段とを具えたことを特
徴とするインクジェット記録装置にある。
この場合、上述した残量検知手段によって検知された
インク残量が所定量未満の場合、前記駆動手段により前
記開閉手段を駆動して前記連通路を開くものであっても
よい。
〔作 用〕
本発明によると、供給部と収容部とがインクタンク内
で独立しており、供給部の容積を収容部の容積よりも相
対的に小さくすることにより、収容部の容積が大きくな
る結果、使用可能なインクの正味の収容量が増大する。
また、吸収体に保持されたインクの残量が少なくな
り、供給部にインクを補充する必要が生じた場合には、
開閉手段を操作して連通路を開き、収容部に貯溜された
インクを連通路から供給部に補充し、この供給部の吸収
体にインクを含浸させ、これによって吐出部におけるイ
ンクの圧力を適正な範囲に維持する。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
るが、それに先立って本発明の対象となる部分の構造を
以下に説明し、このインクタンク一体型記録ヘッドカー
トリッジに代えて本発明によるインクタンク一体型記録
ヘッドカートリッジ、例えば第6図に示す構造のものを
採用すればよい。
第1図は、このような本発明の対象となるインクタン
ク一体型記録ヘッドを含むインクジェット記録装置の断
面図である。ここで、1はインクジェット記録ヘッド本
体部分である記録ヘッドチップであり、記録媒体20に対
向して移動しつつ記録信号に応じてインクを吐出する。
所定量のインクを収納するインクタンク2は、上部に連
通部分を有し補給手段として機能する仕切板3によっ
て、吸収体4とインク量検知用電極5とを有する供給部
6および記録ヘッドチップ1に分割された形態で一体化
されており、所定量のインク消費に応じてヘッドを交換
するように構成されている。インクタンク2の供給部6
は、ヘッドチップ1と気泡を容易には通さない孔径を有
する多孔質体のフィルタ7を介して結合されているとと
もに、その上部を気孔を有する吸収体4で満たされてお
り、その吸収体4がインクを保持している。インクタン
ク2の上部には、疎水性連泡体9を介して微細な大気連
通孔8が設けられており、ヘッドチップ部からのインク
消費に応じて吸収体に保持されたインクがヘッドチップ
部で気泡を生じることなく供給部6から記録ヘッドチッ
プ1へのインク供給がなされる。
ところで、記録ヘッドチップ1の液路列10およびイン
クタンク2の供給部4には、それぞれ、インクを吐出す
るためのエネルギを記録信号に応じて発生する電気熱変
換体などの吐出エネルギ発生素子および吸収体4内に挿
通されるピン形状のインク残量検知用電極5が形成され
ており、これらに電気的接続を行うための電極が電極列
11の形でまとめられている。なお、15は吸収体4側より
インクを受容して各液路にこれを供給する液室である。
カートリッジの取り扱いは主としてインクタンク2側
を持つようにしており、本体への装着・取外しは、第1
図においてA矢印およびB矢印の方向に行われる。装着
の際には、タンク2を保持するカートリッジレバー12を
付勢方向(C方向)とは逆方向(D方向)に押し込んで
おき、キャリッジに対してほぼ上方から落とし込み、そ
れぞれ互いに傾斜面を有するカートリッジの係合部14と
キャリッジの受部13とを係合させて、電極列11と本体制
御部と接続されているフレキシブルケーブル15とが圧接
されるようになっている。そして、カートリッジの挿入
の後カートリッジレバー12をゆっくりとC方向に操作し
てカートリッジを下方へ付勢し、キャリッジ13上に固定
支持させる。また、カートリッジの取り出しは、カート
リッジレバー12を開放して上方へ引き出せば足り、着脱
とも容易な構成となっている。
この参考例に係る記録装置による記録に際しては、給
送ローラ対16および排出ローラ対19によってガイド18上
をF方向に搬送される記録媒体20に対し、キャリッジ軸
22に沿って走査されるキャリッジ23のコロ21を介して紙
押えレール17により記録媒体20をガイド18上に押圧しつ
つキャリッジ走査がなされる。
第2図は、この参考例に係る装置の平面図を示すもの
である。キャリッジ23は、記録信号に同期するように回
転する走査ドラム27に巻き付けられた駆動ワイヤ26に固
着され、これがプーリ28と29との間を往復動することに
よって矢印G方向に走査される。符号31で示すものはキ
ャリッジ23を第1図中E方向に回動させるためのモータ
であり、キャリッジ軸22を中心としてキャリッジ23の側
面に設けたギヤ(キャリッジギヤ)25と噛合可能なギヤ
(キャリッジ回転ギヤ)30を設けてある。
小さいながら導電性を有するインクの消費によって吸
収体4内のインク量が減少すると、第3図に示すように
吸収体4の部分の電気抵抗値が上昇するので、インク残
量検知用電極5間の検出値が変化して吸収体4内のイン
ク量が所定の量未満となったことが検知できる。その
際、キャリッジ23をキャリッジギヤ25とキャリッジ回転
ギヤ30とが噛合する位置に移動させ、吸収体4へのイン
ク補給動作を行う。
第4図を用いて当該動作を説明する。キャリッジ回転
用モータ31が回転すると、キャリッジ23は、キャリッジ
軸22を中心にE方向回転して第4図に示すような姿勢を
とる。この位置では、インク収納部たるインクタンク2
内のインクが仕切板3の上部から供給部6に供給され、
吸収体4は再び十分なインクを保持するようになる。そ
の後にはモータ31を逆転してキャリッジ23ないしカート
リッジを元の位置に復帰させればよい。
なお、このようなインク補給の際に吸収体の保持力を
超える量のインクが供給部内に流入することも考えられ
る。このような場合には、第5図に示すように吸引キャ
ップ32、吸引孔33および吸引ポンプ34からなる吸引手段
を用い、吸引キャップ32の場合によって、ノズル列10側
から適量吸引してやることによって吐出口部分を適正な
水頭に保つことができる。
ところで、この参考例で用いた吸収体4には、インク
量が容積の約70%を超えると吐出口部分の水頭圧が適正
な負の範囲(−20〜−40mmaqu)を超えてしまい、吐出
口からの漏洩や吐出口形成面の濡れが生じ易くなり、一
方逆に20%以下のインク量では吐出が不安定になるもの
があった。しかしここで、従来の構成とこの参考例の構
成とをインク容量に関して比較すると、この参考例の構
成では、従来のものよりも多くのインクを同一の体積で
有効使用可能である。すなわち、従来の構成では吸収体
が内部の全域に充填されていたためにそれだけで内容積
の30%を無駄にしてしまうのに加えて、初めに入れたイ
ンクの内吸収体からの引き出せない量も10%以上にあっ
た。これに対してこの参考例ではカートリッジの一部に
設けたので、吸収体のカートリッジ内容積に対する割合
が減り、従ってインクの有効使用量が増やせることにな
った。
なお、この参考例においてキャリッジ23ないしカート
リッジを回動させるための所定の操作を行う手段として
は、上述のようにモータ31を用いたもののみならず、種
々の構成を採ることができる。例えば、所定の位置にキ
ャリッジ23と係合してE方向に回動させつつこれを案内
する部材を設け、残量検知用電極によって所定量未満が
検知されたときに、その部材に沿ってキャリッジ23を移
動させるようにしてもよい。また、操作者がカートリッ
ジをキャリッジ23より取外し、これを振る等してインク
補給がなされるようにしてもよい。
以上のようなインクタンク一体型ヘッドに対し、以下
に説明する本発明によるインクタンク一体型ヘッド、つ
まりカートリッジの変位を伴わずに、カートリッジ自体
にインクタンク部とインク供給部とのインク連通路を開
放/閉塞可能とする手段を設け、当該開放時にインク補
給がなされるようにしたものである。
第6図は、このような本発明によるインクタンク一体
型記録ヘッドカートリッジの一実施例を示す。図では吐
出方向を鉛直方向下向きとした上記実施例とは異なり、
吐出方向を水平方向としたものを示している。ただし、
第1図示の構成と同様の各部には対応箇所に同一符号を
付してある。
ここで、117はインクタンク2と吸収体4との仕切部
3に設けた連通部を開放/閉塞する補給手段としての弁
体であり、磁性体ないしは永久磁石で構成される。18は
弁体117を閉塞方向(図中左方向)に押圧するばねであ
る。19は吸収体4を大気に連通させるための連通部であ
る。また、127はカートリッジまたはキャリッジ上に設
けられ、本体側に設けたプランジャ(不図示)と結合し
て矢印で示す方向に摺動可能な弁体駆動部材であり、永
久磁石ないしは電磁石によって構成される。
本例では、残量検出用電極5間によって吸収体4内の
インク残量が所定量未満となったことが検出された場合
にプランジャを駆動して弁体駆動部材127を図中右方向
に移動させると、磁力により弁体117もばね18の付勢力
に抗して同方向に移動する。すると、インクタンク2と
吸収体4との連通路が開放され、吸収体4へのインク補
給がなされる。その後弁体駆動部材127を図中左方向に
移動させると、弁体117も閉塞位置に移動するが、ばね1
8の付勢力により当該移動が速やかに行われるととも
に、閉塞状態が確実なものとなる。
なお、このように磁力によってインク補給のための連
通路を開放/閉塞する構成であれば弁体117および弁体
駆動部材127の構成はいかなるものであってもよく、必
ずしも上記したような摺動を伴わないものであってもよ
い。また、そのように磁力によるものでなくても、操作
者が記録ヘッドを取外し、弁体と一体に設けられて外部
に突出するレバー等を操作することによりインク補給が
なされるようにすることもできる。
いずれにしても、本実施例によると、第1図に示した
参考例のようにキャリッジの回動などによってインク補
給を行うのではなく、例えば弁体駆動部材127と記録ヘ
ッドとを1対1に対応させる等によりその記録ヘッド自
体でインク補給が可能となるので、キャリッジ上に複数
の記録ヘッドが設けられるような場合でも各別のインク
補給動作が可能となる。また、インク補給は下側からな
されるので、吸収体4のヘッド部への供給口のある下部
に気泡が混入しにくくなる。さらに、上記構成ではイン
ク補給動作が速やかに、かつ記録ヘッドの変位を伴うこ
となく行われるので、記録動作中でもその補給が可能と
なるのみならず、これを残量検出レベルによって短いイ
ンターバルで行うことにより吐出口部分の水頭の均一保
持も可能となる。
次に、上述した実施例におけるインク残量(吸収体の
インク保持量)と吐出口に加わる圧力(水頭圧)との関
係について考察する。
第7図はその関係を示すもので、曲線aは吸収体4に
よる吸収力が小さい場合、曲線bは同じく大きい場合を
示している。また、「吸収体の最大保持量」とは吸収体
4からインクがあふれる程に補給された直後の状態であ
る。
ここで、吐出口付近の圧力は所定範囲の負圧に保たれ
るのが望ましい。これが正であれば吐出口からのインク
の漏れや、当該漏れまたは吐出動作後のインク引込み動
作不良による吐出口形成面の濡れが生じ、また所定値を
超える負圧となれば吐出動作が円滑に行われなくなった
り、吐出後の吐出口付近へのインクの再充填(リフィ
ル)が行われにくくなるからであり、いずれにしても吐
出特性や吐出量等に悪影響を及ぼして画像品位を乱すこ
とになる。
第8図は吐出口の水頭圧とインク吐出量との関係を示
す。記録ドット径を均一にして良好な品位の画像を得る
ためにはインク吐出量が安定していることが強く望まし
く、インク吐出量には水頭圧が関与しているので、イン
ク吐出量がほぼ一定である範囲を越えて急激に減少して
いく水頭圧を呈する前に、吸収体4の残量検知用電極5
の出力に基いて補給動作が行われるのが望ましい。
再び第7図を参照するに、吐出口部分の圧力は液路の
毛管力および吸収体4の吸収力等によって定まる。特に
吐出方向を鉛直方向下向きとした第1図のような構成で
は吸収体部と吐出口面との位置関係からかかる圧力によ
る影響も勘案して、吸収力が大きく速やかに吐出口部分
が負圧となる曲線bを呈するような吸収体を選定するの
が望ましい。一方曲線aに示す吸収体では吸収体部のイ
ンク収納量が少なくなりカートリッジ全体に対するイン
ク比率が小さくなり不利である。これに対して水平方向
に吐出を行う第6図のような構成では吸収体部と吐出口
面との位置関係からインク残量が大きくても負圧が得ら
れやすくなるので曲線aを呈するような吸収力の小さな
ものであってもよい。
なお、曲線bでは水頭圧の変動量が大となるが、第8
図に示したようにインク吐出量が急激に落ち込む前に残
量無しが検知されるようにすればよい。また、インクの
吐出エネルギーが大きなヘッドチップ等で、吐出口の若
干のぬれに対しても吐出特性が劣化しにくいものについ
ては吐出口付近のインクメニスカスが破壊されず漏れが
生じないのであれば、そのときの水頭圧は正であっても
よい。
なお、本発明は、インクタンクの内部が吸収体を有し
インクをヘッドチップに供給する供給部と、インクを貯
留した収納部とに分割され、インク収納部より供給部側
に適切にインク補給が可能な構成であれば、上述した実
施例にのみ限られることなく種々の構成を採ることがで
きるのは勿論である。
例えば、供給部側と収納部側とを完全に隔てるととも
に一部に手動で破壊可能な部分を形成した隔壁を設け、
供給部側が残量無しとなったときに当該部分を破壊して
連通状態を得、これにより1回だけインク補給が行われ
るようにすることもでき、またそのような収納部ないし
隔壁を複数設けて、複数回のインク補給が行われるよう
にすることもできる。
[発明の効果] 本発明によると、吐出部に供給されるインクを保持す
る吸収体が設けられた供給部と、この供給部に補充され
るインクを貯溜する収容部とを独立に設け、この収容部
と前記供給部とに連通して当該収容部に貯溜されたイン
クを供給部に補充するための連通路にこの連通路を開閉
し得る開閉手段を設けたので、使用可能なインクの正味
量を大とでき、走査空間の大型化の防止ないしはランニ
ングコストを低減できるとともに、吐出口部分の圧力変
動を抑制して良好な画像を安定して得ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の対象となったインクタンク一体型記録
ヘッドを含むインクジェット記録装置の側断面図、 第2図はその記録装置の平面図、 第3図はインク残量と抵抗値との関係を示す線図、 第4図はこの参考例の動作を説明するための説明図、 第5図は本発明に適用可能な吸引部の構成例を示す模式
図、 第6図は本発明の一実施例に係るインクタンク一体型記
録ヘッドの側断面図、 第7図はインク残量と吐出口部分の圧力との関係を説明
するための線図、 第8図は吐出口部分の圧力とインク吐出量との関係を説
明するための線図である。 1……ヘッドチップ、 2……インクタンク部、 3……仕切板、 4……吸収体、 5……残量検知用電極、 6……供給部、 8……大気連通孔、 10……液路列、 12……カートリッジレバー、 16,19……ローラ対、 20……記録媒体、 23……キャリッジ、 31……キャリッジ回転ギヤ、 34……吸引ポンプ、 117……弁体、 127……弁体駆動部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−22952(JP,A) 特開 昭63−41147(JP,A) 特開 昭63−303749(JP,A) 実開 昭63−87088(JP,U) 実開 昭57−16385(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/175

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出して記録を行う吐出部と、こ
    の吐出部に供給するためのインクを収容したインクタン
    クとを一体に具えたインクタンク一体型記録ヘッドであ
    って、前記インクタンクは、 大気連通口とインクを保持する吸収体とを有し、この吸
    収体に保持されたインクを前記吐出部に供給する供給部
    と、 この供給部に補充されるインクを当該供給部とは独立し
    て貯溜する収容部と、 この収容部と前記供給部とに連通して当該収容部に貯溜
    されたインクを前記供給部に補充するための連通路と、 この連通路を開閉し得る開閉手段と を具えたことを特徴とするインクタンク一体型記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】前記吸収体に保持されたインクの残量を検
    知する残量検知手段をさらに具えたことを特徴とする請
    求項1に記載のインクタンク一体型記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記連通路は、前記供給部の下部に連通し
    ていることを特徴とする請求項1に記載のインクタンク
    一体型記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記吐出部は、電気熱変換体を有する吐出
    エネルギ発生手段を具えたことを特徴とする請求項1に
    記載のインクタンク一体型記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記電気熱変換体は、吐出のための熱エネ
    ルギを通電に応じて発生することを特徴とする請求項4
    に記載のインクタンク一体型記録ヘッド。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のインクタンク一体型記録
    ヘッドを着脱可能に支持する手段と、 前記開閉手段を駆動させるための駆動手段と を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】請求項2に記載の残量検知手段によって検
    知されたインク残量が所定量未満の場合、前記駆動手段
    により前記開閉手段を駆動して前記連通路を開くように
    したことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット
    記録装置。
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