JP2829565B2

JP2829565B2 - コンクリート型枠用プラスチック製パネル

Info

Publication number: JP2829565B2
Application number: JP6221140A
Authority: JP
Inventors: 正弘鮫島; 淳牛尾; 文夫大塚; 則義丸山; 吉一武井; 美亀雄小林; 茂雄渡辺; 紘司北野
Original assignee: Kajima Corp; Meiji Rubber and Chemical Co Ltd
Current assignee: Kajima Corp; Meiji Rubber and Chemical Co Ltd
Priority date: 1994-08-23
Filing date: 1994-08-23
Publication date: 1998-11-25
Anticipated expiration: 2013-11-25
Also published as: JPH0860861A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート打設に
より建築物の外壁等のコンクリート構造体を製造する際
に用いられるコンクリート型枠用パネルに係り、詳しく
は、型枠組み立て時のセパレーターの使用に好適なコン
クリート型枠用プラスチック製パネルに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンクリート打設の際に用いられ
る型枠用パネルには、一般に、木製パネル、金属製パネ
ル、及びプラスチック製パネルが使用されている。木製
パネルは軽量、安価であり、使い易さ等の点で優れてい
るものの、パネル面は熱帯材を使用したベニヤ合板で作
られており、熱帯材の伐採は地球の温暖化防止、野性動
物の保護等の面から世界的な問題となっている。金属製
パネルは耐久性においては優れているものの、錆易く、
重くて運搬や、取り付け取り外しには多大の労力を必要
とする。そこで、近年では、木製パネル、金属製パネル
に代わってプラスチック製パネルが使用されている。プ
ラスチック製パネルは木製パネルと異なり腐り難く、修
繕に手間がかからない。また、木製パネル、金属製パネ
ルに比して軽量であり、作業性に優れている。

【０００３】図１０は、従来のプラスチック製パネルの
使用態様を示す説明用要部断面図である。従来のパネル
にはコンクリートの打設面となる面板１の四周端に側壁
板３を立設し、側壁板３の内側には適宜補強リブを複数
平行に設けてなる。そして、型枠組み立て時には、面板
１の所要箇所に穿設されたセパレーター挿通孔５に間隔
保持用セパレーター７の先端ネジ部９を挿通してコーン
１０により面板１側を支持する。前記セパレーター挿通
孔５から突出した先端ネジ部９に締結杆１１の基部１３
のネジ孔を螺合して締め付けることにより、締結杆１１
をパネルに結合する。前記締結杆１１の先端部を当て板
１５の貫通孔１７に貫通させるとともに、前記当て板１
５を締結杆１１の上下両側に隣接して配置されたバタ材
１９の外側に当接し、ナット２０により締め付けてコン
クリート型枠を組み立てる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されている木製パネルの面板を形成するベニヤ合板の
板厚は１２ｍｍの規格品である。一方、型枠の組み立て
に使用されるセパレーター先端ネジ部９の長さと、この
ネジ部に螺合する締結杆基部１３のネジ部の長さは前記
ベニヤ合板の板厚に合わせて形成されている。ところ
が、従来のプラスチック製パネルの面板１の板厚は３〜
６ｍｍ程度と薄いために、ネジ部９の先端面が基部１３
のネジ部の奥に突き当たってしまい十分な締め付けがで
きない。このために従来使用されている標準品を使用す
ることができない。

【０００５】また、プラスチック製パネルの面板は薄肉
であるために過度に締め付けると、セパレーター挿通孔
５の周辺にヒビ割れが生じるおそれがあった。特に、四
周の側壁板のみで補強リブが設けられていない場合や、
補強リブが設けてあってもその間隔が広すぎたりバタ材
との方向が異なる場合には、締め付けが過度になり易い
という問題がある。さらに、打設したコンクリートが固
化した後にパネルを取り外すときは、コンクリート面に
対して平行に引き離さなければならないが、パネルの両
側面を持たなければならないことと、プラスチックの性
質上滑り易いために、安定した状態で保持することがで
きず、コンクリート面に対して平行に引き離すことがで
きない。そのために、セパレーター先端のネジ部９によ
ってセパレーター挿通孔５を破損することがあった。特
に、面板１の板厚が薄いとそれだけ破損し易いという問
題がある。

【０００６】

【発明の目的】この発明はかかる現況に鑑みてなされた
もので、木製パネルのベニヤ合板よりも薄い面板であっ
ても従来のセパレーターの使用が可能で、締結杆による
バタ材の締め付けを確実に行うことができるコンクリー
ト型枠用プラスチック製パネルを提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係るコンクリート型枠用プラスチック製
パネルは、面板の四周に側壁板を設け、側壁板の内側に
補強リブを設けてなるプラスチック製パネルにおいて、
前記面板の任意の位置にセパレーター挿通孔を設け、前
記セパレーター挿通孔の周辺を枠リブで囲むとともに、
枠リブ内の面板の板厚を厚くし、さらに、セパレーター
挿通孔の周縁に環状凸部を設けたことを特徴とする。前
記枠リブの高さは側壁板の高さと略同一であることが望
ましい。また、前記枠リブの平面形状は円形であって
も、四角形、六角形等の多角形であってもよい。即ち、
この発明における枠リブはセパレータ挿通孔の周辺を連
続して囲んでいる構造であればよい。

【０００８】上記パネルを形成するプラスチックとして
は、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチ
レン（ＰＳ）、ポリカーボネート、ＡＢＳ樹脂等を使用
することができる。そして、これらの樹脂は、単独でま
たはガラス繊維などの補強材あるいはタルクなどの充填
材とともに使用することができ、所望する曲げ強度、重
量等を考慮して十分なパネル強度が得られるように選択
される。

【０００９】

【作用】枠リブ内の板厚を厚くし、セパレーター挿通孔
周縁に環状凸部を設けることによって強度が向上すると
ともに、木製パネル用のセパレーターの使用を可能とす
る。また、セパレーター挿通孔周辺の枠リブにバタ材が
当接するから締結杆によるバタ材の取り付けを確実にす
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図１及び図２はこの発明の第１実施例
を示すプラスチック製パネルであって、図１は上半分が
側壁板と補強リブ側を示す平面図、下半分が面板側を示
す背面図、図２はセパレーター挿通孔近傍の部分拡大断
面図である。図示するプラスチック製パネルは、コンク
リートの打設面となる長方形状の面板２１の長手方向の
側端に側壁板２３を立設し、短手方向の側端に側壁板２
５を立設することにより面板２１の四周縁を側壁板２
３，２５で取り囲んだ盆状体を形成している。前記側壁
板２３，２５の内側には、側壁板２５を連結する長手方
向の補強リブ２７と、側壁板３を連結する短手方向の補
強リブ２９が、それぞれ複数平行に設けられている。

【００１１】前記長手方向の中央部の補強リブ２７と補
強リブ２９とは枠リブである円形リブ３０を介して連結
されている。前記円形リブ３０の高さは補強リブ２７，
２９と略同一であって、側壁板２３，２５と同一水平面
をなしている。このパネルの面板２１の板厚Ｔ_１は従来
のプラスチック製パネルの板厚と同じく、約６ｍｍに形
成されているが、前記円形リブ３０内の面板２１の板厚
Ｔ_２は約１０ｍｍに形成されている。そして、前記円形
リブ３０の中心部にはセパレーター挿通孔３１が穿設さ
れており、前記セパレーター挿通孔３１の周縁に環状凸
部３３を設けてなる。前記環状凸部３３の突出高さＴ_３
を約２ｍｍとすることにより、全体の厚さを従来の木製
パネルのベニヤ合板の板厚と同じ約１２ｍｍに形成され
ている（図２参照）。

【００１２】図３はこの発明の第２実施例を示し、補強
リブの一部を枠リブに利用した場合である。即ち、長手
方向の中央部における補強リブ２７の間隔を狭めて平行
な直交リブ３５で連結し、さらに、互いに反対側にある
直交リブ３５同士を連結する補強リブ３７と、前記直交
リブ３５と側壁板２５を連結する補強リブ３９を設けて
なる。従って、この実施例では直交リブ３５と、この直
交リブ３５と補強リブ２７の一部とによって枠リブをな
す四角形リブ４０を形成している。このように、四角形
リブ４０は全体が閉じられた形状であれば、四角形リブ
４０の一部を他の補強リブの一部を利用するものであっ
てもよい。尚、前記四角形リブ４０の内部の面板２１の
板厚を厚くし、中心部にセパレーター挿通孔３１を穿設
し、前記セパレーター挿通孔３１の周縁に環状凸部３３
を設ける点は第１実施例と同様であるから、その詳細な
説明は省略する。

【００１３】図４はさらに、この発明の第３実施例を示
す。この実施例は、補強リブによって連続した多角形状
を形成し、この多角形状を形成する補強リブの一部をセ
パレーター挿通孔を囲む枠リブとしたものである。即
ち、図中、側壁板２３に沿って設けたジグザグ状補強リ
ブ４３を側壁板２５に平行な補強リブ４５によって連結
することにより、側壁板２３、２５に接する部分を除い
て六角形リブ４７を連続して形成してなる。そして、任
意の六角形リブ４７で囲まれた面板２１にセパレーター
挿通孔３１を穿設し、前記セパレーター挿通孔３１を囲
んだ六角形リブ４７内の面板１の板厚を厚くするととも
に、前記セパレーター挿通孔３１の周縁に環状凸部３３
を設けたものである。このように、補強リブ４３，４５
によって閉じた形状を連続して形成した場合には、その
中の任意の形状をこの発明における枠リブとすることが
できる。従って、枠リブの閉じた形状は任意の多角形と
することができるとともに、円形を縦横に連続させて円
形と菱形とを組み合わせた形状等、自由な組み合わせか
ら選択することができる。

【００１４】次に、上記構成のパネルの使用方法を図５
に基づいて説明すると、パネルの面板２１を対向させて
セパレーター挿通孔３１に間隔保持用セパレーター７の
先端ネジ部９を挿通し、コーン１０により面板２１側を
支持する。前記セパレーター挿通孔３１から突出した先
端ネジ部９に締結杆１１の基部１３のネジ孔を螺合させ
て締め付けることにより、締結杆１１をパネルに結合す
る。このとき、締結杆１１の基部１３の先端面は、従来
のベニヤ合板の板厚と等しくした環状凸部３３に当接す
る。次いで、前記締結杆１１の先端部をめがね座金１６
の貫通孔１８に貫通させるとともに、前記めがね座金１
６を締結杆１１の上下両側に隣接して配置されたパイプ
バタ５１の外側に当接し、ナット２０により締め付けて
コンクリート型枠を組み立てる。前記パイプバタ５１は
円形リブ３０、四角形リブ４０、六角形リブ４７等の枠
リブに当接するから、パイプバタ５１はめがね座金１６
によって確実に固定される。

【００１５】また、上記実施例におけるパネルにはいず
れも、滑り止め部材５３と把手部５５が設けられてい
る。前記滑り止め部材５３は補強リブ２７，４３等の一
部に一体に形成した円筒状保持部５７に、水平面におい
て先端部を側壁板２３，２５から僅に突出するように埋
設されている。前記滑り止め部材５３は天然ゴム、合成
ゴム、エラストマーによるゴム状弾性体であって、図８
及び図９に示すように、中央部に透孔５９を有する円筒
体に形成されている。中央部に透孔５９を設けることに
よって円筒状保持部５７への埋設が容易になるととも
に、滑り止め部材５３の上面が押圧されたときの逃げ代
となるから上面を損傷させることがない。上記のよう
に、滑り止め部材５３を設けた場合には、水平に積み重
ねて保管するときに相互の滑りが防止され不容易に滑落
することがない。

【００１６】尚、滑り止め部材５３は必要に応じてその
取り付け位置を変更し、数を増減することは可能であ
る。また、前記滑り止め部材５３を嵌入する円筒状保持
部５７は独立して形成してもよく、補強リブの間、ある
いは補強リブと側壁板の間等適宜の位置に設けることが
できる。また、滑り止め部材の形状は、円筒状のほか、
テープ状、棒状、球状であってもよい。テープ状滑り止
め部材である場合には、補強リブあるいは補強リブを拡
幅した部分に固着すればよく、棒状、球状の滑り止め部
材である場合には補強リブの拡幅部に埋設することによ
り取り付ければよい。

【００１７】また、前記把手部５５は補強リブ２７、連
結リブ４５の面板２１側をくり抜いて４本の指を挿入で
きる把手孔６０を形成し、把手孔６０の周縁部に凸部６
１による縁取りをすることによって形成されている（図
６参照）。把手部５５は凸部６１によって補強されると
ともに、持ち易くすることができる。尚、前記把手部５
５をどこの位置に、いくつ形成するかは任意に決定すれ
ばよく、また、補強リブとは独立した単独の把手部（図
示省略）を設けることも可能である。このように、把手
部を設けた場合には、その性質上滑り易いプラスチック
製パネルにおいても、確実に保持することができ、持ち
運びや取り付け取り外しの作業を安全・容易に行うこと
ができる。

【００１８】一方、側壁板２３，２５の外側面には、シ
ール面６３及び当り面６５が形成されている。即ち、図
６及び図７に示すように、面板２１側において閉じてお
り、反対側の補強リブ２７，２９あるいは補強リブ４３
側に解放した凹部６７を形成することにより、外側面の
面板２１側の端縁部を連続したシール面６３とし、前記
凹部６７の水平方向の隣接部分の外側面を当り面６５と
している。前記当り面６５には小凹部６９を形成し、前
記小凹部６９内に緊結用クリップのピンを挿入するクリ
ップ用挿通孔７０が穿設されている。前記小凹部６９も
面板２１側において閉じている。さらに、前記凹部６７
には木製パネルとの併用を可能にするために、くぎ孔７
１が穿設されている。

【００１９】尚、上記実施例では、凹部６７は四隅部で
は小幅に形成されているが、凹部６７の幅寸法は任意に
決定することができ、その組み合わせも自由である。ま
た、前記凹部６７はいずれも面板２１側とは反対側にお
いても閉じた形状としてもよい。この場合にはシール面
が外側面の面板２１側とその反対側の両側端縁部に平行
に形成されることになる。また、当り面６５内に形成し
た小凹部６９は適宜省略してもよい。上記の通り、側壁
板２３，２５の外側面に凹部６７を形成することによっ
て成型時の変形が防止されるとともに、シール面６３及
び当り面６５が形成され、面板２１側の端縁部において
確実に密着するとともに、連結時の外側面の圧着は当り
面６５において行なわれるから全体のシール性が一層向
上することになる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によるプ
ラスチック製パネルは、セパレーター挿通孔の周辺を閉
じた枠リブによって囲み、この枠リブ内の板厚を厚くす
るとともに、セパレーター挿通孔の周縁に環状凸部を設
ける構成としたから、セパレーター挿通孔を穿設する部
分が補強され、取り付け取り外しの際の破損を防止す
る。また、木製パネルにおけるベニヤ合板の板厚と等し
くすることができるから、木製パネルに使用される従来
のセパレーターの使用が可能になる。さらに、セパレー
ター挿通孔を枠リブで囲むことによって、バタ材の組み
付けが安定し、締結杆によるバタ材の締め付けを確実に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】上半分が側壁板と補強リブ側を示す平面図、下
半分が面板側を示す背面図である。

【図２】セパレーター挿通孔近傍の部分拡大断面図であ
る。

【図３】他の実施例を示す部分平面図である。

【図４】さらに、他の実施例を示す部分平面図である。

【図５】パネルの使用状態を示す説明用断面側面図であ
る。

【図６】上半分が把手部を示す断面図、下半分がパネル
長手方向の側面図である。

【図７】短手方向の側面図である。

【図８】図１のＡーＡ線断面図である。

【図９】滑り止め材の取り付け部分を示す断面斜視図で
ある。

【図１０】従来のプラスチック製パネルの使用状態を示
す説明用断面側面図である。

【符号の説明】

２１面板２３側壁板２５側壁板２７補強リブ２９補強リブ３０円形リブ３１セパレーター挿通孔３３環状凸部３５直交リブ３７補強リブ３９補強リブ４０四角形リブ４３ジグザグ補強リブ４５補強リブ４７六角形リブ５３滑り止め部材５５把手部５７円筒状保持部５９透孔６０把手孔６１凸部６３シール面６５当り面６７凹部７０クリップ用挿通孔７１くぎ孔

フロントページの続き (72)発明者大塚文夫神奈川県足柄上郡開成町延沢１番地株式会社明治ゴム化成神奈川工場内 (72)発明者丸山則義東京都調布市飛田給二丁目19番１号鹿島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者武井吉一東京都調布市飛田給二丁目19番１号鹿島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者小林美亀雄東京都調布市飛田給二丁目19番１号鹿島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者渡辺茂雄東京都調布市飛田給二丁目19番１号鹿島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者北野紘司東京都港区元赤坂一丁目２番７号鹿島建設株式会社内 (56)参考文献特開平６−193260（ＪＰ，Ａ) 特公昭51−49493（ＪＰ，Ｂ２) 特公昭59−53979（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04G 9/05

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】面板の四周に側壁板を設け、側壁板の内
側に補強リブを設けてなるプラスチック製パネルにおい
て、前記面板の任意の位置にセパレーター挿通孔を設
け、前記セパレーター挿通孔の周辺を枠リブで囲むとと
もに、枠リブ内の面板の板厚を厚くし、さらに、セパレ
ーター挿通孔の周縁に環状凸部を設けたことを特徴とす
るコンクリート型枠用プラスチック製パネル。
【請求項２】前記枠リブの高さは側壁板の高さと略同
一であることを特徴とする請求項１記載のコンクリート
型枠用プラスチック製パネル。
【請求項３】前記枠リブの平面形状を円形としたこと
を特徴とする請求項１または２記載のコンクリート型枠
用プラスチック製パネル。
【請求項４】前記枠リブの平面形状を多角形としたこ
とを特徴とする請求項１または２記載のコンクリート型
枠用プラスチック製パネル。