JP2828422B2 - 磁気ヘッドユニットおよびテープガイド部材とその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドユニットおよびテープガイド部材とその製造方法

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JP2828422B2
JP2828422B2 JP8066891A JP6689196A JP2828422B2 JP 2828422 B2 JP2828422 B2 JP 2828422B2 JP 8066891 A JP8066891 A JP 8066891A JP 6689196 A JP6689196 A JP 6689196A JP 2828422 B2 JP2828422 B2 JP 2828422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドの所定
位置にテープを導くためのテープガイド部材を備えた磁
気ヘッドユニットとテープガイド部材およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図の磁気ヘッドユニットは、矩形状の
枠体1と取付部2とテープガイド3、3とが一体に形成
されたテープガイド部材4に、磁気ヘッド5が固定され
たものである。前記テープガイド3、3は、枠体1の左
右両縁部1b、1bに、磁気ヘッドを挟むように立設さ
れている。このテープガイド3の先端側の中央部分には
テープ摺接部7が形成されており、このテープ摺接部7
の両側には爪10、11が突設されている。テープ摺接
部7は、磁気ヘッド5のテープ摺接面5aに対して走行
する磁気テープ8を安定させている。また爪10、11
は、磁気テープ8の走行する方向が磁気ヘッド5のギャ
ップ9に対して正しく直交するように、磁気テープ8の
幅方向の動きを規制している。従来の磁気ヘッドユニッ
トでは、テープガイド3、3が6−6ナイロンで形成さ
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気ヘッドユニ
ットはテープガイド3が硬質な6−6ナイロンで形成さ
れていたので、耐摩耗性に優れていた。ところが、6−
6ナイロンは潤滑性に劣るため、前記従来の磁気ヘッド
ユニットにおいては、磁気テープ8の磁性粉がテープガ
イド3との摩擦によって脱落し、この脱落した磁性粉が
磁気ヘッド5のテープ摺接面5aに付着して磁気ヘッド
5の磁気特性を劣化させる問題があった。また、前記テ
ープガイド3のテープ摺接部7は、前述した如く走行す
る磁気テープ8を安定させるためのものであり、最も精
度が要求される部分であるがために、テープガイド3と
テープ摺接部7を樹脂成形により一体成形する場合に
は、高い成形精度で精密に一体成形する必要があった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、磁性粉の脱落を防止できるとともに、テープガイド
の硬度が高く、摩耗が少なく、しかも成形精度に優れ、
磁気ヘッドの磁気特性をより良好に保つことができると
ともに、ガイド底部の成形精度と取付部の成形精度に優
れた磁気ヘッドユニットおよびテープガイド部材とその
製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
取付部とを具備してなり、樹脂注入により一体成形され
たテープガイド部材と、該テープガイド部材が装着され
る磁気ヘッドとからなる磁気ヘッドユニットであって、
前記枠体の磁気テープ走行方向に平行な他側面であっ
て、枠体に対するテープガイドの根元近傍に、被樹脂注
入部が設けられてなることを特徴とする。請求項2に記
載の発明においては、請求項1記載のテープガイド部材
をウイスカ構造のチタン酸カリウムを配合した熱可塑性
樹脂によって一体成形することにより前記問題点を解決
した。請求項3に記載の発明においては、請求項2記載
の前記熱可塑性樹脂にウイスカ構造のチタン酸カリウム
と固体潤滑剤とを配合することにより前記問題点を解決
した。請求項4に記載の発明においては、テープガイド
のガイド底部においてウイスカ構造のチタン酸カリウム
をテープ走行方向に配列することで前記問題点を解決し
た。
【0006】請求項5記載の発明は前記事情に鑑みてな
されたもので、磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
取付部とを具備してなり、樹脂注入により一体成形され
たテープガイド部材であって、前記枠体の磁気テープ走
行方向に平行な他側面であって、枠体に対するテープガ
イドの根元近傍に、被樹脂注入部が設けられてなること
を特徴とするものである。請求項6に記載の発明におい
ては、テープガイド部材をウイスカ構造のチタン酸カリ
ウムを配合した熱可塑性樹脂によって形成することによ
り前記問題点を解決した。請求項7に記載の発明におい
ては、前記熱可塑性樹脂として、ウイスカ構造のチタン
酸カリウムと固体潤滑剤とを配合することにより前記問
題点を解決した。請求項8に記載の発明においては、テ
ープガイドのガイド底部においてウイスカ構造のチタン
酸カリウムをテープ走行方向に配列することで前記問題
点を解決した。
【0007】請求項9記載の発明は、前記事情に鑑みて
なされたもので、磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
取付部とを具備してなり、樹脂注入により一体成形さ
れ、前記枠体の磁気テープ走行方向に平行な他側面であ
って、枠体に対するテープガイドの根元近傍に、被樹脂
注入部が設けられてなるテープガイド部材を製造する方
法であって、テープガイド部材を形成するための金型の
キャビティに対し、枠体に対するテープガイドの根元近
から枠体とテープガイドを介して枠体とテープガイド
よりも樹脂流通路断面積の大きな取付部に向けて樹脂を
注入してテープガイド部材を一体成形することを特徴と
するものである。請求項10に記載の発明においては、
樹脂の注入方向を、テープガイドのガイド底部と平行に
することを前記問題の解決手段とした。請求項11に記
載の発明においては、請求項9または10記載の発明で
注入する樹脂としてウイスカ構造のチタン酸カリウムを
配合した熱可塑性樹脂を用いることにより前記問題点を
解決した。請求項12に記載の発明においては、請求項
11記載の発明で注入する樹脂に、ウイスカ構造のチタ
ン酸カリウムと固体潤滑剤とを配合し、テープガイド
ガイド底部においてウイスカ構造のチタン酸カリウムを
テープ走行方向に配列させることにより前記問題点を解
決した。
【0008】
【作用】枠体とテープガイドと取付部とを樹脂で一体成
形したテープガイド部材であって、一対のテープガイド
にガイド底部を設け、テープガイドを枠体に一体的に設
け、枠体の一側に取付部を枠体の他側に被樹脂注入部を
設けたので、樹脂成形時にテープガイドの隅々まで十分
に樹脂が充填され易、テープガイドが目的の高い精度
で成形される。特に、枠体の一側に取付部を枠体の他側
に被樹脂注入部を設けたので、枠体他側の被樹脂注入部
からの注入樹脂の流れは、枠体側からテープガイド側に
流れ、その途中でテープガイドのガイド底部に沿ってス
ムーズに流れつつ樹脂注入方向横断面積の小さな枠体あ
るいはテープガイドから樹脂注入方向横断面積の大きな
取付部に流れ込むので、テープガイドの隅々と取付部の
隅々まで樹脂を隙間無く充填でき、テープガイドのガイ
ド底部の成形精度を充分に高くすることができるととも
にガイド底部の面粗さを小さく抑えることができる。ま
た、取付部には被樹脂注入部が存在しないので、被樹脂
注入部の跡、即ち、注入痕が取付部に残ることがなく、
取付部の面精度も高くすることができる。次に、チタン
酸カリウムからなるウイスカは各種のウイスカの中で
も、特に繊維径が細い。このためチタン酸カリウムから
なるウイスカが配合された熱可塑性樹脂を射出成形する
と、ウイスカが同一方向に綺麗に配合する。このような
ウイスカ構造のチタン酸カリウムが配合された熱可塑性
樹脂を用いてテープガイド部材を射出成形すると、成形
時にウイスカが金型のキャビティ面に衝突して倒れるの
で、磁気テープの走行方向に沿ってウイスカを綺麗に配
向させることができる。従って本発明の磁気ヘッドユニ
ットは、磁気テープの走行方向にウイスカが綺麗に配向
した磁気テープの摺動摩擦の小さいテープガイドを備え
たものとなる。また、チタン酸カリウムと共に固体潤滑
剤が配合された熱可塑性樹脂を用いてテープガイド部材
を形成すると、磁気テープの磁性粉の脱落をより一層減
らすことができる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。図1は本発明に係る磁気ヘッドユニットの一実施例
を示すものである。この例の磁気ヘッドユニットYは、
磁気ヘッド5と、この磁気ヘッド5に装着されたテープ
ガイド部材4を具備して構成されている。前記テープガ
イド部材4は、前記磁気ヘッド5の上下両面と左右両面
に接触して設けられる略矩形状の枠体1と、枠体1の
左右両縁部の下部側に一体成形された取付部2と、枠体
1の左右両縁部前面側に一体成形されたテープガイド3
を具備して構成されている。なお、図1に示す構成の磁
気ヘッドユニットYにおいて、先に図5を基に説明した
磁気ヘッドユニットと同一の構成要素には同一の符号を
付してそれらの部分の説明を省略する。
【0010】この例の磁気ヘッドユニットYのテープガ
イド部材4は、射出成型用金型のキャビティに後述する
熱可塑性樹脂を射出成形することで一体成形されたもの
である。なお、この射出成形の際には、枠体1の上面左
右両縁部のテープガイド3近傍部分から図1の矢印Bに
示す方向(テープガイド3のガイド底部(例えばテープ
摺動面)7と平行な方向)に熱可塑性樹脂が注入され
矢印Bが枠体1に接する部分が被樹脂注入部とされて製
造されたものである。
【0011】この例のテープガイド部材4は、ウイスカ
構造のチタン酸カリウムが配合された熱可塑性樹脂から
構成されている。前記ウイスカ構造のチタン酸カリウム
の配合量は、熱可塑性樹脂に対して5重量%以上40重
量%以下の範囲に設定されることが望ましい。チタン酸
カリウムの配合量が5重量%未満であると後述するよう
な磁気テープからの磁性粉の脱落を防止する効果を得る
ことができない。またチタン酸カリウムの配合量が40
重量%を越えると、テープガイドの表面が荒くなり、磁
気テープの磁性粉の脱落が生じる問題がある。
【0012】また、用いるウイスカの繊維長は10μm
以上20μm以下であることが望ましく、繊維径は0.
2μm以上0.5μm以下であることが望ましい。本発
明には、K2O・nTiO2で示されるチタン酸カリウム
の他に、K2O・nTiO2-Xで示される酸素の割合が少
ないものなどを用いることもできる。K2O・nTiO
2-Xで示されるチタン酸カリウムを用いると、テープガ
イドの導電性が向上するので、磁気テープとの摺動によ
って発生する電荷によってテープガイドの部分が帯電す
るのを防止できる利点がある。
【0013】更に、熱可塑性樹脂には、6−6ナイロン
や12ナイロンなどのポリアミドやポリアセタール、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、液晶樹脂など各種のものを利用できる。中でも12
ナイロンは吸水率が小さいので、寸法変化が少なく磁気
ヘッドユニットの耐環境性が向上する利点がある。次
に、前記テープガイド部材4は、前記ウイスカ構造のチ
タン酸カリウムと共に固体潤滑剤が配合された熱可塑性
樹脂によって形成されていても良い。好適な固体潤滑剤
としては、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、超高分子量ポリエチレン等のポレオレフィンを
挙げることができる。また、この固体潤滑剤の添加量
は、熱可塑性樹脂全体に対して3〜25wt%程度であ
ることが望ましい。固体潤滑剤の添加量が3wt%未満
になると、磁気テープからの磁性粉の脱落を防止する効
果が十分発揮されない。更に、固体潤滑剤の添加量が2
5wt%を越えると、熱可塑性樹脂の硬度が劣化し、耐
摩耗性が低下する不都合を生じる。
【0014】以上説明した構成の熱可塑性樹脂を用いて
図1のようにテープガイド近傍部分から矢印Bに示す方
向、即ち、テープガイド3のガイド底部7に平行な方向
に樹脂注入を行い射出成形すると、熱可塑性樹脂中のウ
イスカを成型時に金型のキャビティ面に衝突させて倒れ
させることができるので、磁気テープ8の走行方向に沿
ってウイスカを綺麗に配向させることができる。なお、
図1の矢印Bで示す位置が樹脂注入部となる。また、こ
の成形の際に精度の要求されるガイド底部7を備えたテ
ープガイド3の近傍、即ち、枠体1に対するテープガイ
ド3の取付部の根本近傍の被樹脂注入部から図1の矢印
Bに示す方向に樹脂を注入するので、テープガイド3を
成形するための金型のキャビティの隅々に容易に樹脂を
注入できる。これは、樹脂の注入方向Bに沿って枠体1
とテープガイド3と取付部2が順に位置し、樹脂流入方
向の横断面積において小さな枠体1と小さなテープガイ
ド3に対して明らかに樹脂流入方向の横断面積の大きな
取付部2を樹脂流入方向の下流側に配置して設けている
ことによるためである。
【0015】前記チタン酸カリウムからなるウイスカは
各種のウイスカの中でも、特に繊維径が細い。従ってチ
タン酸カリウムからなるウイスカを配合した熱可塑性樹
脂を射出成形すると、ウイスカを同一方向に綺麗に配向
させることができる。従って、この例の磁気ヘッドユニ
ットYは、磁気テープ8の走行方向にウイスカを綺麗に
配向した磁気テープの摺動摩擦の小さいテープガイド3
を備えたものとなり、磁性粉の脱落を少なくすることが
できる。更に、チタン酸カリウムと共に固体潤滑剤が配
合された熱可塑性樹脂を用いて前記テープガイド部材4
を形成すると、磁気テープの磁性粉の脱落をより一層減
らすことができる。ところで、前記テープガイド近傍の
枠体1上面縁部の樹脂注入部においては、成形後、公知
の如く注入痕が残ることになる。
【0016】「製造例」以下、製造例に沿って本発明の
磁気ヘッドユニットを更に詳しく説明する。 (製造例1)図1に示した構造の磁気ヘッドユニットY
のテープガイド部材4を、ウイスカ構造のチタン酸カリ
ウムがポリアミド樹脂に対して25%配合された樹脂を
用いて射出成形法によって形成した。チタン酸カリウム
はK2O・nTiO2を用い、ポリアミド樹脂には12ナ
イロンを用いた。また配合されたチタン酸カリウム製ウ
イスカの繊維長は平均15μm、繊維径は平均0.4μ
mであった。なお、このテープガイド部材4を射出成形
する際には、枠体1の上面両縁部においてテープガイド
近傍部分から第1図中矢印B、Bで示す方向に樹脂を注
入した。このようにして得られた磁気ヘッドユニットY
のテープガイド3のテープ摺接部7の表面を倍率765
倍で観察したところ、図2に示すように磁気テープの走
行方向Aに沿ってウイスカ40…が配向していた。
【0017】次に、この磁気ヘッドユニットYに対して
磁気テープを100時間連続走行させ、走行直後の表面
を観察した。この磁気テープ走行試験は、温度20℃
で、湿度50%の環境下で行った。その結果、磁気テー
プから脱落した磁性粉はほとんど観察されず、第4図に
示すように磁性粉が脱落し易い爪11の近傍を拡大鏡で
観察しても、脱落した磁性粉は発見されなかった。比較
のために、デープガイド3を備えたテープガイド部材4
を6−6ナイロンで形成した構造の磁気ヘッドユニット
を同様の磁気テープ走行試験に供したところ、図4およ
び図5に示すように、磁気テープから多量の磁性粉が脱
落した。この磁気テープ走行試験の結果から、本発明に
係る例の磁気ヘッドユニットはテープガイドの部分にお
ける磁気テープの摺動摩擦が小さく、磁性粉の脱落が極
めて少ないものであることが確認された。
【0018】「製造例2」固体潤滑剤が配合された熱可
塑性樹脂を用いて、製造例1と同様にテープガイド部材
4を射出成形した。用いた熱可塑性樹脂の組成は、ウイ
スカ構造のチタン酸カリウム25wt%、固体潤滑剤5
wt%、ポリアミド樹脂70wt%であった。固体潤滑
剤にはポリオレフィンを用いた。チタン酸カリウムとポ
リアミドには、実施例1と同一のもの、即ちK2O・n
TiO2と12ナイロンを用いた。この磁気ヘッドユニ
ットを、製造例1の場合よりも長時間(1000時間)
の磁気テープ走行試験に供した。走行試験終了直後に磁
気ヘッドユニットの表面を観察したところ、磁気テープ
から脱落した磁性粉は全く観察されなかった。この結果
から、固体潤滑剤を配合すると、磁性粉の脱落を防止す
る効果がより向上することが判明した。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る磁気ヘ
ッドユニットあるいはテープガイド部材は、枠体とテー
プガイドと取付部を樹脂で一体成形したテープガイド部
材において、枠体の一側に取付部を他側であって枠体に
対するテープガイドの根本近傍に被樹脂注入部を設けて
いるので、樹脂成形時にテープガイドの隅々まで十分に
樹脂を充填でき易く、テープガイドを目的の高い精度で
成形することができる。特に、枠体の一側に取付部を枠
体の他側に被樹脂注入部を設けたので、枠体他側の被樹
脂注入部からの注入樹脂の流れは、枠体側からテープガ
イド側に流れ、その途中でテープガイドのガイド底部に
沿ってスムーズに流れつつ樹脂注入方向横断面積の小さ
な枠体あるいはテープガイドから樹脂注入方向横断面積
の大きな取付部に流れ込むので、テープガイドの隅々と
取付部の隅々まで樹脂を隙間無く充填でき、テープガイ
ドのガイド底部の成形精度を充分に高くすることができ
るとともにガイド底部の面粗さを小さく抑えることがで
きる。また、取付部には被樹脂注入部が存在しないの
で、被樹脂注入部の跡、即ち、注入痕が取付部に残るこ
とがなく、取付部の面精度も高くすることができる。
【0020】次に、本発明において、ウイスカ構造のチ
タン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂によってテープ
ガイドを形成したものでは、テープガイドと磁気テープ
との動摩擦係数を低減することができ、磁気テープの磁
性粉の脱落を無くすることができる。従って、本発明の
磁気ヘッドユニットあるいはテープガイド部材によれ
ば、磁気ヘッドのテープ摺動面に磁気テープの磁性粉が
付着するのを防止することができ、磁気ヘッドの磁気特
性を常に良好に保つことができる。また、本発明の磁気
ヘッドユニットまたはテープガイド部材において、ウイ
スカ構造のチタン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂に
よってテープガイドを形成しているものでは、テープガ
イドの表面硬度をより高くすることができる。従って、
本発明の磁気ヘッドユニットまたはテープガイド部材
は、磁気テープの摺動によるテープガイドの摩耗も少な
く安定した特性を発揮するものとなる。
【0021】更に、本発明に係る磁気ヘッドユニットま
たはテープガイド部材において、ウイスカ構造のチタン
酸カリウムに加えて固体潤滑剤を配合した熱可塑性樹脂
でテープガイド部材を形成したものでは、磁気テープの
磁性粉の脱落を防止する効果をより一層向上させること
ができる。従って、本発明の磁気ヘッドユニットまたは
テープガイド部材によれば、磁気ヘッドのテープ摺接面
への磁性粉の付着をより確実に防止することができ、磁
気ヘッドの磁気特性をより良好に保つことができる。更
にまた、ガイド底部をテープガイドに設け、ガイド底部
においてウイスカ構造のチタン酸カリウムをテープ走行
方向に配向させた構造にあっては、テープに対する摺動
摩耗の少ない構造とすることができ、磁気ヘッドのガイ
ド底部に磁気テープの磁性粉が付着するのをより一層防
止することができる。
【0022】次に、テープガイド部材を製造する場合
に、テープガイド部材を形成するための金型のキャビテ
ィに対し、テープガイド部材の枠体におけるテープガイ
ドの根元近傍部分から樹脂を注入してテープガイド部材
を一体成形することにより、テープガイドの隅々まで十
分に樹脂を充填でき易く、テープガイドを目的の高い精
度で成形することができる。前記注入の際にウイスカ構
造のチタン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂を用いる
ことで、熱可塑性樹脂中のウイスカを成型時に金型のキ
ャビティ面に衝突させて倒れさせることができるので、
磁気テープの走行方向に沿ってウイスカを綺麗に配向さ
せることができる。従って、磁気テープの摺動によるテ
ープガイドの摩耗も少なく安定した特性を発揮するテー
プガイド部材を得ることができる。
【0023】また、テープガイドにガイド底部を設けた
構造においてテープガイド近傍の枠体部分からガイド底
に平行な方向に金型のキャビティに樹脂を注入して成
形するならば、熱可塑性樹脂中のウイスカを成型時に金
型のキャビティ面に衝突させて確実に倒れさせることが
できるので、ガイド底部において磁気テープの走行方向
に沿ってウイスカを綺麗にかつ確実に配向させることが
できる。更に、ウイスカ構造のチタン酸カリウムに加え
て固体潤滑剤を配合した熱可塑性樹脂を用いてテープガ
イド部材を形成することで、磁気テープの磁性粉の脱落
を防止する効果をより一層向上させたテープガイド部材
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の磁気ヘッドユニットの全体構成を示
す斜視図である。
【図2】 実施例の磁気ヘッドユニットのテープガイド
部材の部分の表面状態を示す拡大図。
【図3】 実施例の磁気ヘッドユニットを磁気テープ走
行試験に供した結果を示す部分拡大部。
【図4】 従来の磁気ヘッドユニットを磁気テープ走行
試験に供した結果を示す正面図。
【図5】 同結果を示す部分拡大図。
【図6】 磁気ヘッドユニットの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
Y 磁気ヘッドユニット 1 枠体 2 取付部 3 テープガイド 4 テープガイド部材 5 磁気ヘッド 7 ガイド底部 8 磁気テープ 40 ウイスカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/187 G11B 5/187 F 5/255 5/255 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/60 C08K 3/24 C08K 7/02 C08L 101/00 G11B 5/187 G11B 5/255

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
    と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
    れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
    ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
    枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
    ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
    取付部とを具備し、樹脂注入により一体成形されたテー
    プガイド部材と、該テープガイド部材が装着される磁気
    ヘッドとからなる磁気ヘッドユニットであって、 前記枠体の磁気テープ走行方向に平行な他側面であっ
    て、枠体に対するテープガイドの根元近傍に、被樹脂注
    入部が設けられてなる ことを特徴とする磁気ヘッドユニ
    ット。
  2. 【請求項2】 テープガイド部材が、ウイスカ構造のチ
    タン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂によって一体成
    形されたことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドユ
    ニット。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂に、ウイスカ構造のチ
    タン酸カリウムと固体潤滑剤とが配合されたことを特徴
    とする請求項2記載の磁気ヘッドユニット。
  4. 【請求項4】 テープガイドのガイド底部においてウイ
    スカ構造のチタン酸カリウムがテープ走行方向に配列さ
    れてなることを特徴とする請求項2または3記載の磁気
    ヘッドユニット。
  5. 【請求項5】 磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
    と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
    れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
    ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
    枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
    ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
    取付部とを具備してなり、樹脂注入により一体成形され
    たテープガイド部材であって、 前記枠体の磁気テープ走行方向に平行な他側面であっ
    て、枠体に対するテープガイドの根元近傍に、被樹脂注
    入部が設けられてなる ことを特徴とするテープガイド部
    材。
  6. 【請求項6】 テープガイド部材が、ウイスカ構造のチ
    タン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂によって一体成
    形されたことを特徴とする請求項5記載のテープガイド
    部材。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂に、ウイスカ構造のチ
    タン酸カリウムと固体潤滑剤とが配合されたことを特徴
    とする請求項6記載のテープガイド部材。
  8. 【請求項8】 テープガイドのガイド底部においてウイ
    スカ構造のチタン酸カリウムがテープ走行方向に配列さ
    れてなることを特徴とする請求項6または7記載のテー
    プガイド部材。
  9. 【請求項9】 磁気ヘッドを保持する略矩形状の枠体
    と、該枠体の磁気テープ走行方向両端に一体的に立設さ
    れ、磁気テープ走行方向に対し垂直な方向に延びるガイ
    ド底部を有する少なくとも一対のテープガイドと、前記
    枠体の磁気テープ走行方向に平行な一側面であって、テ
    ープガイドの根元部に一体的に設けられ取付面を有する
    取付部とを具備してなり、樹脂注入により一体成形さ
    れ、前記枠体の磁気テープ走行方向に平行な他側面であ
    って、枠体に対するテープガイドの根元近傍に、被樹脂
    注入部が設けられてなるテープガイド部材を製造する方
    法であって、 テープガイド部材を形成するための金型のキャビティに
    対し、枠体に対するテープガイドの根元近傍から樹脂を
    注入し、枠体とテープガイドを介して枠体とテープガイ
    ドよりも樹脂流通路断面積の大きな取付部に向けて樹脂
    を注入してテープガイド部材を一体成形することを特徴
    とするテープガイド部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 樹脂の注入方向が、テープガイドのガ
    イド底部と平行にされてなることを特徴とする請求項9
    記載のテープガイド部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 注入する樹脂として、ウイスカ構造の
    チタン酸カリウムを配合した熱可塑性樹脂を用いること
    を特徴とする請求項9または10記載のテープガイド部
    材の製造方法。
  12. 【請求項12】 テープガイドに設けられるガイド底部
    においてウイスカ構造のチタン酸カリウムをテープ走行
    方向に配列させることを特徴とする請求項11記載のテ
    ープガイド部材の製造方法。
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