JP2826984B2 - セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤およびこれを用いた水硬性セメント組成物 - Google Patents

セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤およびこれを用いた水硬性セメント組成物

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JP2826984B2 JP25338595A JP25338595A JP2826984B2 JP 2826984 B2 JP2826984 B2 JP 2826984B2 JP 25338595 A JP25338595 A JP 25338595A JP 25338595 A JP25338595 A JP 25338595A JP 2826984 B2 JP2826984 B2 JP 2826984B2
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント系硬化体
に抗菌性、防黴性および防藻性を付与することができる
セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤及びこれを用いた水
硬性セメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント系硬化体の抗菌・防黴・防藻に
ついては風呂場の目地に代表されるように古くからの要
望があり、防黴材を中心に各種の抗菌・防黴・防藻剤が
開発されている。これらは大別すると、有機系と、無機
系に分類される。
【0003】有機系の抗菌・防黴・防藻剤は、細菌、
黴、藻に対して短期的には効力を発揮するが、長期的な
持続性に乏しく、充分満足できるものでなく、無機系の
抗菌・防黴・防藻剤は、銀、銅或いは亜鉛といった金属
イオンのオリゴジナミー効果を利用したものであるが、
抗菌・防藻には有効であるものの、防黴に効果が乏しく
未だ満足できるものではない。ここでいうオリゴジナミ
ー効果とは、細菌や微生物の細胞壁へ吸着したり、細胞
壁内に濃縮して、これらの生育を阻害し、抗菌・防黴・
防藻作用を奏する効果のことである。一方、シリコーン
樹脂は、セメント系硬化体の表面を撥水性にし、中性化
を防止する作用を有するため、間接的な抗菌・防黴・防
藻効果を有するが、その効果は小さく、満足できるもの
ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点を解消するためのものであり、その
ための課題は、長期間にわたって抗菌・防黴・防藻性を
有する、セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤及びこれを
用いた水硬性セメント組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成させるた
め具体的に構成した本発明の請求項1に係るセメント混
和用抗菌・防黴・防藻剤は、少なくとも、抗菌・防黴・
防藻作用を有する無機化合物粉末と粉末状のシリコーン
樹脂とが混和されてなることを特徴とするものである。
この抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化合物粉末とシ
リコーン樹脂とからなる混合物を水硬性セメントに添加
すると、各々がもつ抗菌・防黴・防藻効果が相乗効果に
より飛躍的に向上する。
【0006】そして、請求項2に係るセメント混和用抗
菌・防黴・防藻剤は、前記抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末は、オリゴジナミー効果を有する金属
を含有するフリット粉末であることを特徴とする。
【0007】そしてまた、請求項3に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤は、前記オリゴジナミー効果を有
する金属を含有するフリット粉末は、銀を含有するフリ
ット粉末であることを特徴とする。
【0008】そしてまた、請求項4に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤は、前記銀を含有するフリット粉
末中の銀の含有量は、酸化銀換算で0.1〜5重量%で
あることを特徴とする。
【0009】そしてまた、請求項5に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤は、前記銀を含有するフリット粉
末と前記シリコーン樹脂との混合比は、前記銀を含有す
るフリット粉末1重量部に対して前記シリコーン樹脂が
0.5〜20重量部であることを特徴とする。
【0010】また、請求項6に係る水硬性セメント組成
物は、少なくとも、請求項1〜請求項5いずれか記載の
セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤と水硬性セメントと
が混和されてなることを特徴とする。
【0011】そして、請求項7に係る水硬性セメント組
成物は、請求項1〜請求項5いずれか記載のセメント混
和用抗菌・防黴・防藻剤を水硬性セメントに対して0.
1〜3重量%添加してなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者等は、鋭意検討した結
果、抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化合物粉末とシ
リコーン樹脂とからなる混合物を水硬性セメントに添加
すると、各々の持つ抗菌・防黴・防藻効果が相乗的に作
用して飛躍的に向上させることを知見し、本発明を完成
するに至った。以下、本発明の実施の形態を具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施の形態によって
はなんら限定されるものではない。
【0013】〔構成〕本発明によるセメント混和用抗菌
・防黴・防藻剤は、少なくとも抗菌・防黴・防藻作用を
有する無機化合物粉末とシリコーン樹脂粉末とが混和さ
れてなり、更にこれを用いた水硬性セメント組成物は、
少なくともこのセメント混和用抗菌・防黴・防藻剤と水
硬性セメントとが混和されてなるものである。ここに言
う「混和」とは、一の成分が他の成分に、他の成分が一
の成分に、相互に分散することを意味する。
【0014】本発明に用いられる抗菌・防黴・防藻作用
を有する無機化合物粉末は、特に限定されるものではな
く、例えば、 銀、銅、亜鉛等のオリゴジナミー効果を有する金
属、特に銀を含有するフリット粉末 銀、銅、亜鉛等のオリゴジナミー効果を有する金
属、特に銀を担持したリン酸カルシム系化合物粉末 亜酸化銅粉末 亜酸化銅と銀含有物質との混合粉末 銀、銅、亜鉛等のオリゴジナミー効果を有する金
属、特に銀をエトリンガイトに担持させた化合物粉末 等を挙げることができ、これらの化合物粉末を単独で使
用することもできるし、混合粉末として使用してもよ
い。なお、これらの抗菌・防黴・防藻作用を有する無機
化合物粉末の製造方法も特に限定されるものではなく、
従来公知の方法を用いることができる。
【0015】また、本発明のセメント混和用の抗菌・防
黴・防藻剤は、粉末状のシリコーン樹脂を含み、本発明
の水硬性セメント組成物は粉末状のシリコーン樹脂を含
むものであるが、かかるシリコーン樹脂としては、例え
ばポリシロキサン等のシリコーン樹脂を使用することが
可能であって、水溶性か又は水に分散するものであれば
特に限定されるものでない。また、これらのシリコーン
樹脂は、単独で使用することもできるし、混合物として
使用してもよい。
【0016】更に、本発明の抗菌・防黴・防藻剤を混和
する水硬性セメントには、格別の制限はなく、ポルトラ
ンドセメント、混合セメント、アルミナセメント、焼石
膏などを使用することができる。また、これらの水硬性
セメントには従来公知の各種添加剤、例えば高性能減水
剤等が添加されていてもよい。
【0017】このように、本発明のセメント混和用抗菌
・防黴・防藻剤及びこれを用いた水硬性セメント組成物
は、少なくとも抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化合
物粉末とシリコーン樹脂とが混和されてなることを特徴
とするものであるが、抗菌、防黴、防藻作用を有する無
機化合物粉末としては、水硬性セメントの凝結・硬化を
阻害しない、抗菌・防黴・防藻作用が長期間にわたって
持続する等の観点から、オリゴジナミー効果を有する金
属を含有するフリット粉末を使用したものが好ましく、
さらに、抗菌・防黴・防藻作用が強力であり、安全性が
高い等の観点から銀を含有するフリット粉末を使用した
ものが特に好ましい。なお、フリット粉末とは溶融ガラ
スを急冷・粉砕して得られるものである。
【0018】抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化合物
粉末として、銀を含有するフリット粉末を使用した場合
について、詳しく説明する。銀はフリット粉末中におい
て、金属銀、または酸化銀、その他の銀化合物として存
在することが許容される。従って、銀を含有するフリッ
ト粉末としては、通常、公知のフリット粉末に銀を含有
せしめたものであれば、その成分、組成等は特に限定さ
れない。銀を含有するフリット粉末中の銀の含有量は、
酸化銀換算で 0.1〜5 重量%が好ましく、特に 0.3〜3
重量%がより好ましい。これは、 0.1重量%未満である
と充分な効果が得られにくく、5 重量%を越えて用いて
も見合う効果が得られず、変色のおそれがあるからであ
る。さらに、銀を含有するフリット粉末は水硬性セメン
トとの混和性から平均粒径5〜20μmが好適である。
【0019】この銀を含有するフリット粉末の化学組成
の具体例を示すと、例えば、SiO2 ; 30 〜 40 重量
%、Al2 3 ; 1〜3 重量%、CaO; 7〜 10 重量
%、B2 3 ; 30 〜 40 重量%、Na2 O; 13 〜 2
0 重量%、P2 6 ;0.1〜1 重量%、Ag2 O; 0.1
〜5 重量%からなるものを挙げることができる。
【0020】また、この銀を含有するフリット粉末の製
造方法も、上述の通り、特に限定されるものではなく、
例えば、溶融後の最終組成が上記組成となるようにSi
源、Al源、Ca源、B源2 、Na源2 、P源、Ag源
を添加混合し、1000〜1200℃の温度条件下で溶融した
後、水中急冷・粉砕する方法が挙げられる。また、予め
フリット化されたフリットガラスに銀化合物を添加し、
再度、上記温度条件下で溶融・水中急冷・粉砕して、上
記組成の銀含有フリット粉末を得る方法が、銀の抗菌・
防黴・防藻性が最も効率良く発揮されるので好ましい。
【0021】また、銀を含有するフリット粉末とシリコ
ーン樹脂との混合比は、フリット粉末1重量部に対し
て、シリコーン樹脂が 0.5〜20重量部が好適であり、こ
の範囲を外れると充分な相乗効果が得られない。更に、
前記銀を含有するフリット粉末と前記粉末状シリコーン
樹脂との混合物を水硬性セメントに対して 0.1〜3 重量
%添加するのが好ましい。これは、 0.1重量%未満であ
ると充分な効果が得られにくく、3 重量%を越えて用い
ても見合う効果が得られないからである。
【0022】〔作用効果〕この実施の形態では、抗菌・
防黴・防藻作用を有する無機化合物粉末とシリコーン樹
脂との組み合わせが、それぞれを単独で用いるよりも遙
に優れた抗菌・防黴・防藻性を発揮するものであるが、
この相乗的な作用・効果の発現メカニズムは、以下のよ
うに考えられる。
【0023】すなわち、シリコーン樹脂は撥水性を有す
るため、セメント系硬化体の表面に微生物そのものや微
生物の生育に必要な栄養分を付着させにくく、更にセメ
ント系硬化体の内部からアルカリ分の流出を防止するの
で、微生物の生育に適する環境が得られない。しかし、
シリコーン樹脂を単独で用いた場合は、シリコーン樹脂
そのものには微生物を殺傷する能力がないため、微生物
の繁殖を防止することはできない。
【0024】一方、抗菌・防黴・防藻作用を有する無機
化合物は、微生物を殺傷する能力を有するものの、単独
で用いても微生物を生育するに必要な栄養分の供給を絶
つことはできず、時間とともに銀成分の溶出量が次第に
減少して微生物を殺傷する能力が低下するので、長期に
わたって微生物の繁殖を防止することはできない。
【0025】しかし、抗菌・防黴・防藻作用を有する無
機化合物とシリコーン樹脂とを共存させた場合には、両
者が共存すると、微生物そのものや、微生物の生育に必
要な栄養分がセメント系硬化体に付着しにくく、もし微
生物が付着しても銀成分により殺菌され、さらにシリコ
ーン樹脂による撥水作用により抗菌・防黴・防藻作用を
有する無機化合物中の殺傷成分が短期間に消失せず、長
期間にわたって持続すると考えられるから、各単独の場
合における互いの欠点を補い、強力な抗菌・防黴・防藻
効果を発現すると考えられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により、さらに具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によ
ってはなんら限定されるものではない。 〔オリゴジナミー効果を有する金属を含有するフリット
粉末の作製〕SiO2 を 40 重量%、Al2 3 を3 重
量%、CaOを 8重量%、B2 3を 35 重量%、Na
2 Oを 14 重量% 含有するフリット 100重量部に、A
3PO4 を3 重量部添加混合し、1050℃で溶融して、
水中に投入することにより急冷し、その後、ボールミル
にて粉砕して、平均粒径 5μmの銀含有フリット粉末
(試料番号1〜6)を作製した。なお、この銀を含有す
るフリット粉末は、銀を酸化銀換算で 2.5重量%含有す
るものである。
【0027】また、別途、上記フリット 100重量部にC
uOを 10 重量部添加混合し、1050℃で溶融して、その
後、上記の方法により、平均粒径 5μmの銅含有フリッ
ト粉末(試料番号7)を作製した。この銅を含有するフ
リット粉末は、銅を酸化銅換算で 9.1重量%含有するも
のである。
【0028】さらにまた、別途、上記フリット 100重量
部に、ZnOを 10 重量部添加混合し1050℃で溶融し、
その後同様の方法により、平均粒径 5μmの亜鉛含有フ
リット粉末(試料番号8)を作製した。この亜鉛を含有
するフリット粉末は、亜鉛を酸化亜鉛換算で 9.1重量%
含有するものである。
【0029】(実施例1)上記銀含有フリット粉末と粉
末状シリコーン樹脂(住友精化(株)製アクアシール10
−P)とを、V型混合機で重量比 2:1 〜 1:20の範囲
で混合し、セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤(試料番
号1〜6)を作製した。また、銅含有フリット粉末、亜
鉛含有フリット粉末と上記粉末状シリコーン樹脂とを用
い、同様の方法にて混合し、表1に示す組成を有するセ
メント混和用抗菌・防黴・防藻剤(試料番号7,8)を
作製した。
【0030】(実施例2)実施例1により得られたセメ
ント混和用抗菌・防黴・防藻剤と普通ポルトランドセメ
ントとを混合して、表1に示す組成を有する水硬性セメ
ント組成物(試料番号1〜8)を作製した。
【0031】(実施例3)実施例2により得られた水硬
性セメントを用いて、直径 50 mm、厚み 3mmの円板状
の試験体(セメント系硬化体)を成型した。水/セメン
ト比は 50 %である。この成型体を 28 日間養生し、そ
の後CO2 ガス中にてpH7に調整し、さらに、 60 ℃
の温水に1年間浸漬した後、以下の各試験に供した。 「抗菌性試験」各試験体をそれぞれ 1.0×106 cfu/
mlの大腸菌液 10 mlに浸し、 24時間後の生菌数を
測定した。その結果を表1に示す。 「防黴性試験」別途作製した各試験体をそれぞれ風呂場
に1年間暴露し、黴の発生状況を肉眼で観察した。判定
条件は次の通りである。 0:黴の発生を全く認めない。 1:僅かに黴の発生が認められる。 2:中程度に黴の発生が認められる。 3:全面に黴の発生が認められる。 この結果を表1に示す。 「防藻性試験」別途作製した各試験体をそれぞれ林の中
の日当たりの悪い場所に1年間暴露して藻の発生状況を
肉眼で観察した。判定条件は次の通りである。 0:藻の発生を全く認めない。 1:僅かに藻の発生が認められる。 2:中程度に藻の発生が認められる。 3:全面に藻の発生が認められる。 この結果を表1に示す。
【0032】(実施例4)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末として、銀担持リン酸カルシウム系化
合物を平均粒径 5μmに粉砕したものと、実施例1所載
のシリコーン樹脂と、普通ポルトランドセメントを用い
て、表1に示す組成を有するセメント混和用抗菌・防黴
・防藻剤と、これを用いた水硬性セメント組成物(試料
番号9)を作製した。なお、この銀担持リン酸カルシウ
ム系化合物は、次のようにして調整されたものである。
80 gのリン酸を含む水溶液 800mlと、 4gの硝酸銀
を含む水溶液 40 mlを混合した。別に、 100gの水酸
化カルシウムを含む水懸濁液を調整した。上記水酸化カ
ルシウム懸濁液中に、上記混合液を、温度 40 ℃におい
て滴下し、得られた反応混合液を攪拌しながら 40 ℃に
おいて3時間養生した。得られた反応混合液を濾過して
銀担持リン酸カルシウム系化合物の粉末を得た。この粉
末中の銀含有量は1重量%であった。このようにして得
られた水硬性セメント組成物を使用して実施例3に記載
の方法に準じて抗菌性試験、防黴性試験、防藻性試験を
実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0033】(実施例5)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末として、亜酸化銅(Cu2 O)を平均
粒径 1μmに粉砕したものと、実施例1所載のシリコー
ン樹脂と、普通ポルトランドセメントとを用いて、表1
に示す組成を有するセメント混和用抗菌・防黴・防藻剤
と、これを用いた水硬性セメント組成物(試料番号1
0)を作製した。このようにして得られた水硬性セメン
ト組成物を使用して、実施例3に記載の方法に準じて抗
菌性試験、防黴性試験、防藻性試験を実施した。その結
果を表1に併せて示す。
【0034】(実施例6)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末として、銀をエトリンガイトに担持さ
せた化合物を平均粒径 5μmに粉砕したものと、実施例
1所載のシリコーン樹脂と、普通ポルトランドセメント
とを用いて、表1に示す組成を有するセメント混和用抗
菌・防黴・防藻剤と、これを用いた水硬性セメント組成
物(試料番号11)を作製した。なお、この銀担エトリ
ンガイトは、次のようにして調整されたものである。蒸
留水 1lに 37 gの水酸化カルシウムと、 12.6 gの水
酸化アルミニウムと、 68 gの無水石膏とを懸濁させ、
温度を約 25 ℃に保持して充分に攪拌した。攪拌後1時
間熟成し、その後、これに銀濃度が 0.1g/mlとなる
ように調整した硝酸銀水溶液を 15 ml加え、そのまま
3時間熟成した。熟成後沈殿を濾過し、蒸留水で沈殿物
を充分に洗浄した。次いで、沈殿物を回収して、これを
50 ℃で乾燥し、さらに乾燥物を平均粒径 5μmに粉砕
した。この粉末中の銀含有量は1.4重量%であった。こ
の水硬性セメント組成物を使用して、実施例3に記載の
方法に準じて抗菌性試験、防黴性試験、防藻性試験を実
施した。その結果を表1に併せて示す。
【0035】(比較例1)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物とシリコーン樹脂とを共に含有していない
ポルトランドセメント(試料番号12)を使用して、実
施例3に記載の方法に準じて抗菌性試験、防黴性試験、
防藻性試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0036】(比較例2)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末としての上記銀含有フリット粉末と、
ポルトランドセメントとからなる水硬性セメント組成物
(試料番号13)を使用して、実施例3に記載の方法に
準じて抗菌性試験、防黴性試験、防藻性試験を実施し
た。その結果を表1に併せて示す。
【0037】(比較例3)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末を含有せず、実施例1所載のシリコー
ン樹脂とポルトランドセメントとからなる水硬性セメン
ト組成物(試料番号14)を使用して、実施例3に記載
の方法に準じて抗菌性試験、防黴性試験、防藻性試験を
実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0038】(比較例4)抗菌・防黴・防藻作用を有す
る無機化合物粉末としての上記銀含有フリット粉末と、
アクリル樹脂と、ポルトランドセメントとからなる水硬
性セメント組成物(試料番号15)を使用して、実施例
3に記載の方法に準じて抗菌性試験、防黴性試験、防藻
性試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0039】〔比較結果〕表1が示す結果より明らかな
とおり、各実施例により作製されたセメント混和用抗菌
・防黴・防藻剤およびこれを用いた水硬性セメント(試
料番号1〜11)は、比較例(試料番号12〜15)よ
りも明らかに優れた抗菌・防黴・防藻性を有する。
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
るセメント混和用抗菌・防黴・防藻剤では、少なくと
も、抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化合物粉末と粉
末状のシリコーン樹脂とが混和されたものであるから、
水硬性セメントに添加すると、各々がもつ抗菌・防黴・
防藻効果をこれらの相乗効果により飛躍的に向上させる
ことができ、長期間にわたって抗菌・防黴・防藻性を保
有することができる。
【0041】そして、請求項2に係るセメント混和用抗
菌・防黴・防藻剤では、前記抗菌・防黴・防藻作用を有
する無機化合物粉末は、オリゴジナミー効果を有する金
属を含有するフリット粉末としたため、オリゴジナミー
効果を有する金属をイオン化して含む微細化された粉末
を得ることができ、金属イオンによる微生物の殺傷能力
を長期間発揮させることができる。
【0042】そしてまた、請求項3に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤では、前記オリゴジナミー効果を
有する金属を含有するフリット粉末は、銀を含有するフ
リット粉末としたことによって、オリゴジナミー効果を
有する金属の中で微生物の殺傷能力が強力でありかつ安
全な金属である銀を含有させることができるとともに、
銀をイオン化して含む微細化された粉末を得ることがで
き、銀イオンによる微生物の殺傷能力を長期間発揮させ
ることができる。
【0043】そしてまた、請求項4に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤は、前記銀を含有するフリット粉
末中の銀の含有量は、酸化銀換算で0.1〜5重量%と
したことによって、適当な銀配合量で、抗菌・防黴・防
藻性を効果的に発揮させることができる。
【0044】そしてまた、請求項5に係るセメント混和
用抗菌・防黴・防藻剤は、前記銀を含有するフリット粉
末と前記シリコーン樹脂との混合比を、前記銀を含有す
るフリット粉末1重量部に対して前記シリコーン樹脂
0.5〜 20 重量部としたことによって、銀含有フリット
粉末とシリコーン樹脂との適当な配合で、相乗的な抗菌
・防黴・防藻性を効果的に発揮させることができる。
【0045】また、請求項6に係る水硬性セメント組成
物は、少なくとも、請求項1〜請求項5いずれか記載の
セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤と水硬性セメントと
が混和されてなることから、セメント硬化後に、抗菌・
防黴・防藻作用を有する無機化合物とシリコーン樹脂に
よる相乗的な抗菌・防黴・防藻性を発揮させることがで
きる。
【0046】そして、請求項7に係る水硬性セメント組
成物は、請求項1〜請求項5いずれか記載のセメント混
和用抗菌・防黴・防藻剤を水硬性セメントに対して0.
1〜3重量%添加してなることから、抗菌・防黴・防藻
剤のセメントへの適当な添加量で、セメント硬化後にお
ける抗菌・防黴・防藻性を効果的に発揮させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C04B 103:67 111:20 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 22/04 C04B 22/06 C04B 24/42 C04B 28/02 A01N 59/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、抗菌・防黴・防藻作用を有す
    る無機化合物粉末と粉末状のシリコーン樹脂とが混和さ
    れてなることを特徴とするセメント混和用抗菌・防黴・
    防藻剤。
  2. 【請求項2】前記抗菌・防黴・防藻作用を有する無機化
    合物粉末は、オリゴジナミー効果を有する金属を含有す
    るフリット粉末であることを特徴とする請求項1記載の
    セメント混和用抗菌・防黴・防藻剤。
  3. 【請求項3】前記オリゴジナミー効果を有する金属を含
    有するフリット粉末は、銀を含有するフリット粉末であ
    ることを特徴とする請求項2記載のセメント混和用抗菌
    ・防黴・防藻剤。
  4. 【請求項4】前記銀を含有するフリット粉末中の銀の含
    有量は、酸化銀換算で0.1〜5重量%であることを特
    徴とする請求項3記載のセメント混和用抗菌・防黴・防
    藻剤。
  5. 【請求項5】前記銀を含有するフリット粉末と前記シリ
    コーン樹脂との混合比は、前記銀を含有するフリット粉
    末1重量部に対して前記シリコーン樹脂が0.5〜20
    重量部であることを特徴とする請求項3または請求項4
    のいずれか記載のセメント混和用抗菌・防黴・防藻剤。
  6. 【請求項6】少なくとも、請求項1〜請求項5のいずれ
    か記載のセメント混和用抗菌・防黴・防藻剤と水硬性セ
    メントとが混和されてなることを特徴とする水硬性セメ
    ント組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項5のいずれか記載のセメ
    ント混和用抗菌・防黴・防藻剤を水硬性セメントに対し
    て0.1〜3重量%添加してなることを特徴とする請求
    項6記載の水硬性セメント組成物。
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