JP2826152B2 - ジアセタール組成物及び結晶性樹脂組成物 - Google Patents

ジアセタール組成物及び結晶性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規有用なジアセタール組成物及び当該ジ
アセタール組成物を配合してなる結晶性樹脂組成物に関
する。
[従来の技術と課題] 芳香族アルデヒドと多価アルコールとを酸触媒の存在
下、アセタール縮合させて調製されるジアセタール類
は、結晶性樹脂組成物の核剤として賞用されているもの
であって、本発明者らは、これまでに優れた特性を有す
る核剤を提供すべく鋭意検討の下、種々のジアセタール
類を提案してきた。しかしながら、核剤に対する要望は
多岐に亘っており、これを広範囲の用途に適用するため
には、尚、改善の余地が認められる。
例えば、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール(以
下「DBS」と略称する。)を用いると、得られる結晶性
樹脂成形物の透明性が大幅に改良されるものの、より高
い透明性を必要とする分野に対しては充分にその要望を
満足するものではない。
1,3;2,4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール
(以下「Me−DBS」と略称する。)は、前記のDBSに比べ
て透明性の優れた樹脂成形物を与えるものの(特開昭53
−117044号、特開昭54−28348号)、樹脂組成物を加熱
して成形加工するに際し、アルデヒド臭を発生し易い。
又、1,3:2,4−ビス(ポリアルキルベンジリデン)ソ
ルビトール(特開昭56−45934号)や、各芳香環に夫々
異なる種類や数の置換基を有する、いわゆる非対称型の
ジアセタール類(特開昭59−12951号)はMe−DBSを使用
した場合と同様に優れた透明性を有する成形物を与える
とともに、加熱成形時における臭気が抑制されたもので
ある。しかしながら、一般に当該ジアセタール類の融点
は高いため、通常は苛酷な高温条件下で成形しなければ
ならず、比較的低温の加工条件しか採用できない成形加
工分野においては、用いる核剤の融点以上の温度で高濃
度マスターバッチを調製する工程を余分に必要とする
等、一定の困難性を伴っている。このことは、ジアセタ
ール類が金属塩やシリカ等の「分散型」の核剤とは異な
り、その融点以上の温度で融解し、樹脂中に均一に溶解
することがポイントとなる「溶解型」の核剤であること
に起因するものである。
又、これらのジアセタール類は、一般に溶融点の近傍
で昇華性を有しているため、成形時の金型汚れや成形機
種の汚れの原因ともなり加工性の悪化を招いている。
本発明者らのこれまでの一連の研究によれば、核剤の
融点が高い程、これを配合した結晶性樹脂組成物の加工
性は低下する傾向が認められ、斯かる問題はあるという
ものの透明性その他の性質において優れた成形体を与え
る。従って、核剤の低融点化を図ることにより加工性を
向上させ、同時に成形体の透明性その他の特性をも向上
させることは、二律背反の困難な問題である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、結晶性樹脂の核剤としてのジアセター
ル類の特性について鋭意検討を進める中で、特定の構造
を有する非対称型誘導体を特定比率で含有してなるジア
セタール類の融点がこれまでに知られていた同種の化合
物に比して低く、その結果、加工性が大幅に改善され、
しかもこのものを核剤として配合した結晶性樹脂組成物
又はそれから得られる成形物が下記の特性をも併せ持つ
ことを見い出し、斯かる知見に基づいて本発明を完成し
た。
(1)本発明の樹脂組成物は、成形時に臭気の発生が実
質上ないものである。
(2)結晶化温度の向上により成形サイクル時間が短縮
される。
(3)上記本発明に係る核剤組成物の融点が低いため、
低温での成形が可能となり、しかも核剤の不完全な融解
に基づくフィッシュアイの生成が防止される。
(4)本発明に係る樹脂組成物は、「ひけ」を生成する
ことなく、かつ顔料を分散させた場合にも体積収縮を伴
うことなく成形できる。
(5)延伸フィルムの寸法安定性が向上する。
(6)本発明樹脂組成物から得られる成形物の透明性が
大幅に向上する。
(7)当該成形物の光沢も向上している。
(8)当該成形物は、弾性、耐衝撃性、熱変形温度等の
力学的特性及び熱的特性においても優れている。
(9)成形時の金型汚れがほとんど認められないため、
連続成形が容易となる。
(10)γ線による劣化が少ない。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るジアセタール組成物は、(a)、(b)
及び(c)成分を含有し、次式で表わされる「Z」が0.
3乃至0.8程度であることを特徴とする。
Z=A/(A+B+C) [式中、A、B及びCは、夫々(a)、(b)及び
(c)成分の重量割合である。] ここで、(a)成分は、一般式(I)で表わされる少
なくとも1種以上の化合物であり、 [式中、R1、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニト
ロ基、アミノ基から選ばれる基を表わす。pは0又は1
である。
(1)R1が水素原子の場合には、R2は炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基から選ばれる基を示し、mは
5、nは1〜3を示す。
(2)R1が炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基から
選ばれる基を示す場合には、R2は水素原子であり、mは
1〜3、nは5を示す。] (b)成分は、一般式(II)で、表わされる少なくと
も1種以上の化合物であり、 [式中、pは0又は1である。] (c)成分は、一般式(III)で表わされる少なくと
も1種以上の化合物である。
[式中、R3、R4は、同一又は異なって、炭素数1〜4の
アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基から選ばれる基であって、l、
rは、1〜3を示し、pは0又は1である。] 但し、(a)成分として、一般式(I)のR1がメチル
基であって、mが2又は3、かつ、R2が水素原子であっ
て、nが5である化合物、又はR2がメチル基であって、
nが2又は3、かつ、R1が水素原子であって、mが5で
ある化合物を、(c)成分として、一般式(III)のR3
及びR4がメチルで基であって、l、rが2又は3である
化合物を含有するジアセタール組成物は除く。
当該ジアセタール類の芳香環における置換基の置換位
置は問わず、同一の芳香環に異なる基が置換していても
よい。
(a)、(b)及び(c)成分の各群に係る化合物夫
々の含有量は、特に限定されるものではなく、各群にお
いて単独で又は2種以上の混合物を適宜選択することが
できるが、「Z」が0.3乃至0.8程度、好ましくは0.4乃
至0.75程度でなければ本発明所定の融点低下効果と核剤
機能とを同時に満足させることができない。
即ち、本発明においては、(a)成分がジアセタール
組成物中約30重量%であって、かつ約80重量%以下であ
ることが重要である。(b)成分及び(c)成分のジア
セタール組成物中における量は、特に限定がなく、0.3
乃至0.8程度の条件を満足する限り、広い範囲から適宜
選択すればよい。ここで、(b)成分及び(c)成分の
量は、いずれも0重量%ではない。
一般に、本発明においては、ジアセタール組成物全量
に対し、(a)成分を30〜80重量%程度、好ましくは40
〜75重量%程度、(b)成分を1〜30重量%程度、好ま
しくは5〜25重量%程度、(c)成分を5〜60重量%程
度、好ましくは10〜50重量%程度とすればよい。
(a)乃至(c)成分は、いずれも公知の化合物であ
り、公知方法に従って容易に製造できる。よって、本発
明に係るジアセタール組成物は、(a)乃至(c)成分
を夫々所定の比率で混合することにより調製することが
できる。又、ソルビトール又はキシリトールに、ベンズ
アルデヒドと所定の置換基を有するベンズアルデヒドと
の適当な混合物を反応させることによって、所定の比率
で(a)乃至(c)成分を一挙に製造することもでき
る。この具体的な方法の一例を後記製造例に示す。
又、上記ジアセタール組成物に脂肪族第3級アミン
(ジステアリルメチルアミン、ステアリルジエタノール
アミン等)を配合することにより一層昇華性を改善する
ことができる。
このものは、以下で詳しく述べる結晶性樹脂の核剤と
してのみならず、液状物質の流動性消失効果をもたらす
ゲル化剤、粘度調整剤、揺変剤、塗料・インキ・接着剤
等のタレ防止剤、水上や水中の油分を吸着する効果をも
たらす油水分離剤、凝集剤等として機能し、接着剤、塗
料、樹脂の改質、固形芳香剤、水処理剤、流出油の固化
・回収、香料、化粧料、土木・建材、潤滑剤、防錆剤、
農薬、医薬、医療外製品、固形燃料、インキ、糊等、本
発明に係るジアセタールが従来用いられてきた分野にお
いて同様に適用される。
本発明は、上記本発明に係るジアセタール組成物を含
有してなる結晶性樹脂組成物をも提供するものである。
結晶性樹脂に対するジアセタール組成物の配合量は、
所定の効果が得られる限り特に限定されるものではなく
適宜選択することができるが、通常、樹脂100重量部当
り0.05〜3重量部程度、好ましくは0.07〜1重量部程度
配合される。これらの範囲内の配合により、充分に本発
明所期の効果を得ることができる。
ジアセタール組成物の添加法としては一段添加法が好
ましいが、4〜15重量%程度の高濃度マスターバッチの
形態での添加による二段法を採用しても何ら差し支えな
い。
本発明に係る核剤が適用される結晶性樹脂としては、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブタ
ジエン系樹脂、ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂等が例示され、より具体的には、高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン、エチレン含量50重量%以上のエチレンコポリマー、
プロピレンホモポリマー、プロピレン含量50重量%以上
のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン
含量50重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテン
ホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上のメチ
ルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示され
る。上記コポリマーは、ランダムコポリマーであっても
よく、ブロックコポノマーであってもよい。又、上記コ
ポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエ
チレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘ
プテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデ
セン等の炭素数2〜16程度のα−オレフィン、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示できる。
本発明に係る樹脂組成物には、使用目的や用途に応じ
て酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、架橋
剤、架橋促進剤、発泡剤、着色剤、分散剤、充填剤、帯
電防止剤等の各種成分を適宜配合することができる。
当該樹脂組成物を製造するに際しては従来公知のいず
れの方法をも適用することができ、例えば、結晶性樹脂
に所定の組成比率を有する本発明に係るジアセタール組
成物を直接ブレンドして成形加工してもよく、予め当該
樹脂に上記組成物を配合して、これをペレット化し、し
かる後に成形加工してもよい。
又、本発明に係る樹脂組成物を成形するに際しては、
射出成形、押し出し成形、ブロー成形、圧空成形、回転
成形、フィルム成形等、従来公知の成形方法のいずれを
も採用できる。
かくして得られた樹脂組成物は、従来、ジアセタール
類を核剤として配合してなる結晶性樹脂組成物が用いら
れてきたと同様の各種分野において適用され、より具体
的には、熱や放射線等により滅菌されるディスポーザブ
ル注射器、輸液・輸血セット、採血器具等の医療用器具
類;放射線等により滅菌される食品・植物等の包装物;
衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の各種ケース類;食
品を熱充填するためのカップ、レトルト食品の包装容
器;電子レンジ用容器;ジュース、茶等の飲料用、化粧
品用、医薬品用、シャンプー用等の缶、ビン等の容器;
味噌、醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パ
ン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等
の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車用部品等の素材
として好適である。
[実施例] 以下に本実施例及び比較例を掲げ、本発明を詳しく説
明する。
尚、下記の各例における評価は、次の方法により行な
った。即ち、ジアセタール類の融点(Tm)は、示差走査
熱量計を用い、室温から20℃/分で昇温したときの発熱
ピーク温度である。
一方、結晶性樹脂組成物の特性の評価においては、ヘ
ーズメーターを用いて曇度(%)を測定し、同時に光沢
(60゜、%)を測定した(JIS K−6714、JIS Z−87
21)。曇度は小さい程、光沢は大きい程その光学的特性
は優れたものである。
又、示差走査熱量計を用い、240℃から冷却温度20℃
/分での結晶化温度(Tc)(℃)を測定した。Tcが高い
程樹脂組成物の成形性に優れており、例えば射出成形法
においては成形サイクルの短縮を図ることができる。
臭気の発生の程度は、試料となるペレット30gを200ml
のガラスビン中に密封し、130℃の恒温糟に1時間放置
した後、その臭気の有無により判定した。
製造例 粉末ソルビット36.4g(0.2モル)、ジエチルベンズア
ルデヒド32.4g(0.2モル)、ベンズアルデヒド21.2g
(0.2モル)、シクロヘキサン300ml、ジメチルホルムア
ミド20ml、濃硫酸0.7gをデカンター付き冷却器、温度
計、ガス導入口、撹拌器を備えた3の4ツ口フラスコ
に仕込み、系内を窒素置換する。撹拌しながら加熱して
全系を70〜80℃に保ちながら、縮合生成水を系外に留去
する。反応を4時間で停止し、中和、水洗後、乾燥し
て、第1表に記載の組成を有する核剤組成物I[Z=0.
64]を82%の収率で得た。ここで、(a)成分は、一般
式(I)において、R1=H、R2=エチル基、m=2、p
=1の化合物とR1=エチル基、R2=H、n=2、p=1
の化合物との混合物であり、(b)成分は、DBSであ
り、(c)成分は、一般式(III)において、R3=R4
エチル基、l=r=2、p=1の化合物である。
各成分の組成(ガスクロマトグラフィーによる)は、
下記の通りであり、当該核剤組成物Iの融点は231℃で
あった。
A=64.2重量% B=10.5重量% C=25.1重量% 実施例1 エチレン含量2重量%のランダムポリプロピレン(MF
R=12)100重量部に対し、核剤組成物Iを0.3重量部、
テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(商品名、イルガノックス1010、チバ・ガイギー社製)
0.1重量部及びステアリン酸カルシウム0.05重量部を加
えて、750rpmで3分間ヘンシェルミキサーにより混合
し、次いで、245℃でラボプラストミル押出機により混
練して、押し出し、水冷法によりペレットを得た(この
ペレットからの臭気の発生は認められなかった。)。
このペレットを230℃でプレス成形して、厚さ1.5mmの
シートを得て試料に供した。得られた結果を第1表に示
す。
実施例2 核剤組成物の構成成分である化合物を夫々別個に製造
し、所定比率で調合することにより、下記の核剤組成物
II(Z=0.30、融点=229℃)を得、このものを配合し
た樹脂組成物(当該ペレットからの臭気の発生は認めら
れなかった。)及びこれから得られたシートの特性を実
施例1に準じて評価した。得られた結果を第1表に示
す。
A=30.0重量% B=30.0重量% C=40.0重量% 実施例3 実施例2と同様にして、下記の核剤組成物III(Z=
0.75、融点=231℃)を得、このものを配合した樹脂組
成物(当該ペレットからの臭気の発生は認められなかっ
た。)及びこれから得られたシートの特性を実施例1に
準じて評価した。得られた結果を第1表に示す。
A=75.0重量% B=15.0重量% C=10.0重量% 比較例1 実施例2と同様にして、下記の組成を有する核剤組成
物IV(Z=0.12、融点=251℃)を得、このものを配合
した樹脂組成物及びこれから得られたシートの特性を実
施例1に準じて評価した。その結果、当該ペレットから
の臭気は認められないものの、Tc、曇度、光沢のいずれ
の特性においても本発明に係る樹脂組成物に劣るもので
あった(第1表)。
A=12.0重量% B=40.0重量% C=48.0重量% 比較例2 実施例2と同様にして、下記の組成を有する核剤組成
物V(Z=0.90、融点=285℃)を得、このものを配合
した樹脂組成物及びこれから得られたシートの特性を実
施例1に準じて評価した。その結果、当該ペレットから
の臭気は認められないものの、Tc、曇度、光沢のいずれ
の特性においても本発明に係る樹脂組成物に劣るもので
あった(第1表)。
A=90.0重量% B= 5.0重量% C= 5.0重量% 比較例3 ジアセタール類を核剤として配合しない場合の樹脂及
びシートを実施例1と同様にして調製し、それらの特性
を評価した。その結果、当該ペレットからの臭気は認め
られないものの、Tc、曇度、光沢のいずれの特性におい
ても本発明に係る樹脂組成物に劣るものであった(第1
表)。
実施例4 対象樹脂を直鎖状低密度ポリエチレンとし、ジアセタ
ール組成物の配合量を樹脂100重量部当り0.2重量部と
し、押出機内の温度を220℃とする以外は、実施例1に
準じて樹脂組成物及びシートを調製し、それらの特性を
評価した。得られた結果を第2表に示す。
実施例5〜6 本発明に係る核剤組成物(II〜III)を配合した樹脂
組成物及びシートを実施例4と同様にして調製し、それ
らの特性を評価した。得られた結果を第2表に示す。
比較例4〜6 種々の樹脂組成物及びシートを実施例4と同様にして
調製し、それらの特性を評価した。得られた結果を第2
表に示す。
[発明の効果] 本発明に係るジアセタール組成物を配合してなる結晶
性樹脂組成物は、透明性及び光沢に優れるばかりでな
く、成形加工時における熱分解による臭気の発生も認め
られない。しかも、当該ジアセタール類の融点は、従来
のジアセタール類の融点と比較して低いために成形温度
を低減することができ、ポリエチレン等の比較的低温で
成形する樹脂に適用する場合においても、核剤としての
ジアセタール類が完全に融解しないことに起因するフィ
ッシュアイの生成を抑制することが容易である。しか
も、Tcが高く、成形加工性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 101/00 - 101/14 C08K 5/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)、(b)及び(c)成分を含有し、
    次式で表わされる「Z」が0.3乃至0.8程度であることを
    特徴とするジアセタール組成物。 Z=A/(A+B+C) [式中、A、B及びCは、夫々(a)、(b)及び
    (c)成分の重量割合(%)である。] ここで、(a)成分は、一般式(I)で表わされる少な
    くとも1種以上の化合物であり、 [式中、R1、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、アミノ基から選ばれる基を表わす。pは0又は1
    である。 (1)R1が水素原子の場合には、R2は炭素数1〜4のア
    ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アミノ基から選ばれる基を示し、mは
    5、nは1〜3を示す。 (2)R1が炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
    アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基から
    選ばれる基を示す場合には、R2は水素原子であり、mは
    1〜3、nは5を示す。] (b)成分は、一般式(II)で表わされる少なくとも1
    種以上の化合物であり、 [式中、pは0又は1である。] (c)成分は、一般式(III)で表わされる少なくとも
    1種以上の化合物である。 [式中、R3、R4は、同一又は異なって、炭素数1〜4の
    アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アミノ基から選ばれる基であって、l、
    rは1〜3を示し、pは0又は1である。] 但し、(a)成分として、一般式(I)のR1がメチル基
    であって、mが2又は3、かつ、R2が水素原子であっ
    て、nが5である化合物、又はR2がメチル基であって、
    nが2又は3、かつ、R1が水素原子であって、mが5で
    ある化合物を、(c)成分として、一般式(III)のR3
    及びR4がメチルで基であって、l、rが2又は3である
    化合物を含有するジアセタール組成物は除く。
  2. 【請求項2】結晶性樹脂100重量部当り、請求項1に記
    載のジアセタール組成物を0.05〜3重量部程度含有する
    ことを特徴とする結晶性樹脂組成物。
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