JP2825745B2 - ジメチルフランカルボキシアニリド誘導体 - Google Patents
ジメチルフランカルボキシアニリド誘導体Info
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Description
防腐活性を与える新規なジメチルフランカルボキシアニ
リド誘導体、当該ジメチルフランカルボキシアニリド誘
導体を有効成分とする木材防腐剤及び当該ジメチルフラ
ンカルボキシアニリド誘導体を有効成分のひとつとし、
これにすでに効果が確認されている市販木材防腐剤を配
合してなる木材用防腐組成物に関する。
の腐朽を防ぐため、各種の無機または有機化合物が、木
材防腐剤として用いられている。しかし、これらの薬剤
は毒性が高いため人体への悪影響や環境汚染性を示すも
のや、使用時に高濃度を必要とするものまたは高価であ
ること、等の欠点を有している。
ド誘導体に関した化合物として下式に示す化合物が特公
昭50−10376に植物病害用薬剤として開示されて
いるが、 Rがフェニル、ニトロ置換フェニル、カルボキ
シ置換フェニル、フェニル置換フェニル、メチル置換フ
ェニル、ハロゲン置換フェニル、メトキシ置換フェニル
基のみに限定されており、
らず、またこれら化合物の木材腐朽菌に対する活性につ
いては全く記載がない。
ィス菌の防除方法に関し、ジメチルフランカルボキシア
ニリド誘導体の開示があるが、本願発明の化合物と重複
することなく、また、木材腐朽菌に対する活性について
は全く記載がない。
く、低濃度または低価格で使用可能な効率のよい新規な
木材防腐剤を開発することである。
状況に鑑み、フランカルボキシアニリド誘導体に着目
し、鋭意研究を重ねた結果、前記一般式(I)で示され
る新規なジメチルフランカルボキシアニリド誘導体が木
材防腐剤として極めて有用であることを見出した。ま
た、当該フランカルボキシアニリド誘導体を有効成分と
し、これにすでに効果が確認されている市販木材防腐剤
を配合すると、相乗効果が認められ、木材用防腐組成物
を作成できることを見いだした。
って、水素原子;C2 −C6 アルキル基;C1 −C6 ア
ルコキシC1 −C6 アルキル基;シアノ基;置換アミド
基;C1 −C6 アルコキシカルボニル基;1又は2個の
置換基を有してもよいベンゾイル基;1又は2個の置換
基を有してもよいベンゾイルアミノ基;C2 −C6 アル
カノイルアミノ基;C3 −C6 シクロアルキルカルボニ
ルアミノ基;1又は2個の置換基を有してもよいベンジ
ル基;又はC1 −C6 アルコキシカルボニルC2 −C5
アルケニレン基を示す。但し、R1 及びR2 は同時に、
水素原子であることはない。また、R1 及びR2 のいず
れかが水素原子であり、他がC2 −C6アルキル基であ
るとき該置換基は2位に置換しない。]で表わされるジ
メチルフランカルボキシアニリド誘導体及び当該ジメチ
ルフランカルボキシアニリド誘導体を有効成分とする木
材防腐剤並びに木材防腐用組成物に関するものである。
の定義におけるC2 −C6 アルキル基は、例えば、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、ter-ブチル、ペンチル、イソペンチル、neo-
ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、sec-ヘキシルのよ
うな直鎖または分枝鎖のアルキル基であり得、好適に
は、C2 −C5 アルキル基であり得、特に好適には、C
3 −C4 アルキル基である。
の定義におけるC1 −C6 アルコキシC1 −C6 アルキ
ル基におけるC1 −C6 アルコキシは、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、ペントキシ、neo-ペントキシ、ヘキシルオキシのよ
うな直鎖または分枝鎖のアルコキシ基であり得、好適に
は、C1 −C5 アルコキシ基であり得、更に好適には、
C1 −C3 アルコキシ基又はC5 アルコキシ基である。
の定義におけるC1 −C6 アルコキシC1 −C6 アルキ
ル基におけるC1 −C6 アルキル基は、例えば実際に
は、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、
テトレメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンのよ
うな直鎖または分枝鎖のアルキレン基であり得、好適に
は、C1 −C2 アルキレン基であり得、更に好適には、
メチレン基である。
の定義における置換アミド基は、例えば、メチルアミ
ド、エチルアミド、イソプロピルアミド、ブチルアミ
ド、sec-ブチルアミドのようなモノアルキルアミド基;
ジメチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミ
ド、ジブチルアミド、ジsec-ブチルアミド、メチルエチ
ルアミド、メチルイソプロピルアミド、メチルブチルア
ミド、メチルsec-ブチルアミド、エチルイソプロピルア
ミド、イソプロピルブチルアミド、ピロリジルアミド、
ピペリジルアミドのようなジアルキルアミド基;フェニ
ルアミド、2−クロロフェニルアミド、2,4−ジクロ
ロフェニルアミド、2−メチルフェニルアミド、2−エ
チルフェニルアミド、4−メトキシフェニルアミドのよ
うな置換基を有してもよいフェニルアミドあり得、好適
には、メチルアミド、ピペリジルアミドまたはフェニル
アミドである。
の定義におけるC1 −C6 アルコキシカルボニル基は、
例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イ
ソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、sec-ブ
トキシカルボニル、tert- ブトキシカルボニル、ペンチ
ルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基のよ
うな上記「C1 −C6 アルコキシC1 −C6 アルキル
基」における「C1 −C6 アルコキシ基」がカルボニル
基と結合してなる基であり得、好適には、C1 −C3 ア
ルコキシカルボニル基である。上記一般式(I)におい
て、R1 及びR2 の定義における1乃至2個の置換基を
有してもよいベンゾイル基は、例えば、ベンゾイル、2
−クロロベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル、2
−メチルベンゾイル、2,4−ジメチルベンゾイル、4
−エチルベンゾイル、4−メトキシベンゾイル基によう
な置換基を有するベンゾイル基であり得、好適には、ベ
ンゾイル基である。
の定義における1乃至2個の置換基を有してもよいベン
ゾイルアミノ基は、上記「1乃至2個の置換基を有して
もよいベンゾイル基」がアミノ基に置換してなる基であ
り、例えば、ベンゾイルアミノ、2−クロロベンゾイル
アミノ、2,4−ジクロロベンゾイルアミノ、2,4−
ジメチルベンゾイルアミノ、4−メチルベンゾイルアミ
ノ、4−エチルベンゾイルアミノ、4−メトキシベンゾ
イルアミノ基にような置換基を有するベンゾイルアミノ
基であり得、好適には、ベンゾイルアミノ基である。
の定義におけるC2 −C6 アルカノイルアミノ基は、例
えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリル
アミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノ、イソバ
レリルアミノ、カプロイルアミノ、イソカプロイルアミ
ノ基であり得、好適には、アセチルアミノ基である。上
記一般式(I)において、R1 及びR2 の定義における
C3 −C6 シクロアルキルカルボニルアミノ基は、例え
ば、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカ
ルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シ
クロヘキシルカルボニルアミノ基であり得、好適には、
シクロヘキシルカルボニルアミノ基である。
の定義における1乃至2個の置換基を有してもよいベン
ジル基は、例えば、ベンジル、2−メチルベンジル、
2,4−ジメチルベンジル、2−クロロベンジル、2,
4ジメトキシベンジル−、4−メトキシベンジル、4−
エトキシベンジル基であり得、好適には、ベンジル又は
4−メトキシベンジル基である。
の定義におけるC1 −C6 アルコキシカルボニルC2 −
C5 アルケニレン基は、例えば、メトキシカルボニルビ
ニレン、エトキシカルボニル2−プロペニレン、メトキ
シカルボニル2−ブテニレン、エトキシカルボニル2−
ペンテニレン基であり得、好適には、メトキシカルボニ
ルビニレン基である。
好適には、 (1)R1 及びR2 が同一又は異なって水素原子;C2
−C5 アルキル基;C2−C6 アルコキシメチレン基;
C1 −C2 アルコキシカルボニル基;1個の置換基を有
してもよいベンジル基;又はC1 −C2 アルコキシカル
ボニルC2 −C4アルケニレン基である化合物、但し、
R1 、R2 が同時に水素原子であることはなく、またR
1 及びR2 のいずれかが水素原子であり、他がC2 −C
6 アルキル基であるとき、該置換基は2位に置換しない
化合物、更に好適には、 (2)R1 及びR2 が同一又は異なって水素原子;C3
−C5 アルキル基;又はメトキシ基又はC1 −C2 アル
キル基を1個置換基として有してもよいベンジル基であ
る化合物、但し、R1 、R2 が同時に水素原子であるこ
とはなく、またR1 及びR2 のいずれかが水素原子であ
り、他がC3 −C5 アルキル基であるとき、該置換基は
2位に置換しない化合物、特に好適には、 (3)R1 が3−(C3 −C5 アルキル)基;3−ベン
ジル基;又は3−{4−(メトキシ又はC1 −C2 アル
キル)ベンジル}基である化合物、 (4)R2 が水素原子である化合物、を挙げることがで
きる。
新規なジメチルフランカルボキシアニリド誘導体を例示
すれば、次表のとおりである。
合を示す。 Bz・・・・・・・ ベンジル Bu・・・・・・・ ブチル Et・・・・・・・・・エチル Hx・・・・・・・・・ヘキシル Me・・・・・・・・・メチル Ph・・・・・・・・・フェニル Pip・・・・・・・・ピペリジル Pn・・・・・・・・・ペンチル Pr・・・・・・・・・プロピル i ・・・・・・・・・・イソ c ・・・・・・・・・・シクロ s ・・・・・・・・・・セカンダリー neo ・・・・・・・・・ネオ t ・・・・・・・・・・ターシャリー
4、5、6、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、23、24、2
6、28、30、31、32、33、34、35、3
6、38、39、40、41、42、47、48、4
9、50、53、58、59、60、61及び63の化
合物を挙げることができ、更に好適には、化合物番号
1、3、5、14、16、18、19、21、23、2
4、26、28、30、32、33、34、35、3
7、41、42、47、48、59、60、61及び6
3の化合物を挙げることができる。
以下に示すA法、B法の2方法で製造することができ
る。
同意義を示す。R1'は、C2 −C6アルキル基、1又は
2個の置換基を有してもよいベンジル基を示す。(Ia
)は一般式(I)において、R1 がR1'を示し、R2
が水素原子を示す化合物である。(V)は沃素置換アニ
リンを示す。Xは塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原
子を示し、好適には、塩素原子である。X’は塩素、臭
素、沃素のようなハロゲン原子を示し、好適には、臭素
又は沃素原子である。
される。
物を製造する工程であり、不活性溶剤中、脱ハロゲン化
水素剤存在下、一般式(III)を有する化合物を一般
式(IV)を有する化合物と反応させることにより、達
成される。
とアセト酢酸エステルとの縮合によって得られる2,5
−ジメチルフラン−3−カルボン酸エステルを加水分解
して得られる2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸
をハロゲン化して得られる。原料化合物(IV)は市販
アニリン類、または公知の方法によって製造された公知
のアニリン類である。
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシ
レンのような芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素のようなのハロゲン化炭化水素類
またはこれらの混合溶媒があげられ得、好適には、芳香
族炭化水素類(特に、トルエン)である。
ば、トリエチルアミン、N,Nージメチルアミノピリジ
ン等の三級アミン類、ピリジン類である。本反応は溶媒
の存在下、あるいは無溶媒で行うこともできるが、反応
をより円滑に行うために、溶媒を用いて0℃から溶媒の
沸点迄の温度で、好適には、室温〜100℃の温度で通
常30分から5時間、好適には、30分から2時間で行
う。
合物を製造する工程であり、不活性溶剤中、脱ハロゲン
化水素剤存在下、一般式(III)を有する化合物を一
般式(V)を有する化合物と反応させることにより、達
成される。
は公知の方法によって製造された公知の沃素置換アニリ
ン類である。
合物を製造する工程であり、不活性溶剤中、触媒存在
下、一般式(VI)を有する化合物を一般式:R1'MG
X’を有するグリニヤール試薬と反応させることによ
り、達成される。
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンのようなエーテル類があげられ
得、特に好適には、ジエチルエーテルである。
フェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム(II)
クローライドが用いられる。
の方法により、マグネシウムと式:R1'X’(R1'及び
X’は上記と同意義を有する)で表されるアルキルハラ
イドより調製されたものである。
適には、室温である。反応時間は溶媒と試薬により異な
るが、通常10時間乃至10日である。
実施例によって更に詳しく説明するが本発明はこれに限
定されるものではない。
ノアニリド)2,5-ジメチルフラン-3 -カルボニルクロラ
イド(0.50g) を塩化メチレン(10ml)に溶かし、氷冷下、
トリエチルアミン(0.44ml)、及び3-アセチルアミノアニ
リン(0.47g) を加え、室温で2.5 時間撹拌し、次いで4.
5 時間加熱還流した。反応液を冷却後、塩化メチレン(1
0ml)を加えて希釈し、1N水酸化ナトリウム、1N塩酸、飽
和食塩水で順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮
した。残留物をシリカゲル・クロマトグラフィーにより
精製し、次いで酢酸エチルで再結晶すると、目的化合物
0.51g(収率59.4%)が白色結晶として得られた。
当なアニリン誘導体を用いることにより、以下の化合物
を得ることができた。
イド(3.95g) を塩化メチレン(60ml)に溶かし、氷冷下、
トリエチルアミン(3.45ml)、及びm-ヨードアニリン(2.9
9ml)を加え、室温で6.5 時間撹拌した。反応液を冷却
後、塩化メチレン(50ml)を加えて希釈し、1N水酸化ナト
リウム、1N塩酸、飽和食塩水で順に洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル・クロマ
トグラフィーにより精製すると、2,5-ジメチルフラン-
3 - カルボキシ -(3-ヨードアニリド)7.64g(収率89.9
%)が淡黄色結晶として得られた。
g) にジエチルエーテル(8ml) を加え、(1,1'-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム(II)
クロライド(29.3mg)及びヘキシルブロマイドとマグネシ
ウムより調整したヘキシルマグネシウムブロマイド(1
M, 11ml) を6 回に分けて加えた後、室温で47時間撹拌
した。反応液に2N塩酸を加え、触媒を濾去し、ジエチル
エーテルで抽出した。抽出液を重曹水、飽和食塩水で洗
浄後硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリ
カゲル、次いでYMC パックドカラム D-ODS-5のクロマト
グラフィーにて精製すると、目的化合物316mg(収率52.8
%)が白色結晶として得られた。
りに適当なグリニャール試薬を用いることにより、以下
の化合物を得ることができた。
ル水素化ナトリウム(60%,2.4g)のN,N−ジ
メチルホルムアミド(以下DMFと略す)10ml懸濁
液に氷冷、攪拌下アセト酢酸エチル6.5mlのDMF
5ml溶液を滴下した。この混合物に氷冷攪拌しなが
ら、クロロアセトン5.97mlを滴下した。室温下、
3時間攪拌後、水中に注入し、酢酸エチルで抽出した。
抽出液は飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧にて酢酸エチルを留去し、残渣を真空
蒸留してα−アセトニル−アセト酢酸エチルエステル
8.01g(収率86%)を得た。沸点:105℃/2
mmHgここに得られたエステルをエタノール20ml
に溶かし、この溶液にp−トルエンスルホン酸2gを加
えて2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却
後、減圧下に溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加
え、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧下、酢酸エチルを留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘ
キサン/酢酸エチル=10/1の混合溶媒で溶出するこ
とにより2,5−ジメチルフラン−3−カルボン酸エチ
ル5.14g(収率71%)を得た。
g、エタノール35ml、2N水酸化ナトリウム水溶液
20mlの混合溶液を1.5時間室温で撹拌した後、1
時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧
下濃縮した。残渣を水に溶かし、希硫酸で酸性とした。
析出した結晶を濾取、水洗、乾燥して2,5−ジメチル
フラン−3−カルボン酸2.27g(収率85%)を得
た。
および該化合物を有効成分として含む組成物は、担体お
よび必要に応じて他の補助剤と混合して、防腐剤として
通常用いられる製剤形態、例えば、油剤,乳剤,可溶化
剤,ペースト剤,水和剤,フロアブル剤、ドライフロア
ブル剤、噴霧剤、塗料等に調製され、公知の木材処理法
により使用される。製剤の性状を改善し、防腐効力を高
めるため適宜使用される補助剤としては、例えば、陰イ
オン性、陽イオン性、非イオン性の界面活性剤やメチル
セルロース、酢酸ビニル樹脂等の種々の高分子化合物、
シリコンオイル、パラフィン等の撥水剤等をあげること
ができる。勿論、サンプラス、IF−1000、トロイ
サンのような有機ヨード系化合物、プロピコナゾール、
テブコナゾール等のアゾール系化合物、サイアベンダゾ
ール、ジクロフルアニド、および第4アンモニウム塩系
化合物等の木材防腐・防カビ剤やその他の殺菌剤、ある
いはパーメスリン、エトフェンプロックス、サイパーメ
スリン、シラネオフェン、トラロメスリンのようなピレ
スロイド系化合物、クロルピリホス、ホキシム、プロペ
タンホス等の有機リン系化合物や、その他イミダクロプ
リド等の殺虫剤、ならびにビス(2,3,3,3−テト
ラクロロプロピル)エーテルのような効力増強剤などと
併用でき、それによって一層の効果向上を計ることがで
きる。実際の使用に際して、本発明の化合物の含量は製
剤の形態あるいは使用目的に従い、広い範囲にわたって
変化させ得るが、一般には0. 1〜95重量%,好まし
くは0. 2〜60重量%の範囲が適当である。これらの
製剤を通常用いられる木材処理方法により使用される。
例えば、塗布、散布、浸漬、混合、注入、あるいは接着
剤混入処理方法などで使用することができる。
げるが、配合量、補助剤の種類は大巾に変えうるもので
あることは言うまでもない。(文中、単に部とあるのは
全て重量部を表わす。)
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル10部を加え
て十分に混合して乳剤を得た。
すべき木質材料に塗布、浸漬、もしくはスプレー等の方
法で使用される他、合板、パーティクルボード、ハード
ボード等の接着剤に混合処理して使用できる。
ー、塗布もしくは浸漬、注入の方法で使用される。
10部、松脂25部およびキシレン35部を均一混合し
て塗料を得た。
ールスルホン酸ソーダ3部およびポリビニルアルコール
1部を混合機中で均一に混合し、ハンマーミルで粉砕し
て水和剤を得た。
験例によって具体的に説明する。
腐剤の防腐効力試験法〔JIS A-9201(1991) 〕に準拠
し、各化合物を所定濃度のメタノール溶液として、試験
体スギ辺材(2×2×1)cmに減圧注入し風乾させた
のち、 (水中攪拌8時間→60℃加熱16時間)の処理
を1サイクルとする耐候操作を10回繰り返した。この
試験体を、あらかじめ石英砂培地(マルトエキス2%、
グルコース1%、ペプトン0.3%、イースト0.2
%)に生育させたナミダタケ(Serpula lacrymans )の
菌叢上に設置し、20℃で12週間強制腐朽させたのち
試験前後の試験体の乾燥重量から試験体の腐朽による重
量減少率を測定し、表2に示した。なお1条件につきい
ずれも試験体9個を用いて平均値を求めた。
ロパルギルホルマール 長瀬産業(株)製:IF−1000 上記の試験結果から明らかなように、前記一般式(I)
の化合物は木材腐朽菌による木材劣化を顕著に防止し
た。
0.1W/V %メタノール溶液を試験体(スギ辺材、2×
2×0.5cm)に減圧注入し風乾したのち、 水洗(供
給量約2l/分)5時間、60℃加熱19時間の処理を
1サイクルとする耐候操作を2回繰り返したのち、更に
乾熱滅菌処理を行い試験体を調製した。
(マルトエキス2%、グルコース1%、ペプトン0.5
%)にあらかじめ生育させた木材防腐効力検定菌である
リグニン分解菌カワラタケ(Coriolus versicolor)およ
びセルローズ分解菌オオウズラタケ(Tyromyces palust
ris )の菌叢上に設置し、26℃で3週間強制腐朽させ
たのち試験体上の菌糸発育の程度および圧縮強度低下の
有無により効力を判定し、表3に示した。なお、防腐効
力を表す表示は次のとうりとした。 + : 試験体上に菌糸の発育を全く認めず、圧縮強度
も健全材と何ら変わらない。
か、または圧縮強度がやや低下した。
度が明らかに低下した。
−プロペニルエチルカーボネート 三共(株)製:サン
プラス 次に、本発明の組成物を使用する際の配合比は防腐剤の
処理対象となる樹種や木質材料の種類、あるいは処理手
段(例えば塗布、浸漬、散布、注入、混合、接着剤混入
等によって適宜選択しうるが、通常はジメチルフランカ
ルボキシアニリド誘導体と他剤との配合比は重量比で2
40:1〜1:35の範囲が用いられ、好適には、3
0:1〜1:10であり、さらに好適には5:1〜1:
5である。かつ、実際の使用に際しての本発明組成物の
含量は、製剤の形態に従い広い範囲にわたって変化させ
得るが、一般には製剤中の0.1〜95%重量、好適に
は0.2〜60%重量の範囲である。
剤例を挙げるが配合量、補助剤の種類等は大幅に変化し
得るものであることは言うまでもない。
シレン50部に溶解させ、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル10部を加えて十分に混合し乳剤を得
た。
すべき木質材料に塗布、浸漬、もしくはスプレー等の方
法で使用される他に、合板、パーティクルボード、ハー
ドボード等の接着剤に混合処理して使用できる。
96部に溶解させ油剤を得た。
レーを56部、ラウリルアルコールスルホン酸ソーダ3
部およびポリビニルアルコール1部を混合機中で均一に
混合し、ハンマーミルで粉砕して水和剤を得た。
験例によって説明する。
滅菌培地(ポテトデキストロース寒天培地:ポテト浸出
液末0.4%、グルコース2%、寒天1.5%)上に、
あらかじめ同様の培地上に生育させた木材腐朽菌カワラ
タケ(CoriolusVersicolor )、およびオオウズラタケ
(Tyromyces Palustris )の菌叢(約4mm直径)を接
種し、25℃で5日間培養したのちの菌糸の生育状況か
ら二元最小発育阻止濃度を求めた。
カル等によって アプライドマイクロバイオロジー、第
538〜541頁、9巻(1961年)(Applied Micro
biology,F.C.Kull et al,538,9(1961)に記載され、現在
一般に用いられている方法に基づいて検討した。
ロイサン及びIF−1000をそれぞれ配合したときの
結果を表4及び表5に示す。
を行った結果を表6及び表7に示す。
度曲線はいずれも破線で示した対角線よりも下方に存在
している。
びIF−1000がいずれも、これらフランカルボキシ
アニリド誘導体に配合することにより、相剰効果のある
ことを明白に示している。
物は既存の木材防腐剤に比較して低濃度で優れた活性を
示し、また、当該化合物(I)と既存の木材防腐剤を配
合してなる組成物は、当該化合物(I)を単独で使用す
る場合より更に低濃度で優れた相乗効果を発揮し、効率
のよい木材防腐活性を示した。従って新規なジメチルフ
ランカルボキシアニリド誘導体はその課題の一つである
低濃度使用を達成することができ、木材防腐剤としてき
わめて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式 【化1】 [式中 R1 及びR2 は、同一または異なって、水素原
子;C2 −C6 アルキル基;C1 −C6 アルコキシC1
−C6 アルキル基;シアノ基;置換アミド基;C1 −C
6 アルコキシカルボニル基;1又は2個の置換基を有し
てもよいベンゾイル基;1又は2個の置換基を有しても
よいベンゾイルアミノ基;C2 −C6 アルカノイルアミ
ノ基;C3 −C6 シクロアルキルカルボニルアミノ基;
1又は2個の置換基を有してもよいベンジル基;又はC
1 −C6 アルコキシカルボニルC2 −C5 アルケニレン
基を示す。但し、R1 及びR2 は同時に、水素原子であ
ることはない。また、R1 及びR2 のいずれかが水素原
子であり、他がC2 −C6アルキル基であるとき該置換
基は2位に置換しない。]で表わされるジメチルフラン
カルボキシアニリド誘導体。 - 【請求項2】請求項1のジメチルフランカルボキシアニ
リド誘導体を有効成分とする木材防腐剤。 - 【請求項3】請求項1のジメチルフランカルボキシアニ
リド誘導体より選ばれた少なくとも1種の化合物と、3
−ブロモ- 2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカ
ーボネート(以下、サンプラスと略す)、3−ヨード−
2−プロピニルブチルカーバメート(以下、トロイサン
と略す)、及び4−クロルフェニル−3−ヨードプロパ
ルギルホルマー ル(以下、IF−1000と略す)より
選ばれた少なくとも1種の化合物を配合してなる、木材
用防腐組成物。
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-
1993
- 1993-10-15 JP JP25794093A patent/JP2825745B2/ja not_active Expired - Fee Related
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