JP2822228B2 - 超伝導膜作製用ペースト - Google Patents

超伝導膜作製用ペースト

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JP2822228B2
JP2822228B2 JP1287719A JP28771989A JP2822228B2 JP 2822228 B2 JP2822228 B2 JP 2822228B2 JP 1287719 A JP1287719 A JP 1287719A JP 28771989 A JP28771989 A JP 28771989A JP 2822228 B2 JP2822228 B2 JP 2822228B2
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミックス超伝導体の膜を製造するため
の素材である超伝導膜作製用ペーストに関する。
[従来技術] 従来、セラミックス系超伝導体の成膜法には、蒸着
法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜作製技術を用い
る方法や、溶液法、ペースト法等の金属導体および抵抗
体の厚膜作製技術を用いる方法があった。
蒸着法、スパッタリング法、CVD法等は、真空装置を
用いて、金属や化合物を分子や原子あるいはイオンの状
態で徐々に積層させ成膜する方法である。
溶液法とは、アセチルアセトン錯塩、アルキル金属化
合物、金属アルコキシドおよび有機酸塩などを有機溶剤
に溶かし、得られた溶液を成膜用基板に塗布して焼成す
る成膜法であり、またペースト法は、共沈法等で作製し
た原料微粉末を有機溶剤に分散させてペースト状に成形
し、これを成膜用基板に塗布して焼成する成膜法であ
る。
[発明が解決しようとする課題] 蒸着法、スパッタリング法およびCVD法は、薄く均一
な厚さの、しかも結晶配向性や超伝導特性(臨界温度、
臨界電流等)に優れた膜を得ることが可能な方法であ
る。しかし、この方法では、目的とする膜組成のコント
ロールや膜の大面積化は困難である。さらに、高価な真
空装置等を必要とするために、工業生産上の低コスト化
が困難である。
溶液法およびペースト法は、均一で組成ずれも少な
く、しかも大面積の膜を低コストで得ることが可能な方
法である。しかし、これまでに作製されてきたペースト
は、室温での安定性や粘度の制御性に欠けていたばかり
でなく、超伝導特性の向上に必要な膜の結晶性や配向性
の向上を実現することが非常に困難であった。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、均
一な成分組成および膜厚で成膜することができ、しかも
各種有機バインダー、有機溶剤の組合せや配合比を変え
ることにより、様々な塗布条件に適した粘度調整を行う
ことが可能であり、その上、結晶配向性に優れたセラミ
ックス超伝導膜を成膜でき、しかも、安定性、保存性に
優れた超伝導膜作製用ペーストを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための手段として、本発明は下記
に詳述する超伝導膜作製用ペーストを提供するものであ
る。
(1)有機バインダー、有機溶剤およびセラミックス系
超伝導体を主成分として含み、分散剤としての界面活性
剤を添加され、均一に混合されて成る超伝導膜作製用ペ
ーストであって、前記セラミックス系超伝導体が、粉末
合成法により作製されたセラミックス系超伝導体を、機
械的手段により平均粒径15μm以下に粉砕した粉末であ
ることを特徴とする超伝導膜作製用ペースト。
(2)有機バインダーが、セルロースエーテル樹脂、セ
ルロースエステル樹脂およびアクリル酸樹脂から成る群
より選ばれるいずれか1種、または2種以上の混合物で
あることを特徴とする請求項1記載の超伝導膜作製用ペ
ースト。
(3)前記有機溶剤が、150℃以上の沸点を有する低級
および高級多価アルコール並びにエステル系溶剤からな
る群より選ばれるいずれか1種、または2種以上の混合
物であることを特徴とする請求項1記載の超伝導膜作製
用ペースト。
(4)前記セラミックス系超伝導体が、式:(La
1-xMx2CuO4-y[ただしMはMg,Ca,Sr,Ba,KおよびNaか
らなる群より選ばれるいずれか1種]で表される化合
物;式:Ln1Ba2Cu3O7-y[ただしLnはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,およびLuからなる群より選ばれるいずれ
か1種]で表される化合物;式:(Bi,Tl)2-X(Sr,B
a)2Can-1CunO2n+4[ただしnは1,2,3,4,5等の自然数]
で表される化合物;または、その他のペロブスカイト型
ABX3と同様、あるいはこれに類似した、Bサイトイオン
にXイオンが4〜6配位したBX2面を有する結晶構造の
超伝導体化合物であって、Aサイトイオンとして、Na、
K、Rb、Ag、Mg、Ca、Sr、Ba、Bi、Tl、Pb、Sbおよび希
土類金属のいずれか1種、または2種以上が選ばれ、B
サイトイオンとして、複数の原子価状態を取ることがで
きる遷移金属の1種、または2種以上が選ばれ、Xイオ
ンとして、O、N、F、P、SおよびClの1種、または
2種以上が選ばれた化合物であることを特徴とする請求
項1記載の超伝導ペースト。
[作用] 上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペーストは、粉末
合成法により作製した均一なセラミックス超伝導体を用
いて、その結晶性を失わないように、乳鉢やボールミル
等で機械的に粉砕して得た微粉を用いて調製したもので
あるため、基板上での焼成後、結晶性、配向性、および
超伝導特性(特に臨界電流密度)に優れた超伝導膜を得
ることができる新規なペーストである。
また、上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペースト
は、分散剤としての界面活性剤が添加されているため、
主成分の一つであるセラミックス系超伝導体が、有機バ
インダーと有機溶剤とからなる有機ビヒクル中に、均一
に分散され易くなっている。また、本発明の好ましい態
様においては、有機溶剤として、150℃以上の高沸点を
有するものが使用されるため、経時変化の少ない安定性
に優れたペーストが提供される。なお、本発明のペース
ト中に用いられる界面活性剤、有機バインダーおよび有
機溶剤等の有機成分は、塗布後の本焼成時に必要な焼成
温度である400℃以上の温度でペーストが焼成されると
きにすべて蒸発してしまうため、得られる超伝導膜に悪
影響を及ぼすことはない。
さらに、上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペースト
は、有機バインダーや有機溶剤の種類、あるいはペース
トの固形分(セラミックス超伝導体と有機ビヒクルとの
混合比)などを変化させることにより、粘度を自由に調
整することができるので、筆塗、スタンプ、スプレー、
スクリーン印刷、スピンコーティング法、ドクターブレ
ード法等様々な塗布方法のうちから自由に好みの方法を
選んで採用できるため、塗布する対象物の形状により制
限されることなく均一な超伝導膜を形成できる。
以下、実施例をもって詳細に説明する。
[実施例1] この実施例は、セラミックス系超伝導体としてY1Ba2C
u3O7-yを用いた超伝導膜作製用ペーストの製造方法を例
示するものである。
エチルセルロース10wt%、テルピネオール30wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%およびブチルカルビトールアセテ
ート10wt%を混合して作製した有機ビヒクルと、粉末合
成法によって作製し、ボートミルによって平均粒径3μ
m以下に粉砕したセラミックス系超伝導体Y1Ba2Cu3O7-y
の微粉とを、3本ローラーを用いて3:7の割合で混合し
た。この際、界面活性剤であるりん酸エステルを数%添
加した。
このペーストの一部を採取し、温度に対する重量変化
を測定したところ、190℃から重量減少が見られ400℃以
上で、初期の70wt%の重量で安定した。なお、採取する
場所をかえても同様の結果が得られた(第1図参照)。
また、このペーストをスクリーン印刷によってMgO基
板上に塗布し、酸素気流中、1,000℃で10分間焼成し徐
冷したところ、膜厚20μmの均一な膜が得られた。この
膜をX線回折により測定したところ、C軸配向した結晶
性のよい単一相のY1Ba2Cu3O7-yが観測された(第2図参
照)。この超伝導膜の臨界温度は、90K、臨界電流密度
は、2,000A/cm2であった。なお、基板をYSZ、SrTiO3、L
aAlO3等にかえても同様の結果が得られた。
[実施例2] この実施例は、セラミックス系超伝導体としてBi2-xP
bxSr2Ca2Cu3O10-y(x=0.4)を用いた超伝導膜作製用
ペーストの製造方法を例示するものである。
エチルセルロース8wt%、テルピネオール32wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%およびブチルカルビトールアセテ
ート10wt%を混合して作製した有機ビヒクルと、粉末合
成法によって作製し、ボールミルによって平均粒径3μ
m以下に粉砕したセラミックス系超伝導体Bi2-xPbxSr2C
a2Cu3O10-y(x=0.4)の微粉とを3本ローラーを用い
て3:7の割合で混合した。この際、界面活性剤であるり
ん酸エステルを数%添加した。
このペーストの一部を採取し、温度に対する重量変化
を測定したところ、190℃から重量減少が見られ400℃以
上で、初期の70wt%の重量で安定した。なお、採取する
場所をかえても同様の結果が得られた。
また、このペーストをスクリーン印刷によってMgO基
板上に塗布し、酸素気流中、870℃で10分間焼成し徐冷
したところ、膜厚20μmの均一な膜が得られた。この膜
をX線回折により測定したところ、C軸配向した結晶性
のよい単一相のBi2-xPbxSr2Ca2Cu3O10-y(x=0.4)が
観測された(第3図参照)。この超伝導膜の臨界温度
は、110K、臨界電流密度は、3,000A/cm2であった。な
お、基板をYSZ、SrTiO3、LaAlO3等にかえても同様の結
果が得られた。
[実施例3] この実施例は、セラミックス系超伝導体としてY1Ba2C
u3O7-yを用い、超伝導膜作製用ペーストの有機バインダ
ーと有機溶剤との混合比を変化させ、粘度変化させたペ
ーストの製造例を例示するものである。
エチルセルロース(10−X)wt%、テルピネオール
(30+X)wt%、フタル酸ジブチル50wt%、ブチルカル
ビトールアセテート10wt%、をX=0〜5の範囲で変化
させ混合して作製した5種類の有機ビヒクルに、粉末合
成法によって作製し、ボールミルによって平均粒径3μ
m以下に粉砕したセラミックス系超伝導体Y1Ba2Cu3O7-y
の微粉を配合し、3本ローラーを用いてそれぞれ3:7の
割合で混合した。この際、界面活性剤であるりん酸エス
テルを数%添加した。
それぞれのペーストの一部を採取し、ずり速度3[s
-1]における粘度を測定したところ、3×105〜1×105
mPa・sまで粘度を変化させることができた。なお、採
取する場所をかえても同様の結果が得られた。
また、これらのペーストをドクターグレード法によっ
てYSZ基板上に塗布し、酸素気流中、1,000℃で10分間焼
成し徐冷したところ、それぞれ膜厚20μmの均一な膜が
得られた。この膜をX線回折により測定したところ、同
様にC軸配向した結晶性のよい単一層のY1Ba2Cu3O7-y
観測された。この超伝導膜の臨界温度は、90K、臨界電
流密度は、2,000A/cm2であった。なお、基板をMgO、SrT
iO3、LaAlO3等にかえても同様の結果が得られた。
[実施例4] この実施例は、セラミックス系超伝導体としてY1Ba2C
u3O7-yを用い、超伝導膜作製用ペースト中に使用するセ
ラミックス系超伝導体Y1Ba2Cu3O7-y粉末の平均粒径を変
化させたペーストの製造法を例示するものである。
エチルセルロース10wt%、テルピネオール30wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%、ブチルカルビトールアセテート
10wt%、を混合して作製した有機ビヒクルに、粉末合成
法によって作製し、ボールミルによって平均粒径1〜20
μmに粉砕したセラミックス系超伝導体Y1Ba2Cu3O7-y
各粉末を、3本ローラーを用いてそれぞれ3:7の割合で
混合した。この際、界面活性剤であるりん酸エステルを
数%添加した。
これらのペーストをスクリーン印刷によってYSZ基板
上に塗布し、酸素気流中、1,000℃で10分間焼成し徐冷
したところ、それぞれ膜厚20μmの均一な膜が得られ
た。この膜をX線回折により測定したところ、平均粒径
15μm以下の膜においてC軸配向した結晶性のよい単一
相のY1Ba2Cu3O7-yが観測された(第4図参照)。この超
伝導膜の臨界温度は、90K、臨界電流密度は、2,000A/cm
2であった。なお、基板をMgO、SrTiO3、LaAlO3等にかえ
ても同様の結果が得られた。
[比較例1] エチルセルロース10wt%、テルピネオール30wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%、ブチルカルビトールアセテート
10wt%、を混合して作製した有機ビヒクルと、共沈法に
より作製した平均粒径1μm以下のセラミックス超伝導
体Y1Ba2Cu3O7-yの微粉を、3本ローラーを用いて3:7の
割合で混合した。この際、界面活性剤であるりん酸エス
テルを数%添加した。
このペーストの一部を採取し、温度に対する重量変化
を測定したところ、190℃から重量減少が見られ400℃以
上で、初期の70wt%の重量で安定した。なお、採取する
場所をかえても同様の結果が得られた。
しかし、このペーストをスクリーン印刷によってYSZ
基板上に塗布し、酸素気流中、1,000℃で10分間焼成し
徐冷したところ、膜厚20μmの均一な膜が得られたが、
この膜をX線回折により測定したところ、配向性の無い
Y1Ba2Cu3O7-yが観測された。この超伝導膜の臨界温度
は、90K、臨界電流密度は、20A/cm2であった。
[比較例2] エチルセルロース10wt%、テルピネオール30wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%、ブチルカルビトールアセテート
10wt%、を混合して作製した有機ビヒクルと、共沈法に
より作製した平均粒径1μm以下のセラミックス超伝導
体Bi2-xPbxSr2Ca2Cu3O10-y(x=0.4)の微粉を、3本
ローラーを用いて3:7の割合で混合した。この際、界面
活性剤であるりん酸エステルを数%添加した。
このペーストの一部を採取し、温度に対する重量変化
を測定したところ、190℃から重量減少が見られ400℃以
上で、初期の70wt%の重量で安定した。なお、採取する
場所をかえても同様の結果が得られた。
しかし、このペーストをスクリーン印刷によってYSZ
基板上に塗布し、酸素気流中、950℃で10分間焼成し徐
冷したところ、膜厚20μmの均一な膜が得られたが、こ
の膜をX線回折により測定したところ、配向性の無いBi
2-xPbxSr2Ca2Cu3O10-y(x=0.4)が観測された。この
超伝導膜の臨界温度は、100K、臨界電流密度は、30A/cm
2であった。
[比較例3] エチルセルロース10wt%、テルピネオール30wt%、フ
タル酸ジブチル50wt%、ブチルカルビトールアセテート
10wt%、を混合して作製した有機ビヒクルと、粉末合成
法により作製し、ボールミルを用いて平均粒径3μm以
下に粉砕したセラミックス系超伝導体Y1Ba2Cu3O7-yの微
粉を、3本ローラーを用いて3:7の割合で混合した。こ
の際、界面活性剤を添加しなかった。
このペーストの一部を採取し、温度に対する重量変化
を測定したところ、190℃から重量減少が見られ400℃以
上で、初期の65wt%の重量で安定した。なお、採取する
場所をかえると得られる結果に変動が見られた。
このペーストをスクリーン印刷によってYSZ基板上に
塗布し、酸素気流中、1,000℃で10分間焼成し徐冷した
ところ、膜厚が10〜20μmと不均一な膜が得られ、この
膜をX線回折により測定したところ、配向性の悪いY1Ba
2Cu3O7-yが観測された。この超伝導膜の臨界温度は、90
K、臨界電流密度は、200A/cm2であった。
[発明の効果] 上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペーストは、粉末
合成法により作製した均一なセラミックス系超伝導体が
結晶性を失わないよう、乳鉢やボールミル等を用いてそ
れを機械的に粉砕して得た微粉を用いているため、基板
上での焼成後、結晶性、配向性、および超伝導特性(特
に臨界電流密度)に優れた超伝導膜を得ることができ
る。
また、上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペースト
は、分散剤として界面活性剤が添加されているため、セ
ラミックス系超伝導体が、有機バインダーと有機溶剤よ
り作製した有機ビヒクル中に、均一に分散され易くなっ
ている。また好ましい態様においては有機溶剤として15
0℃以上の高沸点を有するものを使用しているため、経
時変化の少ない安定性に優れたものとなっている。な
お、界面活性剤、有機バインダーおよび有機溶剤等の有
機成分は、塗布後の本焼成時において、必要な400℃以
上の温度で焼成されるときに、すべて蒸発してしまうた
め、得られる超伝導膜に悪影響を及ぼすことはない。
さらに、上記構成の本発明の超伝導膜作製用ペースト
は、有機バインダーや有機溶剤の種類、固形分(セラミ
ックス系超伝導体と有機ビヒクルとの混合比)などを変
化させることにより、粘度を自由に調整できるので、筆
塗、スタンプ、スプレー、スクリーン印刷、スピンコー
ティング法、ドクターブレード法等、様々な塗布方法の
うちから任意に選んで最適の方法を採用できるため、塗
布する対象物の形状により制限されることなく均一な超
伝導膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Y1Ba2Cu3O7-yをセラミックス系超伝導体とし
て含む本発明の超伝導膜作製用ペーストについての温度
−重量の関係を示すグラフである。 第2図は、本発明の超伝導膜作製用ペーストを用いて得
られたY1Ba2Cu3O7-y超伝導体厚膜のX線回折図である。 第3図は、本発明の超伝導膜作製用ペーストを用いて得
られたBi1.6Pb0.4Sr2Ca2Cu3O10-y超伝導体厚膜のX線回
折図である。 第4図は、本発明の超伝導膜作製用ペーストを用いて得
られたY1Ba2Cu3O7-y超伝導体厚膜についての粒径−配向
性依存特性の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田▲崎▼ 雄三 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター超電導工学研究所名古屋研究室内 (72)発明者 宮島 正道 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター超電導工学研究所名古屋研究室内 (72)発明者 平林 泉 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター超電導工学研究所名古屋研究室内 (56)参考文献 特開 平1−230404(JP,A) 特開 平1−215702(JP,A) 特開 平2−88407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 1/00 - 57/00 H01B 12/00 H01L 39/00 - 39/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機バインダー、有機溶剤およびセラミッ
    クス系超伝導体を主成分として含み、分散剤としての界
    面活性剤を添加され、均一に混合されて成る超伝導膜作
    製用ペーストであって、前記セラミックス系超伝導体
    が、粉末合成法により作製されたセラミックス系超伝導
    体を、機械的手段により平均粒径15μm以下1μm以上
    に粉砕して作製された結晶性の粉末でありかつその結晶
    がC軸配向していることを特徴とする超伝導膜作製用ペ
    ースト。
  2. 【請求項2】有機バインダーが、セルロースエーテル樹
    脂、セルロースエステル樹脂およびアクリル酸樹脂から
    成る群より選ばれるいずれか1種、または2種以上の混
    合物であることを特徴とする請求項1記載の超伝導膜作
    製用ペースト。
  3. 【請求項3】前記有機溶剤が、150℃以上の沸点を有す
    る低級および高級多価アルコール並びにエステル系溶剤
    から成る群より選ばれるいずれか1種、または2種以上
    の混合物であることを特徴とする請求項1記載の超伝導
    膜作製用ペースト。
  4. 【請求項4】前記セラミックス系超伝導体が、式:(La
    1-XMx2CuO4-Y[ただしMはMg,Ca,Sr,Ba,KおよびNaか
    ら成る群よる選ばれるいずれか1種]で表される化合
    物;式:Ln1Ba2Cu3O7-Y[ただしLnはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,D
    y,Ho,Er,Tm,Yb,およびLuから成る群より選ばれるいずれ
    か1種]で表される化合物;式:(Bi,Tl)2-X(Sr,B
    a)2Can-1CunO2n+4[ただしnは1,2,3,4,5等の自然数]
    で表される化合物;または、その他のペロブスカイト型
    ABX3と同様、あるいはこれに類似した、Bサイトイオン
    にXイオンが4〜6配合したBX2面を有する結晶構造の
    超伝導体化合物であって、Aサイトイオンとして、Na、
    K、Rb、Ag、Mg、Ca、Sr、Ba、Bi、Tl、Pb、Sbおよび希
    土類金属のいずれか1種、または2種以上が選ばれ、B
    サイトイオンとして、複数の原子価状態を取ることがで
    きる遷移金属の1種、または2種以上が選ばれ、Xイオ
    ンとして、O、N、F、P、SおよびClの1種、または
    2種以上が選ばれた化合物であることを特徴とする請求
    項1記載の超伝導ペースト。
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