JP2820028B2 - 便座ボックス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は温水洗浄装置や暖房便座
などの機能装置を備えた洋風便器に設置される便座ボッ
クスに関する。

【０００２】

【従来の技術】人体臀部を温水で洗浄する温水洗浄装置
を洋風便器に設置する場合、洋風便器の後部上面に便座
ボックスを設置し、この便座ボックス内に洗浄ノズルや
各種付属機器（例えば温水タンクや制御回路基板など）
を設置することがある。

【０００３】暖房便座を設置する場合にあっても、便座
を便座ボックスに枢支し、この便座ボックス内にヒータ
制御機器を設置することがある。

【０００４】このような便座ボックスは、通常の場合、
ケースロワー（例えばベースプレート）と、該ケースロ
ワーに対し被さるように取り付けられたケースアッパー
とでケーシングを構成する。そして、このケースアッパ
ーにスイッチを取り付け、便座ボックス内部の基板やト
ランスなどの内部機器とこのスイッチとをリード線で接
続する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような便座ボック
スを組み立てるに際しては、スイッチと内部機器とをリ
ード線でつないでおいてからカバーをベースプレートに
被せてビス等で固定するのであるが、リード線がケース
アッパーとケースロワーの縁部や、内部機器との間に挟
み込まれ易く、作業性が悪いという問題があった。

【０００６】また、便座ボックス内部を点検するために
ケースアッパーを取り外す場合、該ケースアッパーのス
イッチと内部機器とがリード線でつながっているにもか
かわらず、ケースアッパーを過度に勢い良く引っ張り、
リード線が切れてしまうこともあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の便座ボックス
は、ケースロワー及び該ケースロワーに着脱可能に取り
付けられたケースアッパーとからなるケーシングと、該
ケーシング内に設置され、該ケースロワーに取り付けら
れた内部機器と、該ケースアッパーに取り付けられた電
気部品と、該電気部品と前記内部機器とを接続するリー
ド線と、を備えてなる機能便器用便座ボックスにおい
て、該内部機器の上面又はその近傍に、所定以上の外力
が加えられるとリード線の保持を解除する仮留部材を設
け、前記リード線を該仮留部材に保持させたことを特徴
とするものである。

【０００８】請求項２の便座ボックスは、請求項１にお
いて、前記リード線の途中にコネクタが設けられてお
り、該コネクタが前記仮留部材に保持されていることを
特徴とするものである。

【０００９】

【作用】請求項１の便座ボックスにおいては、ケースア
ッパーを装着するに際し、リード線を仮留部材に保持さ
せておく。そうすると、リード線が所定の位置に配置さ
れるようになり、ケースアッパーとケースロワーや内部
機器との間に挟み込まれることが防止される。

【００１０】また、ケースアッパーをケースロワーから
外すときに過度に勢い良く引き上げた場合、リード線が
伸び切る前にリード線が仮留部材から外れる。このリー
ド線が仮留部材から外れるときに衝撃が生じるため、ケ
ースアッパーを引き上げている作業者がこの衝撃を感受
し、リード線の存在に気が付き、それ以降、ケースアッ
パーをゆっくりと外すようになる。そのため、リード線
に過大な応力が加えられることがなくなる。

【００１１】請求項２の便座ボックスにおいては、リー
ド線の途中に設けられたコネクタを仮留部材に保持させ
ておくことにより、全く同様の作用が奏される。なお、
コネクタは、通常の場合、合成樹脂よりなるブロック状
のものであるから、これを摘んで仮留部材に簡単に装着
できる。

【００１２】

【実施例】以下、図面を参照して実施例について説明す
る。第１図〜第３図は本発明の実施例に係る便座ボック
スを示すものであり、第１図はケースロワーの内部機器
の上面の仮留部材にリード線の途中に設けられたコネク
タを保持させた状態でケースロワーにケースアッパーを
取り付ける状態を示す斜視図、第２図はケースロワーの
内部機器の上面の仮留部材にリード線の途中に設けられ
たコネクタを保持させる状態を示す斜視図、第３図は便
座ボックスが設置された洋風便器の斜視図である。

【００１３】洋風便器１の後部上面に便座ボックス２が
設置され、この便座ボックス２に便座３及び便蓋４が起
倒自在に枢支されている。この便座ボックス２は、洋風
便器１の上面に設置される本体部２ａと、この本体部２
ａと一体となっており、洋風便器１の側方に張り出す張
出部２ｂとを備え、この張出部２ｂの上面に複数のスイ
ッチ及び表示ランプが設けられている。

【００１４】本体部２ａは、ケースロワー（ベースプレ
ート）５及び該ケースロワー５に着脱可能に取り付けら
れたケースアッパー６とから構成されている。ケースロ
ワー５に便座ボックス内部の基板やトランス等の内部機
器が取り付けられている。

【００１５】図示はしないが、張出部２ｂの上面（即
ち、ケースアッパー６の上面）にシャワースイッチ、チ
ャームスイッチ、温風スイッチ及びストップスイッチが
設けられている。

【００１６】シャワースイッチを押すと、便座ボックス
２の本体部に設けられたシャワーノズル７が作動され、
その先端から温水が噴出され、使用者臀部のシャワー洗
浄（肛門洗浄）が行なわれる。チャームスイッチを押す
と、同様に便座ボックス２の本体部２ａに設けられてい
るチャームノズル８が作動され、その先端から温水が噴
出されて人体臀部の温水洗浄（ビデ洗浄）が行なわれ
る。温風スイッチを押すと、便座ボックス２内の温風フ
ァン９が作動され、温風吹出口９ａから人体臀部に温風
が吹き付けられて乾燥が行なわれる。ストップスイッチ
を押すと、これらシャワーノズル７、チャームノズル８
または温風ファン９の作動が停止される。

【００１７】本実施例では、ケースロワー５から立設さ
れたボス１３に対し制御回路基板１４が取り付けられて
いる。この基板１４は、トランジスタ、抵抗等のパーツ
が基板の下側に配置されるように裏返しに設置されてい
る。この基板１４と便座３とがリード線１０で接続され
ている。リード線１０の途中にコネクタ１１が設けられ
ている。基板１４の上側面に仮留部材１２が設けられて
おり、コネクタ１１が仮留部材１２に保持されている。
この仮留部材１２は、基板１４から立ち上がる１対の小
片状のものであり、その上端には内向きに爪部１２ａが
設けられている。仮留部材１２は、上端側が撓みうるよ
うに適度の弾力性を有しており、仮留部材１２，１２間
にコネクタ１１を弾性的に挟持し、且つ爪部１２ａで掛
止しうるよう構成されている。

【００１８】このように構成された便座ボックスにおい
ては、コネクタ１１を仮留部材１２，１２に仮留めして
おくことにより、リード線１０が常に所定の位置に配置
されるようになり、ケースアッパー６とケースロワー５
や内部機器（例えばトランス１５、ボス部１６など）と
の間に挟み込まれることが防止される。

【００１９】また、ケースアッパー６をケースロワー５
から外すときに過度に勢い良く引き上げた場合、リード
線１０が伸び切る前にコネクタ１１が仮留部材１２から
外れる。このコネクタ１１が仮留部材１２から外れると
きに軽い衝撃が生じるため、ケースアッパー６を引き上
げている作業者がこの衝撃を感受し、リード線１０の存
在に気が付き、それ以降、ケースアッパー６をゆっくり
と外すようになる。そのため、リード線１０に過大な応
力が加えられることがなくなる。

【００２０】上記実施例では、リード線１０の途中に設
けられたコネクタ１１を仮留部材１２に保持させている
が、リード線１０を直接的に仮留部材に仮留めしても良
い。

【００２１】上記実施例では基板１４に仮留部材１２を
設けているが、その他の箇所に仮留部材を設けても良
い。また、基板１４等の部材の上面だけでなく、側面の
上部などにこの仮留部材を設けても良い。

【００２２】

【発明の効果】以上の通り、請求項１，２の便座ボック
スによると、ケースアッパーの装着時の作業性が著しく
向上されると共に、ケースアッパーをケースロワーから
外す際にリード線が切断されることも防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】ケースロワーの内部機器の上面の仮留部材にリ
ード線の途中に設けられたコネクタを保持させた状態で
ケースロワーにケースアッパーを取り付ける状態を示す
斜視図である。

【図２】ケースロワーの内部機器の上面の仮留部材にリ
ード線の途中に設けられたコネクタを保持させる状態を
示す斜視図である。

【図３】便座ボックスが設置された洋風便器の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 洋風便器 ２ 便座ボックス ３ 便座 ４ 便蓋 ５ ケースロワー ６ ケースアッパー ７ シャワーノズル ８ チャームノズル ９ 温風ファン １０ リード線 １１ コネクタ １２ 仮留部材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースロワー及び該ケースロワーに着脱
   可能に取り付けられたケースアッパーとからなるケーシ
   ングと、 該ケーシング内に設置され、該ケースロワーに取り付け
   られた内部機器と、 該ケースアッパーに取り付けられた電気部品と、 該電気部品と前記内部機器とを接続するリード線と、を
   備えてなる機能便器用便座ボックスにおいて、 該内部機器の上面又はその近傍に、所定以上の外力が加
   えられるとリード線の保持を解除する仮留部材を設け、
   前記リード線を該仮留部材に保持させたことを特徴とす
   る便座ボックス。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記リード線の途中
   にコネクタが設けられており、該コネクタが前記仮留部
   材に保持されていることを特徴とする便座ボックス。