JP2818653B2 - 集束イオンビーム加工方法 - Google Patents

集束イオンビーム加工方法

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JP2818653B2
JP2818653B2 JP8266089A JP26608996A JP2818653B2 JP 2818653 B2 JP2818653 B2 JP 2818653B2 JP 8266089 A JP8266089 A JP 8266089A JP 26608996 A JP26608996 A JP 26608996A JP 2818653 B2 JP2818653 B2 JP 2818653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSIなどに精密
に微細な穴加工を施すための方法に係り、特にその加工
穴の深さや底面形状、断面構造をリアルタイムにモニタ
するのに好適とされた集束イオンビーム加工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】これまでにあっては、LSIなどの特定
位置における断面構造は、SEM(Scanning Electron
Microscope)像によって観察されるようになってい
る。熟練作業者により試料の研磨と顕微鏡による試料の
観察が所望の断面が出現するまで繰り返された後、初め
てその断面がSEM像によって観察されていたものであ
る。
【0003】一方、特開昭58−164135号公報による場
合、加工手段としての集束イオンビーム発生手段と、観
察手段としての集束電子ビーム発生手段および2次電子
検出用光電子増倍管とによって、回転・移動し得るステ
ージに載置された試料を加工し、所定のパターンの加工
が完了した後、試料台を電子ビームに対し所望の角度と
位置になるべく試料台を移動させた状態で、電子ビーム
を照射することで試料の2次電子像が観察されるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でにあっては、集束イオンビームによる加工の進行途中
で試料を動かすことなく電子ビームを試料に照射するこ
とで、試料の加工形状の変化を観察する点については配
慮がされておらず、加工深さのインプロセス測定や加工
層の判定を速やかに行い得ないという不具合がある。ま
た、上記公報による場合、そのような不具合に加え、L
SIに多く用いられる材料であるSiやSiO2 をイオ
ンビームによりスパッタエッチした場合、加工穴底面か
らスパッタされた粒子の一部が加工穴側壁に付着してし
まい(再付着現象)、側面に現われる筈のLSIの断面
構造が良好に観察され得ないものとなっている。更に、
研磨によって観察に適した良好な断面が得られる場合に
はまた、熟練作業者の不足と相俟って、観察により多く
の時間が要されるものとなっている。
【0005】本発明の目的は、試料、あるいは被加工物
を集束イオンビームによって加工中であっても、試料、
あるいは被加工物を移動させることなく加工穴について
のSEM像、更には、SIM(Scanning Ion Microscop
e)像を得ることで、インプロセスでの加工深さモニタ
や加工穴底面形状の観察を速やかに行い得る集束イオン
ビーム加工方法を供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被加工物の
第1の所望の領域に集束させたイオンビームを走査して
照射することにより前記第1の所望の領域を加工する工
程と、前記第1の所望の領域を加工する工程において前
記イオンビームの照射により前記第1の所望の領域から
発生する2次荷電粒子を検出する工程と、前記第1の所
望の領域を含む第2の所望の領域に集束させた電子ビー
ムを走査して照射し、前記第2の所望の領域から発生す
る2次荷電粒子を検出する工程と、前記集束させたイオ
ンビームを走査して照射することにより発生する2次荷
電粒子を検出して得た前記第1の領域のSIM像と前記
集束させた電子ビームを走査して照射することにより発
生する2次荷電粒子を検出して得た前記第2の領域のS
EM像とを画面上に同時に表示する画像表示工程と、前
記SIM像と前記SEM像とに基づいて、前記イオンビ
ームを走査して照射することにより加工された前記第1
の所望の領域の加工深さを求める工程とを備えることで
達成される。また、前記集束させたイオンビームを前記
試料上に照射して前記試料から発生する2次荷電粒子を
検出して得られるSIM像と、前記所望の領域を含む領
域に前記集束させたイオンビームの光軸に対して傾きを
持った光軸方向から集束させた電子ビームを走査照射し
て前記所望の領域を含む領域から発生する2次荷電粒子
を検出して得られるSEM像とを、画面上に同時に表示
し、該画面上に同時に表示された前記SIM像と前記S
EM像とに基づいて前記集束させたイオンビームの照射
による前記試料の加工深さを算出し、該算出した結果に
基づいて前記集束させたイオンビームの前記試料への照
射を制御することで達成される。
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1から図21に
より説明する。先ず本発明に係る集束イオンビーム加工
装置について説明すれば、図1はその一例での構成を示
したものである。図示のように、メインチャンバ1はそ
の内部が真空雰囲気状態におかれるべく、メインチャン
バ1にはゲートバルブ2を介しロードロックチャンバ3
が設けられており、メインチャンバ1はその内部がバル
ブ4を介し真空ポンプにより排気可とされ、ロードロッ
クチャンバ3もまた、真空ポンプによりバルブ5を介し
排気可とされたものとなっている。
【0009】さて、メインチャンバ1には基本的にイオ
ンビーム鏡筒10、電子ビーム鏡筒11、2次電子ディテク
タ12および試料ステージ13が設けられるようになってい
る。このうち、イオンビーム鏡筒10には液体金属イオン
源14、イオンビーム集束用静電レンズ系15、ブランキン
グ電極16、ブランキングアパーチャ17および偏向制御電
極18が設けられており、上記各々の電極には必要な電圧
が外部から印加されるようになっている。また、電子ビ
ーム鏡筒11は通常の走査電子顕微鏡(SEM)に用いら
れているものと同様なものであり、レンズ系やブランキ
ング電極,偏向制御電極等によって試料19上に焦点を結
んだ状態で、試料19上を集束状態にある電子ビーム21に
よって走査するが、イオンビーム20が照射されている
間、電子ビーム21はブランキングされるようになってい
る。
【0010】ところで、試料ステージ13上に載置された
試料19上へのイオンビーム20照射点の近傍には、電子ビ
ーム21がイオンビーム20とはそのビーム軸方向を異にし
て照射される必要があるが、このため、電子ビーム鏡筒
11はメインチャンバ1に対しその電子ビーム軸位置が調
整可として取付けされている。
【0011】図2は電子ビーム軸位置の粗調整を行うた
めの電子ビーム鏡筒取付け方法の一例を示したものであ
る。チャンバ外壁30上に取付けされたフランジ31に対
し、電子ビーム鏡筒11が取付けされたベローズ付フラン
ジ32がそのフランジ31面上を滑動可として取付けされた
ものとなっている。フランジ31の上面に互いに直交して
取付けられた2つのマイクロメータヘッド33によって、
電子ビーム鏡筒11は真空雰囲気状態が維持されたまま、
その軸位置が所望に調整可能とされているものである。
また、電子ビーム照射位置の精調整は、例えばイオンビ
ームを走査することなく試料上の一点に照射した状態で
スポット加工を行い、次いで、その試料を電子ビームで
走査しSEM像を得るようにするが、SEM像の中央に
そのスポット加工穴が位置すべく電子ビーム偏向電圧を
微調整すればよい。
【0012】さて、図3に示すように、電子ビーム21が
イオンビーム20に対しある角度θをもつように電子ビー
ム鏡筒11は設置されるが、その角度θはイオンビーム20
で加工された穴40の側壁41に電子ビーム21が照射される
べく設定されるようになっている。電子ビーム21は、図
示のように、穴40開口部を含むように広い幅bで穴40と
その周辺をスキャンすることで、穴40の側壁形状情報な
どを含む加工状態情報がSEM像として得られるもので
ある。このSEM像を得るための2次電子ディテクタ12
は穴40の側壁41から発生される2次電子42を捉えるべく
設置されるが、このことは、図4に示すように、2次電
子ディテクタ12をイオンビームで加工中の穴40の側面の
うち、電子ビーム照射面を直視する側に設ければよいこ
とを示唆している。結局、2次電子ディテクタ12は電子
ビーム鏡筒11側に設置されることになる。しかし、図5
に示すように、2次電子ディテクタ12を、加工穴側壁を
直視しないような位置に置かざるを得ない場合には、2
次電子ディテクタ12の前面に正電位を持つ電極43を設け
ることで、側壁からの2次電子を捉えるようにすればよ
い。以上ようにして、2次電子ディテクタ12によって捉
えられた2次電子はイメージ制御器56によりモニタ57に
SEM像として表示されることになるものである。イメ
ージ制御器56では、電子ビーム21をブランキングしてイ
オンビーム20を試料19に照射している場合には、イオン
ビーム20による2次電子を2次電子ディテクタ12により
捉えることによって、SIM像をモニタ57に表示し得る
ものとなっている。なお、試料ステージ13はロードロッ
クチャンバ3とメインチャンバ1間を試料19を保持した
状態で移動するが、試料19上の加工位置を定めるべく
x,y方向に移動可となっている。望ましくは、更にZ
軸(イオンビーム軸),X軸,Y軸回りに回転し得れば
好都合となっている。
【0013】上記構成の装置を用いイオンビームによっ
て穴加工を行いつつ、その穴形状,深さ情報を得るため
の制御装置58について説明すれば、図6にイオンビーム
による被加工領域50と、電子ビームによって走査される
観察領域51の一例を示す。イオンビームにより領域50を
一面スキャンする毎に、電子ビームで加工形状を観察す
る場合でのビームスキャンの制御例を図7に示す。図7
では、ビームのx軸方向でのスキャンについては自明で
あるために図示省略されているが、イオンビーム(I
B)がy方向に一回スキャンする間、電子ビーム(E
B)はブランキングされるようになっている。イオンビ
ームのスキャンが終了すると、電子ビームのブランキン
グが解除された上、電子ビームによるy方向スキャンが
行われているものである。電子ビームによるy方向スキ
ャンが行われている間、イオンビームはブランキングさ
れているわけである。
【0014】以上に述べたイオンビームと電子ビームの
切替タイミングは、イオンビームによる加工条件により
様々に変更することが望ましく、例えばイオンビームを
極めて高速にスキャンし、加工領域を一面スキャンする
間に僅かしか加工しない条件で加工する場合は、イオン
ビームによって被加工領域50が複数回スキャンされる度
に電子ビームによる観察を行えばよい。逆に、後述する
ように、極めて遅いスキャンで加工する場合は、一回に
加工される量が多いことから、このような場合には、イ
オンビームをx軸方向に一回ないし数回スキャンする度
に、電子ビームによって観察領域51を一回スキャンすれ
ばよい。更に、イオンビームによるスキャンが遅い場合
は、イオンビームのx軸方向へのスキャンが少し進む毎
に、電子ビームによるスキャンを行ってもよい。図1に
示すイオンビーム・ブランキング制御器53、イオンビー
ム・スキャニング制御器52、電子ビーム・ブランキング
制御器55および電子ビーム・スキャニング制御器54で
は、制御装置58からのタイミング指令によって、所望に
スキャン制御、ブランキング制御を行っているものであ
る。なお、ビームのスキャン制御は、図7に示した鋸歯
状波によるアナログ的なスキャンに限られるわけではな
く、照射位置座標を次々と指定してビームを移動させる
デジタル的スキャンによる場合でも、同様なスキャンが
可能となっている。
【0015】ところで、試料19が半導体LSIのよう
に、表面が絶縁物でおおわれている場合は、イオンビー
ム20による加工でチャージアップが生じるが、このよう
な場合には、試料19に電子を照射し試料19表面での正電
荷を中和する方法が採られる。このため、図1に示すよ
うに、電子シャワー銃60がメインチャンバ1に設けられ
ている。これから発生する電子はSEM像観察に対しノ
イズとなることから、電子シャワー銃60を用いる場合
は、ブランキング制御器59により図7に示すイオンビー
ム・ブランキング信号と同一タイミングで電子シャワー
にもブランキングがかけられている。
【0016】以上の構成の装置を用い試料19をイオンビ
ーム20で加工しつつ、電子ビーム21で加工穴形状を観察
すると、図8(a),(b),(c)に示すようなSE
M像が順次得られるが、SEM像の倍率Mと電子ビーム
21のイオンビーム20に対する角度θが予め知れているの
で、図8(d)に示すように、穴40の深さDは以下の数
式1より求められることになる。
【0017】
【数1】
【0018】但し、側壁41の傾きは十分小さく、イオン
ビーム20とほぼ平行であると仮定した。したがって、S
EM像より画面上の深さYを測定することにより実際の
加工深さが知れるので、加工深さは高い精度で得られる
ものである。
【0019】イオンビーム20が細くスパッタされた物質
の側壁への再付着が少ない場合は、図8(d)に示すよ
うに、側壁41はイオンビーム20とほぼ平行になる。しか
し、イオンビーム20が太い場合には、ビーム電流分布の
裾が長くなり側壁41がだれるようになる。イオンビーム
径の大きさに拘らず加工条件や加工対象、加工深さによ
って加工穴底面からスパッタされた物質の側壁への再付
着が多い場合には、側壁の傾きが大きくなる場合があ
る。このような場合に、既述の数式1によるとすれば、
加工深さDに誤差が生じることになる。この点を改善す
べく図9に示す加工装置では、イメージ制御器56に2つ
のモニタ57,57′が収容されたものとなっている。モニ
タ57はイオンビーム20によるSIM像を、また、モニタ
57′は電子ビーム21によるSEM像を表示するために設
けられたものである。したがって、モニタ57′には加工
穴を斜め上方から見た像が、モニタ57には加工穴を真上
から見た像が表示されることになる。具体的には、図1
0に示すように、加工穴40はその側壁41が斜度αの四角
錐台であるとして、モニタ57′には加工穴40を角度θ方
向から見たSEM像60′が、また、モニタ57には加工穴
40を真上から見たSIM像60が表示されるものである。
よって、これら2つの像を用いれば、幾何学的な関係か
ら側壁41の傾きαが大きい場合でも、加工穴40の深さD
を正しく求めることが可能となる。即ち、H=Dtan
α、H′=Dsin(α+θ)/cosαであるとして、H/
H′=sinα/sin(α+θ)=Kとおけば、tanαは、t
anα=Ksinθ/(1−Kcosθ)として表現されること
から、深さDは以下の数式2より求められるものであ
る。
【0020】
【数2】
【0021】このように、2つの像60,60′から求めた
H,H′と電子ビームの傾き角θより加工穴の深さDが
数式2により求められるが、この計算は、図11に示す
ように、モニタ57,57′各々に対応する表示画面60,6
0′にそれぞれカーソルを出す機能を設け、カーソルが
設定された座標Y1 〜Y4 を読み取った上、これを画像
倍率M1 ,M2 で割ることでH′,Hを求めた後は、数
式2を実現するソフトウェア機能によって、自動的に加
工深さDが求められるものとなっている。なお、モニタ
は必ずしも2台必要ではなく、図12に示すように、イ
オンビーム(IB)スキャン信号と電子ビーム(EB)
スキャン信号を切替えする機構62をイメージ制御器56内
に設け、1台のモニタ57にSEM像とSIM像を切替表
示してもよい。また、1つの表示画面を分割してSEM
像とSIM像を同時に表示してもよい。また、SEM像
とSIM像の倍率は必ずしも同一である必要はなく、そ
れぞれの倍率に応じ、図11に示す計算式に従って、そ
れぞれの倍率M1 ,M2 で表示画面から読んだ寸法Y1
〜Y4 を除すればよい。
【0022】ところで、加工時に太い径のイオンビーム
20を用いている場合、SIM像の解像度が悪化するばか
りか、大イオンビーム流によってチャージアップが生じ
るが、このような場合には、図13(a)に示すよう
に、太い径のイオンビーム20での加工を行い、とりあえ
ず必要に応じ電子シャワー65をかけるようにし、この加
工途中で必要に応じ、図13(b),(c)に示すよう
に、ビーム径を大から小に切替して、イオンビーム加工
を電子シャワー65をかけることなく行い高い解像度のS
IM像を得るとともに、イオンビーム20をブランキング
した状態で、電子ビーム21をスキャンすることでSEM
像を得るといった対策が採れる。必要に応じイオンビー
ム径の切替を行うわけであるが、ビーム径切替機構は公
知であり、例えば図14に示すように、イオン光学系15
の途中に異なった径をもつ2つの穴が穿設された可動板
66を設け、真空外より真空フィードスルー67を介しアク
チュエータ68で可動板66を所定位置に移動せしめること
により、イオンビーム径を制限するといったものが知ら
れている。これによる場合、図15(a),(b)に示
すように、アパーチャとしての2つの穴69,70がイオン
ビーム軸71に対しそれぞれ異ったずれを持つ可能性があ
るので、ビーム径の切替に伴いイオンビームの焦点や照
射位置が所望位置よりずれることになる。これに対して
は、図16に示すように、それぞれのビーム径に応じた
最適レンズ電圧とビーム照射位置ずれを補正するための
補正シフト電圧とを予め記憶しておき、ビーム径を切替
した際に、コントローラが必要な電圧を選択してビーム
光学系に印加すればよい。
【0023】図17は2種類のSEM像を得るための加
工装置の構成を示したものであり、SEM観察用に2本
の電子ビーム鏡筒11,11′がその軸方向を異にして設け
られたものとなっている。何れの電子ビーム鏡筒11,1
1′からも同一被観察面に電子ビームを照射し得、2次
電子ディテクタ12では、その被観察面からの2次電子を
受け得るように設けられたものとなっている。よって、
概ね2本の電子ビーム鏡筒11,11′と1本の2次電子デ
ィテクタ12は加工穴の同じ側に配置されるようになって
いる。このように、電子ビーム鏡筒が設けられるのは、
SIM像の解像度が良好でなく加工穴の深さが精度良好
に求められない場合であっても、2種類のSEM像より
加工穴の深さを精度良好に求めることが可能となるから
である。
【0024】最後に、LSI等の断面を観察する場合に
ついて説明すれば、イオンビーム20で穴加工を行う際、
図18(a)に示すように、その送り80の速度が大であ
ると、イオンビーム20の中心から四方に粒子がスパッタ
され、スパッタされた粒子が側壁41に再付着するように
なる。したがって、この再付着によって側壁41からの試
料断面の観察は妨げられることになる。しかし、図18
(b)に示すように、イオンビーム20の送り80の速度が
遅い場合は、スパッタ粒子は送り80の方向とは逆の方向
に飛散されることになる。そこで、図19に示すよう
に、送り終了の度に、次送り開始位置を送り終了位置側
に僅かづつ近づけるといった具合にして、複数回に亘っ
て遅い送りが繰返される場合は、図示の如くの形状に穴
が加工されることが既に知られており、図示の例では、
左側の側壁41にはスパッタ粒子の再付着が少なく、した
がって、断面観察に適した面が得られるものとなってい
る。よって、図20に示すように、試料19の矢印82に沿
った位置での断面を観察する場合は、長さ83だけ離れた
位置を初期送り開始位置として、遅い送りが終了する度
に、電子ビーム21を斜め上方からその側壁41に照射しS
EM像を得るようにすればよい。
【0025】一方、これとは別に、図1などに示すよう
に、メインチャンバ1内にガス吹付けノズル90を設ける
ようにしてもよい。その際、イオン源14,イオン光学系
15をガスから保護すべくオリフィス91によりイオンビー
ム鏡筒10はメインチャンバ1と隔てられており、イオン
ビーム鏡筒10の内部は真空ポンプにより差動排気される
ようになっている。
【0026】図21に示すように、イオンビーム20によ
る加工において、SiO2 加工に対してはSF6 ,Xe
F等フッ素を含むガス92を、また、Al加工に対しては
Cl2 ,BCl2 等塩素を含むガスをガス吹付けノズル
90より吹付けするようにすれば、スパッタ粒子は化学反
応によってそれぞれフッ化シリコン,塩化アルミといっ
た気体93に変化することになる。このため、側壁41への
スパッタ粒子の再付着は殆ど発生せず、良好な断面を確
保することが可能となる。SiO2 とAlとの層構造を
持つLSI等の試料に対しては、加工中の材質に適した
ガスを選んで吹付けするか、あるいは混合ガスを吹付け
すればよい。
【0027】以上、本発明を説明したが、2次荷電粒子
ディテクタとして2次電子ディテクタが用いられている
が、これは2次イオンディテクタや、1次イオン、1次
電子により発生するX線,蛍光等を検出するディテクタ
であってもよい。また、イオン源として液体金属イオン
源が用いられているが、これはガスフェーズイオン源や
プラズマイオン源であってもよい。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、試料、あるいは被加工物を集束イオンビームによっ
て加工中であっても、試料、あるいは被加工物を何等移
動させることなく、加工穴についてのSEM像が得られ
ることから、インプロセスでの加工深さモニタや加工穴
底面形状の観察が速やかに行い得るといった効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る集束イオンビーム加工装
置の一例での構成を示す図
【図2】図2は、軸位置が調整可とされた電子ビーム鏡
筒のメインチャンバへの取付方法を示す図
【図3】図3は、電子ビーム軸とイオンビーム軸との関
係を示す図
【図4】図4は、2次電子ディテクタの設置の仕方を示
す図
【図5】図5は、2次電子ディテクタの他の設置態様を
示す図
【図6】図6は、イオンビームによるスキャン領域と電
子ビームによるそれとの関係を示す図
【図7】図7は、イオンビーム、電子ビームに対するス
キャン制御の例を示す図
【図8】図8(a)〜(d)は、SEM像より加工深さ
を求めるための方法を示す図
【図9】図9は、他の例での本発明に係る集束イオンビ
ーム加工装置の構成を示す図
【図10】図10は、SEM像とSIM像より加工深さ
を求めるための方法を示す図
【図11】図11は、その場合での加工深さを自動的に
求める方法を示す図
【図12】図12は、1つのモニタにてSEM像とSI
M像を切替表示するための方法を示す図
【図13】図13(a)〜(c)は、イオンビーム径が
大である場合でのイオンビーム照射方法を説明するため
の図
【図14】図14は、イオンビームの径切替機構を示す
【図15】図15(a),(b)は、イオンビームの径
切替に際しアパーチャ中心とイオンビーム軸との間にず
れが生じることを説明するための図
【図16】図16は、イオンビームの焦点や照射位置の
ずれ補正方法を説明するための図
【図17】図17は、他の例での本発明に係る集束イオ
ンビーム加工装置の構成を示す図
【図18】図18(a),(b)は、イオンビームの送
り速度の違いによる粒子のスパッタ方向を説明するため
の図
【図19】図19は、イオンビームの送り速度が遅い場
合での穴加工形状を示す図
【図20】図20は、断面を観察する場合での加工方法
を説明するための図
【図21】図21は、スパッタ粒子のガスによる気体化
を説明するための図
【符号の説明】
1…メインチャンバ、3…ロードロックチャンバ、10…
イオンビーム鏡筒、11,11′…電子ビーム鏡筒、12…2
次電子ディテクタ、13…試料ステージ、53,55,59…ブ
ランキング制御器、52,54…スキャン制御器、56…イメ
ージ制御器、57,57′…モニタ、60…電子シャワー銃、
90…ガス吹付けノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋瀬 朗 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所 生産技術研究所 内 (72)発明者 高橋 貴彦 東京都青梅市今井2326番地 株式会社 日立製作所デバイス開発センタ内 (56)参考文献 特開 昭58−25053(JP,A) 特開 昭57−132658(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/305 H01J 37/28 H01J 37/22 H01L 21/302

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集束させたイオンビームを用いて試料を
    加工する方法であって、 被加工物の第1の所望の領域に集束させたイオンビーム
    を走査して照射することにより前記第1の所望の領域を
    加工する工程と、 前記第1の所望の領域を加工する工程において前記イオ
    ンビームの照射により前記第1の所望の領域から発生す
    る2次荷電粒子を検出する工程と、 前記第1の所望の領域を含む第2の所望の領域に集束さ
    せた電子ビームを走査して照射し、前記第2の所望の領
    域から発生する2次荷電粒子を検出する工程と、 前記
    集束させたイオンビームを走査して照射することにより
    発生する2次荷電粒子を検出して得た前記第1の領域の
    SIM像と前記集束させた電子ビームを走査して照射す
    ることにより発生する2次荷電粒子を検出して得た前記
    第2の領域のSEM像とを画面上に同時に表示する画像
    表示工程と 前記SIM像と前記SEM像とに基づいて、前記イオン
    ビームを走査して照射することにより加工された前記第
    1の所望の領域の加工深さを求める工程と を備えたこと
    を特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  2. 【請求項2】 集束させたイオンビームを試料上の所望
    の領域に照射して該所望の領域を加工する方法であっ
    て、前記集束させたイオンビームを前記試料上に照射し
    て前記試料から発生する2次荷電粒子を検出して得られ
    るSIM像と、前記所望の領域を含む領域に前記集束さ
    せたイオンビームの光軸に対して傾きを持った光軸方向
    から集束させた電子ビームを走査照射して前記所望の領
    域を含む領域から発生する2次荷電粒子を検出して得ら
    れるSEM像とを、画面上に同時に表示し、該画面上に
    同時に表示された前記SIM像と前記SEM像とに基づ
    いて前記集束させたイオンビームの照射による前記試料
    の加工深さを算出し、該算出した結果に基づいて前記集
    束させたイオンビームの前記試料への照射を制御するこ
    とを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  3. 【請求項3】 前記集束させたイオンビームの照射と前
    記集束させた電子ビームの照射とを、前記試料を動かす
    ことなく行うことを特徴とする請求項記載の集束イオ
    ンビーム加工方法。
  4. 【請求項4】 前記SIM像と前記SEM像とを、異な
    画面上に表示することを特徴とする請求項2,3の何
    れかに記載の集束イオンビーム加工方法。
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