JP2815023B2 - セロビオースの製造方法 - Google Patents

セロビオースの製造方法

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JP2815023B2 JP1268171A JP26817189A JP2815023B2 JP 2815023 B2 JP2815023 B2 JP 2815023B2 JP 1268171 A JP1268171 A JP 1268171A JP 26817189 A JP26817189 A JP 26817189A JP 2815023 B2 JP2815023 B2 JP 2815023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセロビオースの新規な製造方法に関する。セ
ロビオースはグルコース2分子がβ−1,4結合した二糖
類であり、セルロースの最低構成単位として知られてい
る。このセロビオースは、シュクロース,マルトースな
どの二糖類に比べて安定であり、しかも食品としての利
用を考える場合はノンカロリーであり、かつ甘味が少な
いため、合成甘味料の増量剤に用いる等の用途が期待さ
れる。
〔従来の技術〕
セロビオースの製造法としては、従来はセルロースを
原料とするものしか知られておらず、たとえばセルロー
スの酸分解による方法や酵素分解による方法等か挙げら
れる。前者は、セルロースを加酢酸分解することによっ
て生成するセロビオースオクタアセテイトを脱酢酸する
ことによってセロビオースを製造する方法であり(A.N.
Pereira et al.,Methods Enzymol.,160,26(1988))、
後者はセルロースにセルロース分解酵素であるセルラー
ゼを作用させることによりセルロースから直接セロビオ
ースを生成させる方法である(谷口肇:日本農芸化学会
誌,63,1133(1989))。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来法のいずれにおいても、セロビオースはセル
ロースの分解産物として製造れる。ところで、セルロー
スは植物の細胞壁に主成分として含まれるが、通常セル
ロースはそれ単独では存在せず、ヘミセルロース,リグ
ニン等との混合物として存在する。そこで、前記従来法
においてその原料としてセルロースを使用するならば、
まずセルロース原料からアルカリ処理等の方法でヘミセ
ルロース,リグニン等を除かねばならず、そのため原料
の製造コストが高くなる。そのうえ、酸分解による方法
においては分解反応に強酸が用いられるため、安全性の
問題から食品用途への応用は難しい。また、酵素分解に
よる方法においてはセルロースに対して十分な活性を示
すセルラーゼが得られていないという問題がある。これ
らの理由によって、セロビオースを低コストで大量に製
造する方法は確立していないのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは従来法の欠点をすべて解消し、安価にし
かも高収率で大量にセロビオースを製造できる新規な方
法を開発すべく検討を重ねた結果、セロビオース製造に
おける原料コストの低減を図るために原料をシュクロー
ス(庶糖)に求め、シュクロースに対して燐酸の存在下
にシュクロースホスホリラーゼ,グルコースイソメラー
ゼおよびセロビオースホスホリラーゼの三種の酵素を組
み合わせて作用させることによって、容易にかつ高収率
でセロビオースを製造できることを見出した。本発明は
この新しい知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は第1に燐酸の存在下、シュクロー
スにシュクロースホスホリラーゼ,グルコースイソメラ
ーゼおよびセロビオースホスホリラーゼを作用させるこ
とを特徴とするセロビオースの製造方法を提供し、第2
の下記の行程からなることを特徴とするセロビオースの
製造方法 (1) 燐酸の存在下、シュクロースにシュクロースホ
スホリラーゼを作用させてフルクトースとグルコース−
1−燐酸を得る行程 (2) 前記行程(1)のフルクトースにグルコースイ
ソメラーゼを作用させてグルコースを得る行程 (3) 前記行程(2)のグルコースと前記行程(1)
のグルコース−1−燐酸にセロビオースホスホリラーゼ
を作用させてセロビオースと燐酸を得る行程 (4) 前記行程(3)の反応液から少なくとも一部の
セロビオースを回収し、燐酸を含む残余の反応液の少な
くとも一部を前記行程(1)に循環させる行程を提供す
るものである。
本発明で原料とするシュクロース(庶糖)は、グルコ
ース1分子とフルクトース1分子がα−1,β−2結合し
た二糖類であり、天然に存在するものであっても、化学
的に合成されたものであってもよい。また、本発明では
シュクロースとして糖蜜をそのまま用いることも可能で
ある。
本発明の第1は、燐酸の存在下でシュクロースにシュ
クロースホスホリラーゼ,グルコースイソメラーゼおよ
びセロビオースホスホリラーゼを作用させてセロビオー
スを製造する方法である。この酵素処理は、イミダゾー
ル−塩酸緩衝液,燐酸緩衝液等の適当な溶液中で行われ
る。
ここで用いられる各酵素は、いずれも公知の酵素であ
るので市販品あるいはこれら酵素を生産する微生物等の
培養により得られもの等のいずれでもよい。また、各酵
素は精製品,未精製品,公知の固定化法により固定化さ
れた固定化酵素あるいは該酵素を含む微生物菌等のいず
れの状態で用いても差し支えない。これら各酵素の使用
量は特に制限されず、適宜に決定されるが、通常は原料
のシュクロース1モルに対しそれぞれ0.1単位以上、好
ましくは200単位以上とするのがよい。これら酵素量を
表す単位は、後記調製例に記載する方法により規定され
るものである。
また、酵素処理系に存在させる燐酸としては、通常の
無機燐酸の他、燐酸2水素ナトリウム,燐酸2水素カリ
ウム,燐酸水素2ナトリウム,燐酸水素2カリウム,燐
酸3ナトリウム,燐酸3カリウムなどの燐酸塩あるいは
燐酸緩衝液等各種のものを用いることができる。上記燐
酸の使用割合は特に限定的ではないが、通常は原料のシ
ュクロース1モルに対して0.001モル以上、好ましくは
約0.01モル以上約1.5モル以下とするのがよい。また、
原料であるシュクロースの濃度は0.1%以上、好ましく
は1%以上にするのがよい。
酵素処理の反応温度は各酵素の失活しない温度であれ
ばよく、通常は約20℃〜60℃の範囲で行われる。さら
に、反応系のpHは用いる各酵素がいずれも失活しない範
囲であれば良いが、通常は約5〜8の範囲、好ましくは
約6〜7.5の範囲にするとよい。処理時間は特に限定さ
れないが、通常は数時間から数百時間の範囲でセロビオ
ースの生成量が最大となったところで終了すればよい。
酵素処理反応終了後、適宜の方法により反応液からセ
ロビオースを分離精製する。上記方法では処理液中に酵
素が含まれるので、通常は初めに反応液を加熱して酵素
を失活させ、その後適宜の分離手段により処理液からセ
ロビオースを分離する。この際、反応物のシュクロース
などが分離に障害になるならば、あらかじめ適宜の分解
酵素により分解する。たとえば、反応液にインベルター
ゼを加えることにより未反応のシュクロースを分解させ
た後、活性炭カラムクロマトグラフィー等の方法により
セロビオースを精製することができる。なお、反応液か
らのセロビオースの分離には、溶解度の差を利用してセ
ロビオースを選択的に析出させる方法もある。
本発明の第2は、下記の(1)〜(4)の行程からな
ることを特徴とするセロビオースの製造方法である。
(1) 燐酸の存在下、シュクロースにシュクロースホ
スホリラーゼを作用させてフルクトースとグルコース−
1−燐酸を得る行程 (2) 前記行程(1)のフルクトースにグルコースイ
ソメラーゼを作用させてグルコースを得る行程 (3) 前記行程(2)のグルコースと前記行程(1)
のグルコース−1−燐酸にセロビオースホスホリラーゼ
を作用させてセロビオースと燐酸を得る行程 (4) 前記行程(3)の反応液から少なくとも一部の
セロビオースを回収し、燐酸を含む残余の反応液の少な
くとも一部を前記行程(1)に循環させる行程 上記の各行程の酵素処理は、通常イミダゾール−塩酸
緩衝液,燐酸緩衝液等の適当な溶液中で行われる。ここ
で用いられる各酵素はいずれも公知の酵素であるので、
市販品あるいはこれら酵素を生産する微生物等の培養に
より得られるもの等のいずれでもよい。また、各酵素は
精製品,未精製品,公知の固定化法により固定化された
固定化酵素あるいは該酵素を含む微生物菌等のいずれの
状態で用いても差し支えない。
これら各酵素の各行程における使用量は特に制限され
ず、適宜に決定されるが、通常は各行程の原料とするシ
ュクロース,フラクトースまたはグルコースの各1モル
に対し該当酵素をそれぞれ0.1単位以上、好ましくは200
単位以上とするのがよい。これら酵素量を表す単位は、
後記調製例に記載する方法により規定されるものであ
る。
また、行程(1)の処理系に存在させる燐酸として
は、前記した本発明の第1と同様、通常の無機燐酸の
他、燐酸2水素ナトリウム,燐酸2水素カリウム,燐酸
水素2ナトリウム,燐酸水素2カリウム,燐酸3ナトリ
ウム,燐酸3カリウムなどの燐酸塩あるいはは燐酸緩衝
液等各種のものを用いることができる。上記燐酸の使用
割合は特に限定的ではないが、通常は原料のシュクロー
ス1モルに対して0.001モル以上、好ましくは約0.01モ
ル以上約1.5モル以下とするのがよい。また、行程
(1)の原料であるシュクロースの濃度は0.1%以上、
好ましくは1%以上にするのがよい。
各行程における酵素処理は、各酵素の失活しない温度
で行えばよく、通常はいずれも行程の温度も20〜80℃の
範囲から選択される。好ましくは、行程(1)において
約20〜60℃の範囲で、行程(2)においては約20〜80℃
の範囲で、行程3においては約20〜60℃の範囲で行われ
る。また、各行程のpHについても各酵素が失活しない範
囲であれば良い。いずれの行程も好ましくは約5〜8の
範囲、より好ましくは約6〜7.5の範囲にするとよい。
各行程の処理時間は特に限定されないが、通常は数時間
から数百時間の範囲でセロビオースの生成量が最大とな
ったところで終了すればよい。
本発明の上記方法は、たとえば行程(1)においてシ
ュクロースを燐酸の存在下にシュクロースホスホリラー
ゼで処理することにより、フルクトースとグルコース−
1−燐酸を得た後、得られたフルクトースとグルコース
−1−燐酸を分離回収し、次いで行程(2)ではこのフ
ルクトースをグルコースイソメラーゼにより処理してグ
ルコースを得る。得られた反応液からグルコースを回収
し、行程(3)として、行程(2)から得られたグルコ
ースと前記行程(1)から回収されたグルコース−1−
燐酸とをセロビオースホスホリラーゼにより処理しセロ
ビオースと燐酸を得る。最後に、行程(4)として、行
程(3)で得られたセロビオースの少なくとも一部を本
発明の目的物として回収し、行程(3)から回収された
燐酸の少なくとも一部は前記行程(1)に戻すことによ
り燐酸は循環使用される。かくすることにより、行程
(1)の燐酸は循環使用されるので効率よくセロビオー
スを生産することが出来る。
ここで、上記本発明の第2における(1)〜(3)の
各行程において、各行程はいずれも他の行程における原
料,生産物あるいは酵素により各行程の酵素はその作用
に影響がないことが本発明者らにより確認された。すな
わち、他の行程における原料,生産物あるいは酵素が共
存していても各行程の酵素反応は、その作用に実質的に
影響がないのである。それ故、最も好ましい方法は、前
記3種の酵素を公知の固定化手段、例えばゲル包括性,
マイクロカプセル法,担体結合法等により各々別個の固
定床にあるいは同じ固定床に固定化して得られる固定化
酵素を用いて、上記行程(1)〜(3)の酵素反応を連
続的に行う方法である。具体的には、前記3種の酵素を
行程順にシュクロースホスホリラーゼ,グルコースイソ
メラーゼ,セロビオースホスホリラーゼとなるように同
じ固定床に固定化し、この固定床に連続してシュクロー
スと燐酸を通すことによりセロビオースと燐酸を含む反
応液を得る方法である。得られた燐酸の少なくとも一部
は原料に循環させることにより再利用され、同時に未反
応のシュクロースも循環させれば、さらに収率が向上す
ることとなる。
ところで、この方法では当然のことながら前記3種の
酵素の反応条件が同一となる。しかしながら、本発明で
用いる3種の酵素の至適反応温度は必ずしも一致しな
い。たとえば、行程(2)の酵素であるグルコースイソ
メラーゼの反応温度は、他の2種の酵素のそれよりもわ
ずかに高くするのがより好ましい。したがって、前記3
種の酵素をそれぞれ別個の前記行程(1)〜(3)に対
応する固定床として公知の固定化法により固定化し、各
固定床における温度は各酵素の至適温度に一致させるこ
とにより連続して反応させる方法、すなわち原料のシュ
クロースと燐酸を連続的に行程(1)の固定床に流し、
次いで行程(1)の反応液を行程(2)の固定床に流す
というように、前行程の固定床からの反応液を次行程に
流し、循環させる方法が最も好ましい。ここで、行程
(3)の固定床から得られるセロビオースと燐酸とを含
む反応液から少なくとも一部のセロビオースを回収し、
また少なくとも一部の燐酸は行程(1)の燐酸として再
利用する。具体的には、行程(3)の固定床からの反応
液は、そのまま行程(1)の固定床に循環させ、この循
環液の一部を連続的あるいは間欠的に取り出し、適宜の
方法でセロビオースと燐酸とを分離する。酵素は当然の
ことながら存在しないので、これを失活する必要はな
い。この循環液には未反応のシュクロース,フルクトー
ス,グルコースなども含まれるが、これらがセロビオー
スの分離に障害になるならば、適宜の分離酵素、たとえ
ばシュクロースでは前述したようにインベルターゼによ
り分離し、その後適宜の分離手段、たとえば活性炭クロ
マトグラフィーにより分離すれば、セロビオースが得ら
れる。勿論、未反応のシュクロースなどがセロビオース
の分離に障害にならないならば、特にこれを分解する必
要はない。セロビオースの分離には、前述した溶解度の
差を利用する方法も利用できる。セロビオースを分離し
た残液には燐酸が含まれるので、これは行程(1)に循
環すれば良い。かくすることにより、各行程は至適条件
でもって運転することが出来、また燐酸が再利用できる
ため好ましい方法となる。
〔実施例〕
以下、本発明をさらに詳しく説明する実施例をあげ
る。なお、各実施例に用いた酵素は以下の方法により調
製したものである。
調製例1(シュクロースホスホリラーゼの調製) シグマ社より市販のロイコノストック・メセンテロイ
デス(Leuconostoc mesenteroides)起源のシュクロー
スホスホリラーゼ10mgを10mlの50mMイミダゾール−塩酸
緩衝液(pH7.0)に溶解した。この酵素活性は17.5単位
であった。また、本酵素による反応はセロビオースおよ
びグルコースの存在によって実質的な影響は受けなかっ
た。
なお、上記シュクロースホスホリラーゼにおける酵素
活性の単位は、37℃において10mMのシュクロースおよび
10mMの燐酸存在下に、pH7.0において1分間に1μmolの
グルコース−1−燐酸および等モルのフルクトースを生
成する酵素量を1単位と定義した。
調製例2(グルコースイソメラーゼの調製) 関東化学(株)より市販のナガセ生化学工業(株)製
のストレプトマイセス(Streptomyces)起源のグルコー
スイソメラーゼ粗製酵素1gを20mlの50mMイミダゾール−
塩酸緩衝液(pH7.0)に懸濁して超音波破砕処理を行っ
た。該処理液を遠心分離し、上清に対して80%飽和にな
るまで硫安を加えた。さらに、該溶液を遠心分離し、沈
澱を上記緩衝液5mlに溶解した。この酵素活性は7.5単位
であった。また、本酵素による反応はシュクロース,グ
ルコース−1−燐酸,燐酸,セロビオースの存在によっ
て何の影響も受けなかった。なお、上記グルコースイソ
メラーゼにおける酵素活性の単位は、37℃において10mM
のフルクトースからpH7.0において1分間に1μmolのグ
ルコースを生成する酵素量を1単位と定義した。
調製例3(セロビオースホスホリラーゼの調製) セルビブリオ・ギルブス(Cellvibrio gilvus)の培
養菌体10g(湿潤重量)を50mlの50mM燐酸緩衝液(pH7.
0)に懸濁して超音波破砕処理を行った。第処理液を遠
心分離し、その上清に対して35%飽和になるまで硫安を
加え、さらに遠心分離を行い上清を得た。該上清に、さ
らに60%飽和になるまで硫安を加え、遠心分離を行い、
その沈澱を20mlの上記燐酸緩衝液に溶解した。これを同
緩衝液で平衡化したDEAE−Toyopearlカラム(直径1.5cm
×15cm)に通し、吸着させた。同緩衝液でカラムを洗浄
後、0.15−0.25M NaClのリニアグラジエントにより蛋白
を溶出させた。活性画分を集め60%飽和になるまで硫安
を加え、遠心分離により沈澱を集めた。該沈澱を10mlの
50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、セ
ロビオースホスホリラーゼを得た。この酵素活性は42.5
単位であった。また、本酵素による反応はシュクロー
ス,フルクトースの存在によって何の影響も受けなかっ
た。なお、上記セロビオースホスホリラーゼにおける酵
素活性の単位は、37℃において10mMのグルコース−1−
燐酸および10mMのグルコース存在下に、pH7.0において
1分間に1μmolの燐酸および等モルのセロビオースを
生成する酵素量を1単位と定義した。
実施例1 50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.0)中にシュク
ロース100mM,燐酸緩衝液10mM,シュクロースホスホリラ
ーゼ0.26単位/ml,グルコースイソメラーゼ0.034単位/ml
およびセロビオースホスホリラーゼ0.29単位/mlを溶解
し、反応液を調製した。該反応液を37℃において反応さ
せ、経時適にセロビオースとシュクロースの濃度を測定
した。両者の濃度の経時的変化を第1図に示した。
その結果、シュクロースは24時間後に既に50%以上セ
ロビオースに転換され、最終的には70%以上セロビオー
スに転換した。
実施例2 10mlの50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.0)中に
シュクロース200mM,燐酸緩衝液20mM,シュクロースホス
ホリラーゼ0.22単位/ml,グルコースイソメラーゼ0.058
単位/mlおよびセロビオースホスホリラーゼ0.21単位/ml
を溶解し、反応液を調製した。該反応液を37℃において
120時間反応させたところ、シュクロース濃度は20.3mM
となり、セロビオース濃度は147mM(収率73.5%)であ
った。次いで、該反応液を沸騰水浴中に10分間保持する
ことにより酵素活性を失活させた後、インベルターゼを
加え、残存しているシュクロースを分解した。この反応
液を活性炭カラムクロマトグラフィーを用いて分画を行
い、セロビオース画分を濃縮後、凍結乾燥を行って380m
gの白色粉末を得た。この時の収率は55%であった。
実施例3 3個のカラム(直径0.8cm×2cm)に陰イオン交換樹脂
AMBERLITE IRA400(オルガノ(株)社製)を充填し、さ
らにそれぞれ20mlの50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH
7.0)で洗浄し、それぞれカラム1,カラム2,カラム3と
した。カラム1に調製例1により調製されたシュクロー
スホスホリラーゼ溶液1mlを通液し、さらに10mlの50mM
イミタゾール−塩酸緩衝液(pH7.0)でカラムを洗浄し
て固定化シュクロースホスホリラーゼを得た。カラム2
に調製例2により調製されたグルコースイソメラーゼ溶
液0.1mlを通液し、さらに10mlの50mMイミダゾール−塩
酸緩衝液(pH7.0)でカラムを洗浄して固定化グルコー
スイソメラーゼを得た。カラム3に調製例3により調製
されたセロビオースホスホリラーゼ溶液0.4mlを通液
し、さらに10mlの50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.
0)でカラムを洗浄して固定化セロビオースホスホリラ
ーゼを得た。固定化酵素を含む上記のカラム1,2および
3を直列に接続し、カラム1および3は37℃に、カラム
2は50℃に保ち、3連型カラムリアクターを構築した。
50mMイミタゾール−塩酸緩衝液(pH7.0)中にシュクロ
ース100mM,燐酸緩衝液10mMになるように調製した反応液
10mlを前記の3連型カラムリアクターに5ml/時間の流速
でカラム1→カラム2→カラム3→カラム1→の順番に
循環させて60時間反応させた。その結果、反応液中のシ
ュクロースの73%がセロビオースに転換した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、異なる3種の酵素反応を組み合せ使
用することによって原料とするシュクロースから高収率
で、しかも容易に、かつ安価にセロビオースを収得する
ことができる。本発明によるシュクロースからセロビオ
ースへの転換率(すなわち収率)は実に70%以上であ
り、これは本発明で用いる各酵素反応につき知られてい
る性質からは全く予期できないものである。
しかも、各酵素を固定化し、これにより連続的に酵素
反応を行う場合は、燐酸の再利用も図れる上に、各酵素
を至適温度でもって反応させることが容易となり、反応
の効率は格段に向上する。
本発明により得られるセロビオースは、食品分野にお
いて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例におけるセロビオースとシュクロースの
濃度の経時的変化を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/14 C12P 19/24 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燐酸の存在下、シュクロースにシュクロー
    スホスホリラーゼ,グルコースイソメラーゼおよびセロ
    ビオースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする
    セロビオースの製造方法。
  2. 【請求項2】下記の行程からなることを特徴とするセロ
    ビオースの製造方法。 (1) 燐酸の存在下、シュクロースにシュクロースホ
    スホリラーゼを作用させてフルクトースとグルコース−
    1−燐酸を得る行程 (2) 前記行程(1)のフルクトースにグルコースイ
    ソメラーゼを作用させてグルコースを得る行程 (3) 前記行程(2)のグルコースと前記行程(1)
    のグルコース−1−燐酸にセロビオースホスホリラーゼ
    を作用させてセロビオースと燐酸を得る行程 (4) 前記行程(3)の反応液から少なくとも一部の
    セロビオースを回収し、燐酸を含む残余の反応液の少な
    くとも一部を前記行程(1)に循環させる行程
JP1268171A 1989-10-17 1989-10-17 セロビオースの製造方法 Expired - Lifetime JP2815023B2 (ja)

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