JP2810867B2

JP2810867B2 - 特定色抽出装置

Info

Publication number: JP2810867B2
Application number: JP32900595A
Authority: JP
Inventors: 誠之金井; 容松永; 恭一郎関
Original assignee: Anritsu Corp
Current assignee: Anritsu Corp
Priority date: 1995-12-18
Filing date: 1995-12-18
Publication date: 1998-10-15
Anticipated expiration: 2013-10-15
Also published as: JPH08210916A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカラーカメラを用い
て被測定色のなかの特定色を抽出する特定色抽出装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば工場の製品仕分けライン等におい
ては、搬入コンベアにて順不同に搬入される種々の製品
を例えば各製品に付されたラベルをビデオカメラ等で撮
像して、ラベルの文字、図形を判読して、各製品の種別
を決定して、各製品を種別毎に仕分ける装置が開発され
ているが、各製品を最も簡単に区別する手段として、各
製品のラベルの色を判断することが考えられる。この場
合、カラーカメラにて撮像された各製品の色が予め設定
された特定色に一致すれば、その製品を他の製品と区別
することが可能となる。

【０００３】このような特定色を抽出する特定色抽出装
置においては、被測定色をカラーカメラにて撮像し、こ
のカラーカメラから出力されるＮＴＳＣ方式の映像信号
からＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の各色信号を分離し
て取出す。なお、カラーカメラによっては、直接Ｒ，
Ｇ，Ｂの各色信号が出力される場合もある。そして、図
７に示すように、得られたＲ，Ｇ，Ｂの各色信号のレベ
ル値に対して上限値Ｈと下限値Ｌとを有するウインドコ
ンパレータを用いて、その上限値Ｈと下限値Ｌとの間の
指定領域内のデータを取出して、被測定色の色を判定す
る。例えば、特定色が［黄］の場合は、その指定領域内
にＲ色信号とＧ色信号とが存在すれば、被測定色は
［黄］と判定される。

【０００４】しかし、Ｒ，Ｇ，Ｇの各色信号のレベル値
は被測定色に照射されている光の強度に大きく左右され
る。したがって、図８（ａ）に示すように特定色が
［白］の場合は、前記指定領域を変更する必要がない
が、前述した［黄］の場合は、図８（ｂ）に示すよう
に、光強度（明度）に応じて前記指定領域をＨ₂ 〜Ｌ₂
から又はＨ₃ 〜Ｌ₃ から、Ｈ₁ 〜Ｌ₁ へ変更する必要が
ある。したがって、被測定色の明度のみを測定する検出
器を別途設ける必要があり、装置全体が非常に複雑とな
る。

【０００５】このような不都合を解消するために、カラ
ーカメラから得られるＲ，Ｇ，Ｂの各色信号の各データ
値（刺激値）をＣＩＥ（国際照明委員会）規格の色度座
標の各座標値ｘ，ｙに変換して、各座標値ｘ，ｙがその
二次元色度座標面内においてどの領域に位置するかで、
前記被測定色の色を決定する手法が試みられている（特
開昭６２ー２９１５２２号）。このようにＲ，Ｇ，Ｂの
各色信号を色度座標に変換することによって、明度の影
響を除去することができ、正確に特定色を抽出できる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した手法
によると、カラーカメラからＲ，Ｇ，Ｂの各色信号が入
力する毎に、後述する複雑な座標変換式を、乗算部、加
算部、除算部等を用いて演算する必要があるので、装置
全体が非常に複雑になる。

【０００７】また、前記座標変換式をプログラム処理の
みで実行すれば、演算処理時間が増大して、装置全体の
応答速度が低下する問題が生じる。本発明はこのような
事情に鑑みてなされたものであり、Ｒ，Ｇ，Ｂの各刺激
値相互間の全部の組合せに対応する各変換後の座標値を
記憶した座標変換テーブルを用いることにより、カラー
カメラから得られたＲ，Ｇ，Ｂの各刺激値を即座に色度
座標の各座標値に変換でき、簡単な構成で、かつ応答速
度を大幅に向上できる特定色抽出装置を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の特定色抽出装置においては、被測定色を撮像
するカラーカメラと、このカラーカメラにて撮像して得
られたＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の各色信号を規定
桁を有するデジタルの各刺激値へ変換するＡ／Ｄ変換器
と、Ｒ，Ｇ，Ｂの各刺激値相互間における全部の組合せ
をアドレス値に組込み、各アドレス値における該当アド
レスに組込まれた各刺激値が色度座標に変換された場合
の、色彩情報を示す各座標値及び明度情報を示す座標値
を記憶する座標変換テーブルと、この座標変換テーブル
にて変換された色彩情報を示す各座標値が予め設定され
た特定色の各座標範囲に入り、かつ明度情報を示す座標
値が規定範囲に入ることを検出し、特定色に対する抽出
信号として出力する出力手段とを備えたものである。

【０００９】このように構成された特定色抽出装置によ
れば、座標変換テーブル内には、Ｒ，Ｇ，Ｂの各刺激値
相互間における全部の組合せをアドレス値に組込み、各
アドレス値における該当アドレスに組込まれた各刺激値
が色度座標に変換された場合の各座標値が記憶されてい
る。

【００１０】すなわち、カラーカメラで被測定色を撮像
して得られたＲ，Ｇ，Ｂの各色信号はＡ／Ｄ変換器でそ
れぞれ規定桁を有したデジタルの各刺激値へ変換され
る。そして、変換された各刺激値は、例えばＲ，Ｇ，Ｂ
の各刺激値を横１列に配列することによって１個のアド
レス値となる。そして、このアドレス値で前記座標変換
テーブルを検索して、該当アドレス値が検索されると、
そのアドレス値に設定された色度座標に変換された各座
標値が得られる。

【００１１】そして、出力手段によって、その各座標値
が予め設定された特定色の各座標範囲に同時に入ること
が検出されると、被測定色は前記特定色であると判断で
きる。また、被測定色が極端に暗い場合や極端に明るい
場合における測定が除去される。すなわち、出力手段に
よって、明度を示す座標値が規定範囲に入っていないと
特定色に対する抽出信号は出力されない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下本発明の各実施形態を図面を
用いて説明する。（第１実施形態）図１は第１実施形態の特定色抽出装置
の概略構成を示すブロック図である。図中１は例えば搬
入コンベア等で搬入される製品に貼付られたラベルの被
測定色である。この被測定色１はＴＶ用のカラーカメラ
２で撮像される。カラーカメラ２から出力されたＲ，
Ｇ，Ｂの各色信号は、それぞれＡ／Ｄ変換器３ａ，３
ｂ，３ｃで例えば４桁を有する図２に示すデジタルの刺
激値Ｒ，Ｇ，Ｂに変換される。そして、各４桁の刺激値
Ｒ１〜Ｒ４，Ｇ１〜Ｒ４，Ｂ１〜Ｂ４は各座標変換テー
ブル４ａ，４ｂ，４ｃに並列に入力される。

【００１３】座標変換テーブル４ａから出力された図４
に示す色度座標５におけるｘ軸方向の座標値ｘはウイン
ドコンパレータ６ａにおける一方の入力端に入力されて
いる。また、座標変換テーブル４ｂから出力された前記
色度座標５におけるｙ軸方向の座標値ｙはウインドコン
パレータ６ｂにおける一方の入力端に入力されている。
さらに、座標変換テーブル４ｃから出力された明度の目
安となる色度座標５における紙面に直交する方向の座標
値Ｙはウインドコンパレータ６ｃにおける一方の入力端
に入力されている。

【００１４】ウインドコンパレータ６ａの他方の入力端
子には設定器７ａからｘ軸方向の上限値ｘ_H および下限
値ｘ_L が入力される。また、ウインドコンパレータ６ｂ
の他方の入力端子には設定器７ｂからｙ軸方向の上限値
ｙ_H および下限値ｙ_L が入力される。さらに、ウインド
コンパレータ６ｃの他方の入力端子には設定器７ｃから
明度に関する上限値Ｙ_H および下限値Ｙ_L が入力され
る。この各上限値および下限値は、例えば抽出しようと
する特定色が［赤」の場合は、図４の色度座標５におけ
る［赤］の領域８におけるｘ軸方向の座標範囲（ｘ_L 〜
ｘ_H ）とｙ軸方向の座標範囲（ｙ_L 〜ｙ_H ）となる。

【００１５】なお、実施形態においては、被測定色１が
極端に暗い場合や極端に明るい場合における測定を除去
するために一定の制限を設け、その明度に関する下限値
Ｙ_Lと上限値Ｙ_H とを設定器７ｃに設定して、ウインド
コンパレータ６ｃの他端に印加している。

【００１６】しかして、各ウインドコンパレータ６ａ，
６ｂ，６ｃに入力された各座標値ｘ，ｙ，Ｙが各設定器
７ａ，７ｂ，７ｃにて設定された上限値と下限値との各
座標範囲に入るとそれぞれ２値化されたＨ（ハイ）レベ
ルの検出信号がアンド回路からなるゲート回路９へ入力
される。ゲート回路９は各検出信号の論理積値を算出し
て、その論理積値を前記各設定器７ａ〜７ｃに設定され
た特定色の抽出信号としてデータ処理部１０へ送出す
る。

【００１７】データ処理部１０は、被測定色１の一つの
画素に対する特定色を示す抽出信号が入力すると、次の
画素に対する抽出信号の入力を待ち、被測定色１におけ
る特定色の占める面積を算出したり、形状を判断した
り、重心を算出する等の画像処理を実行する。そして、
その画像処理結果を表示部１１に表示したり、他の制御
機器１２へ制御信号として送出する。

【００１８】次に、各座標変換テーブル４ａ，４ｂ，４
ｃの構成および検索方法を図２と図３を用いて説明す
る。前述したように各Ａ／Ｄ変換器３ａ，３ｂ，３ｃか
ら入力された各刺激値Ｒ，Ｂ，Ｇはそれぞれ４桁のデー
タＲ１〜Ｒ４，Ｇ１〜Ｇ４，Ｂ１〜Ｂ４から構成されて
いるので、各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂはそれぞれ１６種類の値
を取ることが可能となる。そして、各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂ
を横１列に配列すると図２に示すように、Ａ０〜Ａ１１
の１２ビットのアドレス値ＡＤとみなすことが可能であ
る。したがって、Ａ０〜Ａ１１の１２ビットのアドレス
値ＡＤは２¹²＝４０９６のアドレス値ＡＤ１〜ＡＤ４０
９６を指定することが可能である。

【００１９】そして、座標変換テーブル４ａには前記各
アドレス値ＡＤ１〜ＡＤ４０９６に対して図４に示す色
度座標５に変換した場合のｘ軸方向の各座標値ｘ１〜ｘ
４０９６が記憶されている。同様に、座標変換テーブル
４ｂには前記各アドレス値ＡＤ１〜ＡＤ４０９６に対し
て色度座標５に変換した場合のｙ軸方向の各座標値ｙ１
〜ｙ４０９６が記憶されている。

【００２０】さらに、座標変換テーブル４ｃには前記各
アドレス値ＡＤ１〜ＡＤ４０９６に対して色度座標５に
変換した場合の紙面と直交する明度方向の各座標値Ｙ１
〜Ｙ４０９６が記憶されている。各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂを
各座標値ｘ，ｙ，Ｙに変換する座標変換式は、

【００２１】

【数１】

【００２２】なお、前記(1) 式は撮像装置の受光量Ｌと
出力電圧Ｖが通常、Ｖ＝Ｌの関係になっており、この
非直線性の補正を行なうものである。さらに、(2) 式に
おけるａ₁ 〜ａ₃ は、受像３原色Ｒ´，Ｇ´，Ｂ´から
Ｘ，Ｙ，Ｚへ変換するための係数である。

【００２３】よって、各４桁のデジタルデータからなる
各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂの４０９６通りの各組合わせに対し
て(1) 〜 (3)式を用いて、ｘ１〜ｘ４０９６，ｙ１〜ｙ
４０９６，Ｙ１〜Ｙ４０９６を予め演算しておいて、前
記各座標変換テーブル４ａ，４ｂ，４ｃに設定してお
く。

【００２４】なお、実施形態における各座標変換テーブ
ル４ａ〜４ｃはＲＯＭ等で形成されており、算出された
各座標値ｘ，ｙ，Ｙは予め書込まれているが、各座標変
換テーブル４ａ〜４ｃを例えばＲＡＭ等で構成して、電
源投入と同時に前記 (1)〜 (3)式を用いて自動的に計算
して、各座標変換テーブル４ａ〜４ｃへ設定するように
してもよい。

【００２５】しかして、各座標変換テーブル４ａ〜４ｃ
に各座標値ｘ，ｙ，Ｙが設定された状態で、カラーカメ
ラ２が被測定色１を撮像すると、撮像された二次元画像
データのうち一つの画素におけるＲ，Ｇ，Ｂの各色信号
がＡ／Ｄ変換器３ａ，３ｂ，３ｃへ入力される。各Ａ／
Ｄ変換器３ａ，３ｂ，３ｃから各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂが各
座標変換テーブル４ａ，４ｂ，４ｃへ入力されると、こ
の各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂは図２に示す１２桁のアドレス値
ＡＤに組込まれる。そして、このアドレス値ＡＤで各座
標テーブル４ａ，４ｂ，４ｃのアドレス値ＡＤ１〜ＡＤ
４０９６を検索して、同一アドレス値ＡＤに対応する各
座標値ｘ，ｙ，Ｙを読出して、各ウインドコンパレータ
６ａ，６ｂ，６ｃへ送出する。

【００２６】しかして、各ウインドコンパレータ６ａ，
６ｂ，６ｃにおいて入力された各座標値ｘ，ｙ，Ｙが各
設定器７ａ，７ｂ，７ｃにて設定された各座標範囲に入
っていれば、Ｈレベルの検出信号がゲート回路９を介し
て特定色に対する抽出信号としてデータ処理部１０へ送
出される。

【００２７】このように構成された特定色検出装置であ
れば、カラーカメラ２にて撮像された被測定色１のＲ，
Ｇ，Ｂの各色信号は各Ａ／Ｄ変換器３ａ〜３ｃで４桁の
デジタルの刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂに変換されたのち、直ちに
１個の１２桁からなるアドレス値ＡＤに組込まれる。そ
して、３個の刺激値が組込まれた１個のアドレス値ＡＤ
で各座標変換テーブル４ａ〜４ｃを検索する。そして、
検索されたアドレス値ＡＤに対応する各座標値ｘ，ｙ，
Ｙが読出される。

【００２８】このように、(1) 〜 (3)式で示した複雑な
座標変換式を演算することなく、一つのアドレス値ＡＤ
で座標変換テーブル４ａ〜４ｃ内を検索するのみで、各
座標値ｘ，ｙ，Ｙが得られる。したがって、従来の装置
に比較して、各座標値ｘ，ｙ，Ｙを得るために必要な時
間を大幅に短縮できる。さらに、各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂを
一つのアドレス値ＡＤに組込んで、一つのアドレス値で
変換テーブル４ａ〜４ｃを検索しているので、各刺激値
Ｒ，Ｇ，Ｂ個々に座標変換テーブルを検索する場合に比
較して、検索に要する時間をより一層短縮できる。

【００２９】したがって、カラーカメラ２にて撮像され
た被測定色１が予め設定された特定色であるか否かの判
断が早くなり、装置全体の応答速度が大幅に上昇する。
さらに、各座標変換テーブル４ａ〜４ｃに予め各座標値
ｘ，ｙ，Ｙを設定しておけば、前述した座標変換式を全
く実行する必要がないので、座標変換式を実行するため
の乗算部、加算部、除算部等の回路構成が不必要にな
る。さらに、前記座標変換式をプログラムで実行する必
要もない。よって、装置全体が簡素化され、小型計量に
形成することが可能となる。

【００３０】（第２実施形態）図５および図６は本発明
の第２実施形態に係わる特定色抽出装置の概略構成を示
すブロック図である。図１と同一部分には同一符号が付
してある。

【００３１】この第２実施形態においては、図１におけ
る３個の座標変換テーブル４ａ，４ｂ，４ｃを一つの座
標変換テーブル１３にまとめている。すなわち、この座
標変換テーブル１３内には、図６に示すように、Ａ１〜
Ａ４０９６の各アドレス値ＡＤに対してｘ１〜ｘ４０９
６，ｙ１〜ｙ４０９６，Ｙ１〜Ｙ４０９６の各座標値が
設定されている。そして、各Ａ／Ｄ変換器３ａ，３ｂ，
３ｃから各刺激値Ｒ，Ｇ，Ｂが入力されると、１つのア
ドレス値ＡＤに組込んで、上記各アドレス値ＡＤ１〜Ａ
Ｄ４０９６を検索して、該当するアドレス値ＡＤに対応
する各座標値ｘ，ｙ，Ｙが読出される。よって、先の第
１実施形態とほぼ同様の効果を得ることが可能である。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の特定色抽出
装置によれば、Ｒ，Ｇ，Ｂの各刺激値相互間の全部の組
合せに対応する座標変換後の各座標値を記憶した座標変
換テーブルを組込んでいる。したがって、カラーカメラ
から得られたＲ，Ｇ，Ｂの各刺激値を即座に色度座標の
各座標値に変換でき、被測定色が特定色であるか否かが
単間で判定でき、装置全体の応答性能を大幅に向上でき
る。また、座標変換式を算出するための複雑な回路構成
やプログラム構成が不必要になり、装置全体の構成を簡
素化できる。さらに、明度を示す座標値を算出して、こ
の明度を示す座標値が規定範囲に入っているときのみ特
定色に対する抽出信号を出力している。したがって、被
測定色が極端に暗い場合や極端に明るい場合における測
定が除去され、装置全体の特定色の抽出精度と信頼性と
を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係わる特定色抽出装
置の概略構成を示すブロック図

【図２】同特定色抽出装置における各刺激値とアドレ
ス値との関係を示す図

【図３】同特定色抽出装置に形成された各座標変換テ
ーブルを示す図

【図４】同特定色抽出装置における色度座標を示す図

【図５】本発明の第２実施形態に係わる特定色抽出装
置の概略構成を示すブロック図

【図６】同特定色抽出装置における座標変換テーブル
を示す図

【図７】従来の特定色を検出する手法を説明するため
の各色信号のレベル値を示す図

【図８】同じく従来の特定色を検出する手法を説明す
るための各色信号のレベル値を示す図

【符号の説明】

１…被測定色、２…カラーカメラ、３ａ，３ｂ，３ｃ…
Ａ／Ｄ変換器、４ａ，４ｂ，４ｃ，１３…座標変換テー
ブル、５…色度座標、６ａ，６ｂ，６ｃ…ウインドコン
パレータ、７ａ，７ｂ，７ｃ…設定器、９…ゲート回
路、１０…データ処理部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01J 3/46

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】被測定色(1) を撮像するカラーカメラ
(2) と、このカラーカメラにて撮像して得られたＲ（赤），Ｇ
（緑），Ｂ（青）の各色信号を規定桁を有するデジタル
の各刺激値へ変換するＡ／Ｄ変換器(3a,3b,3c)と、前記Ｒ，Ｇ，Ｂの各刺激値相互間における全部の組合せ
をアドレス値に組込み、各アドレス値における該当アド
レスに組込まれた各刺激値が色度座標に変換された場合
の、色彩情報を示す各座標値(x,y) 及び明度情報を示す
座標値(Y) を記憶する座標変換テーブル(4a,4b,4c,13)
と、この座標変換テーブルにて変換された色彩情報を示す各
座標値が予め設定された特定色の各座標範囲に入り、か
つ明度情報を示す座標値が規定範囲に入ることを検出
し、前記特定色に対する抽出信号として出力する出力手
段とを備えたことを特徴とする特定色抽出装置。