JP2809311B2 - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JP2809311B2
JP2809311B2 JP1115275A JP11527589A JP2809311B2 JP 2809311 B2 JP2809311 B2 JP 2809311B2 JP 1115275 A JP1115275 A JP 1115275A JP 11527589 A JP11527589 A JP 11527589A JP 2809311 B2 JP2809311 B2 JP 2809311B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は転写箔に関し、特に耐擦傷性、耐衝撃性及び
耐摩耗性に優れているとともに柔軟性を有する転写層を
与える転写箔に関し、さらに、上記特性の他に艶消しの
転写層を与える転写箔に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
近年、プラスチック材料はエンジニアリングプラスチ
ックをはじめとしてその強靭性、加工性等の特性を生か
して、金属材料やガラス等の無機材料の代替材料として
広範に使用されている。しかし表面の硬度や耐擦傷性に
劣るために、表面離型性保護層を設ける必要性が大き
い。
従来からプラスチック表面を硬質化する技術として
は、オルガノシロキサン系、メラミン系等の熱硬化樹脂
や多官能アクリル系の光硬化樹脂をコーティングするこ
とが行われてきた。
しかしながら、従来の熱硬化樹脂や光硬化樹脂を用い
た耐擦傷性の表面離型性保護層は屈曲性に欠け、クラッ
クが生じ易いという問題点があった。そのため曲面状の
成形体や合成樹脂フイルム上に表面離型性保護層を形成
する場合、曲面状に加工するのが困難であったり、屈曲
によりクラックが生じたりし、表面離型性保護層として
満足ではなかった。さらに平坦面の表面離型性保護層と
して使用する場合でも一旦傷がつくと元に回復しないと
いう問題や、傷が目立つという問題が認められる。
また、通常の装飾用途においては、転写された後の表
面をマット調にすることがしばしば要求される。従来か
ら、艶消表面を有する離型性保護層を転写する際に使用
する転写箔としては、微細な凹凸を設けた基材フィルム
に離型性保護層を塗布してその凹凸を写しとるものや、
シリカやポリエチレン等の微細粉のいわゆる「マット
材」を添加した離型性保護層を基材フィルムに塗布した
ものなどがある。しかし、凹凸を写しとる方式では、大
きな艶消し効果を得る目的には適さない。またシリカや
ポリエチレン等の微細粉からなるマット材を添加する場
合には、これらを含む離型性保護層の弾力性が低下し、
表面の耐摩耗性が低下し、また曲面をもつ対象物に転写
するのが困難となり、さらに艶消しの効果が小さく、見
る方向によっては艶消しにならないという問題もある。
従って本発明の目的は柔軟性とともに耐擦傷性、耐摩
耗性等を有する転写層を付与し得る転写箔を提供するこ
とである。
また、本発明のもう1つの目的は、上記特性を有する
とともに良好な艶消し表面を有する転写層を付与し得る
転写箔を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の問題点に鑑み鋭意研究の結果、柔軟性を有する
電離放射線硬化型樹脂として骨格中に特定の分子量を有
するジオールと重合性不飽和基を有する化合物とを導入
したウレタン化合物を用いることにより、電離放射線硬
化型であるとともに、良好な耐擦傷性、耐摩耗性及び柔
軟性を有する離型性保護層を有する転写箔が得られるこ
とを発見した。また着色艶消し剤として顔料の微粉末の
外側を合成樹脂で被覆したいわゆる「ビーズ顔料」を添
加した塗料が最近実用化されてきたが、ビーズ顔料を添
加した塗料により形成した離型性保護層は、艶消し性が
良く、艶消し効果に方向性がなく、かつソフトな質感の
スエード調塗膜を形成することができることを発見し
た。以上の発見に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明の転写箔は、基体シート上に柔軟性
を有する電離放射線硬化型樹脂からなる離型性保護層を
積層してなり、前記電離放射線硬化型樹脂がジイソシア
ネートと、両末端に水酸基を有し重量平均分子量が200
〜5000のジオールと、末端に水酸基を有するとともにラ
ジカル重合性不飽和基を有するアクリレート系化合物と
が結合してなるウレタンアクリレートオリゴマーを含有
することを特徴とする。
また、本発明の第二の転写箔は基体シート上に柔軟性
を有する電離放射線硬化型樹脂からなる離型性保護層を
積層してなり、前記電離放射線硬化型樹脂が(a)ジイ
ソシアネートと、両末端に水酸基を有し重量平均分子量
が200〜5000のジオールと、末端に水酸基を有するとと
もにラジカル重合性不飽和基を有するアクリレート系化
合物とが結合してなるウレタンアクリレートオリゴマー
と、(b)1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性
不飽和基を有するモノマーとを含有することを特徴とす
る。
さらに、本発明においては、前記電離放射線硬化型樹
脂にビーズ顔料を分散させて用いることで、上記特性の
他に良好な艶消し表面を有する離型性保護層を与える転
写箔とすることができる。
本発明を以下に詳細に説明する。
基体シートの素材は、原則としてこの種の転写シート
に使用されているものであればよく、その厚みとしては
通常5〜200μmが好ましく、更に好ましくは12〜50μ
mである。具体的に例を示すと、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどのポリオレフィン、ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリカーボネー
トなどの合成樹脂からなるフィルムや紙、合成紙などで
ある。これらは必要によりラミネートして使用できる。
基体シートの表面の凹凸は、転写したときに離型性保
護層の表面の凹凸を決定するものである。転写された後
の表面をミラー面(鏡面)としたいときには、これらの
基体シートの表面もミラー面としなければならない。ま
た装飾用途においてはしばしばマットな表面が要望され
るので、それに合わせるときには基体シートとして、マ
ット材練り込み、サンドブラスト加工もしくはケミカル
エッチングなどにより艶の状態を調整したマットフィル
ムを使用してもよい。
なお基体シートとしては上記のような素材からなるも
の以外でも、離型性層を別に設けて表面を離型性にした
ものでもよい。この離型性層は転写の際に基体シートか
ら硬化樹脂層の剥離を可能にする成分を含み、具体的に
は適当なベヒクル(ベヒクルの例は通常のインキ組成物
のベヒクルとして後記するものと同じ)単独もしくは必
要に応じてさらにワックス、シリコーンなどの離型性物
質を添加して作る。
離型性保護層においては硬化後でも柔軟性を有する電
子線硬化型樹脂を用いる。このような電子線硬化型樹脂
はウレタンアクリレートオリゴマー1分子中に少なくと
も1個のラジカル重合性不飽和基を有するモノマーを主
体とする。ウレタンアクリレートオリゴマーはソフトセ
グメントとして機能し、上記単官能又は多官能モノマー
はハードセグメントとして機能する。なおウレタンアク
リレートオリゴマーは典型的にはジイソシアネートと、
両末端に水酸基を有し重量平均分子量が200〜5000のジ
オールと、末端に水酸基を有するとともにラジカル重合
性不飽和基を有するアクリレート系化合物とが結合して
なるものである。
また上記ウレタンアクリレートオリゴマーを単独で使
用する代わりに、1分子中に少なくとも1個のラジカル
重合性不飽和基を有するモノマーを含有させることがで
きる。この場合、ウレタンアクリレートオリゴマーはソ
フトセグメントとして機能し、上記単官能又は多官能モ
ノマーはハードセグメントとして機能する。
このような樹脂組成物を電離放射線により硬化させて
なる表面離型性保護層は相分離構造を有すると考えられ
るが、ウレタンアクリレートオリゴマーを多官能化した
り、ジオールの分子量を調節したり、ウレタンアクリレ
ートオリゴマーとモノマーとの混合比を調節することに
より、相分離構造を抑制し、もって耐擦傷性、可撓性、
屈曲性をコントロールすることができる。
上記電子線硬化型樹脂組成物を以下に詳細に説明す
る。
本発明に使用することができるジイソシアネートは1
分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族又は芳
香族のジイソシアネート化合物であり、例えば、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、4,4−ジフエニルメタンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジ
メチル−4,4′−ジフエニレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ビス(イソシアナイトメチル)シクロヘキサ
ン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を単
独で又は2種以上混合して使用することができる。
特に耐候性を有するためには、イソホロンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が好まし
い。
両末端に水酸基を有するジオールとしては両末端に水
酸基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエーテル
プレポリマー及びポリカーボネートプレポリマーがあ
る。
両末端に水酸基を有するポリエステルプレポリマーと
しては、(イ)芳香族又はスピロ環骨格を有するジオー
ル化合物とラクトン化合物又はその誘導体又はエポキシ
化合物との付加反応生成物、(ロ)多塩基酸とポリオー
ルとの縮合生成物、及び(ハ)環状エステル化合物から
誘導される開環ポリエステル化合物があり、これらを単
独で又は2種以上を混合して使用する。
(イ)の付加反応生成物に用いる芳香族又はスピロ環
骨格を有するジオール化合物としては、例えば、 等がある。
ラクトン化合物の代表的なものとしては、ε−カプロ
ラクトンやδ−バレロラクトン等がある。
またエポキシ化合物の代表的なものとしてエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等がある。
次に(ロ)の縮合生成物に用いる多塩基酸としては、
例えばフタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,アジピ
ン酸,コハク酸,セバチン酸等の飽和多塩基酸や、マレ
イン酸、フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸等の不飽
和多塩基酸があり、またポリオールとしてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサングリコール等がある。
両末端に水酸基を有するポリエーテルプレポリマーと
してはポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等があ
る。
また両末端に水酸基を有するポリカーボネートプレポ
リマーとしては、例えばダイセル化学工業株式会社製の
プラクセルCD−210(分子量1000)、プラクセルCD−220
(分子量2000)や日本ポリウレタン工業株式会社製のDN
−983(分子量1000)等のポリカーボネートジオールが
あげられる。
両末端に水酸基を有するジオールは200〜5000の重量
平均分子量を有するのが好ましい。重量平均分子量が20
0未満であると落砂摩耗テスト及びテーバー摩耗テスト
により測定される耐摩耗性に劣り、また5000を超えると
硬化後十分な硬度が得られない。より好ましい重量平均
分子量の範囲は500〜3000、特に500〜1500である。
また落砂摩耗テスト及びテーバー摩耗テストにおいて
優れた耐摩耗物性を示すためには、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール、ポリブチレンアジペート、ポリカ
ーボネートジオール等が特に好ましい。また良好な可撓
性を有する硬化物を与えるためには、直鎖の脂肪族系ジ
オールを用いるのが好ましい。
末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽和
基を有するアクリレート系化合物は、ウレタン化合物の
イソシアネート基に結合するとともに、電離放射線の照
射により容易にラジカルを発生し架橋反応を引き起こす
不飽和基を有するいわゆるラジカル重合性化合物であ
る。このような末端に水酸基を有するラジカル重合性ア
クリレート系化合物は、アクリル酸又はメタクリル酸若
しくはこれらの誘導体のエステル化合物であって末端に
水酸基を有するものであり、例えば、ヒドロキシエチル
アクリレート,ヒドロキシプロピルアクリレート,ヒド
ロキシブチルアクリレート,ヒドロキシエチルメタクリ
レート,ヒドロキシプロピルメタクリレート,ヒドロキ
シブチルメタクリレート,4−ヒドロキシシクロヘキシル
アクリレート,5−ヒドロキシシクロオクチルアクリレー
ト,5−ヒドロキシシクロオクチルアクリレート,2−ヒド
ロキシ−3−フエニルオキシプロピルアクリレート等の
重合性不飽和基1個を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物をはじめ、式 で表される重合性不飽和基2個を有するエステル化合物
等を使用することができる。
次に上記ウレタンアクリレートオリゴマーの製造方法
について説明する。
ジイソシアネートと両末端に水酸基を有するジオール
とを用いる第1工程は典型的には以下の反応式により表
すことができる。
ただし、R1は炭素数4〜14の炭化水素基で、R2はジオ
ール残基である。
第1工程の反応温度は40〜60℃で反応時間は1〜4時
間である。反応は無溶媒中で行ってもよいが、イソシア
ネート基との反応性がないケトン等の溶媒中で行うのが
好ましい。
第2工程は第1工程の反応生成物に末端を水酸基を有
するとともにラジカル重合性不飽和基を有するアクリレ
ート系化合物を反応させるものであり、典型的には以下
の式により表すことができる。
ただし、R3はアクリレート残基(アクリル酸エステル
基又はメタクリル酸エステル基)である。
なおイソシアネート残基を全てラジカル重合性化合物
と反応させる代わりに一端をトリメチロールプロパンの
ようなトリオールと反応させて、1分子中に3個のラジ
カル重合性化合物の残基が含まれるようにすることもで
きる。
第2工程の反応温度は40〜60℃で反応時間は2〜6時
間である。第1工程と同様に無溶媒中で行ってもよい
が、ケトン等の溶媒中で行うのが好ましい。
なお第2工程の反応系には、ラジカル重合性アクリレ
ート系化合物中の(メタ)アクリル酸エステル基を保護
するために、重合禁止剤、例えばハイドロキノン,ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル,ベンゾキノン,2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール等を100〜1000ppm程度添
加するのが好ましい。また、反応系中に反応を促進させ
る目的で、トリエチルアミン,ピペラジン,トリエタノ
ールアミン,ジブチルチンジラウレート,スタナスオク
トエート,スタナスラウレート,ジオクチルチンジラウ
レート等を添加することができる。
ウレタンアクリレートオリゴマーに混合し得る単官能
モノマーとしてはメチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキ
シブチルアクリレート、フェニルアクリレート等のアク
リル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、メトキシエチル
メタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、フェ
ニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類;アクリルアミド、メタクリルアミ
ドの不飽和カルボン酸アミド;2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジベンジルア
ミノ)エチルアクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)
メチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピルアクリレート等の不飽和酸の置換アミノアルコ
ールエステル類;N−メチルカルバモイロキシエチルアク
リレート、N−エチルカルバモイロキシエチルアクリレ
ート、N−ブチルカルバモイロキシエチルアクリレー
ト、N−フェニルカルバモイロキシエチルアクリレー
ト、2−(N−メチルカルバモイロキシ)エチルアクリ
レート、2−カルバモイロキシプロピルアクリレートな
どのカルバモイロキシアルキルアクリレート類等があ
る。
また多官能モノマーは2個以上のラジカル重合性不飽
和基を有するものであり、特に2個以上の(メタ)アク
リロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが好ま
しい。具体例として例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の
多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
良好な耐擦傷性を得るためには、上記した単官能又は
多官能(メタ)アクリレートのうちでも(メタ)アクリ
ル当量(分子量/官能基数)が90から200、特に100以下
のものが好ましい。
単官能又は多官能モノマーの添加により硬化後の表面
物性(硬度等)が変化するが、十分な柔軟性、傷に対す
る回復力(復元力)が大きい塗膜(ソフトコート)とす
るためには、上記の単官能又は多官能(メタ)アクリレ
ートの添加量を少なくする必要がある。その場合、各
(メタ)アクリレート化合物により適当な添加量が異な
り、一般に官能基数が多い化合物においては添加量が少
なくてよく、多いと十分な柔軟性が得られない。さらに
単官能アクリレート化合物はガラス転移点が低い場合、
その添加量が多いと得られる組成物の電離放射線照射に
よる硬化物にタックが残り、粘着性を有するようにな
る。
具体的には、モノマー配合量がウレタンアクリレート
オリゴマー100重量部に対して30重量部以下の場合、十
分な柔軟性、屈曲性とともに耐擦傷性を有し、傷に対す
る回復力(復元力)が大きなソフトコートが得られる。
特に単官能又は多官能モノマーが5〜20重量部の場合、
得られる組成物の電離放射線照射による硬化物は耐擦傷
性、柔軟性、傷に対する復元力や可撓性に富む。
なお、本発明においては、上述の電離放射線硬化型樹
脂組成物にビーズ顔料を分散させることで良好な艶消し
表面を有する離型性保護層を与えることができる。
前記ビーズ顔料としては、Fe2CO3、TiO2、CaCO3、キ
ナクリドンなど常用の顔料の微粉末の表面を、ポリウレ
タン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ナイロン、フッ素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体など弾力性のある樹脂で被覆したものを用いるこ
とができる。
前記ビーズ顔料の粒径は、形成しようとする塗膜の厚
さによっても異なるが、粒径の範囲が5〜80μmであっ
て、かつ分布の極大が10〜35μmの範囲のものが特に好
ましい。粒径が5μm未満だと保護層表面の艶消し効果
が不十分であり、また80μmを超えると保護層の耐擦傷
性、耐衝撃性が不十分となる。
ビーズ顔料の色は、特に限定されず、所望に応じて選
択すればよい。例えば、ほぼ無色透明なビーズ顔料を用
いれば深みのある艶消し塗膜ができるし、二色以上のビ
ーズ顔料を組み合わせても、変化に富んだ艶消し面を作
ることができる。
ビーズ顔料の添加量は、樹脂成分100重量部に対して2
0〜200重量部であり、特に50〜150重量部を添加するの
が望ましい。添加量が少ないと十分な艶消し効果が得ら
れず、また多すぎると保護層の耐屈曲性等が劣化する。
ビーズ顔料はシリカ微粉末などに比べて粒径が大き
い。その大径の粒子が離型性保護層表面に突出して凹凸
を形成することによって、顕著な艶消し効果が得られ
る。しかも、この凹凸は大きく深いものであるため、艶
消しの程度は十分である。
また顔料粒子は、弾力性のある樹脂に覆われているの
で、離型性保護層に外力が加えられても、粒子が変形し
てそれを吸収し、外力が取り去られれば、粒子の形状が
復元する。このため得られる塗膜の、艶消しの外観が変
化することはない。しかも得られる塗膜は、軟らかい感
触をもつので、転写体に外観的にも触感的にも、高級な
スエード調の感じを付与することができる。
一般に、平滑な基材フィルム上に塗料の塗膜を形成し
たとき、その塗膜を転写して得られる表面は、基材フィ
ルム表面に従って平滑で、光沢のあるものである。ビー
ズ顔料を添加した艶消し塗料をフィルムに塗布したとき
も同様になると思われていた。
しかし、本発明者らは、上記塗料の塗膜を転写法で被
転写体に設けた場合にも、吹きつけ塗膜と同様の艶消し
効果が得られることを見出した。このような効果が得ら
れる機構については必ずしも明らかではないが、次のよ
うな2つの機構が推測される。
その一つは、基材フィルムに塗膜を形成したときに、
塗膜の内側面、すなわち転写したときに被転写体側にな
る面にビーズ顔料による凹凸面ができ、塗膜を転写する
とその凹凸面が被転写体の平滑な面に密着する結果、そ
れまで平滑であった塗膜の外側面にその凹凸が移動する
ことである。
もう一つは、基材フィルム上の塗膜から溶剤が揮発し
てベヒクルが収縮して厚さが薄くなり、電離放射線で硬
化する際、塗膜のベヒクルが収縮し、ビーズ顔料が突出
したかたちになって、塗膜の外側面に凹凸が形成される
ということである。
いずれにせよ、シリカ微粉末等の従来のマット材より
は、塗膜の厚さに対して相対的に大きな径をもっている
ビーズ顔料を使用することで、転写による艶消しが可能
となったわけである。
本発明の樹脂組成物は、その他に必要に応じ紫外線吸
収剤や光安定剤を含有することができる。紫外線吸収剤
としては、ベンゾトリアゾール類、例えば2−(2−ヒ
ドロキシ−5メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−3,5ジターシャリーアミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3
−〔3(ベンゾトリアゾール−2−イル−5−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル〕ピロピオン酸エステル等
が挙げられる。また光安定剤としてはヒンダードアミン
系で、例えば2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−2′−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,
2,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙
げられる。
紫外線吸収剤と光安定剤は併用することにより著しい
耐候性の改良が得られる。紫外線吸収剤のみの添加では
劣化低減効果はなく、耐候性の向上はほとんどない。ま
た光安定剤のみの添加では劣化低減効果はあるが、耐候
性の改良としては不十分である。紫外線吸収剤の添加量
及び光安定剤の添加量は、樹脂組成物100重量部に対し
てそれぞれ0.01〜10重量部であり、特に紫外線吸収剤0.
1〜2重量部及び光安定剤0.5〜4重量部を同時に添加す
ることが望ましい。添加量が少ないと耐候性改良の効果
がなく、多過ぎると硬化性の低下、密着性の悪化等の悪
影響が現われる。
このようにして得られた電離放射線硬化型樹脂組成物
は硬化前は粘着性を有する。硬化前に粘着性がないと得
られる塗膜の物性(耐摩耗性等)が十分でないので、粘
着性を有することは重要である。
次に上記樹脂組成物を用いて離型性保護層をコーティ
ングする方法について説明する。まず上記樹脂組成物に
必要に応じて適当な粘度となるように溶媒又は反応性希
釈剤を加えた上で、適当な基体上に、通常のコーティン
グ方法、すなわち、ロールコート法、グラビアコート
法、ファウンテンコート法、カーテンフローコート法、
ワイヤーバーコート法等で塗布する。膜厚は3〜40μm
程度にする。この段階では塗膜は乾燥時にも粘着性を有
する。
離型性保護層の硬化は電離放射線の照射により行う。
電離放射線として電子線又は紫外線を用いるのが好まし
い。
電子線照射の場合、コックロフトワルトン型、バンデ
グラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、
ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器か
ら放出された100〜300KeV、好ましくは150〜200KeVの範
囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜10Mradの照射
量とする。また紫外線照射の場合超高圧水銀灯、高圧水
銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアークメ
タルハライドランプなどの光源を用いた紫外線源から発
する紫外線を用いる。
本発明の転写箔はその他に接着層を有する。
接着層用の接着剤としては、公知のものを使用でき、
例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴム、ス
チレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴ
ム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化
オレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂等の任
意の接着剤を使用することができる。
これらの樹脂は、必要により希釈して塗布に適した粘
度とした後、公知のコーティング方法、例えばリバース
ロールコーティング、ロールコーティング、グラビアコ
ーティング、キスコーティング、ブレードコーティン
グ、スムーズコーティング等によりコーティングする。
転写箔の構造は、基本的には以上の通りであるが、さ
らに必要により絵柄層を設けることができる。
絵柄層は転写により被転写体に模様を与えるためのも
のであるから、模様を転写することを目的とする模様転
写箔においては必ず必要である。絵柄層の必要でない転
写箔の例としては、実質的に離型性保護層のみを転写す
る離型性保護層転写箔があり、この場合は塗装の代用と
なる。
絵柄層は通常離型性保護層の上に直接に、あるいは他
の層を介して間接に設ける。インキの種類は用途、転写
箔の構造等を考慮して決めればよい。通常のインキは、
ベヒクルに顔料もしくは染料の着色剤、可塑剤、安定
剤、そのほかの添加剤、又は溶剤もしくは希釈剤等を用
いて混練したものである。
インキの成分のうち接着性に関連のあるバインダーと
しては、例えば、エチルセルロース、エチルヒドロキシ
セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢
酸セルロース誘導体、ポリスチレン、ポリαメチルスチ
レン等のスチレン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル又
はメタクリル樹脂の単独又は共重合樹脂、ロジン、ロジ
ン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトル
エン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ブチラール樹脂、セラック、アラビアゴ
ム、アカロイド、マスチック等の樹脂を一種又は二種以
上選択して用いることができる。
転写方法としては、例えば、加熱により被転写体を熱
圧着させて未硬化樹脂層と共に転写を行う熱転写法や、
転写箔と被転写体との間に、溶剤もしくは樹脂の溶剤溶
液からなる活性化液を介在させて行う溶剤活性転写法等
がある。
また興味ある転写方法として、プレス成形、真空成
形、圧空成形、真空圧空成形、射出同時成形、押出成
形、カレンダー成形等の成形法において、成形と同時に
転写を行う方法がある。さらに転写後所定の形状になる
ように、プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成
形等を行ってもよい。転写後に成形を行う場合、転写の
際には最終の形状に成形する必要がない。このような場
合はむしろ転写の際には、平板形状等の単純な形状に成
形しておき、転写させる層を十分密着させることを主眼
とするのがよい。
本発明は転写箔を使用して転写を行う際の被転写体と
しては種々のものが使用でき、例えば次のようなものが
ある。
化粧材器材などに使用される紙、例えば晒クラフト
紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙など、
プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコー
ルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ
リカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、エチレン/酢酸ビニル共重合体フィル
ム、エチレン/ビニルアルコール共重合体フィルム、ア
イオノマーなど、木質基材、例えば、木、合板、パー
チクルボードなど、石膏系基材、例えば、石膏ボー
ド、石膏スラグボードなど、繊維セメント板、例え
ば、パルプセメン板、石綿セメン板、木片セメント板な
ど、その他GRC及びコンクリート、鉄、アルミニウ
ム、銅などの金属箔もしくはシート、並びに、以上の
〜の各素材の複合体などを使用することができる。
また各種の成形品も被転写体として使用できる。成形
品の素材としては上記の化粧材基材と重複するが、次の
ようなものが例示できる。
AAS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、アミノ樹脂、酢酸セル
ロース、酪酸セルロース、エチルセルロースなどのセル
ロース樹脂、アリル樹脂、エチレン/α−オレフィン共
重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩
化ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、MBS樹脂、メタ
クリル/スチレン共重合体、ニトリル樹脂、フェノール
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリス
チレン樹脂、AS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、アクリル変性ポリ塩化ビニル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂などのプラスチック成形品。
鉄、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属の押し
出し成形品。
これら被転写体の被転写面には必要により、被転写体
表面の素材に合わせた前処理を施してもよく、例えば、
プライマー処理、コロナ処理などの接着性向上のための
前処理、塗装その他による下地色の調整処理、目止め処
理、セメントなどのアルカリ性基材におけるアルカリ滲
出防止処理などである。
〔実 施 例〕
本発明を添付図面及び以下の実施例によりさらに詳細
に説明する。
第1図は本発明の一実施例による転写箔を示し、1は
基体シート、2は電離放射線硬化型樹脂からなる保護
層、3はプライマー層、4は絵柄層、5は接着層を示
す。
実施例 1 加熱攪拌装置のついた2のセパラブルフラスコとセ
パラブルカバーを用い、イソホロンジイソシアネート16
9gをフラスコに入れ、触媒としてジラウリル酸ジノルマ
ルブチルスズを0.2g滴下し、40℃で加熱攪拌した。ポリ
テトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学(株)
製PTG−650SN、分子量650)245gを系内の温度が急激な
上昇を示さないように徐々に加え、反応を進めた。2時
間後ヒドロキシエチルアクリレートを90g加え、反応温
度を60℃に上げ、IRスペクトル中2330cm-1のイソシアネ
ート基によるピークが消失するまで、攪拌を続けた。こ
のようにしてほぼ100%の収率でウレタンアクリレート
を生成した。
一方基体シートとして厚さ25μmのポリエステルフィ
ルム〔ダイアホイル製〕を用いて、その片面にメラミン
系樹脂ワニス〔大日精化工業製〕をグラビアコーティン
グし、厚さ1μmの離型性層を形成した。次いで、離型
性層の上に、上記ウレタンアクリレートをイソプロピル
アルコールに70重量%の割合で溶解したものをグラビア
コーティングにより塗布し、100℃の熱風で乾燥させ、
厚さ30μmの離型性保護層を形成した。
これにスキャニング方式の電子線照射機(加速電圧18
5Kv)で5Mradの電子線を照射した。
更にアクリル系インキ〔昭和インク製GG〕を用いてグ
ラビア印刷方式で厚さ1μmの絵柄層を形成し、アクリ
ル系の接着剤〔昭和インク製HS−32〕をグラビア印刷方
式で全面に3μmの厚さに塗布した。
このようにして得られた転写箔を用い、アクリル樹脂
板の表面に熱ロール(表面温度200℃)を用いて転写
し、転写後ポリエステルフィルム製基体シートを剥離し
た。
このようにして得られた転写体の表面離型性保護層は
ソフト感及び湿潤感を有していた。
次に得られた転写体の表面離型性保護層の性能を評価
するために、下記の試験を行った。
(1) RCA摩耗=RCA摩耗試験機を使用し、表面離型性
保護層の艶変化が生じるまでの摩擦回数を測定。
(2) テーバー摩耗=テーバー摩耗試験機(摩耗輪CS
−10、1kg荷重)を用いて、1500回転での摩耗減少量をA
STM D−1044により測定。
(3) 爪クラッチ=人差指の爪でこすり、表面離型性
保護層の傷、艶の変化の有無により評価。
(4) 折り曲げ=180℃において急激に折り曲げ、表
面離型性保護層の割れ、白色化等の変化の有無により評
価。
(5) 復元性=1kg/cm2の荷重を5時間かけ、荷重を
解放してから5時間後の復元状態により評価。
また、熱可塑性のアクリル樹脂を表面離型性保護層と
した転写箔を用いた場合に、同様の試験を行い性能を比
較した。得られた結果を表1に示す。
実施例 2 マット状の基体シートとして厚さ25μmのサンドマッ
トポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)
製)を用い、実施例1と同様にして転写箔を形成した。
得られた転写箔を実施例1と同様にアクリル樹脂板に転
写後基体シートを剥離した。このようにして得られた転
写体の表面離型性保護層は十分な耐擦傷性、耐摩耗性及
び柔軟性を有するとともに、マット感も有していた。
実施例 3 実施例1で生成したウレタンアクリレートと、青色の
顔料をポリウレタンで被覆した粒径分布5〜80μm、分
布の極大が約30μmのビーズ顔料と、溶剤として酢酸エ
チルとトルエンの1対1混合物とを以下の配合割合で混
合し、艶消し塗料とした。
ビーズ顔料 17重量部 ウレタンアクリレート 13重量部 酢酸エチルとトルエンの1対1混合物 10重量部 上記艶消し塗料を用いた以外、実施例1と同様にして
転写箔を形成した。得られた転写箔を実施例1と同様に
アクリル樹脂板に転写後、基体シートを剥離した。この
ようにして得られた転写体の表面離型性保護層は、十分
な耐擦傷性、耐摩耗性及び柔軟性を有するとともに、十
分な艶消し効果と軟らかい感触を有していた。
〔発明の効果〕
本発明の転写箔は硬さと柔軟性をあわせ持つ電離放射
線硬化離型性保護層を有するので、優れた耐擦傷性及び
耐摩耗性を有するとともに、柔軟性を有する転写体を与
えることができる。また得られた転写体はソフト感、湿
潤感を有する。さらに基体シートの積層面を鋭面状又は
マット状とすることにより、鋭面状又はマット状の転写
体が得られる。また、前記電離放射線硬化離型性保護層
中にビーズ顔料を含有させることにより、十分な艶消し
効果と軟らかい感触をもったスエード調の転写体が得ら
れる。
その上本発明の転写箔は電離放射線硬化型であるの
で、転写前又は後のいずれでも照射を行うことができ、
また転写前に電離放射線照射により硬化を行った場合で
も、離型性保護層に十分な柔軟性があるので、種々の形
状の被転写体に転写してもクラック等が生じることがな
いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による転写箔を示す断面図で
ある。 1……基体シート 2……離型性保護層 3……プライマー層 4……絵柄層 5……接着層

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体シート上に柔軟性を有する電離放射線
    硬化型樹脂からなる離型性保護層を積層してなり、前記
    電離放射線硬化型樹脂がジイソシアネートと、両末端に
    水酸基を有し重量平均分子量が200〜5000のジオール
    と、末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽
    和基を有するアクリレート系化合物とが結合してなるウ
    レタンアクリレートオリゴマーを含有することを特徴と
    する転写箔。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の転写箔において、前記離
    型性保護層の上に絵柄層及び接着層が積層されているこ
    とを特徴とする転写箔。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の転写箔において、
    前記離型性保護層がビーズ顔料を含有していることを特
    徴とする転写箔。
  4. 【請求項4】基体シート上に柔軟性を有する電離放射線
    硬化型樹脂からなる離型性保護層を積層してなり、前記
    電離放射線硬化型樹脂が(a)ジイソシアネートと、両
    末端に水酸基を有し重量平均分子量が200〜5000のジオ
    ールと、末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性
    不飽和基を有するアクリレート系化合物とが結合してな
    るウレタンアクリレートオリゴマーと、(b)1分子中
    に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有するモ
    ノマーとを含有することを特徴とする転写箔。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の転写箔において、前記離
    型性保護層の上に絵柄層及び接着層が積層されているこ
    とを特徴とする転写箔。
  6. 【請求項6】請求項4又は5に記載の転写箔において、
    前記離型性保護層がビーズ顔料を含有していることを特
    徴とする転写箔。
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