JP2808796B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents

軟磁性薄膜

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JP2808796B2
JP2808796B2 JP2046322A JP4632290A JP2808796B2 JP 2808796 B2 JP2808796 B2 JP 2808796B2 JP 2046322 A JP2046322 A JP 2046322A JP 4632290 A JP4632290 A JP 4632290A JP 2808796 B2 JP2808796 B2 JP 2808796B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Fe-N系の軟磁性薄膜に関するものであり、
特にその耐熱性の改善に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、Fe-N系材料に添加元素を加え同時に酸素を
導入することで、あるいは添加元素を特定の元素の組み
合わせとすることで、熱安定性に優れ、高飽和磁束密
度,低保磁力の軟磁性薄膜を提供しようとするものであ
る。
〔従来の技術〕
磁気記録の分野においては、高密度記録化,短波長記
録化が進められており、これに伴って磁気記録媒体には
高保磁力,高残留磁束密度を有することが要求され、一
方磁気ヘッド材には前記磁気記録媒体の特性を生かすべ
く高飽和磁束密度,高透磁率,低保磁力を有することが
要求される。
このような要求に応える軟磁性材料の一つとして、Fe
-N系材料が従来より知られており、これをスパッタリン
グ等の気相メッキ技術によって薄膜化して磁気ヘッドの
コア材として利用することが検討されている。
ところが、Fe-N系の軟磁性薄膜は、熱安定性に劣ると
いう欠点を有する。磁気ヘッドの製造工程においては、
信頼性を確保するために高融点を有するガラスを用いた
融着工程が不可欠であり、この工程には高温の熱処理を
必要とすることから、前記欠点は大きな問題となる。
このような状況から、Fe-N系の軟磁性薄膜の熱安定性
の改善に関しての研究も続けられており、例えば本願出
願人は、特開昭63-299219号において微量の第3元素を
導入することでFe-N系の軟磁性薄膜の熱安定性が改善さ
れることを開示した。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、磁気ヘッドを製造する上で融着に使用する
ガラスの融点は信頼性を確保する目的からなるべく高い
ことが好ましく、例えばバルク型の磁気ヘッドの場合、
通常550℃程度のガラス融着工程が採用されている。し
たがって、コア材として軟磁性薄膜を応用した場合に
も、同様に550℃程度のガラス融着工程が要望され、か
かる温度での熱処理後にも軟磁気特性に優れ高飽和磁束
密度を有する材料が要求されている。
そこで本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、Fe-N系の軟磁性薄膜の熱安定性のより
一層の改善を目的とし、例えば550℃程度のガラス融着
工程後にも優れた軟磁気特性,高飽和磁束密度を発揮す
る軟磁性薄膜を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前述の目的を達成せんものと鋭意研究
を重ねた結果、添加元素の導入と同時に酸素を導入する
ことが熱安定性の改善に有効であり、さらには特定の添
加元素を2種類組み合わせて導入することが同様に熱安
定性の改善に有効であるとの知見を得るに至った。
本発明はこのような知見に基づいて完成されたもので
ある。
すなわち、本発明の第1の発明は、 (FeaMb)100-c-dNcOd(ただし、a,b,c,dは組成を原子
%として表し、MはSi,Al,B,Mg,Ca,Sr,Ba,Cr,Mn,Zr,Ti,
Mo,V,W,Hf,Ga,Ge,希土類元素の少なくとも1種を表
す。)なる組成式で表され、その組成範囲が 0.1≦b≦5 a+b=100 0.5≦c≦15 0.1≦d≦13 であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の発明は、 (FeeMI fMII g)100-hNh(ただし、e,f,g,hは組成を原子
%として表し、MIはAl,Ga,Ti,希土類元素のうちの少な
くとも1種を、MIIはNb,Ta,V,Zr,Hfのうちの少なくとも
1種をそれぞれ表す。)なる組成式で表され、その組成
範囲が 0.1≦f≦2.5 0.1≦g≦2.5 e+f+g=100 0.5≦h≦15 であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の第3の発明は、 (FeiMI jMII k)100-m-nNmOn(ただし、i,j,k,m,nは組成
を原子%として表し、MIはAl,Ga,Ti,希土類元素のうち
の少なくとも1種を、MIIはNb,Ta,V,Zr,Hfのうちの少な
くとも1種をそれぞれ表す。)なる組成式で表され、そ
の組成範囲が 0.1≦j≦2.5 0.1≦k≦2.5 i+j+k=100 0.5≦m≦15 0.1≦n≦13 であることを特徴とするものである。
前記各組成は、軟磁気特性,飽和磁束密度等を考慮し
て決められたものであるが、特に酸素の導入する場合、
その導入量は0.1〜13原子%とする。酸素の導入量が少
なすぎても、逆に多すぎても熱安定性改善の効果が期待
できず、例えばアニール処理した後の保磁力Hcが大きな
値を示すようになる。
また、添加元素のうち、特にAl,Ga,Ti,希土類元素の
うちの少なくとも1種と、Nb,Ta,V,Zr,Hfのうちの少な
くとも1種を組み合わせることで、やはり熱安定性の向
上が見られるが、この場合はFeの一部をこれら元素でそ
れぞれ0.1〜2.5原子%の割合で置換することが好まし
い。いずれか一方でも置換量が少なすぎると組み合わせ
た意味が薄れ、期待する効果が得られない。逆にこれら
両者の置換量が多すぎると、相対的にFeの割合が少なく
なりすぎて軟磁気特性や飽和磁束密度に悪影響を及ぼす
虞れがある。
上述の軟磁性薄膜は、スパッタリング等の薄膜形成技
術により作成されるが、添加元素の導入方法としては、
まず目的の元素とFeとの合金を調製し、この合金をター
ゲット,蒸着源として使用する方法が考えられる。ある
いは、Feターゲットの上に各元素のチップを置いて同時
にスパッタリングするようにしてもよい。
また、窒素や酸素の導入方法としては、窒化物,酸化
物をターゲット,蒸着源として使用する方法も考えられ
るが、通常は雰囲気中に窒素,酸素を導入することで達
成される。
本発明を適用した軟磁性薄膜は、単層膜であってもよ
いし、パーマロイ等の磁性金属や、Ag,Cu等の非磁性金
属、さらにはSi-N,SiO2等のセラミクス材料等で分断し
て積層構造とした多層膜であってもよい。
上述の軟磁性薄膜は、いわゆるメタル・イン・ギャッ
プ型の磁気ヘッド等において、フェライト上に膜付けし
て磁気コアとされ、これら磁気コアをガラス融着により
一体化することで磁気ヘッドとして構成されるのが一般
的である。
このとき、ガラス融着の際の加熱によって本発明の軟
磁性薄膜とガラスあるいは軟磁性薄膜とフェライトとの
反応が問題となる虞れがある。
したがって、本発明の軟磁性薄膜をメタル・イン・ギ
ャップ型の磁気ヘッド等に適用する場合には、ガラスと
軟磁性薄膜の間,あるいはフェライトと軟磁性薄膜の間
にシリコン酸化物,シリコン窒化物の非常に薄い膜を反
応防止膜として設けることが好ましい。特にガラスと軟
磁性薄膜の間の反応防止膜は、シリコン酸化物膜,シリ
コン窒化物膜と金属クロム膜,クロム化合物膜との積層
膜とすることが有効である。
前記シリコン酸化物膜やシリコン窒化物膜は、やはり
スパッタリング等の薄膜形成技術によって形成される
が、その膜厚はフェライトと軟磁性薄膜との間の反応防
止膜では30〜100Åとすることが好ましい。当該反応防
止膜の厚さが30Å未満であると反応を十分に抑えること
ができず、逆に100Åを越えると擬似ギャップとして作
用する虞れがある。ガラスと軟磁性薄膜の間の反応防止
膜では、30Å〜500Åとすることが好ましい。30Å未満
であるとやはり反応を十分に抑えることができない。上
限については特に規定する必要はないが、生産性等の観
点から500Å以下とすることが望ましい。金属クロム
膜,クロム化合物膜は、ガラスとの接合強度を確保する
こと等を目的として設けられるもので、やはりスパッタ
リング等の薄膜形成技術によって形成されるが、その膜
厚は前記シリコン酸化物膜やシリコン窒化物膜の場合と
同様の理由から30Å〜500Åとすることが好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
実施例1 本実施例は、Fe-N系軟磁性薄膜に添加元素並びに酸素
を導入した例である。
先ず、Fe-Al合金,Fe-Nb合金よりなるターゲットを準
備し、窒素ガス及び酸素ガスを含むアルゴン雰囲気中で
RFスパッタリングを行い、第1表に示す組成を有する薄
膜を作成した。
なお、スパッタリングの条件は、出力300 W,ガス圧
(全圧)1.2mTorrとし、薄膜の膜厚は3μmとした。
また、膜中の窒素含有量,酸素含有量は、雰囲気中へ
の窒素ガス,酸素ガスの導入量で制御した。第1図はス
パッタリング雰囲気中の窒素ガス量と膜中の窒素含有量
の関係を、第2図はスパッタリング雰囲気中の酸素ガス
量と膜中の酸素含有量の関係をそれぞれ示すものであ
り、これら図を見てもわかるように、雰囲気中の窒素,
酸素の量をコントロールすることでほぼ比例関係で膜中
の窒素,酸素の含有量を増減することができる。
各膜中の窒素あるいは酸素の含有量は、インナートガ
スフュージョン法により測定した。すなわち、Ni基板
(10mm×20mm×3mm,重量約0.5g)に蒸着(スパッタリン
グ)した試料をグラファイトルツボに入れ、インパルス
ファーネスで2500℃に加熱した。このとき、酸素はカー
ボンと反応して一酸化炭素になり、窒素はそのまま抽出
される。次いで、抽出したガスをヘリウムキャリヤーガ
スで押し流し、酸化銅で前記一酸化炭素を二酸化炭素に
転換し、窒素とこの二酸化炭素を分離管でクロマト式に
分離した。これを熱伝導度検出器で検出して次式に従っ
て算出した。
A:付着後重量(Ni+膜) B:付着重量(膜) C:付着後中のNあるいはOの含有量(Ni+膜) D:付着量中のNあるいはOの含有量(膜) 得られた各サンプルについて、550℃,1時間のアニー
ル処理後の保磁力Hcを測定した。結果を第1表に示す。
例えば、サンプルIとサンプルIIIを比べてみれば明
らかなように、酸素を導入することによりアニール後の
保磁力が低下している。ただし、添加元素を導入せず酸
素の導入だけであると、サンプルVに示す通り熱処理後
の軟磁気特性は期待できない。
実施例2 本実施例は、特定の元素を組み合わせて添加した例で
ある。
なお、本実施例でもスパッタリング条件は実施例1と
同様とし、窒素ガスを含むアルゴン雰囲気中でスパッタ
リングを行ってサンプルを作成した。
第3図は、膜組成を (Fe98.6-xAlxNb1.4)94N6 としたときのAlの添加量xと保磁力Hc(550℃のアニー
ル処理後の値)の関係を示すものであり、Alの添加とと
もに保磁力Hcが低下していることがわかる。ただし、Al
の添加量xが多くなりすぎると再び保磁力Hcが増加して
おり、特に2.5原子%を越えるとその傾向が著しい。
一方、第4図は、膜組成を (Fe98.8-xAl1.2Nbx)94N6 としたときのNbの添加量xと保磁力Hc(550℃のアニー
ル処理後の値)の関係を示すものであり、やはりNbの添
加とともに保磁力Hcが低下していることがわかる。
すなわち、これらを突き合わせて考えると、アニール
後にも低保磁力を保つにはAlとNbとを組み合わせること
が有効であると言える。
また、金属の組成を固定して窒素の導入量を変えて保
磁力Hcの変化を調べた。膜組成は次の通りである。
(Fe97.4Al1.2Nb1.4)100-xNx 結果を第5図に示す。低保磁力を達成するためには、
前記添加元素の選定と同時に、窒素を導入することが必
要であることがわかる。
典型的な例として、 (Fe97.4Al1.2Nb1.4)94N6 なる膜を作成し、その特性を調べたところ、550℃で
のアニール後の保磁力Hcは0.6(Oe)、飽和磁束密度は1
9(kG)であった。
さらに、この膜(各500Å)とSi-N膜(各10Å)とを
繰り返し積層し、トータルで3μmの多層膜を作成して
その軟磁気特性を調べたところ、550℃,1時間アニール
後の保磁力が0.2(Oe)であった。
また、ここでAlをGa,Tiあるいは希土類元素に、NbをT
a,V,ZrあるいはHfにそれぞれ置き換えても、ほとんど同
じ磁気特性が得られた。
実施例3 本実施例は、特定の元素を組み合わせて添加すると同
時に、酸素も導入した例である。
なお、本実施例でもスパッタリング条件は実施例1と
同様とし、窒素ガス及び酸素ガスを含むアルゴン雰囲気
中でスパッタリングを行ってサンプルを作成した。
第6図は、Nbと同時にAlを添加したサンプルについて
Alの添加量xと保磁力Hc(550℃のアニール処理後の
値)の関係を示すものであり、図中白丸が酸素を含まな
い場合、黒丸が酸素を含む場合の特性をそれぞれ示す。
それぞれの組成式は以下の通りである。
(Fe98.6-xAlxNb1.4)94N6 (Fe98.6-xAlxNb1.4)92N6O2 また、第7図はNbと同時にAlを添加したサンプルにつ
いてNbの添加量xと保磁力Hc(550℃のアニール処理後
の値)の関係を示すものであり、図中白丸が酸素を含ま
ない場合、黒丸が酸素を含む場合の特性をそれぞれ示
す。それぞれの組成式は以下の通りである。
(Fe98.8-xAl1.2Nbx)94N6 (Fe98.8-xAl1.2Nbx)92N6O2 これら図面を見ても明らかなように、実施例2と同
様、AlとNbの同時添加が有効であり、特に酸素を導入し
た場合に全般に低い保磁力を示している。
AlをGa,Tiあるいは希土類元素に、またNbをTa,V,Zrあ
るいはHfに置き換えた場合にも、ほとんど同様の軟磁気
特性を示した。
一方、第8図は窒素の含有量とアニール後の保磁力の
関係を、第9図は酸素の含有量とアニール後の保磁力の
関係を示すものである。いずれの場合も、金属の組成は
Fe97.4Al1.2Nb1.4に固定した。また、第8図において、
白丸で表される線は窒素のみを導入したもの、黒丸で表
される線は窒素と酸素(2原子%)を導入したものであ
る。同様に、第9図において、白丸で表される線は酸素
のみを導入したもの、黒丸で表される線は窒素(6原子
%)と酸素を導入したものである。
これら第8図,第9図から、窒素あるいは酸素の導入
が軟磁気特性に影響を及ぼすことは明らかであり、特に
窒素と酸素を同時に導入することで低保磁力化が達成さ
れていることがわかる。
そこで典型的なサンプルについて、その軟磁気特性
(550℃,1時間アニール後の保磁力Hc)並びに飽和磁束
密度Bsを測定した。結果を第2表に示す。
いずれのサンプルも非常に良好な軟磁気特性を示し、
また飽和磁束密度も高い値であった。
さらに、主磁性膜として前記サンプルiを使用して多
層膜を作成し、その軟磁気特性についても調べた。各サ
ンプルの主磁性膜の膜厚、中間層の種類及び膜厚、全体
の膜厚、並びに各サンプルを550℃で1時間アニールし
た後の保磁力Hcを第3表に示す。
積層膜とした場合にも非常に良好な軟磁気特性が達成
されている。
応用例1 本例では、メタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドへ
の応用を考慮して、本発明を適用した軟磁性薄膜と融着
ガラスとの界面反応について調べた。
ここで使用した軟磁性薄膜の組成は、 (Fe97.4Al1.2Nb1.4)92N6O2 である。(先の第2表中のサンプルi) 前述の組成を有する軟磁性薄膜をMn-Znフェライトコ
ア上にスパッタ成膜した後、SiO2膜あるいはSiO2下地膜
+Cr膜からなる反応防止膜を設けた。そして、その上に
融着ガラス材をスパッタ成膜して560℃,1時間の熱処理
を施して、オージェ電子分光法により反応の様子を調べ
た。
また、比較のために軟磁性薄膜上に直接融着ガラス材
をスパッタ成膜し、同様に560℃,1時間の熱処理を施
し、そのときの反応の様子を調べた。
第10図(A)及び第10図(B)は、反応防止膜がSiO2
膜(膜厚500Å)である場合の融着ガラス材表面側から
軟磁性薄膜側への組成プロファイルを示すもので、第10
図(A)は熱処理前、第10図(B)は熱処理後である。
これら図面を見てもわかるように、SiO2膜を設けたこ
とで、軟磁性薄膜中のFeはほとんどガラス中へは拡散し
ていない。
第11図(A)及び第11図(B)は、反応防止膜がSiO2
下地膜(膜厚100Å)+Cr膜(膜厚100Å)である場合の
組成プロファイルを示すもので、第11図(A)は熱処理
前、第11図(B)は熱処理後である。
この場合には、Cr膜は融着ガラス材中へ拡散してガラ
ス成分(Cr2O3)となっているが、軟磁性薄膜中のFeは
やはりガラス中へは拡散していない。なお、Cr膜のガラ
ス中への拡散は、接着性を考えた場合には好ましい現象
であり、これによって軟磁性薄膜と融着ガラス材との接
合強度が確保される。
第12図(A)及び第12図(B)は、反応防止膜がSiO2
下地膜(膜厚100Å)+Cr膜(膜厚500Å)である場合の
熱処理前後の組成プロファイルを示すものであり、この
場合にも同様に軟磁性薄膜中のFeの拡散は見られない。
一方、第13図(A)及び第13図(B)は、軟磁性薄膜
上に直接融着ガラス材をスパッタ成膜した場合の熱処理
前後の組成プロファイルを示すものであるが、軟磁性薄
膜と融着ガラス材が接していると軟磁性薄膜中のFeがガ
ラス中へ拡散しFe2O3となっていることがわかる。
同様の実験をSiO2膜の代わりにSi3N4膜を配した場合
について行ったところ、やはり軟磁性薄膜中のFeの拡散
が抑えられることが確認された。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、Fe-N系の軟磁性薄膜に添加元素を加えると同時に酸
素を導入しているので、熱安定性が大幅に向上され、55
0℃程度のアニール処理後にも低保磁力の軟磁性薄膜の
提供が可能である。
同様に、Fe-N系の軟磁性薄膜に特定の添加元素を組み
合わせて導入することによっても低保磁力を有する軟磁
性薄膜の提供が可能であり、さらにこれに酸素を導入す
ることで著しく軟磁気特性に優れ熱安定性に優れた軟磁
性薄膜の提供が可能である。
すなわち、本発明のいずれの発明によっても、軟磁気
特性に優れ、高飽和磁束密度を有し、しかも熱安定性に
優れた軟磁性薄膜を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はスパッタリング雰囲気中への窒素の導入量と膜
中の窒素含有量の関係を示す特性図であり、第2図はス
パッタリング雰囲気中への酸素の導入量と膜中の酸素含
有量の関係を示す特性図である。 第3図はAlとNbを同時添加した場合のAlの添加量による
保磁力の変化を示す特性図であり、第4図はAlとNbを同
時添加した場合のNbの添加量による保磁力の変化を示す
特性図、第5図はAlとNbを同時添加した場合の窒素含有
量による保磁力の変化を示す特性図である。 第6図は窒素と酸素を導入し且つAlとNbを同時添加した
場合のAlの添加量による保磁力の変化を示す特性図であ
り、第7図はNbの添加量による保磁力の変化を示す特性
図、第8図は窒素の含有量による保磁力の変化を示す特
性図、第9図は酸素の含有量による保磁力の変化を示す
特性図である。 第10図(A)及び第10図(B)は軟磁性薄膜と融着ガラ
スの間にSiO2膜を設けた場合の熱処理による組成プロフ
ァイルの変化を示す特性図であり、第10図(A)は熱処
理前、第10図(B)は熱処理後である。 第11図(A)及び第11図(B)は軟磁性薄膜と融着ガラ
スの間にSiO2膜+Cr膜(膜厚100Å)を設けた場合の熱
処理による組成プロファイルの変化を示す特性図であ
り、第11図(A)は熱処理前、第11図(B)は熱処理後
である。 第12図(A)及び第12図(B)は軟磁性薄膜と融着ガラ
スの間にSiO2膜+Cr膜(膜厚500Å)を設けた場合の熱
処理による組成プロファイルの変化を示す特性図であ
り、第12図(A)は熱処理前、第12図(B)は熱処理後
である。 第13図(A)及び第13図(B)は軟磁性薄膜上に直接融
着ガラスを成膜した場合の熱処理による組成プロファイ
ルの変化を示す特性図であり、第13図(A)は熱処理
前、第13図(B)は熱処理後である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 和彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 梶原 和夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−298238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 10/14 C22C 38/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(FeaMb)100-c-dNcOd(ただし、a,b,c,dは
    組成を原子%として表し、MはSi,Al,B,Mg,Ca,Sr,Ba,C
    r,Mn,Zr,Ti,Mo,V,W,Hf,Ga,Ge,希土類元素の少なくとも
    1種を表す。)なる組成式で表され、その組成範囲が 0.1≦b≦5 a+b=100 0.5≦c≦15 0.1≦d≦13 であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】(FeeMI fMII g)100-hNh(ただし、e,f,g,hは
    組成を原子%として表し、MIはAl,Ga,Ti,希土類元素の
    うち少なくとも1種を、MIIはNb,Ta,V,Zr,Hfのうち少な
    くとも1種をそれぞれ表す。)なる組成式で表され、そ
    の組成範囲が、 0.1≦f≦2.5 0.1≦g≦2.5 e+f+g=100 0.5≦h≦15 であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】(FeiMI jMII k)100-m-nNmOn(ただし、i,j,
    k,m,nは組成を原子%として表し、MIはAl,Ga,Ti,希土類
    元素のうち少なくとも1種を、MIIはNb,Ta,V,Zr,Hfのう
    ち少なくとも1種をそれぞれ表す。)なる組成式で表さ
    れ、その組成範囲が 0.1≦j≦2.5 0.1≦k≦2.5 i+j+k=100 0.5≦m≦15 0.1≦n≦13 であることを特徴とする軟磁性薄膜。
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