JP2808479B2 - 耐酸性複合分離膜の製造方法 - Google Patents

耐酸性複合分離膜の製造方法

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JP2808479B2 JP2172639A JP17263990A JP2808479B2 JP 2808479 B2 JP2808479 B2 JP 2808479B2 JP 2172639 A JP2172639 A JP 2172639A JP 17263990 A JP17263990 A JP 17263990A JP 2808479 B2 JP2808479 B2 JP 2808479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐酸性複合分離膜の製造方法に関し、特に有
機酸を含む水溶液から水を選択的に分離することができ
る耐酸性複合分離膜の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
有機酸を含む水溶液から水を選択的に分離することが
できる耐酸性の分離膜としては有機高分子膜(ポリイミ
ド系、テフロン系)、無機多孔質膜がある。前者は分離
係数は大きいが透過速度が小さく、かつ耐熱性が悪いの
で比較的低温でしか使用できないという不具合があり、
後者は透過速度が大きく耐熱性はあるが分離係数が小さ
いという不具合があった。
無機多孔質膜としては無機多孔体を基材とし、その表
面に分離機能を有する無機膜を担持した膜がある。その
例としては、化学工学協会第54年会において広島大学工
学部教授浅枝正司らが発表した方法により製造した無機
膜がある。この製造方法は次のとおりである。
無機多孔体としては第1図に示すように種々のものが
ある。しかしながら、無機多孔体の細孔径が大きくある
とシリカゲルの前駆体であるシリカゾルの必要担持量が
多く、かつクラックが発生しやすくなり、また細孔径が
小さすぎると透過性能を低下させるので細孔径が100〜1
0,000Å程度の無機多孔体を使用することが好ましい。
特に、細孔径1,000Å以上の発泡シリカ、焼結アルミナ
及びムライト等が好ましく使用される。
一般に、シリカゲルの製法としては、次の方法があ
る。
(1) 水ガラス溶液に大量のNaCl,Na2SO4等の塩を添
加し、更に酸で中和して白色粉末状のシリカゲルを得る
水ガラス溶液からの沈澱法 (2) SiCl4を水蒸気流中で燃焼させてSiO2ガスを生
成させ、これを捕集するSiCl4燃焼法 (3) SiO2を1,700℃付近で蒸発させ、これを凝縮さ
せるSiO2蒸気凝集法 しかしながら、これらの方法によって得られたSiO2
子を数十μm程度の薄膜にコーティングし、更に10〜30
Å程度の多孔質のものとすることは極めて困難である。
浅枝らの提案した方法はシリカゾルを加水分解してシ
リカゲルを製造する方法である。これはシリカゲルの前
駆体となるシリカゾルとして、例えばエトキシシラン
基、メトキシ基等を含むアルコキシシランを加水分解し
て得られるものを使用する。
これらのアルコキシシランの例としては、テトラエト
キシシラン{ケイ酸エチル、SiO(C2H5}、テトラ
メトキシシラン{ケイ酸メチル、SiO(OCH3}等が
あり、これらはいずれも分離対象となる有機酸混合物に
より分離性能が相違するため使い分けられている。
分離膜として使用するシリカゲル膜は原料のテトラエ
トキシシラン等を水で加水分解し、重縮合反応を未完成
のまま途中で停止して活性基として−OHを残存する状態
でゲル化することにより分離膜として使用することに特
徴がある。
テトラエトキシシランの反応の例を以下に示す。
テトラエトキシシラン等を加水分解した後、800℃以
上に加熱すると−OH基が完全になくなり−Si−O−の結
晶構造を有するガラスとなるが、この製法は既に知られ
ている。
この重縮合反応の進行度合は見かけ上はゾルの粘度で
判断できる。例えば、後記の第4図のゾル(1−A),
(1−B),(1−C)を選択して適正に担持すること
によりゲルの細孔径を制御することが可能である。
一般に、加水分解状態のゾルを室温で放置すると約17
0時間で完全にゲル化し、80℃では約40〜120分程度でゲ
ル化する。従って、安定した膜を製造するためには、こ
のゲル化反応(重縮合反応)を凍結する必要がある。そ
こで、ゾルを担持した後の無機多孔体を200℃以上で焼
成する。この焼成が不十分な場合、製造したゲル中に−
C2H5基が残存し耐酸性が不安定な膜となる。
無機多孔体の細孔内にシリカゾルを担持させる方法は
任意の方法が採用できるが、そのシリカゾルを安定した
シリカゾル膜とするには適正な操作条件がある。その一
例として、化学工学協会第54年会において発表された
「無機多孔質薄膜による有機酸/水系混合物の分離」が
ある。その方法は以下の通りである。
テトラエトキシシランと酸触媒を常温の水中に加え
てシリカゾルを調製する。その組成を第1表に示す。
無機多孔体よりなる管を前記シリカゾル中に浸漬
し、該多孔体の細孔内及びその管外壁に重縮合反応によ
りゲルを形成させる。
重合が終了した後、シリカゾル溶液から該多孔体を
取り出し室温で放置して表面を乾燥させる。
200℃の乾燥器内で該多孔体を乾燥する。
上記操作をシリカゾル1及び2についてそれぞれ2
〜3回繰り返す。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記、化学工学協会第54年会において発表された「無
機多孔質薄膜による有機酸/水系混合物の分離」におい
て提案された方法により製造した分離膜を使用して、ア
クリル酸水溶液の分離実験を行った。その結果を第14図
に示す。経過時間の増加により分離性能αが低下してい
る。
本発明は上記技術水準に鑑み、従来の分離膜における
ような不具合がなく、耐酸性、耐熱性耐圧性があり、か
つ透過速度及び分離係数ともに実用上満足できる性質を
有する分離膜を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は無機多孔体の細孔内に、エトキシ基またはメ
トキシ基を含むアルコキシシランの加水分解を経て得ら
れたシリカゲルを担持してなる耐酸性複合分離膜の製造
方法において、 (1) シリカゾルの原料であるアルコキシシランと水
と酸触媒の混合割合を変化させて製造する複数の種類の
シリカゾルの調製条件において、担持するシリカゾルの
原料調合割合をシリカゾル1用とシリカゾル2用の2種
類に区別し、 (2) シリカゾル1用原料のアルコキシシランに対す
る水の重量比を0.5〜2.0とし、かつ、反応触媒として、
アルコキシシランに対する酸触媒の重量比を0.01〜0.1
とし、 (3) シリカゾル2用原料のアルコキシシランに対す
る水の重量比を2.0〜50とし、かつ、反応触媒として、
アルコキシシランに対する酸触媒の重量比を0.01〜0.5
とし、 (4) 前記シリカゾル1用原料を沸騰状態に保持し、
沸騰開始後約25分、約20分及び約15分の液をそれぞれ、
1−A、1−B及び1−C液とし、 (5) 前記シリカゾル2用原料を常温で30分〜90分間
撹拌・混合してシリカゾル2を製造し、 (6) 多孔質基材の表面上に前記シリカゾル1−A液
を担持した後、該多孔質基材を約200℃に設定した電気
炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔体を約300℃に設
定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材
を約400℃に設定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次
に該多孔質基材を約500℃に設定した電気炉内で5〜15
分間焼成し、 (7) 該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基材の
表面に更にシリカゾル1−A液を担持した後、前記
(6)の操作を2〜3回繰り返し、 (8) 次に該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基
材の表面上に更にシリカゾル1−B液を使用して上記
(6)〜(7)と同様の処理を行い、 (9) 次に該シリカゾル1−B液を担持した多孔質基
材の表面上にシリカゾル1−C液を使用して上記(6)
〜(7)と同様の処理を行い、 (10) 次に前記シリカゾル1−A、1−B及び1−C
液を担持してなる多孔質基材の表面上に前記シリカゾル
2液を担持し、該多孔体を約200℃に設定した電気炉内
で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材を約300℃に設
定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材
を約400℃に設定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次
に該多孔質基材を約500℃に設定した電気炉内で5〜15
分間焼成し、 (11) 該シリカゾル2液を担持した多孔質基材の表面
に更にシリカゾル2液を担持した後、前記(10)の操作
を2〜3回繰り返す ことを特徴とする耐酸性複合分離膜の製造方法である。
第2表にシリカゾル調製の薬剤の組成を示す。
シリカゾル1は沸騰後の保持時間により第4図の性状
を示す。時間経過に伴ってゾルの重縮合が進み、そのゾ
ルを基材に担持して加熱した後に形成されるシリカゲル
の細孔径が小さくなる。従って重縮合の度合を選択する
ことにより分離膜の特性を変化できる。
シリカゾル2は第5図に示すように粘度変化が小さい
(25℃において)が、数千時間後に急激に重縮合が進ん
で高粘度の液になる。
本発明は複数のシリカゾル1を製造{第4図に示す実
施例では(1−A)、(1−B)及び(1−C)液の3
種類}し、該シリカゾル1を多孔質基材表面に順次担持
することにより細孔径を調整し、さらに選択分離機能を
有するシリカゾル2をその表面に担持することにより、
安定した耐酸性複合分離膜を製造する方法を提案するも
のである。
すなわち、本発明は以下の方法で製膜を行う。
第2表のシリカゾル1の組成の薬剤を使用して第4
図に示す数種類の粘度(細孔径)のゾルを調製する。一
例としては、シリカゾル1用原料を沸騰状態に保持し、
沸騰開始後約25分、約20分及び約15分の液をそれぞれ、
1−A、1−B及び1−C液とする。
次に、第2表のシリカゾル2の組成の薬剤を使用し
て常温で約30分〜90分間撹拌・混合してシリカゾル2を
製造する。
多孔質基材(第1図参照)の表面上に前記シリカゾ
ル1−A液を担持した後、該多孔質基材を約200℃に設
定した電気炉内で約5〜15分間焼成し、次に該多孔体を
約300℃に設定した電気炉内で約5〜15分間焼成し、次
に該多孔体を約400℃に設定した電気炉内で約5〜15分
間焼成し、次に該多孔質基材を約500℃に設定した電気
炉内で約5〜15分間焼成する。
該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基材の表面
に更にシリカゾル1−A液を担持した後、前記の操作
を2〜3回繰り返す。
次に該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基材の
表面上に更にシリカゾル1−B液を使用して上記〜
と同様の処理を行う。
次に該シリカゾル1−B液を担持した多孔質基材の
表面上にシリカゾル1−C液を使用して上記〜と同
様の処理を行う。
次に前記シリカゾル1−A、1−B及び1−C液を
担持してなる多孔質基材の表面上に前記シリカゾル2液
を担持し、該多孔体を約200℃に設定した電気炉内で約
5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材を約300℃に設定
した電気炉内で約5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材
を約400℃に設定した電気炉内で約5〜15分間焼成し、
次に該多孔質基材を約500℃に設定した電気炉内で5〜1
5分間焼成する。
該シリカゾル2液を担持した多孔質基材の表面に更
にシリカゾル2液を担持した後、前記の操作を2〜3
回繰り返す。
上記の処理温度、時間、回数等の最適条件は、シリカ
ゾルの状態により相違する。例えば、加水分解の速度
は、テトラエトキシシランに対する水の割合(H2O/Si
(OC2H5=r)に大きく影響する。例えば、80℃に
おけるシリカゾル1の粘度に及ぼすrの影響を第6図に
示す。シリカゾル1に対してはr=0.5〜2.0が工業的に
適用できる条件であり、好ましくは1.0〜2.0である。
また、第7図にゲルの粒径に及ぼす酸の量を示す。多
孔質基材の孔径は0.01〜1.0μm程度のものが使用され
る。従って、シリカゾル1を焼成して生成するシリカゲ
ル1の粒径が基材の細孔径より小さい場合には、多孔質
基材の細孔内にゲルが充填されて細孔容積を減少させ、
その結果、分離膜としての透過量が減少し性能低下とな
る。そのため、エトキシシランに対する酸触媒の重量比
は0.01〜0.1にすべきである。一方、シリカゾル2は、
多孔質基材の最上表面に担持され、焼成してゲル化した
後、微細な細孔が分離性能に関与するものであり、約0.
001〜0.01μmの細孔径に設定する必要がある。そのた
め、シリカゲルの粒径を制御するためにはエトキシシラ
ンに対する酸触媒の重量比は0.01〜0.5にすべきであ
り、特に0.2以下にすることが好ましい。
なお、本実施例では酸として硝酸HNO3を使用したが、
塩酸等の酸を使用しても同様な効果が得られる。
前述のように、組成により加水分解速度および重縮合
速度が変化する。従って、第2表以外の組成でもシリカ
ゲルの製造は可能であるが、工業的規模による製膜時
間、シリカゲル膜としての分離性能に必要な細孔径等か
ら、本発明による条件が適正であると考えられる。
また、焼成温度変化についても、約100℃から約500℃
に昇温する過程を段階的でなく保持時間をもちながら連
続的に昇温しても問題はない。
更にまた、本発明で使用する無機多孔体としては第1
図に示した何れのものも使用できるが、特に、細孔径1,
000Å以上の発泡シリカ、焼結アルミナ及びムライト等
が好ましく使用できる。
以上、本発明と従来の技術の相違をとりまとめると以
下の通りである。
1) 重縮合反応速度の緩和 シリカゾル1の調整において、酸触媒、例えば硝酸の
割合を減少させて重縮合反応を穏やかに進め製膜条件を
安定化させる。
2) 加水分解速度の加速 シリカゾル2の調整において、酸触媒、例えば硝酸の
割合を増加した製膜時間を短縮する。
3) シリカゾルの焼成温度を高温化 シリカゾルを100℃から徐々に昇温し、最終的に500℃
で焼成することにより−C2H5基の残存をなくすることに
より耐酸性を向上する。
〔作用〕 シリカゲル膜の構造は下記のようになっている。
ここで、−OH基にH2Oが選択的に吸着され、他成分は
シリカゲル膜の細孔内に侵入することを妨害される。一
方、−OH基に吸着されたH2Oは細孔内を移動し減圧され
た側で真空蒸発する。
以上のようにして、シリカゲル膜の−OH基により、有
機酸中のH2Oが選択的に分離・除去される。この状態の
模式図を第2図に示す。
以下、本発明の一実施例を示す。
〔実施例〕
基材の無機多孔体として、日本ガイシ(株)製セラミ
ック管(平均細孔径0.5μm、外径10mm、長さ500mm)を
使用し、以下の処理を行った。
(1) シリカゾル1の調製 ビーカ内に第4表に示す組成の薬剤をいれ、常温でス
ターラで急速撹拌・混合した。撹拌を継続したまま、80
℃(沸騰状態)に予熱すると発熱反応を開始し、約20〜
25分で粘度が急速に高くなる。沸騰開始後25分、20分、
15分の液をそれぞれ冷却し、1−A、1−B、1−C液
とする。1−C液はやや粘度が高い液であり、1−B液
はさらに粘度が高く、常温に冷却するとゼリー状の液で
ある。1−A液は常温冷却により固化する状態にある。
(2) シリカゾル2の調製 ビーカ内に第4表に示す組成の薬剤を入れ、常温でス
ターラにより60分間撹拌・混合し、シリカゾル2とし
た。
(3) シリカゾルの担持方法 1) シリカゾル1液の担持 無機多孔体よりなる管を前記シリカゾル(1−A)
液中に浸漬して該多孔体表面にシリカゾルを担持した。
該多孔体を200℃に設定した電気炉内で10分間焼成
した。
次に該多孔体を300℃に設定した電気炉内で10分間
焼成した。
次に該多孔体を400℃に設定した電気炉内で10分間
焼成した。
次に該多孔体を500℃に設定した電気炉内で10分間
焼成した。
上記〜の操作を2回繰り返した。
次に1−B液を使用して上記〜の処理を行っ
た。
次に1−C液を使用して上記〜の処理を行っ
た。
2) シリカゾル2液の担持 次にシリカゾル2液を使用して上記〜の処理を行
った。
上記の方法によって製作したシリカゲルを担持したセ
ラミック管を使用し、第3図に示す装置を使用して有機
酸/水の分離実験を行った。
内径30mmの循環式ガラス容器1内に有機酸水溶液350c
cを入れ、モータ2の回転により液を循環させながらヒ
ータ3により昇温し、熱電対により測温しながら温度調
節器5により液温を一定に制御した。
所定温度に達した後、真空ポンプ(図示省略)を作動
させて、ゲルを担持したセラミックス管6の内部を1Tor
rに吸引した。セラミックス管6を透過したガスは、液
体窒素で冷却されたガラス容器7内に凝縮させ、その重
量を計測することにより分離性能を測定した。なお、第
3図中、8はコンデンサである。
その結果を第8〜13図に示す。
ここで、分離係数α={(1−y)/y}/{(1−x)/x} x:原料中の溶剤の組成(モル%) y:透過ガス中の溶剤の組成(モル%) 無機多孔体のみの膜の場合には、分離性能が全然なか
った。
(実験例1) 酢酸/水の分離実験 第8図は酢酸/水系における上流側の酢酸濃度と水・
酢酸の透過量及び透過ガス中の酢酸濃度の相関を示す図
表、第9図は酢酸/水系における上流側酢酸濃度と分離
係数の相関を示す図表である。
(実験例2) アクリル酸/水の分離実験 第10図はアクリル酸/水系における上流側のアクリル
酸濃度と水・アクリル酸の透過量及び透過ガス中のアク
リル酸濃度の相関を示す図表、第11図はアクリル酸/水
系における上流側アクリル酸濃度と分離係数の相関を示
す図表である。
(実験例3) プロピオン酸/水の分離実験 第12図はプロピオン酸/水系における上流側のプロピ
オン酸濃度と水・プロピオン酸の透過量及び透過ガス中
のプロピオン酸濃度の相関を示す図表、第13図はプロピ
オン酸/水系における上流側プロピオン酸濃度と分離係
数の相関を示す図表である。
(実験例4) 第14図はアクリル酸/水系の長時間(110時間)連続
分離実験の結果を示す図表である。図中○印は、化学工
学協会第54年会で発表した方法で製造した分離膜を使用
して行った実験結果を示し、□印は本発明の実施例で示
す方法で製造した分離膜を使用し、第3図の実験装置で
行った分離実験結果を示す。
この結果、本発明の実施例で示す方法で製造した分離
膜は膜性能の変化は全く認められないことが明である。
〔発明の効果〕
本発明方法で製造された耐酸性複合分離膜は有機酸/
水混合物から水を高分離性能で、しかも高透過流束で分
離することが可能であり、さらに本発明分離膜の製造方
法も容易であることから、本発明は工業上極めて有益で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明において使用しうる無機多孔体の種類と
その細孔径の関係を示す図表、第2図は本発明で製造し
た耐酸性複合分離膜の水の選択分離の原理を説明する模
式図、第3図は本発明で製造した耐酸性複合分離膜によ
る有機酸を含む水溶液から水を選択的に分離するのに使
用した実験装置の概略図、第4〜第13図は本発明の実施
例で製造した耐酸性複合分離膜を使用して酢酸/水、ア
クリル酸/水、プロピオン酸/水系における分離特性を
示す図表、第14図はアクリル酸/水系の長時間連続実験
の結果を本発明の実施例で製造した耐酸性分離膜及び化
学工学協会54年会で発表した方法で製造した耐酸性分離
膜を使用して比較した図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−145414(JP,A) 特開 昭59−22927(JP,A) 特開 昭57−3735(JP,A) 特開 平2−31824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/02 C01B 33/141 C08J 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機多孔体の細孔内に、エトキシ基または
    メトキシ基を含むアルコキシシランの加水分解を経て得
    られたシリカゲルを担持してなる耐酸性複合分離膜の製
    造方法において、 (1) シリカゾルの原料であるアルコキシシランと水
    と酸触媒の混合割合を変化させて製造する複数の種類の
    シリカゾルの調製条件において、担持するシリカゾルの
    原料調合割合をシリカゾル1用とシリカゾル2用の2種
    類に区別し、 (2) シリカゾル1用原料のアルコキシシランに対す
    る水の重量比を0.5〜2.0とし、かつ、反応触媒として、
    アルコキシシランに対する酸触媒の重量比を0.01〜0.1
    とし、 (3) シリカゾル2用原料のアルコキシシランに対す
    る水の重量比を2.0〜50とし、かつ、反応触媒として、
    アルコキシシランに対する酸触媒の重量比を0.01〜0.5
    とし、 (4) 前記シリカゾル1用原料を沸騰状態に保持し、
    沸騰開始後約25分、約20分及び約15分の液をそれぞれ、
    1−A、1−B及び1−C液とし、 (5) 前記シリカゾル2用原料を常温で30分〜90分間
    撹拌・混合してシリカゾル2を製造し、 (6) 多孔質基材の表面上に前記シリカゾル1−A液
    を担持した後、該多孔質基材を約200℃に設定した電気
    炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔体を約300℃に設
    定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材
    を約400℃に設定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次
    に該多孔質基材を約500℃に設定した電気炉内で5〜15
    分間焼成し、 (7) 該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基材の
    表面に更にシリカゾル1−A液を担持した後、前記
    (6)の操作を2〜3回繰り返し、 (8) 次に該シリカゾル1−A液を担持した多孔質基
    材の表面上に更にシリカゾル1−B液を使用して上記
    (6)〜(7)と同様の処理を行い、 (9) 次に該シリカゾル1−B液を担持した多孔質基
    材の表面上にシリカゾル1−C液を使用して上記(6)
    〜(7)と同様の処理を行い、 (10) 次に前記シリカゾル1−A、1−B及び1−C
    液を担持してなる多孔質基材の表面上に前記シリカゾル
    2液を担持し、該多孔体を約200℃に設定した電気炉内
    で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材を約300℃に設
    定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次に該多孔質基材
    を約400℃に設定した電気炉内で5〜15分間焼成し、次
    に該多孔質基材を約500℃に設定した電気炉内で5〜15
    分間焼成し、 (11) 該シリカゾル2液を担持した多孔質基材の表面
    に更にシリカゾル2液を担持した後、前記(10)の操作
    を2〜3回繰り返す ことを特徴とする耐酸性複合分離膜の製造方法。
JP2172639A 1990-07-02 1990-07-02 耐酸性複合分離膜の製造方法 Expired - Lifetime JP2808479B2 (ja)

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