JP2805372B2 - 石炭の化学脱硫方法 - Google Patents

石炭の化学脱硫方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,石炭の燃焼に際し,硫黄酸化物として大
気中に放出され,環境破壊の元凶の一つに挙げられてい
る石炭中に含有されている硫黄分を,有効に,経済的に
且つ簡便に除去する石炭の化学脱硫方法に関する。
〔従来の技術〕
石炭中に存在する硫黄分には,無機性硫黄分と有機性
硫黄分とがあり,それらを除去するため,種々の物理的
脱硫法及び化学反応を用いる化学的脱硫法が開発されて
いる。
例えば,無機性硫黄分(主に,パイライト)と石炭と
の比重差を利用する物理的脱硫法,酸素又は空気の存在
下で,炭酸ソーダ,生石灰,第一硫酸鉄等と石炭を加熱
する酸化的化学脱硫法,苛性ソーダと苛性カリ混合物と
石炭とを400℃で加熱溶融,或いは,マイクロウェーブ
を照射する脱硫法等の約14種類の化学脱硫法が,現在既
に開発されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで,これらの石炭の脱硫方法は,その脱硫効率
及び経済性において必ずしも満足できるものでない。特
に,石炭から有機性硫黄分を除去することが困難であ
り,物理的脱硫法では,殆ど,不可能であると考えられ
ていることから,脱硫効率が高く,経済性の高い化学的
脱硫法の開発が望まれている。
本発明の目的は,上記の問題点を解決するものであ
り,石炭を,酸素ガス,或いは空気の存在下で,苛性ア
ルカリ水溶液と処理することにより,高収率で且つ経済
的に石炭から硫黄分を除去することができる石炭の化学
脱硫方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するため,次のように
構成されている。即ち,この発明は,粉砕した石炭に苛
性ソーダ又は苛性カリをそれぞれ単独又はそれらの混合
物の水溶液を混合し,酸素ガス,空気又はそれらの混合
物雰囲気下で,250℃〜400℃の温度範囲の温度で石炭水
溶液を加熱反応させ,石炭中の硫黄分を石炭から除去す
ることを特徴とする石炭の化学脱硫方法に関する。
即ち,この発明による石炭の化学脱硫方法は,酸素ガ
ス又は空気を酸化剤として用い石炭中に存在する硫黄分
を全て4個の硫黄酸化物に変えて化学反応性を向上させ
た後に,250〜400℃,好ましくは,370℃で苛性ソーダ又
は苛性カリ又は,それらの混合物の水溶液で処理し,硫
黄分を水に可溶な亜硫酸塩及び硫酸塩として分解し,除
去することを特徴とする。
この発明は,高収率で石炭中の硫黄分を除去できるこ
との他に,酸化剤として,安価で取り扱いの容易な酸素
ガス又は空気を用いていることであり,しかも,引き続
く苛性アルカリとの分解反応を水溶液下で行なうことが
でき,更には,これらの逐次の反応を同一反応容器中
で,1段階のプロセスとして簡略化できる点にある。
また,この発明は,石炭中の有機硫黄分を,全て4価
の硫黄酸化物に酸化してから苛性アルカリとの分解反応
を行なうために,従来法に見られた炭種による脱硫効率
の変化,特に,芳香族化の進んだ石炭に対する著しい脱
硫効率の低下を抑えることができ,幅広い炭種の石炭に
対して適用できるものである。
従って,この発明に使用する石炭は,亜炭から無煙炭
までの何れの炭種のものでも良く,好ましくは,20〜200
メシュ或いはそれ以下の粒度に粉砕した石炭が原料とし
て供される。
この発明に使用する酸素源は,市販の酸素ガス,空
気,或いはその混合物が用いられ,酸素ガスの場合に
は,1〜30気圧,好ましくは,15気圧であり,空気の場合
には,1〜100気圧,好ましくは,50気圧に加圧することに
よりその目的を達成し得るものである。
この発明に使用する苛性アルカリ水溶液は,苛性ソー
ダ,苛性カリ,或いはそれらのものを用い,0.5〜10規
定,好ましくは,5規定の濃度に調製したものが用いられ
る。
この発明による石炭の化学脱硫方法において,アルカ
リ水溶液による分解反応は,反応混合物を250〜400℃,
好ましくは,370℃に直接加熱して行なわれるものであ
る。
〔作用〕
この発明による石炭の化学脱硫方法は,褐炭,及びれ
き青炭の場合,含有されている全硫黄分の92〜96%を除
去することができる。この石炭の化学脱硫方法の作用機
構については,定かでないが,石炭に対するアルカリ水
溶液の高い親和力に加えて,酸素ガス分子の石炭固相中
への拡散,浸透が容易なため,石炭中に埋没している硫
黄原子に対する酸化反応の選択性が著しく向上したため
と考えられる。
〔実施例〕
以下,この発明による石炭の化学脱硫法の実施例につ
いて説明する。
−実施例1− 攪拌機付き200mlオートクレーブに,乾燥して20メシ
ュ以下に粉砕した全硫黄分3.13重量%のイリノイ炭を2
0.0g,及び,5規定の苛性ソーダ水溶液を130mlを取り,酸
素ガスを15kg/cm2Gに加圧する。これらを攪拌しながら
加熱器により内容物を370℃まで昇温した後に,その温
度で30分間保持する。これを冷却した後,反応容器内の
圧力を常圧に戻し,次いで,内容物を水洗しながら取り
出し,その懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで中和し,少量
の塩酸で弱酸性にする。生成してくる沈殿物を濾過し,
十分な量の蒸留水で洗浄した後に,これを110℃で3時
間減圧して乾燥する。得られた精製石炭17.3g中の全硫
黄分は,0.21重量%であった。即ち,イリノイ炭に対す
る脱硫率は,93.1%であった。
−実施例2− 攪拌機付き200mlオートクレーブに,乾燥して20メシ
ュ以下に粉砕した全硫黄分4.55重量%のピッツバーグ炭
を20.0g,及び,2規定の苛性カリ水溶液を130mlを取り,
酸素ガスを15kg/cm2Gに加圧する。これらを攪拌しなが
ら加熱器により内容物を370℃まで昇温した後に,その
温度で60分間保持する。これを冷却した後,反応容器内
の圧力を常圧に戻し,次いで,内容物を水洗しながら取
り出し,その懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで中和し,少
量の塩酸で弱酸性にする。生成してくる沈殿物を濾過
し,十分な量の蒸留水で洗浄した後に,これを110℃で
3時間減圧して乾燥する。得られた精製石炭16.4g中の
全硫黄分は,0.18重量%であった。即ち,ピッツバーグ
炭に対する脱硫率は,96.1%であった。
−実施例3− 攪拌機付き200mlオートクレーブに,乾燥して20メシ
ュ以下に粉砕した全硫黄分3.47重量%のウエストケンタ
ッキー炭を20.0g,及び,5規定の苛性ソーダ水溶液を130m
lを取り,空気を80kg/cm2Gに加圧する。これらを攪拌し
ながら加熱器により内容物を370℃迄昇温した後に,そ
の温度で60分間保持する。これを冷却した後に,反応容
器内の圧力を常圧に戻し,次いで,内容物を水洗しなが
ら取り出し,その懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで中和
し,少量の塩酸で弱酸性にする。生成してくる沈殿物を
濾過し,十分な量の蒸留水で洗浄した後に,110℃で3時
間減圧して乾燥する。得られた精製石炭15.7g中の全硫
黄分は,0.24重量%であった。即ち,ウエストケンタッ
キー炭に対する脱硫率は,94.1%であった。
−比較例− 比較例は,従来法のAmes法であり,石炭を炭酸ソーダ
水溶液中で,酸素の存在下で,150℃で過熱し,脱硫を行
なったものである。
以下に,この発明による石炭から硫黄分を除去する化
学脱硫法と,従来法による比較例との比較を,第1表及
び第2表に示す。
〔発明の効果〕 この発明による石炭の化学脱硫方法は,上記のように
構成されているので,石炭中に含有されている硫黄分を
高収率で経済的に除去することが可能になり,それによ
って,石炭の燃焼によって排出される排気ガス中に含ま
れる硫黄酸化物による環境汚染の問題を解決することが
でき,環境汚染防止に著しく貢献できるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉砕した石炭に苛性ソーダ又は苛性カリを
    それぞれ単独又はそれらの混合物の水溶液を混合し,酸
    素ガス,空気又はそれらの混合物雰囲気下で,250℃〜40
    0℃の温度範囲の温度で石炭水溶液を加熱反応させ,石
    炭中の硫黄分を石炭から除去することを特徴とする石炭
    の化学脱硫方法。
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