JP2801896B2 - 金属ベース多層回路基板の製造法 - Google Patents

金属ベース多層回路基板の製造法

Info

Publication number
JP2801896B2
JP2801896B2 JP8231684A JP23168496A JP2801896B2 JP 2801896 B2 JP2801896 B2 JP 2801896B2 JP 8231684 A JP8231684 A JP 8231684A JP 23168496 A JP23168496 A JP 23168496A JP 2801896 B2 JP2801896 B2 JP 2801896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
circuit board
circuit
insulating adhesive
copper foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8231684A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09139580A (ja
Inventor
俊樹 斉藤
直己 米村
裕 荻野
智寛 宮腰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP8231684A priority Critical patent/JP2801896B2/ja
Publication of JPH09139580A publication Critical patent/JPH09139580A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2801896B2 publication Critical patent/JP2801896B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズシールド性
と耐電圧性に優れ、熱放散性が良好な金属ベース多層回
路基板及び生産性に優れる金属ベース多層回路基板の製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体搭載用の回路基板において
は、基板の小型化、高密度実装化および高性能化が要求
され、更には、半導体素子の小型化、高性能化、ハイパ
ワー化が進み、半導体素子から発生した熱を如何に放散
するかということが問題となっている。そこで、電源分
野を中心に金属板上に絶縁層を介して金属箔を積層し回
路形成した金属ベース回路基板が熱放散性に優れるとい
う理由から使用されてきている。しかし、金属ベース回
路基板は金属板の上に薄い絶縁層を塗布した構造である
ため、ノイズが発生しやすく、モジュールの誤動作を引
き起こしやすいという問題があった。
【0003】ノイズをシールドし、更に熱放散性を高め
て高密度実装化を達成する目的で、例えば金属ベース回
路基板上の全面あるいは一部に両面に回路を有する上層
回路基板を接着剤を介して積層し、前記上層回路基板上
に発熱性の電子部品を搭載した金属ベース多層回路基板
が公知となっている(特開平5−327169号公
報)。 このような金属ベース多層回路基板では、金属
板と上層基板の間に熱伝導性の悪い樹脂からなる接着剤
層が存在すること、又、絶縁材としてエポキシ含浸ガラ
スクロス等の熱放散性の悪い材料が使用されていること
から、上層回路パターン上に発熱性の高いパワー電子部
品を搭載する場合には、熱放散性が不十分であり、電子
部品の温度が上昇し、ひいては誤動作を生ぜしめるとい
う問題があった。本発明者らは、上記問題点の解決を意
図して、いろいろな検討を行い、金属板に金属酸化物及
び/または金属窒化物を含有する絶縁接着剤層を介して
回路基板を接合した構造の金属ベース多層回路基板(特
願平7−87001号)を提示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記金属ベー
ス多層回路基板を製造する場合、予め上層回路基板を準
備し、これを絶縁接着剤層を介して金属板上に張り付け
るという従来からの方法によるときには、上層基板の厚
みが厚く弾力性に欠けるので、張り付け時に上層基板に
働く若干の変形によって欠陥が生じ上層回路の両面にあ
る回路間の耐電圧が低下してしまったり、或いは、絶縁
接着剤層と上層回路基板に予め作製されている回路との
間に存在する空気が巻き込まれて、上層回路基板がわず
かながら膨れたり、回路と金属板との間の耐電圧特性が
低下してしまう等の理由で、歩留まりが低く、生産性が
悪いという問題があった。
【0005】本発明の目的は、金属板に金属酸化物及び
/又は金属窒化物を含有する絶縁接着剤層を介して回路
基板を接合した構造を有する金属ベース多層回路基板に
おいて、一層熱抵抗が小さく、熱放散性に優れ、又耐ノ
イズ性及び耐電圧特性が優れる金属ベース多層回路基板
を生産性良く提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)金属板上に、第1の絶縁接着剤層を介して導体回
路を形成してなる金属ベース回路基板の前記導体回路上
に第2の絶縁接着剤層を介して回路用導体層を接合する
工程。 (2)前記導体回路と回路用導体層を電気的に接続する
ためのバイアホールを形成する工程。 (3)前記回路用導体層に回路を形成する工程。を経る
ことを特徴とする金属ベース多層回路基板の製造法であ
る。
【0007】本発明は、前記(2)工程前に第1の絶縁
接着剤層が加熱硬化されていることを特徴とする前記金
属ベース多層回路基板の製造法であり、バイアホールを
形成する工程に於いて回路用導体の所定の位置をエッチ
ングにより除去し開孔し、該孔にレーザー光線を照射し
て第2の絶縁接着剤層を除去し、更に銅めっきしてバイ
アホールを形成することを特徴とする前記金属ベース多
層回路基板の製造法であり、更に前記の導体回路の厚さ
が5μm以上150μm以下であることを特徴とする金
属ベース多層回路基板の製造法である。
【0008】更に、本発明は、上記の製造法により得ら
れる金属ベース多層回路基板であって、第1の絶縁接着
剤層の熱伝導率が35×10-4cal/cm・sec・℃以下15
0×10-4cal/cm・sec・℃であり、厚さが20μm以上
200μm以下であることを特徴とする金属ベース多層
回路基板であり、特に、第2の絶縁接着剤層の熱伝導率
が35×10-4cal/cm・sec・℃以下150×10-4cal/c
m・sec・℃であり、厚さが40μm以上200μm以下で
あることを特徴とする金属ベース多層回路基板である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明について
詳細に説明する。本発明は、金属ベース多層回路基板の
製造法であって、図1に例示した金属板1上に第1の絶
縁接着剤層2を介して導体回路3を有する金属ベース回
路基板4を用い、前記金属ベース回路基板4の導体回路
3上に第2の絶縁接着剤層5を介して回路用導体6を接
合する工程(以下第1の工程という)を含む。尚、以下
の説明に於いては簡略のために、導体回路3上の全面を
覆うように第2の絶縁接着剤層5を介し回路用導体6を
接合する場合を説明するが、導体回路3の一部が露出す
るように接合されていても構わない。この工程を経て、
金属ベース回路基板4は図2の構造となる。又、本発明
は、導体回路3と回路用導体層6を電気的に接続するた
めのバイアホールを形成する工程(以下第2の工程)を
含む。前記の図2の構造は、この工程を経て、図5に例
示したようなバイアホール7を有する構造となる。更
に、本発明は回路用導体層6に回路を形成する工程(以
下第3の工程)を含み、この工程を経て前記の図5に例
示の構造は図6に例示した金属ベース多層回路基板8を
構成する。図3及び図4は、本発明の金属ベース多層回
路基板の製造法での途中の状態を示す図であり、図3は
図2例示の構造の中間製品が直ちに第3の工程を経た時
の状態を示し、図4は図3で得た中間製品について第2
の工程の途中で、例えばレーザー照射して第2の絶縁接
着剤層の一部を切削した後の状態を示している。
【0010】本発明の第1の工程では通常の金属ベース
回路基板4が用いられるが、得られる金属ベース多層回
路基板8の耐電圧特性の面からは、金属ベース回路基板
4を構成する絶縁接着剤層が充分に加熱硬化されている
ことが好ましい。然るに、金属ベース回路基板の絶縁接
着剤層は、金属ベース多層回路基板8の第1の絶縁接着
剤層2となるので、この硬化が不充分で、例えば揮発性
物質が含まれていると、第2の絶縁接着剤層5を塗布後
の硬化に際しふくれ現象を発生したり、金属ベース多層
回路基板8の耐電圧を低下する等の問題が発生すること
があるからである。
【0011】又、第1の工程は、金属ベース回路基板4
上に塗布された第2の絶縁接着剤層5が半硬化状態にあ
るときに、熱プレス、ラミネーターを用いて回路用導体
層6を張り付け、第2の絶縁接着剤層を硬化することで
行われるのが一般的であるが、本発明では導体回路3の
厚さが5μm以上150μm以下とすることで、第2の
絶縁接着剤層5が導体回路3の間に入り込み導体回路3
と回路用導体6の間の耐電圧性を確保できるようにな
る。導体回路3の厚みが5μm未満の金属ベース回路基
板4は容易に入手できないし、150μmを越える時は
耐電圧性に優れる金属ベース多層回路基板8を必ずしも
得られるとは限らなくなるからである。
【0012】本発明は、上記第1、第2及び第3の工程
を採用することで、従来法の問題点であった、回路間或
いは回路と金属板との間の耐電圧特性の低下、膨れの発
生を大幅に防止し、その結果として生産性を向上するも
のである。即ち、本発明においては、弾力性に富み、し
かも回路形成されていない金属箔を接合するので、回路
間の耐電圧特性が損なわれず、膨れも防止できるし、
又、予め金属板との絶縁を確保してある金属ベース回路
基板を実質的に用いているので、金属板と回路間の耐電
圧特性をも損なうことがない。
【0013】本発明の第2の工程は、回路用導体層6と
第2の絶縁接着剤層5の一部を物理的、化学的或いは機
械的に除去しバイアホール用の孔を形成する操作と前記
の操作でできた空隙の少なくとも内壁部にめっき、印刷
等の方法で導電性物質を充填する操作との組み合わせに
より、導体回路3と回路用導体層6との電気的な接続を
行う工程である。本発明者らは、いろいろ検討の結果、
回路用導体層6の所定の位置をエッチングにより開孔
し、該孔にレーザー光線を照射して第2の絶縁接着剤層
5を除去し、更にめっきすることでバイアホールを形成
する方法が、寸法精度高いので周辺部に傷をいれず、し
かも生産性高い方法であることを見いだしたものであ
る。
【0014】バイアホール用の孔を形成する方法として
は、ドリル等を用いる機械加工法の他、エキシマレーザ
ー、CO2レーザー、YAGレーザー等の各種のレーザ
ー光線による方法を用いることができるし、ケミカルド
リリングにより化学的に第2の絶縁接着剤層を除去する
方法もある。
【0015】バイアホール用の孔の少なくとも内壁部に
導電性物質を被覆或いは充填し電気的に接続する方法に
ついては、無電解めっき、電解めっき、ダイレクトプレ
ーティング等のめっき法や、導体塗料、はんだ或いは前
記の方法を組み合わせることができる。これらの方法の
うち、特にめっき法は、安価で、生産性が高いので好ま
しい方法である。
【0016】また、バイアホール内のめっき材質につい
ては、導体回路3及び回路用導体層6との電気抵抗が大
きくならないこと、また前記導体回路や回路用導体層と
の熱膨張差による破断等が起こりにくいことから、同質
であることが好ましい。導体回路3や回路用導体の材質
は電気抵抗の小さい銅が一般に用いられるので、バイア
ホール内のめっきは銅めっきとすることが望ましい。
尚、本発明のバイアホールの形成方法は、スルーホール
についても適用できる。
【0017】本発明の第3の工程は、第1の工程で金属
ベース回路基板に接合された回路用導体層に回路を形成
する工程であり、エッチング等の一般的な回路形成法に
よれば良い。尚、本発明においては、上記第1の工程が
最初であれば良く、第2及び第3の工程の順序は定める
必要がないし、必要に応じて前記第2及び第3の工程を
繰り返すこともできる。
【0018】本発明の金属ベース多層回路基板の製造法
で得られる金属ベース多層回路基板8は、図に全面が
多層構造のものを例示するが、その構成は次の通りであ
る。即ち、本発明の金属ベース多層回路基板8は、金属
板1上に第1の絶縁接着剤層2を介して導体回路3が形
成された金属ベース回路基板4上に、第2の絶縁接着剤
層5を介し回路用導体層6から形成された外層回路が積
層一体化されており、外層回路と導体回路3とがバイア
ホール7により電気的に接続された構造を有する。な
お、図示していないが、外層回路上には電子素子が必要
に応じ搭載されていてもよいし、ワイヤーボンディング
等により他部品と結合されていてもよい。又、導体回路
3及び外層回路は金属板1の少なくとも一主面上の少な
くとも一部に積層されていれば良く、外層回路上に回路
基板を複数積層しても構わない。
【0019】第1の絶縁接着剤層2の熱伝導率は35×
10-4cal/cm・sec・℃以上150×10-4cal/cm・sec・℃
以下であり、しかもその厚みは20μm以上200μm
以下である。熱伝導率が35×10-4cal/cm・sec・℃未
満の場合には、金属ベース多層回路基板8の熱抵抗が大
きくなり、目的とする良好な熱放散性が得られないこと
がある。また、150×10-4cal/cm・sec・℃を越える
ものは工業的に得ることが難しい。しかし、前記の範囲
の熱伝導率を有する第1の絶縁接着剤層2を用い、確実
に、良好な熱放散性を有する金属ベース多層基板8を得
るためには、第1の絶縁接着剤層2の厚みが20μm以
上200μm以下である。200μmを越える厚みで
は、良好な熱放散性を達成することができなくなるし、
20μm未満では耐電圧性が低下するので好ましくな
い。
【0020】第1の絶縁接着剤層2は金属酸化物及び/
又は金属窒化物と樹脂とで構成される。金属酸化物及び
金属窒化物は熱伝導性に優れ、しかも電気絶縁性のもの
が好ましく、金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸
化珪素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウムが、金属窒
化物としては窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムが
選択され、これらを単独または2種以上を混合して用い
ることができる。特に、前記の金属酸化物のうち、酸化
アルミニウムは電気絶縁性、熱伝導性ともに良好な絶縁
接着剤層を容易に得ることができ、しかも安価に入手可
能であるという理由で、また、前記の金属窒化物のうち
窒化硼素は電気絶縁性、熱伝導性に優れ、更に誘電率が
小さいという理由で好ましい。
【0021】前記金属酸化物と金属窒化物の合量は45
体積%以上85体積%以下であり、好ましくは48体積
%以上80体積%以下である。45体積%未満では、第
1の絶縁接着剤層2の熱伝導率を35×10-4cal/cm・s
ec・℃以上にすることが容易でなく、その結果、熱放散
性に優れる金属ベース多層回路基板が得られなくなる。
又、85体積%を越える場合には、樹脂との混合におい
て気泡を巻き込み易くなり、その結果、耐電圧性に優れ
た金属ベース多層回路基板8が得られないことがある。
熱放散性に優れ、しかも耐電圧性に優れる金属ベース多
層回路基板を再現性良く得るためには、48体積%以上
80体積%以下の範囲が好ましい。
【0022】前記の第1の絶縁接着剤層2を構成する樹
脂としては、前記の金属酸化物及び/又は金属窒化物を
含みながらも、硬化状態下において、金属板1及び導体
回路3との接合力に優れ、また耐電圧特性等を損なわな
いものが選択される。このような樹脂として、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の他各種のエン
ジニアリングプラスチックが単独または2種以上を混合
して用いることができるが、このうちエポキシ樹脂が金
属同士の接合力に優れるので好ましい。特に、エポキシ
樹脂のなかでは、流動性が高く、前記の金属酸化物及び
金属窒化物との混合性に優れるビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は一層好ま
しい樹脂である。
【0023】第2の絶縁接着剤層5の熱伝導率は、35
×10-4cal/cm・sec・℃以上150×10-4cal/cm・sec・
℃以下であり、しかもその厚みが40μm以上200μ
m以下である。熱伝導率が35×10-4cal/cm・sec・℃
未満のときは、金属ベース多層回路基板8の熱抵抗が大
きくなり、目的とする良好な熱放散性が得られないこと
があるし、150×10-4cal/cm・sec・℃を越えるもの
は工業的に得ることが難しい。又、第2の絶縁接着剤層
5の厚みが、40μm未満の場合には耐電圧性が低下す
る場合があるし、200μmを越えると熱放散性が低下
するためである。第2の絶縁接着剤層5の熱伝導率と厚
さを限定することにより、金属ベース多層回路基板8が
耐電圧性と熱放散とに優れるという特性は、第1の絶縁
接着剤層2の熱伝導率が35×10-4cal/cm・sec・℃以
上150×10-4cal/cm・sec・℃以下であって、しかも
その厚みが20μm以上200μm以下である場合に、
特に達成されるので好ましい。
【0024】第2の絶縁接着剤層5は、金属酸化物と金
属窒化物との合量が45体積%以上85体積%以下、好
ましくは48体積%以上80体積%以下と残部が樹脂と
を用いることで、得ることができる。特に、金属酸化物
が酸化アルミニウム、金属窒化物が窒化硼素のときに好
ましい結果が得られる。第2の絶縁接着剤層5に含まれ
る金属酸化物及び/又は金属窒化物の充填量、種類及び
樹脂の種類については、第1の絶縁接着剤層2に於ける
理由と同じである。即ち、金属酸化物及び金属窒化物は
熱伝導性に優れ、しかも電気絶縁性のものが好ましく、
金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化
ベリリウム、酸化マグネシウムがあげられ、金属窒化物
としては窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムが選択
され、これらを単独または2種以上を混合して用いるこ
とができる。特に、金属酸化物として酸化アルミニウム
は電気絶縁性、熱伝導性ともに良好な絶縁接着剤層を容
易に得られるし、しかも安価に入手容易であるという理
由で、好ましいものであり、金属窒化物として窒化硼素
は電気絶縁性、熱伝導性が優れ、更に誘電率が小さいの
で好ましい。
【0025】第2の絶縁接着剤層5を構成する樹脂とし
ては、前記金属酸化物及び/又は金属窒化物を含みなが
らも、硬化状態下において、導体回路3及び回路用導体
層6との接合力に優れ、金属ベース多層回路基板8の特
性を損なわないものが選択される。このような樹脂とし
て、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の
他各種のエンジニアリングプラスチックが単独又は2種
以上を混合して用いることができるが、このうちエポキ
シ樹脂が金属同士の接合力に優れるので好ましい。特に
エポキシ樹脂のなかでも、流動性が高く、無機質充填剤
との混合性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂は一層好ましい樹脂で
ある。
【0026】第2の絶縁接着剤層5中の金属酸化物及び
金属窒化物の合量は、45体積%以上85体積%以下で
あり、好ましくは48体積%以上80体積%以下であ
る。45体積%未満では、第2の絶縁接着剤層5の熱伝
導率を35×10-4cal/cm・sec・℃以上にすることが容
易でなく、その結果、熱放散性の乏しい金属ベース多層
回路基板8しか得られない。又、85体積%を越える場
合には、樹脂との混合において気泡を巻き込み易くな
り、その結果、耐電圧性に優れた金属ベース多層回路基
板8が得られないことがある。48体積%以上80体積
%以下の場合には、熱放散性と耐電圧性とに優れる金属
ベース多層回路基板が再現良く得ることができる。
【0027】導体回路3、回路用導体層6の材質は銅、
アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、銀、チタニウムのい
ずれか、または、これらの金属をむ合金及びそれぞれ
の金属及び/又は合金を使用したクラッド箔等が用いる
ことができる。また、この時の箔の製造方法は電解法で
も圧延法で作製したものでもよく、箔上にはNiめっ
き、Ni+Auめっき、はんだめっきなどの金属めっき
がほどこされていてもかまわないが、第2の絶縁接着剤
層5との接着性の点から、回路用導体層6の表面はエッ
チングやめっきにより予め粗化処理されていればさら
に好ましい。又、回路用導体層6の厚みは特に制限はな
いが一般的には500μm以下が用いられる。
【0028】本発明では、金属板1として、良好な熱伝
導性を持つアルミニウムおよびアルミニウム合金、銅お
よび銅合金、鉄および鉄合金等の金属、銅/鉄−ニッケ
ル系合金、アルミニウム/鉄−ニッケル系合金等の2層
の複合材料、あるいは銅/鉄−ニッケル系合金/銅、ア
ルミニウム/鉄−ニッケル系合金/アルミニウム等の3
層の複合材料等が使用可能である。また、金属板1の厚
みとしては、特に制限はないが、0.5mm〜3.0m
mが一般に用いられる。
【0029】以下、実施例に基づき、発明をより具体的
に説明する。
【実施例】
〔実施例1〕510mm×510mm×1.5mmのア
ルミニウム板上に、窒化硼素(電気化学工業(株)製;
GP)を53体積%含有するビスフェノールF型エポキ
シ樹脂(油化シェル(株)製;エピコート807)を絶
縁接着剤として用い、アミン系硬化剤を加え、200μ
mの厚みとなるように塗布し、厚さが35μmの銅箔を
ラミネート法により張り合わせた。次に、この銅箔にシ
ールドパターンを形成した後に、銅箔上に前記絶縁接着
剤にアミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、さらに厚さが35μmの銅箔をラミネート
法により張り合わせ、加熱硬化した。次に、外層銅箔の
所定箇所にドリルによりφ0.5mmの丸穴を開け、第
2の絶縁接着剤層まで切削した後に、銅めっきを施し、
バイアホールを形成した。この表面にエッチングにより
所望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板を得た。
この金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐電
圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を以下に示す方
法で測定した。結果を表1に記載したように、良好であ
った。尚、絶縁接着剤より別途直径10mm厚さ1mm
の円板の加熱硬化体を作製し、レーザー法熱伝導率測定
試片とした。
【0030】<熱抵抗の測定方法>金属ベース多層回路
基板の多層化した部分或いは導体回路部分を40mm×
30mmに切りとり試験片とする。試験片をエッチング
して、その中心付近に大きさ10mm×14mmのパッ
ド部を形成し、この部分にトランジスター(2SC22
33;TO220タイプ;株式会社東芝製)をはんだ付
けする。基板の裏面を室温に冷却しつつ、トランジスタ
を動作させ、第1及び第2の絶縁接着剤層或いは第1の
絶縁接着剤層のみを挟んでいるトランジスター裏側と基
板の温度を測定し、両者の温度差とトランジスタの消費
電力(コレクター損失)から熱抵抗を算出する(デンカ
HITTプレートカタログ参照)。
【0031】<耐電圧の測定方法>金属ベース多層回路
基板の第1の絶縁接着剤層上に配置された導体回路をベ
タパターンとし、第2の絶縁接着剤層上の回路用導体或
いは導体回路をエッチングしてφ20mmの円形パター
ンを10mm間隔で3×3個形成した。尚、中心部に位
置する前記円形パターンはバイアホールにより前記導体
回路と電気的に接続した。上記金属ベース多層回路基板
について、JIS C 2110に規定された段階昇圧
法により、中心部の円形パターンと他の円形パターン間
の耐電圧を測定した。
【0032】<パワー電子素子の動作安定性の評価方法
>日立製作所製p−mos−FET(2SK2174
S)を回路導体或いは導体回路上に2mm間隔で3個組
み込んだモジュールを作製し、100℃の環境下で素子
1個当たり10Wの消費電力となるようにしながら96
時間連続運転し、誤動作の有無を評価する。誤動作が発
生しなければ、消費電力を更に10W加えて再度評価す
る。以降同様に消費電力を増加し、誤動作の発生した時
の消費電力量にてパワー電子素子の動作安定性を評価す
る。
【0033】<生産性の評価方法>名刺サイズ(90m
m×55mm)の金属ベース多層回路基板10,000
枚を製造するのに要した時間で評価した。
【0034】
【表1】
【0035】〔実施例2〕絶縁接着剤に酸化アルミニウ
ム(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含
有するシリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン
(株)製;SE1880)を用いたこと以外は、実施例
1と同一の操作をして得た金属ベース多層回路基板につ
いて、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生
産性を同一の方法で測定した。結果を表1に記載したよ
うに、良好であった。
【0036】〔実施例3〕絶縁接着剤に酸化アルミニウ
ム(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含
有するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を用いたこと以外は、実
施例1と同一の操作をして得た金属ベース多層回路基板
について、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及
び生産性を測定した。結果は、表1に記載したように、
良好であった。
【0037】〔実施例4〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが5μmの銅箔をラミネート法により
張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッチン
グしてシールドパターンを形成した後、銅箔上に前記の
絶縁接着剤にアミン系硬化剤を加え200μmの厚みと
なるように塗布し、厚さが5μmの銅箔をラミネート法
により張り合わせた後、加熱硬化した。次に、外層銅箔
の所定箇所にエッチングによりφ0.5mmの丸穴を開
け、穴開き部にレーザー光線を照射して第2の絶縁接着
剤層の一部を切削した後に、銅めっきを施して、バイア
ホールを形成した。次に、外層銅箔をエッチングして所
望の回路を形成することで金属ベース多層回路基板を得
た。この金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐
電圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を測定した。
結果は、表1に記載したとおり、良好であった。
【0038】〔実施例5〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが150μmの銅箔をラミネート法に
より張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッ
チングしてシールドパターンを形成した後に、銅箔上に
前記の絶縁接着剤にアミン系硬化剤を加え、200μm
の厚みとなるように塗布し、厚さが150μmの銅箔を
ラミネート法により張り合わせ、加熱硬化した。次に、
外層銅箔の所定箇所にエッチングによりφ0.5mmの
丸穴を開け、穴開き部にレーザー光線を照射し、第2の
絶縁接着剤層の一部を切削した後に、銅めっきを施し、
バイアホールを形成した。更に、外層銅箔をエッチング
して所望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板を得
た。この金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐
電圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を測定した。
結果は表1に記載したとおり、良好であった。
【0039】〔実施例6〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を56体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法によ
り張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッチ
ングしてシールドパターンを形成した後に、銅箔上に前
記の酸化アルミニウムを54体積%含有するビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製;エピコー
ト828)を絶縁接着剤として用い、アミン系硬化剤を
加え、250μmの厚みとなるように塗布し、厚さが3
5μmの銅箔をラミネート法により張り合わせ、加熱硬
化した。次に、外層銅箔の所定箇所にエッチングにより
φ0.5mmの丸穴を開け、穴開き部にレーザー光線を
照射し、第2の絶縁接着剤層の一部を切削した後に、銅
めっきを施し、バイアホールを形成した。更に、外層銅
箔をエッチングして所望の回路を形成し、金属ベース多
層回路基板を得た。この金属ベース多層回路基板につい
て、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生産
性を測定した。結果は表1に記載したように良好であっ
た。
【0040】〔実施例7〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を56体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、20μmの厚みとなるよう
に塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法により
張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッチン
グしてシールドパターンを形成した後に、銅箔上に前記
の酸化アルミニウムを54体積%含有するビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製;エピコート
828)を絶縁接着剤として用い、アミン系硬化剤を加
え、250μmの厚みとなるように塗布し、さらに厚さ
が35μmの銅箔をラミネート法により張り合わせ、加
熱硬化した。次に、外層銅箔の所定箇所にエッチングに
よりφ0.5mmの丸穴を開け、穴開き部にレーザー光
線を照射し、第2の絶縁接着剤層の一部を切削した後
に、銅めっきを施し、バイアホールを形成した。更に、
外層銅箔をエッチングして所望の回路を形成し、金属ベ
ース多層回路基板を得た。この金属ベース多層回路基板
について、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及
び生産性を測定した。結果は表1に記載したように良好
であった。
【0041】〔実施例8〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を56体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法によ
り張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッチ
ングしてシールドパターンを形成した後に、銅箔上に前
記の絶縁接着剤をアミン系硬化剤を加え、200μmの
厚みとなるように塗布し、さらに厚さが35μmの銅箔
をラミネート法により張り合わせ、加熱硬化した。次
に、外層銅箔の所定箇所をエッチングしてφ0.5mm
の丸穴を開け、穴開き部にレーザー光線を照射し、第2
の絶縁接着剤層の一部を切削した後に、銅めっきを施
し、バイアホールを形成した。さらに外層銅箔をエッチ
ングして所望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板
を得た。この金属ベース多層回路基板について、熱抵
抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を測定
した。結果は、表1に記載したように、良好であった。
【0042】〔実施例9〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を56体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法によ
り張り合わせ、加熱硬化した。次に、銅箔をエッチング
してシールドパターンを形成した後に、銅箔上に前記の
絶縁接着剤をアミン系硬化剤を加え、40μmの厚みと
なるように塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート
法により張り合わせ、加熱硬化した。次に、外層銅箔の
所定箇所をエッチングしてφ0.5mmの丸穴を開け、
穴開き部にレーザー光線を照射し、第2絶縁接着剤層の
一部を切削した後に、銅めっきを施し、バイアホールを
形成した。さらに外層銅箔をエッチングして所望の回路
を形成し、金属ベース多層回路基板を得た。この金属ベ
ース多層回路基板について、熱抵抗、耐電圧、電子素子
の動作安定性、及び生産性を測定した。結果は良好であ
り、表1に記載した。
【0043】〔実施例10〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を80体積%含有
するビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート807)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法によ
り張り合わせた。次に、銅箔をエッチングしてシールド
パターンを形成した後に、銅箔上に前記の絶縁接着剤を
アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるように
塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法により張
り合わせ、加熱硬化した。次に、外層銅箔の所定箇所を
ドリルによりφ0.5mmの丸穴を開け、第2絶縁接着
剤層の深さまで切削した後に、銅めっきを施し、バイア
ホールを形成した。さらに外層銅箔をエッチングして所
望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板を得た。こ
の金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐電圧、
電子素子の動作安定性、及び生産性を測定した。結果
は、表1に記載したように良好であった。
【0044】〔実施例11〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、窒化珪素(電気化学
工業工業(株)製;SN−9)を48体積%含有するビ
スフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製:
エピコート807)を絶縁接着剤として用い、アミン系
硬化剤を加え、200μmの厚みとなるように塗布し、
厚さが35μmの銅箔をラミネート法により張り合わせ
た。次に、銅箔をエッチングしてシールドパターンを形
成した後に、銅箔上に酸化アルミニウム(昭和電工
(株)製;A−42−2)を56体積%含有するビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂を絶縁接着剤として用い、ア
ミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるように塗
布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法により張り
合わせ、加熱硬化した。次に、外層銅箔の所定箇所をド
リルによりφ0.5mmの丸穴を開け、第2の絶縁接着
剤層の部分まで切削した後に、銅めっきを施し、バイア
ホールを形成した。さらに外層銅箔をエッチングして所
望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板を得た。こ
の金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐電圧、
電子素子の動作安定性、及び生産性を測定した。結果
は、表1に記載したように良好であった。
【0045】〔実施例12〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製;A−42−2)を56体積%含有
するビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート807)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法によ
り張り合わせた。次に、銅箔をエッチングしてシールド
パターンを形成した後に、銅箔上に窒化珪素(電気化学
工業(株)製;SN−9)を48体積%含有するビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂を絶縁接着剤として用い、ア
ミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるように塗
布し、厚さが35μmの銅箔をラミネート法により張り
合わせ、加熱硬化した。次に、外層銅箔の所定箇所をド
リルによりφ0.5mmの丸穴を開け、第2の絶縁接着
剤層の部分まで切削した後に、銅めっきを施し、バイア
ホールを形成した。さらに外層銅箔をエッチングして所
望の回路を形成し、金属ベース多層回路基板を得た。こ
の金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐電圧、
電子素子の動作安定性、及び生産性を測定した。結果
は、表1に記載したように良好であった。
【0046】〔比較例1〕基材の厚みが60μmで、3
5μm厚の所望の回路を前記基材の両面に有するガラス
エポキシ樹脂回路基板に、ドリルにより所定の箇所にφ
0.5mmの貫通孔を開けた後、銅めっきを施し、バイ
アホールを形成した。また、両面の銅箔をエッチングし
て所望の回路を形成した。次に、510mm×510m
m×1.5mmのアルミニウム板上にガラスエポキシプ
レプリグを厚さ100μmとなるように塗布し、前記ガ
ラスエポキシ樹脂回路基板を配置し加熱硬化して、金属
ベース多層回路基板を作製した。この金属ベース多層回
路基板について、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定
性、及び生産性を実施例1と同一の方法で測定した。そ
の結果、熱抵抗は3.8℃/W、パワー電子素子の動作
安定性は20Wであり、不良であった。
【0047】〔比較例2〕厚さ35μmの銅箔からなる
所望の回路を両面に有し、基材が60μm厚さのガラス
エポキシ樹脂からなるガラスエポキシ樹脂回路基板(松
下電工(株)製;R−1766)を用意し、ドリルによ
り所定の箇所にφ0.5mmの貫通孔を開けた後、銅め
っきを施し、バイアホールを形成した。また、両面の銅
箔をエッチングして所望の回路を形成した。次に、51
0mm×510mm×1.5mmのアルミニウム板上
に、窒化珪素(電気化学工業(株)製;SN−9)を5
7体積%含有するビスフェノールF型エポキシ樹脂(油
化シェル(株)製;エピコート807)を絶縁接着剤と
して用い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みと
なるように塗布し、前記ガラスエポキシ樹脂回路基板を
ラミネート法により張り合わせた、加熱硬化して金属ベ
ース多層回路基板を作製した。上記金属ベース多層回路
基板について、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定
性、及び生産性を測定した。その結果、表1に記載した
ように、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性は良好
であったが、生産性が低くく不良であった。
【0048】〔実施例13〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、窒化硼素(電気化学
工業(株)製;GP)を53体積%含有するビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製;エピコー
ト828)を絶縁接着剤として用い、アミン系硬化剤を
加え、200μmの厚みとなるように塗布し、厚さが3
5μmの銅箔をラミネート法により張り合わせた。次
に、この銅箔に内層回路を形成した後に、その上の所定
の部分のみに前記絶縁接着剤をアミン系硬化剤を加え、
200μmの厚みとなるように塗布し、さらに厚さが3
5μmの銅箔をラミネート法により張り合わせ、加熱硬
化した。次に、直下に銅箔を有する外層銅箔の所定箇所
にドリルによりφ0.5mmの丸穴を開け、第2絶縁接
着剤層まで切削した後に、銅めっきを施し、バイアホー
ルを形成した。この表面にエッチングにより所望の外層
回路を形成し、内層回路の一部が露出した金属ベース多
層回路基板を得た。前記金属ベース多層回路基板につい
て、熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生産
性を測定した。結果は表2に記載した通り、良好であっ
た。
【0049】
【表2】
【0050】〔実施例14〕絶縁接着剤に酸化アルミニ
ウム(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%
含有するシリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコー
ン(株)製;SE1880)を用いたこと以外は、実施
例13と同一の操作をして得た内層回路の一部が露出し
た金属ベース多層回路基板について、熱抵抗、耐電圧、
電子素子の動作安定性、及び生産性を同様の方法で測定
した。結果は表2に記載したように良好であった。
【0051】〔実施例15〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが5μmの銅箔をラミネート法により
張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッチン
グして内層回路を形成した後、その上の所定の部分のみ
に前述の絶縁接着剤をアミン系硬化剤を加え、200μ
mの厚みとなるように塗布し、厚さが5μmの銅箔をラ
ミネート法により張り合わせた後、加熱硬化した。次
に、直下に銅箔を有する外層銅箔の所定箇所にエッチン
グによりφ0.5mmの丸穴を開け、穴開き部にレーザ
ー光線を照射し、第2絶縁接着剤層上の絶縁層を切削し
た後に、銅めっきを施して、バイアホールを形成した。
次に、外層銅箔をエッチングして所望の外層回路を形成
し、内層回路の一部が露出した金属ベース多層回路基板
を得た。この金属ベース多層回路基板について、熱抵
抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を測定
した。結果は表2に記載した通り、良好であった。
【0052】〔実施例16〕510mm×510mm×
1.5mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウム
(昭和電工(株)製:A−42−2)を54体積%含有
するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製:エピコート828)を絶縁接着剤として用
い、アミン系硬化剤を加え、200μmの厚みとなるよ
うに塗布し、厚さが150μmの銅箔をラミネート法に
より張り合わせ、加熱硬化した。次に、この銅箔をエッ
チングして内層回路を形成した後、その上の所定の部分
のみに前述の絶縁接着剤をアミン系硬化剤を加え、20
0μmの厚みとなるように塗布し、厚さが150μmの
銅箔をラミネート法により張り合わせた後、加熱硬化し
た。次に、直下に銅箔を有する外層銅箔の所定箇所にエ
ッチングによりφ0.5mmの丸穴を開け、穴開き部に
レーザー光線を照射し、第2絶縁接着剤層上の絶縁層を
切削した後に、銅めっきを施して、バイアホールを形成
した。更に、外層銅箔をエッチングして所望の外層回路
を形成し、内層回路の一部が露出した金属ベース多層回
路基板を得た。この金属ベース多層回路基板について、
熱抵抗、耐電圧、電子素子の動作安定性、及び生産性を
測定した。結果は表2に記載した通り、良好であった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、金属板に金属酸化物及
び/又は金属窒化物を含有する絶縁接着剤を介して回路
基板を接合した構造の金属ベース多層回路基板におい
て、一層熱抵抗が小さく、熱放散性に優れ、耐ノイズ性
と耐電圧性に優れる金属ベース多層回路基板を生産性良
く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属ベース多層回路基板に用いる金
属ベース回路基板の一例を示す図。
【図2】 本発明の製造法での第(1)工程後の金属ベ
ース回路基板の一例を示す図。
【図3】 本発明の製造法での第(2)工程の途中を示
す一例の図で、回路用導体層のみが開孔されている状態
を示す図。
【図4】 本発明の製造法での第(2)工程の途中を示
す一例の図で、回路用導体層と第2の絶縁接着剤層が開
孔されている状態を示す図。
【図5】 本発明の製造法での第(2)工程後を示す一
例の図で、バイアホールが形成されている状態を示す
図。
【図6】 本発明の製造法での第(3)工程後を示す一
例の図で、本発明の金属ベース多層回路基板の一例であ
る。
【符号の説明】
1 金属板 2 第1の絶縁接着剤層 3 導体回路 4 金属ベース回路基板 5 第2の絶縁接着剤層 6 回路用導体層 7 バイアホール 8 金属ベース多層回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/40 H05K 3/40 Z 9/00 9/00 R (56)参考文献 特開 昭61−216391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/46 H05K 3/40 H05K 9/00 H05K 1/05

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)金属板上に、金属酸化物及び/又は
    金属窒化物を45体積%以上85体積%以下含有する
    1の絶縁接着剤層を介して導体回路を形成してなる金属
    ベース回路基板の前記導体回路上に第2の絶縁接着剤層
    を介して回路用導体層を接合する工程 (2)前記導体回路と回路用導体層を電気的に接続する
    ためのバイアホールを形成する工程 (3)前記回路用導体層に回路を形成する工程 を経ることを特徴とする金属ベース多層回路基板の製造
    法。
  2. 【請求項2】前記第1の絶縁接着剤層が第2の絶縁接着
    剤層を介して回路用導体層を接合する前に加熱硬化され
    ていることを特徴とする請求項1記載の金属ベース多層
    回路基板の製造法。
  3. 【請求項3】前記バイアホールを形成する工程に於い
    て、回路用導体の所定の位置をエッチングにより開孔
    し、該孔にレーザー光線を照射して第2の絶縁接着剤層
    を除去し、更に少なくとも孔内壁を銅めっきしてバイア
    ホールを形成することを特徴とする請求項1記載の金属
    ベース多層回路基板の製造法。
  4. 【請求項4】前記導体回路の厚さが5μm以上150μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の金属ベー
    ス多層回路基板の製造法。
JP8231684A 1995-09-12 1996-09-02 金属ベース多層回路基板の製造法 Expired - Lifetime JP2801896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8231684A JP2801896B2 (ja) 1995-09-12 1996-09-02 金属ベース多層回路基板の製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-234001 1995-09-12
JP23400195 1995-09-12
JP8231684A JP2801896B2 (ja) 1995-09-12 1996-09-02 金属ベース多層回路基板の製造法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7293998A Division JP3174026B2 (ja) 1998-03-23 1998-03-23 金属ベース多層回路基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09139580A JPH09139580A (ja) 1997-05-27
JP2801896B2 true JP2801896B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=26530026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8231684A Expired - Lifetime JP2801896B2 (ja) 1995-09-12 1996-09-02 金属ベース多層回路基板の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2801896B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101960707B (zh) * 2008-09-30 2013-09-18 日立汽车***株式会社 电力转换装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030050396A (ko) * 2001-12-18 2003-06-25 오리온전기 주식회사 저온 동시 소성 세라믹 모듈 제조 방법
US7119437B2 (en) 2002-12-26 2006-10-10 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Electronic substrate, power module and motor driver
JP4246212B2 (ja) 2006-04-21 2009-04-02 三菱電機株式会社 電動式パワーステアリング装置
JP4799349B2 (ja) * 2006-09-29 2011-10-26 株式会社フジクラ 電源分配装置およびその製造方法
US8130499B2 (en) 2007-11-30 2012-03-06 Panasonic Corporation Heat dissipating structure base board, module using heat dissipating structure base board, and method for manufacturing heat dissipating structure base board
JP6368657B2 (ja) 2015-02-02 2018-08-01 日本発條株式会社 金属ベース回路基板及びその製造方法
WO2019112048A1 (ja) * 2017-12-08 2019-06-13 積水化学工業株式会社 積層体及び電子装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61216391A (ja) * 1985-03-22 1986-09-26 古河電気工業株式会社 多層回路基板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101960707B (zh) * 2008-09-30 2013-09-18 日立汽车***株式会社 电力转换装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09139580A (ja) 1997-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100382631B1 (ko) 금속기재다층회로기판과이를구비하는반도체모듈
JP3619395B2 (ja) 半導体素子内蔵配線基板およびその製造方法
JP3588230B2 (ja) 配線基板の製造方法
US20050221537A1 (en) Plastic packaging with high heat dissipation and method for the same
JP4365061B2 (ja) 回路形成基板製造方法及び回路形成基板
CN111132476A (zh) 双面线路散热基板的制备方法
JP2801896B2 (ja) 金属ベース多層回路基板の製造法
JP2002246542A (ja) パワーモジュール及びその製造方法
CN111148353B (zh) 具有铜基散热体的电路板的制备方法
JP3174026B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JP3862454B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JP4283753B2 (ja) 電気部品内蔵多層プリント配線板及びその製造方法
JPH06224561A (ja) 放熱構造プリント配線板及びその製造方法
JPH11274669A (ja) 放熱性に優れたプリント配線板
JP3068804B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JPH08148781A (ja) 金属ベース多層回路基板
JP3282776B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JP3199599B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JP3358694B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JPH10117069A (ja) 金属ベース多層回路基板
JP2003249742A (ja) 大電流回路基板の製造法
JP2000151119A (ja) 金属ベ―ス多層回路基板
JP2005093582A (ja) 放熱用基板およびその製造方法
JP3436582B2 (ja) 金属ベース多層回路基板
JP2002016324A (ja) 回路基板とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080710

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110710

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110710

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130710

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term