JP2801083B2 - イオン導入による薬物投与デバイスと方法 - Google Patents

イオン導入による薬物投与デバイスと方法

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JP2801083B2 JP2507660A JP50766090A JP2801083B2 JP 2801083 B2 JP2801083 B2 JP 2801083B2 JP 2507660 A JP2507660 A JP 2507660A JP 50766090 A JP50766090 A JP 50766090A JP 2801083 B2 JP2801083 B2 JP 2801083B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はイオン導入による経皮的又は経粘膜的な薬剤
(agen′t)投与のためのデバイス及び方法に関する。
さらに詳しくは、本発明はデバイスの薬剤溜めと電極と
の間に配置された選択的透過性分離膜を有する電気的強
化イオン導入投与デバイスに関する。
背景技術 Dorlandの図解医学辞典によると、イオン導入は「治
療目的のための身体組織中への溶解性塩のイオンの電流
による導入」であると定義される。イオン導入デバイス
は1900年代初期から知られている。英国特許明細書第41
0,009号(1934)は当時当技術分野に知られた、このよ
うな初期デバイスの欠点の1つ、すなわち特に低い張力
(低電圧)の電流の必要性(このことは患者をこのよう
な電源の近くに固定する必要があることを意味する)を
克服するイオン導入デバイスを述べている。この英国特
許明細書のデバイスは電極と、経皮投与すべき薬剤又は
薬物を含む物質とから電池を形成することによって製造
される。この電池は薬剤をイオン導入投与するために必
要な電流を製造する。従って、この移動用(ambulator
y)デバイスは患者の日常活動を実質的に殆ど妨げない
イオン導入薬物投与を可能にした。
さらに最近では、幾つかの米国特許がイオン導入法分
野において発行されており、この薬剤投与形式に新たに
関心が持たれていることを実証している。例えば、Vern
on等に発行された米国特許第3,991,755号;Jacobsen等に
発行された米国特許第4,141,359号;Wilsonに発行された
米国特許第4,398,545号;及びJacobsenに発行された米
国特許第4,250,878号はイオン導入デバイスの例とその
幾つかの用途を開示する。イオン導入法はリドカイン塩
酸、ヒドロコルチゾン、フッ化物、ペニシリン、デキサ
メタゾン リン酸ナトリウム、インシュリン及びその他
の多くの薬物を含めた薬剤又は薬物の経皮投与に有効で
ある。イオン導入法の最も一般的な用途はピロカルピン
塩をイオン導入投与することによる嚢胞性線維症の診断
である。ピロカルピンは発汗を刺激する;汗を回収し、
この疾患の有無を検出するために塩化物含量に関して分
析した。
現在公知のイオン導入デバイスでは、少なくとも2個
の電極が用いられる。これらの電極の両方は身体の一部
と密接に電気的に接触するように配置される。活性もし
くはドナー電極と呼ばれる、一方の電極はそれからイオ
ン性物質、薬剤、薬物先駆体又は薬物が電気拡散によっ
て身体中に投与される電極である。カウンター電極(co
unter erectrode)もしくはリターン電極と呼ばれる、
他方の電極は身体を通しての電気回路を閉じるように作
用する。患者の皮膚と電極との接触に関係して、電気エ
ネルギーのソース、例えば電池への電極の結合によって
回路が完成する。例えば、身体へ投与すべきイオン性物
質が陽性に荷電する(すなわちカチオンである)場合に
は、アノードが活性電極であり、カソードは回路の完成
に役立つ。身体へ投与すべきイオン性物質が陰性に荷電
する(すなわちアニオンである)場合には、カソードが
活性電極であり、アノードはカウンター電極になる。
或いは、アノードとカソードとの両方を用いて、対立
電荷の薬物を身体中に投与することができる。このよう
な場合には、両電極は活性もしくはドナー電極であると
考えられる。例えば、アノードは陽性に荷電したイオン
性物質を身体に投与することができ、カソードは陰性に
荷電したイオン性物質を身体に投与することができる。
無荷電薬物又は薬剤の身体への投与にイオン導入投与
デバイスを用いることができることも公知である。これ
は電気浸透と呼ばれる方法によって達成される。電気浸
透はドナー電極によって皮膚を通って与えられる電界の
存在によって誘導される液体溶剤(例えば、薬物又は薬
剤を含む液体溶剤)の経皮フラックスである。理論で
は、全てのイオン導入投与デバイスは電気浸透フラック
ス成分を有する。荷電薬物イオンを対立電荷を有するド
ナー電極(すなわち、電気拡散によって投与される薬
物)から投与する場合に、電気浸透フラックス成分は電
気拡散成分に比べて非常に小さい。他方では、イオン導
入投与デバイスから無荷電薬物を投与する場合には、電
気浸透経皮フラックス成分が無荷電薬物の経皮フラック
ス中の主要なフラックス成分になる。
さらに、既存のイオン導入デバイスは一般に、身体中
にイオン導入的に投与又は導入すべき有効剤(好ましく
は、イオン化もしくはイオン化可能な薬剤又はこのよう
な薬剤の先駆体)の溜めもしくはソースを必要とする。
イオン化もしくはイオン化可能な薬剤のこのような溜め
もしくはソースの例には、前記Jacobsenの米国特許第4,
250,878号に述べられているようなポウチ又はWebsterの
米国特許第4,382,529号に述べられているような予成形
ゲル体がある。このような薬物溜めはイオン導入デバイ
スのアノード又はカソードに結合して、1種以上の好ま
しい薬物の固定もしくは再生可能な(renewable)ソー
スを形成する。
典型的な電気輸送系は投与すべき薬剤又は薬物を、例
えば緩衝剤、塩及び電気化学的反応物質のような、他の
電解質成分と結び付ける。これらの電解質成分は或る場
合には薬物と直接結合するか、又は投与系の性能が不利
に影響されるように薬物溜めの組成を変えることがあ
る。例えば、薬物を沈殿させて、続いて電極面をブロッ
クし、絶縁する反応生成物はデバイスの操作に不利に影
響する。電極の放電中に生ずる金属イオンの伝達のため
に皮膚への損傷が生ずることもある。イオン導入薬物投
与デバイスにはpH制御の問題も存在する。イオン導入薬
物投与中に存在する条件下での水の電解によってはアノ
ードにはプロトンが発生し、カソードにはヒドロキシド
イオンが発生する。発生するイオンが薬物イオンと同じ
電荷を有する場合には、身体組織中への輸送に関してこ
れらは薬物と競合する。アノード電極アセンブリから投
与される、陽性に荷電した薬物の場合には、水の電気分
解によってアノードにプロトンが発生する傾向がある:H
2O→2H++1/2O2+2e-。プロトンは陽性荷電薬物イオン
よりも可動であるので、薬物イオンよりも容易に皮膚に
投与される。皮下組織中のプロトン濃度の増加はアノー
ド ドナー電極におけるプロトンの連続発生によって生
ずるドナー電極アセンブリからのプロトン輸送の増加に
よる。皮膚へのプロトンの投与は重度の刺激状態(例え
ば酸火傷)を生ずることがある。薬物溜めのpHも同様に
プロトン濃度の増加によって影響される。多くの場合
に、pH変化は薬物の安定性に不利に影響することがあ
る。薬物溜めのpH変化は薬物伝達特性の明白な変化を生
ずることがあると同時に、皮膚への刺激と損傷を生ずる
ことがある。同様な問題は陰性荷電薬物イオンをイオン
導入投与する場合に、カソード ドナー電極におけるヒ
ドロキシルイオンの発生に関しても起こりうる。
選択的透過膜はイオン導入投与デバイスのドナー電極
アセンブリとカウンター電極アセンブリとの両方に用い
られており、このようなデバイスの薬物溜めと電極との
間に配置されている。例えば、Sanderson等の米国特許
第4,722,726号はイオン交換膜を用いており、この膜は
透過するイオン種の電荷に基づいて選択的に透過性であ
る。このイオン交換膜はイオン導入投与デバイスの薬物
溜めと電極との間に配置されている。イオン交換膜は薬
物イオンの電荷と反対の電荷(符号)を有するイオンに
対して透過性であり、薬物イオンの電荷と同じ電荷(符
号)を有するイオンに対して不透過性である。従って、
イオン交換膜は薬物イオンと薬物溶液中の同じ(符号)
電荷のイオンとが膜を通って電極に通過するのを抑制
し、同様に、同じ(符号)電荷のイオン電極から薬物溶
液中に通過するのを抑制する。
Sibalisの米国特許第4,640,689号は二コンパートメン
ト薬物溜めと共にドナー電極アセンブリを有するイオン
導入投与デバイスを開示する。下部コンパートメントは
低濃度の薬物を含むが、上部コンパートメントは高濃度
の薬物を含む。2コンパートメントは薬物イオンの通過
に対しては透過性である「半透」膜によって分離され
る。Parsiの米国特許第4,731,049号は、薬物溜めマトリ
ックスとしてイオン交換樹脂又は配位子アフィニティ媒
質を用いて薬物溜め中にイオン化薬物を結合させるイオ
ン導入投与デバイスを開示する。Parsiはまた、デバイ
スのドナー電極アセンブリ中の薬物溜めと電解質溜めと
の間に選択的透過膜(例えば、イオン交換膜又は通常の
半透性限外濾過型膜)を配置する。残念ながら、Sibali
sとParsiとが開示するような通常の半透性限外濾過型膜
の多くは高い電気抵抗(すなわち、イオン輸送に対する
高い抵抗)を有し、このことが低電圧電池(例えば、約
20volt未満の電圧を有する電池)によって動力を与えら
れる小型ポータブルイオン導入投与デバイスへの使用に
半透性限外濾過型膜を不適当にしている。それ故、薬剤
溜めと電解質溜めとを分離するため、任意に、電力供給
(electrically powered)イオン導入薬剤投与デバイ
ス中のドナー電極アセンブリの薬剤溜めと電解質溜めと
を分離するための改良手段が必要である。
イオン導入電極アセンブリ中の電極と薬物溜めとの間
に配置される膜の他に、膜は薬物溜めと皮膚との間に配
置されている。例えば、Theeuwes等の国際特許第WO90/0
3825号は薬物溜めと皮膚との間に配置された受動的フラ
ックス制御膜を有するイオン導入電極アセンブリを開示
する。受動的フラックス制御膜はそれを通る薬物イオン
の電気的促進フラックスを可能にするが、それを通る薬
物イオンの受動的(すなわち、非電気的促進)フラック
スを抑制する。従って、この制御膜は薬物イオンのイオ
ン導入フラックスに対して透過性であるが、薬物イオン
の受動的フラックスに対しては実質的に低透過性(完全
には不透過性でない)である。この制御膜はデバイスに
よって与えられる電界の存在又は不存在に基づいて「選
択的透過性」であり、透過するイオン種の固有の特性に
基づいてではない。薬物溜めが非常に強力な薬物(例え
ばスフェンタニルのような、麻酔性鎮痛薬)を含む場合
に、このような制御膜は投与デバイスが切られた、擦り
むけた又は他のやり方で傷ついた皮膚上に不注意で置か
れたとしても多すぎる薬物が受動的に投与されることを
阻止するので、非常に有利である。さらに、制御膜は製
造中及び使用中のデバイスのより安全な取り扱いを可能
にする。
イオン導入によるペプチドと蛋白質(遺伝子工学蛋白
質を含む)の経皮投与はますます注目を集めている。一
般的に言うと、経皮又は経粘膜投与のために考えられる
ペプチドと蛋白質は約500〜40,000ダルトンの範囲内の
分子量を有する。これらの高分子量物質は治療的に有効
レベルにおいて皮膚を通って受動的に拡散するには大き
すぎる。多くのペプチドと蛋白質は正味陽性もしくは正
味陰性の電荷を有するので、またこれらは皮膚を通って
受動的に拡散することができないので、イオン導入投与
の可能な候補者と考えられる。残念ながら、ペプチドと
蛋白質はドナー電極表面において反応し、不活性化及び
/又は金属触媒作用分解を受ける。さらに、ペプチドと
蛋白質は電極表面に吸着されて、それによって投与系の
抵抗性を高める。これは電極から薬物溜めを分離する手
段を有さない通常のイオン導入における特別な問題であ
る。
通常のイオン導入投与デバイスに伴う、もう一つの問
題は患者の皮膚又は血流中の荷電物質が投与デバイスの
ドナー電極アセンブリ及びカウンター電極アセンブリ中
に押しやられる傾向である。例えば脂肪及び脂質のよう
な、或る種の物質は電極を汚し、投与すべき薬剤の経皮
フラックスを低下させる。例えば薬物溜め中の薬物対イ
オン又はその他の成分のような、他の物質も電極物質自
体を不利に妨げる又は腐食し、それによってデバイスの
性能を損なうことがある。
発明の開示 それ故、電力供給イオン導入薬剤投与デバイスの投与
効率を改良する方法を提供することが本発明の目的であ
る。
イオン導入投与デバイスの電力(electrical powe
r)必要性を最小にする、このような方法を提供するこ
とが本発明のもう一つの目的である。
ドナー電極、薬剤(例えば薬物)溜め及び任意の電解
質溜めを含むドナー電極アセンブリを有し、薬剤イオン
とドナー電極との相互作用を阻止し、薬剤溜めから電解
質溜めへの薬剤イオンの通過を任意に阻止し、電解質溜
めから薬剤溜めへの薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオ
ンの通過を阻止するイオン導入投与デバイスを提供する
ことが、本発明の他の目的である。
上記その他の目的は電力供給イオン導入薬剤投与ドナ
ー電極アセンブリの薬剤投与効率を高めるためのデバイ
ス及び方法によって満たされる。このドナー電極アセン
ブリは、例えば無傷の皮膚又は粘膜のような、体表にそ
れを通して有効剤をイオン導入投与するために配置する
のに適する。ドナー電極アセンブリは体表に薬剤伝達関
係を配置するのに適した薬剤溜め、電力源に電気的に結
合するのに適したドナー電極、及び薬剤溜めと電極との
中間の選択的透過膜を含む。この膜は所定分子量よりも
大きい分子量の種の透過に対するよりも所定分子量より
も小さい分子量の種の通過に対してより大きく透過性で
ある。換言すると、この膜は拡散する種のサイズ又は分
子量に基づいて選択的に透過性である。薬剤は薬剤溜め
から選択されて投与される。薬剤は薬剤イオンと対立電
荷の対イオンとに解離することができる。
第1実施態様では、選択的透過膜は薬剤溜めとドナー
電極との間に配置され、ドナー電極に直接接触して、好
ましくはそれとラミネートを形成する。薬剤が対立電荷
の薬剤イオンと対イオンとに解離するときに薬剤イオン
が所定分子量よりも大きい分子量を有し、従って膜の通
過を実質的に阻止されるように、薬剤と膜とを選択す
る。対イオンは好ましくは所定分子量よりも小さい分子
量を有し、そのため膜を容易に通過することができる。
第2実施態様では、選択的透過膜は同様に薬剤溜めと
ドナー電極との間に配置され、ドナー電極と直接接触
し、好ましくはそれとラミネートを形成する。デバイス
から投与される予定の薬剤イオンは低分子量を有するの
で、公知のサイズ排他型選択的透過膜を用いて含まれる
ことが困難である。このような場合に、薬剤と膜とは、
薬剤が薬剤イオンと対立電荷の対イオンとに解離すると
きに対イオンが所定分子量よりも大きい分子量を有し、
従って膜の通過を実質的に阻止されるように、選択され
る。この実施態様では、少なくとも膜が、好ましくは膜
と薬剤溜めとの両方がデバイスの作用前に実質的に乾燥
状態に維持される。膜を乾燥状態に維持することによっ
て、低分子量薬剤イオンは薬剤溜めから選択的透過膜を
通って透過することができない、選択的透過膜を透過す
る場合は薬剤イオンは電極と好ましくなく相互作用す
る。作用中に、翌剤溜めと膜とは水和され、体表と薬剤
伝達関係に置かれ、その後デバイスは電流を通過させ始
める。電流がデバイスを通って流れると、薬剤イオンが
薬剤溜めから出て身体に入る。対イオンはそれらの大き
さのために選択的透過膜を通過することが実質的にでき
ない。
第3実施態様では、電解質溜めが電極と選択的透過膜
との中間に配置される。電解質溜めには、陽性荷電電解
質イオンと陰性荷電電解質イオンとに解離することので
きる電解質を選択する。この実施態様では、薬剤が薬剤
イオンと対立電荷の対イオンとに解離する時に薬剤イオ
ンが所定分子量よりも大きい分子量を有し、そのため膜
の通過を実質的に阻止されるように、薬剤、電解質及び
膜を選択する。対イオンは所定分子量よりも小さい分子
量を有し、そのため膜を容易に通過することができる。
電解質が陽性荷電イオンと陰性荷電イオンとに解離する
時に薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオンが所定分子量
よりも大きい分子量を有し、そのため膜の通過を実質的
に阻止されるように、電解質は選択される。
第4実施態様では、電解質溜めを同様に電極と選択的
透過膜との中間に配置する。デバイスから投与される予
定の薬剤イオンは低分子量を有し、従って公知のサイズ
排除型選択的透過膜の使用を含むことは困難である。薬
剤、電解質及び膜は、解離時に薬剤対イオンが所定分子
量よりも大きい分子量を有し、そのため膜の通過を実質
的に阻止されるように選択される。電解質は、解離時に
薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオンが所定分子量より
も小さい分子量を有し、そのため膜を容易に通過するこ
とができるように選択される。対イオンと同じ電荷の電
解質イオンは所定分子量よりも大きい分子量を有し、そ
のため膜の通過を実質的に阻止される。この実施態様で
は、少なくとも膜が、好ましくは膜、薬剤溜め及び電解
質溜めの全てがデバイスの作用前は実質的に乾燥状態に
維持される。膜を乾燥状態に維持することによって、低
分子量薬剤イオンは薬剤溜めから膜を通って、薬剤イオ
ンが電極と好ましくなく相互作用する電解質溜めへ拡散
することができない。膜、薬剤溜め及び電解質溜めを水
和し、薬剤溜めを体表と薬剤伝達関係に置くことによっ
てデバイスは作用を開始する。その後、デバイスは電流
を通し始める。電流が流れると、薬剤イオンと同じ電荷
を有する電解質イオンは電解質溜めから選択的透過膜を
通って薬剤溜め中に輸送される。同時に、薬剤イオンが
薬剤溜めから身体中に放出される。対イオン又は対イオ
ンと同じ電荷を有する電解質イオンはそれらの高分子量
のために半透膜を通過することができる。
好ましくは、4実施態様の全てにおいて、膜はデバイ
スの作用中に対イオン導入によって電極アセンブリ中に
押しやられる傾向を有する、身体中の物質に対して実質
的に不透過性である。膜は電極と身体との間に配置され
るので、さもなくば電極の汚染を生じうる身体物質の通
過を抑制する。
第5実施態様では、電力供給イオン導入薬剤投与デバ
イスはドナー電極アセンブリ、カウンター電極アセンブ
リ、及びドナー電極アセンブリとカウンター電極アセン
ブリとに電気的に結合するのに適した電力源を含む。ド
ナー電極アセンブリは、薬剤を含み、例えば無傷の皮膚
又は粘膜のような体表と薬物伝達関係に置くのに適した
薬剤溜めを含む。薬剤は薬剤イオンと対立電荷の対イオ
ンとに解離することができる。ドナー電極アセンブリは
電力源に電気的に結合するのに適したドナー電極をも含
む。キレート化剤を含む選択的透過膜を電極と薬剤溜め
との中間に配置する。膜中のキレート化剤は薬剤イオン
の電荷と同じ電荷を有するイオンを補足することができ
るが、対立電荷を有するイオンの透過を補足もしくは妨
害しない。これは対イオンの電荷と同じ電荷を有する種
に対して膜を透過性にし、薬剤イオンの電荷と同じ電荷
を有する種に対しては実質的に低透過性にする。
図面の簡単な説明 図1は本発明による有効剤のイオン導入投与デバイス
の1実施態様の概略図である; 図2は本発明によるイオン導入投与デバイスのもう一
つの実施態様の概略図である; 図3は本発明によるイオン導入投与デバイスのもう一
つの実施態様の概略図である; 図4は本発明によるイオン導入投与デバイスのもう一
つの実施態様の概略図である。
発明の実施態様 図1は体表22を通して有効剤を投与するためのイオン
導入投与デバイス10の概略図である。体表22は典型的に
は無傷の皮膚又は粘膜である。イオン導入投与デバイス
10はドナー電極アセンブリ8とカウンター電極アセンブ
リ9とを含む。電極アセンブリ8と9は、典型的に1個
以上の低電圧電池である電力源27及び以下でさらに詳述
する、任意の制御回路19と連続的に結合する。デバイス
10が貯蔵中である時に、デバイスは閉じた回路を形成し
ないので、電流な流れない。ドナー電極アセンブリとカ
ウンター電極アセンブリ8と9は通常は、電極アセンブ
リ8と9を体表22に貼付する前に除去される、除去可能
な剥離ライナー(図示せず)を含む。電極アセンブリ8
と9の結合皮膚接触部分は1cm2未満から200cm2を越える
までに変化しうる。しかし、平均的なデバイス10は約5
−50cm2の範囲内の結合皮膚接触部分を含む電極アセン
ブリを有する。
ドナー電極アセンブリ8はドナー電極11、電解質溜め
13、選択的透過性分離膜14及び薬剤溜め15を含む。薬剤
溜め15は薬剤イオン(デバイス10によってイオン導入投
与される予定のイオン)と対立電荷の対ィオンとに解離
することができる有効剤を含む。ドナー電極アセンブリ
8はイオン伝導接着剤層17を用いて体表22に接着され
る。
デバイス10はドナー電極アセンブリ8から間隔をおい
て離れた位置の体表22に配置されるカウンター電極アセ
ンブリ9を含む。カウンター電極アセンブリ9はカウン
ター電極12と電解質溜め16とを含む。カウンター電極ア
センブリ9はイオン伝導接着剤層18を用いて体表22に接
着される。
デバイス10を患者の皮膚に配置すると、電極間の回路
は閉じて、電力源はデバイスと患者の身体とを通して電
流を供給し始める。電流の少なくとも一部、好ましくは
電流の高い割合はドナー電極アセンプリ8から皮膚22中
に投与される薬剤イオンによって運ばれる。特定のイオ
ン種jによって運ばれる電流部分は種jの移動数(tran
sference number)と呼ばれ、数学的に次式:t1=ij/i 式中:i=総電流密度 ij=イオン性種jによって運ばれる電流密度 として表現される。
本発明のデバイスはイオン化薬剤の移動数を高め、そ
れによってデバイスの薬剤投与効率を高める。
電極11と12は金属ホイル、例えば銀、アルミニウム又
は亜鉛ホイルでありうる、又は金属粉末、粉状黒鉛、炭
素繊維もしくは他の適当な導電性物質を負荷したポリマ
ーマトリックスでありうる。他の多くの電極物質が技術
上周知であり、例えば米国特許第4,474,570号及び第4,5
57,723号に開示されており、これらの両方ともがここに
参考文献として関係する。
電力源としての電池の代替え手段として、デバイス10
にドナー電極11と逆電極12によって形成される電池によ
って電力を与えることができる、ドナー電極11とカウン
ター電極12は異なる電気化学的対物質(couple)から構
成され、相互に電気的に接触して配置される。典型的な
物質は亜鉛ドナー電極11と銀/塩化銀カウンター電極12
を含む。Zn−Ag/AgCl電池対物質は約1.0voltの電位を与
える。
電解質溜め16は、電解質溜め16が一度水和されたなら
ば、適当な分子量のカチオンとアニオンとに解離するこ
とができる、適当な薬理学的に受容される電解質種を含
む。図1に図示したデバイスでは、溜め16内の電解質種
の分子量は決定的ではない。従って、電解質種は如何な
る薬理学的に受容される塩からも選択されることができ
る。適当な塩には、塩化ナトリウム、例えば塩化物、硫
酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩及び例えばアスコルビ
ン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩のような有機塩のようなア
ルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩並びにこれらの混
合物がある。溜め16は緩衝剤を含むこともできる。カウ
ンター電極12がカソードであり、銀/塩化銀と任意にリ
ン酸ナトリウム緩衝剤とから構成される場合に、塩化ナ
トリウムは適当な電解質である。
選択的透過膜14はイオン導入投与デバイスの作用条件
下で所定分子量よりも大きい分子量のイオンに対するよ
りも所定分子量よりも小さい分子量のイオンに対してよ
り大きく透過性である。従って、膜14は所定分子量より
も小さい分子量を有するイオンに対して透過性であり、
このようなイオンを膜に自由に透過させるが、所定分子
量よりも大きい分子量を有するイオンに対して実質的に
低透過性であり、このような高分子量イオンの通過を実
質的に阻止する。膜が完全な選択性を有さず、所定分子
量よりも大きい分子量を有するイオンの少量の通過は不
可避であることを留意すべきである。膜14のサイズ排除
特性は下記のように定義される質量比,Rmassとして表現
される: Rmass=Mperm/Mres 式中、Mpermはデバイスの作用寿命中に膜を透過する薬
剤種jの質量であり; Mresは薬剤溜め中に最初に含まれる薬剤種jの総
重量である。
一般に、選択的透過膜は約0.3未満、好ましくは約0.1
未満の質量比:Rmassを有すべきである。
分離膜14は、特定薬物イオン、対イオン及び/又は電
解質イオンの通過を抑制する他に、例えば1個以上の低
電圧電池のようなポータブル低電圧電力源が患者の皮膚
又は粘膜を通して治療有効量の有効剤を投与することが
できるほど充分に低い、膜を横切る電圧低下を有するべ
きである。膜14は50kohm・cm2未満、好ましくは約5kohm
・cm2未満、最も好ましくは約1kohm・cm2の面積抵抗を
有するべきである。膜の面積抵抗は100μA/cm2の直流密
度が流れる時に膜を横切る電圧低下を測定することによ
って決定される。次に、オームの法則、すなわちR=V/
iを用いて抵抗が算出される。例えば、100μA/cm2の電
流密度が100mVの電位低下を生ずるならば、膜の面積抵
抗は1kohm・cm2である。
透過する膜のサイズ又は分子量に基づいて選択的に透
過性である公知の選択的透過膜は膜14又は14aとして使
用できる可能性がある。膜は例えばポリエチレングリコ
ールのような水溶性孔形成剤を含む、均質物質又は不均
質物質のいずれでもよい。膜14と14aを製造するための
適当な材料は、限定する訳ではなく、ポリカーボネー
ト、すなわち例えばビスフェノールAのようなジヒドロ
キシ芳香族のホスゲン化によってポリマー鎖中にカーボ
ネート基が反復するカルボン酸の線状ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、例えばポリヘキサメチレンアジパミド及
びその他の、一般に「ナイロン」として一般に知られる
ポリアミドのようなポリアミド、例えばポリ塩化ビニル
とアクリロニトリルとから形成されるコポリマー及びス
チレン−アクリル酸コポリマーようなモダクリルコポリ
マー、例えばその線状鎖中のジフェニレンスルホン基を
特徴とするようなポリスルホン、例えばポリフッ化ビニ
リデンとポリフッ化ビニルのようなハロゲン化ポリマ
ー、ポリクロロエーテルと熱可塑性ポリエーテル、例え
ばポリホルムアルデヒドのようなアセタールポリマー、
例えばポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレー
ト及びポリn−ブチルメタクリレートのようなアクリル
樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリ酢酸ビニル、芳香族と脂肪族のポリエーテ
ル、例えばセルローストリアセテートのようなセルロー
スエステル、セルロース、コロジオン、エポキシ樹脂、
例えばポリエチレンとポリプロピレンのようなポリオレ
ィン、多孔質ゴム、架橋ポリ(エチレンオキシド)、架
橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリ(ビニルアルコー
ル)、例えばポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)と
架橋ポリビニルベンジルトリメチル−アンモニウムクロ
リドのようなポリスチレン誘導体、ポリ(ヒドロキシエ
チルメタクリレート)、ポリ(イソブチルビニルエーテ
ル)、ポリイソプレン、ポリアルケン、例えば、ここに
参考文献として関係する米国特許第4,144,317号に述べ
られているコポリマーのような、エチレン−酢酸ビニル
コポリマー、Union Carbide(ニューヨーク州、ニュー
ヨーク)によって製造されるPolyoxRのようなポリエチ
レンオキシド又はポリアクリル酸もしくはCarbopolRとP
olyoxとのブレンド、例えばヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ペクチ
ン、澱粉、グアーガム、ローカスビーンガム等を、これ
らのブレンドと共に含む。このリストは本発明への使用
に適した物質の単なる例示に過ぎない。より広範囲なリ
ストは、J.R.ScottとW.J.RoffのHandbook of Common
Polymers(CRC Press,1971)と、ここに参考文献と
して関係する米国特許第3,797,494号のような、微孔質
膜製造用に適した材料を開示する特許とに見い出すこと
ができる。分離膜14と14aは約0.1〜30重量%、好ましく
は約1〜20重量%の平衡水含量を有する。好ましい膜材
料は例えば400〜8000の範囲内の分子量を有するポリエ
チレングリコールのような孔形成剤 20重量%までを負
荷したセルロースアセテートである。好ましい膜の特定
の例を下記に挙げる。
図2は数字20によって示す、もう一つのイオン導入投
与デバイスを説明する。デバイス20も、デバイス10と同
様に、電力源27(例えば、電池)と任意の制御回路19と
を含む。しかし、デバイス20では、ドナー電極アセンブ
リ8とカウンター電極アセンブリ29はあ絶縁体26に結合
し、単一の組込み式ユニットを形成する。絶縁体26は体
表22を通るイオン輸送なしにドナー電極アセンブリ8か
らカウンター電極アセンブリ29への直接のイオン輸送を
阻止することによってデバイスの短絡を防止する機能を
果たす。絶縁体26は好ましくはイオンと水との両方に対
して不透過性である疎水性非導電性ポリマー物質から形
成される。好ましい絶縁性物質は非孔質エチレン−酢酸
ビニルと、独立気泡型発泡プラスチックスである。ドナ
ー電極アセンブリ8はデバイス10(図1)中のアセンブ
リ8と同じ構造を有する。カウンター電極アセンプリ29
(図2)はカウンター電極12、電解質溜め16、薬剤溜め
25及び選択的透過性分離膜14aを含む。それ故、この実
施態様では、ドナー電極アセンブリ8とカウンター電極
アセンブリ29との両方を用いて、種々な有効剤を体表22
を通してイオン導入投与する。例えば、正の薬剤イオン
をアノード電極アセンブリから体表22を通して投与する
ことができ、負の薬剤イオンはカソード電極アセンブリ
から体表22を通して投与することができる。或いは、中
性薬物をいずれかの電極アンセンブリから電気浸透によ
って導入することができる。
図2に示したドナー電極アセンブリ8、絶縁体26及び
カウンター電極アセンブリ29の並列配向の代替え手段と
して、電極アセンブリを同心的に配置して、中心に配置
したカウンター電極アセンブリを絶縁体26とドナー電極
アセンブリによって囲むことができる。電極アセンブリ
を逆にして、中心に配置されたドナー電極アセンブリを
カウンター電極が囲むようにすることができる。電極ア
センブリの同心配向は円形、楕円形、長方形又は多様な
幾何学的形状のいずれかのなりうる。
図3は数字30によって示す、もう一つのイオン導入投
与デバイスを説明する。デバイス30は下記を例外として
図1に示したデバイス10と実質的に同じである。デバイ
ス30では、ドナー電極アセンブリ8は電解質溜め13を含
まない。従って、選択的透過膜14はドナー電極11と直接
接触する。
図4は数字40によって示す、さらにもう一つのイオン
導入投与デバイスを説明する。デバイス40は下記を例外
として図2に示したデバイス20と実質的に同じである。
デバイス40のドナー電極8は電解質溜め13を含まず、カ
ウンター電極アセンブリ29は電解質溜め16を含まない。
選択的透過性分離膜14はドナー電極11と直接接触し、選
択的透過性分離膜14aは電極12と直接接触する。
制御回路19は任意に備えられる。制御回路19は「必要
に応じて」薬物を投与するためにon−offスイッチ、タ
イマー、固定又は可変な電気抵抗体、身体の自然のもし
くは約24時間のパターンに適合するように望ましい周期
性でデバイスをオン及びオフに自動的に切り替える制御
器、又は技術上公知の他のより精緻な電子制御装置の形
状を取る(例えば、痛覚治療のための鎮痛薬を患者−制
御する)ことができる。例えば、定常な電流レベルは薬
物もしくは薬剤が皮膚を通して定常速度で投与されるこ
とを保証するので、所定の定常レベルの電流をデバイス
10から放出することが望ましい。電流レベルは多様な公
知の手段、例えば抵抗体、又は抵抗器と電界効果型トラ
ンジスターとを用いる単純な回路によって制御すること
ができる。制御回路19は有効剤の投与量を制御するよう
に、又は所定投与法を維持する投与量を調節するために
センサーシグナルに反応するようにも設計することがで
きる積算回路を含むこともできる。比較的簡単な回路が
時間の関数として電流を調節することができ、望ましい
場合には、パルス又はシヌソイダル(sinusoidal)波の
ような、複雑な電流波形を発生することができる。さら
に、制御回路19は、バイオシグナルを監視し、治療法を
評価し、これに応じて薬物投与を調節するバイオーフィ
ードバック系を用いることができる。典型的な例は糖尿
病患者にインシュリンを制御投与するための血糖レベル
の監視である。
本発明の第1実施態様によると、ドナー電極アセンブ
リ8はドナー電極11と薬剤溜め15とを含み、電極11と薬
剤溜め15とは選択的透過膜14によって分離される(すな
わち、ドナー電極アセンブリ8は図3と4に示し形態を
有する)。薬剤と膜14とは、薬剤イオンが所定分子量よ
り大きい分子量を有し、対イオンが所定分子量よりも小
さい分子量を有するように選択される。従って、膜14は
薬剤イオンが薬剤溜め15から膜14中へ及び膜14を通って
透過するのを阻止する、さもなくば薬剤イオンは電極11
及び/又は電解質溜め13中に存在する他のイオン種と不
利に反応することになる。
本発明の第2実施態様によると、ドナー電極アセンブ
リ8はドナー電極11と薬剤溜め15とを含み、電極11と薬
剤溜め15とは選択的透過膜によって分離される(すなわ
ち、ドナー電極アセンブリ8は図3と4に示した形態を
有する)。薬剤と膜14とは、薬剤対イオンが所定分子量
より大きい分子量を有し、薬剤イオンが所定分子量より
も小さい分子量を有するように選択される。この実施態
様は、分子量が小さすぎて公知のサイズ排除型の選択的
透過膜を用いて含めることができない薬剤イオンの投与
に用いられる。サイズ排除型膜は、膜の面積抵抗を許容
できないレベル(すなわち、50kohm・cm2より有意に高
いレベル)に高めることなしには、約100ダルトン未満
の分子量を有するイオン種の通過を抑制することが一般
にできない。従って、本発明によって小さい可動な薬剤
イオン(すなわち、約100ダルトン未満の分子量を有す
る薬剤イオン)を投与する場合には、対イオンが所定分
子量より大きい分子量を有するように、薬剤を選択す
る。第2実施態様では、選択的透過膜、好ましくは薬剤
溜めと選択的透過膜との両方が使用まで非水和状態に維
持される。膜を非水和状態に維持することによって、身
体に配置するまでイオン種は膜を透過することができな
い。薬剤ためを一度、体表と薬剤伝達関係に置き、薬剤
溜めと膜が充分に水和されるならば、デバイスは電流を
通し始める。膜の非水和初期状態は、水和後に膜を通っ
て与えられる電界と共に、薬剤溜めから膜への及び膜を
通っての低分子量薬剤イオンの通過を抑制する、低分子
量薬剤イオンが膜を通過する場合は薬剤イオンは電極11
と好ましくなく相互作用する。
本発明の第3実施態様によると、ドナー電極アセンブ
リ8はドナー電極11、薬剤溜め15及び電解質溜め13を含
み、溜め13と15は選択的透過膜14によって分離される
(すなわち、ドナー電極アセンブリ8は図1と2に示し
た形態を有する)。薬剤と膜14は、薬剤イオンが所定分
子量より大きい分子量を有し、対イオンが所定分子量よ
りも小さい分子量を有するように選択される。電解質
は、薬剤イオンと同じ電荷を有する電解質イオンが所定
分子量より大きい分子量を有するように、選択される。
このようにして、薬剤イオンと、薬剤イオンと同じ電荷
を有する電解質イオンとの両方が膜14の透過を阻止され
る。従って、膜14は薬剤イオンが薬剤溜め15から電解質
溜め13中へ透過するのを阻止する、さもなくば薬剤イオ
ンは電極11及び/又は電解質溜め13中に存在する他のイ
オン種と不利に反応する。同様に、薬剤イオンと同じ電
荷を有する、電解質溜め13中の電解質イオンは膜14から
薬剤溜め15中への透過から阻止される、薬剤溜め中では
電解質イオンは体表22を通して投与するための薬剤イオ
ンと不利に競合して、薬剤イオンの移動数を下げ、それ
によってデバイスの薬剤投与効率を低下させる。
本発明の第4実施態様によると、ドナー電極アセンブ
リ8はドナー電極11、薬剤溜め15及び電解質溜め13を含
み、溜め13と15は選択的透過膜14によって分離される
(すなわち、ドナー電極アセンブリ8は図1と2に示し
た形態を有する)。薬剤と膜14は、薬剤イオンが所定分
子量より小さい分子量を有し、対イオンが所定分子量よ
りも大きい分子量を有するように選択される。本発明の
この実施態様は公知のサイズ排除型選択的透過膜を用い
て含まれるにはあまりにも小さすぎる分子量を有する薬
剤イオンの投与に有用である。サイズ排除型膜は、膜の
面積抵抗を許容できないレベル(すなわち、50kohm・cm
2より有意に高いレベル)に高めることなしには、約100
ダルトン未満の分子量を有するイオン種の通過を抑制す
ることが一般にできない。従って、本発明によって小さ
い可動な薬剤イオン(すなわち、約100ダルトン未満の
分子量を有する薬剤イオン)を投与する場合には、対イ
オンが所定分子量より大きい分子量を有するように、薬
剤を選択する。さらに、電解質は薬剤イオンと同じ電荷
を有する電解質イオンが所定分子量より小さい分子量を
有し、対イオンと同じ電荷を有する電解質イオンが所定
分子量よりも大きい分子量を有するように、選択され
る。本発明の第4実施態様では、体表に配置するまで、
少なくとも膜、好ましは膜と薬剤溜めとの両方が実質的
に非水和状態に維持される。膜の非水和初期状態は、水
和後に膜を通って与えられる電界と共に、薬剤溜めから
膜への及び膜を通っての低分子量薬剤イオンの通過を抑
制する、低分子量薬剤イオンが膜を通過する場合は薬剤
イオンは電極11と好ましくなく相互作用する。
身体に配置されるまで、選択的透過膜14を実質的に非
水和状態に維持しなければならないような、本発明の実
施態様では、「非水和」なる用語はイオン種を溶剤中に
溶解し、膜を通して輸送することを可能にするために不
充分な溶剤が膜に含まれることを意味する。大抵の場合
に、溶剤は水である。しかし、「水和」及び「非水和」
なる用語は水以外の溶剤(すなわち、非水性溶剤)の使
用を含むほど充分に広範囲である。
本発明に使用するために適した高分子量イオンは少な
くとも約100ダルトン、好ましくは約300ダルトンを越え
る分子量と、デバイス中に用いられる溶剤(例えば、
水)への良好な溶解度とを有するべきである。高分子量
イオンの特定の例を下記に挙げる: 本発明に使用するために適当な低分子量イオンには、
例えばナトリウム、カリウム及びリチウムイオンのよう
なアルカリ金属イオン;例えばマグネシウム、カルシウ
ム及びバリウムイオンのようなアルカリ土類金属イオ
ン;例えばフルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージ
ドのようなハロゲンイオン;並びにアンモニウム、ホス
フェート、スルフェート、パークロレート、カーボネー
ト、シトレート、アセテート、ベンゾエート、オキサレ
ート及びボレートイオンがある。これらの中で、ナトリ
ウム、カリウム及びクロリドイオンが好ましい。
本発明の第5実施態様によると、電力供給イオン導入
薬剤投与デバイスは図1,2,3又は4のいずれかに示した
構造を有することができる。第5実施態様では、電極11
と薬剤溜め15との中間の選択的透過膜14(又は電極12と
溜め25との中間の選択的透過膜14a)は、透過する種の
電荷に依存して選択的に透過性である。この実施態様で
は、膜14は薬剤イオンの電荷に同じ電荷を有するイオン
を捕捉することができるが、対立電荷を有するイオンの
透過を捕捉もしくは妨害しないキレート化剤を含む。従
って、膜は対イオンと同じ電荷を有する種に対して透過
性であるが、薬剤イオンの電荷と同じ電荷を有する種に
対して実質的に低透過性である。この実施態様は、ドナ
ー電極の少なくとも一部がデバイスの作用中に酸化され
て金属イオンを形成する被酸化性金属から構成される場
合に、特に有用である。従って、キレート化剤は電極の
放電中に生ずる金属イオンを捕捉するように作用する。
これは、金属イオンが皮膚又は体表を損傷する場合に、
特に望ましい。キレート化剤を含む膜は好ましくはヒド
ロゲルから構成される。ヒドロゲルは如何なる現状技術
物質でもよく、限定する訳ではなく、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリ
ドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、アルブミン、
ゼラチン及びセルロースポリマーを含む。適当なキレー
ト化剤には、限定する訳ではなく、エンチレンジアミン
四酢酸(EDTA)及び、例えばBio−Rad Laboratoliesに
よって販売されるChelex 100のような、キレート化樹
脂がある。他の適当なキレート化剤はMartin、Swarbric
k及びCammarataのPhysical Pharmacy,第3版(1983)
において詳細に考案されている。
本発明は無傷な皮膚、粘膜及び爪を含めた体表を通し
て通常投与される広範な種類の薬物に関連して有用性を
有する。ここで用いる「薬剤」及び「薬物」なる表現は
互換的に用いられ、望ましい効果、通常は有効効果を生
ずるために生存生物に投与される治療有効物質として最
も広い解釈を有するように意図される。一般に、これは
主要な治療分野の全てにおける治療剤を含み、限定する
訳ではなく、例えば抗生物質と抗ウイルス剤のような抗
感染薬、鎮痛薬と鎮痛複合薬、麻酔薬、食欲減退薬、抗
関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病
薬、下痢止め、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗偏頭痛
薬、乗り物酔い治療剤、例えばメトクロプラミドのよう
な抗おう吐薬、制吐薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病
薬、かゆみ止め、抗精神病薬、解熱薬、胃腸及び尿路を
含む鎮痙薬、抗コリン作動薬、交感神経作用薬、キサン
チン誘導体、カルシウム、チャンネル遮断薬、ベータ遮
断薬、抗不整脈薬、抗高血圧薬、利尿薬、全身、冠状、
末梢及び脳血管を含む血管拡張薬を含む心臓血管製剤、
中神経系刺激薬、咳き及び風邪薬、うっ血除去薬、診断
薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、副交感
神経遮断薬、副交感神経作用薬、蛋白質、ペプトド、ポ
リペプチド及び遺伝工学ペプチドと蛋白質を含む他の高
分子、精神刺激薬、鎮静薬及びトランキライザーを含
む。
投与すべき薬剤又は薬剤の水溶性塩を用いることが、
最も好ましい。
高分子量を有する薬剤イオンを用いる本発明の実施態
様(それ故、薬剤イオンが選択的透過膜14と14aを透過
すること)は、典型的に少なくとも焼く300ダルトン、
最も典型的には約300〜40,000ダルトンの範囲内の分子
量を有するペプチド、ポリペプチド、蛋白質及び他の高
分子の制御投与に特に有用である。このサイズ範囲内の
ペプチド及び蛋白質の特別の例には、限定する訳ではな
く、LHRH、例えばブセレリン、ゴナドレリン、ナフェレ
リン及びロイプロリドのようなLHRH類似体、インシュリ
ン、ヘパリン、カルシトニン、エンドルフィン、TRH、N
T−36(化学名:N−[(s)−4−オキソ−2−アゼチ
ジニル]−L−ヒスチジル−L−プロリナミド)、リプ
レシン、下垂体ホルモン(例えば、HGH,HMG,HCG,酢酸デ
スモプレッシン等)、卵法ルテオイド、αANF、成長因
子放出因子(GFRF)、βMSH、ソマトスタチン、ブラデ
ィキニン、ソマトトロピン、血小板誘導成長因子、アス
パルギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモパパイン、コ
レシストキニン、絨毛性性腺刺激ホルモン、コルチコト
ロピン(ACTH)、エリスロポイエチン、エポプロステノ
ール(血小板凝固阻害因子)、グルカゴン、ヒアルロニ
ターゼ、インターフェロン、インターロイキン−2、メ
ノトロピン(例えば、ウロフォリトロピン(FSH)とL
H)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラス
ミノーゲン活性因子、ウロキナーゼ、バソプレッシン、
ACTH類似体、ANP、ANPクリアランス阻害因子、アンギオ
テンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモン アゴニス
ト、抗利尿ホルモン アンタゴニスト、ブラディキニン
アンタゴニスト、CD4、セレターゼ、CSF類、エンケフ
ァリン、FABフラグメント、GHRH、IgEペプチド抑制因
子、IGF−1、神経栄養因子、上皮小体ホルモンとアゴ
ニスト、上皮小体ホルモン アンタゴニスト、プロスタ
グランジン アンタゴニスト、ベンチゲチド、プロテイ
ンC、プロテインS、レニン阻害因子、チモシンα−
1、血栓溶解薬、TNF、ワクチン、バソプレッシン ア
ンタゴニスト類似体、α−1抗トリプシン(組換え体)
及びインターフェロンがある。
図1−4に示したイオン伝導接着剤層17と18の代替え
手段として、薬剤溜め15と25及び電解質溜め16は自己接
着性マトリックスを含むことができる。適当な自己接着
性マトリックス物質には、限定する訳ではなく、ポリ
(スチレン−ブタジエン)とポリ(スチレン−イソプレ
ン−スチレン)ブロックコポリマー、高分子量と低分子
量のポリイソブチレンコポリマーがある。他の適当な自
己接着性マトリックス物質は、ここに参考文献として関
係する米国特許第4,391,278号、第4,474,570号、第4,59
3,053号、第4,702,732号及び第4,820,263号に述べられ
ている。自己接着性薬剤溜め又は電解質溜めを用いる場
合は、樹脂粘着付与剤を加えることによって、ポリマー
マトリックスの接着性は強化される。適当な粘着付与剤
の例には、Hercules,Inc.(デラウェア州、ウィルミン
トン)から商品名Staybelite Estre#5と#10、Regal
−Rez及びPiccotacで販売されている粘着付与剤があ
る。さらに、マトリックスは例えば鉱油又はシリカのよ
うなレオロジー剤(rheological agent)を含むことが
できる。
図1−4に示したイオン伝導接着剤層17と18の他の代
替え手段として、接着性オーバーレイを用いてイオン導
入投与デバイス10,20,30及び40を皮膚に接着させること
ができる。皮膚に受動性経皮投与デバイスを固定するた
めに用いられる、通常の接着性オーバーレイのいずれも
使用可能である。
薬剤溜め15と25及び電解質溜め13と16は好ましい薬
剤、薬物、電解質又は他の成分をポリマーと混和して、
例えば溶融プレス成形、溶液流延法又は押出成形によっ
てマトリックス(例えば、フィルムとして)を形成する
ことによって成形されるポリマーマトリックス構造体で
ありうる。ポリマーマトリックス中の薬物及び/又は電
解質負荷は一般に約20〜95重量%、好ましくは約30〜80
重量%、最も好ましくは約30〜60重量%である。
溜め13、15、16及び25のマトリックスとしての使用に
適したポリマーには、限定する訳ではなく、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソプレン及びポリアルケ
ン、ゴム、例えばKratonRのようなコポリマー、ポリ酢
酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロ
ース、セルロースアセテート、エチレン−酢酸ビニル、
ポリウレタン、ナイロン、及びこれらのブレンドがあ
る。マトリックスは例えばシラスティック マトリック
スのような、適所の成分によって架橋することができ
る、又はセルロース、繊維織物パッド及びスポンジの場
合のように、ポリマーを予め製造し、溶液から成分を吸
収させることができる。
或いは、溜め13、15、16及び25のマトリックスを例え
ばヒドロゲルのような、水中で膨潤もしくは溶解可能な
親水性ポリマーから形成することができる。適当な親水
性ポリマーの例には、ポリビニルアルコール、ポリアク
リレート、ポリエチレンオキシド、PolyoxR、ポリアク
リル酸もしくはCarbopolRをブレンドしたPolyoxR、例え
ばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのよう
なセルロース誘導体、ペクチン、澱粉、グァーガム、ロ
ーカストビーンガム等と、これらのブレンドがある。
溜め13、15及び16は、薬剤、薬物又は電解質の他に、
例えば染料、顔料、不活性フィラー、可塑剤、その他の
賦形剤のような、他の通常の物質も含むことができる。
我々の発明を一般的に説明したが、下記実施例は本発
明のイオン導入投与デバイスのある一定の好ましい実施
態様を説明する。
実施例1 メトクロプラミドをイオン導入投与するためのデバイ
スを下記のように製造する。ドナー電極アセンブリは亜
鉛ホイル ドナー電極、ポリエチレンオキシドベースド
電解質溜め、セルロースアセテート選択的透過膜及びポ
リビニルピロリドンベースド薬物溜めを含む多層状(mu
ltilaminate)構造を有する。
薬物溜めは重量平均分子量360,000を有する粉状ポリ
ビニルピロリドン(GAF Corporationによって製造され
るPVP−K90)65重量部とメトクロプラミドHCl 35重量
部とをブラベンダーミキサーを用いて65℃において乾式
混和することによって製造する。混合物を6mil厚さを有
するシートに押出成形し、5cm2の面積を有する方形切片
を切り取る。
電解質溜めはポリエチレンオキシド[Union Carbide
(ニューヨーク州、ニューヨーク)によって製造される
PolyoxR]70重量部と塩化コレスチラミン塩 30重量部
とを乾式混和することによって製造する。コレスチラミ
ンカチオンは100,000ダルトンを越える分子量を有す
る。混合物を6mil厚さを有するシートに押出成形し、5c
m2の面積を有する方形切片を切り取る。
選択的透過膜はセルロースアセテート[FMC Corp.
(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)によって製造
されるCA398−10]90重量部と、ポリエチレングリコー
ル[Union Carbide(カリフォルニア州、ロングビー
チ)によって製造されるPEG400]10重量部とをホーバー
トミキサーにおいて塩化メチレン溶剤と混合することに
よって製造する。混合物を3mil厚さを有するシートに溶
液流延する。キャストシートの5cm2方形切片を切り取
る。膜の面積抵抗は約2kohm・cm2である。この膜は約10
0ダルトン未満の分子量を有するイオン種に対して自由
透過性である。高分子量メトクロプラミドイオンに対し
ては、膜は約0.02のRmassを示す。水和セルロースアセ
テート膜を通してのコレスチラミンの移動数tは約0.01
未満である。
薬物溜めと電解質溜めとを熱と圧力を用いて選択的透
過膜の両側に重ねる。次いで、亜鉛ホイル電極を熱と圧
力を用いて電解質溜めの自由表面に重ねる。
カウンター電極アセンブリはポリアクリル酸ナトリウ
ム(Mitsui Cyanamide Co.によって製造されるAcoflo
ck A−130)70重量部と、塩化ナトリウム 30重量部
とをブラベンダーミキサーを用いて65℃において乾式混
和することによって製造する。混合物を6mil厚さを有す
るシートに押出成形する。5cm2の面積を有する方形切片
を切り取る。5cm2の面積を有する焼結Ag/AgClディスク
をポリアクリレートフィルムの片側に重ねる。
亜鉛ホイルドナー電極とAg/AgClカウンター電極とを
定常レベルの500μA又は100μA/cm2直流を供給する電
力源に電気的に結合させる。亜鉛電極を電源の正端子に
結合させ、Ag/AgCl電極を電源の負端子に結合させる。
周辺シリコーンベースド接着剤を有するフレキシブル
ポリエチレンシートを含む、通常の経皮型接着性オーバ
ーレイを用いて、デバイス全体を体表に接着させる。
デバイスの作用中に、薬剤カチオン(メトクロプラミ
ド、分子量=300ダルトン)と電解質カチオン(コレス
チラミン、分子量>100,000ダルトン)の両方は実質的
にセルロースアセテート膜を通って浸透することができ
ない。メトクロプラミドイオンが身体中に押しやられる
と、薬物対イオン(すなわち、クロリドイオン)が半透
膜を通って電解質膜中に入る。電解質カチオン(すなわ
ち、コレスチラミンイオン)は選択的透過性セルロース
アセテート膜を透過できないので、これらは薬物溜め中
に入らない、さもなくばこれらは薬物溜め中で身体中へ
の投与に関してメトクロプラミドイオンと不利に競合す
る。それ故、供給電流の高い割合が身体中に輸送される
メトクロプラミドイオンによって運ばれ、それによって
メトクロプラミドイオンの移動数とデバイスのメトクロ
プラミド投与効率とを高める。
実施例2 リチウムをイオン導入投与するためのデバイスは実施
例1のデバイスと同じ構造を有する。ポリビニルピロリ
ドン薬剤溜め中の薬剤はグルコン酸リチウムから成る。
薬剤イオン(すなわち、リチウムイオン)は僅か7ダル
トンの分子量を有し、あまりに小さ過ぎて、サイズ排除
型膜を用いて実際に含まれることができない。グルコネ
ート対イオンは195ダルトンの分子量を有するので、膜
(膜が一度水和されたならば)を通過することが実質的
にできない。ポリエチレンオキシド電解質溜め中の電解
質はアルギン酸ナトリウムである。ナトリウムイオンは
僅か23ダルトンの分子量を有するので、一度水和された
膜を容易に通過することができる。アルギネートアニオ
ンは約240,000ダルトンの分子量を有し、あまりに大き
過ぎて、膜を通過することができない。ドナー電極は銀
ホイルである。リチウムイオンは低分子量を有する(そ
れ故、選択的透過膜を容易に透過することができる)の
で、膜は、好ましくは膜と薬物溜めと電解質溜めとの3
要素の全ては、患者上に配置する前に、非水和状態に維
持される。膜を非水和状態に維持することによって、リ
チウムイオンは身体上に配置する前に薬物溜めから膜を
通って透過することができない。
使用中に、デバイスを身体上に配置するときに、膜と
薬物溜めとの電解質溜めとは水和される。水和は身体か
らの水吸収(例えば、汗の吸収、経表皮性損失水の吸
収、又は頬粘膜の場合には唾液の吸収)によって、又は
外部ソースからの水を用いて達成される。一度、薬剤溜
めと電解質溜めと膜とが水和され、薬剤溜めが体表と薬
剤伝達関係に置かれるならば、デバイスは電流を通し始
める。電流がデバイスを通って流れると、リチウムイオ
ンが薬物溜めから身体中に移動する。グルコネート対イ
オンはそれらのサイズのために選択的透過膜を通過する
ことができない。低分子量リチウムイオンに対しては、
水和膜は0.3未満のRmassを示す。高分子量アルギネート
イオンとグルコネートイオンとに対しては、水和膜は約
0.1未満のRmassを示す。膜の面積抵抗は約2kohm・cm2
ある。
このデバイスでは、薬物対イオン(グルコネートイオ
ン、分子量=195ダルトン)と電解質アニオン(アルギ
ネートイオン、分子量=240,000ダルトン)の両方はセ
ルロースアセテート膜を通過することが実質的にできな
い。作用前に、系は水和されず、従って全てのイオン種
の拡散は阻害される。使用中に、系が水和され、身体上
に置かれると、その直後に電流を通し始める。電流が流
れると、ナトリウムイオンが電解質溜めから半透膜を通
って薬剤溜め中に輸送される。同時に、リチウムイオン
が薬剤溜めから皮膚中に放出される。アルギネートイオ
ンとグルコネートイオンのいずれも半透膜を横切ること
ができない。膜と薬剤溜めと電解質溜めとの非水和初期
状態は、水和後に半透膜を横切って与えられる電界と共
に、リチウムイオンの薬剤溜めから電解質溜めへの通過
を阻害する。
実施例3 インシュリン(塩化物塩として)をイオン導入投与す
るためのデバイスは、下記を例外として、実施例1に述
べたデバイスと同じ構造及び組成を有する。第一に、電
解質溜めを用いない。第二に、電極は銀ホイルである。
従って、セルロースアセテート膜を熱と圧力を用いて銀
ホイル上に直接重ねる。水和膜を通してのインシュリン
のRmassは0.05未満である。水和膜の面積抵抗は約10koh
m・cm2である。
インシュリンイオン(分子量 約6000ダルトン)は選
択的透過性セルロースアセテート膜を透過することがで
きないので、インシュリンと金属電極との間の好ましく
ない反応は起こることができない。他方では、薬物対イ
オン(クロリドイオン)は半透膜を透過して、電極に発
生する銀イオンと反応して、膜自体の中で不溶性AgCl沈
殿を形成することができる。
実施例4 リチウムをイオン導入投与するためのデバイスは、薬
物溜めがインシュリンの代わりにグルコン酸リチウムを
含み、ドナー電極が銀ホイルではなく亜鉛ホイルから構
成されることを除いて、実施例3のデバイスと同じ構造
及び組成を有する。従って、セルロースアセテート膜を
熱と圧力を用いて亜鉛ホイル上に直接重ねる。グルコネ
ート対イオン(分子量 195ダルトン)は、そのサイズ
のために、セルロースアセテート膜を透過することが実
質的にできない。
作用前に、薬物溜めと膜とは非水和状態に維持され
る。従って、薬物溜め中のイオン種は非水和膜を透過す
ることができない。従って、低分子量リチウムイオンは
薬物溜め中に保留される。
使用中に、身体上に配置後に(又は直前に)薬物溜め
と膜は水和され、デバイスは電流を通し始める。電流が
流れると、リチウムイオンが薬物溜めから皮膚中に放出
される。グルコネートイオンは半透膜を横切ることが実
質的にできない。水和膜を通るリチウムのRmassは0.3未
満である。水和膜の面積抵抗は約30kohm・cm2である。
水和膜を通るグルコネートイオンの移動数tは0.1未満
である。薬剤溜めと膜との非水和初期状態は、水和後に
膜を横切って与えられる電界と共に、リチウムイオンの
薬剤溜めから膜への及び膜を通っての通過を阻害する、
膜中ではリチウムイオンは亜鉛電極と不利に相互作用す
る。
本発明を一般的に述べ、そのある一定の好ましい実施
態様を詳述したが、下記請求の範囲によって定義される
本発明の範囲から逸脱せずに、本発明の種々な変更が当
業者によってなされうることは容易に明らかであろう。
本発明の実施態様は次の通りである。
1. ドナー電極アセンブリ(8)、カウンター電極アセ
ンブリ(9)、及びドナー電極アセンブリ(8)とカウ
ンター電極アセンブリ(9)とに電気的に結合するのに
適した電力源(27)を含む電力供給イオン導入薬剤投与
デバイスにおいて、ドナー電極アセンブリ(8)が次の
要素: 薬剤イオンと対立電荷の対イオンとに解離することがで
きる薬剤を含み、体表(22)と薬剤伝達関係に置かれる
のに適した薬剤溜め(15); 電力源(27)に電気的に結合するのに適したドナー電極
(11); 電極(11)と薬剤溜め(15)との中間の選択的透過膜
(14); を含み、 ドナー電極アセンブリ(8)が所定分子量より小さい種
に対しては透過性であるが、所定分子量より大きい種及
び所定分子量より大きい分子量を有する薬物イオンに対
しては実質的に低透過性である膜(14)を特徴とするデ
バイス。
2. 対イオンが所定分子量より小さい分子量を有する上
記1記載のデバイス。
3. 選択的透過膜が膜を通る薬剤イオンに対して約0.3
未満の質量比、Rmassを有し、質量比が次式: Rmass=Mperm/Mres [式中、Mpermはデバイスの作用寿命中に膜を透過する
薬剤イオンの質量であり;Mresは薬剤溜め中に最初に含
まれる薬剤イオンの総重量である] によって定義される上記1記載のデバイス。
4. Rmassが約0.1未満である上記3記載のデバイス。
5. 選択的透過膜が約50kohm・cm2未満の面積抵抗を示
す上記1記載のデバイス。
6. 選択的透過膜が約5kohm・cm2未満の面積抵抗を示す
上記1記載のデバイス。
7. 対イオンがナトリウム、カリウム及びクロリド イ
オンから成る群から選択される上記1記載のデバイス。
8. 体表が無傷の皮膚及び粘膜から成る群から選択され
る上記1記載のデバイス。
9. 所定分子量が100〜約10,000ダルトンの範囲内であ
る上記1記載のデバイス。
10. 薬剤が約300ダルトンより大きい分子量を有する薬
物イオンと、約100ダルトンより小さい分子量を有する
対イオンとに解離することができる薬物を含む上記1記
載のデバイス。
11. 薬剤が約300〜40,000ダルトンの範囲内の分子量を
有するペプチド、ポリペプチド、蛋白質及び他の高分子
から成る群から選択される上記1記載のデバイス。
12. 電力源が電池を含む上記1記載のデバイス。
13. カウンター電極アセンブリが電力源に電気的に結
合するのに適したカウンター電極と、体表と電解質伝達
関係に置かれるのに適した電解質溜めとを含む上記1記
載のデバイス。
14. カウンター電極アセンブリ中の電解質が薬理学的
に受容される塩を含む上記13記載のデバイス。
15. ドナー電極アセンブリとカウンター電極アセンブ
リとが電気的絶縁体によって分離される上記14記載のデ
バイス。
16. ドナー電極と膜との中間にドナー電解質溜めを含
み、ドナー電界質溜め中の電解質が正に荷電した電解質
イオンと負に荷電した電解質イオンとに解離することが
でき、薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオンが所定分子
量より大きい分子量を有し、対イオンと同じ電荷の電解
質イオンが所定分子量より小さい分子量を有する上記1
記載のデバイス。
17. 所定分子量より大きい分子量を有する電解質イオ
ンがテトラアルキルアンモニウム、コレスチラミン、グ
ルコネート、ヒアルロネート、アルギネート、デキスト
ランカーボネート、アミン化スチレン、ポリビニルイミ
ン、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニル−4−アルキル
ピリジニウム)、ポリ(メチレン−N,N−ジメチルピペ
リジニウム)、ポリ(ビニルベンジル トリメチルアン
モニウム)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリスチレンスルホネート、ラウリルスルフェート、タ
ルトレート、テトラデシルスルフェート、及びデキスト
ランスルフェート イオンから成る群から選択される上
記16記載のデバイス。
18. 所定分子量より小さい分子量を有する電解質イオ
ンがアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、アン
モニウム、ホスフェート、スルフェート、パークロレー
ト、カーボネート、シトレート、アセテート、ベンゾエ
ート、オキシレート及びボレート イオンから成る群か
ら選択される上記16記載のデバイス。
19. 所定分子量より小さい分子量を有する電解質イオ
ンがナトリウム、カリウム及びクロリド イオンから成
る群から選択される上記18記載のデバイス。
20. ドナー電極アセンブリ(8)、カウンター電極ア
センブリ(9)、及びドナー電極アセンブリ(8)とカ
ウンター電極アセンブリ(9)とに電気的に結合するの
に適した電力源(27)を含む電力供給イオン導入薬剤投
与デバイス(10)において、ドナー電極アセンブリ
(8)が次の要素: 薬剤イオンと対立電荷の対イオンとに解離することがで
きる薬剤を含み、体表(22)と薬剤伝達関係に置かれる
のに適した薬剤溜め(15); 電力源(27)に電気的に結合するのに適したドナー電極
(11): 電極(11)と薬剤溜め(15)との中間の水和可能な選択
的透過膜(14); を含み、 ドナー電極アセンブリが、一度水和されたならば、所定
分子量より小さい種に対しては透過性であるが、所定分
子量より大きい種に対しては実質的に低透過性である膜
(14)、所定分子量より小さい分子量を有する薬剤イオ
ン及び所定分子量より大きい分子量を有する対イオンを
特徴とし、 デバイスを体表(22)に配置するまで膜(14)が実質的
に非水和状態に維持され、ほぼデバイス(10)を体表
(22)に配置した時に膜(14)が水和されるデバイス。
21. 選択的透過膜が膜を通る薬剤イオンに対して約0.3
未満の質量比、Rmassを有し、質量比が次式: Rmass=Mperm/Mres [式中、Mpermはデバイスの作用寿命中に膜を透過する
薬剤イオンの質量であり;Mresは薬剤溜め中に最初に含
まれる薬剤イオンの総重量である] によって定義される上記20記載のデバイス。
22. Rmassが約0.1未満である上記21記載のデバイス。
23. 水和選択的透過膜が約50kohm・cm2未満の面積抵抗
を示す上記20記載のデバイス。
24. 水和選択的透過膜が約5kohm・cm2未満の面積抵抗
を示す上記20記載のデバイス。
25.水和選択的透過膜が約1kohm・cm2未満の面積抵抗を
示す上記20記載のデバイス。
26. 水和対イオンがテトラアルキルアンモニウム、コ
レスチラミル、グルコネート、ヒアルロネート、アルギ
ネート、デキストランカーボネート、アミン化スチレ
ン、ポリビニルイミン、ポリエチレンイミン、ポリ(ビ
ニル−4アルキルピリジニウム)、ポリ(メチレン−N,
N−ジメチルピペリジニウム)、ポリ(ビニルベンジル
トリメチルアンモニウム)、ポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリスチレンスルホネート、ラウリル
スルフェート、タルトレート、テトラデシルスルフェー
ト、及びデキストランスルフェート イオンから成る群
から選択される上記20記載のデバイス。
27. 体表が無傷の皮膚及び粘膜から成る群から選択さ
れる上記20記載のデバイス。
28. 薬剤が約100ダルトンより小さい分子量を有する薬
物イオンと、約300ダルトンより大きい分子量を有する
対イオンとに解離することができる薬物を含む上記20記
載のデバイス。
29. 所定分子量が約100〜約10,000ダルトンの範囲内で
ある上記20記載のデバイス。
30. 電力源が電池を含む上記20記載のデバイス。
31. カウンター電極アセンブリが電力源に電気的に結
合するのに適したカウンター電極と、体表と電磁質伝達
関係に置かれるのに適した電解質溜めとを含む上記20記
載のデバイス。
32. カウンター電極アセンブリ中の電解質が薬理学的
に受容される塩を含む上記31記載のデバイス。
33. ドナー電極アセンブリとカウンター電極アセンブ
リとが電気的絶縁体によって分離される上記31記載のデ
バイス。
34. ドナー電極と膜との中間にドナー電解質溜めを含
み、ドナー電解質溜め中の電解質が正に荷電した電解質
イオンと負に荷電した電解質イオンとに解離することが
でき、薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオンが所定分子
量より大きい分子量を有し、対イオンと同じ電荷の電解
質イオンが所定分子量より小さい分子量を有する上記20
記載のデバイス。
35. 所定分子量より大きい分子量を有する電解質イオ
ンがテトラアルキルアンモニウム、コレスチラミン、グ
ルコネート、ヒアルロネート、アルギネート、デキスト
ランカーボネート、アミン化スチレン、ポリビニルイミ
ン、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニル−4−アルキル
ピリジニウム)、ポリ(メチレン−N,N−ジメチルピペ
リジニウム)、ポリ(ビニルベンジル トリメチルアン
モニウム)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリスチレンスルホネート、ラウリルスルフェート、タ
ルトレート、テトラデシルスルフェート、及びデキスト
ランスルフェート イオンから成る群から選択される上
記34記載のデバイス。
36. 所定分子量より小さい分子量を有する電解質イオ
ンがアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、アン
モニウム、ホスフェート、スルフェート、パークロレー
ト、カーボネート、シトレート、アセテート、ベンゾエ
ート、オキシレート及びボレート イオンから成る群か
ら選択される上記34記載のデバイス。
37. 所定分子量より小さい分子量を有する電解質イオ
ンがナトリウム、カリウム及びクロリド イオンから成
る群から選択される上記36記載のデバイス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 セウウェス,フェリックス アメリカ合衆国カリフォルニア州94022, ロス・アルトス,フォーレン・リーフ・ レーン 1634 (56)参考文献 特表 昭63−502404(JP,A) 米国特許4731049(US,A) 国際公開90/3825(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドナー電極アセンブリ、カウンター電極ア
    センブリ、及びドナー電極アセンブリとカウンター電極
    アセンブリとに電気的に結合するのに適した電力源を含
    む電力供給イオン導入薬剤投与デバイスにおいて、ドナ
    ー電極アセンブリが次の要素: 薬剤イオンと対立電荷の対イオンとに解離することがで
    きる薬剤を含み、体表と薬剤伝達関係に置かれるのに適
    した薬剤溜め; 電力源に電気的に結合するのに適したドナー電極; 電極と薬剤溜めとの中間の選択的透過膜; を含み、 ドナー電極アセンブリが所定分子量より小さい種に対し
    ては透過性であるが、所定分子量より大きい種及び所定
    分子量より大きい分子量を有する薬物イオンに対しては
    実質的に低透過性である膜を特徴とするデバイス。
  2. 【請求項2】選択的透過膜が膜を通る薬剤イオンに対し
    て約0.3未満の質量比、Rmassを有し、質量比が次式: Rmass=Mperm/Mres [式中、Mpermはデバイスの作用寿命中に膜を透過する
    薬剤イオンの質量であり;Mresは薬剤溜め中に最初に含
    まれる薬剤イオンの総重量である] によって定義される請求項1記載のデバイス。
  3. 【請求項3】選択的透過膜が約50kohm・cm2未満の面積
    抵抗を示す請求項1記載のデバイス。
  4. 【請求項4】ドナー電極と膜との中間にドナー電解質溜
    めを含み、ドナー電解質溜め中の電解質が正に荷電した
    電解質イオンと負に荷電した電解質イオンとに解離する
    ことができ、薬剤イオンと同じ電荷の電解質イオンが所
    定分子量より大きい分子量を有し、対イオンと同じ電荷
    の電解質イオンが所定分子量より小さい分子量を有する
    請求項1記載のデバイス。
  5. 【請求項5】ドナー電極アセンブリ、カウンター電極ア
    センブリ、及びドナー電極アセンブリとカウンター電極
    アセンブリとに電気的に結合するのに適した電力源を含
    む電力供給イオン導入薬剤投与デバイスにおいて、ドナ
    ー電極アセンブリが次の要素: 薬剤イオンと対立電荷の対イオンとに解離することがで
    きる薬剤を含み、体表と薬剤伝達関係に置かれるのに適
    した薬剤溜め; 電力源に電気的に結合するのに適したドナー電極: 電極と薬剤溜めとの中間の水和可能な選択的透過膜; を含み、 ドナー電極アセンブリが、一度水和された時、所定分子
    量より小さい種に対しては透過性であるが、所定分子量
    より大きい種に対しては実質的に低透過性である膜、所
    定分子量より小さい分子量を有する薬剤イオン及び所定
    分子量より大きい分子量を有する対イオンを特徴とし、 デバイスを体表に配置するまで膜が実質的に非水和状態
    に維持され、ほぼデバイスを体表に配置した時に膜が水
    和されるデバイス。
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