JP2797260B2 - 超音波式カッター - Google Patents
超音波式カッターInfo
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Description
に整形外科的疾患の患部を固定するための固定材を切断
するのに適する超音波式カッターに関する。
疾患において患部の固定、支持、保護又は矯正のために
用いられる固定材には、硬化剤として焼石膏を使用する
ギプス包帯と硬化剤として合成樹脂を使用するプラスチ
ックキャストがある。これらの固定材は、患部に木綿、
ポリエステル等からなる綿状の包帯又はチューブ状の包
帯である下巻材を巻いたり当てたりし、その上にギプス
包帯やプラスチックキャストを巻き上げて硬化させるこ
とにより形成される。
め、或いは患部が治癒したため、部分的または全面的に
切断除去することが必要となる。この固定材の切断に用
いられるカッターには、動力式カッター、ワイヤー式カ
ッター、熱刃式カッター、及び超音波式カッターがあ
る。これらのカッターの内、動力式カッター、ワイヤー
式カッター、熱刃式カッターにはそれぞれいくつかの欠
点があるのに対し、超音波式カッターは超音波振動子に
より振動させた切刃で固定材を切断するもので、小型軽
量で、騒音や有害ガスの発生もなく、患者に恐怖感を与
えることもなく、またギプス包帯でもプラスチックキャ
ストでも容易に切断することができ、極めて優れてい
る。
が極めて大きいため、切刃の刃先が不要な部位に触れな
いための防止策が必要である。従来、切刃と皮膚との間
の静電容量を発振器の発振周波数決定要素として用い、
切刃が皮膚に近付いたときの発振周波数の変化を利用し
てカッターの振動を制御する方法(特開昭61−228
57号、22858号、22859号公報)が提案され
ているが、個体差や下巻材の種類、状態により差が生
じ、必ずしも高い信頼性が得られない。また切刃を囲む
ように且つ切刃の長手方向に変位可能な刃カバーを設
け、刃カバーより突出する切刃の長さを調整し、刃カバ
ーの先端を固定材の表面に当てながら切断することによ
り、切刃が皮膚に接触するのを防止する方法が本出願人
により提案されているが、固定材の裏面と皮膚との距離
は必ずしも一定ではないため切刃の露出長さの調整が難
しく、また切刃がその先端まで刃先を形成されているた
め固定材の内側にある下巻材に引っ掛かりやすく、下巻
材をも切断しないと先へ進めないという事態が発生する
が、下巻材を形成する包帯は超音波式のカッターでは切
断しにくい性質のものであるため、固定材の切断を円滑
に行うことができず、さらに切刃が刃カバーで囲まれて
いるため、刃カバーを透明部材で形成しても刃先を直視
することができないから操作がしにくい、といった問題
点がある。
のような特に整形外科用固定材の切断に優れた超音波式
カッターにおいて、安全かつ容易に固定材を切断するこ
とができ、しかも構造の簡単なものを提供することにあ
る。
め、本発明の超音波式カッターにおいては、筒状の超音
波発生器ケースと、ケース内に収納された超音波発生器
と、超音波発生器の一端にケースから突出するように着
脱自在に装着された切刃とを備え、切刃は側面にのみ刃
先が設けられ、切刃の先端は滑らかに形成されると共に
切刃を備えてなく切断力を有しないようにしたものであ
る。
形成するとは、先端を例えば円、楕円のような形状で外
方に凸に滑らかに湾曲し、鋭利な角部分を有しないもの
をいう。
波発生器より発生した超音波振動が切刃に与えられるこ
とにより切刃が振動し、この切刃の側面に形成された刃
先を切断すべき物体、例えば整形外科用固定材に当てる
ことにより固定材を切断することができる。その際切刃
の先端は滑らかに形成され且つ刃先が設けられていない
から、仮に切刃の先端が深く沈み込んで不要な部位に接
触しても切刃の先端には切断力が働かず、また固定材の
内側の下巻材も引っ掛けることなく下巻材中を滑るよう
に移動する。
る。
ぞれ一部切欠縦断正面図、側面図、平面図である。図に
おいて、超音波式カッター1は、超音波発生器収納用の
筒状のケース2と、このケース2内に収納された超音波
発生器3と、この超音波発生器3の一端(図1の右端)
に着脱自在に装着された切刃4とを備えている。
ース2Bとの二部分に分割可能な構造となっており、両
ケース2A、2Bはその対向部2Cで互いに嵌め込み式
に形成され、ねじ2Dで結合されている。リヤケース2
Bは全体がほぼ円筒状に形成されているのに対し、フロ
ントケース2Aはリヤケース2Bに対向する部分2Eは
円筒状であるが、先端部分2Fは対向する面で平行にカ
ットされた形状になっている。
の超音波変換器5にブースター6を介して連結されたホ
ーン7とを含んで構成されている。
ミブロック8、電極9A、第1のセラミック振動子1
0、電極9B、第2のセラミック振動子11から構成さ
れており、これらは図示しないボルトによりアルミブロ
ック8側の端面からブースター6に締め付けられ固定さ
れている。即ち、セラミック振動子10、11は電極9
A、9Bを介してアルミブロック8とブースター6とに
より挟持され、いわゆる内周締め形ボルト締めランジュ
バン振動子が構成されている。ブースター6は、超音波
変換器5で発生した超音波振動を増幅してホーン7に伝
達する機能を有する。
径部7Bが設けられ、両者の中間部7Cがほぼエクスポ
ネンシャル形に形成された形状のものが使用されてい
る。ホーン7はブースター6のフロント側に植え込みボ
ルト6Aにより固定されている。ホーン7の大径部7B
と中間部7Cとの境界部分は超音波変換器5で発生する
超音波(定在波)の振幅ゼロの位置に相当し、この部分
にホーン7をケース2に固定するためのフランジ12が
一体的に設けられている。このフランジ12はフロント
ケース2Aとリヤケース2Bの対向部2Cでケースに固
定されている。超音波発生器3の超音波変換器5の部分
は、ブースター6に設けられたフランジ部13の作用に
よりリヤケース2Bのほぼ中心に保持されるようになっ
ている。
図示しない深溝に挿入され止めねじ14により強固に固
定されており、必要な場合には切刃を取り替えられるよ
うになっている。この切刃4は側面4Aにのみ刃先が設
けられ、先端4Bは丸く形成されると共に刃先を有して
いない。
異なる実施例で、各図のa、b、c、dはそれぞれ正面
図、左側面図、右側面図、下面図を示す。
12に鋭利な刃先413を有し、先端414は丸く形成
され刃先を備えず切刃本体の厚みをそのまま持ってい
る。切刃の他方の側面415にも刃先は設けられていな
い。
22に鋭利な刃先423を有し、先端424は丸く形成
され刃先を備えず、他方の側面425を刃先を有しない
点で図4のものと同様であるが、刃先423の下端42
6は、図4のように先端の丸く形成された部分まで延び
ず、その直前で終わっており、図4のものに比べ製造上
の不利はあるが安全性がより高くなる点で有利である。
32に鋭利な刃先433を有し、先端434は丸く形成
され刃先を備えていない点で図4のものと同様である
が、さらに他方の側面435にも鋭利な刃先436を有
しており、切刃431は両側面とも切削に使用すること
ができる。
42に鋭利な刃先443を有し、先端444は丸く形成
されるとともに切刃本体の厚みより更に厚さを大きくし
た***部445を備えることにより、先端部の安全性を
高めたものである。
が増加し、発熱によって熱傷を起こす原因となるため、
0.8mm以下、好ましくは0.4mm程度とするのがよ
い。切刃の幅は大き過ぎると同様に切削抵抗および摩擦
抵抗が増加し、発熱により熱傷を起こす原因となり、ま
た曲線切りや屈曲切りが困難となり、また幅が狭過ぎる
とキャストの目が粗のため安定性がなく、また刃の強度
が劣るので、1〜10mm程度、好ましくは4mm程度がよ
い。切刃の材料としては高速度鋼、炭素工具鋼などを使
用することができる。
成したが、その他の曲線、例えば楕円でもよく、要は滑
らかに湾曲して物がひっかかるような角部分を有しない
ものであればよい。
ケース2Aの長手方向に沿って往復移動可能に切刃カバ
ー15が装備されており、この切刃カバー15に取り付
けられた摘み16をフロントケース2Aに設けた図示さ
れていない溝内を移動させることにより、切刃カバー1
5をフロントケース2A内に引き込んで切刃4を露出さ
せる図に示す動作位置か、切刃カバー15をフロントケ
ース2Aより引き出し切刃4を完全に覆う図に一点鎖線
で示す保護位置に置くことができる。なお切刃カバー1
5をそれぞれ動作位置および保護位置に保持するロック
機構を設けると有利である。
ケース2Bの後端から外方へ導出されたリード線17を
介して発振回路に接続され、発振回路の発生した高周波
出力が供給されることによりセラミック振動子10、1
1が電気的振動を機械的振動に変換して超音波を発生す
るようになっている。
スイッチ18が設けられている。このスイッチ18は、
図8に示すようなスイッチ回路19を開閉するためのも
のである。スイッチ回路19は平滑コンデンサ20、整
流装置21を介して電源22に接続されるようになって
おり、抵抗R1、R2、R3、R4、R5、コンデンサ
C1、トランジスタTr1、Tr2より構成され、供給
直流電圧(+V)を分圧する抵抗R1、R2の接続点と
トランジスタTr1のベースとの間にスイッチ18が接
続されている。抵抗R1、R2の抵抗値を適当に選択す
ることにより、供給直流電圧が140V以上と高圧であ
っても、スイッチ18のオフ時の両端電圧を数Vから十
数Vに設定することが可能となり、スイッチ17として
小型スイッチを使用することができる。このスイッチ1
8をオンすることによりトランジスタTr1を導通さ
せ、それによりトランジスタTr2を導通させ、スイッ
チ回路19の出力側に接続された発振回路23に供給電
圧(+VCC)を加えることができる。この発振回路23
の出力端24は超音波変換器5の外部リード線17に接
続される。
8Aの図1における下方にスイッチボタン18Aを上方
に向け付勢する図示しないスプリングが設けられた簡単
な構造のものが使用されている。このため、スイッチボ
タン18Aを押している間だけ回路が閉じ、超音波発生
器3に通電し切刃4が振動する安全な構造となってい
る。
18と連動する音響発生器を組込み、スイッチボタン1
8Aを押している間音を発生させ、動作中である旨の表
示をさせ、切刃が切削可能状態にあることを警告するよ
うにすることもできる。図9はその1例を示すもので、
図8のスイッチ回路19の出力端に電流制限抵抗Rを介
してフリッカーブザー25を接続し、2〜5V程度に降
圧した直流電圧を加えるようにしたものである。
ストの基布には綿繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維
など種々の繊維が用いられているが、これらの繊維を切
断するのに適した切削力もそれぞれ異なっている。例え
ば基布にガラス繊維を使用したものでは切削出力が大き
過ぎると発熱を起こしプラスチックキャストの樹脂が付
着して切削能力が低下するので低出力とし、ポリエステ
ル繊維の場合は切削出力が小さ過ぎると切削しにくくな
るため高出力とすることが要求される。そのため発振回
路の出力を何段階かに切り替え、切削力を調整できるよ
うにすることが好ましい。図10はその一例を示すもの
で、図8の発振回路23の出力トランス26の二次側に
タップ27、28を設け、切換スイッチ29でタップ2
7(低出力)又はタップ28(高出力)に切り換え、チ
ョークコイル30を介して超音波振動子31に発振出力
を加えるようにしたものである。
カッター1を用いてギプスを切断する場合には、摘み1
6で切刃カバー15をフロントケース2A内に引き込み
切刃4を露出させ、スイッチ18を操作すると、切刃4
は振動し切削可能状態となるから、切刃4の刃先が設け
られている側面をギプスの面に当てて移動させると、極
めて容易に切断が行われる。また切刃4の厚さを0.4
mm程度にすることにより、下巻材や皮膚は弾力性があ
り刃先から発生するエネルギーを吸収し切ることができ
ないため、たとえ切刃がギプスの面より深く沈んで先端
が皮膚と接触するようなことがあっても、切刃が傾き過
ぎて切刃の刃先が設けられている側面の部分が接触しな
い限り不要な部位を切断することがない。
ら指を離せば直ちに切刃4は振動を停止し、摘み16で
切刃カバー15をフロントケース2Aから引き出せば切
刃4はカバー15で覆われ、外界からの衝撃に対し保護
される。
が設けられ先端は滑らかでかつ刃先が設けられていない
から、切断時に切刃が沈んで先端が不要な部位と接触し
ても切断力が働かず、またギプスの内側に通常施されて
いる下巻材に切刃がからみつくようなこともなく円滑に
切断作業を続けることができ、また切刃は全体が露出し
ているので常に切刃を直視することができるから切断が
し易く且つ術者及び患者に不安を与えることがない。
且つその間音響信号を発するようにすると、より安全性
を高めることができる。
する利点を十分発揮させながら、極めて簡単な構造で安
全なカッターを得ることがてきるものである。
右側面図、下面図である。
右側面図、下面図である。
右側面図、下面図である。
右側面図、下面図である。
の接続図である。
である。
続である。
の側面 413、423、433、436、443 切刃の刃先 4B、414、424、434、444 切刃の先端
Claims (6)
- 【請求項1】 筒状の超音波発生器ケースと、ケース内
に収納された超音波発生器と、超音波発生器の一端にケ
ースから突出するように着脱自在に装着された切刃とを
備え、切刃は側面にのみ刃先が設けられ、切刃の先端は
滑らかに形成されると共に刃先を備えてなく切断力を有
しないことを特徴とする超音波式カッター。 - 【請求項2】 請求項1において、前記切刃は薄板部を
備え、刃先を薄板部に形成したことを特徴とする超音波
式カッター。 - 【請求項3】 請求項1において、前記切刃は先端を半
円状に形成したことを特徴とする超音波式カッター。 - 【請求項4】 請求項1において、前記切刃はケースか
ら連続するカバーにより覆われていることを特徴とする
超音波式カッター。 - 【請求項5】 請求項1において、前記超音波発生器は
出力可変機構を備えることを特徴とする超音波式カッタ
ー。 - 【請求項6】 請求項1において、前記超音波発生器は
作動時に音を発生する音響発生器を備えることを特徴と
する超音波式カッター。
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