JP2796754B2 - 液状炭化水素中の水銀除去法 - Google Patents
液状炭化水素中の水銀除去法Info
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- JP2796754B2 JP2796754B2 JP2157563A JP15756390A JP2796754B2 JP 2796754 B2 JP2796754 B2 JP 2796754B2 JP 2157563 A JP2157563 A JP 2157563A JP 15756390 A JP15756390 A JP 15756390A JP 2796754 B2 JP2796754 B2 JP 2796754B2
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 [産業上の利用分野] 液状炭化水素である天然ガスコンデンセートは近年エ
チレンの原料として使われ始めた。天然ガスコンデンセ
ートには、産地にもよるが、最高数ppmの水銀が含まれ
ている。水銀は低温熱交換器の腐食、触媒の被毒、作業
環境の悪化の問題をおこすため除去する必要がある。
チレンの原料として使われ始めた。天然ガスコンデンセ
ートには、産地にもよるが、最高数ppmの水銀が含まれ
ている。水銀は低温熱交換器の腐食、触媒の被毒、作業
環境の悪化の問題をおこすため除去する必要がある。
[従来の技術] [従来の技術] 天然ガスコンデンセートには単体水銀、イオン状水
銀、有機水銀(離反応性水銀)などが含まれており、そ
の量は産地によって異なる。単体水銀は吸着剤で、イオ
ン状水銀はNa2S水溶液で除去でき、有機水銀は固体酸で
除去できるが、固体酸による有機水銀除去の場合、コン
デンセート中に共存する極性化合物も吸着するため、水
銀の吸着量は小さく実用上やや問題があった。
銀、有機水銀(離反応性水銀)などが含まれており、そ
の量は産地によって異なる。単体水銀は吸着剤で、イオ
ン状水銀はNa2S水溶液で除去でき、有機水銀は固体酸で
除去できるが、固体酸による有機水銀除去の場合、コン
デンセート中に共存する極性化合物も吸着するため、水
銀の吸着量は小さく実用上やや問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は有機水銀の経済的に優れた除去法を検討して
いるなかで見出したもので、水銀化合物の分解と水銀の
吸着を同時に行い、プロセスを大幅に簡略化し、水銀を
含む液体の廃棄物を出さないなどの利点を有する液状炭
化水素中の水銀除去法を提供することを目的とする。
いるなかで見出したもので、水銀化合物の分解と水銀の
吸着を同時に行い、プロセスを大幅に簡略化し、水銀を
含む液体の廃棄物を出さないなどの利点を有する液状炭
化水素中の水銀除去法を提供することを目的とする。
ロ.発明の構成 [課題を解決するための手段] 本発明にかかわる液状炭化水素中の水銀除去法は、水
銀化合物を含む液状炭化水素を170〜300℃の加熱下で、
該液状炭化水素の蒸気圧以上の圧力下でモリブデンの硫
化物を主成分とする吸着剤に接触させて水銀化合物の分
解と水銀の吸着除去を同時に行うことを特徴とする。
銀化合物を含む液状炭化水素を170〜300℃の加熱下で、
該液状炭化水素の蒸気圧以上の圧力下でモリブデンの硫
化物を主成分とする吸着剤に接触させて水銀化合物の分
解と水銀の吸着除去を同時に行うことを特徴とする。
本発明によれば、各種の液状炭化水素、特に天然ガス
コンデンセートあるいは石油随伴ガスより得られる液状
炭化水素中の水銀及び水銀化合物を除去することができ
る。
コンデンセートあるいは石油随伴ガスより得られる液状
炭化水素中の水銀及び水銀化合物を除去することができ
る。
本発明を実施するに当って、液状炭化水素を予め水洗
することが望ましい。液状炭化水素には極性の窒素化合
物や酸素化合物、さらには固体の微粒子を含むものがあ
り、これらの物質はモリブテンの硫化物を主成分とする
吸着剤に対して悪影響を及ぼすため、水洗により除去す
ることが望ましい。
することが望ましい。液状炭化水素には極性の窒素化合
物や酸素化合物、さらには固体の微粒子を含むものがあ
り、これらの物質はモリブテンの硫化物を主成分とする
吸着剤に対して悪影響を及ぼすため、水洗により除去す
ることが望ましい。
吸着剤としては、モリブデンの硫化物或はモリブデン
にコバルト又はニッケルを加えた複合硫化物が用いられ
る。これらコバルト及び/又はニッケルの添加量は、モ
リブデンに対し原子比で0.05〜0.9、特に0.1〜0.8が好
ましい。これら硫化物はそのままでも吸着剤として用い
ることができるが、シリカ、アルミナ、その他の適当な
担体に担持して用いるのが好ましい。
にコバルト又はニッケルを加えた複合硫化物が用いられ
る。これらコバルト及び/又はニッケルの添加量は、モ
リブデンに対し原子比で0.05〜0.9、特に0.1〜0.8が好
ましい。これら硫化物はそのままでも吸着剤として用い
ることができるが、シリカ、アルミナ、その他の適当な
担体に担持して用いるのが好ましい。
モリブデン系の吸着剤は、室温では単体水銀および低
分子の水銀化合物、例えばCH3HgCl、(C2H5)2Hgなどし
か吸着しない。液状炭化水素中には吸着剤で処理できな
いイオン状水銀や有機水銀があり、加熱はこれらのイオ
ン状水銀と有機水銀を単体に分解するために必要な操作
である。熱分解のみでは200〜300℃で数十分乃至数時間
かかるが、吸着剤上では温度を下げることが出来、同じ
温度では時間を短縮出来る。
分子の水銀化合物、例えばCH3HgCl、(C2H5)2Hgなどし
か吸着しない。液状炭化水素中には吸着剤で処理できな
いイオン状水銀や有機水銀があり、加熱はこれらのイオ
ン状水銀と有機水銀を単体に分解するために必要な操作
である。熱分解のみでは200〜300℃で数十分乃至数時間
かかるが、吸着剤上では温度を下げることが出来、同じ
温度では時間を短縮出来る。
接触分解の温度は170〜300℃、圧力は液状炭化水素の
蒸気圧以上の圧力下、通常5〜30kg/cm2Gで、液相で30
分程度以下、好ましくは10分程度以下接触を行うのが良
い。温度が170℃以下では分解に時間が掛かりすぎ不経
済である。一方300℃を越えると液状炭化水素の分解、
吸着剤上への炭素質生成による吸着容量の低下などが顕
著になり、好ましくない。
蒸気圧以上の圧力下、通常5〜30kg/cm2Gで、液相で30
分程度以下、好ましくは10分程度以下接触を行うのが良
い。温度が170℃以下では分解に時間が掛かりすぎ不経
済である。一方300℃を越えると液状炭化水素の分解、
吸着剤上への炭素質生成による吸着容量の低下などが顕
著になり、好ましくない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明は下記の実施例に限定されるものではない。
発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1] 内径14mm、長さ500mmのステンレス製反応管に予め硫
化したCo−Mo系吸着剤(Mo:7%、Co:0.9%、担体:Al
2O3)を10g充填し、これに水銀として1300ppbを含め天
然ガスコンデンセートを所定温度、流量で供給して出口
の水銀濃度を測定した。測定は金アマルガム−フレーム
レス原子吸光法によった。
化したCo−Mo系吸着剤(Mo:7%、Co:0.9%、担体:Al
2O3)を10g充填し、これに水銀として1300ppbを含め天
然ガスコンデンセートを所定温度、流量で供給して出口
の水銀濃度を測定した。測定は金アマルガム−フレーム
レス原子吸光法によった。
第1表に温度、流量と出口水銀濃度の測定結果を示し
た。
た。
第1表から、250℃、50ml/hの条件で水銀をほとんど
除去できることがわかる。
除去できることがわかる。
この吸着剤は比較例2に示したように、室温では流量
50ml/hで出口水銀濃度124ppbまでしか吸着しないので、
表の結果は天然ガスコンデンセート中の水銀化合物が分
解して単体状になり、吸着したことを示している。流量
が多い時には残水銀も多くなっているが、これは分解と
吸着が不十分なことを意味している。
50ml/hで出口水銀濃度124ppbまでしか吸着しないので、
表の結果は天然ガスコンデンセート中の水銀化合物が分
解して単体状になり、吸着したことを示している。流量
が多い時には残水銀も多くなっているが、これは分解と
吸着が不十分なことを意味している。
[比較例1] 実施例1で用いた反応管に実施例1で使用した触媒と
同じ容量のガラスビーズを充填し、250℃で所定流量の
天然ガスコンデンセートを供給して熱分解を行った。分
解後の天然ガスコンデンセートをさらにCo−Mo硫化物10
gを充填したカラムに室温で供給したのち、水銀濃度を
測定した。結果を第2表に示した。
同じ容量のガラスビーズを充填し、250℃で所定流量の
天然ガスコンデンセートを供給して熱分解を行った。分
解後の天然ガスコンデンセートをさらにCo−Mo硫化物10
gを充填したカラムに室温で供給したのち、水銀濃度を
測定した。結果を第2表に示した。
第2表に示されるとおり、加熱だけでは十分に分解で
きなかった。
きなかった。
また、熱分解温度を290℃、流量を56ml/hにした場合
においても167ppbまでしか除去出来なかった。
においても167ppbまでしか除去出来なかった。
[比較例2] 実施例1で使用したCo−Mo硫化物10g、温度:16℃、流
量:50ml/hで実施例1と同じ天然ガスコンデンセートを
用いて吸着実験を行ったところ、出口水銀濃度は124ppb
であった。流量を25ml/hにしてもこれ以上には除去でき
ないことから、これは難吸着性の水銀と考えられる。
量:50ml/hで実施例1と同じ天然ガスコンデンセートを
用いて吸着実験を行ったところ、出口水銀濃度は124ppb
であった。流量を25ml/hにしてもこれ以上には除去でき
ないことから、これは難吸着性の水銀と考えられる。
[比較例3] 実施例1で用いた装置で、温度:150℃、流量:210ml/h
の条件で実施例1と同じ天然ガスコンデンセートを用い
て吸着実験を行ったところ、出口水銀濃度は253ppbであ
った。この結果から、150℃では水銀の吸着除去が不十
分であることが示された。
の条件で実施例1と同じ天然ガスコンデンセートを用い
て吸着実験を行ったところ、出口水銀濃度は253ppbであ
った。この結果から、150℃では水銀の吸着除去が不十
分であることが示された。
ハ.発明の効果 1)単体水銀、イオン状水銀と同時に有機水銀の除去が
可能である。
可能である。
2)プロセスが単純である。
3)水銀を含む液体の廃棄物が出ないので、廃棄物対策
が容易である。
が容易である。
4)装置の運転管理が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松澤 亨 愛知県半田市州の崎町2番110 日揮株 式会社衣浦研究所内 (56)参考文献 特開 平1−315489(JP,A) 特開 平2−2873(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 25/06
Claims (1)
- 【請求項1】水銀化合物を含む液状炭化水素を170〜300
℃の加熱下で、該液状炭化水素の蒸気圧以上の圧力下で
モリブデンの硫化物を主成分とする吸着剤に接触させて
水銀化合物の分解と水銀の吸着除去を同時に行うことを
特徴とする液状炭化水素中の水銀除去法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2157563A JP2796754B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 液状炭化水素中の水銀除去法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2157563A JP2796754B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 液状炭化水素中の水銀除去法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0450294A JPH0450294A (ja) | 1992-02-19 |
JP2796754B2 true JP2796754B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=15652418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2157563A Expired - Lifetime JP2796754B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 液状炭化水素中の水銀除去法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2796754B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07116446B2 (ja) * | 1992-03-23 | 1995-12-13 | 日揮株式会社 | 液状炭化水素中の水銀の除去方法 |
MXPA05009490A (es) * | 2003-03-06 | 2006-02-22 | Univ Florida | Metodo y compuesto para captura de mercurio a partir de corrientes de fluido. |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0624623B2 (ja) * | 1987-11-14 | 1994-04-06 | 日揮株式会社 | 水銀の除去方法 |
JPH0819422B2 (ja) * | 1988-06-14 | 1996-02-28 | 三井石油化学工業株式会社 | 炭化水素系油中の微量水銀類の除去方法 |
-
1990
- 1990-06-18 JP JP2157563A patent/JP2796754B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0450294A (ja) | 1992-02-19 |
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