JP2790369B2 - 加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れた冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス加工時に肌荒れ、2次加工割れが発
生せず、とりわけ延性、深絞り性のよい加工性に優れた
冷延鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、自動車産業界ではプレス工程の合理化や寸法精
度の向上などを目的に、従来、複数のプレス部品を溶接
組立していたものを一体部品として一回のプレスで成形
しようとの動きがあり、プレス時に変形部へ材料流入が
制限されやすい一体成形に適した素材として、延性や深
絞り性に優れた冷延鋼板の要望が高まっている。また、
ボディーのデザインや部品レイアウトの自由度を高める
上でも、加工性に優れた鋼板が強く求められている。
こうした要求を満足する超深絞り用鋼板として、鋼中
C量を50ppm以下に低減した極低炭素鋼にTiなどの強力
な炭窒化物形成元素を添加した鋼板が知られている。例
えば、特公昭44−18066号、特公昭49−31844号などがあ
る。しかし、これらの鋼板は、鋼中の固溶C、Nが炭窒
化物形成元素によって完全に析出物として固定されてお
り、固溶C、Nによる粒界強化作用が期待できず、厳し
いプレス加工を受けた後の2次加工時に縦割れと称され
る脆性的な割れが発生する場合がある。
この2次加工脆性の発生を防止するために、これまで
種々の方法が提案されている。特公昭60−46166号は鋼
を高温に加熱後急速冷却することにより固溶Cを残し、
焼付硬化性を得る方法である。鋼中に固溶Cを残すこと
は耐2次加工脆性にとっても有効であるが、上記特公昭
60−46166号の方法ではTiCを溶解するに足る850℃以上
の高温域で焼鈍する必要があり、焼鈍炉内での板破断発
生の危険性が極めて高くなるという問題が生じる。同時
に高温焼鈍のため熱エネルギーコスト的にも不利であ
る。また、冷却速度についても10℃/sec以上の冷却速度
はミスト冷却や水冷ロール冷却などの冷却設備を有する
連続焼鈍炉では100℃/sec程度の冷却速度を容易に達成
するにもかかわらず、極低炭素鋼の2次加工脆性の問題
が起こっていることから有効な解決方法とは考えられな
い。
一方、成分的にBを添加したり、添加する炭窒化物形
成元素の量を調整することにより、2次加工脆性の発生
を防止する方法も提案されている。特開昭57−35662号
などは、Ti添加極低炭素鋼に微量のBを添加したもので
あるが、この場合は固溶Bの効果により2次加工脆性の
発生は防止できるものの、同時に固溶Bが深絞り性を劣
化させるという問題がある。
特開昭59−31827号はTi、Nbを複合添加し、その添加
量をCとN量に応じて調整し、焼付硬化性を得るに必要
な固溶C量を鋼中に残すことを特徴とする極低炭素鋼の
製造方法である。しかし、この方法はN量に応じてTi量
を、また、C量に応じてNb量を調整するため、製鋼での
溶製作業が非常に複雑になるだけでなく、Nb添加鋼のた
め結晶粒が細かく、また、鋼中に炭窒化物が多量に析出
することにより、加工性に悪影響を及ぼす危険性が高い
という欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように、従来技術の冷延鋼板では高度な加
工性に問題があり、また、その製造方法においても溶製
時、焼鈍時等に種々の問題がある。本発明は、BやNbな
どの加工性に悪影響を及ぼす危険性の高い元素の添加を
避け、耐2次加工脆性に優れた延性、深絞り性のよい加
工性に優れた冷延鋼板の製造方法を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、耐2次加工脆性に優れた延性、深絞り
性のよい加工性に優れた冷延鋼板を実現するために鋭意
研究を行い、その結果、極低炭素鋼中のNをTiで固定
し、熱間仕上圧延終了から巻取りまでの冷却速度を速
め、その後、高圧下率で冷間圧延を行い、さらに、昇温
速度を速めた連続焼鈍を行うことによって、加工性に優
れた冷延鋼板を実現し得るという知見を得て本発明に至
ったものである。
その要旨は、 C:0.0015%以下、 Mn:0.20%以下、 Al:0.030〜0.100%、 N:0.003%以下、 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を、
Ar3点以上の温度で熱間圧延を終了し、その後50℃/sec
以上の冷却温度で冷却し、650℃以上の温度で巻取り、
さらに、脱スケール処理後、60%以上の圧下率で冷間圧
延を行い、その後再結晶温度以上Ac3点以下の温度まで
5℃/sec〜50℃/secの昇温速度で加熱する連続焼鈍を行
う加工性に優れた冷延鋼板の製造方法である。
(作用) 以下、本発明者らが行った実験結果に基づいて本発明
の内容を詳しく説明する。
本発明者らは、まず、Ti添加極低炭素鋼の深絞り性に
及ぼすTi添加量の影響について調査した。第1図はr値
とTi添加量との関係を示す図で、同図から明らかなよう
に、Ti添加量を低減することによりr値は低下するが、
C量が低い場合にはTi添加量が低減しても、2.0以上の
r値を確保でき、例えば、C量が10ppmの場合には、Ti
添加量を0.006%まで低減しても2.3のr値が得られた。
なお、調査に用いた鋼板は、C、Ti以外の成分はSi:0.0
1%、Mn:0.10%、P:0.007%、S:0.005%、Al:0.040%、
N:0.0028%であり、通常の熱間圧延、冷間圧延、830℃
の連続焼鈍により製造している。
また、第1図でr値が2.0以上のものについて、絞り
比2.5で40mmφ円筒カップを深絞り成形し、−60℃の低
温槽中でカップ口部を円錘台ポンチにて押し拡げ試験を
したところ、C量が10ppmでTi添加量が0.006%、0.012
%のもの(図中◎印)だけが脆性破壊を起こさなかっ
た。
上記したように、深絞り性と耐2次加工脆性を両立さ
せるためには、20ppm未満へのC量の低減と極微量のTi
添加が有効である。
C量とTi量の関係について、さらに詳細に調査するた
め、C:0.0013%、Si:0.01%、Mn:0.08%、P:0.005%、
S:0.004%、Al:0.055%、N:0.0025%の極低炭素鋼をベ
ースとし、Ti添加量を種々に変えた鋼を真空溶製し、通
常の熱間圧延、冷間圧延を行い、830℃の連続焼鈍後の
材質について調査した。その結果を第2図に示す。
第2図はTi添加量とr値および伸びとの関係を示す図
で、同図から明らかなように、Ti添加量が多くなると伸
びがわずかではあるが減少することがわかる。これらの
鋼板について鋼中の析出物の観察を行ったところ、Ti≧
0.010%の鋼板には凝固段階で析出したと考えられる粗
大なTiNの他に、鋼中に微細なTiの化合物が認められ、
これが延性に悪影響を及ぼしたと考えられる。
一方、低Ti領域での材質への悪影響はr値に対して顕
著であり、熱延巻取り温度が低いために固溶状態で残存
したNが深絞り性に有利な(111)集合組織の発達を抑
制し、また、固溶Nは焼鈍時に微細なAlNとして析出す
ることにより延性にも悪影響を及ぼすと考える。高温巻
取りによりNを熱延段階でAlNとして析出させても、AlN
はTiNより微細であるがため延性は若干低下したもので
ある。
上記した結果から、添加するTi量は多すぎても少なす
ぎても材質に対しては好ましくなく、NをTiNとして析
出固定するに必要にして十分な量とするのが最適である
と考えられる。
これまで、本発明に係わる加工性に優れた冷延鋼板の
化学成分の基本的な考え方を述べてきたが、これに類似
の成分組成の鋼として、 日本鉄鋼協会講演論文集 材料とプロセスVol.1(198
8)No.6 P.1725 微量Ti添加極低炭素鋼板の性能 住友金属技報 Vol.41(1989)No.2 P.49 塗装焼付
硬化のメカニズム 特開昭53−137021号公報 で明らかになっているが、これらは、C量およびN量と
Ti量との関係について厳密に検討されておらず、それが
故に、材料特性が悪く、本発明の目標とする冷延鋼板と
しての板厚0.8mmで、r値2.0以上、伸び50%以上を達成
していない。すなわち、本発明にしたがいC、N、Ti量
の厳密な規定の基にはじめて最高級の深絞り性および延
性と2次加工脆性の両立を達成できるのである。
また、特公平2−4657号にも同様の成分組成の鋼につ
いて明らかにされているが、同公報においては、添加し
た合金元素を本発明のごとくNの完全析出固定による無
害化に用いるのではなく、主として、固溶状態で存在さ
せることによる組織改善を狙いとしており、技術思想的
に大きな違いがある。さらに、同公報は結晶粒径調整に
対して何ら積極的な手段を講じていない。すなわち、本
発明に関して述べてきたような極低炭素鋼板は、通常の
製造方法ではCが著しく低いために結晶粒成長速度が極
めて速いため、焼鈍後結晶粒が粗大化し、プレス加工時
に肌荒れを引き起こす場合がある。
本発明では、この肌荒れに対して、成分組成ではなく
熱延−冷延−連続焼鈍の一連の製造プロセスを最適に制
御することで加工性の著しい劣化がなく、結晶粒の微細
化を達成している。すなわち、熱間仕上圧延終了から巻
取りまでの冷却速度を速め、熱延鋼板の結晶粒を著しく
細かくし、高圧下率の冷間圧延を行うことにより焼鈍後
の製品の深絞り性にとって好ましい方位をもった再結晶
粒が核生成しやすい状態にしておき、連続焼鈍の昇温速
度を速めることで再結晶核の核生成頻度を高め、微細で
かつ深絞り性を損なわない鋼組織を達成するのである。
ここで、本発明者らが行った連続焼鈍する際の昇温速
度が焼鈍後の結晶粒径、深絞り性に及ぼす影響調査の結
果について説明する。
第3図は連続焼鈍時の昇温速度が焼鈍後の結晶粒径お
よび深絞り性に及ぼす影響を調査した結果を示したもの
である。なお、調査した冷延鋼板は、C:0.0010%、Si:
0.01%、Mn:0.11%、P:0.004%、S:0.005%、Al:0.057
%、Ti:0.005%、N:0.0017%の成分からなる鋼片を熱間
圧延し、60℃/secの速度で冷却し、680℃の温度で巻取
り、その後、83%の圧下率で冷間圧延を実施したもので
ある。同図から明らかなように、結晶粒径は昇温速度が
速くなると細かくなるが、一方、深絞り性とよく対応す
る(222)/(200)面強度比は昇温速度が30〜100℃/se
c間で急激に低下することがわかる。また、昇温速度が
遅い場合は深絞り性は良好であるが、昇温速度が遅いた
めに高温での滞留時間が長くなり結晶粒が粗大化する。
さらに、生産性の点からも昇温速度が遅い場合は不利で
ある。
以下に、上記調査結果を基にして本発明の化学成分お
よび製造条件の限定理由について説明する。
Cは、本発明においては炭窒化物形成元素によって析
出固定せず、固溶状態で鋼中に存在させて粒界強化に寄
与させるが、0.0015%を超えると深絞り性が著しく劣化
する。したがって、C添加量は0.0015%以下とする。
Mnは、深絞り性を劣化させるので極力少ない方がよ
く、その上限を0.20%とする。しかし、本発明において
はTiをNの当量以下しか添加しないため、SをTiの硫化
物として析出固定できない。このため、Sによる熱間脆
性を防止するためにはMnによりSをMnSとして析出さ
せ、Sの悪影響を無害化する必要がある。したがって、
Mn添加量としてはMn/S比で少なくとも10以上にしておく
ことが望ましい。
Alは、脱酸するために必要な元素であり、通常0.010
%以上の添加が必要となる。しかし、本発明において
は、Tiで析出固定できずに固溶状態で存在するNを熱延
段階で完全にAlNとして析出させる必要があり、そのた
めに、通常の添加量より多めの0.030%以上とする。し
かし、過剰に添加してもコストが上昇するばかりか、鋼
板が硬化するので上限を0.100%とする。したがって、A
l添加量は0.030〜0.100%の範囲とする。
Nは熱延段階でTiNあるいはAlNとして完全に析出物に
して無害化するが、含有量が多いとTi添加量が増大し、
コスト的にも不利になるばかりか窒化物析出量が増大し
加工性を劣化するので、0.003%以下とする。
Tiは、本発明においてはNを固定するのに必要にして
十分な量を添加する必要があり、その範囲をN量との関
係で、 とする。
Ti添加量が より少ない場合には、材質劣化を最小限にするためNの
大部分をAlNとして析出させる必要が生じるが、延性、
深絞り性の劣化は避けられない。本発明においては熱延
での高温巻取りを実施するため、熱延段階で少なくとも
NをAlNとして析出させることは可能であるが、溶鋼凝
固から鋼片加熱段階で析出するTiNと異なりAlNは巻取り
温度により析出状態に大きな差が生じ、コイル長手方向
あるいは幅方向での材質のバラツキとなって表れやす
い。
一方、Ti添加量がNの当量以上の場合には、余剰のTi
が微細な炭化物、硫化物を形成することにより延性に悪
影響を及ぼすので好ましくない。
以上、本発明の成分組成の限定理由について説明した
が、次に、本発明の製造条件の限定理由について説明す
る。
まず、製鋼法については、成分組成が上記成分組成の
限定範囲内であれば、転炉、電気炉のいずれかによって
もよく、特に限定を要しない。ただし、Cを0.0015%以
下にまで低減する必要上、溶鋼は真空脱ガス処理を実施
するのが有効である。また、PやSなどの元素を低減す
るために溶鉄予備処理や溶鋼処理を実施することは何ら
本発明を損なうものではない。
溶鋼は連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延によって鋼
片としてもよく、鋼片は一旦室温まで冷却した後加熱炉
で加熱して熱間圧延に供しても、また、鋳造後の鋼片を
そのまま、あるいは、保温処理を行った後直接熱間圧延
に供してもよい。
熱間圧延仕上温度はAr3点以下になると、冷延焼鈍後
の深絞り性に悪影響を及ぼす集合組織が熱延板で形成さ
れてしまうので避けるべきである。
熱間圧延終了後は、50℃/sec以上の冷却速度で、速や
かに冷却し、結晶粒の粗大化を防止しなければならな
い。熱延板の結晶粒をできるだけ微細化することにより
冷延焼鈍後の深絞り性の向上、また、プレス加工時の肌
荒れの防止を図ることができる。冷却は通常ランアウト
テーブル上でのラミナー冷却によって行われるが、設備
が巨大になりすぎるので、冷却速度の上限としては200
℃/sec程度である。
巻取り温度は、本発明においては重要である。すなわ
ち、N当量以下のTiしか添加してないため、固溶状態で
存在するNを無害化するために高温巻取りを行いAlでN
を固定してAlNとして析出固定する必要があり、このた
め、巻取り温度は650℃以上とする。しかし、あまり巻
取り温度が高すぎるとスケールの生成量が増大し、脱ス
ケール性が著しく低下するだけでなく、高温で保持され
ることにより結晶粒が粗大化する危険性が高くなるの
で、巻取り温度は750℃を上限とするのが好ましい。
冷間圧延の圧下率は、冷延焼鈍後の深絞り性に大きく
影響し、高r値を確保するためには、60%以上の圧下を
必要とする。上限は特に定めないが冷間圧延機の能力な
どから判断して90%程度である。
冷間圧延後の連続焼鈍は優れた加工性を得るため、再
結晶温度以上で実施するが、Ac3点を超える温度域に加
熱されると結晶粒が著しく粗大化するので避けるべきで
ある。なお、均熱時間は1sec以上保持するのが好ましい
が、あまり長時間保持すると結晶粒が粗大化し、また、
生産性の観点からも3min以内とするのが望ましい。
焼鈍の昇温速度は重要で、対象が結晶粒が粗大化しや
すい極低炭素鋼であるため、できるだけ急速加熱して細
粒化するのがよいが、あまり速すぎると深絞り性の低下
が著しいので、昇温速度の上限は50℃/secとする。ま
た、昇温速度の下限は生産性の観点から5℃/secとす
る。したがって、昇温速度は5℃/sec〜50℃/secの昇温
速度の範囲に限定する。
均熱後の冷却速度および過時効処理については、特に
限定しない、また、冷却過程において溶融亜鉛浴の中に
浸漬し、溶融めっきを実施しても本発明の効果は何ら失
われない。
連続焼鈍後は、必要に応じて調質圧延を施してもよい
が、延性の観点からは極力圧下率を低くすることが好ま
しい。
(実施例) 以下に、本発明に係わる加工性に優れた冷延鋼板の製
造方法の実施例について説明する。
本発明法および比較例に用いた供試鋼板は、第1表に
示す化学成分を有する鋼片を第2表に示す圧延条件およ
び焼鈍条件で板厚0.8mmに仕上げたものである。その後
0.5%の調質圧延をおこなった。これらの鋼板から試験
片を採取し、引張試験および耐2次加工性の調査のため
に深絞りカップ押し拡げ試験を行った。耐2次加工性の
調査は絞り比2.5で40mmφ円筒カップに深絞り成形し、
−60℃の低温槽中でカップ口部を円錘台ポンチによって
押し拡げ、脆性破壊の発生の有無を調べた。同時にカッ
プ成形後の表面性状を調査し肌荒れの発生についても調
査した。その結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、本発明法によるNo.1〜3
は50%以上の高い伸びと2.0以上の優れたr値を有し、
深絞りカップ押し拡げ試験においても脆性破壊を起こさ
なかった。
一方、成分は本発明範囲内であっても、熱間圧延仕上
がり後の冷却速度が遅いNo.4は深絞りカップ成形後に肌
荒れが認められ、また、巻取り温度の低いNo.5はr値が
1.9と低い。成分組成が本発明範囲から外れるNo.6、
8、9はr値と伸びが低く、Ti量が過剰なNo.7およびP
量が過剰なNo.10では、深絞りカップ押し拡げ試験にお
いて、脆性的に割れが発生した。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明は極低炭素鋼中のNをTi
で固定し、熱間仕上圧延終了から巻取りまでの冷却速度
を速め、その後、高圧下率で冷間圧延を行い、さらに、
昇温速度を速めた連続焼鈍を行うことによって、加工性
に優れた冷延鋼板を提供するものである。
したがって、本発明は伸び、r値に優れ、プレス成形
において2次加工脆性および肌荒れを起こさない加工性
に優れた冷延鋼板を製造できるという優れた効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はr値とTi添加量との関係を、第2図はTi添加量
とr値および伸びとの関係を、第3図は連続焼鈍時の昇
温速度と焼鈍後の結晶粒径および深絞り性との関係を示
す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.0015%以下、 Mn:0.20%以下、 Al:0.030〜0.100%、 N:0.003%以下、 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を、
    Ar3点以上の温度で熱間圧延を終了し、その後50℃/sec
    以上の冷却速度で冷却し、650℃以上の温度で巻取り、
    さらに、脱スケール処理後、60%以上の圧下率で冷間圧
    延を行い、その後再結晶温度以上Ac3点以下の温度まで
    5℃/sec〜50℃/secの昇温速度で加熱する連続焼鈍を行
    うことを特徴とする加工性に優れた冷延鋼板の製造方
    法。
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