JP2787715B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2787715B2 JP1226303A JP22630389A JP2787715B2 JP 2787715 B2 JP2787715 B2 JP 2787715B2 JP 1226303 A JP1226303 A JP 1226303A JP 22630389 A JP22630389 A JP 22630389A JP 2787715 B2 JP2787715 B2 JP 2787715B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内燃機関油、外燃機関油、作動油、冷凍機
油、圧縮機油、ギヤ油及び各種機械用潤滑油組成物に関
する。
〔従来の技術〕
従来、内燃機関油、外燃機関油、作動油、冷凍機油、
圧縮機油、ギヤ油及び各種機械用潤滑油組成物は、鉱
油、シリコーン油、オレフィンオリゴマー、有機酸エス
テル、アルキルベンゼン等の合成油等を基油として使用
し、その諸物性を改良するために、粘度指数向上剤、摩
耗防止剤等を添加することにより製造されている。また
基油を数種混合して使用される場合もあるが、相溶性を
有する基油同士を混合して使用されている。
しかしながら、添加剤を添加することは一面では潤滑
油組成物の性能向上には役立つものであるが、例えば粘
度指数向上剤は使用中にポリマーが剪断されることによ
る粘度低下が見られ、又耐摩耗剤は添加によりコスト高
になるという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、低粘性油中に高粘性油を分散させることに
より予期しえなかったことであるが粘度指数向上効果、
耐摩耗性、剪断安定性を向上しうることを見出したもの
であり、これにより本発明は粘度指数向上剤や耐摩耗剤
の添加を省略又は削減することができ、使用油の粘度低
下を防止し、ロングライフの潤滑油組成物の提供を課題
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の潤滑油組成物は、分散媒である低粘性油と該
分散媒と実質的に相溶性を有しない分散質である高粘性
油とからなることを特徴とする。
また上記潤滑剤組成物には分散剤が添加され、低粘性
油中に高粘性油を安定して分散させることを特徴とする
ものである。
低粘性油としては、シリコーン油、オレフィンオリゴ
マー、鉱油、有機酸エステル、リン酸エステル、ポリア
ルキレングリコール、アルキルベンゼン及びその誘導体
等を使用することができる。
分散媒である低粘性油の動粘度は、100℃において1mm
2/s〜100mm2/sであり、特に好ましくは動粘度が3mm2/s
〜30mm2/sである低粘性油を使用するとよい。
まずシリコーン油としては (ここに、Rは1価の炭化水素基、1価のハロゲン化炭
化水素基及びシアノアルキル基からなる群より選択され
る基、nは0又は1以上の整数)で表されるものであ
る。
また、本発明において使用することのできるオレフィ
ンオリゴマーとしては、炭素数2〜14、好ましくは4〜
12の範囲の分岐を有する、或いは有しないオレフィン炭
化水素から選択された任意の1種の単独重合体又は2種
以上の共重合により得られるものであり、平均分子量10
0〜約2000、好ましくは200〜約1000の生成物から選択さ
れるが、特に水素化によって不飽和結合を除去したもの
が好ましい。好ましいオレフィンオリゴマーとしては、
例えばポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレ
ン・α−オレフィンオリゴマー等である。ポリブテンと
しては、例えばイソブテンを主体とし、ブテン−1、及
びブテン−2の単量体混合物を共重合させて得られるも
のが好ましい。又、α−オレフィンオリゴマーとして
は、炭化水素の熱分解又は低級オレフィンの3量化〜6
量化により得られる炭素数6〜12のα−オレフィン混合
物、例えばヘキセン−1が25重量%〜50重量%、オクテ
ン−1が30重量%〜40重量%及びデセン−1が25重量%
〜40重量%の混合物を共重合したものを使用することが
できる。又、デセンのごとき単独モノマーから得られる
オリゴマーも好適である。更にエチレン・α−オレフィ
ンオリゴマーとしては、エチレンが40重量%〜90重量
%、α−オレフィン、例えばプロピレンが10重量%〜60
重量%の割合の単量体を混合し重合したものを使用する
ことができる。
これらのオレフィンオリゴマーは、塩化アルミニウ
ム、フッ化硼素等のフリーデルクラフト型触媒、チーグ
ラー触媒及び酸化クロム等の酸化物触媒等を使用して製
造することができる。又オレフィンオリゴマーの水素化
は反応生成物から触媒を除去した後、加温、加圧下にお
いて、例えばニッケル−モリブデン/アルミナのような
水素化触媒と接触させることにより行うことができる。
アルキルベンゼンも本発明の低粘度油の一つとして含
めることができる。これは主としてアルキルベンゼン型
のものであり、ベンゼンやトルエンのような芳香族炭化
水素をフリーデルクラフツ反応等でアルキル化して、洗
剤の原料を作る際に副生する、主としてジアルキル化芳
香族炭化水素を含む油である。アルキル基としては直鎖
或いは分枝のいずれのものもこれに属する。
また鉱油としては、潤滑粘度を有する炭化水素油留分
であり、例えば減圧蒸溜留出油をフェノール、フルフラ
ール、N−メチルピロリドン等の溶剤で抽出処理して得
られるラフィネートをプロパンやメチルエチルケトン等
の溶剤で溶剤脱蝋処理した後、必要に応じて更に水素化
精製に供して色相の改善や不安定な物質の除去を行った
後に得られる炭化水素留出油、又はこの炭化水素留出油
と溶剤抽出、溶剤脱蝋及び溶剤脱歴処理を行った残渣油
との混合物を使用することができる。また溶剤脱蝋処理
の代わりに接触脱蝋処理を行うこともある。これらの精
製鉱油は組成上、パラフィン系、ナフテン系などで単
独、又はこれらの混合系炭化水素油であってもよい。
次に有機酸エステルの一つとしては、炭素数4〜14の
脂肪族二塩基酸と炭素数4〜14の脂肪族アルコールとを
反応させて得られるものがある。
その合成に使用することができる二塩基酸としては、
例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピペリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、及びテトラデカン
二酸、好ましくはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸等を挙げることができるが、これらの
中でも特にアジピン酸及びセバシン酸が好ましい。
脂肪族アルコールとしては、例えばn−ブタノール、
イソブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルア
ルコール、n−ヘキサノール、2−エチルブタノール、
シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプタノ
ール、メチルシクロヘキサノール、n−オクタノール、
ジメチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2、
4、4−トリメチルペンタノール、イソオクタノール、
3、5、5−トリメチルヘキサノール、イソノナノー
ル、イソデカノール、イソウンデカノール、2−ブチル
オクタノール、トリデカノール及びイソテトラデカノー
ル等を挙げることができるが、特に2−エチルヘキサノ
ール、イソデカノール及びトリデカノールが好ましい。
二塩基酸とアルコールとからのジエステルの合成は、
従来の方法、例えば酸性触媒下に脱水縮合する方法によ
り行うことができる。このようにして得られるジエステ
ルは、例えばジ−(1−エチルプロピル)アジペート、
ジ−(3−メチルブチル)アジペート、ジ−(1,3−ジ
メチルブチル)アジペート、ジ−(2−エチルブチル)
アジペート、ジー(2−エチルヘキシル)アジペート、
ジ−(イソオクチル)アジペート、ジ−(イソノニル)
アジペート、ジ−(3,5,5トリメチルヘキシル)アジペ
ート、ジ−(イソデシル)アジペート、ジ−(ウンデシ
ル)アジペート、ジ−(トリデシル)アジペート、ジ−
(イソテトラデシル)アジペート、ジ−(2、2、4−
トリメチルペンチル)アジペート、ジ−〔混合(2−エ
チルヘキシル、イソノニル)〕アジペート、ジ−(1−
エチルプロピル)アゼレート、ジ−(2−エチルブチ
ル)アゼレート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレー
ト、ジ−(イソオクチル)アゼレート、ジ−(イソノニ
ル)アゼレート、ジ−(3,5,5トリメチルヘキシル)ア
ゼレート、ジ−(イソデシル)アゼレート、ジ−(トリ
デシル)アゼレート、ジ−〔混合(2−エチルヘキシ
ル、イソノニル)〕アゼレート、ジ−〔混合(2−エチ
ルヘキシル、デシル)〕アゼレート、ジ−〔混合(2−
エチルヘキシル、イソデシル)〕アゼレート、ジ−〔混
合(2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル)〕ア
ゼレート、ジ−〔混合(2−エチルヘキシル、デシ
ル)〕アゼレート、ジ−(n−ブチル)セバケート、ジ
−(イソブチル)セバケート、ジ−(1−エチルプロピ
ル)セバケート、ジ−(3−メチルブチル)セバケー
ト、ジ−(1,3−ジメチルブチル)セバケート、ジ−
(2−エチルブチル)セバケート、ジ−(2−エチルヘ
キシル)セバケート、ジ−〔2−(2′−エチルブトキ
シ)エチル〕セバケート、ジ−(2,2,4−トリメチルペ
ンチル)セバケート、ジ−(イソノニル)セバケート、
ジ−(3,5,5トリメチルヘキシル)セバケート、ジ−
(イソデシル)セバケート、ジ−(イソウンデシル)セ
バケート、ジ−(トリデシル)セバケート、ジ−(イソ
テトラデシル)セバケート、ジ−〔混合(2−エチルヘ
キシル、イソノニル)〕セバケート、ジ−(2−エチル
ヘキシル)グルタレート、ジ−(イソウンデシル)グル
タレート及びジ−(イソテトラデシル)グルタレート等
が挙げられる。
有機酸エステルのもう一つのタイプとしてネオペンチ
ルポリオールエステルがある。
ネオペンチルポリオールエステルは、炭素数5〜9の
ネオペンチルポリオールと炭素数4〜18の有機酸との合
成によって作られる。本発明においてネオペンチルポリ
オールとは、ネオペンチル基を有する多価アルコールで
あり、例えば2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール
(即ち、ネオペンチルグリコール)、2−エチル−2−
ブチル−プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロ
パン−1,3−ジオール、2,2−ジプチルプロパン−1,3−
ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−
ジオール、2−エチル−2−ブチルプロパン−1,3−ジ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、好
ましくはネオペンチルグリコール、2−メチル−2−プ
ロピルプロパン−1,3−ジオール、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトールであり、特に好ましいの
は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールである。又、有機酸は例えば
n−ブタン酸、イソブタン酸、n−ペンタン酸、イソペ
ンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シク
ロヘキサン酸、n−ヘプタン酸、イソヘプタン酸、メチ
ルシクロヘキサン酸、n−オクタン酸、ジメチルヘキサ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、2,4,4−トリメチルペン
タン酸、イソオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン
酸、n−ノナン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソ
ウンデカン酸、2−ブチルオクタン酸、トリデカン酸、
テトラデカン酸、ヘキサデカン酸及びオクタデカン酸で
あり、好ましくはヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エ
チルヘキサン酸である。
有機酸とネオペンチルポリオールとからのネオペンチ
ルポリオールエステルの合成は、従来の方法、例えば酸
性触媒下に脱水縮合する方法によって行うことができ
る。
例えばネオペンチルポリオールエステルとしては(以
下、ネオペンチルをNPG、トリメチロールプロパンをTM
P、ペンタエリスリトールをPEと省略する。)、NGP・ジ
−(ヘプタノエート)、NPG・ジ−(2−エチルブチレ
ート)、NPG・ジ−(シクロヘキサノエート)、NPG・ジ
−(ヘプタノエート)、NPG・ジ−(イソヘプタノエー
ト)、NPG・ジ−(オクチレート)、NPG・ジ−(2−エ
チルヘキサノエート)、NPG・ジ−(イソオクタノエー
ト)、NPG・ジ−(イソノニレート)、NPG・ジ−(イソ
デカノエート)、NPG・ジ−{混合(ヘキサノエート,
ヘプタノエート)}、NPG・ジ−{混合(ヘキサノエー
ト,オクタノエート)}、NPG・ジ−{混合(ヘキサノ
エート,ノニレート)}、NPG・ジ−{混合(ヘプタノ
エート,オクタノエート)}、NPG・ジ−{混合(ヘプ
タノエート,ノニレート)}、NPG・ジ−{混合(ヘプ
タノエート,イソオクタノエート)}、NPG・ジ−{混
合(ヘプタノエート,イソノニレート)}、NPG・ジ−
{(混合(イソオクタノエート,イソノニレート)}、
NPG・ジ−{混合(ブタノエート,トリデカノエー
ト)}、NPG・ジ−{混合(ブタノエート,テトラデカ
ノエート)}、NPG・ジ−{混合(ノブタエート,ヘキ
サデカノエート)}、NPG・ジ−{混合(ブタノエー
ト,オクタデカノエート)}、NPG・ジ−{混合(ヘキ
サノエート,イソオクタノエート,イソノニレー
ト)}、NPG・ジ−{混合(ヘキサノエート,イソオク
タノエート,イソデカノエート)}、NPG・ジ−{混合
(ヘプタノエート,イソオクタノエート,イソノニレー
ト)}、NPG・ジ−{混合(ヘプタノエート,イソオク
タノエート,イソデカノエート)}、NPG・ジ−{混合
(オクタノエート,イソノニレート,イソデカノエー
ト)}、TMP・トリ−(ペンタノエート)、TMP・トリ−
(ヘキサノエート)、TMP・トリ−(ヘプタノエー
ト)、TMP・トリ−(オクタノエート)、TMP・トリ−
(ノニレート)、TMP・トリ−(イソペンタノエー
ト)、TMP・トリ−(2−エチルブチレート)、TMP・ト
リ−(イソペンタノエート)、TMP・トリ−(イソオク
タノエート)、TMP・トリ−(2−エチルヘキサノエー
ト)、TMP・トリ−(イソノニレート)、TMP・トリ−
(イソデカノエート)、TMP・トリ−〔混合(ブチレー
ト、オクタデカノエート)〕、TMP・トリ−〔混合(ヘ
キサノエート、ヘキサデカノエート)〕、TMP・トリ−
〔混合(ヘプタノエート、トリデカノエート)〕、TMP
・トリ−〔混合(オクタノエート、デカノエート)〕、
TMP・トリ−〔混合(オクタノエート、ノニレー
ト)〕、TMP・トリ−〔混合(ブチレート、ヘプタノエ
ート、オクタデカノエート)〕、TMP・トリ−〔混合
(ペンタノエート、ヘプタノエート、トリデカノエー
ト)〕、TMP・トリ−〔混合(ヘキサノエート、ヘプタ
ノエート、オクタノエート)〕、又、PE・テトラ(ペン
タノエート)、PE・テトラ(ヘキサノエート)、PE・テ
トラ(イソペンタノエート)、PE・テトラ(2−エチル
ブチレート)、PE・テトラ(イソヘプタノエート)、PE
・テトラ(イソオクタノエート)、PE・テトラ(2−エ
チルヘキサノエート)、PE・テトラ(イソノニレート)
及びPEと炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状カルボン酸の
混合物とのエステル等である。
又、NPG、TMP及びPE以外のネオペンチルポリオール、
即ち2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオー
ル、2,2−ジエチルプロパンジオール、トリメチロール
エタン及びトリメチロールヘキサンと上記のごとき有機
酸単独、又は混合とのポリオールエステル等が挙げられ
る。
燐酸エステルとしては、トリクレジルフォスフェー
ト、トリトリルフォスフェート、トリ(2−エチルヘキ
シル)フォスフェート、エルキルフェニルフォスフェー
ト、アルキルフェニルフェニルフォスフェート等を使用
することができる。
またポリアルキレングリコールとしては、アルキレン
基の炭素数が2〜5、好ましくは2〜3の直鎖状又は分
岐状アルキレンオキサイドの開環重合体又は開環共重合
体である。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、或いはそれらの混合物、好ましくはプロピレンオキ
サイドであり、好ましくはポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールを挙げることができ、分子量範
囲100〜2000のもの、好ましくは200〜1000のものであ
る。
次に、上記低粘性油中に分散される分散質について説
明する。
分散質である高粘性油としては、シリコーン油、ふっ
素化油、オレフィンオリゴマー、短鎖ポリメタクリレー
ト、ポリアルキレングリコール等を使用するとよい。
これらの高粘性油の動粘度は100℃において、10mm2/s
〜100,000mm2/sであり、特に好ましくは動粘度が30mm2/
s〜30,000mm2/sである高粘性油を使用するとよい。
シリコーン油としては (ここに、Rは1価の炭化水素基、1価のハロゲン化炭
化水素基及びシアノアルキル基からなる群より選択され
る基、nは0又は1以上の整数)で表されるもので、平
均分子量が500〜200,000の範囲のものである。
またふっ素化油としては、下式で示されるポリクロロ
トリフルオロエチレン −(CF2−CFCl)− (式中、nは4〜18) (分子量500〜2,000、100℃での動粘度10mm2/s〜1,000m
m2/sのもの) 式、 で示される分子量2,000〜10,000、100℃での動粘度10mm
2/s〜50mm2/sのもの等を使用することができる。
α−オレフィンオリゴマーとしては、炭素数35〜3,50
0、好ましくは50〜700の範囲の分岐を有する、又は有し
ないオレフィン系炭化水素から選択された任意の一種の
単独重合体又は二種以上の共重合により得られるもので
あり、平均分子量500〜50,000、好ましくは700〜10,000
の生成物から選択されるが、特に水素化によって不飽和
結合を除去したものが好ましい。好ましいオレフィンオ
リゴマーとしては、例えばポリブテン、α−オレフィン
オリゴマー、エチレン・α−オレフィンオリゴマー等で
ある。100℃における動粘度は10mm2/s〜10,000mm2/sの
ものを使用することができる。
またポリメタクリレートとしては 式 (式中、RはC1〜C18、nは5以上の整数)で示され
る100℃での動粘度50mm2/s〜100,000mm2/sのものを使用
することができる。
ポリアルキルキレングリコールとしては、アルキレン
基の炭素数が2〜5、好ましい2〜3の直鎖状又は分岐
状アルキレンオキサイドの開環重合体又は開環共重合体
である。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
或いはそれらの混合物、好ましくはプロピレンオキサイ
ドであり、好ましくは分子量500〜20,000のポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールを挙げること
ができる。
本発明の潤滑油組成物においては、分散媒である低粘
性油と、分散質である高粘性油が相溶性を有していない
ことが必要であり、上記に例示した分散媒と分散質の組
み合わせにおいて、相溶性を有しない組み合わせとする
ことが必要である。
まず低粘性油としてシリコーン油を使用する時には、
上記分散質は高粘度シリコーン油以外は全て不溶性であ
り、本発明の潤滑油組成物とすることができる。特に好
ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールを分散質とした場合である。
またオレフィンオリゴマーを分散媒とする時には、相
溶性を有しない分散質としてはシリコーン油、短鎖ポリ
メタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールを使用するとよい。
また鉱油を分散媒とする時には、分散質としてはシリ
コーン油、短鎖ポリメタクリレート、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールを分散質とするとよ
い。
更に、有機酸エステルを分散媒とする時にはシリコー
ン油を分散質とするとよい。
また、燐酸エステルを分散媒とする時にはシリコーン
油、オレフィンオリゴマーを分散質とするとよい。
更に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールを分散媒とする時にはシリコーン油、オレフィン
オリゴマーを分散質とするとよい。
また本発明における低粘性油と高粘性油の100℃での
動粘度の比は、低粘性油の動粘度を1とした場合、2〜
100,000の範囲とするとよく、特に5〜3,000の範囲とす
るのが好ましい。本発明の潤滑油組成物は、上述した分
散媒、分散質の中からこのような動粘度比を適宜選択し
て構成されるものであり、動粘度比が2未満であると分
散媒と分散質の粘度が接近し、高粘度油の粘度が低すぎ
て分散媒単独に比べて特徴が明確でなくなり、100,000
を越えると油が固体状態となり好ましくない。また分散
質は、分散媒に対して0.5重量%〜50重量%の割合で使
用するとよく、好ましくは1重量%〜30重量%使用する
とよい。
分散質を分散媒に分散させるには、混合機、またロー
ルミル等により2種の液状成分を混合するとよい。本発
明における潤滑油組成物は使用に際して流動、撹拌等の
作用を受ける場合には、使用中に分散されるので潤滑油
組成物において分散媒と分散質とが分離していてもよい
が、好ましくは本発明の潤滑油組成物において分散剤を
添加し、均一に分散させるとよい。
分散剤としては特に限定されないが、低分子分散剤、
高分子分散剤の中から適宜選択するとよい。具体的な低
分子分散剤としては脂肪族、芳香族のカルボン酸の金属
塩、またはそのエステル類、硫酸エステル型金属塩、ス
ルフォン酸エステル型金属塩、燐酸エステル型金属塩、
第4級アンモニウム塩等や、ポリオキシエチレン系、多
価アルコール系、アルキロールアミド系等の非イオン界
面活性剤、高分子分散剤としては親油性極性物質である
ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン及びこれらの誘
導体、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルベンジル
アミン、また石油樹脂(インデンクマロン樹脂)、各種
ロジン及びこれらの誘導体等を使用することができる。
分散剤の添加割合は、0.05重量%〜20重量%、好ましく
は0.1重量%〜10重量%使用することができる。
本発明の潤滑油組成物には、必要に応じて金属洗浄剤
(マグネシウムスルホネート等)、無灰清浄分散剤(ア
ルケニルコハク酸イミド系等)、酸化防止剤(フェノー
ル系、チオ燐酸亜鉛系等)、消泡剤(シリコン系等)等
の添加剤を少なくとも1種添加することができる。特に
金属洗浄剤は0.1重量%〜5.0重量%、無灰清浄分散剤は
0.1重量%〜10.0重量%、酸化防止剤は0.1重量%〜1.5
重量%、消泡剤は0.001重量%〜0.01重量%とすること
が好ましい。
〔作用〕
本発明の潤滑油組成物は、低粘性油中に高粘性油を分
散させることにより調製され、低粘性油中に粒子状の液
状高粘性油が分散している状態とすることにより、まず
粒子状の液状高粘性油が高温度において膨潤し、潤滑油
中における体積分率が大きくなる結果、粘度が上昇し、
粘度指数を向上させるものと考えられ(粘度指数向上
性)、また摩擦平面において高粘度粒子が荷重を支えて
油膜を保持し、金属同士の接触を防止することにより摩
擦を低減し、摩耗を防止することができるものであり、
(耐摩耗性向上性)、更に通常使用されている粘度指数
向上剤に比較して、剪断に対して分子が切断することが
少なく、粘度低下がない(剪断安定性)ことを見出した
ものである。
そのため本発明の潤滑油組成物は、内燃機関油、外燃
機関油、作動油、冷凍機油、圧縮機油、ギヤ油及び各種
機械用潤滑油組成物として使用した場合に、特に適した
潤滑油組成物となしえるものである。
〔実施例1〕 分散媒; 鉱油;100ニュートラル、粘度4.3mm2/s(100℃) 分散質; ポリプロピレングリコール (商品名LB−3000、三洋化成(株)製、粘度90mm2/s
(100℃) 分散剤; アルケニルコハク酸エステル (商品名Lubrizol 926、ルーブリゾール社製) を使用し、鉱油に、分散質を1.0重量%、5.0重量%、7.
5重量%、10.0重量%それぞれ含有し、分散剤を一律3.0
重量%含有した組成物を、混合機により混合し、本発明
の潤滑油組成物を得た。
本発明の潤滑油組成物それぞれの動粘度及び粘度指数
をJISK2283により測定した。
その結果を第1図におけるA線として示す。なお、A
線上の数字は分散質の含有量(重量%)を示す。
また比較として、上記と同じ鉱油に粘度指数向上剤で
あるポリメタクリレート(商品名;PLX−1019、日本アク
リル(株)製)を7.0重量%含有させ、その動粘度と粘
度指数を測定した結果を同じ第1図にB線で示す。
また同様に、100ニュートラル鉱油にブライストック
を混合した各種動粘度を有する鉱油のみの場合につい
て、その粘度指数をそれぞれ測定し、その結果を第1図
にC線として示す。
これによると本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上
剤を添加したもの、及び鉱油単独のものに比較して高い
粘度指数向上効果を奏することがわかる。
〔実施例2〕 (耐摩耗性試験) 鉱油100ニュートラルに分散質として実施例2で使用
したポリプロピレングリコールを10重量%、分散剤とし
て実施例1で使用したコハク酸エステルを3重量%含有
させ、混合機により分散され本発明の潤滑油組成物を調
製した。
この本発明の比較として鉱油(100ニュートラル+ブ
ライトストック)及び鉱油100ニュートラルにポリメタ
クリレート(;PLX−1019、日本アクリル(株)製)を7
重量%含有させたギヤ油用添加油を用いた。いずれの油
も100℃で6.3mm2/s〜6.7mm2/sの粘度を示すものであ
る。耐摩耗性についての比較試験をシエル四球式耐摩耗
性試験機を用い、ASTEMD4172に従い、その試験条件を60
0rpm、荷重15kg、温度60℃、時間30分として行い、荷重
(kg)と摩耗痕半径(mm)との関係を求めた。結果を第
2図における破線で示す。
尚、破線上での○印は本発明の潤滑油組成物の場合
を、□印はギヤ油用粘度指数向上剤添加油の場合の測定
結果である。これによると本発明の潤滑油組成物はギヤ
油用粘度指数向上剤添加油に比べ、耐摩耗性に優れてい
ることがわかる。
また本発明の潤滑油組成物及び上記ギヤ油用粘度指数
向上剤添加油、鉱油単独の各々に耐摩耗剤であるジアル
キルジチオリン酸亜鉛を0.5重量%ずつそれぞれ含有さ
せ、上記同様に耐摩耗性試験を実施した。この結果を第
2図に実線で示す。
尚、実線上での○印は本発明の潤滑油組成物の場合
を、また□印は鉱油にギヤ油用粘度指数向上剤添加油の
場合を、●印は鉱油単独の場合をそれぞれ示す。
これによると、本発明の潤滑油組成物はギヤ油用粘度
指数向上剤添加油に比較して耐摩耗性に優れるものであ
ることがわかる。また耐摩耗剤を添加することにより耐
摩耗性を向上させることができるが、ギヤ油用粘度指数
向上剤添加油や鉱油に比較して特にその効果が著しいこ
とがわかる。
〔実施例3〕 (剪断安定度試験) 実施例2で調製した本発明の潤滑油組成物、及びギヤ
油用粘度指数向上剤添加油(ポリメタクリレート7重量
%含有)、エンジン油用粘度指数向上剤添加油(ポリメ
タクリレートを5重量%含有)、更に鉱油(100ニュー
トラル+ブライトストック)の4種の油は、いずれも10
0℃で6.3mm2/s〜6.7mm2/sの粘度に合わせたものである
が、単独の各々の場合について、潤滑油剪断安定度試験
をサンプル照射時間を30分とし、石油学会規格JPI−6S
−29−88に従って実施した。剪断時間(分)と粘度変化
率との関係を第3図に、また剪断時間(分)と粘度指数
との関係を第4図に示す。
尚、図中本発明の潤滑油組成物の場合を○印、ギヤ油
用粘度指数向上剤添加油の場合を△印、エンジン油用粘
度指数向上剤添加油の場合を□印、鉱油単独の場合を●
印で示す。
これによると本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上
剤添加油に比して優れた剪断安定性を示すことがわか
る。
〔発明の効果〕
本発明の潤滑油組成物は、分散媒である低粘性油と該
分散媒と実質的に相溶性を有しない分散質である高粘性
油、更に必要に応じて含有させられる分散剤からなるも
のであり、高い粘度指数向上効果を奏すると共に耐摩耗
性に優れ、更に優れた剪断安定性を示すものであるの
で、特に内燃機関油、外燃機関油、作動油、冷凍機油、
圧縮機油、ギヤ油及び各種機械用潤滑油組成物としてす
ぐれたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の潤滑油組成物の粘度指数向上性を説明
するための図、第2図は本発明の潤滑油組成物の耐摩耗
性を説明するための図、第3図、第4図は本発明の潤滑
油組成物の剪断安定性を説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129:95) C10N 30:02 30:04 30:06 40:04 40:08 40:25 40:30 (56)参考文献 特開 昭63−210198(JP,A) 特開 昭61−264097(JP,A) 特開 昭59−129294(JP,A) 特開 昭56−76495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 171/00,169/04 C10N 30:02 - 30:06 C10N 40:04,40:08 C10N 40:25,40:30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散媒である100℃における動粘度が1〜3
    0mm2/sの低粘性油(A)と、該分散媒と実質的に相溶性
    を有しない分散質である100℃における動粘度が30〜10
    0,000mm2/sの高粘性油(B)とからなる潤滑油組成物で
    あって、 a)低粘性油(A)と高粘性油(B)の100℃での動粘
    度の比が、低粘性油の動粘度を1とした場合、2〜100,
    000の範囲であること、及び b)高粘性油(B)が低粘性油(A)中に均一に分散し
    ている状態であることを特徴とする粘度指数向上効果、
    耐摩耗性及び剪断安定性に優れた潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】さらに、分散剤(C)が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の潤滑油組成物。
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