JP2780876B2 - 微結晶化半導体薄膜を用いる温度センサシステム - Google Patents

微結晶化半導体薄膜を用いる温度センサシステム

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は一般に温度センサシステムに係り、特に超
伝導、超流動という現象が観察される極低温(数ケルビ
ン、サブケルビン)の温度測定技術として、磁場中にお
いて室温から極低温に至るまでの温度を精密に(例えば
ミリケルビンのオーダーの精度で)測定する技術を確立
し、物性の基礎計測と、超伝導マグネットの安定な励磁
と、ひいては、超伝導、超流動を応用した機器の利用な
どに応用可能とするために微結晶化半導体薄膜を用いた
感温素子、温度センサ及び該温度センサを使用する温度
センサシステム並びにその温度補間値決定方法に関す
る。
背景技術 従来、室温から極低温に至る広い温度範囲における精
密な温度測定(以下、測温という)には、白金抵抗温度
計等が測温の実用的な標準として広く使用されている。
しかし、これらの温度計は磁場中で抵抗値が変化して
しまうという欠点を有している。
このため、抵抗補正により白金抵抗温度計による磁場
中の高精度な温度測定が可能なことは示されてきたが、
極低温下における金属特有の残留抵抗のために使用可能
温度範囲が制限され、30ケルビン(以下、Kと略記す
る)以下の低温域では抵抗値磁場依存性がもたらす測温
への影響が大きく、抵抗値補正が事実上困難となってい
た。
そこで、磁場中での測温に、カーボングラスの抵抗値
温度依存性を利用したカーボングラス抵抗温度計が使用
されている。
しかし、このカーボングラス抵抗温度計においても、
4.2K、磁束密度8テスラ(以下、Tと略記する)におい
ての測温では約100mKの測温誤差があり、また低温域と
室温付近の温度感度の差も大きい。
すなわち、カーボングラスの抵抗値温度計では、磁場
中の温度測定には比較的効果があるが、広い温度範囲で
の測定に不向きであるという特質がある。
このため、磁場中での高精度な測温と、広い温度範囲
での高精度な測温の両立を可能とする温度センサシステ
ムの実現を図ることが期待されている。
ところで、これまでに本願の発明者らは、上述したよ
うな磁場中の高精度測温と広い温度範囲における高精度
測温を解決した低温磁場中の測温技術を確立するため
に、感温材料として有望な微結晶化半導体薄膜に着目
し、それの検討を行ってきた。
すなわち、本願の発明者らは微結晶化半導体薄膜を用
いた温度センサ素子(以下、温度センサ素子という)を
作製し、抵抗値温度依存性及び抵抗値磁場依存性につい
て測定を行った。
この結果、微結晶化シリコンゲルマニウム薄膜が極低
温から室温までの広い温度範囲で、温度と抵抗値にはほ
ぼ零磁場において概ね所定の関係(R=aTb……R:抵抗
値、T:温度、a,b:任意定数)が成り立ち、温度センサ素
子として極めて有望であることが確認された(アンリツ
テクニカルNo.67,Mar.1994参照)。
さらに、本願の発明者らは低温域における抵抗値磁場
依存性についても測定し、微結晶化シリコンゲルマニウ
ム薄膜の磁場中の抵抗値の変化が磁束密度の簡単な関数
で表現でき、抵抗値磁場依存性を磁束密度の関数として
補正することにより、微結晶化シリコンゲルマニウム薄
膜を用いる温度センサが極低温磁場中の測温に適してい
ることを見い出した(特開平5−87641号公報参照)。
しかしながら、上述したような温度センサの実用化に
際しては、磁場中での高精度な測温と、広い温度範囲で
の高精度な測温との両立を達成するために、以下のよう
な事項を考慮することが必要である。
先ず、第1に考慮すべき事項は温度センサ素子として
用いる微結晶化半導体薄膜の導電型、材質、組成比、導
電率等について抵抗値温度依存性及び磁気抵抗効果の観
点から最適な組み合わせを見い出す必要があるというこ
とである。
次に、第2に考慮すべき事項は温度センサ素子の実装
形態についてである。
特に、磁場中において磁場の向きに応じて補正を行う
にあたって、温度センサ素子を実装するときに温度セン
サ(温度センサ素子が実装されたものをいう、以下同
じ)内で所定の方向に指向して搭載されていることが必
要である。
すなわち、温度センサを磁場中で使用した場合に、磁
場の方向に対して温度センサ素子が、どちらの方向を指
向しているか外部から容易に認識できることが不可欠で
ある。
また、実装された状態で、温度サイクル(室温→極低
温→室温)の繰り返しに耐え、かつ、測定の再現性のあ
り得るものとなり得るかという課題も存する。
次に、第3に考慮すべき事項としては、温度センサ素
子の抵抗値の温度特性が厳蜜に上述したような R=aTb …(1) (R:抵抗値、T:温度、a,b:任意定数) の関係をもつとはいえないから、その補正をどうするか
という問題である。
すなわち、一般に温度センサの使用者は、広い温度範
囲において検出された抵抗値から温度を知るために、実
測値のサンプルデータを入手しても、センサ使用者自身
でサンプルデータ間の補間を行う必要があり、その補間
も決して容易でなく面倒である。
そのため、実際上はある近似式に当てはめられる係数
を知ることにより、その係数を利用して抵抗値から温度
を算出する。
従って、近似式から求められた値と、実測値との誤差
が可能な限り小さいものであることが必要である。
さらに、第4に考慮しなければならない事項は、磁場
中での抵抗値磁場依存性をどのように補正するかという
問題である。
発明の開示 本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、磁場中での高精度な測温と、
広い温度範囲に渡って高精度な測温との両立を達成する
ことができる微結晶化半導体薄膜を用いる感温素子、温
度センサ及び該温度センサを使用する温度センサシステ
ム並びにその温度補間値決定方法を提供することにあ
る。
本発明の一態様によると、絶縁性基板と、該絶縁性基
板上に設けられた微結晶化半導体薄膜と、前記微結晶化
半導体薄膜に測定用電流を流すために前記微結晶化半導
体薄膜に接続された一対の第1電極と、前記測定用電流
によって前記微結晶化半導体薄膜に誘起された電圧降下
を検知するために前記微結晶化半導体薄膜に接続された
一対の第2電極とを含む感温素子と、 該感温素子をヘリウムガスとともに内部に収納して封
止する非磁性体製筒状容器と、及び 前記一対の第1電極と前記一対の第2の電極のそれぞ
れに接続されていて、前記それぞれの電極に前記非磁性
体製筒状容器の外部から通電可能にされた4個の導体と
を備えた温度センサであって、 前記感温素子が、前記4個の導体のうち、前記一対の第
1電極に接続される2個の導体の長手方向に平行して密
着させて載置されていることにより、前記非磁性体製筒
状容器の内部に収納される該感温素子の指向方向を外部
から確認可能として該感温素子が磁場中の所定の方向を
向くように温度センサを設置することを許容することを
特徴とする温度センサが提供される。
また、本発明の別の態様によると、絶縁性基板と、該
絶縁性基板上に設けられた微結晶化半導体薄膜であって
n型シリコンゲルマニウムからなり、シリコンの組成比
が50パーセントを超え、かつ100パーセント未満であ
り、導電率が0.1から50S/cmである前記微結晶化半導体
薄膜と、前記微結晶化半導体薄膜に測定用電流を流すた
めに前記微結晶化半導体薄膜に接続された一対の第1電
極と、前記測定用電流によって前記微結晶化半導体薄膜
に誘起された電圧降下を検知するために前記微結晶化半
導体薄膜に接続された一対の第2電極とを含む感温素子
と、 該感温素子をヘリウムガスとともに内部に収納して封
止する非磁性体製筒状容器と、及び 前記一対の第1電極と前記一対の第2電極のそれぞれ
に接続されていて、前記それぞれの電極に前記非磁性体
製筒状容器の外部から通電可能にされた4個の導体を備
えた温度センサであって、 前記感温素子が、前記4個の導体のうち、前記一対の
第1電極に接続される2個の導体の長手方向に平行して
密着させて載置されていることにより、前記非磁性体製
筒状容器の内部に収納される該感温素子の指向方向を外
部から確認可能として該感温素子が磁場中の所定の方向
を向くように温度センサを設置することを許容すること
を特徴とする温度センサが提供される。
さらに、本発明の別の態様によると、上述の感温素子
を用いる温度センサに対して磁場内外での温度を補間す
る温度補間値決定方法及び温度センサシステムが提供さ
れる。
図面の簡単な説明 図1はp型及びn型Si:Hとp型及びn型SiGe:Hの抵抗
値温度依存性を示す図; 図2はn型Ge:Hの抵抗値温度依存性を示す図; 図3はn型SiGe:Hの抵抗値温度依存性を示す図; 図4はn型SiGe:Hとn型Si:Hの磁気抵抗効果を示す
図; 図5はn型SiGe:HのEPMA分析結果を示す図; 図6はn型SiGe:HのEPMA分析結果を示す図; 図7はn型SiGeの導電率と抵抗値温度依存性との関係
を示す図; 図8は従来のカーボングラス温度センサによる誤差と
本発明による温度センサのチェビシェフ多項式近似誤差
とを対比させて示す図; 図9は本発明に用いる温度センサ素子の概略を示す
図; 図10は本発明の温度センサの実装状態を示す図; 図11はクライオスタットのコールドヘッドの概念を示
す図; 図12は本発明の温度センサの抵抗値温度依存性と再現
性を示す図; 図13は本発明の温度センサの抵抗値温度依存性と再現
性を示す図; 図14は本発明の温度センサのチェビシェフ多項式近似
で求めた補間曲線を示す図; 図15は本発明の温度センサのチェビシェフ多項式近似
で求めた補間曲線を示す図; 図16は本発明の温度センサの抵抗値磁場依存性を示す
図; 図17は本発明の温度センサの抵抗値磁場依存性の2次
式プロットを示す図; 図18は本発明の温度センサの抵抗値磁場依存性の両対
数プロットを示す図; 図19は図18の測定結果を最小2乗近似した結果得られ
た補正後の誤差の温度換算を示した図; 図20は測定系の全体構成を示すブロック図; 図21は温度センサシステムの概略構成を示すブロック
図;及び 図22は図21の動作を説明するためのフローチャートで
ある。
発明の実施するための最良の形態 先ず、本発明において考慮されている幾つかの事項に
ついて説明する。
本発明では上述した発明の開示の項に示したように感
温素子部に用いられる微結晶化半導体薄膜の一つは、そ
の導電型n型であり、その材質がシリコンゲルマニウム
(SiGe)であり、そのうちシリコンの組成比が50%を超
え100%未満であり、その導電率が0.1から50S/cmに限定
付けられている。
すなわち、このような微結晶化半導体薄膜に対する限
定付けは、極低温から室温までの広い温度範囲の測温及
び低温磁場中での磁気抵抗効果補正可能な測温を実現す
るための感温材料を、より詳しく明示するためで、以下
に、これらの限定付けの根拠を示す。
(1)n型SiGeに限定した理由 1−1 抵抗値温度依存性 温度センサでは、当然ながらその感温素子の抵抗値温
度依存性の優劣の問題になり、図1に示されるように、
n型SiGe、n型Siの抵抗値温度依存性はほぼR=aT
α(R:抵抗値、T:温度、a,α:任意定数)と優れている
が、p型SiGeでは温度感度がなく測温に不適であり、p
型Siでは温度感度が大きすぎて広い温度範囲の測温には
不適である。
図2に示されるように、n型Geの抵抗値温度依存性は
ほぼR=beβT(R:抵抗値、T:温度、b,β:任意定数)
の関係にあり、極低温から室温までを等しい測温精度
(%)で測温することはできない。
また、図示してはいないが、p型Geは温度感度がなく
測温不能である。
従って、抵抗値温度依存性の点からするとn型SiGeと
n型Siが優れているといえるが、後述する磁気抵抗効果
の点からn型Siは不適である。
なお、図3に、n型SiGeの抵抗値温度依存性を再度示
すと、この抵抗値温度依存性の点からするとn型SiGeは
温度センサとして極めて優れていることがわかる。
1−2 磁気抵抗効果 図4は、n型SiGeのn型Siと磁気抵抗効果を示す。
n型SiGeの磁気抵抗効果はほぼε=cBγの関係にあ
り、磁気抵抗効果を補正することにより低温磁場中の測
温が可能である。
本来、半導体の磁気抵抗効果εは、ε=cBγ(γは約
2、B:磁束密度)の関係式で表されるが、図4に示され
るようにn型Siの磁気抵抗効果はε=cBγの関係にはな
く、この式によってn型Siの磁気抵抗効果を補正するこ
とは困難である。
従って、磁気抵抗効果の点からするとn型Siは、感温
素子には適していない。
従って、極低温から室温までの広い温度範囲の測温
と、低温磁場中での磁気抵抗効果補正可能な測温との2
つを同時に実現する感温材料としてn型SiGeに限定付け
したものである。
(2)n型SiGeにおけるSiの含有率を限定した理由n型
Siの抵抗値温度依存性が優れていることは、前述の通り
である。
従って、n型SiGeの抵抗値温度依存性も、n型Geでは
なく、n型Siの特徴を有していることが必要である。
つまり、SiはGeよりも多く存在する必要があると考え
られるので、n型SiGe中のSiの含有率を50%を超え100
%未満と限定付ける。
図5、図6は作製したn型SiGe温度センサのSi含有率
をEPMAで測定した結果を示す。
これらの図5、6に示されるように、作製したn型Si
GeのSi含有率はそれぞれ85%、92%であり、それぞれ限
定内にある。
そして、これらの組成比によるn型SiGeは極低温、高
磁場下の広い温度範囲における温度センサに適している
ことが確認されている。
(3)導電率の限定 n型SiGeを温度センサの感温材料として用いる場合、
それの導電率がある適当な範囲にあることが必要であ
る。
つまり、導電率が高すぎると金属的な性質が強まり抵
抗値温度依存性が低下し、また導電率が低すぎると半導
体的な性質が強まり抵抗値温度依存性が異常に増大し広
い温度範囲を測温できなくなってしまうからである。
図7は、n型SiGeを感温材料として用いる温度センサ
の特性における導電率分布を示す。
この図7に示されるように、n型SiGeを感温材料とし
て用いる温度センサは所定の適正導電率範囲0.1〜50S/c
m内に分布しており、この範囲外の感温材料は、測温範
囲が縮小したり、測温感度が低下したりするので、温度
センサとしては不適当である。
また、本発明では温度センサ素子(感温素子ともい
う)の実装形態として、具体的にはアルミニウム製の円
筒である非磁性体金属の円筒状の容器で覆われた円筒型
の温度センサ(以下、円筒型温度センサという)とす
る。
これは、温度センサ素子が磁界に対する補正を不可欠
とし、それが温度センサに対して所定の方向、すなわ
ち、温度センサ内の基準に対して所定の方向に搭載され
ていることを必要とするからである。
また、この円筒型温度センサの抵抗値温度依存性とそ
の再現性及び抵抗値磁場依存性について測定した結果、
円筒型温度センサは冷却サイクルへの耐性が高く、抵抗
値温度依存性の再現性に優れていることが確認されてい
る。
さらに、本発明では、温度センサ素子の抵抗値温度依
存性に対して、3次のスプライン補間を施した後にチェ
ビシェフ多項式近似を施すものであるが、その近似式と
実測値との誤差を縮小することができ、これにより、抵
抗値と温度の変換を精密にかつ容易に行えることが確認
されている。
また、本発明では温度センサ素子の抵抗値磁場依存性
についても磁場中の抵抗値の変化を磁束密度の簡単な関
数で表現することができるようにすると共に、その関数
の最適化をも検討し、抵抗値磁場依存性の補正後の誤差
も良好な値が得られることが確認されている。
次に、この発明による円筒型温度センサの概要を述べ
る(図9参照)。
この円筒型温度センサ1は以下の構成からなる。
すなわち、基板上に設けられた微結晶化シリコンゲル
マニウム薄膜等からなる微結晶化半導体薄膜2(以下、
実施例に基いて、微結晶化半導体薄膜2を微結晶化シリ
コンゲルマニウム薄膜2ともいう)と、この薄膜に接続
された4個の電極とでなる感温素子3(以下、実施例に
基いて感温素子3を温度センサ素子3ともいう)と、感
温素子3をヘリウムガスとともに内部に収納して封止す
る非磁性体金属製の円筒状の容器4と、円筒状の容器4
の底部に封止して取り付けられ、感温素子3の電極にそ
れぞれ接続される4個の導体5(以下、実施例に基いて
導体5をコバール配線ピン5ともいう)とで構成され
る。
アルミナからなる絶縁性基板6(以下、実施例に基い
て、絶縁性基板6をアルミナ基板6ともいう)上に温度
センサ素子3をプラズマCVD法で形成して、感温素子3
とする。
この感温素子3は4電極構造の素子であり、そのうち
2個の電極は電流用端子7であり、温度センサ素子3の
両端に対向して配置されている。
他の2個の電極は、電流の流れに沿って配置された電
圧ピックアップ用端子8である。
電流用端子7は微結晶化半導体薄膜2の電気抵抗を少
なくするために、微結晶化半導体薄膜2である微結晶シ
リコンゲルマニウム薄膜2に広い範囲で接触している。
また、電圧ピックアップ用端子8は電流用端子7に比
べてわずかな寸法で微結晶化シリコンゲルマニウム薄膜
2と接触している。
なお、円筒状の容器4はアルミニウム、銅等の非磁性
体金属からなる。
さらに、感温素子3の電極にそれぞれ接続される4個
の導体5はコバール配線ピン5からなるが、アルミニウ
ム、銅等の非磁性体金属を用いることができる。
ところで、低温、極低温は、気体の分子が液体となる
温度であるから、温度測定は液体中で行われることが多
いが、感温素子3を直接、液体中に浸すことは素子の破
壊につながるから、感温素子3は容器中で保護されなけ
ればならない。
また、クライオスタットなどでは、外部とのインター
フェイス部では、熱伝導を良くするため(測温誤差をな
くするために)、円形の孔を作るのが常であるから、感
温素子3中の容器は円筒形状を呈するものとする。
そして、この円筒状の容器4中には、感温素子3が封
止されると共に、その内部には感温素子3のほとんどの
動作範囲で気体雰囲気に保たれるようにヘリウムガスが
充填されている。
また、円筒状の容器4には、その内外の電気的な接続
のために、コバール配線ピン5による4本の脚が備えら
れている。
このコバール配線ピン5を採用した理由は、温度差に
よる熱歪みを生じにくいようにすることを配慮したもの
であるが、前述したようにアルミニウム、銅等の非磁性
体金属を用いることができる。
一般に、極低温の測定はしばしば強い磁場中で行われ
ることが多いことから、円筒型温度センサ1の材料に
は、磁性材料を使用しないことが望ましい。
このため、例えば、円筒状の容器4には非磁性材料の
アルミニウム、銅等を用いるものとする。
ここで、特徴的な点は、コバール配線5の4本の脚の
電流用端子7に接続される側の2本のコバール配線ピン
5の長手方向に平行にして密着させて温度センサ素子3
を載置した点にある。
これにより、コバール配線ピン5の脚の方向により、
温度センサ素子3の面の向きが分かり、後述する抵抗値
磁場依存性についての補正が容易になる。
次に、この発明による温度センサの温度補間値決定方
法の概要を述べる。
シリコンゲルマニウムに代表される微結晶化半導体薄
膜2は前述のように室温から1.4K程度の広い温度範囲に
わたり、抵抗の温度変化にはほぼ(1)式に示す関係が
あるが、mKというオーダーの温度測定を極低温で試みる
と、厳密には(1)式に示す関係からはずれるようにな
ってしまう。
しかるに、そのはずれ方はほぼ後述するように3次曲
線を呈することから、本発明では3枚のスプライン関数
による補間法を採用する。
そして、先ず第1の温度定点(例えば、1.4K)と、第
2の温度定点(例えば、273K)とにおいてそれぞれ円筒
型温度センサ1の抵抗値を測定する。
この場合、後の補間の精度を高めるために第1及び第
2の温度定点間にいくつかの温度定点(例えば、窒素蒸
発点、炭酸ガス凝固点)をとるようにしてもよい。
あるいは、第1及び第2の温度定点の間隔を狭くと
り、定点を移動していく方法を採用してもよい。
次に、第1及び第2の温度定点における円筒型温度セ
ンサ1の抵抗値に基づいて、両温度定点抵抗値間の抵抗
値範囲の円筒型温度センサ1の温度を抵抗値の関数とし
て3次スプライン関数による補間式を求める。
さらに、この補間式に基いて、2つの定点間の抵抗値
における温度の補間値を求める。
次に、この温度の補間値を用いて、単一のチェビシェ
フ多項式を求める。
この発明では、第1及び第2の温度定点のとり方によ
らず、常温から極低温までの広い温度範囲の一つのチュ
ビシェフ多項式でカバーできるようにする。
そして、最後に測定した抵抗値から、単一のチェビシ
ェフ多項式を用いて温度を算出する段階とを経る。
また、温度センサとして用いられる微結晶化半導体薄
膜2が磁場中で受ける抵抗値磁場依存性についての補正
についても対策をとらなければならない。
一般に、磁気抵抗効果は移動度の自乗と磁束密度の自
乗の積に概ね比例するので、移動度が小さい微結晶化半
導体薄膜2では強磁場中でも金属の磁気抵抗効果よりも
小さい。
また、磁気抵抗効果では、平行効果(電流と磁場が平
行なときの効果)は直交効果(直流と磁場が直交すると
きの効果)よりも極めて小さいから、ここでは直交効果
についての対策を開示する。
一般に、磁場中で2軸方向に回転させてみれば、電流
と磁場との関係が直交効果を生じさせている関係(抵抗
変化が磁場中で最大となる関係)を知ることができる。
温度を一定とした状態で、磁気抵抗効果の直交効果を
磁場の強さの関数として測定したときも、後述するよう
に直線関係ではなく、磁場の強さのほぼ2次関数の曲線
関係となることから、零磁場での抵抗の温度特性の補正
と同じ手法の補正が可能である。
本発明による円筒型温度センサ1と、従来のカーボン
グラス温度センサとの特性比較を以下に示す。
カーボングラス温度センサでは、実測値と式で求めた
値との誤差の最大値は、54mKであるが、本発明の円筒型
温度センサ1では、実測値と単一のチェブシェフ多項式
から導きだされた値との誤差の最大値は、9.8mK程度で
ある。
以下、詳細に説明すると、本発明の円筒型温度センサ
1では、その抵抗値温度依存性がほぼ(1)式の関係式
で表されるため、チェビシェフ多項式近似に適してい
る。
このため、従来困難であった極低温から室温までの広
い温度範囲の温度領域不分割での、単一のチェビシェフ
多項式近似を実現することができる。
図8は、従来のカーボングラス温度センサの測定誤差
と本発明の円筒型温度センサ1のチェビシェフ多項式近
似誤差を示す。
図8中、上段はチェビシェフ多項式近似の際に用いた
チェビシェフ係数の次数を、下段にはその時の近似誤差
を示す。
図8によれば、1.4K、7K、30.8K、129.9K、325K間の
いずれの温度領域においても本発明の温度センサの方が
格段に優れていることが分る。
次に、以上のような概要に基く本発明の実施例につい
て図面を参照して説明する。
図9に示すように、微結晶化半導体薄膜2である微結
晶化シリコンゲルマニウム薄膜2はプラズマCVD法によ
り絶縁性基板6上に堆積される。
この場合、材料ガスにはSiH4、GeH4が、ドーピングガ
スにはPH3/H2が用いられ、絶縁性基板6にはアルミナ基
板6が用いられる。
アルミナ基板6上に微結晶化シリコンゲルマニウム薄
膜2が堆積された後、ウェーハプロセスに従い、感温素
子3である温度センサ素子3が作製される。
次に、この温度センサ素子3の具体的な構造を説明す
る。
温度センサ素子3の構造は、微結晶化シリコンゲルマ
ニウム薄膜2の抵抗値を正確に測定できる4端子構造と
される。
アルミナ基板6上に微結晶化シリコンゲルマニウム薄
膜2による抵抗体が形成される。
この場合、微結晶化シリコンゲルマニウム薄膜2の具
体例としては、上述した限定付けの条件がここに編入さ
れるものとする。
また、金属電極材料による、温度センサ素子3への冷
却時の歪みの影響を調べるため、電流用端子7、電圧ピ
ックアップ用端子8である電極にはPt/Ti、またはAu/Ni
Crが用いられる。
この微結晶化シリコンゲルマニウム薄膜2の膜厚は、
約1μmとし、また、温度センサ素子3の大きさは縦1.
5mm、横1.5mm、厚さ150μmとされる。
なお、抵抗体は堆積条件を変えることにより、室温で
の抵抗値を500Ωから5kΩに制御されている。
そして、抵抗体の両端の電極7,7間に1μA程度の定
電流を流し、抵抗体の中央部の電極8,8間の電圧を測定
することにより、温度センサ素子3の抵抗値が求められ
る。
図10は、円筒型温度センサ1の実装図を示す。
図10に示されるように、この円筒型温度センサ1の大
きさは例えば直径3.2mm、長さ7.2mmと小型化されてい
る。
前述したように、円筒状の容器4は、強磁場での温度
測定を考慮し、磁性材料を一切使用していない。
温度センサ素子3には金配線9が施してあり、コバー
ル配線5を介して4端子測定が行える。
コバール配線ピン5の長い方の脚の長手方向に対して
平行に温度センサ素子3が密着して載置されている。
さらに、この温度センサ素子3は熱電導性のよいエポ
キシ樹脂10により密封・固定される。
また、このエポキシ樹脂10は温度センサのヒートシン
クにもなっている。
コバール配線ピン5はガラス11によりコバールリング
12から熱的及び電気的に絶縁されている。
この円筒型温度センサ1には、極低温においても封入
ガス自体の液化、凝固は発生しないよう、ヘリウムガス
が封入されている。
以下に示される測定は、全てこの円筒型温度センサ1
を用いて行われたものである。
図11はクライオスタットのコールドヘッドの概念図を
示す。
この場合、6個の円筒型温度センサを用いる温度測定
は、図20に示すクライオスタット110と超電導マグネッ
ト(SCM)109とを組み合わせた温度測定システムにより
行われる。
クライオスタット110に液体ヘリウムをトランスファ
ーし、図11に示されるコールドヘッド111が4.2Kに冷却
されてその温度が安定したことが確認された後に、測定
が行われる。
また、所定の温度での測定の場合、カーボングラス温
度センサ13の測定温度が一定になるように、クライオス
タットコールドヘッド内蔵の温度制御用ヒータ14により
温度が制御される。
さらに、温度安定化時の微結晶化シリコンゲルマニウ
ム薄膜2を用いる円筒型温度センサ1の温度は同じブロ
ックに組み込まれたロジウム鉄温度センサ15により測定
される。
また、磁場中でのより正確な温度測定のために、磁場
の影響を殆ど受けないキャパシタンス温度センサ16が組
み込まれている。
抵抗値温度依存性の測定は、図20に示す測定系により
円筒型温度センサ1の抵抗値が4端子法で測定される。
この4端子法による測定時の定電流源102からの印加
電流は恒温槽に置かれた標準抵抗(1Ω−S.R.、1kΩ−
S.R.)106、107からの出力電圧をデジタルマルチメータ
(DMM)104により正確に求められる。
この場合、熱起電力の影響を防ぐために印加電流はプ
ラスとマイナスの極性を交互に切り替えながら流され
る。
これらの測定は全て図20に示す測定系により自動的に
行われ、スキャナー105を用いることにより、6個の円
筒型温度センサ1の全ての出力電圧、円筒型温度センサ
1用の標準抵抗出力電圧、ロジウム鉄温度センサ15の出
力電圧、ロジウム鉄温度センサ15用の標準抵抗出力電
圧、キャパシタンス温度センサ16のキャパシタンス、カ
ーボングラス温度センサ13の温度、そして温度制御用ヒ
ータ14の出力を同時に測定してパーソナルコンピュータ
101にデータとして読み込んで処理するようにしてい
る。
なお、このときの円筒型温度センサ1及びロジウム鉄
温度センサ15の発熱量は数10nW以下に抑えられ、自己発
熱を低減することにより、測定精度が高められようにし
ている。
抵抗値温度依存性の測定点の一例としては、4.2K、10
K、20K、40K、80K及び300Kの6点が用いられる。
なお、抵抗値温度依存性の再現性を評価するため、こ
の測定を5回繰り返えすことにより、各測定点での再現
性が評価されるようにしている。
さらに、抵抗値磁場依存性の測定では、クライオスタ
ットコールドヘッドを冷却限界の4.2Kまで冷却し、温度
が安定した後、温度制御用ヒータ14を発熱させることな
く4.2Kの温度で超電導マグネット(SCM)109を励磁し、
各磁束密度における抵抗値が測定される。
このとき、抵抗値磁場依存性の測定後、磁場を発生さ
せない状態での温度を測定することにより、抵抗値磁場
依存性測定中に温度変化がなかったことが確認されてい
る。
この測定も、クライオスタット、超電導マグネット
(SCM)を含む図20に示す測定系により自動的に行われ
る。
この場合、常温ボアタイプの超電導マグネット(SC
M)とその中心部に取り付けられたクライオスタットが
あり、測定系には、定電流源、電圧計、スキャナー10
5、温度コントローラ103、キャパシタンスLCRメータ10
8、SCMに対するチャージングシステム112とレベルメー
タ113等が設置されている。
次に、零磁場中における測定結果を述べる。
微結晶化シリコンゲルマニウム薄膜2からなる温度セ
ンサ素子3を用いた円筒型温度センサ1の抵抗値温度依
存性、(後述する抵抗値磁場依存性測定の場合も同様)
の測定前の予備試験として、円筒型温度センサ1の耐急
冷試験が行われる。
この耐急冷試験は、液体窒素への急冷と室温への昇温
のサイクルが100回繰り返され、各サイクル後のエポキ
シ樹脂10のヘリウムガス封止部分の剥離、及び亀裂の有
無が調べられる。
この結果、実装形態及び作製条件を最適化した円筒型
温度センサ1では、これらの剥離、及び亀裂は一切発生
しなかったことが確認されている。
このようにして、液体窒素温度冷却サイクルの耐性が
確認された後、クライオスタット及びそれへの液体ヘリ
ウムを用いた抵抗値温度依存性の測定が行われる。
図12、図13は、それぞれPt/Ti電極、Au/NiCr電極の円
筒型温度センサ1の抵抗値温度依存性とその再現性を示
す。
図12、図13に示されるように、Pt/Ti電極、Au/NiCr電
極の場合とも抵抗値温度依存性として、ほぼ(1)式に
示す関係が得られることが確認されている。
すなわち、これは(2)式に示す関係に置換される。
(dR/dT)/(R/T)=b …(2) (b:定数) このようにして、(dR/dT)/(R/T)が一定となる場
合では、測温精度は全温度範囲でδT/Tが一定となるこ
とから、この円筒型温度センサ1は室温から極低温まで
の温度の測定に適しているという結果が得られる。
電極材料の差異に関しては、Pt/Ti電極の場合のみ4.2
K付近で抵抗値温度依存性の傾きが増大するという結果
が得られる。
この増大は、Pt/Ti電極に起因する冷却歪みによる、
抵抗値の変化が原因であると考えられる。
なお、(1)式の関係は実装前後で変化しなかったこ
とが確認されている。
図12、図13に示されるように、5回の測定結果の再現
性は高く、各測定点は同じ点でプロットされており、い
ずれの場合の補間曲線も同一の曲線が得られている。
なお、図12、図13では、測定点の間を3次スプライン
関数により補間し、この3次スプライン関数をチェビシ
ェフ多項式で近似した補間曲線として示している。
チェビシェフ多項式近似では、各円筒型温度センサ1
の各測定ごとに、0次から15次までの16個のチェビシェ
フ係数が求められ、それに基いて抵抗値温度依存性の再
現性の比較がなされる。
温度の定点で実測した温度・抵抗特性を、例えばスプ
ライン補間により滑らかな補間をした結果をルックアッ
プテーブル(数表)として作成しておけば、これを一応
の温度測定に利用することはできるが、数表形式ではさ
らにその間を補間するという作業が必要となることもあ
る。
そこで、本発明ではチェビシェフ多項式の利用と数表
の利用とが併用される。
以下に3次スプライン関数補間から、チェビシェフ多
項式近似に至る計算式を示す。
いま、任意にn個の温度測定点においてそれぞれ円筒
型温度センサ1の抵抗値を測定し、i番目の測定点を第
1の温度定点、i+1番目の測定点を第2の温度定点と
する。
3次スプライン関数補間では、各温度定点におけるプ
ラス側、マイナス側の1次導関数と2次導関数がそれぞ
れ等しいので、温度をT、抵抗値をRとすると以下の関
係式が成り立立つ。
(dT/dR)(+)=(dT/dR)(−) …(3) (d2T/dR2(+)=(d2T/dR2(−)…(4) ただし、境界条件として以下の通り、最両端での2次
導関数は0とする。
(d2T/dR2(+)=0 …(5) (d2T/dR2(−)=0 …(6) i番目の測定点(第1の温度定点)とi+1番目の測
定点(第2の温度定点)を補間する3次スプライン関数
は以下の通りとする。
T=P/Q, P=Ti-1(Ri−R)+ei(Ri−R) (R−Ri-1)+fi(Ri−R)(R−Ri-1 +Ti(R−Ri-13, Q=(Ri−Ri-1 …(7) ただし、Ti,Riはそれぞれi番目の測定点での温度と
抵抗値を示し、ei,fiは、 Ri≦R≦Ri+1 …(8) での係数である。
(3)、(7)式より、 S=(Ri−Ri-1)T″i-1+2(Ri+1−Ri-1) T″+(Ri+1−Ri)T″i+1, S/6=(Ti+1−Ti)/(Ri+1−Ri) −(Ti−Ti-1)/(Ri−Ri-1) …(9) また、(4)、(7)式より ei=2Ti-1+Ti−{(Ri−Ri-1 (2T″i-1+T″)/6} …(10) fi=Ti-1+2Ti−{(Ri-Ri-1 (T″i-1+2T″)/6} ……(11) が得られる。(5)、(6)、(9)式から(d2T/d
R2(i=1,2,…,n)が求められ、これを(10),
(11)式に代入することにより、ei、fiが求められ、さ
らに、これを(7)式に代入することにより、i番目の
測定点(第1の温度定点)とi+1番目の測定点(第2
の温度定点)を補間する3次スプライン関数が得られ
る。
このようにして得られた3次スプライン関数補間を用
いて、標本点を算出し、チェビシェフ多項式近似を行
う。チェビシェフ多項式近似に用いるチェビシェフ係数
Ciは以下の式により求められる。
ただし、Aiは直交多項式とする(式(19)〜(26)を
参照)。
また、チェビシェフ多項式近似範囲の最大値をRu、最
小値をRLとして、 xj=cos((2j−1)π/2n) …(13) (j=1,2,…,n) Rj={(1+xj)Ru+(1−xj)RL}/2 …(14) ここで(12)式で示されるように、3次スプライン関
数により求めた補間値を選択し、得られた標本点と直交
多項式の積の総和を算出することにより、チェビシェフ
係数Ciが求められる。
以下はチェビシェフ多項式を示す。
Ai(x)=cos(i cos-1(x)) …(16) Ai(x)=2xAi-1(x)−Ai-2(x) (17) x={(R−RL)−(Ru−R)}/(Ru−RL) …(18) なお、直交多項式Ai(x)は(17)式を展開して以下
の通り、求められる。
A0(x)=1 …(19) A1(x)=x …(20) A2(x)=2x2−1 …(21) A3(x)=4x3−3x …(22) A4(x)=8x4−8x2+1 (23) A5(x)=16x5−20x3+5x …(24) A6(x)=32x6−48x4+18x2−1 …(25) A15(x)=16384x15−61440x13 +92160x11−70400x9 +28800x7−6048x5 +560x3−15x …(26) このように、3次スプライン関数補間から、特定の標
本点を選択し、上記の所定の計算を行うことにより、チ
ェビシェフ多項式近似が行われる。
抵抗値温度依存性に以上のようにチェビシェフ多項式
近似を用いることにより、円筒型温度センサ1の抵抗値
と温度の変換を精密に、かつ容易に行うことができる。
このため、チェビシェフ多項式近似結果は抵抗値温度
依存性の再現性の評価に使用すことができるほか、実際
に円筒型温度センサ1により測温する場合にも有効であ
る。
図14、15はそれぞれPt/Ti電極、及びAu/NiCr電極の円
筒型温度センサ1の4.2Kにおける抵抗値の再現性を示
す。
図14、15の実線は、図12、13にも示したチェビシェフ
多項式近似で求めた補間曲線である。
図14、15に示されるように、5回の測定結果の再現性
は、4.2Kで±10mK以内であり、これは円筒型温度センサ
1の温度を測定しているロジウム鉄温度センサ15の温度
測定精度にほぼ等しい。
次に、磁場中における測定結果を示す。
これは以上のように円筒型温度センサ1の抵抗値温度
依存性の再現性が高いことを確認した後、抵抗値磁場依
存性を測定した結果である。
図16は、4.2Kにて測定した磁束密度0Tから7Tまでの磁
場中におけるPt/Ti電極、及びAu/NiCr電極の円筒型温度
センサ1の抵抗値磁場依存性を示す。
図16に示されるように、磁場励磁による円筒型温度セ
ンサ1の抵抗値の変化は、滑らかな曲線を描いており、
磁束密度の増大にしたがって、抵抗値が増大する傾向が
ある。
図16中には、抵抗値温度依存性の場合と同様、測定点
の間を3次スプライン関数により補間し、この3次スプ
ライン関数をチェビシェフ多項式で近似した補間曲線が
示されている。
なお、この場合もチェビシェフ係数は0次から15次ま
での16個が求められている。
このような補間により、磁場中での抵抗値の変化を補
正することにより、極低温・高磁場中の真の温度を精密
に求めることができる。
図17は、抵抗値磁場依存性の2次式プロットであり、
横軸に磁束密度を、縦軸に次のように表わされる磁場中
の抵抗値の変化の割合εの磁束密度に対する比を取って
ある。
ε=(R(B,T)−R(0,T))/R(0,T) …(27) この図17で、抵抗値磁場依存性が直線で表される場
合、上記変化の割合εは ε=aB2+bB+c …(28) (B:磁束密度、a,b,c:任意定数) のように磁束密度の2次式で表されることになり、抵抗
値の増加分を補正することができる。
図17に示されるように2次式を用いて補正した場合、
高磁束密度の領域では、補正式からのずれが大きくな
り、最小2乗法による補間式に基いて近似の結果、補正
後の測定誤差は温度換算として約±9mKが得られてい
る。
次に、補正後の測温誤差を低減するための補正方法に
ついて説明する。
すなわち、本発明では(28)式に示される2次式補正
においても、補正には1次の項が殆ど寄与しないことに
着目し、変化の割合εが ε=aBb (a,b:任意定数) …(29) のように、磁束密度の累乗で表される補正方法を試み
た。
図18は抵抗値磁場依存性の両対数プロットを示す。
この図18に示されるように、抵抗値磁場依存性は、ほ
とんど直線で表され、良好な近似方法であることが確認
されている。
また、この図18における傾きは、Pt/Ti電極、Au/NiCr
電極の円筒型温度センサ1共に、約1.8であり、変化の
割合εは、磁束密度の1.8乗に比例しているという結果
が得られている。
図19は、図18の測定結果の最小2乗法による補間式に
基いた近似の結果得られる補正後の誤差の温度換算を示
す。
図19に示されるように、補正した結果は良好であり、
補正後の測温誤差は温度換算としてPt/Ti電極の場合で
±4mK、Au/NiCr電極の場合で±5mKが得られ、これらは
上述したこれまでの2次式による補正後の誤差よりも低
減されている。
なお、測定結果では、Pt/Ti電極、Au/NiCr電極の場合
とも磁場による抵抗値の補正量はほぼ同じであったが、
Pt/Ti電極の円筒型温度センサ1では4.2K付近での抵抗
値温度依存性の傾きが増大していることにより、補正後
の温度誤差はAu/NiCr電極の場合よりも小さい値が得ら
れている。
さらに、本発明では、高精度に温度補正する方法の検
討がなされ、図16に示した3次スプライン関数補間に加
えてチェビシェフ多項式近似を用いる方法の有効性が確
認されている。
すなわち、この補正方法は、図16に示されるように、
4.2Kにおいて3次スプライン関数補間、チェビシェフ多
項式近似を行うものである。
この抵抗値磁場依存性のチェビシェフ多項式近似をあ
らゆる温度範囲で実現するためには、チェビシェフ係数
自体の温度依存性を求めればよい。
この温度依存性を求めることにより、3次スプライン
関数により測定データ間を滑らかに補間し、さらにチェ
ビシェフ多項式により磁場補正量を精密に近似すること
により、あらゆる温度範囲において補正精度を格段に向
上することが可能となる。
この場合も零磁場の場合と同様にスプライン関数補間
で数表を作り、それを利用するという測定方法も可能で
あることは当然である。
なお、前述したように、本発明において、微結晶化シ
リコンゲルマニウム薄膜2を用いた温度センサの実装方
法の検討結果により作製された円筒型温度センサ1は非
磁性体であるアルミニウム、銅等からなる円筒状の容器
4が用いられ、それは直径3.2mm、長さ7.2mmと小型化さ
れ、ヘリウムガスが封入されている。
この円筒型温度センサ1は液体窒素下での100回の急
冷において、何ら剥離、及び亀裂を一切生じなかったこ
とが確認されている。
この円筒型温度センサ1の抵抗値温度依存性とその再
現性を、6点の温度(4.2K、10K、20K、40K、80K、300
K)で測定した結果として、抵抗値温度依存性は、ほぼ
(1)式及び(2)式を満足する。
図21は上述した本発明による温度センサシステムの概
略的構成を示す。
すなわち、上述の円筒型温度センサ1に相当する温度
センサ202は電流源201から所定の電流の供給を受けると
共に、上述した第1及び第2の温度定点及び所定温度を
設定する温度設定部203、同じく第1及び第2の磁場強
度を設定する磁場設定部204及び被測定部205に関連して
設置される。
電圧計206は温度センサ202からの電圧を測定して信号
処理部207にその電圧値を出力する。
信号処理部207は電圧計206からの電圧値に基いて温度
センサ202の抵抗値を算出すると共に、その抵抗値に基
いて上述したように温度センサ202の温度補間値を決定
するための所定の演算処理を行う。
メモリ208は信号処理部207で決定された温度補間値を
記憶する。
そして、この後、被測定部205に対する温度測定が実
行されると、信号処理部207は上述したと同様の抵抗値
算出を行うと共に、メモリ208から温度補間値を読み出
して所定の補間を行うことにより、実際の温度を算出し
て表示部209に表示させる。
温度制御部210はヒータや冷却用トラップ等でなり、
温度制御が必要なときに、信号処理部207からの出力に
基いて被測定部205の温度を制御する。
図22は図21の温度センサシステムで実行される一連の
動作を説明するためフローチャートを示す。
すなわち、ステップS1では、磁場中の温度測定である
か否かの判断がなされる。
ステップS1の判断結果がNOであれば、ステップS2に進
んで、上述した抵抗値温度依存性測定のための第1及び
第2の温度定点の設定が順次になされる。
ステップS1の判断結果がYESであれば、ステップS3で
上述した第1及び第2の磁場強度(磁場方向の決定も含
む)の設定が順次になされると共に、ステップS4に進ん
で上述した抵抗値磁場依存性測定のための所定の温度の
設定がなされる。
そして、いずれの測定の場合もステップS5で温度セン
サ202の抵抗値測定がなされた後、ステップS6で上述し
た温度センサ202の温度補間値の決定がなされる。
このステップS6には上述した(1)3次スプライン補
間S6A、(2)チェビシェフ多項式近似S6A及び(3)最
小2乗法近似S6Cが含まれ、必要とされる測定精度に応
じて(1)単独またはこれに加えて(2)、(3)が組
み合わされて実行されることになる。
このようにして温度補間値が決定された後、ステップ
S7で温度センサ202が被測定部205に設定される。
そして、ステップS8で測定された抵抗値がステップS9
により、ステップS6で決定された温度補間値に基いて補
間されることにより、被測定部205の実際の温度が算出
された後、必要な温度表示や温度制御が行われる。
従って以上詳述したように、本発明の微結晶化半導体
薄膜応用の温度センサによれば、磁場中での高精度な測
温と、広い温度範囲での高精度な測温との両立を達成す
ることができる。
また、本発明に用いる温度センサ素子の実装形態につ
いては、円筒型温度センサ内の基準に対して所定の方向
に搭載し、磁場の方向に対して温度センサ素子が、どち
らの方向を指向しているか外部から容易に認識できるの
で磁場中において磁場の向きに応じて補正を容易に行う
ことが可能である。
また、本発明による円筒型温度センサは冷却サイクル
に対する耐性が高く、抵抗値温度依存性の再現性に優れ
ていることが確認されている。
また、本発明による円筒型温度センサは、その抵抗値
温度依存性に関して、チェビシェフ多項式近似を施した
場合のその近似式と実測値との誤差を縮小でき、これに
より、抵抗値と温度の変換を精密にかつ容易に行うこと
ができる。
さらに、本発明による円筒型温度センサは、抵抗値磁
場依存性に関しても、磁場中の抵抗値の変化を磁束密度
の簡単な関数で表現でき、その関数の最適化を行うこと
により、抵抗値磁場依存性の補正後の誤差を非常に小さ
い値とすることができる。
このようにして、本発明の微結晶化半導体薄膜応用の
温度センサによれば、従来のカーボングラス温度センサ
では、測定が困難であった磁場中において広い温度範囲
において温度を測定でき、しかも抵抗値磁場依存性の補
正を施すことにより、カーボングラス抵抗温度計の磁場
中測温誤差100mKを凌ぐ±5mKを得ることができる。
さらに、本発明の温度センサは抵抗値温度依存性が
(dR/R/T)/(R/T)が一定となることから、測温精度
は全温度範囲でδT/Tが一定となり、室温から極低温ま
での温度の測定に適している。
すなわち、本発明の温度センサによれば室温から極低
温までの温度を一つのセンサで測定可能な、極低温・高
磁場用高精度温度センサとしての実用に供することがで
きる関係を示し、この関係は実装の前後で変わらなかっ
たことが確認されている。
また、本発明の温度センサによれば5回の測定の再現
性は高く、4.2Kでは±10mK以内であり、温度測定用ロジ
ウム鉄温度センサの温度測定精度とほぼ等しかったこと
が確認されている。
さらに、本発明の温度センサによれば抵抗値磁場依存
性についても4.2K、7Tにおける測定結果として、抵抗値
磁場依存性は、ほぼ(28)式及び(29)式を満足する関
係を示し、補正後の測温誤差の温度換算としてはそれぞ
れ±4mK((28)式の場合)、±9mK((29)式の場合)
が得られている。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01K 7/16 G01K 1/08 H01C 7/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けられ
    た微結晶化半導体薄膜と、前記微結晶化半導体薄膜に測
    定用電流を流すために前記微結晶化半導体薄膜に接続さ
    れた一対の第1電極と、前記測定用電流によって前記微
    結晶化半導体薄膜に誘起された電圧降下を検知するため
    に前記微結晶化半導体薄膜に接続された一対の第2電極
    とを含む感温素子と、 該感温素子をヘリウムガムとともに内部に収納して封止
    する非磁性体製筒状容器、及び 前記一対の第1電極と前記一対の第2電極のそれぞれに
    接続されていて、前記それぞれの電極に前記非磁性体製
    筒状容器の外部から通電可能にされた4個の導体とを備
    えた温度センサであって、 前記感温素子が、前記4個の導体のうち、前記一対の第
    1電極に接続される2個の導体の長手方向に平行して密
    着させて載置されていることにより、前記非磁性体製筒
    状容器の内部に収納される該感温素子の指向方向を外部
    から確認可能として該感温素子が磁場中の所定の方向を
    向くように温度センサを設置することを許容することを
    特徴とする温度センサ。
  2. 【請求項2】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けられ
    た微結晶化半導体薄膜であってn型シリコンゲルマニュ
    ウムからなり、シリコンの組成比が50パーセントを超
    え、かつ100パーセント未満であり、導電率が0.1から50
    S/cmである前記微結晶化半導体薄膜と、前記微結晶化半
    導体薄膜に測定用電流を流すために前記微結晶化半導体
    薄膜に接続された一対の第1電極と、前記測定用電流に
    よって前記微結晶化半導体薄膜に誘起された電圧降下を
    検知するために前記微結晶化半導体薄膜に接続された一
    対の第2電極とを含む感温素子と、 該感温素子をヘリウムガスとともに内部に収納して封止
    する非磁性体製筒状容器と、及び 前記一対の第1電極と前記一対の第2電極のそれぞれに
    接続されていて、前記それぞれの電極に前記非磁性体製
    筒状容器の外部から通電可能にされた4個の導体を備え
    た温度センサであって、 前記感温素子が、前記4個の導体のうち、前記一対の第
    1電極に接続される2個の導体の長手方向に平行して密
    着させて載置されていることにより、前記非磁性体製筒
    状容器の内部に収納される該感温素子の指向方向を外部
    から確認可能として該感温素子が磁場中の所定の方向を
    向くように温度センサを設置することを許容することを
    特徴とする温度センサ。
  3. 【請求項3】微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの温度補間値決定方法であって、 a)第1の温度定点と、第2の温度定点におけるそれぞ
    れの抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 b)前記第1及び第2の温度定点における前記抵抗値に
    基いて、両温度定点間の抵抗温度センサの温度の対数を
    抵抗値の対数の関数として3次スプライン関数による補
    間式を求める段階とからなり、 前記第1の温度定点が1.4Kであり、前記第2の温度定点
    が273Kであることを特徴とする微結晶化半導体薄膜を用
    いた抵抗温度センサの温度補間値決定方法。
  4. 【請求項4】n型シリコンゲルマニウムからなり、シリ
    コンの組成比が50パーセントを超え、かつ100パーセン
    ト未満であり、導電率が0.1から50S/cmである微結晶化
    半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの温度補間値決定方
    法であって、 a)第1の温度定点と、第2の温度定点におけるそれぞ
    れの抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 b)前記第1及び第2の温度定点における前記抵抗値に
    基いて、両温度定点間の抵抗温度センサの温度の対数を
    抵抗値の対数の関数とした3次スプライン関数による補
    間式を求める段階とからなり、 前記第1の温度定点が1.4Kであり、前記第2の温度定点
    が273Kであることを特徴とする微結晶化半導体薄膜を用
    いた抵抗温度センサの温度補間値決定方法。
  5. 【請求項5】微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの温度補間値決定方法であって、 a)第1の温度定点と、第2の温度定点におけるそれぞ
    れの抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 b)第1及び第2の温度定点における前記抵抗値に基い
    て、両温度定点間の抵抗温度センサの温度の対数を抵抗
    値の対数の関数とした3次スプライン関数による補間式
    を求める段階と、 c)該補間式に基いて、前記第1及び第2の温度定点間
    の前記抵抗値における温度の補間値を求める段階と、 d)段階c)で求めた補間値を用いて、単一のチェビシ
    ェフ多項式を求める段階とからなり、 前記第1の温度定点が1.4Kであり、前記第2の温度定点
    が273Kであることを特徴とする微結晶化半導体薄膜を用
    いた抵抗温度センサの温度補間値決定方法。
  6. 【請求項6】n型シリコンゲルマニウムからなり、シリ
    コンの組成比が50パーセントを超え、かつ100パーセン
    ト未満であり、導電率が0.1から50S/cmである微結晶化
    半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの温度補間値決定方
    法であって、 a)第1の温度定点と、第2の温度定点におけるそれぞ
    れの抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 b)前記第1及び第2の温度定点における前記抵抗値に
    基いて、両温度定点間の抵抗温度センサの温度の対数を
    抵抗値の対数の関数とした3次スプライン関数による補
    間式を求める段階と、 c)該補間式に基いて、前記第1及び第2の温度定点間
    の前記抵抗値における温度の補間値を求める段階と、 d)段階c)で求めた補間値を用いて、単一のチェビシ
    ェフ多項式を求める段階とからなり、 前記第1の温度定点が1.4Kであり、前記第2の温度定点
    が273Kであることを特徴とする微結晶化半導体薄膜を用
    いた抵抗温度センサの温度補間値決定方法。
  7. 【請求項7】微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの磁場中の磁気抵抗効果の補間値決定方法であって、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の印加磁場による磁気抵抗効果を印加磁場の磁束密度の
    関数とした3次スプライン関数による補間式を求める段
    階とからなる微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの磁気抵抗効果の補間値決定方法。
  8. 【請求項8】n型シリコンゲルマニウムからなり、シリ
    コンの組成比が50パーセントを超え、かつ100パーセン
    ト未満であり、導電率が0.1から50S/cmである微結晶化
    半導体薄膜を用いて抵抗温度センサの磁場中の磁気抵抗
    効果の補間値決定方法であって、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の印加磁場による磁気抵抗効果を印加磁場の磁束密度の
    関数とした3次スプライン関数による補間式を求める段
    階とからなる微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの磁気抵抗効果の補間値決定方法。
  9. 【請求項9】微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セン
    サの磁場中の磁気抵抗効果の補間値決定方法であって、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の印加磁場による磁気抵抗効果を印加磁場の磁束密度の
    関数とした3次スプライン関数による補間式を求める段
    階と、 d)該補間式に基いて、前記第1及び第2の印加磁場間
    の印加磁場における前記抵抗値の補間値を求める段階
    と、 e)段階d)で求めた補間値を用いて、単一のチェビシ
    ェフ多項式を求める段階とからなる微結晶化半導体薄膜
    を用いた抵抗温度センサの磁気抵抗効果の補間値決定方
    法。
  10. 【請求項10】n型シリコンゲルマニウムからなり、シ
    リコンの組成比が50パーセントを超え、かつ100パーセ
    ント未満であり、導電率が0.1から50S/cmである微結晶
    化半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの磁場中の磁気抵
    抗効果の補間値決定方法であって、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の印加磁場による磁気抵抗効果を印加磁場の磁束密度の
    関数とした3次スプライン関数による補間式を求める段
    階と、 d)該補間式に基いて、前記第1及び第2の印加磁場間
    の印加磁場における前記抵抗値の補間値を求める段階
    と、 e)段階d)で求めた補間値を用いて、単一のチェビシ
    ェフ多項式を求める段階とからなる微結晶化半導体薄膜
    を用いた抵抗温度センサの磁気抵抗効果の補間値決定方
    法。
  11. 【請求項11】微結晶化半導体薄膜を用いた抵抗温度セ
    ンサの磁場中の磁気抵抗効果の補間値決定方法であっ
    て、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の磁気抵抗効果の対数を磁気密度の対数の関数とした最
    小2乗法による補間式を求める段階とからなる微結晶化
    半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの磁気抵抗効果の補
    間値決定方法。
  12. 【請求項12】n型シリコンゲルマニウムからなり、シ
    リコンの組成比が50パーセントを超え、かつ100パーセ
    ント未満であり、導電率が0.1から50S/cmである微結晶
    化半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの磁場中の磁気抵
    抗効果の補間値決定方法であって、 a)磁場の方向と、磁場の強度とを決定する段階と、 b)所定の温度で第1の印加磁場と、第2の印加磁場の
    強度の下に抵抗温度センサの抵抗値を測定する段階と、 c)前記第1及び第2の印加磁場における前記抵抗値に
    基いて、両印加磁場間の印加磁場範囲の抵抗温度センサ
    の磁気抵抗効果の対数を磁気密度の対数の関数とした最
    小2乗法による補間式を求める段階とからなる微結晶化
    半導体薄膜を用いた抵抗温度センサの磁気抵抗効果の補
    間値決定方法。
  13. 【請求項13】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けら
    れた微結晶化半導体薄膜であってn型シリコンゲルマニ
    ウムからなり、シリコンの組成比が50パーセントを超
    え、かつ100パーセント未満であり、導電率が0.1から50
    S/cmである前記微結晶化半導体薄膜と、前記微結晶化半
    導体薄膜に測定用電流を流すために前記微結晶化半導体
    薄膜を接続された一対の第1電極と、前記測定用電流に
    よって前記微結晶化半導体薄膜に誘起された電圧降下を
    検知するために前記微結晶化半導体薄膜を接続された一
    対の第2電極とを含む感温素子と、 前記感温素子の前記一対の第1電極に前記測定用電流を
    供給する電流源と、 前記感温素子の前記一対の第2電極に出力される電圧を
    測定する電圧測定手段と、 前記電圧測定手段によって測定される電圧に基いて、前
    記感温素子が第1及び第2温度定点に設定されている状
    態におけるそれぞれ前記感温素子の抵抗値を測定すると
    共に、該抵抗値に基いて3次スプライン関数による温度
    補間値を決定する温度補間値決定手段と、 前記電圧測定手段によって測定される電圧に基いて、前
    記感温素子が被測定部に設定されている状態における前
    記感温素子の抵抗値を測定すると共に、該抵抗値を前記
    温度補間値決定手段により決定された温度補間値に基づ
    いて補間することにより、前記被測定部の温度を算出す
    る温度算出手段とを具備し、 前記第1の温度定点が1.4Kであり、前記第2の温度定点
    が273Kであることを特徴とする温度センサシステム。
  14. 【請求項14】前記温度算出手段によって算出される前
    記被測定部の温度を表示する表示手段とをさらに具備す
    る請求の範囲13に記載の温度センサシステム。
  15. 【請求項15】前記温度算出手段からの出力に基いて前
    記被測定部の温度を制御する温度制御手段をさらに具備
    する請求の範囲13に記載の温度センサシステム。
  16. 【請求項16】前記温度補間値決定手段によって決定さ
    れる温度補間値を記憶する記憶手段をさらに具備する請
    求の範囲13に記載の温度センサシステム。
  17. 【請求項17】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けら
    れた微結晶化半導体薄膜であってn型シリコンゲルマニ
    ウムからなり、シリコンの組成比が50パーセントを超
    え、かつ100パーセント未満であり、導電率が0.1から50
    S/cmである前記微結晶化半導体薄膜と、前記微結晶化半
    導体薄膜に測定用電流を流すために前記微結晶化半導体
    薄膜を接続された一対の第1電極と、前記測定用電流に
    よって前記微結晶化半導体薄膜に誘起された電圧降下を
    検知するために前記微結晶化半導体薄膜に接続された一
    対の第2電極とを含む感温素子と、 前記感温素子の前記一対の第1電極に前記測定用電流を
    供給する電流源と、 前記感温素子の前記一対の第2電極に出力される電圧を
    測定する電圧測定手段と、 前記電圧測定手段によって測定される電圧に基いて、前
    記感温素子が第1及び第2磁場強度下で所定の温度設定
    されている状態におけるそれぞれ前記感温素子の抵抗値
    を測定すると共に、該抵抗値に基いて3次スプライン関
    数による温度補間値を決定する温度補間値決定手段と、 前記電圧測定手段によって測定される電圧に基いて、前
    記感温素子が被測定部に設定されている状態における前
    記感温素子の抵抗値を測定すると共に、該抵抗値を前記
    温度補間値決定手段によって決定された温度補間値に基
    いて補間することにより、前記被測定部の温度を算出す
    る温度算出手段とを具備する温度センサシステム。
  18. 【請求項18】前記温度算出手段によって算出される前
    記被測定部の温度を表示する表示手段とをさらに具備す
    る請求の範囲17に記載の温度センサシステム。
  19. 【請求項19】前記温度算出手段からの出力に基いて前
    記被測定部の温度を制御する温度制御手段をさらに具備
    する請求の範囲17に記載の温度センサシステム。
  20. 【請求項20】前記温度補間値決定手段によって決定さ
    れる温度補間値を記憶する記憶手段をさらに具備する請
    求の範囲17に記載の温度センサシステム。
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