JP2779430B2 - 共重合体ラテックスおよびこれを用いた組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよびこれを用いた組成物

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JP2779430B2 JP33195789A JP33195789A JP2779430B2 JP 2779430 B2 JP2779430 B2 JP 2779430B2 JP 33195789 A JP33195789 A JP 33195789A JP 33195789 A JP33195789 A JP 33195789A JP 2779430 B2 JP2779430 B2 JP 2779430B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、重合中の微細凝固物の発生が極めて少な
く、機械的安定性に優れ、接着剤機能を利用した各種用
途に使用したとき、接着強度および耐ブリスター性に優
れ、さらに各種用途特有の性能を一段と改良させる共重
合体ラテックス、該共重合体ラテックスを利用した紙塗
被組成物、カーペットバッキング剤組成物および接着剤
組成物に関する。
[従来の技術] 共役ジエン系化合物,(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルなどを必須成分とする単量体を乳化重合して得ら
れる共重合体ラテックスはゴム状を呈し、接着剤機能を
有することから、その機能を利用した各種用途に広く使
用されている。かかる用途としては、例えば紙塗被組成
物,カーペットバッキング剤組成物,各種の接着剤組成
物,塗料,セメント改質剤,アスファルト改質剤等が挙
げられる。
これらの用途においては、いずれも生産性の向上およ
び高品質化が強く求められており、そのために、共重合
体ラテックスの製造条件ならびに使用条件が厳しくなっ
てきている。これらの厳しい条件に対応するために、共
重合体ラテックスとしては、品質低下の原因となる微細
凝固物を極力少なくすること、製造,使用の各工程を通
じて機械的安定性に優れること、さらに共重合体ラテッ
クスを用いる各種用途では、そのほとんどが乾燥工程を
必要とするものであるため、高温乾燥においてブリスタ
ーが発生しないこと(耐ブリスター性)、接着強度に優
れることなどが必要とされる。
しかし、従来の共重合体ラテックスは、これら微細凝
固物,機械的安定性,耐ブリスター性および接着強度に
おいて、十分であるとはいい難い。
[発明が解決しようとする課題] 従来の共重合体ラテックスは、微細凝固物,機械的安
定性,耐ブリスター性および接着強度の各特性において
十分でないこと、ならびに共重合体ラテックスの接着機
能を利用する用途において、用途特有の性能が十分に改
良されない等の課題を有しており、本発明はこれらの課
題を解決するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、特定の単量体を特定の不飽和ヘテロ環
化合物の存在下、乳化重合して得られる共重合体ラテッ
クスは、微細凝固物が極めて少なく、機械的安定性,耐
ブリスター性および接着強度が一段と改良され、さらに
各種の用途に利用したとき、用途特有の性能を改良する
ことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の発明は、 (a)共役ジエン系単量体 10〜70 重量% (b)(c)以外のエチレン系不飽和単量体 20〜89.5重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10 重量% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
合して得られることを特徴とする共重合体ラテックスに
関する。
本発明の第2の発明は、顔料100重量部と請求項
(1)の共重合体ラテックス3〜30重量部(固形分)と
を含有することを特徴とする紙塗被組成物に関する。
本発明の第3の発明は、顔料100重量部と請求項
(1)の共重合体ラテックス3〜30重量部(固形分)と
を含有することを特徴とするグラビア印刷用紙塗被組成
物に関する。
本発明の第4の発明は、炭酸カルシウムを少なくとも
30重量%含む顔料100重量部と水溶性高分子0.01〜10重
量部と下記に示した共重合体ラテックス5〜20重量部
(固形分)とを含有してなり、固形分濃度が60重量%以
上であることを特徴とする紙塗被組成物に関する。
共重合体ラテックス; (a)共役ジエン系単量体 15〜55 重量% (b)(c)および(d)以外のエチレン系不飽和単量
体 30〜83.5重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10 重量% (d)ビニルシアン単量体 1〜30 重量% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
合して得られる共重合体ラテックス。
本発明の第5の発明は、顔料100重量部と下記の共重
合体ラテックス3〜30重量部(固形分)とを含有するこ
とを特徴とする紙塗被組成物に関する。
共重合体ラテックス; (a)共役ジエン系単量体 10〜70重量% (b)(c),(e)および(f)以外のエチレン系不
飽和単量体 0〜40重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量% (e)芳香族ビニル単量体 10〜65重量% (f)アミド系ビニル単量体および/またはヒドロキシ
アルキル含有(メタ)アクリレート単量体 0.1〜10重量
% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
合して得られる共重合体ラテックス。
本発明の第6の発明は、 (g)共役ジエン、炭素数が2〜10のアルキル基を有す
るアクリル酸アルキルエステルおよび炭素数が6〜14の
アルキル基を有するメタアクリル酸アルキルエステルか
ら選ばれる少なくとも1種の単量体 2〜7重量% (b)(c)以外のエチレン系不飽和単量体22〜98重量
% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜8重量% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
合して得られることを特徴とする共重合体ラテックスに
関する。
本発明の第7の発明は、請求項(6)の共重合体ラテ
ックス100重量部(固形分)と無機充填剤30〜800重量部
とを含有することを特徴とするカーペットバッキング剤
組成物に関する。
本発明の第8の発明は、請求項(6)の共重合体ラテ
ックス10〜90重量%(固形分)と熱可塑性重合体10〜90
重量%とを含有することを特徴とする接着剤組成物に関
する。
本発明の第9の発明は、請求項(6)の共重合体ラテ
ックス10〜90重量%(固形分)と熱硬化性樹脂10〜90重
量%とを含有することを特徴とする接着剤組成物に関す
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
(共重合体ラテックスの単量体成分) (1)第1の発明 1−(a)共役ジエン系単量体 共役ジエン系単量体の具体例としては、ブタジエン、
イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、2−メチ
ル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。これ
らは、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。これらのうち、特にブタジエンが好ま
しい。
共役ジエン系単量体は、得られる共重合体に適当な弾
性および膜の硬さを付与するために使用するが、その使
用量は、全単量体に対し10〜70重量%、好ましくは20〜
65重量%の範囲から選ばれる。この使用量が10重量%未
満では十分な接着強度を得ることができず、一方70重量
%を越えると耐水性および接着強度が低下して好ましく
ない。
1−(b)エチレン系不飽和単量体 このエチレン系不飽和単量体は、後述する単量体1−
(c)を含まないものであり、その具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸グリシジルなどのアクリル酸また
はメタクリル酸のアルキルエステル化合物、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不
飽和カルボン酸のアクリルアミドまたはメタクリルアミ
ド化合物、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル
類、2−シアノエチルアクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン等の塩基性単量体類などを挙げることができる。これ
らは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。これらのうち、特に芳香族ビニル化合物
としてはスチレンが、アルキルエステル化合物としては
メタクリル酸メチルが、またシアン化ビニル化合物とし
てはアクリロニトリルが好適に使用される。
エチレン系不飽和単量体は、得られる共重合体に適度
の硬さ、弾性および耐水性を付与するために使用する
が、その使用量は、全単量体に対し、20〜89.5重量%、
好ましくは20〜79.5重量%の範囲から選ばれる。この使
用量が、20重量%未満では耐水性が劣り、一方89.5重量
%を越えると共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が低下
して好ましくない。
1−(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 エチレン系不飽和カルボン酸単量体の具体例として
は、アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸などのモノ
カルボン酸類、マレイン酸,フマル酸,イタコン酸など
のジカルボン酸類、さらにマレイン酸メチル,イタコン
酸メチル,β−メタアクリルオキシエチルアシッドヘキ
サハイドロフタレート等のハーフエステル類等を挙げる
ことができる。また、ジカルボン酸の無水物も使用する
ことができる。これらは単独でも、あるいは2種以上を
組合せて使用することもできる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単
量体に対し0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の
範囲から選ばれる。この使用量が0.5重量%未満では接
着強度のほか、共重合体ラテックスの機械的安定性が低
下し、一方10重量%を越えると共重合体ラテックスの粘
度が高くなって、取扱い(ハンドリング)が困難とな
り、操作性が低下して好ましくない。
(2)第4の発明 2−(a)共役ジエン系単量体 この共役ジエン系単量体としては、前述した1−
(a)と同様な化合物を挙げることができる。共役ジエ
ン系単量体の使用量は、全単量体に対し15〜55重量%、
好ましくは20〜55重量%である。使用量が15重量%未満
であると十分な接着強度が得られず、一方55重量%を越
えると耐水性および接着強度が低下する。
2−(b)エチレン系不飽和単量体 このエチレン系不飽和単量体は、後述する単量体2−
(c)および(d)を含まないものであり、その具体例
としては前述した1−(b)のエチレン系不飽和単量体
の中からシアン化ビニル化合物を除いたものと同様な化
合物を挙げることができる。かかるエチレン系不飽和単
量体の使用量は、全単量体に対し、30〜83.5重量%、好
ましくは30〜73.5重量%である。使用量が30重量%未満
であると耐水性が劣り、一方83.5重量%を越えると接着
強度が劣る。
2−(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 このエチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、前
述した1−(c)で示したものと同様な化合物を挙げる
ことができる。かかるエチレン系不飽和カルボン酸単量
体の使用量も前記1−(c)のエチレン系不飽和カルボ
ン酸単量体と同様である。
2−(d)ビニルシアン単量体 このビニルシアン単量体としては、前述した1−
(b)のエチレン系不飽和単量体において例示したシア
ン化ビニル化合物と同様な化合物を挙げることができ
る。このシアン化ビニル単量体の使用量は1〜30重量
%、好ましくは3〜25重量%であり、その使用量が1重
量%未満であると印刷光沢,白紙光沢が劣り、一方30重
量%を越えると接着強度が低下する。
(3)第5の発明 3−(a)共役ジエン系単量体 この共役ジエン系単量体としては、前述した1−
(a)と同様の化合物を挙げることができ、その使用範
囲も同様である。
3−(b)エチレン系不飽和単量体 このエチレン系不飽和単量体は、下記の単量体3−
(c),(e),(f)を含まないものであり、その具
体例としては、前述した1−(b)から芳香族ビニル化
合物,アミド化合物およびヒドロキシアルキル含有(メ
タ)アクリレート化合物を除いたものと同様な化合物を
挙げることができる。かかるエチレン系不飽和単量体の
使用量は、全単量体に対し、0〜40重量%、好ましくは
5〜30重量%である。使用量が40重量%を越えると他の
単量体の使用量が本発明の範囲外となり、本発明の目的
を達成できない。
3−(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 このエチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、前
述した1−(c)と同様の化合物を挙げることができ、
また使用範囲についても同様である。
3−(e)芳香族ビニル単量体 芳香族ビニル単量体としては、前述した1−(b)の
中の芳香族ビニル化合物と同様のものを挙げることがで
き、好ましくはスチレンである。かかる芳香族ビニル単
量体の使用量は、全単量体に対し、10〜65重量%、好ま
しくは30〜60重量%である。この使用量が10重量%未満
では耐水性,接着強度が劣り、一方60重量%を越えると
重合安定性が低下し、塗工操業性が低下する。
3−(f)アミド系ビニル単量体および/またはヒドロ
キシアルキル含有(メタ)アクリレート単量体 アミド系ビニル単量体としては、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、クロトンアミド、イタ
コンアミド、メチルイタコンアミド、マレイン酸モノア
ミド、メチレンジアクリルアミド、イジメチルアクリル
アミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルメタクリル
アミド、ジエチルメタクリルアミド等のジアルキル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられ、このうちアクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N,N′−ジメチルアクリルアミドが好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート単量体は、ヒドロキ
シ含有アクリレートまたはメタクリレートであり、例え
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3,4,5,
6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリレート、2,3,4,5,6
−ペンタヒドロキシヘキシルメタクリレート、2,3,4,5
−テトラヒドロキシペンチルアクリレート、2,3,4,5−
テトラヒドロキシペンチルメタクリレート等が挙げら
れ、このうち2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく使用され
る。
成分3−(f)としては、上記アミド系ビニル単量体
とヒドロキシ(メタ)アクリレート単量体から選ばれた
少なくとも1種の化合物が使用されるが、もちろんアミ
ド系ビニル化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレートを
それぞれ単独または組合せて使用してもよく、またそれ
ぞれ2種以上を組合せて使用してもよい。特に、成分3
−(f)としては、アミド系ビニル化合物を単独または
その2種以上からなる混合物として使用するのが好まし
い。
成分3−(f)の使用量は、全単量体に対し0.1〜10
重量%、好ましくは1〜8重量%である。この使用割合
が0.1重量%未満では、適切な粘度が得られず、塗工操
業性が劣り、ブリスターパック適性,糊付性等の後加工
性能の改良効果ならびに印刷光沢が十分ではなく、一
方、10重量%を越えると、組成物の粘度が高くなりすぎ
て操業性が低下するので好ましくない。
(4)第6の発明 4−(g)成分は、共役ジエン、炭素数が2〜10のア
ルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび炭
素数が6〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
アルキルエルステルから選ばれる少なくとも1種の単量
体から構成される。
共役ジエン系単量体としては、前記成分1−(a)で
例示したものと同様な化合物を挙げることができる。
炭素数が2〜10のアルキル基を有するアクリル酸アル
キルエステルとしては、アクリル酸エチル,アクリル酸
ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げら
れ、炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタクリル酸
アルキルエステルとしては、メタクリル酸ヘキシル,メ
タクリル酸オクチル,メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル,メタクリル酸ラウリルなどが挙げられる。
これらの共役ジエン系単量体,アクリル酸アルキルエ
ステル,メタクリル酸アルキルエステル単量体は、1種
単独で、または2種以上を併用することができる。
これらの成分4−(g)は、得られる共重合体に適度
な柔軟性と接着強度とを与えるために必須の成分であ
り、その使用量は全単量体に対し、2〜70重量%であ
り、好ましくは20〜65重量%である。その割合が2重量
%未満では共重合の柔軟性ならびに接着強度に劣り、一
方70重量%を越えると接着強度が劣り、特にカーペット
バッキング剤組成物用に用いたとき、得られるカーペッ
トが柔軟すぎ、また剥離強度,抜糸強度等の接着強度も
低く、さらに耐ブリスター性も悪くなる。
4−(b)エチレ系不飽和単量体 成分4−(b)としては、上記4−(g)のアルキル
エステル化合物および下記4−(c)の単量体を除くも
のであり、例えば、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニ
ル化合物、酢酸ビニル、アクリルアミド、炭素数1〜5
のアルキル基を有するメタクリル酸エステル、好ましく
はメタクリル酸メチルなどが挙げられる。
これらのうち芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニ
ル化合物としては、前記成分1−(b)で示したものと
同様の化合物を挙げることができる。これら成分4−
(b)は、1種単独でもまたは2種以上を併用すること
もできる。特に、メタクリル酸メチルを使用して共重合
させる場合には、重合安定性を著しく向上させることが
できるので好適である。
これら成分4−(b)の使用量は、全単量体に対し、
22〜98重量%、好ましくは25〜80重量%である。この使
用量が2重量%未満では、共重合体ラテックスが柔らか
くなりすぎ、一方、98重量%を越えると、逆に硬くなり
すぎて、取扱い施工上に支障があるだけでなく、接着強
度が劣り、さらに耐ブリスター性も悪くなる。
4−(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 このエチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、前
述した1−(c)と同様の化合物を挙げることができ
る。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1
種単独で、または2種以上を併用することもできるが、
アクリル酸とメタクリル酸の適当量の組合せが好まし
い。この成分4−(c)の使用量は、全単量体に対し、
0〜8重量%、好ましくは0.5〜4.5重量%である。この
使用量が8重量%を越えると、得られたラテックスの粘
度が高くなり、実用性に欠けるものとなる。
(連合連鎖移動剤) 本発明の特徴は、上記単量体の乳化重合に際して重合
連鎖移動剤として特定の不飽和ヘテロ環化合物を用いる
点にある。
本発明の特定の不飽和ヘテロ環化合物(以下、「重合
連鎖移動剤(A)」という)は、通常、炭素数4〜20で
あり、例えば2,5−ジヒドロフラン、α−ピラン、γ−
ピラン、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン、2H−クロメン、4
H−クロメン、キサンテン、フタラン、3Hインドールな
どを挙げることができる。
これらの重合連鎖移動剤(A)のうちでも、特に飽和
炭素原子の1個が、2つの炭素−炭素二重結合の不飽和
炭素原子に直結しているものが好ましく、例えば4H−ク
ロメン,キサンテンなどを挙げることができる。
なお、上記重合連鎖移動剤(A)は、メチル基、エチ
ル基、ブチル基などの炭素数1〜10、好ましくは1〜4
のアルキル基で置換されていてもよい。
上記の重合連鎖移動剤(A)は、1種または2種以上
で使用される。
本発明では、上記重合連鎖移動剤(A)以外の化合物
を重合連鎖移動剤として併用することができる。
上記重合連鎖移動剤(A)と併用することのできる他
の重合連鎖移動剤(以下、「重合連鎖移動剤(B)」と
いう)としては、一般の乳化重合に使用されている公知
の重合連鎖移動剤を使用することができる。具体的に
は、例えばオクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシル
メルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テ
トラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチ
ルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジ
スルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド
などのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチラ
ウムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチラウムジスルフィドなどのチウラム
ジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水
素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルア
ルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペン
テン、α−メチルスチレンダイマー(2−4−ジフェニ
ル−4−メチル−1−ペンテンが50重量%以上のものが
好ましい)、1,4−ジヒドロナフタレン、1,4,5,8−テト
ラヒドロナフタレン、9,10−ジヒドロアントラセン、1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1,4−シクロヘキサジ
エン、1,2−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、などを挙
げることができる。これらは単独でも、あるいは2種以
上組合せて使用することもできる。これらのうち、メル
カプタン類,キサンドゲンジスルフィド類,チウラムジ
スルフィド,四塩化炭素などが好適に使用される。
本発明における重合連鎖移動剤の使用量は、単量体10
0重量当り、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部、より好ましくは0.2〜7重量部である。この重合
連鎖移動剤の使用量が0.05重量部未満では耐ブリスター
性が劣り、一方20重量部を越えると乳化重合中に多量の
凝固物が発生し、共重合体ラテックスの製造が実質的に
困難となる。
重合連鎖移動剤中の重合連鎖移動剤(A)の割合は、
通常2〜100重量%、好ましくは3〜100重量%、さらに
好ましくは5〜95重量%である。
この重合連鎖移動剤(A)の割合が2重量%未満で
は、接着強度と耐ブリスター性に優れ、かつ微細凝固物
の発生が少なく機械的安定に優れた共重合体ラテックス
を得ることができない。また、重合連鎖移動剤(A)と
他の重合連鎖移動剤(B)との併用により、重合時にお
ける反応性を高めることができる。
本発明において、共重合体ラテックスの重合時に使用
する重合連鎖移動剤として、上記のものを使用すること
により、得られた共重合体ラテックスは微細凝固物の発
生が極めて少なく、機械的安定性に優れ、かつ、接着機
能を利用した用途に用いたとき、優れた接着強度、耐ブ
リスター性を付与し、さらに用途特有の各種性能を一段
と改良する効果を有するものである。
(重合方法,重合時の添加剤) 本発明における共重合体ラテックスは、上記の単量体
および重合連鎖移動剤を使用する点を除けば、従来公知
の乳化重合方法によって製造することができる。すなわ
ち、水性媒体(通常、水)に単量体混合物ならびに重合
開始剤,乳化剤,重合連鎖移動剤などを加えて乳化重合
を行うことによって得られる。
本発明における乳化重合に使用する重合開始剤につい
ては特に制限はなく、例えばクメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類およびア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類などの有
機系重合開始剤、ならびに過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などの無機
系重合開始剤を使用することができる。
本発明においては、有機系重合開始剤を単独で使用す
ると得られる共重合体ラテックスの機械的安定性が劣
り、また重合中に多量の凝固物が発生することから、無
機系重合開始剤を単独で、あるいは有機系重合開始剤と
組み合わせて使用するのが好ましい。
なお、上記重合開始剤は重亜硫酸ナトリウムなどの還
元剤と組み合わせた、いわゆるレドックス系重合開始剤
としても使用することができる。
これら重合開始剤のうち、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸塩、またはこれとアゾビスイソ
ブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキサイドとの
組合せ、さらにはこれらと還元剤とを組み合わせたもの
が好ましく使用される。
本発明における重合開始剤の使用量は、全単量体100
重量部当り、通常0.1〜5重量部であり、好ましくは0.5
〜2重量部である。無機系重合開始剤と有機系重合開始
剤とを併用する場合には、有機系重合開始剤の割合は、
好ましくは全重合開始剤の70重量%以下、さらに好まし
くは50重量%以下である。有機系重合開始剤の割合が70
重量%を越えると、有機系重合開始剤を単独で使用した
場合のような問題が生じて好ましくない。
本発明における乳化重合に使用する乳化剤については
特に制限はなく、アニオン難、ノニオン型および両性型
界面活性剤のいずれも使用することができる。これらは
単独でも、あるいは2種以上を混合して使用することも
できる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族カルボ
ン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界面活性
剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、ア
ルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などの
ノニオン型界面活性剤などを使用することができる。ま
た、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカル
ボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸塩、
りん酸エステル塩を、またカチオン部分としてアミン
塩、第4級アンモニウム塩をもつものを挙げることがで
きる。具体的には、アルキルベタインの塩としてラウリ
ルベタイン、ステアリルベタイン、ココアミドプロピル
ベタイン、2−ウンデシルヒドロキシルエチルイミダゾ
リウムベタインの塩が、またアミノ酸タイプのものとし
てはラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンの塩を挙げることができる。
これら乳化剤のうち、特にアルキルベンゼンスルホン
酸塩が好ましく使用される。さらに具体的には、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが特に好ましく使
用される。このアルキルベンゼンスルホン酸塩は、他の
界面活性剤、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、
脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオ
ン型界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアル
キルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニ
ルエーテル型などのノニオン型界面活性剤などと併用し
てもよい。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部当り、通常0.0
5〜2重量部であり、好ましくは0.05〜1重量部であ
る。乳化剤の使用量が2重量部を越えると、耐水性が劣
り、紙塗被組成物の泡立ちが著しくなって塗工時に問題
となる。なお、アルキルベンゼンスルホン酸塩を他のア
ニオン型あるいはノニオン型界面活性剤と併用する場
合、アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用割合は全乳化
剤の50重量%以上とするのが好ましい。
本発明における乳化重合方法およびその条件について
は特に制限はなく、従来公知の方法および条件下におい
て実施することができる。
例えば、重合連鎖移動剤の添加方法については、一括
添加方式、分割添加方式、連続添加方式あるいはこれら
の組合わせのいずれでもよい。
また、単量体混合物の添加方法については、一括添加
方式、分割添加方式、連続添加方式あるいはこれらの組
合せのいずれでもよい。これらの方式のうち、凝固物の
生成の減少、反応熱の除去などの点からは、分割添加方
式または連続添加方式が好ましい。さらに、エチレン系
不飽和カルボン酸単量体の全量または一部を含む単量体
混合物の10〜50重量%を1段目で重合し、2段目では残
りの単量体混合物50〜90重量%を連続的に添加して乳化
重合する2段重合方法によれば、重合工程における凝固
物の生成がより一層減少でき、本発明が目的とする紙塗
被組成物が効果的に得られることから、この2段重合方
法によって本発明の乳化重合を実施するのが好ましい。
なお、この方法において、重合連鎖移動剤は1段目,2段
目のいずれか一方に添加してもよく、あるいは両方に添
加してもよい。重合連鎖移動剤を2段目に使用する場合
には、連続的に添加するのが好ましい。
その他の重合方法として、シードラテックスおよび本
発明の重合連鎖移動剤の存在下において、前述した本発
明の単量体を重合する、いわゆるシード重合方法を採用
してもよい。上記のシードラテックスの単量体組成とし
ては、好ましくは、前記単量体成分1−(c)0.1〜10
重量%、前記単量体成分1−(a)および/または1−
(b)50〜99.9重量%およびエチレン系不飽和架橋性単
量体0〜40重量%、好ましくは0.1〜40重量%である。
シードラテックスの使用量は、該シードラテックスの
存在下で重合する単量体100重量部に対して、好ましく
は0.05〜20重量部(固形分)である。本発明の共重合体
ラテックスをシード重合方法により合成すると、本発明
の目的とする効果をより一層優れたものとすることがで
きる。
前記エチレン系不飽和架橋性単量体としては、好まし
くはジビニルベンゼン,エチレングリコールジメクタリ
レートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、さらに好ましくはジビニルベンゼンである。
さらに、その他の重合方法としては、本発明の共重合
体ラテックスの全単量体の10重量%以上と本発明の重合
連鎖移動剤の5重量%以上とを連続的に添加して重合さ
せるものであって、かつ連続的に添加される単量体と重
合連続移動剤との単位時間当りの重量比が連続的に変化
するように添加し、乳化重合する重合方法を採用するこ
とができる。
(発明の用途,添加剤,その他) (1)第1の発明 第1の発明にかかる共重合体ラテックスは、接着機能
を必要とする各種用途に使用することができ、例えばグ
ラビア印刷用紙,オフセット(輪転)印刷用紙,凸版印
刷用紙,フレキソ印刷用紙等の各種印刷用紙の紙塗被組
成物、板紙,キャスト紙,感熱紙,感圧紙,インクジェ
ット記録紙等の紙塗被組成物、その他の各種紙塗被組成
物をはじめとし、カーペットバッキング剤組成物,各種
の接着剤あるいは接着剤組成物,塗料,有機材料,無機
材料,金属材料の表面コーティング剤,セメント,アス
ファルト等の瀝青物質の改質剤,フォームラバー等に有
効に使用される。
(2)第2の発明 第2の発明は、顔料100重量部と第1の発明の共重合
体ラテックス3〜30重量部(固形分)とを含有する紙塗
被組成物である。この紙塗被組成物は、塗被紙の製造工
程あるいは印刷工程において、生産性向上あるいは高品
質化のための厳しい条件に十分耐え得るものであり、さ
らに接着強度と耐ブリスター性が共に優れた塗被紙が得
られる。
前記顔料としては、カオリンクレー,タルク,硫酸バ
リウム,酸化チタン(ルチルアナターゼ),炭酸カルシ
ウム,水酸化アルミニウム,酸化亜鉛,サチンホワイト
などの無機顔料、またポリスチレンラテックスなどの有
機顔料を使用することができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上を混合して使用することもできる。
前記共重合体ラテックス以外のバインダーとしては、
デンプン,酸化デンプン,大豆蛋白,カゼインなどの天
然バインダー、あるいはポリビニルアルコール,ポリ酢
酸ビニルラテックス,アクリル系ラテックスなどの合成
ラテックスを挙げることができる。
本発明の紙塗被組成物には、さらに一般に使用されて
いる種々の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウ
ム,ヘキサメタリン酸ナトリウム等)、消泡剤(ポリグ
リコール,脂肪酸エステル,リン酸エステル,シリコン
オイル等)、レベリング剤(ロード油,ジシアンジアミ
ド,尿素等)、防腐剤、耐水化剤(ホルマリン,ヘキサ
ミン,メラミン樹脂,尿素樹脂,グリオキサル等)、離
型剤(ステアリン酸カリシウム,パラフィンエマルジョ
ン等)、螢光染料、カラー保持性向上剤(カルボキシメ
チルセルロース,アルギン酸ナトリウム等)などを必要
に応じて配合することができる。
本発明の紙塗被組成物は、従来公知の方法によって、
例えばエアーナイフコーター,ブレードコーター,ロー
ルコーター,アプリケーターなどを用いて塗布すること
ができる。
(3)第3の発明 第3の発明は、顔料100重量部と第1の発明の共重合
体ラテックス3〜30重量部(固形分)を含有するグラビ
ア印刷用紙塗被組成物である。この紙塗被組成物は、塗
被紙の製造工程あるいは印刷工程において、生産性向上
あるいは高品質化のための厳しい条件に十分耐え得るも
のであり、かつ接着強度に優れ、さらにグラビア印刷用
紙塗被組成物に要求される性能の一つであるカレンダー
処理時のカレンダーロール汚れ耐性が一段と改良され、
かつグラビア印刷時におけるミスドットが極めて少ない
グラビア印刷用塗被紙が得られる。
顔料、バインダー、その他の添加剤については、第2
の発明と同様である。
(4)第4の発明 第4の発明における共重合体ラテックスは、第1の発
明にかかる共重合体ラテックスの範囲内で単量体の種類
およびその量を限定したものであり、第4の発明はこの
限定された共重合体ラテックス5〜20重量部(固形
分),水溶性高分子0.01〜10重量部および炭酸カルシウ
ムを少なくとも30重量%、好ましくは50〜90重量%含む
顔料100重量部を含有してなり、かつ固形分濃度が60重
量%以上である紙塗被組成物である。
第4の発明にかかる紙塗被組成物は、高固形分濃度で
使用しても良好な塗工ができる。そして、この紙塗被組
成物は、塗被紙の製造工程あるいは印刷工程において、
生産性向上あるいは高品質化のための厳しい条件に十分
耐え得るものであり、さらに接着強度と耐ブリスター性
が共に優れ、かつ光沢の一段と改良された塗被紙が得ら
れる。
前記水溶性高分子としては、例えば、酸化デンプンな
どの変性デンプン,デンプン,カゼイン,ポリビニルア
ルコール,アルギン酸ナトリウム,カルボキシメチルセ
ルロース,メチルセルロース,ハイドロオキシセルロー
ス等の天然または合成水溶性高分子化合物を挙げること
ができ、特に、変性デンプンが好ましい。これらの水溶
性高分子化合物は1種、または2種以上を組合せても使
用することができる。
前記炭酸カルシウムとしては、好ましくは平均粒子径
5μm以下の炭酸カルシウム,平均粒子径1μm以下の
軟質炭酸カルシウムが使用される。
顔料、バインダー、その他の添加剤については、第2
の発明と同様である。
(5)第5の発明 第5の発明における共重合体ラテックスは、第1の発
明にかかる共重合体ラテックスの範囲内で単量体の種類
およびその量を限定したものであり、第5の発明はこの
限定された共重合体ラテックス3〜30重量部(固形分)
と、顔料100重量部とを含有する紙塗被組成物である。
この紙塗被組成物は高濃度塗工における塗工作業性に優
れ、そして塗工紙の製造工程あるいは印刷工程において
生産性向上あるいは高品質化のための厳しい条件に十分
耐え得るものであり、さらに接着強度,耐ブリスター
性,印刷光沢,着肉性,糊付性およびブリスターパック
適性に優れた塗工紙が得られるので板紙用あるいはゲー
トロール塗工用の紙塗被組成物などに有用である。
顔料、バインダー、その他の添加剤については、第2
の発明と同様である。
(6)第6の発明 第6の発明にかかる共重合体ラテックスは、接着機能
を必要とする各種用途に使用することができ、例えば、
カーペットバッキング剤組成物,各種の接着剤あるいは
接着剤組成物をはじめとし、各種の紙塗被組成物,塗
料,有機材料,無機材料,金属材料の表面コーティング
剤等に有効に使用される。
(7)第7の発明 第7の発明は、第6の発明の共重合体ラテックス100
重量部(固形分)と無機充填剤30〜800重量部、好まし
くは100〜700重量部とを含有するカーペットバッキング
剤組成物である。
このカーペットバッキング剤組成物は、カーペット製
造工程において生産性を高めるための厳しい条件に十分
耐え得るものであり、さらにブリスターの発生が極めて
少なく、さらに風合に優れ、かつカーペットにおける剥
離強度,抜糸強度等の接着強度特性が一段と優れたカー
ペットバッキング剤組成物が得られる。
次に、本発明に使用される無機充填剤としては、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、クレイ、硫酸バリウム、ケイ酸、ケイ酸塩、酸化チ
タン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
これらの無機充填剤は、1種単独でも、また2種以上
を併用することもできる。
以上のように、本発明のカーペットバッキング剤は、
共重合体ラテックスと無機充填剤とを主成分とするが、
必要に応じてさらに分散剤,消泡剤,架橋剤,発泡剤,
着色剤,難燃剤,防腐剤,老化防止剤,安定剤,加硫促
進剤,帯電防止剤,pH調整剤などを加えることができ
る。
(8)第8の発明 第8の発明は、第6の発明の共重合体ラテックス10〜
90重量%(固形分)、好ましくは35〜65重量%(固形
分)と熱可塑性重合体10〜90重量%、好ましくは35〜65
重量%とを含有する接着剤組成物である。
第8の発明にかかる接着剤組成物は、塗布工程の作業
性を向上させるための厳しい条件に十分耐え得るもので
あり、粘度変化および耐ブリスター性の発生等が極めて
少なく塗布性に優れ、さらに接着強度に優れていること
から、合板,木工をはじめとし、紙,段ボール,セメン
ト,金属等の各種材料の接着剤として有用に用いること
ができる。
前記熱可塑性重合体としては、無水マレイン酸/α−
オレフィン系共重合体,ポリ酢酸ビニル,ポリビニルア
ルコール,アクリル系重合体,熱可塑性ポリウレタン等
を挙げることができるが、特に無水マレイン酸/α−オ
レフィン系共重合体が好ましい。
前記無水マレイン酸/α−オレフィン系共重合体と
は、無水マレイン酸にこれと共重合可能なα−オレフィ
ン系単量体を共重合させたものであり、α−オレフィン
系単量体としては、炭素数3〜10のα−オレフィンが好
ましい。炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、イソ
ブチレン、プロピレン、1−ブデン、1−ペンテン、2
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセン、スチレンおよびこれらの混合物等を例
示することができる。これらのα−オレフィン系単量体
のうち特に好ましいものは、スチレン,イソブチレンで
ある。
本発明の接着剤組成物には、必要に応じてpH調整剤,
充填材,粘度調節剤,硬化剤,酸化防止剤等の添加剤を
添加することができる。これらには、例えば、消石灰,
木粉,小麦粉,カゼイン,塩化アンモニウム,フェノー
ル系酸化防止剤等がある。消石灰(pH調整剤兼充填材)
は、共重合体ラテックス(固形分)と熱可塑性重合体の
合計100重量部に対して通常20〜60重量部、塩化アンモ
ニウム(硬化剤)は、共重合体ラテックス(固形分)と
熱可塑性重合体の合計100重量部に対して、通常0.05〜
0.7重量部使用される。
(9)第9の発明 第9の発明は、第6の発明の共重合体ラテックス10〜
90重量%(固形分)、好ましくは35〜65重量%(固形
分)と、熱硬化性樹脂10〜90重量%、好ましくは35〜65
重量%とを含有する接着剤組成物である。
第9の発明にかかる接着剤組成物は、塗布工程の作業
性を向上させるための厳しい条件下でも品質の低下が極
めて少なく、さらに滲み出し汚染防止性,接着強度,干
割れ抵抗性等の特性が全般に改良され、木質材料などの
接着剤として有用である。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂,尿
素樹脂,尿素メラミン樹脂,フェノール樹脂,エポキシ
樹脂等が挙げられ、特に尿素樹脂,尿素メラミン樹脂が
好ましい。これらは1種で、または2種以上を併用する
ことができる。
また、本発明の接着剤組成物は、前記第8の発明と同
様の添加剤を含むことができる。このとき、塩化アンモ
ニウム,塩素等の公知の硬化剤は、熱硬化性樹脂と共重
合体ラテックスとの合計100重量部に対して、通常0.05
〜5重量部使用される。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。なお、実施例中の「%」および「部」は重量基準で
ある。
(1)第1〜第3の発明 〈実施例1〜8,比較例1〜5〉 (共重合体ラテックスA〜H,a〜eの製造) 100の耐圧反応器に水150部を仕込み、さらに表1に
示す1段目成分(単量体,重合鎖移動剤,重合開始剤,
乳化剤)を仕込んだ後、窒素雰囲気中で温度70℃で2時
間重合した。
次に、2段目成分の単量体および重合連鎖移動剤を8
時間かけて連続的に添加して重合を行った。なお、添加
開始後5時間目に2段目成分の乳化剤を一括添加した。
その後、重合を完結させるため、さらに3時間反応を継
続し、重合転化率98%で重合を終了した。
得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用
いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単
量体を除去し、さらに加熱減圧蒸溜によって固形分濃度
50%に調整し、共重合体ラテックスA〜H,a〜eを得
た。共重合体ラテックスA〜Hは第1の発明に属し、共
重合体ラテックスa〜eは第1の発明に属さないもので
ある。
そして、得られた共重合体ラテックスの微細凝固物の
発生状態およびゲル含量を下記方法で測定した。その結
果を表2に示す。
微細凝固物 共重合体ラテックス1kgを200メッシュの金網でろ過
し、金網上に残った凝固物量を測定し、使用共重合体ラ
テックス量(固形分換算)に対する比率を求め、下記の
3段階で評価した。
○:0.05%以下(少ない) △:0.05〜0.1%(やや多い) ×:0.1%を越える(かなり多い) ゲル含量 共重合体ラテックスをpH8.0に調整した後、イソプロ
パノールで凝固し、洗浄した後、乾燥した。次に、約0.
3gの試料を採取し、100mlのトルエンに20時間浸漬した
後、トルエン不溶分を測定し、試料に対する割合(%)
を求めてゲル含量とした。
(紙塗被組成物の調整) 上記共重合体ラテックスA〜H,a〜eを用いて下記の
処方により紙塗被組成物(塗料)を調製した。
配合処方 クレー 80部 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス 10部 酸化デンプン 5部 ピロリン酸ナトリウム 0.5部 水(全固形分が60%になるように適当量添加) 得られた塗料は、下記試験方法で評価した。その結果
を表2に示した。なお、試験に使用したコート紙は、塗
料を坪量64g/m2の原紙にコーティングブレードを用いて
塗被量20g/m2で塗工して得た。
ドライピック(接着強度の指標) RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好
である。点数は測定回数6回の平均値で示した。
耐ブリスター性 両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱オイル
バスに投げ込み、ブリスターが発生するときの最低温度
を示した。
機械的安定性 塗料をガムアップテスターを用いてゴムロール間で練
り、機械的剪断をかけてゴムロール上に凝固物が発生す
るまでの時間(分)を測定し、下記の3段階で評価し
た。
○:30分以上 △:20分以上30分未満 ×:20分未満 実施例1〜8の紙塗被組成物は第2の発明に属し、こ
れらの紙塗被組成物は各特性においていずれも良好な結
果が得られた。これに対し、比較例1〜5は、第2の発
明に属さない紙塗被組成物であり、いずれかの特性にお
いて不十分な結果が得られた。
<実施例9,10> 表1の重合処方を用いて、実施例1の共重合体ラテッ
クスAと同様の方法で重合を行い、第1の発明に属する
共重合体ラテックスIを製造した。この共重合体ラテッ
クスのゲル含量および微細凝固物の発生状態を既述の方
法によって調べた。その結果を表3に示す。
(紙塗被組成物の調製) このようにして得られた共重合体ラテックスIおよび
前記実施例8と同様の共重合体ラテックスHを用いて、
下記配合処方によりグラビア印刷用紙塗被組成物を調製
した。
配合処方 カオリナイトクレー (J.M.Huber社製、ハイドロスパース) 100部 分散剤(東亜合成(株)製、アロンT−40) 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 カルボキシメチルセルローズ (第1工業製薬(株)製、セロゲンPR) 0.3部 共重合体ラテックス 8部 水(全固形分が60%になるように適当量添加) これらの組成物には、さらに適当量の水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加し、各組成物のpHを9.0になるように調
整した。
(塗工紙の作製) 得られた各組成物を、54kg/m2のコート原紙に電動式
ブレードコーター(熊谷理器(株)製)を用い、塗工量
が片面13±0.5g/m2となるように塗工し、120℃のギアオ
ープン中で15秒間乾燥した。得られた塗工紙を20℃、相
対湿度65%の室内条件で一昼夜放置し、その後、線圧25
0kg/m2、ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処
理を4回行い、下記の各試験を実施した。その結果を表
3に示す。
ミスドット率(グラビア印刷適性の指標) 大蔵省印刷局式グラビア印刷試験機(熊谷理機(株)
製)を用い、図版として網点グラビアを使用し、試験片
を印刷した。発生したミスドットの数が全網点数に占め
る割合で定義し、%で表示した。数値の小さいものほ
ど、良好である。
ドライピック(接着強度の指標) 既述の方法と同様。
カレンダーロール汚れ耐性 スーパーカレンダー掛け前の塗工紙の塗工面にアルミ
ニウムシートを重ね、60℃、250kg/cmでカレンダーに通
したのち、塗工紙とアルミニウムシートを剥離し、アル
ミニウムシートの汚れ具合を光沢低下(%)で表示し
た。数値の小さいほど汚れが少ないことを示す。
実施例9,10は第3の発明に属し、これらのグラビア印
刷用紙塗被組成物は各特性において良好な結果が得られ
た。
(2)第4の発明 〈実施例11,12〉 表4の重合処方を用いて、実施例1の共重合体ラテッ
クスAと同様の方法で重合を行ない、共重合体ラテック
スJ,Kを得た。
(塗工紙の作製) 表5に示した塗被組成物成分の顔料,水溶性高分子化
合物,分散剤,共重合体ラテックスおよびそれぞれの塗
料固形分濃度にするための水をコーレス分散機中に投入
し、混合して紙塗被組成物を得た。
これらの紙塗被組成物を16g/m2の塗工層が形成される
ように、ブレードコーターで塗工し乾燥した後、スーパ
ーカレンダーによって仕上げ、塗工紙物性測定用の塗工
紙を得た。
塗被組成物物性(塗料物性)および塗工紙物性を下記
の試験法で測定した。試験結果を表5に示す。
粘度 BM型粘度計(60rpm,No.4スピンドル)により初期粘度
を測定した。
高剪断粘度 ハーキュレス・ハイシエア・ビスコメーター(8800rp
m,Fボブ)により測定した。
印刷光沢 75゜村上式光沢度計で測定した。
ドライピック 既述の方法と同様。
ウェットピック RI印刷機を使用し、モルトンロールで試験片上に給水
を行い、その直後にタックNo.16で印刷し、ピッキング
の度合いを5点法で目視判定する。数字の高い方が良
好。
耐ブリスター性 両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱オイル
バスに投げ込み、ブリスターが発生するときの最低温度
を示した。
塗工性 熊谷理機工業(株)製ブレードコーターにて600m/分
の速度で塗工し、塗工量の制御の難易,ストリークの発
生程度を目視で判定した。
判定結果は次の4段階で評価した。
◎:非常に良好,○:良好, △:劣る, ×:非常に劣る 実施例11,12は第4の発明の範囲内の紙塗被組成物で
あり、紙塗被組成物の粘度および高剪断粘度が塗工操作
性に適した範囲内にあり、かつ塗工性,塗工紙物性にお
いても本発明の目的とする効果が得られている。
(3)第5の発明 <実施例13,14> 表4の重合処方を用いて、実施例1の共重合体ラテッ
クスAと同様の方法で重合を行ない、共重合体ラテック
スL,Mを得た。
これら共重合体ラテックスL,Mについて、下記の評価
方法で評価を行い、表6にその評価結果を示した。
(紙塗被組成物の調製) 下記の処方による板紙用塗被組成物を調整した。
配合処方 クレー 60部 炭酸カルシウム 40部 共重合体ラテックス(固形分) 16部 カゼイン 5部 水(全固形分が60%になるように適当量添加) (塗工紙の作製) この板紙用塗被組成物を次の条件で塗布して塗工紙を
得た。
方 法:ロッド手塗り 乾 燥:ギヤーオープン,120℃,30秒 カレンダー:グロスカレンダー,120℃,80kg/cm,1pass 原 紙:市販厚板(220g/m2) 得られた塗被板紙は、その特性を次の方法により測定
した。
ドライピック 既述の方法と同様。
ウェットピック 既述の方法と同様。
白紙光沢 村上式光沢度計を使用して測定した(75゜−75゜)。
印刷光沢 既述の方法と同様。
着肉性 RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えたと
きのインク転移の程度を測定して判定する。濃度の高い
ものほど良好である。測定回数6回の平均値で表示し
た。
ブリスターパック適性 白紙および印刷を施した塗被紙に、ブリスターパック
用接着剤#11とLジューサー(いずれも荒川塗料工業社
製)との1:1混合液をコーティングロッドで均一の厚さ
に塗布し、さらに乾燥させ、この面に一定面積のブリス
ターパック用硬質塩化ビニルシート片を重ね、裏面より
ヒートシーラにより150℃で5秒間圧着する。
白紙面6枚,印刷面6枚,計12枚の試験片より塩化ビ
ニルシートをはぎ取り、肉眼で各試験片の塗被面と塩化
ビニルシート片の接着強さを5点法で判定し、12枚の試
験片の評点の平均値でブリスターパック適性を表示し
た。印刷面はRI印刷機でオフセット用藍インクを用いて
ベタ刷りした面である。
糊付性 塗被紙表面にライフボンドAV−650(日栄化工社製)
を幅5mm,長さ80mm,厚さ0.2mmとなるようにスペーサーを
用いて塗布し、この塗布面に同紙の非塗被面が対面する
ように重ね、2kgの荷重を1分間かけて圧着,除圧後、2
0℃,湿度60%の恒温恒湿下に24時間放置する。その
後、塗被紙を剥ぎ取り、接着強さを圧着面付近の破壊状
態により肉眼で5点法で判定し、6点測定をしたものの
平均点で糊付性として表示した。
実施例13,14は第5の発明に属し、いずれの特性にお
いても良好な結果が得られた。
(4)第6および第7の発明 〈実施例15,16〉 (共重合体ラテックスN,Oの製造) 表7に示した重合処方の成分と水150部とを100の耐
圧反応器に仕込み、重合温度40〜60℃で20時間反応さ
せ、第6の発明に属する共重合体ラテックスN,Oを得
た。これらの共重合体ラテックスN,Oについて、下記の
評価方法で評価した。その評価結果を表8に示した。
(カーペットバッキング剤組成物の調製) 共重合体ラテックス 100部 トリポリリン酸ナトリウム 1.0部 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル 0.5部 スチレン化フェノール 1.0部 重質炭酸カルシウム 350部 (最後に添加) これらの配合物を十分に分散させた後、粘度が25,000
〜30,000cps(ブルックフィールド粘度計、BM型No.4−6
rpmの条件で測定)、固形分が73%となるように、増粘
剤と水で調整し、下記各種試験に用い評価した。
剥離強度 JIS L−1021の敷物試験方法により測定した。すなわ
ち、ポリプロピレン製の一次基布にナイロン捲縮糸をタ
フトしてなる生機に、固形分濃度73%のバッキング用組
成物を1kg(Wet)/m2で塗布し、次いで二次基布として
7オンスジュートを圧着して貼り合わせ、120℃で20分
間乾燥後、二次基布と生機の剥離強度を測定した。
抜糸強度 JIS L−1021に準じて上記と同条件によりパイル1
本の引き抜き強度を測定した。
風合 JIS L−1201に準じて上記と同条件によって作成し
たカーペットを、オルゼン式剛軟度試験機を用いて測定
した。数値の小さい方が、カーペットの風合が柔らかい
ことを示す。
実施例15,16は、いずれも第7の発明の範囲内であ
り、軟風合で剥離強度,抜糸強度に優れたカーペットバ
ッキング剤組成物が得られている。
(5)第6および第8の発明 〈実施例17,18〉 (共重合体ラテックスP,Qの製造方法) 100の耐圧反応器に、水80部,ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム2部,過硫酸カリウム1.5部、およ
び表7に示した全単量体の20%と全重合連鎖移動剤の20
%とを仕込み、80℃で3時間反応させた。次いで反応温
度80℃で、残りの単量体と重合連鎖移動剤との混合物を
5時間にわたり連続的に添加して反応させ、その後さら
に80℃で5時間反応させて重合を完結させ、第6の発明
に属する共重合体ラテックスP,Qを得た。
この共重合体ラテックスP,Qを下記の評価方法で評価
し、その評価結果を表9に示した。
(接着剤組成物の調製) イソブチレン−無水マレイン酸共重合体((株)クラ
レ製 クラレイソバン−06)55部,水酸化ナトリウム1.
0部,水65部を混合後、65℃で加熱溶解する。この溶液
に消石灰100部,水45部を順治添加して撹拌した後、こ
の溶液に共重合体ラテックスP,Qをそれぞれ固形分で45
部添加し、さらに塩化アンモニウム0.3部を混合して、
2種の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物について
下記の評価方法で評価した。
塗布性(テント法) 粘度経時変化の測定方法に準じて、接着剤組成物をス
プレッターに500gチャージして一定速度で回転し、粘度
経時変化と作業性を測定する。評価の判断基準は以下の
とおりである。
○:スプレッターでの塗工が均一に行われ、塗布性が良
好 ×:スプレッターでの塗工が均一に行われず、塗布性が
不良 接着強度試験 得られた接着剤組成物を下記に示す方法により被着体
に塗布し、接着力測定用試験片を作成した。
被接着体に含水率11〜13%に調製した厚さ1.6m/mのラ
ワン単板を用い、接着剤組成物をハンドロールを用いて
このラワン単板上に20g/m2の割で塗布し、その上に同一
ラワン単板を貼り合せる。さらにその上に同様に接着剤
組成物を同じ量だけ塗布し同じラワン単板を貼り合せ、
計3枚合せの合板を作成した。
得られた合板を10kg/cm2(合板に対して)×5分で常
温プレス後、さらに120℃にて10kg/cm2(合板に対し
て)×3分で熱圧を行った。
20時間常温にて養生した後、普通合板の日本農林規格
に規定する寸法に試験片を切断し、供試試験片とした。
試験は普通合板の日本農林規格に規定する。
a)常態接着力試験 b)1類浸漬剥離試験(煮沸水) c)2類浸漬剥離試験(70℃の温水) 試験機は東洋試験機社製の合板用引張試験機を用い、
いずれの試験も剥離速度50mm/分で行った。
また、上記試験a)〜c)の際に木破常態を調べた。
木破とは、接着力測定時、剥離面に被着体の木破が付着
して剥離される状態をいい、値は接着面積に対する木破
の面積の比率を(%)で示したもので、値が大きい程、
接着力が優れていることを示す。
実施例17,18は第8の発明の範囲に属する接着剤組成
物であり、いずれの特性においても良好な結果が得られ
ている。
(6)第9の発明 〈実施例19,20〉 先に示した第6の発明に属する共重合体ラテックスP,
Qを用いて、下記の評価方法で評価を行い、その評価結
果を表10に示した。
共重合体ラテックスPまたはQ55部(固形分),尿素
樹脂と尿素メラミン樹脂とを90:10の割合(%)で含む
樹脂混合物45部,小麦粉30部,および水20部を混合し、
さらに塩化アンモニウム0.5部を添加し、これらを混合
することにより2種の接着剤組成物を得た。これらの接
着剤組成物について下記に示す方法で物性試験を行い、
その試験結果を表10に示した。
(試験用サンプルの調製) 得られた接着剤組成物を厚さ4mmの3プライラワン合
板に下記の試験項目に応じた塗布量で塗布し、その塗布
面に厚さ0.3mmの突板単板を5分以内に重ね、さらに10
分間堆積した後、圧締圧5kg/cm,圧締温度110℃,圧締時
間60秒の条件で熱圧した。これをさらに20時間常温にて
養成し、得られた突板化粧合板を日本農林規格に規定す
る寸法で切断し、試験片を得た。
塗 布 量 10g/900cm2および15g/900cm2 (試験項目:滲み出し汚染防止性,2類浸漬剥離試験) 12g/900cm2 (試験項目:寒熱悔返し試験) これらの試験片につき、下記に示す物性試験を行なっ
た。
滲み出し汚染防止性試験 試験片の突板単板表面における接着剤組成物の滲み出
し状態を目視で評価した。評価基準は以下のとおりであ
る。
○:滲み出しが認められない △:わずかに認められる ×:滲み出しがある 干割れ抵抗性試験(寒熱繰返し試験) 本試験は、普通合板に関する日本農林規格に準じて行
った。すなわち、15cm平方のサイズに切断した試験片の
まわりを金属枠で固定した後、80±3℃の恒温器中に2
時間放置し、さらに−20±30℃の恒温器中に2時間放置
する。評価は表面の干割れ状態を目視で行う。評価基準
は以下のとおりである。
○:干割れが認められない △:わずかに認められる ×:かなり認められる 接着強度試験 前記(5)の評価方法と同様。
実施例19,20は、第9の発明の範囲内であり、各特性
において良好な結果が得られている。
[発明の効果] 本発明の、特定の重合連鎖移動剤の存在下に重合して
得られる共重合体ラテックスは、微細凝固物の発生が極
めて少なく機械的安定性に優れ、かつ良好な接着機能を
有することから、その機能を利用した各種用途に使用し
たとき、接着強度,耐ブリスター性に優れ、さらに各種
用途特有の性能を一段と改良させることができ、紙塗被
組成物、カーペットバッキング剤組成物、各種の接着
剤、塗料、セメント改良剤、アスファルト改良剤、フォ
ームラバー、シール剤、無機材料,有機材料,金属等の
材料のコーティング剤等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 昌三 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/60 D21H 19/00 - 19/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)共役ジエン系単量体10〜70 重量% (b)(c)以外のエチレン系不飽和単量体 20〜89.5重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10 重量% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
    する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
    化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
    し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
    炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
    つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
    合して得られることを特徴とする共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】顔料100重量部と請求項(1)の共重合体
    ラテックス3〜30重量部(固形分)とを含有することを
    特徴とする紙塗被組成物。
  3. 【請求項3】顔料100重量部と請求項(1)の共重合体
    ラテックス3〜30重量部(固形分)とを含有することを
    特徴とするグラビア印刷用紙塗被組成物。
  4. 【請求項4】(g)共役ジエン、炭素数が2〜10のアル
    キル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび炭素
    数が6〜14のアルキル基を有するメタアクリル酸アルキ
    ルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体 2〜70重量% (b)(c)以外のエチレン系不飽和単量体 22〜98重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜8重量% を含む単量体を、ヘテロ環内に炭素−炭素二重結合を有
    する不飽和ヘテロ環化合物であって、該不飽和ヘテロ環
    化合物が、炭素−炭素二重結合の不飽和炭素原子に隣接
    し、かつヘテロ環を構成してなる少なくとも1つの飽和
    炭素原子を有し、さらに該飽和炭素原子が少なくとも1
    つの水素原子を有する化合物の存在下において、乳化重
    合して得られることを特徴とする共重合体ラテックス。
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