JP2777894B2 - コレラワクチン - Google Patents

コレラワクチン

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の背景] この出願は本出願と同一の出願人による米国特許出願
第043,907号の「コレラワクチン」と題するメカライス
に係る部分継続出願であり、原出願の全明細書及び図面
を参考のためここに引用する。
本発明はビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)に
対する免疫学的保護に関するものである。
V.コレラエは、小腸内でコロニー形状しかつ蛋白毒素
を分泌することにより人間に下痢症状をもたらしうる種
類の細菌である。コレラトキシンの作用は充分に特性化
されている。毒素は2種のサブ単位、すなわちA及びB
サブユニットを含む。Bサブユニットは既知の毒性作用
を持たないが、ワクチンの成分として使用した際に或る
程度の免疫学的保護を与える[ブラック等(1986)、
「コレラ及び関連下痢症に関する研究の進歩」、第3
巻、第271頁、クワハラ等編]。
Bサブユニットのワクチンに加え、コレラ用のワクチ
ンはさらに変性された全コレラトキシン、一般にpH7.5
〜8.0の固体培地で増殖したV.コレラエの死滅全菌体、
及び死滅菌体と失活毒素分子との混合物を包含する。他
のワクチンはAサブユニットのコレラトキシンを産生し
ない生存の弱毒化V.コレラエ菌株、並びに異種非ビブリ
オ・コレラエキュリアの弱毒化菌株、すなわち非−V.コ
レラレ菌株、たとえばコレラ保護性01抗原をコードする
クローン化遺伝子を持ったサルモネラ・チフィ(Salmon
ella typhi)Ty21Aの弱毒化菌株を包含する[ジャーナ
ル・インフェクチャス・ディジーズ、第131巻、第553〜
558頁(1975)]。
エハラ等[トリピカル・メジスン、第28巻、第21頁
(1986):及びワクシン、(1988)]は、約16KDの構造
サブユニット蛋白を有するV.コレラエの繊毛(fimbria
e)の精製を記載している。この蛋白はクーマシー青に
より染色されず、かつその血球凝集反応(HA)タイター
はマンノース感受性である。AL−カイシ等[ジャーナル
・アプライド・バクテリオロジー、第58巻、第221頁(1
985)]も、マンノース感受性HAタイマーを有する繊毛
を記載している。
カノオ[日本細菌学雑誌、第36巻、第465頁(198
1)]、メルコニバ等[モレキュラ・バイロジカル・ゼ
ネティックス、ロシア、第2巻、第18頁(1982)]、及
びカノオ[ジャパニーズ・ジャーナル・バクテリオロジ
ー、第36巻、巻465頁(1981)]は、プラスミド遺伝子
によりコードされるV.コレラエの有性繊毛を記載してい
る。ホルムグレン等[インフェクション・アンド・イミ
ューニティー、第33巻、第136頁(1981)]は各種のイ
ー・コリ繊毛を記載している。
[発明の要点] 本発明は繊毛(pilus)、特にV.コレラエを腸に付着
させかつ腸内でコロニー形成するのに役立つトキシン・
コレギュレーテッド・ピルス(「TcpA繊毛」)と呼ばれ
るV.コレラエ表面蛋白構造を提供する。この繊毛の生産
は或る種の実験室培養条件下で顕著に向上し、したがっ
て本発明はさらにTcpA繊毛を製造するためのV.コレラエ
の培養方法をも提供する。さらに本発明は、TcpA繊毛の
生産と共に同時調節(コレギュレート)されかつワクチ
ン成分としても有用であるBサブユニットのコレラトキ
シンの製造方法をも特徴とする。さらに、本発明はTcaP
繊毛サブユニットに関する構造遺伝子をクローン化し、
かつTcpA蛋白の推定アミノ酸配列を決定した。これら物
質及び情報を用いて、TcpA繊毛を認識すると共にV.コレ
ラエのヒト腸への付着及びコロニー形成を阻止するよう
な保護抗体の産生を刺激しうる数種の異なる種類のコレ
ラワクチンを生産することができる。
第1の面において、本発明は(1)V.コレラエのTcpA
繊毛の少なくとも1つの免疫原決定子(若しくは前記繊
毛と交差反応するポリペプチド)、好ましくはTcpA繊毛
の全体からなる精製ポリペプチド;(2)V.コレラエの
TcpA繊毛における少なくとも5個の隣接アミノ酸をコー
ドするオリゴヌクレオチド及びこのオリゴヌクレオチド
によりコードされるポリペプチド;及び(3)15塩基対
からなりV.コレラエのTcpA繊毛をコードする一対の遺伝
子の核酸配列を実質的に有するゴリゴヌクレオチドを特
徴とする。
精製という用語は、用語TcpA繊毛又は繊毛の1部を形
成するポリペプチドを天然に存在する1種若しくはそれ
以上の成分、たとえばOmpU外膜蛋白から分離すること
を意味する。好ましくは、ポリペプチドはこれら天然の
成分を実質的に含まず、製造に際し全蛋白の50%以上を
示し、かつ正常なOmpU蛋白レベルの50%未満を有する。
ポリペプチドという用語は、抗原的に活性であり、し
たがって天然TcpAを認識する抗体の形成を誘発するTcpA
の1部をコードするアミノ酸の配列を意味する。
第2の面において、本発明はワクチンの製造方法を特
徴とし、TcpAを通常よりも高レベレで産生する条件下に
増殖培地中で、好ましくは約6.5若しくはそれ以下のpH
を有する培地中で、V.コレラエ菌体の培養物を増殖さ
せ、或いは突然変異したhtx遺伝子を有する菌体を用い
ることを特徴とする。好ましくはワクチンは全菌体ワク
チンであり、かつこの方法は菌体を死滅させることをさ
らに特徴とする。或いは、ワクチンはTcpA繊毛からな
り、方法はV.コレラエ菌体を収穫しかつ菌体からTcpA繊
毛を精製することをさらに特徴とする。或いは、ワクチ
ンはコレラトキシンのBサブユニットからなり、方法は
V.コレラエ菌体を収穫しかつコレラトキシンのBサブユ
ニットを菌体から精製することをさらに特徴とする。
他の面において、本発明はTcpA繊毛又はその免疫原決
定子、好ましくは上記のように精製されたものからなる
ワクチン;TcpA繊毛の免疫原断片をコードする核酸を含
む異種(非−V.コレラエ)細菌菌株;V.コレラエのTcpA
繊毛の免疫原決定子と蛋白のBサブユニットの免疫原決
定子とからなるハイブリッドポリペプチド;並びにこれ
をコードする核酸を特徴とする。さらに本発明は、少な
くとも1%の全蛋白をTcpAとして有する細菌菌体を特徴
とする。好ましくは菌体は毒性レベルのコレラトキシン
を欠如し、特に好ましくは菌体は突然変異htx遺伝子を
有するビブリオ・コレラエである。
[好適実施例の説明] 構造 TcpA繊毛 図面はV.コレラエにおけるTcpA繊毛をコードする遺伝
子のDNA配列、及び対応のアミノ酸配列を示している。
TcpA繊毛は、V.コレラエ菌体のフィラメント状表面成
分(繊毛)の例である。V.コレラエ0395の全菌体から分
離すること、これは20.5KDのSDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動における見掛け分子量を有する。TcpA繊毛は
V.コレラエの表面における巨大分子フィラメント構造に
結合し、差別遠心分離により部分精製することができ
る。繊毛はV.コレラエ菌体の増殖に関する或る種の環境
条件の下でのみ著量に生産される。たとえば、その生産
は低pH、好ましくはpH6.5若しくはそれ以下で最良であ
り、7.5以上のpHでは実質的に検出できない。さらに、
その生産は50〜100mMのNaClに等しい低イオン強度にて
最良である。TcpA繊毛の生産を調節する他の因子は、増
殖培地(たとえばLB、下記参照)におけるアミノ酸の存
在、通気(たとえば培地6当り毎分0.5〜2)、培
地の種類(好ましくは液体)、並びに培養温度(好まし
くは25〜30℃)を包含する。さらに、TcpA繊毛はV.コレ
ラエ菌体の特定の増殖段階(たとえば定常期)において
のみ生産される。これらの増殖条件は一般に菌体増殖に
は最適でなく、寧ろこれらはTcpA繊毛の生産につき最適
である。
TcpA繊毛は精製されるとフィラメントの束を形成し、
蛋白はクーマシー青により染色され、かつその血球凝集
反応活性はアンノースにより影響されない。
作成に際しTcpAの比率を測定するには、作成の1部を
ゲルで行ない、TcpAに対する抗体と反応させてTcpAに対
応する蛋白バンドを位置決定し、このバンドをゲルから
切除し、かつTcpAの量を測定する。全蛋白を標準法によ
り決定し、かつこれを用いてTcpA%を計算する。
V.コレラレにおけるTcpA繊毛をコードする遺伝子を下
記するようにクローン化させ、そのDNA配列を第1図に
示す。TcpA遺伝子の染色体に位置する。このクローン化
DNA、V.コレラエの他の菌株からの関連DNA、又は図示し
たと実質的に同じアミノ酸配列をコードする合成DNAを
用いて、他の細菌菌株で常法によりTcpA繊毛を生産する
ことができる。したがってTcpA繊毛という用語は、分子
の抗原性に実質的に影響を及ぼさないアミノ酸改変を有
する蛋白を包含する。同様に、TcpAをコードする遺伝子
はこの種のアミノ酸改変若しくはTcpAの抗原部分をコー
ドする遺伝子を包含する。たとえば、DNAを任意の標準
ベクターに導入してTcpA繊毛を発現しうる細菌菌株に形
質転換することができ、この例を以下に示す。
実施例1:TcpA遺伝子のクローン化 TnphoAは、その広範な宿主範囲とランダムな挿入特
性とを保持するが、さらに標的遺伝子とphoA、すなわ
ち大腸菌のアルカリホスファターゼ遺伝子との間に融合
を形成しうるトランスポソンTn5の誘導体である[マノ
イル等、プローシーディング・ナショナル・アカデミー
・サイエンス・USA、第82巻、第8129頁(1986)]。こ
の種の遺伝子融合は、アルカリホスファターゼ(phoA)
のカルボキシ末端部分が枠内で標的遺伝子生産物のアミ
ノ末端部分と融合して構成されたハイブリッド蛋白をコ
ードする。これらのハイブリッド蛋白は、標的遺伝子が
分泌若しくは膜離間蛋白をコードしない限り殆んど又は
全くphoA活性を示さない。これらの活性融合は、Tnpho
Aの挿入物を持った細菌菌体が塗抹された寒天培地に染
色体アルカリホスファターゼ基質5−ブロム−4−クロ
ム−3−インドリルホスフェート(XP)を混入すること
により、青色コロニーとして容易に同定される。毒性因
子と見なされる実質的に全ての細菌蛋白はペリプラス
ム、菌体外若しくは細胞表面に結合するので、この方法
は細菌の病原特性、たとえばコロニー形成若しくは毒素
生産などに影響を及ぼしうる挿入突然変位を強力に増大
させる。
V.コレラエの染色体中へのThpohAのランダム挿入
は、TnphoAのコピー(TnphoAとの自然交換により作
成)を有する広宿主範囲P−群プラスミドpRK290[メカ
ラノス、ネイチャー、第276巻、第633頁(1978)]の誘
導体であるpRT291を用いて達成された。要約すれば、不
適合プラスミドpPH1JI(Id)を重感染させかつカナマイ
シン及びゲンタマイシンに対する耐性につき選択するこ
とにより、pRT291を有するV.コレラエ菌株にてThpho
の染色体挿入物を得た。TnPhoAの挿入物を有するV.コ
レラエのコロニーを、0.2%のグルコースと20mg/mlのXP
とを含有するLB寒天にて30℃でphoA+表現型につきスク
リーニングした。
TnphoAの挿入物を有する数千個のV.コレラエのコロ
ニーの保存物を、PhoA+融合蛋白をコードする突然変異
につきスクリーニングした。TnphoAの挿入物を持った
これらコロニーの約1%がこの培地で青色となり、これ
らが前記培地で発現する分泌若しくは膜蛋白をコードす
る遺伝子に融合したTnphoAのコピーを有することを示
した。
これら青色コロニーの40個を精製し、かつポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(PAGE)によりその全蛋白分布に
つき分析した。野生型及び突然変異株菌株のV.コレラエ
を、LBブロス(pH6.5)にて30℃で18時間にわたり通気
しながら増殖させた。遠心分離により菌体を回収し、還
元剤により試料緩衝液中に溶菌させ、かつNaDodSO4の存
在下に12.5%のポリアクリルアミドスラブゲルを用いる
電気泳動によって分析し、これについてはメカライス等
により従来記載されている[インフェクション・アンド
・イミューニティー、第16巻、第787頁(1977)]。
7種の突然変異種は、1個若しくはそれ以上のバンド
の喪失を示すその蛋白分布において検出しうる差を有す
る。菌株RT110.21により代表される突然変異種の1種
は、分子量20.5KDの単一の蛋白を喪失している。
20.5KDの蛋白の欠損する突然変異種を、3〜9日令の
CD−1ネズミに対する突然変異種と親菌株との同時接種
を含む競合分析によりコロニー形成の欠陥につき試験
し、これについてはフレーター等により実質的に記載さ
れている[インフェクション・アンド・イミューニティ
ー、第34巻、第234頁(1981)]。20.5KDの蛋白を喪失
した突然変異菌株RT110.21は、インビボにて親菌株と競
合するがインビトロでは競合しないその能力の顕著な低
下を示した。20.5KD蛋白を欠損した他の独立して分離さ
れた突然変異種を用いて行なった他の競合実験は、この
種の突然変異種が子ネズミ及び親ウサギの両者において
コロニー形成に重大な欠点を有することを確認した。
20.5KDの蛋白は細菌の菌体表面に位置する巨大分子構
造に結合することを菌体分画は示した。菌株0395−N1か
ら誘導された非鞭毛突然変異種(mot−39)[メカラノ
ス、ネイチャー、第306巻、第551頁(1983)]を用い
て、数回の差別沈降により剪断菌体からこれら構造体を
部分精製した。この菌株をLBブロス(pH6.5)で増殖さ
せた。2のフラスコ1本当り容積400mlのブロスを用
い、かつ培養物を毎分1500回転にて30℃で16時間培養し
た。菌体を遠心分離により集め、かつ12.5mMのトリス−
HCl(pH7.0)と25mMのNaClと4mMのMgCl2と4mMのCaCl2
を含有する緩衝液に再懸濁した。21番手の針に通過させ
ることにより細菌菌体を剪断した後、繊毛は数回の差別
遠心分離により精製して菌体と可溶性蛋白とを除去し
た。典型的には、剪断された菌体を3000×gにて20分間
遠心分離した。上澄液を集め、かつペレットを捨てた。
次いで、上澄液を15,000×gにて40分間遠心分離した。
この工程からの上澄液を捨て、かつペレットを集めてTC
P緩衝液に再懸濁させた。差別遠心分離のこれら2工程
を再び2回反復した。最終ペレットは、このような作成
にて精製TcpAを示した(すなわちTcpA蛋白は全菌体蛋白
の50%以上を示す。)繊毛の分離は、20.5キロダルトン
繊毛サブユニットの精製をPAGEにより追跡して監視し
た。精製された繊毛は、2%モリブデン酸アンモニウム
で調節物を染色した後に電子顕微鏡下で観察した。電子
顕微鏡におけるこれら調製物の検査は、長い横方向に結
合した繊毛(fibria若しくはpili)(直径7nm)を示し
た。個々の繊毛フィラメントは菌株0395の菌株の表面に
見られたが、20.5KDの蛋白を喪失したThphoA誘発突然
変異手の菌体には見られなかった。
20.5KDの蛋白やPAGE後に電気溶出によってさらに精製
し、かつN−末端アミノ酸配列分析にかけた。配列デー
タは図面に示したものと一致する。この配列は高度に疎
水性であり、かつ分泌信号配列の1部若しくは全部を示
すことができる。この結論と一致して、菌株PT110.21か
らのThphoA融合のサブクローン化及びDNA配列決定は、
この疎水性のアミノ酸範囲をコードする配列から下流に
位置した配列92コドンをコードする繊毛にphoA遺伝子が
融合することを示した。20.5KDの蛋白を喪失した他の2
種の突然変異種もこの同じ開放読枠にphoAを融合したT
nphoA挿入物を有し、この配列がV.コレラエ繊毛に関す
る構造遺伝子を実際に示さないことを確認する。
次の2つの工程でtcpA遺伝子に関する遺伝子をクロ
ーン化させた。先ず最初に、RT110.21が有するtcpA−T
nphoA遺伝子融合体を、イー・コリにおけるカナマイシ
ン耐性表現性につき選択することにより、プラスミドに
クローン化させた。次いで、このTnphoA融合体に隣接
したDNA配列から誘導される遺伝子プローブを用いて、
菌株0395(Id)の野生型tcpA遺伝子を有するコスミド
クローンを同定した。pCS12G7と呼ばれるこのプラスミ
ドは、以下の実験により示されるように活性tcpA遺伝
子を有する: a. pCS12G7をtcpA突然変異菌株 RT110.21に導入すると、これはその繊毛欠陥を補っ
て、このプラスミドを有うる菌株は再びTcpA繊毛を生産
する。
b. 全tcpA遺伝子のDNA配列決定はpCS12−G7における
その位置を確認した。この配列を図面に示す。
c. V.コレラエ菌株0359−N1若しくは569B−N1に導入す
ると、pCS12G7は高繊毛形成表現型を誘発し、これらの
菌株は発現培地で通常されるよりも2〜3倍多いTcpA繊
毛を生産する。569B−N1はV.コレラエのイナバ血清型菌
株である。これはctxA遺伝子における欠失を有する
が、ctxB+である。この菌株は、0395−NTのctxAB Kmr
突然変異種を569B(菌株569Bは一般に非運動性である)
の自然の高度運動性誘導体まで変換することにより作成
した。この変換体(菌株569B−NT)を、次いでpJM290.2
Id)での組換により569B−N1まで変換した。
d. イー・コリ若しくはサルモネラ・チフィムリウム LB5000に導入すると、pCS12G7はウエスタンブロット
分析により寸法及び免疫学的性質においてTcpA蛋白と同
一である蛋白サブユニットを生産する。
B.コレラトキシンのサブユニット Bサブユニットはコレラトキシン中にAサブユニット
と共に5:1の比で存在する。これは既知の毒性活性を持
たず、コレラに対するワクチンの成分として有用であ
る。Aサブユニットを失活させる突然変異を持ったV.コ
レラエの菌株が知られている。A及びBサブユニットの
両者のレベルは、TcpA繊毛の生産に適する培地にて上記
したようにV.コレラエ菌株を増殖させることにより顕著
に増加させることができる。不活性Aサブユニットを有
する突然変異種、たとえばctxA欠失菌株(Id)を用い
ることにより、菌体を増殖させてBサブユニットとTcpA
繊毛との両者を同時に多量に生産することができる。
BサブユニットとTcpA繊毛との生産増加の原因は、こ
れら蛋白をコードする遺伝子が同じ遺伝子(toxR)に
より制御され、その制御若しくは活性が増殖条件により
影響されるためであると思われる。
さらに、tcpA特異性ハイブリッド化プローブ(TcpA
蛋白のアミノ酸をコードすることが知られたヌクレオチ
ドのみを含有するDNA断片)を用いて、コレラに罹患し
た患者から分離された全てのV.コレラ菌株にはtcpA遺
伝子が存在することを示した。これに対し、数種のV.コ
レラエの環境菌株(すなわち患者からでなく水資源から
分離された菌株)はtcpA遺伝子を含有しない。これら
の観察は、tcpAがヒト下痢症状に含まれる全ゆるV.コ
レラエ菌株につきコロニー形成因子をコードするという
見解を支持する。さらに、tcpA遺伝子を含まないV.コ
レラエの環境菌株は、ヒト志願者のコロニー形成が貧弱
でありかつこれら志願者には免疫性があったにしても僅
かしか誘発しないことが知られている[レビン等、「小
児における急性腸感染」、第26章(1981)、エルセビー
ル出版]。これに対する説明は、これらの菌株がTcpA繊
毛を形成できず、したがってヒトをコロニー化できず或
いはTcpA繊毛と反応する保護抗体を誘発しえないことで
ある。
コレラワクチン TcpA繊毛と多量のBサブユニットとの両者とを生産す
る能力は、各種のコレラワクチンの作成を可能にする。
a.死滅全菌体ワクチン このワクチンを得るには、V.コレラエ菌体をTcpA繊毛
及び(又は)コレラトキシのBサブユニットの高度発現
を可能にする条件下で増殖させる。菌株0395−N1、569B
−N1及びその誘導体につきこの種の条件を確立したが
(下記実施例2参照)、これら条件はV.コレラエの理論
上全ての菌株につき同様に確立しうることも示したが、
ただしTcpA及びコレラトキシンBサブユニットの生産を
用いて増殖パラメータを最適化する。同様に、ここに示
したとは異なる増殖条件下でTcpAとBサブユニットとを
生産するV.コレラエの突然変異菌株を分離することもで
きる(下記実施例2における菌株569 htx−5)。本発
明の本質的特徴は、或る種の増殖条件下におけるV.コレ
ラエの培養がその表面上にTcpA繊毛を高レベル(すなわ
ち全菌体蛋白の1%以上)で発現する菌体を生産するこ
とができ、したがって適するコレラワクチンを形成する
ことである。適する菌株を適する条件下で増殖させた
後、菌体を次いで常法により、たとえばグルタルアルデ
ヒド若しくはホルマリンでの処理により死滅させる。こ
れらの処理は、たとえばTcpA繊毛及びBサブユニットの
抗原特性を保持するものでなければならない。
このワクチンには、常法により或いはその生産を向上
させる条件下で菌体を増殖させ、かつ次いで常法により
蛋白を精製することにより生産された精製Bサブユニッ
トを補充することができる。
実施例 2: この実施例は、死滅全菌体ワクチンに使用するための
或いは精製TcpA繊毛を製造するためのコレラBサブユニ
ット及び繊毛形成V.コレラエ菌体の製造を示している。
V.コレラエの少なくとも3種の異なる菌株を、繊毛形
成した菌体及びコレラトキシンのBサブユニットの製造
に使用することができる。菌株0395−N1及びその高繊毛
形成誘導体0395−N1(pcS12G7)は血清型にてオガワ型
である一方、菌株569B−N1及びその高繊毛形成された高
毒性誘導体569B−N1 htx−5は血清型にてイナバ型で
ある。菌株569B−N1 htx−5は、常法により分離され
htx突然変異を有する菌株569B−N1の誘導体である
[メカラノス、ブロシーディング・ナショナル・アカデ
ミー・サイエンス・USA、第75巻、第941頁]。コレラト
キシンを高度生産させる他に、htx突然変異は下記に要
約する増殖条件、及びTcpA生産には通常許容しえない他
の増殖条件(たとえば7.5のような高pH)の両者にてTcp
A繊毛の高度生産を可能にする。好ましくは、コレラ死
滅全菌体ワクチンはオガワ型及びイナバ型の両血清型の
菌体を含有すべきであり、したがって1種のオワガ型及
び1種のイナバ型菌株の別々の培養物を一般に作成す
る。高度繊毛形成した誘導体は、その原誘導体よりも2
〜3倍多いTcpA繊毛を生産する。何故なら、これらは菌
株0395のtcpA遺伝子を含有する高コピー数プラスミドp
CS12G7を有し(すなわち0395−N1pCS12G7)或いはhtx
然変異を有する(すなわち569B−N1 htx−5)からで
ある。A11菌株は下記するように培養されるが、ただし
アンピシリンを菌株0395−N1(pCS12G7)については1ml
当り50μgの最終濃度まで培地に添加する。
選択されたV.コレラエ菌株の出発培養物を2mlのLB−
6.5培地(10gのトリプトン、50gの酵母抽出物、5gの塩
化ナトリウム、オートクレーブ処理前にpHを6.5に調
整)を含有する試験管で作成し、かつローラ培養器にて
30rpmの速度で30℃にて18時間培養した。出発培養物の
出発菌体密度は低く(新鮮寒天板培養物から接種して1m
l当り約107個)、かつ増殖後に細菌菌体の自己凝集物が
肉眼で容易に見える物質の塊として出現した。塊となっ
た細菌菌体を直立静止管から沈降させ、次いで底部から
ピペットにより集めた。塊となつた菌体を用いて、適当
に設計された醗酵槽に含まれる6のLB−6.5培地に接
種し、空気を培地中にポンプ吹込すると共に微細な気泡
として分散させた。この培養物を緩徐に通気(0.5〜1
/min)しながら23℃にて24時間培養し、その間に培養
物は定常期に達し、かつほぼ完全に自己凝集した。その
表面にTcpA繊毛を有する塊となった細菌菌体を遠心分離
により集め、かつ600mlの0.85%塩化ナトリウム、10mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に再懸濁させた。
次いで、これらの繊毛形成したV.コレラエ菌体を精製
TcpA繊毛若しくは死滅全菌体の製造に使用する一方、菌
体を含まない培養上澄液を用いてコレラトキシンのBサ
ブユニットを常法により精製した[メカライス等、イン
フェクション・アンド・イミューニティー、第16巻、第
789頁(1977)及び第20巻、第552頁(1978)]。
全菌体ワクチンに使用すべくこれら繊毛形成菌体を死
滅させかつ保持するために用いる方法は、TcpA繊毛の免
疫性を破壊してはならないことが予想される。この点に
関し、1%グルタルアルデヒド若しくは1%ホルマリン
による繊毛形成菌体の24〜48時間にわたる処理はこの微
生物を効果的に死滅させると共に、TcpA繊毛の免疫性を
維持する。この死滅全菌体ワクチンを経口若しくは非経
口投与するための組成物は、好ましくはオワガ血清型の
少なくとも1010個の死滅した繊毛形成V.コレラ菌体(03
95−N1若しくは0395−N1(pCS12G7))とイナバ血清型
の少なくとも1010個の死滅した繊毛形成V、コレラエ菌
体(569B−N1若しくは569B−N1 htx−5)とを含むべ
きである。
この種のワクチンの保護効果は、繊毛形成V.コレラエ
菌体を作成すべく使用した同じ培養物から製造されるコ
レラトキシンの精製Bサブユニットを200〜500μg含ま
させることによりさらに改善することができる。4種全
ての生産菌株がAサブユニットの毒素を欠如すること、
並びに上記培養条件がTcpA繊毛及びBサブユニットの両
者を発現するのに最適であることに注目される。これら
は好適種類の生産菌株及び条件である。
代案として、繊毛形成菌株を剪断しかつ差別沈降若し
くはその他の方法によりTcpA繊毛を精製し、次いでこれ
を単独で或いは精製コレラBサブユニットと組合せてワ
クチンとして使用することができる。
b.TcpA繊毛ワクチン このワクチンはTcpA繊毛の少なくとも1個の免疫原断
片(たとえば少なくとも1個のTcpA繊毛決定子、好まし
くは少なくとも2個若しくは3個のこの種の決定子を有
する断片)で構成される。繊毛は合成的に或いは適する
条件下で増殖されかつ次いで常法により精製された全菌
体から作成することができ、或いは組換DNA技術を用い
て作成することができる。たとえば、TcpA繊毛アミノ酸
配列の断片に対応する合成ポリペプチドを常法により作
成することができ、或いはこの種の断片をコードする核
酸配列を発現システムで発現させると共に得られたポリ
ペプチドを精製することもできる。常法を用いてこの種
の断片を同定することができ、たとえばtcpA遺伝子の
部分欠失体を作成し、上記のように発現させ、かつこの
部分TcpA生産物の効果を試験することができる。原TcpA
繊毛と同様な免疫性を有する断片がこの種のワクチンに
有用である。同様に、TcpA繊毛に対し交差反応するポリ
ペプチドも本発明に適している(交差反応とは、TcpA繊
毛に対し生産された抗体により免疫沈澱しうるポリペプ
チドを意味する)、一般に、ジャーナル・モレキュラ・
イミュノロジー、第19巻、第1541〜1549頁(1982)及び
ジャーナル・モレキュラ・イミュノロジー、第21巻、第
785〜793頁(1984)を参照することができる。
このワクチンにV.コレラエの死滅全菌体又はBサブユ
ニットを補充したり或いはこれを用いて現存ワクチンを
補うこともできる。
さらに、合成ペプチドはワクチンに使用するための純
免疫原を製造する安価な手段を提供する。TcpA繊毛の推
定アミノ酸配列(そのDNA配列から得られる)は、TcpA
繊毛と反応してその機能(細胞結合性)を阻止する抗体
を生成させる反応してその機能(細胞結合性)を阻止す
る抗体を生成させる免疫原として作用するような合成ペ
プチドを設計するのに必要な必須情報を与える。この種
の免疫原ペプチドは系統的な手段により同定することが
でき、この場合は非重なり若しくは部分重なりペプチド
を合成し、次いで抗体をそれぞれにつき生成させる。tc
pA繊毛と反応して宿主細胞に対するその結合を阻止する
或いは有毒V.コレラエから動物を実際に保護する抗体を
誘発するようなペプチドを、次いで同定する。これらペ
プチドはTcpA繊毛の保護エピトープを有し、したがって
好ましくはこれらを適当な免疫キャリア蛋白に化学架橋
させた後にコレラワクチンとして使用することができ
る。このキャリヤ蛋白は、「T−細胞ヘルプ機能」を与
えることによりペプチドの免疫性を向上させる。多くの
異なる蛋白がペプチドキャリヤとして使用されている
が、最良のものはコレラBサブユニット又はイー・コリ
の感熱性エンテロトキシンのBサブユニットである[イ
ンフェクション・アンド・イミューニティー、第44巻、
第268〜273頁(1984)]。
実施例 3:TcpA−関連キメラ蛋白ワクチン 化学架橋したTcpA−関連ペプチドキャリア蛋白結合体
を免疫原として使用しうると同様に、遺伝的に誘導した
融合蛋白もコレラワクチンにて免疫原として作用するこ
とができる。これら遺伝子融合体は、TcpA繊毛用の構造
遺伝子から或いはTcpA蛋白に関するペプチド配列及びキ
ャリヤ蛋白の遺伝子をコードする合成DNAオリゴヌクレ
オチドから作成される。本出願人はtcpA遺伝子とイー
・コリのアルカリホスファターゼの遺伝子(phoA)と
の間の遺伝子融合体を作成し、かつ上記のようにV.コレ
ラエ及びイー・コリの両者で融合蛋白の産生を示した。
これらの融合蛋白はTcpa繊毛に対し生成された抗体と反
応し、したがって恐らく融合蛋白を免疫原として使用す
ればTcpA繊毛に対し抗体を刺戟すると思われる。この遺
伝子操作を用いて、tcpA−関連DNA配列とLT−Bサブユ
ニットコレラトキシンBサブユニットに類似したキャリ
ア蛋白(すなわちジフテリヤトキシン及びテタヌストキ
シンのようなキャリヤ蛋白)の遺伝子との間における他
の融合蛋白を作成することもできる[FEBSレタース、第
208巻、第194〜198頁(1986)]。
c.異種生ワクチン 比較的非病原性となるよう改変されたサルモネラ、イ
ー・コリ若しくはワクチニアウィルスの生存菌体を組織
DNA技術により形質転換させ或いは改変して、TcpA繊毛
蛋白、好ましくはさらにコレラトキシンのBサブユニッ
トをコードする。これら菌体若しくは粒子を用いて、こ
れらがTcpA繊毛及び好ましくはBサブユニットに対して
抗体生産を刺戟することができれば、コレラに対し接種
することができる。蛋白の免疫学上活性な断片のみをこ
れら微生物によりコードすれば良く、このワクチンを上
記ワクチンと組合せて或いは従来のワクチンと組合せて
使用することができる。
実施例 4: この実施例は、TpcA繊毛サブユニットを発現する異種
キャリヤ生ワクチンの作成を説明する。S.チフィ Ty21
A[ジャーナル・インフェクチャス・ディジーズ、第131
巻、第553頁(1975);インフェクション・アンド・イ
ミューニティー、第46巻、第564〜569頁(1984)]、他
のサルモネラ・スペシース[ネイチャー、第291巻、第2
38〜239頁(1981)]、イー・コリ−シゲラ・ハイブリ
ッド[インフェクション・アンド・イミューニティー、
第46巻、第465〜469頁(1984)]及びワクチニア・ウィ
ルス[ネイチャー、第311巻、第67頁(1984);ブロシ
ーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス・US
A、第80巻、第7155頁(1983)]を包含する数種の生物
は潜在的な生キャリヤワクチンであって、同質の病気
(腸チフス熱、赤痢、疱瘡など)に対し免疫化するだけ
でなく、生存キャリヤ菌株により運ばれかつ適する保護
免疫原に関する遺伝子により発現される他の病気に対し
ても免疫化する。プラスミドpCS12G7若しくは関連プラ
スミド、たとえばpCS12G10を有するイー・コリ及びS・
チフィムリウムの両菌株は、TcpA繊毛と免疫学上同一で
ある蛋白を生産する。したがって、このプラスミド又は
このプラスミドの誘導体は、生存キャリヤワクチン菌株
がTcpA−関連免疫原を発現するための必要な遺伝情報を
提供する。
このワクチンの製造方法は、生存キャリヤワクチン菌
株として用いる微生物に依存する。細菌キャリヤについ
ては、TcpA繊毛を発現するプラスミドが形質転換若しく
は結合により常法に用いて導入される。この種のプラス
ミドをキャリヤ菌株の染色体に組込んで、より安定なTc
pA繊毛遺伝子の遺伝形質を与えることができる。ウィル
スキャリヤについては、tcpA遺伝子配列を、組換ウィ
ルスで感染される宿主(動物若しくはヒト)細胞にて発
現するよう遺伝子処理する。
TcpA繊毛を発現する異種キャリヤ生ワクチンの効果
は、これがさらにコレラトキシンのBサブユニットを発
現すれば改善される。したがって、キャリヤ微生物の同
じ菌株にctxB遺伝子及びtcpA遺伝子を導入することが
好適である。
作成した後、生存異種ワクチン菌株を常法によりワク
チン中に配合し、かつ微生物を増殖させるがワクチン接
種された宿主に明瞭な病気を生ぜしないよう充分多量の
投与量にて経口若しくは非経口投与する(たとえば投与
1回当り約106〜1010個の菌体若しくはウィルス粒
子)。
使用 上記ワクチンの使用は、ヒト若しくはその他の動物に
接種してコレラ及び関連感染を防止することを含む。ワ
クチンは常法を用いて好ましくは経口ルートによるが注
射によっても投与することができる。投与量は約109〜1
010生存細菌若しくは1010死滅細菌、或いは動物体重1kg
当り10〜1000mgのTcpA繊毛若しくはBサブユニットの範
囲で変化する。
寄託 1987年4月29日付けでアメリカン・タイプ・カルチャ
ー・コレクション(ATCC)に次の菌株を寄託して、次の
受託番号を受けた: 寄託菌 受託番号 V.コレラエ0395−N1 67396 (pCS12G7) V.コレラエ569B−N1 53613 htx−5 S.チフィムリウムLB5000 67397 (pCS12G10) 本出願人は、ATCCが上記寄託菌を永久保存しかつ本出
願が特許された際には第三者に分譲しうることを承認す
る。第三者に対する寄託物の分譲に関する全ての制限
は、特許の付与と同時に不可逆的に取除かれる。この物
質は、特許期間にわたり米国特許法の下で権限を有する
者により決定された人に分譲できる。寄託された物質
は、寄託微生物の試料を提供するよう最も新しく要求さ
れてから少なくとも5年間、かついずれの場合にも寄託
日から少なくとも30年間若しくは特許の有効期間のいず
れか長い期間にわたり、これを生存状態かつ非汚染状態
に保つのに必要な全ゆる注意を払って維持される。出願
人は、寄託物の状態に応じて、要求された際に試料を寄
託期間が供給し得なければ、この寄託物を交換する義務
を負うことを了承する。
他の実施態様については以下の請求の範囲に記載す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (C12N 1/21 C12R 1:63) (C12N 1/21 C12R 1:42) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:42) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:63) (C12P 21/02 C12R 1:42) (C12P 21/02 C12R 1:63)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V.コレラエ菌体の培養物を約6.5若しくは
    それ以下のpHを有する増殖培地にて増殖させることを特
    徴とするワクチンの製造方法。
  2. 【請求項2】培養物が、ATCCに受託番号53613若しくは6
    7396として寄託された菌株の少なくとも1種からなる請
    求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】アミノ酸:アスパラギン、アルギニン、セ
    リン、グルタミン酸若しくはグルタミンの1種若しくは
    それ以上を含有する増殖培地にてV.コレラエ菌体の培養
    物を定常期まで増殖させ、前記培地は50〜100mM NaClに
    等しいイオン強度を有すると共に、前記培地を酸素に露
    出しながら22〜30℃の温度に維持することをさらに特徴
    とする請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】菌体を死滅させ、かつ死滅した菌体を医薬
    上許容しうるビヒクルに供給することをさらに特徴とす
    る請求の範囲第1項記載のワクチンの製造方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第4項記載の方法により製造さ
    れたV.コレラエの全菌体ワクチン。
  6. 【請求項6】ワクチンがTcpA繊毛からなり、V.コレラエ
    菌体を回収すると共に前記菌体から前記TcpA繊毛を精製
    することをさらに特徴とする請求の範囲第1項記載のワ
    クチンの製造方法。
  7. 【請求項7】ワクチンがコレラトキシンのBサブユニッ
    トからなり、かつV.コレラエ菌体を回収すると共に前記
    菌体から前記Bサブユニットを精製することをさらに特
    徴とする請求の範囲第1項記載のワクチンの製造方法。
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