JP2777182B2 - 人工肛門用カップリング - Google Patents

人工肛門用カップリング

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は人工肛門用カップリングに関する。かかるカ
ップリングは、結腸フィステル形状、回腸フィステル形
成または尿路人工肛門形成などの外科手術の結果、人工
肛門用袋の着用を余儀なくされる患者に該袋を取付ける
のに使用される。
従来技術と発明の解決しようとする課題 最近、このような人工肛門袋の取付けには、小孔を取
巻く皮膚領域へ医療グレードの接着剤パッドを貼着する
ことが一般的であり、このパッドに１つのカップリング
要素を取付け、次いで対応する他のカップリング要素を
人工肛門用袋に取付ける。この種の有用なカップリング
の一例は、英国特許第1571657および1568860号に開示さ
れている。カップリングは、取付けに際し安全であり、
かつ比較的小さな軸方向の力で連結および脱離しうるこ
とが望まれる。２つのカップリング要素を連結すると
き、小孔領域に圧力を加えなければならず、この加圧に
よって、小孔周辺領域が痛みや刺激に感じ易いため苦痛
となることが少なくない。そこで、着用者（男女を問わ
ず）が２つのカップリング要素をその一部の後方に指を
添えて相互に取付けるとき、圧力のいくらかを吸収せし
めうるカップリングの配列体を提供する試みが、たとえ
ばU.K.特許第2115288号およびヨーロッパ特許出願第987
18号でなされている。しかし、いろいろな理由から、こ
れらの提案は完全に満足されるものではなかった。
発明の構成と効果 本発明は、人工肛門用袋に取付ける溝形の第１要素
と、医療グレードの接着剤パッドに取付ける第２要素か
ら成り、これらの第1,第２要素がそれぞれ小孔用口を包
囲するものである人工肛門用カップリングにおいて、上
記第２要素は接着剤パッドに付着する第１部品と、第1,
第２要素を共に連結するため第１部品に対し軸方向にス
ライドしうる第２部品からなり、第２部品は半径方向外
側の外部フランジを有し、第1,第２要素を連結すると
き、外部フランジの下へ指を入れ、小孔周辺領域への加
圧を実質的に防止できるようになっていることを特徴と
する人工肛門用カップリングを提供するものである。
第２部品は、接着剤パッドから離れて軸方向に移動で
きる限界点で、第１部品のストップ部（Stop）と協同作
動して、第１要素を補って完全となるように選択された
造形の第２要素の一部を構成する形状を有することが好
ましい。
また必要に応じて、第２部品が一対のベルトラグを一
体化してあるいは別途取付けて、有していてもよい。
第１部品は、小孔用口を包囲するシュート部材を有し
ていることが好ましい。シュート部材は、接着剤パッド
から離れた、シュート端の内方に位置する周囲軟質シー
ル細片を有することが好ましい。またシュート部材は、
実質的円筒形であることが好ましい。
第２部品は、リング部と該リング部から半径方向の外
方へ延びるフランジ部を有しているのが好ましい。リン
グ部は、第１部品がその移動できる限界点にあるとき、
第１部品のリム部を受容する形状を持つ周囲凹みを有す
ることが好ましい。
本発明カップリングは特に、ループ形人工肛門への使
用に好適である。当業者にとって自明の如く、ループ形
人工肛門用袋において、患者の腹部を加圧せずに、患者
から該袋を着脱しうることが特に重要である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る人工肛門用
カップリングについてより具体的に説明する。なお、各
図面において、同じ参照番号は同じ部品（部材）を表わ
す。
第１図は本発明カップリングの一例の軸平面における
断面図（各部品の分離状態を示す）、 第２図は第１図において、第２要素の２つの部品を組
立てた状態を示す断面図、 第３図は本発明カップリングの連結状態を示す第１図
に類する断面図、 第４図は第１〜３図のカップリングの正面図（但し、
ベルトラグを省略）、および 第５図は第４図と同じスケールのカップリングを連結
した側面図である。
図面説明の簡略のため、第１〜３図の断面図におい
て、本発明のカップリングの片側のみを図示した。本発
明カップリングは閉ループ形状のもので、着用者の小孔
を取囲むようになっていることが理解されよう。このカ
ップリングは、着用者の体の小孔周辺領域に対し、通常
の方法で、医療グレードの接着剤パッド10（第２図参
照）によって取付けられる。
図示の本発明カップリングは実質的に円形であるが、
勿論、卵形あるいは小孔を包囲しうる他の通常の形状の
ものであってよい。説明を簡潔にするため、特に円形の
カップリングについて説明されているが、本発明カップ
リングが円形／環状カップリングに限定されると見るべ
きではない。
本発明カップリングは図示の通り、人工肛門用袋に取
付ける環状溝形の第１要素12を有する。第１要素12は、
小孔用口16を持つ表面14を有し、該表面14に適当な方法
で袋壁が取付けられる。この溝形第１要素12は、英国特
許第1571657および1568860号の記載に従って構成しても
よい。第２図に示す袋壁18は、着用時の袋後壁である。
第２要素20は、第１要素12と協同作動して相互に掛合
しうるように設計され、第１部品22と第２部品24からな
る。
第１部品22はEVA合成プラスチック材料から単一成形
物として作られてよい。第１部品22はフランジ202と実
質的円筒形のシュート部材204を有する。フランジ202は
表面206を有し、該表面206によって、フランジ202を熱
溶着もしくは接着剤または他の適当な方法で、医療グレ
ードの接着剤パッド10に取付けることができる。シュー
ト部材204は着用者の小孔を取巻き、かつフランジ202か
ら離れた一端に、半径方向の外方へ突出するリム208と
内方へ延びる軟質屈撓性シール細片210を有している。
このシール細片210は、英国特許第1568860号の記載に従
って構成されている。
第２要素20の第２部品24は一般にその形状が環状であ
り、ポリエステル合成プラスチック材料から単一成形物
として作られてよい。第２部品24は、外方に延びるフラ
ンジ242と、リム208をぴったり受容しうるように設計さ
れた凹み244を有する。第２部品24は使用中、シュート
部材204にスプリング接触し、軸方向へスライドするこ
とができる。これら第1,第２部品の組立て状態を第２図
に示す。第２部品24は、第１部品22のシュート部材204
に対し軸方向にスライドすることができ、そして凹み24
4に隣接した箇所に半径方向の外方に延びるリム246が設
けられている。リム246の主な目的は、第１要素12の半
径方向外部壁124の内方に延びるリム122と協同作動する
ことである。
医療グレードの接着剤パッドを使用者の小孔周辺領域
に取付ける場合、使用者（男女を問わず）がパウチの取
付けを望むとき、使用者はフランジ242の下に指を入れ
て体から第２部品24を持上げ、そしてシュート部材204
の外部端へ移動せしめる。これによって、第２部品24は
シュート部材204に対し入れ子式で、軸方向の外方へス
ライドすることになる。第２部品24が外部端に到達する
と、フランジ242の下に指を保持せしめ、両手の親指
を、好ましくは直径の反対端付近に置いて袋と第１要素
12を押し付け、一方、フランジ242の下の指をそのまま
にして反力を吸収せしめる。この連結（もしくは接続）
状態を第３図に示す。該第３図から、リム122および246
の相互掛合と、リム208の凹み244への掛合とに基づき、
環状の第１要素12が第２要素上に保留されることが認め
られる。シール細片210は、液体の漏れを最小化するの
に役立つ。
小孔周辺領域は一般に痛みや刺激に極めて敏感である
ことが知られているが、本発明の重要な利点は、入れ子
式にスライドしうる第２部品24が第１部品22に対して移
動でき、一方、第１部品22が着用者に付着していること
であって、この場合、医療グレードの接着剤パッド10が
着用者に接触して粘着する領域にいかなる引張力も加わ
ることはない。かかる引張力の回避、並びに２つの第1,
第２要素を加圧して連結するときに加わる圧縮力の回避
は、本発明の非常に有益な特徴である。さらに、本発明
での連続システムによる取付けの安全性は、これまで広
く商業的成功をおさめている英国特許第1571657号記載
のシステムのそれと十分同等であることは、極めて重要
である。
上述の説明で図示の如く、フランジ242はそれぞれの
箇所が折れ曲がった形状をなしている。このフランジ
は、本発明の他の任意の具体例として、第２部品24の部
分245の半径方向直線延長となるように作ることもでき
る（243で図示）。直線フランジ243は、凹み244とリム2
46を有する第２部品24の残されたリング部から、半径方
向の外方へ延びている。
本発明の技術的範囲から逸脱せずに、各種の改変をな
しうることが理解されよう。たとえば、軟質のシール細
片210の使用は好ましいものであるが、第１要素12と第
１部品22の適切なシールを達成しうる他の方法が採用さ
れてもよい。第２部品24の外方に延びるフランジは、折
り曲がったフランジ242や、これに代えて半径方向へ直
線に延びるフランジ243が図示されているが、他の形状
のフランジが採用されてもよい。なお、図示した構造の
重要な利点は、第２要素（体側カップリング要素）20
が、既に広まって使用されている何百万という標準型の
第１要素（袋側カップリング要素）12のいずれとも使用
しうることである。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明カップリングの一例の分解状態を示す断
面図、第２図は第１図のカップリングにおいて、袋壁に
取付けた第１要素と、第1,2部品を組立てた第２要素を
示す断面図、第３図は第２図において第１要素と第２要
素の連結状態を示す断面図、第４および５図はそれぞ
れ、連結した第１〜３図のカップリングの正面図および
側面図であって、 10:接着剤パッド、18:袋壁、12:第１要素、16:小孔用
口、20:第1,第２部品22,24からなる第２要素、242,243:
フランジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61F 5/445 A61F 5/448

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】人工肛門用袋に取付ける溝形の第１要素
    と、医療グレードの接着剤パッドに取付ける第２要素か
    ら成り、これらの第1,第２要素がそれぞれ小孔用口を包
    囲するものである人工肛門用カップリングにおいて、上
    記第２要素は接着剤パッドに付着する第１部品と、第1,
    第２要素を共に連結するため第１部品に対し軸方向にス
    ライドしうる第２部品からなり、第２部品は半径方向外
    側の外部フランジを有し、第1,第２要素を連結すると
    き、外部フランジの下へ指を入れ、小孔周辺領域への加
    圧を実質的に防止できるようになっていることを特徴と
    する人工肛門用カップリング。
  2. 【請求項２】第２部品が、接着剤パッドから離れて軸方
    向に移動できる限界点で、第１部品のストップ部と協同
    作動して、第１要素を補って完全となるように選択され
    た造形の第２要素の一部を構成する形状を有している請
    求項第１項記載の人工肛門用カップリング。
  3. 【請求項３】第２部品が一対のベルトラグを有している
    請求項第１項または第２項記載の人工肛門用カップリン
    グ。
  4. 【請求項４】第１部品が小孔用口を包囲するシュート部
    材を有している請求項第１項、第２項または第３項記載
    の人工肛門用カップリング。
  5. 【請求項５】シュート部材がシュート端の内方に位置し
    た周囲軟質シール細片を有し、該シール細片は接着剤パ
    ッドから離れており、かつ第1,第２要素を連結すると
    き、第１要素の溝の半径方向内部壁の外面と掛合するよ
    うになっている請求項第４項記載の人工肛門用カップリ
    ング。
  6. 【請求項６】シュート部材の形状が実質的に円筒形であ
    る請求項第４項または第５項記載の人工肛門用カップリ
    ング。
  7. 【請求項７】第２部品が、リング部と該リング部から半
    径方向の外方へ延びるフランジ部を有している請求項第
    ５項記載の人工肛門用カップリング。
  8. 【請求項８】シュート部材のシール細片が、シュート部
    材の端部に半径方向の外方へ突出するリムを有し、第２
    部品がリング部の端部に凹みを有している請求項第７項
    記載の人工肛門用カップリング。
  9. 【請求項９】第２部品のリング部の端部が半径方向の外
    方へ延びるリムを有し、該リムは第１要素の溝の半径方
    向外部壁の内方に延びるリムと相互に掛合する請求項第
    ８項記載の人工肛門用カップリング。
  10. 【請求項１０】第２部品のフランジ部が折り曲がって、
    半径方向外部壁の溝を形成し、該溝の半径方向内部壁が
    リング部である請求項第９項記載の人工肛門用カップリ
    ング。
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