JP2772850B2 - 鉄筋コンクリート造耐震壁 - Google Patents

鉄筋コンクリート造耐震壁

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、2層以上の中低層建物に実施される鉄筋
コンクリート造(以下RC造と略す)耐震壁に関する。
従来の技術 従来、中低層の鉄筋コンクリート造建物に実施される
耐震壁として、変形吸収機構が明快で、剛性及び最大耐
力の推定を簡単に精度良くできるRC造耐震壁の技術開発
が多様に進められ、その一つに特公昭64-11796号公報に
記載されたものが公知である。
この公知のRC造耐震壁は、第5図に作用原理図を示し
たように、鉄筋コンクリート造の柱3,3と梁4,4で囲まれ
た架構面内にRC造の壁板1を設けたRC造耐震壁であっ
て、 (イ) 壁板1の中間部の水平方向に水平横鉄筋として
両端を柱3,3へ強固に定着した太径鉄筋2を設置し、壁
板1において前記太径鉄筋2に沿う上下2箇所の位置の
水平方向に、同壁板の水平方向すべりを誘発するせん断
容易箇所7,7を設置している。
(ロ) 同じ壁板1とその両側の柱3,3との取合い部
は、柱3に沿って垂直方向に、壁板1と柱3,3の引張り
分離を誘発する分離容易箇所6を設置している。
(ハ) 壁板1と上下の梁4,4との取合い部は強固に定
着している。
なお、上記せん断容易箇所7及び引張り分離容易箇所
6は、具体的にはテフロン(商標)板の如き分離板の敷
設又は壁板の打継ぎ又は断面欠損又はスリット等で形成
されている。
第5図のRC造耐震壁に許容限度以上の水平力Qが作用
すると、壁板中央のせん断容易箇所7のところで水平な
すべり破壊を生じ、壁板は上下2枚の壁板1,1に分断さ
れる。と同時に、壁板1と柱3とは引張り分離容易箇所
6のところが引張力により分離される。
壁板1のすべり破壊面におけるすべりと、壁板1から
分離した柱3の1/2長さ部分(短柱)の曲げせん断変形
とによって壁板1のせん断変形の大部分を吸収可能であ
り、大きな変形吸収能力を発揮する。そして、分離され
た上半分の壁板1は云わば垂れ壁に相当し、下半分の壁
板1は腰壁に相当するので、この耐震壁は垂れ壁付柱と
腰壁付柱とが合成された構成とみなすことができる。
第5図のRC造耐震壁には大きなせん断耐力が要求さ
れ、太径鉄筋2がせん断耐力Fの決定要素となる。即
ち、このRC耐震壁に負荷された水平せん断力な、左側の
柱3のせん断耐力Qc1と、上半分の壁板1のせん断耐力W
1として伝達処理される。壁板のせん断耐力W1は太径鉄
筋2の引張力T、及び右側の柱3のせん断耐・・力Qc2
として伝達し処理される。そして、前記太径鉄筋2の引
張力T及び柱3のせん断耐力Qc2は、下半分の壁板1の
せん断耐力W2によって下階の梁4及び柱3に伝達し処理
される。従って、上下2枚に分離された壁板1,1のせん
断耐力W1,W2がT+Qc1+Qc2より十分に大きく、しかも
柱3が十分なせん断補強によってそのせん断耐力Qc1,Q
c2を大とされているかぎり、当該RC耐震壁の最大せん断
耐力は太径鉄筋2の降伏引張強度Tに支配され、Qc1+Q
c2+Qs+Tの式で推定される。但し、Qsは壁板1,1の分
離面(すべり面)の摩擦力である。
要するに、第5図のRC造耐震壁の最大せん断耐力は、
上式に基づいて、太径鉄筋2の降伏引張強度によって明
快に計算し推定できる。しかもこのRC造耐震壁は、水平
荷重によって徐々に最大耐力に到達し、その後の耐力低
下の要因は一切なく、そのまま安定な耐力による変形の
増大に移行する。また、太径鉄筋2の降伏引張強度Tを
当該耐震壁が目標とする耐力に必要な量だけ配筋するこ
とにより、荷重変形曲線の耐力調整の目的は達成でき
る。
本発明が解決しようとする課題 I) 第5図のRC造耐震壁は、上述したように変形吸収
機構が明快で、剛性及び最大耐力の推定を簡単に精度良
くでき、理想に近い耐震壁と云える。しかし、太径鉄筋
2の左右の柱3,3のおよび階高の1/2の高さ位置に設置す
るので、応力の伝達機構を見ると、柱3が短柱化するこ
とになる。その結果、地震等の水平荷重が負荷された場
合、太径鉄筋2の応力伝達に原因して柱3の強制変形が
急激なものとなり、耐震性能が不安視される。
また、壁板1の中間部位の水平方向に太径鉄筋2やせ
ん断容易箇所7が設けられるため、壁板1のコンクリー
ト打設の際にコンクリートの流動性や充填性にじゃまな
存在となり、施工上の問題点になっている。ちなみに、
通常のRC造耐震壁の壁厚は18cm位であるが、その壁厚内
のφ25の太径鉄筋2が各々必要十分なコンクリート被り
を確保し横並びで平行に2本ずつ合計4本設置される
と、残るコンクリート流動隙間は大きくても5cmぐらい
に制限されてしまい、コンクリートの流動性、充填性が
甚だしく阻害される。
II) ところで、上記I)の技術課題を解決するため
に、本発明者らは第4図に示した構成原理の鉄筋コンク
リート造耐震壁を開発し、別途出願した。
これは、多層階の鉄筋コンクリート造建物の柱3,3と
梁4,4で囲まれた架構面内に鉄筋コンクリート造の壁板
1を設けて成るRC造耐震壁において、 イ) 壁板1は上梁4との取合い部を例えば壁縦筋10を
梁4に通すなどの方法で強固に定着し、下梁4との取合
い部は一定大きさの水平荷重で水平方向すべりを発生す
るようにせん断容易に固定した。そして、両側の柱3,3
との取合い部は一定大きさの水平荷重で柱4に沿って引
張り分離を発生するように分離容易に固定したこと、 ロ) 前記梁4の主筋量は、耐震壁の耐力決定要素とし
たこと、 第4図のRC造耐震壁の場合も、建物に許容限度以上の
水平力Qが作用すると、壁板1と下梁4との間で水平方
向のすべり破壊とすべりSを発生する。と同時に、当該
壁板1と左右の柱3,3との間でも、同柱3の変形に伴な
う引張力で引張り分離Rを発生する。かくして水平力Q
による壁板1のせん断変形は、前記水平方向のすべり破
壊によるすべりSと、左右の柱3,3のせん断変形とによ
って吸収され、十分に大きな変形能力を発揮する。
また、水平力Qは、一側の柱3のせん断耐力Qc1と、
壁板1のせん断耐力W1として伝達し処理される。このう
ち壁板1のせん断耐力W1は下梁4(の主筋11)の引張力
T、及び他側の下階の柱3のせん断耐力Qc2として伝達
し処理される。そして、前記下梁4の引張り力T及び下
階の柱3のせん断耐力Qc2は、下階の壁板1のせん断耐
力W2によってその下梁4及びさらに下階の柱3に伝達し
処理される。
したがって、上下階の壁板1,1のせん断耐力W1,W2
梁4の引張力Tと柱3,3のせん断耐力Qc1,Qc2との合力
T+Qc1+Qc2よりも十分に大きく、しかも左右の柱3,3
の極限耐力が前記せん断耐力Qc1+Qc2より大きいかぎ
り、このRC造耐震壁の最大せん断耐力は、梁4(の主筋
11)の降伏引張強度Tに支配され、Qc1+Qc2+Qs+T…
(1)の式で明快に計算され精度よく推定される。Qsは
壁板1と梁4とのすべり面での摩擦力である。
したがって、梁4の主筋11の総量を耐震壁の耐力決定
要素として設計することが可能であり、同主筋11の降伏
引張強度Tを基に、上記(1)式によりこのRC造耐震壁
の最大せん断耐力を明快に計算でき、耐力調整の目的も
容易に達成できる。要するに、第4図の鉄筋コンクリー
ト造耐震壁は、水平力に対する変形吸収機構が明快で、
剛性及び最大耐力の推定を精度良く簡単に出来る特長を
有する上に、柱3は階高をそのまま働かせるから、所謂
短柱とはならない。よって、柱3の強制変形が緩やか
で、耐震性能が大きく向上する。また、壁板1の躯体内
には壁鉄筋以外の何物も配置されないから、壁板1のコ
ンクリート打設時のコンクリートの流動性、充填性が良
好で施工性に優れる。さらに壁板1と下梁4との取り合
い部及び壁板1と左右の柱3,3との取り合い部は、単純
な面接触の平滑仕上げで施工されるから、やはり施工性
に優れる等々の特長を有する。
しかし、第4図のRC造耐震のうち、最下層の基礎梁9
を下梁とする耐震壁を子細に検討すると、第4図は便宜
上壁板1と基礎梁9との間の水平方向のすべり破壊(す
べり量S′)を表現しているが、実際には基礎梁9は1
階以上の梁に比べて断面が大きく伸びにくいので、左右
の柱3,3の芯間寸法はほとんど変化せず、上述した耐震
壁理論をそのまま適用できないという問点がある。この
点が本発明の解決すべき課題になっている。
課題を解決するための手段 上述の課題を解決するための手段として、第1の発明
に係る鉄筋コンクリート造耐震は、 多層階の鉄筋コンクリート造建物の柱3,3と梁4,4で囲
まれた架構面内に鉄筋コンクリート造の壁板1を設けて
成る鉄筋コンクリート造耐震壁において、 イ) 壁板1は上梁4との取合い部を強固に定着し、下
梁4との取合い部は一定大きさの水平荷重で水平方向す
べりを発生するようにせん断容易に固定した。そして、
両側の柱3,3との取合い部は一定大きさの水平荷重によ
り柱3に沿って引張り分離を発生するように分離容易に
固定したこと、 ロ) 各階層の柱3の下端と梁4とは両者のコンクリー
トが絶縁し、柱3の主筋12の周囲には梁4への定着位置
にある程度の水平移動が可能な隙間13を形成し、柱3が
梁4へ定着される位置に柱3の前記水平移動を許容する
隙間14を梁4に形成した。しかも梁4は上下2段に、か
つスライド可能に分離せしめ、上段梁の主筋量は耐震壁
の耐力決定要素となし、該上段梁の両端は柱3,3と強固
に定着し、下段梁は圧縮力伝達要素として構成したこ
と、 をそれぞれ特徴とする。
また、第2の発明に係る鉄筋コンクリート造耐震壁
は、図面の第1図〜第4図に実施例を示したとおり、 多層階の鉄筋コンクリート造建物の柱3,3と梁4,4で囲
まれた架構面内に鉄筋コンクリート造の壁板1を設けて
成る鉄筋コンクリート造耐震壁において、 イ) 壁板1は上梁4との取合い部を強固に定着し、下
梁4との取合い部は一定大きさの水平荷重で水平方向す
べりSを発生するようにせん断容易に固定し、両側の柱
3,3との取合い部は一定大きさの水平荷重により柱3に
沿って引張り分離Rを発生するように分離容易に固定し
たこと、 ロ) 梁4の主筋11の量は、耐震壁の耐力決定要素とし
たこと、 ハ) 柱4の下端と基礎梁9とは両者のコンクリートを
絶縁し、柱3の主筋12の周囲には基礎梁9への定着位置
である程度の水平移動が可能な隙間13が形成し、柱3が
基礎梁9へ定着される位置には柱3の前記水平移動を許
容する隙間14を形成した。そして、基礎梁9は上下2段
に、かつスライド可能に分離せしめ、上段基礎梁9aの主
筋量は耐震壁の耐力決定要素となし、該上段基礎梁9aの
両端は左右の柱3,3と強固に定着した。また、下段基礎
梁9aは圧縮力伝達要素として構成したこと、 をそれぞれ特徴とする。
作用 建物に許容限度以上の水平力Qが作用した場合に、2
階以上の各階層の耐震壁が呈する挙動及び応力の伝達態
様は、第4図Aに基づいて上記解決するべき課題のII)
で詳しく述べたところと同じであり、ここでは重複する
ので割愛する。
基礎梁9の直上に位置する最下層のRC造耐震壁につい
て見ると、第1図と第2図で明らかなように、2階の壁
板1のせん断耐力W2の反力である上梁4(2階の梁)の
引張力T及び最下層の柱3のせん断耐力Qc3は、最下階
の壁板1のせん断耐力W3によって、基礎梁9の特に上段
基礎梁9aに伝達され引張力Tとして処理される。
上段基礎梁9aの主筋量が当該耐震壁の耐力決定要素で
ある関係上、前記引張力Tが主筋の降伏引張強度を超え
た段階で上段基礎梁9aに伸びが発生し、壁板1と上段基
礎梁9aとの間に水平方向のすべり破壊(すべりS)が発
生し、上層の各階層の耐震壁と全く同じ挙動と応力の伝
達態様を呈する。上段基礎梁9aの前記伸びに対し、下段
基礎梁9bは剛な圧縮伝達要素として、第2図の場合には
左側の柱3の変位を完全に拘束し、右側の柱3が隙間14
の範囲内で移動する。このとき右側の柱3も主筋12は隙
間13の範囲で移動し変形する(第3図)。上段基礎梁9a
の伸びは、不動である下段基礎梁9bとの接触面20でスラ
イドを生ずる。
実施例 次に、第1図〜第4図に示した本発明の実施例を説明
する。
第4図Aに示したRC造耐震壁は、建物の3層に連層さ
れた構成の実施例であり、建物の柱3,3と梁4,4に囲まれ
た各階層の架構面内に、鉄筋コンクリート造の壁板1が
設けられている。壁板1は、現場打ちコンクリート壁板
又はプレキャストコンクリート壁板のいずれでもよい。
また、一つの架構面内に単一の壁板1を設ける実施態様
と、縦に分割された複数枚のモジュール壁板1の集合体
を設ける実施態様とがある。
このRC造壁板1と上梁4との取合い部は、第4図Bの
上半分に例示したように、壁板1の上縁を上梁4のコン
クリート中に一部埋め込む(のみ込ませる)と共に、壁
縦筋10(又は別途に設けた緊結コネクター)を上梁4中
に十分深く差し入れて強固に一体的に定着されている。
同壁板1と下梁4との取り合い部は、第4図Bの下半分
に例示したように、単に壁板1の下縁を下梁4のコンク
リート中に少し埋め込んだだけで緊結コネクターを設け
ない平滑仕上げとし、もって一定の大きさ(許容限度)
以上の水平荷重で壁板1と下梁4との間に水平方向すべ
りを発生するように、所謂せん断破壊の容易な構造で固
定されている。同様に、壁板1と柱3との取合い部は、
第4図Cに例示したように、単に壁板1の側縁を柱3の
コンクリート中に少し埋め込んだだけで緊結コネクター
を設けない平滑仕上げとし、もって一定大きさ(許容限
度)以上の水平荷重により柱3に沿って引張り分離を発
生するように、所謂分離容易な構造で固定されている。
各梁4の主筋11…の総量は、当該耐震壁の最大せん断
耐力を決定する引張り強度(降伏応力度)で設計されて
いる。
前記柱3,3の下端と基礎梁9との取合いの詳細は第1
図〜第3図に示したように、まず両者のコンクリートは
打継ぎ等の方法により符号15の部位で絶縁されている。
また、前記絶縁箇所15の部位には、柱3の主筋12の周
囲に、第3図に示したように、コンクリート打設時に発
泡スチロール樹脂ブロックを埋め込む等の方法で隙間13
が形成(用意)され、柱3は基礎梁9への定着位置であ
る隙間13の限度で水平移動(撓み変形)が可能に構成さ
れている。基礎梁9において柱3が定着された位置に
は、柱3の前記水平移動を許容する大きさの隙間14が凹
部状に形成されている。
基礎梁9は、打継ぎによる方法又は積極的にテフロン
シート等の分離材を布設する方法などによる分離面20に
おいて、上下2段にスライド可能に分離された上段基礎
梁9aと下段基礎梁9bとの2段構造で構築されている。上
段基礎梁9aの両端は左右の柱3,3と一体的に強固に定着
(接合)され、この上段基礎梁9aが最下層に壁板1の下
梁とされている。この上段基礎梁9aの主筋の総量は、当
該耐震壁の最大せん断耐力を決定する要素(降伏引張強
度T)として設計されている。下段基礎梁9bは、上段基
礎梁9aが伝える引張力Tによって柱3の位置を変化させ
ることのない圧縮力伝達要素(剛な構造体)として構成
されている。
このRC造耐震壁は、例えば集合住宅のはり間方向のよ
うなワンスパン架構の耐震壁として好適に実施される。
第2の実施例 図示説明することは省略したが、多層階の鉄筋コンク
リート造建物の柱と梁で囲まれた架構面内に鉄筋コンク
リート造の壁板を設けて成る鉄筋コンクリート造耐震壁
において、基礎梁のみならず、建物各階の梁を上下2段
に分離された構造として第1実施例と全く同様に実施し
同様な作用効果を得ることができる。
即ち、壁板1は上梁4との取合い部を強固に一体的に
定着し、下梁4との取合い部は一定大きさの水平荷重で
水平方向すべりを発生するようにせん断容易に固定され
る。また、両側の柱3との取合い部は一定大きさの水平
荷重により柱3に沿って引張り分離を発生するように分
離容易に固定する。そして、各階層の柱3の下端と梁4
とは両者のコンクリートを絶縁し、柱3の主筋12の周囲
には梁4への定着位置である程度の水平移動が可能な隙
間を形成する。柱3が梁4へ定着される位置に柱3の前
記水平移動を許容する隙間14を梁4に形成する。更に、
梁4は分離面によって上下2段に、かつスライド可能に
分離せしめ、上段梁の主筋量は耐震壁の耐力決定要素と
し、該上段梁の両端は柱と強固に定着する。他方、下段
梁は圧縮力伝達要素として構成し実施される。
本発明は奏する効果 本発明に係る鉄筋コンクリート造耐震壁は、最下階か
ら最上階まで等しく水平力に対する変形吸収機構が明快
で、剛性及び最大耐力の推定を精度良く簡単に出来る特
長を有する。その上、柱3については各階層の階高をそ
のまま働かせるから、所謂短柱とはならず、柱3の強制
変形が緩やかであり、耐震性能が大きく向上する。
また、壁板1の躯体内には、壁鉄筋以外に格別の部材
は配置されないから、壁板1のコンクリート打設時のコ
ンクリートの流動性、充填性が良好で、施工性に優れ
る。
さらに、壁板1と下梁4との取り合い及び壁板1と左
右の柱3,3との取り合い部は、単純な面接触の平滑仕上
げで施工されるから、やはり施工性に優れるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る鉄筋コンクリート造耐震壁の特に
最下階部分について示した立面図、第2図は同耐震壁の
水平入力の負荷による変形状態を示した立面図、第3図
は第1図のIII-III矢視断面図、第4図Aは耐震壁の構
造を簡単に模式化して、かつ変形状態を少し誇張して示
した立面図、第4図Bは第4図AのIV-IV線矢視の少し
拡大した断面図、第4図Cは第4図AのV−V線矢視の
少し拡大した断面図、第5図は従来のRC造耐震壁の変形
状態を少し誇張して示した正面図でる。 3……柱、4……梁 1……壁板、10……壁縦筋(定着用) 9……基礎梁、12……柱の主筋 13……隙間、14……隙間 9a……上段基礎梁、9b……下段基礎梁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層階の鉄筋コンクリート造建物の柱と梁
    で囲まれた架構面内に鉄筋コンクリート造の壁板を設け
    て成る鉄筋コンクリート造耐震壁において、 イ) 壁板は上梁との取合い部を強固に定着され、下梁
    との取合い部は一定大きさの水平荷重で水平方向すべり
    を発生するようにせん断容易に固定され、両側の柱との
    取合い部は一定大きさの水平荷重により柱に沿って引張
    り分離を発生するように分離容易に固定されているこ
    と、 ロ) 各階層の柱の下端と梁とは両者のコンクリートが
    絶縁され、柱の主筋の周囲には梁への定着位置にある程
    度の水平移動が可能な隙間が形成され、柱が梁へ定着さ
    れる位置に柱の前記水平移動を許容する隙間が梁に形成
    され、梁は上下2段に、かつスライド可能に分離され、
    上段梁の主筋量は耐震壁の耐力決定要素とされ、該上段
    梁の両端は柱と強固に定着され、下段梁は圧縮力伝達要
    素として構成されていること、 をそれぞれ特徴とする鉄筋コンクリート造耐震壁。
  2. 【請求項2】多層階の鉄筋コンクリート造建物の柱と梁
    で囲まれた架構面内に鉄筋コンクリート造の壁板を設け
    て成る鉄筋コンクリート造耐震壁において、 イ) 壁板は上梁との取合い部を強固に定着され、下梁
    との取合い部は一定大きさの水平荷重で水平方向すべり
    を発生するようにせん断容易に固定され、両側の柱との
    取合い部は一定大きさの水平荷重により柱に沿って引張
    り分離を発生するように分離容易に固定されているこ
    と、 ロ) 前記梁の主筋量は、耐震壁の耐力決定要素とされ
    ていること、 ハ) 柱の下端と基礎梁とは両者のコンクリートが絶縁
    され、柱の主筋の周囲には基礎梁への定着位置である程
    度の水平移動が可能な隙間が形成され、柱が基礎梁へ定
    着される位置には柱の前記水平移動を許容する隙間が基
    礎梁に形成され、基礎梁は上下2段に、かつスライド可
    能に分離され、上段基礎梁の主筋量は耐震壁の耐力決定
    要素とされ、該上段基礎梁の両端は柱と強固に定着さ
    れ、下段基礎梁は圧縮力伝達要素として構成されている
    こと、 をそれぞれ特徴とする鉄筋コンクリート造耐震壁。
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