JP2770570B2 - 溶接用ロボット - Google Patents

溶接用ロボット

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JP2770570B2
JP2770570B2 JP51968893A JP51968893A JP2770570B2 JP 2770570 B2 JP2770570 B2 JP 2770570B2 JP 51968893 A JP51968893 A JP 51968893A JP 51968893 A JP51968893 A JP 51968893A JP 2770570 B2 JP2770570 B2 JP 2770570B2
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torch
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康士 向井
理 高橋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、被溶接物の溶接点と姿勢を自動認識して自
律的に溶接線を倣いながら動作プログラムの自己教示を
行なうティーチングプレイバック型溶接用ロボットに関
する。
背景技術 現在稼動している溶接用ロボットのほとんどはティー
チングプレイバック型ロボットであり、多品種少量生産
に対応するためには、一台のロボットに対して多くの動
作プログラムを教示する必要がある一方、熟練したロボ
ットの教示作業者が不足の傾向にあることから、効果的
な教示工数の低減策が望まれている。
現在最も一般的に行われている教示作業法は、教示作
業者がロボットの動きを指示する操作箱の操作スイッチ
を使用して、ロボットの動きを観察しつつ所定の動きを
させながら動作プログラムを教示するもので、曲線や方
向転換等を含む被溶接物にあっては、この教示操作には
熟練を必要とするばかりでなく、ロボットの所望の動き
を得るために試行を繰り返すことが必要であるなど時間
がかかるといった問題がある。
このようなことから操作箱によらない種々の教示手段
が提案され、少しずつ実用化され始めている。
その一つはロボットを実際には動かさずに、ロボット
を含む作業場に設定した座標系上での絶対位置を教示す
るいわゆるオフラインティーチングと呼ばれる方法で、
絶対位置をコンピュータ上でシュミレーションにより教
示する方法や、特開昭60−136806号公報または特公昭64
−4875号公報に開示されているように、複数の発光素子
を設けた位置教示作業器をトーチの代わりに被溶接物の
溶接線に沿って動かして、その発する光を作業場に固定
して設置したイメージセンサで検出して教示する方法な
どがある。これらの方法で、ロボットに高度な絶対位置
決め精度が要求されるのみでなく、ロボットアーム、溶
接トーチや溶接ケーブルなどと被溶接物あるいは周辺治
具等との干渉の有無の確認も要する。
また、他の方法としてロボットを実際に動作させなが
ら教示する方法がある。その第1の方法は作業者がロボ
ットアームの先端部に固定された溶接トーチまたはそれ
を模した把持部を把持して溶接線上を倣い誘導する間に
ロボットがその動きを時々刻々検知して記憶するいわゆ
るダイレクトティーチングと呼ばれるもので、その動き
の検知方法としては例えば特開昭56−85106号公報に開
示されているように、作業者が把持部を誘導する方向と
誘導力の大きさを検知する力検出器を設けて、その出力
信号を用いてトーチ先端の位置と姿勢とを演算する方法
がある。このダイレクトティーチングは作業者がロボッ
トの座標系などを意識することなく直感的にロボットを
操作することが可能であるので、教示作業者には扱い易
いティーチング方法であるが、取り付ける力検出器など
がワークや治具と干渉して操作できないことがあるばか
りでなく、ワークの形状によっては作業者に不自然な姿
勢を強いる場合もあるほか、作業者がロボットに接触し
て危害を受ける危険性も高い。
さらに第2の方法は、センサを利用してロボットに溶
接開始点および溶接線を自動認識させ、ロボットが自律
的に溶接線をならいながら教示作業を行なうもので、ロ
ボットが実稼働時と同じ動作を行いながら教示作業が進
められるので、干渉の確認や教示点の修正作業が不要で
あるばかりでなく、作業者がロボットに接近して作業を
行う必要がないので教示作業が安全に行え、位置決めお
よび姿勢合わせはセンサ情報を用いてロボットが自動的
に行うので、作業者の技能に左右されずに教示品質の均
質化が図れるといった利点がある。
溶接開始点および溶接線の自動認識手段としては大き
く2種類に分類することができ、その第1の手段は、レ
ーザ光や超音波等を用いた距離センサまたはイメージセ
ンサを利用したものであり、第2の手段は、溶接ワイヤ
の溶接アーク自体といった溶接作業そのものを利用した
ものである。
一般に、レーザ光や超音波等を用いた距離センサまた
はイメージセンサを利用した溶接開始点または溶接線の
自動認識手段の多くは、溶接トーチの近傍に別途これら
のセンサを取り付ける必要があり、小型高精度のセンサ
が得がたい現状では、ワークや治具等とセンサとの干渉
が障害となる場合が多い上、ワークの表面状態や環境照
度、周囲温度等に大きく影響される場合が多く、適応で
きるワークや治具あるいは作業環境に大きな制約を与え
るといった問題を有していた。
溶接ワイヤを利用するワイヤーアースによるタッチセ
ンサは、特公昭54−15441号公報に示されているように
溶接ワイヤに電圧を印加して一方の電極とし、ワーク面
を他方の電極として、ロボットによって溶接ワイヤを動
かして両電極すなわち溶接ワイヤとワークが接触して電
気的導通が得られた時点でのロボットアームの位置から
ワーク位置を認識し、これを複数の点において繰り返す
ことにより溶接線を検出するものである。この方法は教
示点毎に複数の位置でセンシングを行う必要があるので
検出動作が遅く、ワークが複雑になり教示点数が多くな
ればそれだけ教示に要する時間が長くなり、実用性を著
しく損なうといった問題を有していた。
また、溶接アークを利用するアークセンサは、特公昭
54−55635号公報に示されているように溶接電流信号の
変化を情報源として、溶接線の位置を認識する方式であ
り、溶接継手の開先内において溶接トーチを溶接線と交
差するようにウィービングを行うことにより溶接チップ
〜母材間の距離が変化し、それにともない溶接電流が変
化することを利用して溶接線の位置を認識するものであ
る。この方法では、アーク自体にセンサの働きをさせる
ために、溶接施工を行いながら教示作業を行なわねばな
らないのでやり直しができない他、高速の溶接線追跡が
困難、実用的に薄板の重ね継手には適用しにくい、溶接
条件により追跡性能が大きく影響される、トーチ姿勢の
制御が困難である等の問題を有していた。
本発明は、上記問題を解決するもので、ワークへの接
近性を損なわない大きさと形状を持ち、広範なワーク形
状や作業環境に適用可能で、溶接施工を行うことなく、
溶接線の位置およびワークに対するトーチの姿勢を高速
に自動認識できるセンサと、それを用いた簡便で安全か
つ効果的な教示工数低減法が実現できる溶接用ロボット
を提供することを目的としている。
発明の開示 本発明の溶接用ロボットは、ロボットアームと、ロボ
ットアームの先端部に設定した第1の座標系と、対象ワ
ークに設定した第2の座標系と、対象ワークに対する距
離を測定し距離情報を出力するロボットアームの先端部
に取り付けられた非接触距離センサと、回転中心軸が第
1の座標系に固定して設けられ非接触距離センサを回転
走査させる回転走査手段と、非接触距離センサの回転位
相を検出し回転位相情報を出力する回転位相検出手段
と、距離情報と位相情報とから得られる信号波形の特徴
点を抽出し特徴点毎の距離情報および位相情報を出力す
る信号波形処理手段と、信号波形処理手段からの情報に
より第1の座標系と第2の座標系の位置および姿勢関係
(以下単に位置関係と呼ぶ)を算出する位置関係算出手
段と、第1の座標系と第2の座標系の基準となる位置関
係を予め設定記憶する位置関係設定記憶手段と、位置関
係算出手段によって算出された第1の座標系と第2の座
標系の位置関係と位置関係設定記憶手段によって予め設
定記憶された第1の座標系と第2の座標系の位置関係が
一致するようにロボットアームを動作させるロボット制
御手段とを備えた構成を有したものである。
本発明は上記した構成により、非接触距離センサを回
転走査手段で回転させ、対象ワークとの距離情報と回転
位相情報を用いて信号波形の特徴点を信号波形処理手段
で抽出し、この抽出された特徴点毎の距離情報と回転位
相情報から位置関係算出手段で第1の座標系と第2の座
標系との間の位置関係すなわち溶接線およびワークと溶
接トーチの位置および姿勢を算出し、この算出した位置
関係が予め設定記憶された位置関係と一致するようにロ
ボット制御手段がロボットアームを動作させるので、予
め設定記憶しておいた所望の位置関係すなわち溶接トー
チの狙い位置や姿勢に自動的にロボットアームを動作さ
せることができる。
また、上記非接触距離センサに静電容量型の非接触距
離センサを用いることによりワークの表面状態や環境照
度、周囲温度に影響されることなく高精度の検出が可能
となる小型のセンサを構成することが可能となる。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の全体構成を示す外観図、第2図は本
発明のデータの流れを示したブロック図、第3図は2チ
ャンネルの静電容量型距離センサの構成図、第4図は第
1の座標系の説明図、第5図は第2の座標系の説明図、
第6図はトーチ座標系とワーク座標系が一致した場合の
模式図、第7図はトーチ座標系とワーク座標系が一致し
た場合のセンサ信号波形図、第8図はトーチ座標系とワ
ーク座標系がXt方向にずれた場あの模式図、第9図はト
ーチ座標系とワーク座標系がXt方向にずれた場合のセン
サ信号波形図、第10図はトーチ座標系とワーク座標系が
Zt回りにずれた場合の模式図、第11図はトーチ座標系と
ワーク座標系がZt回りにずれた場合のセンサ信号波形
図、第12図はトーチ座標系とワーク座標系がZt方向にず
れた場合の模式図、第13図はトーチ座標系とワーク座標
系がZt方向にずれた場合のセンサ信号波形図、第14図は
トーチ座標系とワーク座標系がYt回りにずれた場合の模
式図、第15図はトーチ座標系とワーク座標系がYt回りに
ずれた場合のセンサ信号波形図、第16図(A)は2チャ
ンネルの静電容量型距離センサを用い、トーチ座標系と
ワーク座標系がYt回りにずれた場合の模式図、第16図
(B)は第16図(A)の静電容量型距離センサの先端部
付近の拡大図、第17図はトーチ座標系とワーク座標系が
Xt回りにずれた場合のセンサ信号波形図、第18図はトー
チ座標系とワーク座標系がXt回りにずれた場合の位相関
係図、第19図はトーチ座標系とワーク座標系が一走査内
でずれを生じた場合のセンサ信号波形図、第20図は本発
明の教示例に用いた被溶接物の斜視図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従
ってこれを説明する。
第1図において、1は垂直多関節型のロボットアーム
で、そのアームの最先端に溶接トーチ(以下トーチと呼
ぶ)13が取り付けられている。2はワークで隅肉継手を
有している。5はトーチ13の中心軸(後述のXt軸)から
偏芯してトーチ13の先端に回転自在に取り付けられた静
電容量型の非接触距離センサ(以下静電容量型距離セン
サと呼ぶ)で、駆動源としてサーボモータ(図示せず)
を用いた回転走査手段6によってトーチ13の中心軸を回
転中心軸として所定の半径で回転走査する。サーボモー
タの制御用のエンコーダは、後述するトーチ座標系3の
Yt軸方向を基準位置として非接触距離センサ5の回転位
相を検出する回転位相検出手段7として機能する。8は
静電容量型距離センサ5の出力信号と回転位相検出手段
7の出力信号から距離と回転位相の関係を示す信号波形
を得て、その特徴点を抽出する信号波型処理手段で、こ
の特徴点毎の情報を位置関係算出手段9に出力する。位
置関係算出手段9では後述する第1の座標系3と第2の
座標系4の位置関係を算出する。
10はワーク2に対する所望の狙い位置およびトーチ姿
勢を第1の座標系3と第2の座標系4の位置関係として
予め設定記憶させておく位置関係設定記憶手段で、ロボ
ットアーム1はこの設定記憶された位置関係と前記位置
関係算出手段9により算出された位置関係が一致するよ
うに、ロボット制御手段11およびロボットアーム1に取
り付けられている各軸駆動用モータ20によって駆動され
る。ロボット制御手段11は、第2図に示すように移動目
標位置算出手段14、現在位置管理手段15、第3の座標変
換部16、第1の座標変換部17、第2の座標変換部18、サ
ーボ制御部19等から構成されているのは従来のロボット
と同様であり、位置関係算出手段9、位置関係設定記憶
手段10とともにロボット制御装置12内に設けられてい
る。第2図の21はロボットアーム駆動用モータ20に取り
付けられたエンコーダであり、第2図では、モータ20お
よびエンコーダ21は一軸分のみを示し、他の軸は省略し
ている。
本発明における静電容量型距離センサ5は、第3図に
示すように、2つのセンサ電極22および23を同心上に有
し、これら2つのセンサ電極22および23は後述するXt軸
方向に所定距離離れた位置に配されて、個別に動作する
2チャンネルの静電容量型距離センサ5を構成してい
る。また、ワーク2が隅肉継手であるから、電極径に対
する有効電極面積が増加するようセンサ電極の形状を円
錐状に構成している。また、トーチ13と静電容量型距離
センサ5は電気絶縁性の高い部材を介して接合できるよ
うになっており、溶接トーチ13の中心軸と回転走査手段
6の回転中心軸の軸合わせ及び静電容量型距離センサ5
の基準点の位置合わせ作業を簡単に行うことができるよ
うに構成するとともに、溶接ケーブルや溶接ワイヤ、溶
接電源内の回路等を介して静電容量型距離センサ5と他
方の電極であるワーク2の短絡を防止している。
以上のように構成された溶接用ロボットについて、以
下その動作を説明する。初めに、トーチ13とワーク2の
位置関係の基準となる座標系について第4図および第5
図を用いて定義しておく。
第4図にロボットアーム1に取り付けられたトーチ13
に設定した第1の座標系3(以下、トーチ座標系3と呼
ぶ)を示す。トーチ座標系3は、トーチ13の先端の作用
点を第1の座標原点Ot(以下トーチ原点Otと呼ぶ)と
し、トーチ13の中心軸をXt軸とする。Xt軸の正の方向は
第4図に矢印で示した。このXt軸とロボットアーム1の
最先端手首軸の回転中心軸TWとを含む平面上でXt軸と直
交する直線をZt軸とする。Zt軸の正の方向は、トーチ13
上に設けた点Pに対して回転軸TWから垂線として描いた
図中の破線矢印の方向とする。さらにXt、Zt軸に直交
し、かつ右手系をなす方向をYt軸として定義する。
次に、第5図に対象ワーク2上に設定した第2の座標
系4(以下、ワーク座標系4と呼ぶ)を示す。ロボット
アーム1が、ワーク2上の溶接線近傍に位置決めされた
状態で、前記トーチ座標系3のXt軸を延長しワーク2と
交差した点をQとし、点Qから溶接線におろした垂線と
溶接線の交点を第2の座標原点Ow(以下、ワーク原点Ow
と呼ぶ)とする。このワーク原点Owから溶接線の方向を
Yw軸とし、このYw軸と直交し、ワーク2の開先角度を2
等分する方向をXw軸とする。この時Yw軸の正の方向はど
ちら向きに取ってもよいが、Xwの正方向はワーク原点か
らワーク2の裏面へ向かう方向とし、残るZw軸は、Xw、
Yw軸に直交し、かつ右手系をなす方向にとることとす
る。
まず、静電容量型距離センサ5は、二つの電極間の静
電容量が電極間の距離に反比例することを利用するもの
で、センサに設けた電極を一方の電極とし、測定対象物
自身を他方の電極として両電極間に電位差を与えて回路
を構成して、この両電極間の静電容量を測定することに
より間接的に両電極間の距離すなわち、静電容量型距離
センサ5とワーク2の間の距離を設定する。
静電容量型距離センサ5によって計測された距離情報
および回転位相検出手段7から得られる位相情報は、信
号波形処理手段8に入力され、特徴点毎の距離情報およ
び位相情報に処理され、位置関係算出手段9に入力され
る。位置関係算出手段9では、トーチ座標系3とワーク
座標系4の位置関係を算出する。
信号波形処理手段8と位置関係算出手段9の動作は後
に詳述する。
位置関係算出手段9で算出された位置関係は、位置関
係設定記憶手段10に予め設定記憶されている基準位置関
係とともに移動目標位置検出手段14に入力され、算出さ
れた位置関係と予め設定記憶されている基準位置関係が
等しくなるようにトーチ座標系3で表した移動目標位置
を算出する。このトーチ座標系3で表した移動目標位置
は、現在位置管理手段15に記憶されている各軸現在位置
を用いて、第3の座標変換部16によって算出される直交
座標系で表した第1の座標系3の現在位置とともに第1
の座標変換部17に入力され、直交座標系で表した移動目
標位置に変換された後、第2の座標変換部18に入力され
てさらに関節座標系で表した移動目標位置に変換され
る。この関節座標系で表された移動目標位置はサーボ制
御部19に入力され、各軸単位に同時制御される。
すなわち、移動目標位置は前述の現在位置管理手段15
からの各軸現在位置情報と比較され、ロボットアーム1
に組み込まれたモータ20にモータ回転指令を出力する。
モータ20に取り付けられたエンコーダ21は、フィードバ
ック情報を出力し、サーボ制御部19に入力されてサーボ
系を構成するとともに、現在位置管理手段15にも入力さ
れて現在位置の更新に利用される。
次に、信号波形処理手段8と位置関係算出手段9によ
るトーチ座標系3とワーク座標系4の位置関係の具体的
な算出法について図面を参照しながら説明する。
まず、第6図はトーチ座標系3とワーク座標系4が一
致した場合の模式図を示している。第6図において、静
電容量型距離センサ5が回転走査手段6(図示せず)に
よってXt軸を回転中心軸として破線矢印に示すように反
時計回りに回転しながらワーク2までのXt軸方向の距離
すなわち図中にXtに平行な複数の矢印の長さを連続的に
順次測定していく。その間、回転位相検出手段7によっ
て静電容量型距離センサ5の回転位相が同時に検出で
き、第7図に実線で示すような信号波形が得られる。第
7図の縦軸は静電容量型距離センサ5で測定したワーク
2までの距離であり、横軸は測定時の回転位相である。
第7図に示したように、回転位相と距離関係を示す信
号波形は、理論的には正弦波形を半サイクルおきに折り
返したような波形となるが、静電容量型距離センサ5は
測定対称物(ワーク2)とセンサ電極間の静電容量の総
量による平均的な距離を測定しており、ワーク2を点で
はなく面として捕えるため、実際に得られる信号波形は
第7図に破線で示すように不連続点の無い一回転あたり
2周期の正弦波に似た波形となる。しかし、ここでは特
に断らない限り第7図の実線のような理論信号波形を用
いて説明する。
この信号波形は、トーチ座標系3とワーク座標系4の
位置関係に応じて変化するので、この信号波形の変化を
検出することによりトーチ座標系3とワーク座標系4の
位置関係を知ることができる。
信号波形の変化を知るためにその特徴点を抽出し、特
徴点毎の情報から波形の変化すなわちトーチ座標系3と
ワーク座標系4の位置関係を解析する方法が簡便であ
り、特に特徴点として信号波形の極値点を用いることに
より高速で処理を行うことができることから、本発明に
おいては、信号波形処理手段8により第7図に示したよ
うな波形の極値点を抽出し、得られた波形の極値点の情
報から位置関係算出手段9によりトーチ座標系3とワー
ク座標系4の位置関係を算出している。
信号波形には当然ノイズが含まれており、ノイズによ
って極値点が誤って抽出されることのないよう、連続す
る2つの極値点の値の差および位相の差が所定量以下の
場合、これらの極値点を特徴点として抽出しないように
している。また、先にも述べたように静電容量型の距離
センサを用いているので、信号波形に不連続点が本来現
れないことから、極値点が不連続点である場合にもそれ
はノイズであるとして排除されている。
第6図からも明らかなように、この極値点のうち極小
点はワーク2の継手の左右の内面とXt−Zt平面が交差す
る位置にあり、この左右の極小点を以後それぞれLB、RB
(2つの座標系が一致している第7図ではLB0、RB0)と
する。また極大点はワーク2の溶接線上進行方向の前後
にあり、この前後の極大点をそれぞれFP、BP(第7図で
はFP0、BP0)とする。
第7図より、トーチ座標系3とワーク座標系4が一致
している場合には、極小点RB0、LB0の値と、極大点FP
0、BP0の値はそれぞれ等しく、それら四つの極値点の位
相は一回転を四等分している。また、回転位相の基準位
置はYt軸の正の方向としたので、点FP0の位相は位相の
基準位置と一致している。
次に第8図は、トーチ座標系3とワーク座標系4がXt
方向に距離Xだけずれた状態を示している。第8図は第
6図の模式図をYwの方向に見たものである。この時、得
られる信号信号波形を第9図に実線で示した。この時の
各極値点をFP1、BP1、RB1、LB1とする。また、第9図の
破線で示した波形は第7図に示したトーチ座標系3とワ
ーク座標系4が一致している場合の波形である。
第9図より容易に理解されるように、トーチ座標系3
とワーク座標系4がXt方向にずれた場合波形全体が上下
に移動するので、波がの極大点であるFP1とBP1の平均値
とトーチ座標系3とワーク座標系4が一致している場合
のFP0とBP0の平均値とを比較すれば、トーチ座標系3と
ワーク座標系4のXt方向の位置関係を算出することがで
きる。
第10図は、トーチ座標系3とワーク座標系4がZt軸回
りに角度γだけずれた(傾斜した)状態を示している。
第10図は、第6図の模式図をZwの方向に見たものであ
る。このとき得られる信号波形を第11図に実線で示し
た。この時の各極値点をそれぞれFP2、BP2、RB2、LB2と
する。また、第11図の破線で示した波形は第7図に示し
たトーチ座標系3とワーク座標系4が一致している場合
の波形である。
第11図より容易に理解されるように、トーチ座標系3
とワーク座標系4がZt軸回りにずれた場合、波形の極大
点であるFP2及びBP2に差が生じる。回転走査の半径は既
知であるので、FP2とBP2との差と回転半径からトーチ座
標系3とワーク座標系4のZt軸回りの位置関係を算出す
ることができる。
第12図は、トーチ座標系3とワーク座標系4がZt方向
に距離Zだけずれた状態を示している。第12図は第8図
と同様に、第6図の模式図をYwの方向に見たもので、こ
の時得られる信号波形を第13図に実線で示した。この時
の各極値点をそれぞれFP3、BP3、RB3、LB3とする。ただ
し、第13図は信号波形は静電容量型距離センサ5を用い
て実際に測定した波形であり、破線で示した波形はトー
チ座標系3とワーク座標系4が一致している場合の信号
波形で、同じく静電容量型距離センサ5を用いて実際に
測定したものである。
第13図より容易に理解されるように、トーチ座標系3
とワーク座標系4がZt方向にずれた場合、ワーク2の左
右面での極小点LB3およびRB3の値に差が生じるとともに
右内面上を走査している位相すなわち極大点FP3の位相
値と極大点BP3での位相値の差RH3と、左内面上を走査し
ている位相すなわち極大点FP3′の位相値と極大点BP3で
の位相値の差LH3との間にも差異が生じる。ここで、極
大点FP3′は、極大点FP3と同じ位置を一回転前に測定し
たものである。
以上のことから、トーチ座標系3とワーク座標系4の
Zt方向のずれは、2つの極小点の差が、極大点間の位相
差のどちらを用いても算出できるが、前述したように静
電容量型距離センサ5では実際の信号波形は第13図に示
すように極大点で不連続点が生じないので、位相を用い
た算出法は検出精度が劣る。本発明では極小点RB3とLB3
の値の差を用いてトーチ座標系3とワーク座標系4のZt
方向の位置関係を算出している。
第14図は、トーチ座標系3とワーク座標系4がYt軸回
りに角度βだけずれた(傾斜した)状態を示している。
第14図は、第8図、第10図と同様に第6図の模式図を
Ywの方向に見たものである。
この時得られる信号波形を第15図に実線で示した。こ
の時の各極値点をそれぞれFP4、BP4、RB4、LB4とする。
ただし、ここでも第15図の信号波形は第13図の場合と
同じく静電容量型距離センサ5を用いて実際に測定した
波形である。
これまで説明した位置関係算出結果は、静電容量型距
離センサ5の二つのチャンネルのいずれを用いても同じ
結果が得られる。しかしながら、第15図と第13図との比
較より明らかなように、トーチ座標系3とワーク座標系
4がYt軸回りに角度βだけずれた場合と、トーチ座標系
3とワーク座標系4がZt方向に距離Zだけずれた場合と
が同様の波形となる。したがって、このままではトーチ
座標系3とワーク座標系4がYt軸回りにずれた場合と、
Zt方向にずれた場合の判別ができないことになる。これ
を判別するために静電容量型距離センサ5の二つのチャ
ンネルを利用する。
図16図(A),(B)は、この2チャンネルの静電容
量型距離センサ5を用いて、トーチ座標系3とワーク座
標系4がYt軸回りに角度βだけ傾いた場合の算出法の説
明図で、前述したように静電容量型距離センサ5が測定
対象物とセンサ電極間の静電容量の総量により距離を求
めていることから実際に測定する距離はXw軸方向の距離
で静電容量型距離センサ5の2つのチャンネルはそれぞ
れ図中実線の矢印と破線の矢印の距離を測定する。
実線の矢印と破線の矢印のZw方向の距離SZは、第16図
(A),(B)からも明らかなように角度βに応じて変
化し、静電容量型距離センサ5を回転走査させ、2つの
それぞれのチャンネルについてZt軸方向のずれ量を算出
し、それらの算出結果の差をとることにより算出でき
る。
第16図(B)は第16図(A)に示した静電容量型距離
センサ5の電極部を拡大したものである。第16図(B)
において、第1の電極22および第2の電極23は、図中の
点S1およびS2からワーク2までの距離を測定しており、
これらの点S1およびS2はXt軸と平行なXt′軸方向に距離
SX離れて配置されている。ここで点S1からZw方向に直線
を引き、第2の電極23が測定する距離を示す破線矢印と
の交点をS′とすると、直線三角形S1,S2,S′において
角S1,S2,S′がβであることから、SXをSZで除して逆正
弦を算出すれば、βすなわちトーチ座標系3とワーク座
標系4のYt軸回りの位置関係(静電容量型距離センサ5
の傾き)が求められる。
最後に、第17図にトーチ座標系3とワーク座標系4が
Xt軸回りに角度αだけずれたとき得られる信号波形を第
17図に実線で示した。この時の各極値点をそれぞれFP
5、BP5、RB5、LB5とする。また、トーチ座標系3とワー
ク座標系4が一致している場合の信号波形を破線で示し
ている。
第17図より、トーチ座標系3とワーク座標系4がXt軸
回りにずれた場合、波形の極大点であるFP5、BP5および
極小点であるRB5、LB5の基準位置からの位相が全体的に
ずれることが容易に理解される。
第18図は、トーチ座標系3とワーク座標系4がXt方向
Zt方向にともにずれを生じ、かつXt軸、Yt軸、Zt軸回り
にもずれを生じている場合のFP、BP,LB、RB各極値点の
位相を、静電容量型距離センサ5の回転走査軌道上にあ
らわした図で、ここで求めたい位置関係はXt軸回りのず
れ量すなわち図中Ywの溶接線とYt軸のなす角αである。
以上のことから、この状態でのXt軸回りのずれ量αを
求めることができれば、トーチ座標系3とワーク座標系
4の位置関係に関係なくXt軸回りの位置関係を単独に算
出することができることになる。
第18図を見ると、トーチ座標系3とワーク座標系4の
位置関係に関係なく極小点RB、LBを結ぶ図中破線で示し
た直線FP、BPを結ぶ直線すなわちYw軸は回転走査軌道面
上では常に直交する関係にあり、このことはワーク形状
や座標系の定義および回転走査軌道に対する幾何学的考
察からも理解できる。
したがって角αは、RBの基準位置からの位相とLBの基
準位置からの位相の平均値Bが示す方向として、あるい
はFPの基準位置からの位相とBPの基準位置からの位相の
平均値Pが示す方向と直交する方向として算出すること
ができ、この算出法によればXt軸回りの位置関係を容易
に算出することができる。
以上の動作によって、トーチ座標系3とワーク座標系
4の位置関係を表す6つの成分の内の5つの成分を静電
容量型距離センサ5を回転走査することにより容易に算
出することができることになる。
既に述べたように、以上のように算出した位置関係と
予め設定記憶したおいた所望の位置関係が一致するよう
にロボットアーム1を動作させれば、方向、位置ともに
未知であるワークを自動検出して希望する狙い位置およ
びトーチ姿勢にロボットアーム1すなわちトーチ13を位
置決めすることができる。
位置関係をあらわす残りの1つの成分であるYt方向の
位置関係すなわち溶接線方向の位置関係は、開始点の検
出としては常に0とすれば良く、0以外の値を与えれば
ロボットアームは現在位置から溶接線方向にずれた位置
に動くことになり、これを繰り返して前記動作を連続的
に行えば、所定の狙い位置およびトーチ姿勢を保ちなが
ら溶接線を自動的に追跡するようにロボットアーム1を
動作させることができる。
このことは、トーチ座標系3とワーク座標系4の位置
関係を表す6つの成分の内Yt方向の成分は溶接線を追跡
していく方向および速度を定める変数であることを意味
し、ロボット操作者の指示に従ってこの値を変更するこ
とにより溶接線の方向や溶接速度を任意に選択し、ある
いは調整することができることになる。
また、前記の算出法に従って求めたトーチ座標系3と
ワーク座標系4の位置関係から例えば溶接線の曲率やロ
ボットアームの各軸の動作速度等を算出し、それらに応
じてYt方向成分の値を増減させれば、その時々の状況に
合わせて溶接速度を最適値に自動調整させることができ
る。
しかしながら、このようにロボットアームが溶接線を
追跡して連続的に動作している場合には、前述の算出法
では位置関係の算出結果に誤差が生じる。これは前記算
出方がロボットアームが静止した状態、正確にはトーチ
座標系3とワーク座標系4の位置関係が静電容量型距離
センサ5の一回転走査時間内は変化しないことを仮定し
て導出していることに起因しており、溶接線を追跡する
速度が速くなればこの仮定と実際の状況とに差が大きく
なり誤差は増大する。これは溶接線追跡可能速度を制限
する要因となる。
この誤差を減少させるためには、静電容量型距離セン
サ5の回転走査周期を速くして、ロボットアームが連続
的に動作していることが無視できるほど一回転走査当た
りの時間を短くすることが有効であるが、実際には静電
容量型距離センサ5の応答周波数や各種の処理時間には
限界があり、実現可能な回転走査周期にも限界がある。
このようなことから本発明では、トーチ座標系3とワ
ーク座標系4の位置関係が静電容量型距離センサ5の一
回転走査時間内に変化する実際のデータから位置関係が
固定している状態を仮想的に作り出すことによってこの
種の誤差を減少させており、以下その具体的方法につい
て図面を参照しながら説明する。
第19図は、静電容量型距離センサ5が一回転走査する
間に、トーチ座標系3とワーク座標系4がXt方向にずれ
た状態から一致した状態までXt方向にロボットアームが
一定速で動作した場合の信号波形を実線で示し、この場
合の各極値点をFP6、RB6、BP6、LB6とする。
またトーチ座標系3とワーク座標系4が一致したまま
の状態で推移した場合の信号波形を破線で示し、この場
合の各極値点をFP0、RB0、BP0、LB0とする。
ここで、一つの極大点、FP6の値と約一回転前の同じ
極大点FP6′の値との差を両極値点間の位相差FH6で除し
て単位位相当たりの移動量DDXtを求め、このDDXtに両極
大点間に位置する他の極値点RB6、BP6、LB6のFP6からの
位相差を乗じて各極値点に対する補正量を算出してそれ
ぞれの値に補正を加える。
さらに前記単位位相当たりの移動量DDXtから求めた一
回転走査当たりのXt方向の移動量DXtを用いて、極小点P
B6、LB6の位相に対する補正量を算出してそれぞれの位
相に補正を加える。
このようにして静電容量型距離センサ5が一回転走査
する間にXt方向にロボットアームが移動したことにより
生じる誤差を補正することができる。
同様に、静電容量型距離センサー5が一回転走査する
間にZt方向にロボットアームが一定速で動作した場合に
ついては、第18図で説明したように極小点RB、LBを結ぶ
直線と極大点FP、BPを結ぶ直線が直交関係にあることを
利用して一回転走査間のZt方向移動量を求め、これを用
いて各極値点の位相に補正を加えることができる。
すなわち、一回転走査間にZt方向にロボットアームが
動作した場合前記極小点RB、LBを結ぶ直線と極大点FP、
BPを結ぶ直線は直交しなくなり、両直線のなす角度と直
角との差の角度と回転走査半径とから一回転走査当たり
のZt方向の移動量を求め、これを用いてXt方向に移動し
た場合と同じく各極値点の位相に対する補正量を算出
し、それぞれの位相に補正を加える。
このようにして静電容量型距離センサ5が一回転走査
する間にZt方向にロボットアームが移動したことにより
生じる誤差を補正することができる。
実際に溶接線を追跡しながらロボットアームが動作し
ている場合、静電容量型距離センサ5が一回転走査する
間のロボットアームの移動は、一定速であるとは限らな
いが、静電容量型距離センサ5の回転走査周期は速く、
一回転間の時間が十分短いので、一回転走査間にロボッ
トアームが一定速で動作すると考えて補正すれば実用上
問題は生じない。
以上のようにして位置関係算出手段9により、トーチ
座標系3とワーク座標系4の位置関係が正確に算出され
る。
本発明による溶接ロボットにおける教示時間と従来の
操作箱を用いる方法による教示時間の比較を第1表に示
す。
教示作業は第20図に示すワークに対して丸印を教示点
とし、水平面に対するトーチの角度は45度、溶接線に対
する前進または後退角は0度となるように指定して教示
作業を行った。この時の教示点数は22点で、溶接長は81
0mmである。
第1表から明らかなように、本発明の溶接用ロボット
における教示時間は平均で従来法の30%程度に教示時間
を低減でき、作業者の熟練度に関係なく初心者でも熟練
者と同程度の時間で教示作業が行える点で優れた効果が
得られる。
以上のように本発明によれば、静電容量型距離センサ
5を回転走査手段6で回転走査させ、対象ワーク2との
距離情報と回転位相情報を用いて信号波形の特徴点を信
号波形処理手段8で抽出し、この抽出された特徴点毎の
距離情報と回転位相情報から位置関係算出手段9でトー
チ座標系3とワーク座標系4との間の位置関係を算出
し、この算出した位置関係が予め設定記憶された位置関
係と一致するようにロボット制御手段がロボットアーム
1を動作させるので、予め設定記憶しておいた所望の位
置関係、すなわち溶接トーチの狙い位置や姿勢に自律的
にロボットアーム1すなわちトーチ13を動作させること
ができる。
なお、静電容量型距離センサ5を回転走査手段6に予
め取り付けておき、回転走査手段6ごと溶接トーチ13に
着脱可能な構造としたが、電極棒をトーチの中心軸回り
に回転することができる回転アーク溶接用トーチなどに
おいては、静電容量型距離センサ5を電極棒とともに回
転するチップなどトーチ13を構成する部材の一部と交換
可能な構造として回転走査手段6はトーチが有する電極
棒回転機構を利用してもよい。
また、本発明においては、回転位相検出手段7として
エンコーダを設けた例を示したが、例えば回転走査手段
6を正確に一定速に回転させて、時間を計測することに
よっても回転位相検出手段7を実現することができるこ
とは言うまでもないことである。
なお、本発明においてはXt軸方向およびZt軸方向にロ
ボットアームが連続して動作している場合の補正法を示
したが、他の位置関係すなわち各軸回りにロボットアー
ムが連続して動作している場合についても同様の考え方
に従い、任意の極値点と概ね一回転前の極値点の値の差
を用いて各極値に補正を加えることができる。また、前
述の補正が各方向への一回転走査当たりの移動量を用い
て行われていることは既に述べたとおりであるが、位置
関係が固定していると仮定して算出した位置関係を一回
転走査前に算出した位置関係から減ずることによって1
回転当たりの移動量を近似的に算出し、この近似的に算
出した移動量を用いて各極値の値および位相に補正を加
えて再度位置関係を算出することによってもこの誤差を
低減することは可能である。
なお、本発明においては非接触距離センサとして静電
容量型のものを用いたが、例えばレーザ式の距離センサ
など、他の方式の非接触距離センサを用いてもよい。
産業上の利用可能性 以上のように本発明の溶接用ロボットは、熟練したテ
ィーチング技術を有しない作業者が、複雑な形状のため
多くの教示点を必要とするワーク、または、多品種少量
生産に対応するため多くの動作プログラムを必要とする
ワークに対するティーチングを、容易にかつ高能率に、
しかも高精度に実行するのに適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/127 509 B23K 9/127 506 B23K 9/12 331

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットアームと、前記ロボットアームの
    先端部に設定した第1の座標系と、対象ワークに設定し
    た第2の座標系と、前記対象ワークに対する距離を測定
    し距離情報を出力する前記ロボットアームの先端部に取
    り付けられた非接触距離センサと、回転中心軸が前記第
    1の座標系に固定して設けられ前記非接触センサを回転
    走査させる回転走査手段と、前記非接触距離センサの回
    転位相を検出し回転位相情報を出力する回転位相検出手
    段と、前記距離情報と前記位相情報とから得られる信号
    波形の特徴点を抽出し特徴点毎の距離情報および位相情
    報を出力する信号波形処理手段と、前記信号波形処理手
    段からの情報により前記第1の座標系と第2の座標系の
    位置関係を算出する位置関係算出手段と、前記第1の座
    標系と前記第2の座標系の基準となる位置関係を予め設
    定記憶させる位置関係設定記憶手段と、前記位置関係算
    出手段によって算出された前記第1の座標系と前記第2
    の座標系の位置関係と前記位置関係設定記憶手段によっ
    て予め設定記憶された前記第1の座標系と前記第2の座
    標系の位置関係とが一致するように前記ロボットアーム
    を動作させるロボット制御手段とからなる溶接用ロボッ
    ト。
  2. 【請求項2】非接触距離センサが、センサの電極部と対
    象ワーク間の静電容量により距離を測定する静電容量型
    距離センサである請求の範囲第1項記載の溶接用ロボッ
    ト。
  3. 【請求項3】静電容量型距離センサが、電極部を円錐状
    としたものである請求項の範囲第1項または第2項記載
    の溶接用ロボット。
  4. 【請求項4】静電容量型距離センサが、センサ電極を同
    軸上に複数個配置し個別に動作する複数の静電容量型距
    離センサとした請求の範囲第1項、第2項または第3項
    記載の溶接用ロボット。
  5. 【請求項5】静電容量型距離センサを、回転走査手段に
    電気絶縁性を有する部材を介して取り付けるようにした
    請求の範囲第1項、第2項、第3項または第4項記載の
    溶接用ロボット。
  6. 【請求項6】信号波形処理手段が抽出する信号波形の特
    徴点が、極値点である請求の範囲第1項記載の溶接用ロ
    ボット。
  7. 【請求項7】信号波形処理手段が、連続する二つの極値
    間の位相が所定角以下の場合には、これらの極値点を特
    徴点として抽出しないようにした請求の範囲第1項また
    は第6項記載の溶接用ロボット。
  8. 【請求項8】信号波形処理手段が、連続する二つの極値
    点の値の差が所定量以下の場合にはこれらの極値点を特
    徴点として抽出しないようにした請求の範囲第1項、第
    6項または第7項記載の溶接用ロボット。
  9. 【請求項9】信号波形処理手段が、非接触距離センサが
    出力する距離が所定の範囲外の場合には極値点を特徴点
    として抽出しないようにした請求の範囲第1項、第6
    項、第7項、または第8項記載の溶接用ロボット。
  10. 【請求項10】位置関係検出手段が、一つの特徴点と非
    接触距離センサの約一回転前の特徴点との値の差を用い
    て両特徴点間の複数の特徴点の距離情報および位相情報
    に補正を加えた後、第1の座標系と第2の座標系の位置
    関係を算出するようにした請求項の範囲第1項記載の溶
    接用ロボット。
  11. 【請求項11】位置関係算出手段が、前回の位置関係算
    出結果を参照して複数の特徴点の距離情報のおよび位相
    情報に補正を加えた後、第1の座標系と第2の座標系の
    位置関係を算出するようにした請求の範囲第1項または
    第10項記載の溶接用ロボット。
  12. 【請求項12】位置関係算出手段が、第1の座標系と第
    2の座標系の位置関係の算出結果を用いて溶接線方向の
    位置関係を調整するようにした請求の範囲第1項、第10
    項または第11項記載の溶接用ロボット。
  13. 【請求項13】非接触距離センサと回転走査手段を、ロ
    ボットアームの先端部に取り付けられた溶接トーチに着
    脱可能な構造とした請求の範囲第1項記載の溶接用ロボ
    ット。
  14. 【請求項14】回転走査手段が、ロボットアームに取り
    付けられた回転アーク溶接用トーチの電極棒回転手段で
    あり、非接触距離センサが前記回転アーク溶接用トーチ
    のコンタクトチップと交換可能な構造とした請求の範囲
    第1項記載の溶接用ロボット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014231137A (ja) * 2013-04-30 2014-12-11 株式会社ダイヘン ロボット制御装置および多層盛溶接ロボットにおけるオフセット値の教示方法
JP2019037991A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 株式会社Ihi 溶接位置補正方法及び溶接装置
CN112297061A (zh) * 2019-07-30 2021-02-02 精工爱普生株式会社 检测方法及机器人
CN115210036A (zh) * 2020-03-05 2022-10-18 松下知识产权经营株式会社 焊道外观检查设备、焊道外观检查方法、程序以及焊道外观检查***

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