JP2765050B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JP2765050B2 JP2765050B2 JP1126943A JP12694389A JP2765050B2 JP 2765050 B2 JP2765050 B2 JP 2765050B2 JP 1126943 A JP1126943 A JP 1126943A JP 12694389 A JP12694389 A JP 12694389A JP 2765050 B2 JP2765050 B2 JP 2765050B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- chromium
- plane
- peak intensity
- magnetic
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気記録再生装置、たとえば磁気ディスク装
置に用いられる磁気記録媒体に関するものである。
置に用いられる磁気記録媒体に関するものである。
従来の技術 現在、磁気記録媒体として使用される磁気ディスクの
多くは酸化物塗布媒体であり、さらに記録密度を向上さ
せるものとして、めっきあるいはスパッタなどによって
できた金属薄膜磁性層を有する記録媒体が注目されてい
る。
多くは酸化物塗布媒体であり、さらに記録密度を向上さ
せるものとして、めっきあるいはスパッタなどによって
できた金属薄膜磁性層を有する記録媒体が注目されてい
る。
しかしながら、金属薄膜媒体は、Coベースの合金が主
に用いられており、耐食性が十分でない。したがって一
般に、金属薄膜媒体では、耐食性を向上させるために、
金属薄膜磁性層上に保護膜を形成している。また保護膜
には耐摩耗性を持たせる事も必要である。また、記録密
度を高めるためには、磁気ヘッドが金属磁性膜表面にで
きるだけ近接できることが好ましく、この保護膜は薄い
ほど良い。
に用いられており、耐食性が十分でない。したがって一
般に、金属薄膜媒体では、耐食性を向上させるために、
金属薄膜磁性層上に保護膜を形成している。また保護膜
には耐摩耗性を持たせる事も必要である。また、記録密
度を高めるためには、磁気ヘッドが金属磁性膜表面にで
きるだけ近接できることが好ましく、この保護膜は薄い
ほど良い。
従来、この種の保護膜としては、湿式めっきによって
構成される金属薄膜（Rh,Au,Cr,Ni−Ｐなど）、酸化膜
（金属磁性膜の表面を酸化させた膜、SiO2など）、窒化
物膜（Si3N4など）、炭化物膜（SiCなど）などの硬質膜
が提案されている。
構成される金属薄膜（Rh,Au,Cr,Ni−Ｐなど）、酸化膜
（金属磁性膜の表面を酸化させた膜、SiO2など）、窒化
物膜（Si3N4など）、炭化物膜（SiCなど）などの硬質膜
が提案されている。
これらの保護膜のうちで、耐食性・耐摩耗性ともかな
り優れた保護膜がいくつかある。たとえば、記録密度を
高めるために、膜厚50nm以下の２層保護膜（下層により
耐食性のよいクロム酸化物膜、上層にSiO2膜）が提案さ
れている。（特開昭58−177528号公報） また、特開昭61−82321号公報のように金属磁性膜の
上にCr膜を形成し、そのCr膜の上に炭素膜を形成するも
のがある。
り優れた保護膜がいくつかある。たとえば、記録密度を
高めるために、膜厚50nm以下の２層保護膜（下層により
耐食性のよいクロム酸化物膜、上層にSiO2膜）が提案さ
れている。（特開昭58−177528号公報） また、特開昭61−82321号公報のように金属磁性膜の
上にCr膜を形成し、そのCr膜の上に炭素膜を形成するも
のがある。
発明が解決しようとする課題 上記の保護膜はあるていどの耐食性は確保できるもの
の、膜厚が薄いほど耐食性が低下し、使用時間が長いほ
どより多く腐食する。したがって、磁気記録媒体の高記
録密度化に伴い、磁気ヘッドと磁性膜間距離を短くする
為に、保護膜を薄くした場合、上記の保護膜では、充分
な耐食性を確保することができないという問題点を有し
ていた。
の、膜厚が薄いほど耐食性が低下し、使用時間が長いほ
どより多く腐食する。したがって、磁気記録媒体の高記
録密度化に伴い、磁気ヘッドと磁性膜間距離を短くする
為に、保護膜を薄くした場合、上記の保護膜では、充分
な耐食性を確保することができないという問題点を有し
ていた。
課題を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、金属磁性膜上
に、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による（110）
面のピーク強度に対する（211）面のピーク強度の比が2
0％から25％であるクロム膜を被覆する。
に、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による（110）
面のピーク強度に対する（211）面のピーク強度の比が2
0％から25％であるクロム膜を被覆する。
作用 この構成により、クロム膜中の（211）面の割合を多
くする事ができる。
くする事ができる。
実 施 例 第１図は本発明の一実施例における磁気記録媒体を示
す拡大断面図である。第１図においてアルミニウム合金
から成るディスク用基板１上に、膜厚20μｍのNi−Ｐ無
電解めっき下地膜２が形成され、その上に、Cr下地を持
つCo−Ni20、の金属磁性膜３が形成され、さらにその上
に厚10nmのクロム体心立方結晶構造のＸ線回折による
（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面のピーク
強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値が0.20〜
0.25であるクロム膜４が形成され、さらにその上に、耐
摩耗性を確保するために、膜厚20nmのカーボン膜５が形
成され、さらにその上に、潤滑性をを得るために、膜厚
5nmのフッ素系オイルの潤滑膜６がコーティングされて
いる。
す拡大断面図である。第１図においてアルミニウム合金
から成るディスク用基板１上に、膜厚20μｍのNi−Ｐ無
電解めっき下地膜２が形成され、その上に、Cr下地を持
つCo−Ni20、の金属磁性膜３が形成され、さらにその上
に厚10nmのクロム体心立方結晶構造のＸ線回折による
（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面のピーク
強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値が0.20〜
0.25であるクロム膜４が形成され、さらにその上に、耐
摩耗性を確保するために、膜厚20nmのカーボン膜５が形
成され、さらにその上に、潤滑性をを得るために、膜厚
5nmのフッ素系オイルの潤滑膜６がコーティングされて
いる。
クロム膜は、RFスパッタ法によって作成した。しか
し、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による（110）
面のピーク強度Ｉ（110）に対する（211）面のピーク強
度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値が0.20〜0.2
5であるクロム膜を得るためには、適当なスパッタパワ
ー、スパッタ圧、基板温度が必要である。その例とし
て、スパッタ圧を3mmTorr、基板温度を90℃とした時の
スパッタパワーとＸ線回折によるクロム体心立方結晶構
造の（110）面のピークと（211）面のピークとの強度
比、Ｉ（211）/I（110）の値との関係を示す。第２図か
らわかるようにこの条件の時はスパッタパワーがほぼ30
0Wから800Wの範囲でＩ（211）/I（110）の値が0.20〜0.
25になっている。またスパッタパワー、スパッタ圧、基
板温度はそれぞれのスパッタ装置によって設定しなけれ
ばならない。
し、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による（110）
面のピーク強度Ｉ（110）に対する（211）面のピーク強
度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値が0.20〜0.2
5であるクロム膜を得るためには、適当なスパッタパワ
ー、スパッタ圧、基板温度が必要である。その例とし
て、スパッタ圧を3mmTorr、基板温度を90℃とした時の
スパッタパワーとＸ線回折によるクロム体心立方結晶構
造の（110）面のピークと（211）面のピークとの強度
比、Ｉ（211）/I（110）の値との関係を示す。第２図か
らわかるようにこの条件の時はスパッタパワーがほぼ30
0Wから800Wの範囲でＩ（211）/I（110）の値が0.20〜0.
25になっている。またスパッタパワー、スパッタ圧、基
板温度はそれぞれのスパッタ装置によって設定しなけれ
ばならない。
第３図に、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による
（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面のピーク
強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値とミッシ
ングパルスエラーを起こす個所の増加量の関係を示す。
これは、金属磁性膜の上にクロム体心立方結晶構造のＸ
線回折による（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（21
1）面のピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）
の値の互いに異なる膜厚10nmのクロム膜をスパッタリン
グによりコーティングし、その他は、上記の構成と同じ
磁気ディスクを作成し、80℃ 80％R.Hの雰囲気中に100
0時間の環境試験を行った後にミッシングパルスエラー
を起した個所を測定した。第３図において点１はスパッ
タパワー500W,基板温度０℃，電源はDCで、点２はスパ
ッタパワー500W,基板温度90℃，電源はDCで、点３はス
パッタパワー200W,基板温度90℃，電源はRFで、点４は
スパッタパワー1000W,基板温度90℃，電源はRFで、点５
はスパッタパワー500W,基板温度150℃，電源はRFで、点
６はスパッタパワー700W,基板温度90℃，電源はRFで、
点７はスパッタパワー500W,基板温度90℃，電源はRFで
それぞれ磁性層の上にクロム膜を形成し、環境試験後の
ミッシングパルスエラーを起した個所の数を測定し、そ
の測定した数から環境試験を行う前に測定しておいたミ
ッシングパルスエラーを起した個所の数を引いた数を縦
軸に取った。第３図に示したとおり、クロム体心立方結
晶構造のＸ線回折による（110）面のピーク強度Ｉ（11
0）と（211）面のピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）
/I（110）の値が0.20〜0.25であれば、ミッシングパル
スエラー個所の増加数が全く無いと言う優れた耐食性を
示している。
（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面のピーク
強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値とミッシ
ングパルスエラーを起こす個所の増加量の関係を示す。
これは、金属磁性膜の上にクロム体心立方結晶構造のＸ
線回折による（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（21
1）面のピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）
の値の互いに異なる膜厚10nmのクロム膜をスパッタリン
グによりコーティングし、その他は、上記の構成と同じ
磁気ディスクを作成し、80℃ 80％R.Hの雰囲気中に100
0時間の環境試験を行った後にミッシングパルスエラー
を起した個所を測定した。第３図において点１はスパッ
タパワー500W,基板温度０℃，電源はDCで、点２はスパ
ッタパワー500W,基板温度90℃，電源はDCで、点３はス
パッタパワー200W,基板温度90℃，電源はRFで、点４は
スパッタパワー1000W,基板温度90℃，電源はRFで、点５
はスパッタパワー500W,基板温度150℃，電源はRFで、点
６はスパッタパワー700W,基板温度90℃，電源はRFで、
点７はスパッタパワー500W,基板温度90℃，電源はRFで
それぞれ磁性層の上にクロム膜を形成し、環境試験後の
ミッシングパルスエラーを起した個所の数を測定し、そ
の測定した数から環境試験を行う前に測定しておいたミ
ッシングパルスエラーを起した個所の数を引いた数を縦
軸に取った。第３図に示したとおり、クロム体心立方結
晶構造のＸ線回折による（110）面のピーク強度Ｉ（11
0）と（211）面のピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）
/I（110）の値が0.20〜0.25であれば、ミッシングパル
スエラー個所の増加数が全く無いと言う優れた耐食性を
示している。
高耐食性クロム膜により高い耐食性を持つ磁気ディス
ク媒体を得ることができた。特に、高耐食性クロム膜
４、保護膜５、潤滑膜６の厚みをそれぞれ10nm、20nm、
5nmとし、合計35nmという極めて薄い保護膜でも、耐食
性、耐摩耗性、低摩耗性の優れた磁気ディスクを作成す
ることができた。
ク媒体を得ることができた。特に、高耐食性クロム膜
４、保護膜５、潤滑膜６の厚みをそれぞれ10nm、20nm、
5nmとし、合計35nmという極めて薄い保護膜でも、耐食
性、耐摩耗性、低摩耗性の優れた磁気ディスクを作成す
ることができた。
発明の効果 本発明は、金属磁性膜上に、クロム体心立方結晶構造
のＸ線回折による（110）面のピーク強度に対する（21
1）面のピーク強度の比が0.2以上であるクロム膜を被覆
する事により、クロム膜中の（211）面の割合を多くす
る事ができるので、優れた耐食性を有する事ができ、悪
環境の中でも長時間金属磁性膜の腐食を防止する事がで
きる。
のＸ線回折による（110）面のピーク強度に対する（21
1）面のピーク強度の比が0.2以上であるクロム膜を被覆
する事により、クロム膜中の（211）面の割合を多くす
る事ができるので、優れた耐食性を有する事ができ、悪
環境の中でも長時間金属磁性膜の腐食を防止する事がで
きる。
第１図は本発明の一実施例における磁気記録媒体の拡大
断面図、第２図は、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折
による（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面の
ピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値と
スパッタパワーとの関係を表すグラフ、第３図はＩ（21
1）/I（110）の値と試験前後のミッシングパルスエラー
の増加数との関係を表すグラフである。 １……基板 ２……下地膜 ３……金属磁性膜 ４……クロム膜 ５……保護膜 ６……潤滑膜
断面図、第２図は、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折
による（110）面のピーク強度Ｉ（110）と（211）面の
ピーク強度Ｉ（211）の比、Ｉ（211）/I（110）の値と
スパッタパワーとの関係を表すグラフ、第３図はＩ（21
1）/I（110）の値と試験前後のミッシングパルスエラー
の増加数との関係を表すグラフである。 １……基板 ２……下地膜 ３……金属磁性膜 ４……クロム膜 ５……保護膜 ６……潤滑膜
Claims (1)
- 【請求項１】基板上に金属磁性膜を設け、前記金属磁性
膜上に、クロム体心立方結晶構造のＸ線回折による（11
0）面のピーク強度に対する（211）面のピーク強度の比
が20％から25％であるクロム膜を設けたことを特徴とす
る磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1126943A JP2765050B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1126943A JP2765050B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02306425A JPH02306425A (ja) | 1990-12-19 |
| JP2765050B2 true JP2765050B2 (ja) | 1998-06-11 |
Family
ID=14947736
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1126943A Expired - Lifetime JP2765050B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2765050B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6387612A (ja) * | 1986-09-30 | 1988-04-18 | Sony Corp | 垂直磁気記録媒体 |
-
1989
- 1989-05-19 JP JP1126943A patent/JP2765050B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02306425A (ja) | 1990-12-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080403 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090403 Year of fee payment: 11 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100403 Year of fee payment: 12 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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