JP2763585B2 - 手術眼の前房深度決定装置及びその前房深度決定に用いるテストレンズ装置 - Google Patents

手術眼の前房深度決定装置及びその前房深度決定に用いるテストレンズ装置

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JP2763585B2 JP1115842A JP11584289A JP2763585B2 JP 2763585 B2 JP2763585 B2 JP 2763585B2 JP 1115842 A JP1115842 A JP 1115842A JP 11584289 A JP11584289 A JP 11584289A JP 2763585 B2 JP2763585 B2 JP 2763585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水晶体核が除去された手術眼に挿入される
眼内レンズ(IOL)の前房深度を迅速に決定する手術眼
の前房深度決定装置及びその前房深度決定に用いるテス
トレンズ装置に関するものである。
(従来の技術) 従来から、白内障の患者の手術のため、手術眼の角膜
を切開して水晶体核を切除し、所定のパワーを有する眼
内レンズをその手術眼に挿入する技術がある。その眼内
レンズのパワーの決定には、たとえば、下記に示すBink
horstの公式を用いて行うようにしたものがある。
P=1000N(4R−L)/(L−C)(4R−C) ここで、Pは正視するのに必要な前房水中内の眼内レ
ンズの度数(眼内レンズのパワー)、Lは眼軸長(単位
はmm)、Rは角膜曲率測定手段(ケラトメータ)によっ
て測定した角膜曲率半径(単位はmm)、Nは前房及び硝
子体の屈折率、Cは手術後の前房深さ(前房深度)であ
る。ここで、前房深度Cは、眼軸長Lによって補正を加
えたものが用いられるが、一般的には固定値として定め
られている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、光学的に検討すると、眼内レンズのの眼軸
方向の挿入位置が1mmずれると、手術眼全体の屈折力値
として約1ジオプターの誤差が生じる。従って眼内レン
ズのパワーを精密に決定できたとしても、前房深度のば
らつきによって手術眼の屈折力値の精度が低下する不具
合がある。
また、前房深度を従来から用いられている超音波測定
方法により測定することも考えられるが、水晶体の前面
位置と眼内レンズの前面位置とが必ずしも一致しないの
で、前房深度のばらつきに基づく眼屈折力値の精度の低
下を抑制することは難しい。さらに、超音波測定方法に
よる測定値自体のばらつきを小さくすることも困難であ
る。
そこで、本発明の目的は、水晶体核が除去された手術
眼に挿入される眼内レンズの前房深度を簡単に精度良好
に決定できる手術眼の前房深度決定装置及びその前房深
度決定に用いるテストレンズ装置を提供するところにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載の手術眼
の前房深度決定装置は、 手術眼に挿入される眼内レンズの光学データに対応す
る光学データを有するテストレンズを前記手術眼に挿入
して該テストレンズが挿入された手術眼の眼屈折力を測
定する眼屈折力測定手段と、 前記テストレンズが挿入された状態で測定された眼屈
折力に基づき前記眼内レンズを挿入した際の前房深度を
算出する算出手段と、 からなることを特徴とする。
本明細書の特許請求の範囲の請求項2に記載の前房深
度決定に用いるテストレンズ装置は、 手術眼に挿入される眼内レンズの光学データに対応す
る光学データを有するテストレンズを保持するテストレ
ンズ保持手段と、該テストレンズ保持手段を前記テスト
レンズが眼軸方向に移送されるように駆動する駆動手段
とを備えたところにある。
(作用) 本発明に係わる手術眼の前房深度決定装置は、手術眼
に挿入される眼内レンズの光学データに対応する光学デ
ータを有するテストレンズを手術眼に挿入して、テスト
レンズが挿入された手術眼の眼屈折力を測定する。そし
て、次に、テストレンズが挿入された状態で測定された
眼屈折力に基づき眼内レンズを挿入した際の前房深度を
算出する。従って、この前房深度となるようにその眼内
レンズを挿入すれば、手術眼の前房深度のばらつきに基
づく眼屈折力値の精度の低下を抑制できる。
また、この前房深度決定装置に用いるテストレンズ装
置は、手術眼の眼軸方向に移動可能に構成されているの
で、テストレンズ挿入の際に手術眼の屈折力の測定を容
易に行うことができる。
なお、このテストレンズとしては、挿入される眼内レ
ンズの種類に対応させて準備する。
(実施例) 以下に、本発明に係わる前房深度決定装置及びその前
房深度の決定に用いるテストレンズ装置について説明す
る。
眼内レンズのパワー決定には、従来方法として超音波
法による眼軸長測定、角膜曲率半径測定、眼屈折力測定
を用いることもできるが、ここでは、以下に説明する装
置を用いて眼内レンズのパワーを決定することにする。
(眼内レンズのパワー決定装置の構成) 第1図は本発明に係わるパワー決定装置の光学構成を
示し、第1図において、1は手術眼、2は前眼部照明光
学系、3は観察光学系、4は眼屈折力測定光学系、5は
角膜曲率半径測定光学系である。前眼部照明光学系2は
前眼部照明光源6、コンデンサレンズ7、レンズ付プリ
ズム8から概略なっており、観察光学系3の一部を構成
する対物レンズ9を介して手術眼1の前眼部1′を照明
する。観察光学系3は対物レンズ9と共にミラー10、リ
レーレンズ11、12、13、接眼レンズ14を有し、術者はこ
の観察光学系3により手術眼1を観察する。その第1図
において、15は術者眼である。
眼屈折力測定光学系4は投影チャート照明光源16、投
影チャート17、ビームスプリッタ18、リレーレンズ19、
絞り20、リレーレンズ21、受光マスク22、受光素子23か
ら概略なっており、投影チャート光束はビームスプリッ
タ18により反射され、リレーレンズ19、絞り20、リレー
レンズ21、ミラー10、対物レンズ9を介して手術眼1の
眼底24に投影される。この眼底24からの反射光は、対物
レンズ9を介してミラー10に導かれ、このミラー10によ
り反射され、リレーレンズ21、絞り20、リレーレンズ1
9、ビームスプリッタ18、受光マスク22を通過して受光
素子23に導かれる。投影チャート照明光源16と投影チャ
ート17とは矢印X1方向に移動可能とされ、また、受光マ
スク22と受光素子23は矢印X2方向に移動可能とされ、受
光素子23の移動量はポテンションメータ25によって検知
され、そのポテンションメータ25の出力は測定回路26に
入力され、このポテンションメータ25の出力に基づき手
術眼1の眼屈折力が測定される。
角膜曲率半径測定光学系5は照明光源27、ミラー28、
投影レンズ29、固体撮像素子30から構成され、手術眼1
は照明光源27により照明され、角膜31にリング状の虚像
が形成される。そのリング状の虚像を形成する角膜反射
光はミラー28により反射され、投影レンズ29によりリン
グ状の虚像に対応する像が固体撮像素子30に形成され、
この固体撮像素子30の出力は測定回路26に入力され、角
膜曲率半径が測定される。これらの測定光学系は、手術
用顕微鏡に組み込まれている。
測定回路26は、第2図に示すように、角膜曲率半径入
力手段32と眼屈折力測定値入力手段33とを有すると共
に、手術後に所望の予定眼屈折力値を入力する予定眼屈
折力値入力手段34、所定の光学データを入力する光学デ
ータ入力手段35、演算手段36を有する。この光学データ
については後述する。演算手段36は角膜曲率半径入力手
段32、眼屈折力測定値入力手段33、予定眼屈折力値入力
手段34、光学データ入力手段に基づき、眼軸長を算出し
て算出された眼軸長を記録表示する眼軸長算出手段とし
ての機能と、算出された眼軸長と手術後に所望の予定眼
屈折力値に基づき眼内レンズのパワーを算出するパワー
決定手段としての機能とを有する。
測定回路26は角膜曲率半径値と眼屈折力測定値との基
づき眼軸長を算出し、この算出された眼軸長を表示記録
する眼軸長算出手段31とこの算出された眼軸長と手術後
に所望する眼屈折力値とに基づき手術眼1の眼内レンズ
のパワーを算出するパワー決定手段とを有している。
この眼軸長算出手順、眼内レンズのパワー決定手順を
フローチャートに基づき説明する前に必要とする光学デ
ータを第3図、第4図を参照しつつ説明する。
第3図はコンタクトレンズ37が装用された手術眼1の
模式図を示し、第4図は眼内レンズ38がセットされた手
術眼1の模式図を示している。この第3図、第4図にお
いて、コンタクトレンズ37の前面曲率半径をr1、その後
面曲率半径r2、その厚さをd1、その屈折率をn2、涙液39
の厚さをd2、その屈折率をn3、角膜31の角膜前面の角膜
曲率半径をr3、その角膜後面の曲率半径をr4、その厚さ
をd3、その屈折率をn4、前房40の厚さをd5、その屈折率
をn5、眼内レンズ38の前面曲率半径をr5、その後両曲率
半径をr6、その厚さをn6、硝子体41の厚さをd7、その屈
折率をn7とする。なお、n1は空気中の屈折率である。
角膜曲率半径r3は測定によって求められ、そのr3の値
は一般に6.9mm〜8.5mmである。また、角膜曲率半径r4
文献等を参考にして6.8mmと仮定する。コンタクトレン
ズ37の曲率半径r1、r2、その厚さd1、眼内レンズ38の厚
さd6、コンタクトとレンズ37の屈折率n2、眼内レンズ38
の屈折率n6は仕様によって定められるもので、r1≒r2
r3、d1=0.2、d6=1.0、n2=n6=1.491とする。さら
に、涙液39の厚さd2、角膜31の厚さd3、角膜31の後面か
ら水晶体核(眼内レンズ38)の前面までの面間距離d5
空気の屈折率n1、涙液39の屈折率n3、角膜31の屈折率
n4、前房40の屈折率n5を文献等を参考にして下記のよう
に定める。
d2=0.1、d3=0.5、d5=3.6、n1=1.0、n3=n5==1.33
6、n4=1.376、n7=n5、r6=∞とする。これらの光学デ
ータは光学データ入力手段により入力する。
眼内レンズ38の前面の曲率半径r5、その眼内レンズ38
の後面から像点O′までの面間距離d7、角膜31の後面か
ら像点O′までの面間距離d4を演算手段36によって算出
する。
これらの演算は、近軸計算によって行うもので、第5
図に示すように、一般にk個の屈折面からなる球面系列
からなる光学系の近軸光線の追跡について考える。この
第5図において、Sは物点Oから第1面までの光軸距
離、S′は第K面から像点,O′までの光軸距離、dν′
はν番目の屈折面とν+1番目の屈折面との間の面間領
域(ν番目の屈折面とν+1番目の屈折面との間のレン
ズの厚さ)、Nν′=Nν+1はν番目の屈折面とν+1
番目の屈折面との間の屈折率、hνはν番目の屈折面に
おいての光軸からの高さ、U1は物点Oから出射して第1
面の高さh1の箇所に入射する光線の光軸に対する傾き
角、Uk+1は第k面の高さhkの箇所から出射して像点O′
に入射する光線の光軸に対する傾き角、Uν′、Uν+1
はν+1番目の屈折面に入射する光線の光軸に対する傾
き角、rνはν番目の屈折面の曲率半径である。
すると、下記の式が一般に成立する。
Nν′・Uν′=Nν+Uν+{(Nν−Nν′)・h
ν}/rν Nν′=Nν+1 Uν+1=Uν′ hν+1=hν−dν′・Uν′ Nν+1・Uν+1=Nν・Uν+{(Nν+1−Nν)・h
ν}/rν hν+1=hν−dν′Uν+1 但し、 S=h1/U1=1/U1 h1は任意の値であるが、ここでは、簡単化のためにh1
1とした。
S′=hk/Uk+1 なお、Sをジオプターで表現すると、 S=−1000/D1 となる。ここで、D1手術後に所望の予定眼屈折力値で
ある。
ここで、光線を物点Oから追跡するときは像点Oから
第1面までの光軸距離Sを定めて行い、像点O′から光
線追跡を行うときは第k面から物点O′までの光軸距離
S′を定めて行う。なお、この第5図においては、物点
Oに最も近い面を第1面としたが、像点O′に最も近い
面を第1面として光線追跡を行うことも可能である。
以下に、眼内レンズ38のパワー決定方法を図面を参照
しつつ説明する。
(眼軸長の算出手順) まず、第6図に示すように、角膜曲率半径測定手段と
しての角膜曲率半径測定光学系5により手術眼1の切開
前に角膜曲率半径r3を求めて記録する(S1)。そして、
手術眼1を切開して水晶体核24′の切除を行い(S2)、
水晶体核24′が切除された無水晶体眼である手術眼1に
コンタクトレンズ37を装用する(S3)。次に、水晶体核
24′が除去されかつコンタクトレンズ37を装用した手術
眼1の眼屈折力を眼屈折力測定手段としての眼屈折力測
定光学系4により測定する(S4)。これにより、水晶体
核24′が切除された手術眼1が有する眼屈折力にコンタ
クトレンズ37の眼屈折力を加味した眼屈折力が求められ
る。
次に、その眼屈折力値に基づき眼底24と共役な物平面
Oとコンタクトレンズ37の頂点Pとの間の眼軸方向距離
S0を算出する(S5)。前述した近軸計算の式に基づき、
物平面Oに対する像点O′の位置を算出する(S6)。そ
して、演算手段36により像点O′の位置から角膜31の後
面までの面間距離d4を算出し(S7)、d3+d4を算出して
この値を眼軸長Lとして用いる(S8)。
(眼内レンズのパワー決定手順) 眼内レンズ38を手術眼1に挿入後の所望の予定眼屈折
力値D1を決定する(S1)。次に、眼軸長測定手順のS7で
求めた面間距離d4に基づき眼内レンズ38の後面から像点
O′までの面間距離d7を算出する(S2)。そして、眼底
24と共役な像平面O1と手術眼1の角膜31の頂点位置との
間の面間距離S1を、下記の式 S1=(−1000)/D1 により求める(S3)。
次に、眼内レンズ38のパワーを仮にP′に定める。そ
して、前述の近軸計算の式を用いて手術眼1から像点ま
での面間距離S1′を求める。面間距離S1′のジオプター
表示を、 D1′=(−1000)/S1′とする(S4)。
そして、S5において、|D1−D1′|<0.1か否かを判
断する。S5においてノーのとき、演算手段36によりP′
=P′+0.1の処理を行って、新たにD1′を求める。こ
の新たに求めたD1′をD2′とする(S6)。そして、S7に
おいて、|D1−D2′|<0.1か否かを判断する。
S7において、ノーのときはS8に移行して、|D1−D1
|>|D1−D2′|か否かの判定を行う。S8においてイエ
スのときは、S6に移行して、再びP′=P′+0.1の処
理を行って、新たにD1′を求める。この新たに求めた
D1′をD2′とする。このS6〜S8の処理を繰り返すことに
より0.1づつ眼内レンズ38のパワーが更新される。
S8においてノーのときは、P′=P′−0.1とし、
D1′を求める(S9)。そして、S10に移行して、|D1−D
1′|<0.1か否かを判断する。S10においてノーのとき
は、S9に移行してP′=P′−0.1とし、D1′を再び求
め、この処理を繰り返す。S10において、イエスのとき
は、所望の眼屈折力D1を実現する眼内レンズ38のパワー
はP=P′として処理を終了する(S11)。
S5、S7において、イエスのときも所望の眼屈折力D1
実現する眼内レンズ38のパワーは、P=P′として処理
を終了する(S11)。従って、この処理を繰り返すこと
により眼内レンズ38のパワーPを0.1の精度で決定でき
る。
この実施例によれば、手術眼1に装用されるコンタク
トレンズ37についてプラスのパワーを有するものを用い
れば、水晶体核24′の除去後の手術眼1のパワーがマイ
ナスであるので、コンタクトレンズ37を装用して眼屈折
力値を測定すれば、ゼロジオプター近くになって便利で
ある。
なお、このパワー決定手順においての近軸計算では、
眼内レンズ38のパワーを入力するのではなく、眼内レン
ズ38の曲率半径r5を変数として入力する。この曲率半径
r5を変化させて近軸計算を行うこととした場合、パワー
Pの変動ΔP=0.01は曲率半径r5の変動Δr5は、Δr5
0.005に相当する。
ここでは、このような手順を踏んで得られたパワーを
有する眼内レンズ38を手術眼1に挿入することにする。
この眼内レンズ38の挿入位置を決定するために第8図、
第9図に示すテストレンズ装置を用いて前房深度を測定
する。
第8図は本発明に係わる前房深度決定装置に用いるテ
ストレンズ装置の第1実施例を示す図であって、この第
8図において、50はテストレンズ装置を構成する固定筒
であり、この固定筒50には移動筒51が設けられている。
この移動筒51の底部にはネジ部52が設けられ、このネジ
部52は固定筒50に回動可能に取り付けられた回転筒53の
内周部に螺合されている。移動筒51の先端部には、スプ
リングワイヤ54が取り付けられ、このスプリングワイヤ
54の先端部には第10図に示すテストレンズ55が取り付け
られている。ここで、移動筒51とスプリングワイヤ54と
はテストレンズ55を保持する保持手段として機能する。
その移動筒51の周部にはピン56が植設され、ピン56は
固定筒50の長手方向に形成されたスリット57を介して固
定筒50の外部に突出している。移動筒51は回転筒53を回
転させると上下方向に往復動され、この移動筒51の往復
動に伴ってワイヤスプリング54が矢印方向に往復され、
後述する前房深度の決定の際にテストレンズ55の眼軸方
向の位置調整が行われる。ここで、回転筒53はテストレ
ンズ保持手段を駆動する駆動手段として機能する。ピン
56はそのテストレンズ55の基準位置からの位置表示を行
う機能を有し、固定筒50の外周部にはスリット57の延び
る方向に沿って指示目盛りが形成されている。なお、5
3′は回転筒53に形成されたツマミ部である。
第9図はそのテストレンズ装置の第2実施例を示す図
であって、この第9図において、60は固定筒であり、こ
の固定筒60には中空筒61が上下方向に設けられ、この中
空筒61の下端には横方向に向かって延びる注入管62が設
けられ、その中空筒61の上端にはテストレンズ保持手段
とテストレンズとを構成するバルーン63が設けられてい
る。このバルーン63には注入管62と中空筒61とを介して
シリコン流体64が充満されるもので、注入管62に注射器
64′を差込み、シリコン流体64を注入するものである。
バルーン63はシリコン流体64が充満されると第11図に示
すように膨張してテストレンズ55を形成する。
これらのテストレンズ55は、第12図に示すように水晶
体核24′が除去された手術眼1に挿入されて、前房深度
が決定されるもので、このテストレンズ55としては眼内
レンズ28の光学データに対応させて各種のものを準備す
る。
(前房深さの決定手順) まず、第13図に示すように、水晶体核24′が除去され
た手術眼1にテストレンズ55を挿入した状態で、かつ、
コンタクトレンズを装用した状態で、その手術眼1の眼
屈折力D0を測定する。ここで、コンタクトレンズを装用
させて眼屈折力D0を測定するのは、角膜切開後は、たと
え、切開箇所が治癒したとしても乱視、歪みが発生する
からである。この測定には、ここでは、眼屈折力測定光
学系4を用いる。そして、第14図に示すフローチャート
に従って、眼屈折力D0、眼軸長L=d3+d4、r1〜r6、 d1〜d4、n1〜n7を演算手段36に入力する(S1)。ここ
で、r5、r6,d5、n6はテストレンズ55の光学データであ
り、ここでは、眼軸長L、角膜曲率半径r3については眼
軸長測定手順で得た測定値を用いる。次に、演算手段36
によりS0=−1000/D0の演算を行う(S2)。
そして、仮に前房深度をd50と定め、真の前房深度をd
5として、d5=d50とする(S3)。そして、d7の値を下記
の式を用いて求める(S4)。
d7=L−(d3+d5+d6)。
そして、近軸計算のサブルーチン処理を行い、眼内レ
ンズ38を挿入したときの眼底24と共役な位置S1を求める
(S5)。次に、S6に移行してS1とS0との差の絶対値が|
S1−S0|<0.05か否かを判別する。S6においてノーのと
きはS7に移行して、S1−S0>0か否かを判別する。
S7においてイエスのときはS8に移行して、d5=d5−0.
01の演算処理を行って、S4〜S8の処理を繰り返す。これ
によって、0.01ずつ仮の前房深度d50の値が加算されて
真の前房深度d5に近づくことになる。S7において、ノー
のときはS9に移行して、d5=d5+0.01の処理を行って、
S4〜S7、S9の処理を繰り返す。これによって、0.01ずつ
仮の前房深度d50の値が減算されて真の前房深度d5に近
づくことになる。そして、眼底24と共役な位置S1とS0
差が0.05以内になると、S6においてイエスと判定され、
S10に移行して前房深度d5がプリントアウトされる。こ
のようにして、真の前房深度が0.01mmの精度で決定され
る。
これらの一連の処理は測定回路26により行われ、測定
回路26は光学系と協働して、手術眼に挿入される眼内レ
ンズの光学データに対応する光学データを有するテスト
レンズを手術眼に挿入してテストレンズが挿入された手
術眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定手段としての役
割と、テストレンズが挿入された状態で測定された眼屈
折力に基づき眼内レンズを挿入した際の前房深度を算出
する算出手段としての役割とを果たす。
(発明の効果) 本発明に係わる手術眼の前房深度決定装置によれば、
水晶体核が除去された手術眼に挿入される眼内レンズの
前房深度を簡単に精度良好に決定できる。従って、白内
障の手術成績の向上を期待できることになる。
本発明に係わる前房深度決定装置に用いるテストレン
ズ装置によれば、前房深度測定の際にテストレンズの眼
軸方向の位置調整を簡単に行うことができる
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる眼内レンズのパワー決定装置の
光学系の概略構成を示す図、 第2図は第1図に示す測定回路の細部構成を示すブロッ
ク図、 第3図はコンタクトレンズが装用された手術眼1の模式
図、 第4図は眼内レンズがセットされた手術眼1の模式図、 第5図は近軸計算の説明に用いる説明図、 第6図は眼軸長測定手順のフローチャート、 第7図はパワー決定手順のフローチャート、 である。 第8図は本発明に係わる前房深度の決定装置に用いるテ
ストレンズ装置の第1実施例を示す図、 第9図は本発明に係わる前房深度の決定方法に用いるテ
ストレンズ装置の第2実施例を示す図、 第10図は第8図に示すテストレンズの正面図、 第11図は第9図に示すテストレンズの正面図、 第12図はそのテストレンズを手術眼に挿入した状態を示
す図、 第13図はコンタクトレンズとテストレンズとを装用した
手術眼の模式図、 第14図は本発明に係わる前房深度決定手順を示すフロー
チャート、 1…手術眼、4…眼屈折力測定光学系 5…角膜曲率半径測定光学系、24…眼底 24′…水晶体核、26…測定回路 31…角膜、37…コンタクトレンズ 38…眼内レンズ、51…移動筒 53…回転筒、54…スプリングワイヤ 55…テストレンズ、63…バルーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚里 博 奈良県橿原市四条町840 奈良県立医科 大学内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手術眼に挿入される眼内レンズの光学デー
    タに対応する光学データを有するテストレンズを前記手
    術眼に挿入して該テストンズが挿入された手術眼の眼屈
    折力を測定する眼屈折力測定手段と、 前記テストレンズが挿入された状態で測定された眼屈折
    力に基づき前記眼内レンズを挿入した際の前房深度を算
    出する算出手段と、 からなることを特徴とする手術眼の前房深度決定装置。
  2. 【請求項2】手術眼に挿入される眼内レンズの光学デー
    タに対応する光学データを有するテストレンズを保持す
    るテストレンズ保持手段と、該テストレンズ保持手段を
    前記テストレンズが眼軸方向に移送されるように駆動す
    る駆動手段とを備えた前房深度決定に用いるテストレン
    ズ装置。
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