JP2754400B2 - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

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JP2754400B2
JP2754400B2 JP1139694A JP13969489A JP2754400B2 JP 2754400 B2 JP2754400 B2 JP 2754400B2 JP 1139694 A JP1139694 A JP 1139694A JP 13969489 A JP13969489 A JP 13969489A JP 2754400 B2 JP2754400 B2 JP 2754400B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、可変容量型圧縮機に関し、特に起動性の向
上等を図った可変容量型圧縮機に関する。
(従来の技術) 従来、シリンダを成す一対のサイドブロックの少なく
とも一方に設けられ且つ吸入側と吐出側とに連通する圧
力作動室と、該圧力作動室内を前記吸入側と連通され吸
入圧が導入される低圧室と前記吐出側と連通され吐出圧
に応じた制御圧が導入される高圧室とに気密に区画する
如くしてスライド可能に嵌装された受圧部を有する制御
部材と、前記高圧室と前記吸入側とを連通する連通路を
開閉する弁体を有し前記吸入側の圧力が所定圧以下のと
きに開弁して前記高圧室内の制御圧を吸入側にリークさ
せる開閉弁機構とを備え、前記高圧室と前記低圧室との
差圧に応じて前記制御部材が回動して圧縮開始時期を制
御して吐出容量を可変制御するように構成された可変容
量型圧縮機が例えば特開昭62−20688号により公知であ
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記構成の可変容量型圧縮機においては、前記制御部
材の受圧部の周縁にはシール部材が装着されており、圧
力作動室の内壁と略一定の締め代を持って密接し、前記
第1、第2の空間の気密性を保ちながら受圧部がスライ
ド可能となるようにされている。
しかし、圧縮機の起動時、シール部材と圧力作動室と
の摩擦抵抗のために、制御部材の一部稼働位置から全稼
働位置への摺動性が十分でなく、吐出量の急速な増加が
得られず、所望の起動性が得られないという問題点があ
った。このため、前記吐出側と圧力作動室の高圧室とを
直接連通させるバイパス通路を設け、該バイパス通路
に、吐出側の圧力が所定値よりも低い場合に開弁する開
閉弁を設けることによって、一部稼働状態から全稼働状
態への転換が円滑に行われるようにした可変容量型圧縮
機が例えば特開昭62−178796号により公知である。
しかしながら、これら従来の圧縮機は、いずれも、圧
力作動室の高圧室から制御圧をリークする開閉弁機構の
弁体をばね部材により閉弁方向に付勢して閉弁する構成
であったので、該開閉弁機構の開閉動作のヒステリシス
によって、上記開閉弁機構を適時に開閉できなかった
り、制御圧のリーク流量を圧縮機の運転状態に応じて適
切に調節することができないと云う不都合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、圧縮
機の起動時、制御部材が容易に回転できるようにして起
動性を向上させると共に、圧縮機の吐出容量を制御する
制御圧を圧縮機の運転状態に応じて適切に調節して吐出
容量の可変制御性を向上させることができる可変容量型
圧縮機を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するために、シリンダを成す
一対のサイドブロックの少なくとも一方に設けられ且つ
吸入側と吐出側とに連通する圧力作動室と、該圧力作動
室内を前記吸入側と連通され吸入圧が導入される低圧室
と前記吐出側と連通され吐出圧に応じた制御圧が導入さ
れる高圧室とに気密に区画するように該圧力作動室内に
スライド可能に嵌装された受圧部を有する制御部材と、
前記高圧室と前記吸入側とを連通する連通路を開閉する
弁体を有し前記吸入圧の変化に応じて前記連通路を開閉
する開閉弁機構とを備え、前記高圧室と前記低圧室との
差圧に応じて前記制御部材が回動して圧縮開始時期を制
御して吐出容量を可変制御するように構成された可変容
量型圧縮機において、前記開閉弁機構の弁体に一端が当
接し前記吐出圧に応じた付勢力で該弁体を閉弁方向に付
勢するプランジャと、前記吐出圧と前記制御圧との差が
小さい時開弁し前記吐出圧を前記圧力作動室の高圧室に
導入する開閉弁とを設けたものである。
(作用) 圧力作動室の高圧室と吸入側とを連通する連通路を開
閉する弁体を有し吸入圧の変化に応じて上記連通路を開
閉する開閉弁機構を設けると共に、該開閉弁機構の弁体
に一端が当接し吐出圧に応じた付勢力で該弁体を閉弁方
向に付勢するプランジャを設けたことによって、上記弁
体の閉弁方向への付勢力が吐出圧の変化に即応して調節
され、このため、高圧室内の制御圧の吸入側へのリーク
流量を圧縮機の運転状態に応じて適切に調節することが
できるので、可変容量型圧縮機の吐出容量の可変制御性
が向上する。また、吐出圧と圧力作動室の高圧室内の制
御圧との差が小さい時開弁し吐出圧を高圧室に導入する
開閉弁を設けたことによって、吐出圧が比較的小さい圧
縮機の起動時にも制御圧が速やかに上昇して制御部材が
敏速に全稼働位置側に回動するので、圧縮機の起動性が
向上する。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例に係る可変容量型ベーン
型圧縮機を軸心を通る45度の角度で切った縦断面図であ
る。
第1図及び第2図に示すように、可変容量型ベーン型
圧縮機は、略楕円形の内周面1aを有するカムリング1
と、該カムリング1の両側端を閉塞する如く該両側端に
夫々固定されたフロントサイドブロック3及びリヤサイ
ドブロック4とから成るシリンダと、該シリンダ内に回
転自在に収納された円筒状のロータ2と、該両サイドブ
ロック3,4の外側端に夫々固定されたフロントヘッド5,
リヤヘッド6と、ロータ2の回転軸7とを主要構成要素
としており、回転軸7は前記両サイドブロック3,4に夫
々設けた軸受8,9に回転可能に支持されている。
フロントヘッド5の上面には熱媒体である冷媒ガスの
吐出口5aが、リヤヘッド6の上面には冷媒ガスの吸入口
6aが夫々形成されている。吐出口5aはフロントヘッド5
とフロントサイドブロック3とにより画成される吐出室
10に、吸入口6aはリヤヘッド6とリヤサイドブロック4
とにより画成される吸入室11に夫々連通している。
第2図に示すように、カムリング1の内周面1aとロー
タ2の外周面との間に、周方向に180度偏位して対称的
に2つの圧縮空間12,12が画成されている。ロータ2に
はその径方向に沿うベーン溝13が周方向に等間隔を存し
て複数(例えば5個)設けられており、これらのベーン
溝13内にベーン141〜145がそれぞれ放射方向に沿って出
没自在に嵌装されている。
前記リヤサイドブロック4には、第1図及び第4図に
示すように、周方向に180度偏位した対称な位置に吸入
ポート15が設けられている(第1図は軸心を通る45度の
角度で切った縦断面図であるので、第1図では一方の吸
入ポート15のみが見えている)。該各吸入ポート15はリ
ヤサイドブロック4の厚さ方向に貫通しており、各吸入
ポート15を介して吸入室11と各圧縮空間12とが夫々連通
されている。
カムリング1の外周壁には、第1図及び第2図に示す
ように、吐出ポート16が、周方向に180度偏位して対称
的に複数個ずつ、例えば2個ずつ穿設されている。吐出
ポート16のあるカムリング1の外周壁には、弁止め部17
aを有する吐出弁カバー17,17がボルト18により夫々固定
されている。カムリング1の外周壁と弁止め部17aとの
間には、吐出弁カバー17側に保持された吐出弁19が夫々
介装され、該各吐出弁19は吐出圧を受けたときに開弁し
て各吐出ポート16を夫々開口するように成っている。さ
らに、カムリング1には各吐出弁19の開弁時に各吐出ポ
ート16に夫々連通する連通路20が、フロントサイドブロ
ック3には該連通路20に連通する連通路21が夫々周方向
に180度偏位したほぼ対称な位置に形成されている。そ
して、各吐出ポート16が開口したときには、圧縮空間12
内の圧縮された冷媒ガスは吐出ポート16、連通路20,2
1、吐出室10及び吐出口5aを順次介して吐出されるよう
に成っている。
第1図及び第4図に示すように、リヤサイドブロック
4には、そのロータ2側端面に環状凹部22が設けられて
おり、該環状凹部22内には2つの圧力作動室23が周方向
に180度偏位した対称な位置に設けられている。環状凹
部22内には、リング状の制御部材24が正逆回転可能に嵌
装されている。
該制御部材24は各圧縮空間12の圧縮開始時期を制御す
るためのもので、その外周縁にはその周方向に180度偏
位した対称な位置に円弧状の切欠部25が設けられてい
る。制御部材24の一側面には周方向に180度偏位した対
称な位置に突片状の受圧部26が一体的に突設され、該受
圧部26により圧力作動室23内は低圧室231と高圧室232
に夫々2分されている。第1図に示すように受圧部26の
周縁にはシール部材27が装着され、該シール部材27は弾
性シール部材27aと樹脂シール部材27bとの二重構造であ
る。シール部材27は圧力作動室23の内壁のうち後述する
一部稼働位置に対応する部分(第5図の36,36)以外の
部分と所定の締め代を持って密接しており、低圧室231
内のガスと高圧室232内のガスが互いに漏れないように
為され、かつ第4図に示すように、受圧部26が各圧力作
動室23内にスライド可能となるように設けられている。
前記各切欠部25の、ロータ2の回転方向(第2図及び第
4図で反時計方向)の前側端部251は、周方向に180度偏
位した対称な位置に設けられている。各低圧室231は吸
入ポート15を介して吸入室11と連通し、該各低圧室231
内には低圧である吸入圧Psが導入される。
一方、高圧室232,232の一方は、リヤサイドブロック
4に夫々設けられたオリフィス28及び連通路29と、カム
リング1に設けられた制御圧供給ポート30とを介してカ
ムリング1に設けられた前記連通路20に連通している。
また、各高圧室232は、リヤヘッド6に設けられた連通
路31を介して互いに連通している。従って、各吐出ポー
ト16が開口したときには、圧縮空間12から吐出された高
圧の冷媒ガスが吐出ポート16、連通路20、制御圧供給ポ
ート30、連通路29及びオリフィス28を介して一方の高圧
室232に導入されると共に、連通路31を介して他方の高
圧室232にも導入され、各高圧室232内に制御圧Pcが形成
される。
また、高圧室232,232の一方は、第1図に示すよう
に、リヤサイドブロック4の内部に設けられた連通路32
及び開閉弁機構33を介して吸入室11に連通可能である。
該開閉弁機構33は、吸入室11内の吸入圧Psに応動して開
閉作動し、開弁時に高圧室232内の制御圧Pcを吸入室11
側にリークさせるもので、圧力応動部であるベローズ33
aと、ケース33bと、ボール弁体33cと、該ボール弁体33c
を閉弁方向に付勢するばね33dとから成る。ベローズ33a
は吸入室11内に伸縮可能に配設され、ケース33bは、リ
ヤサイドブロック4に設けられた且つ連通路32と連通し
た装着孔34に装着されている。そして、このベローズ33
aは、吸入圧Psが調節部材33eにより設定される所定値
(例えば2kg/cm2)以上の時は縮小し、このときボール
弁体33cはケース33bの中央孔33fを閉弁する。一方、吸
入圧Psが所定値以下の時にはベローズ33aは伸張し、ボ
ール弁体33cは中央孔33fを開弁する。このとき高圧室23
2の一方は、連通路32、装着孔34、ケース33bの孔33g、
ケース33b内の室33h及びケース33bの中央孔33fを介して
吸入室11と連通する。リヤサイドブロック4に形成され
た貫通孔39にはプランジャ37が嵌装され、連通路20から
高圧導入孔40を介して導入された吐出圧Pdにより、ボー
ル弁体33cを閉弁方向に付勢するように該弁体33cに接し
ている。
第1図に示すように、前記吸入室11内にはねじりコイ
ルばね35が設けられている。このねじりコイルばね35
は、リヤサイドブロック4のボス部4aの周囲に配設さ
れ、その一端35aは第4図に示すように制御部材24の側
面に係止され、その他端35bは第1図に示すようにボス
部4aに係止されている。
第5図に示すように両圧力作動室22,23(一方のみ図
示)の一部稼働側の一端a1からa2に亘る角度θ(例えば
20゜)の範囲は、内壁の幅を大きく設けた拡大内幅部3
6,36となっている。該拡大内幅部36,36は受圧部26のシ
ール部材27との締め代を小さくし(例えば拡大内幅部3
6,36以外の部分0.5mmに対し0.2mmにする)摩擦抵抗を減
少させるためのものであり、圧縮機の起動時において受
圧部26が一部稼働位置から全稼働位置側に円滑に移動す
るために設けられている。又、摩擦抵抗の減少により低
負荷時に受圧部26の執り得る一部稼働極端位置が第5図
においてより右側に移るので、制御部材24の回動範囲が
拡大され、従って吐出容量の可変率(制御部材24の回動
範囲)が大きくなり、制御性が向上する。又、制御部材
は全稼働位置側から一部稼働位置側への回動も容易にな
るため、受圧部を付勢するねじりコイルばねのセット荷
重を小さく設定することが可能となり、従って起動時の
応答性をより向上させることができる。
第5図に詳細に示すように、高圧室232と連通する連
通孔38aがリヤサイドブロックに形成され、該連通孔38a
を開閉する開閉弁38が弁体収納筒部38b内で同図に示す
開弁位置と閉弁位置との間で偏位するボール弁体38c
と、該ボール弁体38cと開弁位置側に付勢するばね38d
と、ボール弁体38cを開弁位置で係止する係止ピン38eと
から成る。ばね38dは吐出圧Pdと制御圧Pcとの差ΔPが
所定値(3kg/cm2)以下の時、ボール弁体38cが連通孔38
aを開き、ΔPが所定値以上の時、ボール弁体38Cが連通
孔38aを閉じるようにそのセット荷重が設定されてい
る。
一般に、圧縮空間12から高圧室232に供給される吐出
圧冷媒ガス量は高圧室232内圧力Pcにより決まると共
に、開閉弁機構33により高圧室232から排出される冷媒
ガス量にも応じて規制される。ここで、本発明の開閉弁
38を設けない第7図に示す従来構成においては、オリフ
ィス28から高圧室232に吐出圧Pdを供給する連通路の断
面積をS、高圧室232内圧力Pcを開閉弁機構33を介して
吸入室11に排出する連通路(中央孔33f)の断面積を
S′とすると次式が成立する。
開閉弁機構33により制御される吸入圧Psの所定値が例
えば2kg/cm2であるとした場合、圧力制御が正常に行わ
れるにはPc−Ps≦0.2kg/cm2となることが必要であるの
で、常にPcは2.2kg/cm2以下に制御されねばならない(P
c≦2.2kg/cm2)。この範囲内で圧力制御を行うには、連
通路断面積Sに対する連通路断面積S′の比S′/Sを吐
出圧Pdに応じて決定する必要がある。例えば吐出圧Pdが
比較的高い14kg/cm2の時、上記(2)により となる。
又、吐出圧Pdが比較的低い6kg/cm2の時、 となる。
通常は全稼働位置側から一部稼働作動位置側への変化
の応答性を確保するために、S′/S≒9となるように設
定してある。
第5図に示す本実施例のように開閉弁38を設けた場
合、連通孔38aの断面積をS′とした場合、上記式
(1),(2)より次式が成立する。
開閉弁38は圧縮機の起動時や低負荷時、即ち吐出圧が
低い時は、例えばPd−Pc=ΔP≦3kg/cm2となる時に開
弁するので、上記式(4)により、 となる。
よって、連通孔38aの断面積S″は、上記式(5)に
より連通路断面積Sの約1.3倍に設定すれば圧力制御が
確実に行われる。
次に上記構成を有する可変容量型ベーン型圧縮機の作
動を説明する。
各圧縮機12において、吸入行程にある相前後する2つ
のベーン間の各圧縮室12内に冷媒ガスが吸入室11から各
吸入ポート15及び切欠部25を介して夫々吸入され、該2
つのベーンのロータ回転方向後側ベーンが各切欠部25の
前側端部251を通過し、これによって前記2つのベーン
間の各圧縮室12と各吸入ポート15との連通が断たれた時
点で圧縮行程が開始される。この圧縮開始時期は、制御
部材24が第2図の全稼働位置から第3図の一部稼働位置
側に回動するにつれ遅くなり、これによって吐出容量が
連続的に減少する。即ち、制御部材24が一部稼働位置に
あるときには、制御部材24の各切欠部25の前側端部251
はロータ回転方向における最も前側の位置にあって圧縮
開始時期が最も遅く、相前後する2つのベーン間に閉じ
込められる冷媒ガスの体積が最小となって吐出容量が最
小となり、制御部材24が全稼働位置にあるときには、各
切欠部25の前側端部251がロータ回転方向における最も
後側の位置にあって圧縮開始時期が最も早く、相前後す
る2つのベーン間に閉じこめられる冷媒ガスの体積が最
大となって吐出容量が最大となる。制御部材24は、低圧
室231内に導入された吸入圧Psとねじりコイルばね35の
付勢力との合力と、高圧室232内の制御圧Pcとの差を受
圧部26に受けることにより全稼働位置と一部稼働位置と
の間で正逆回転する。すなわち、吸入圧Psが所定値以上
のとき、開閉弁機構33のベローズ33aは縮小してボール
弁体33cが中央孔33fを開弁するため該開閉弁機構33は閉
弁し、高圧室232内の制御圧Pcが上昇して制御部材24は
全稼働位置側に回動し、これによって吐出容量が増大す
る。吐出圧Pdが高いとプランジャ37がボール弁体33cを
押す力が大きくなり、吸入圧Psの値は低めに制御され
る。吸入圧Psが所定値以下になると、ベローズ33aは伸
張してボール弁体33cが中央孔33fを開弁するため開閉弁
機構33が開弁し、高圧室232内の制御圧Pcが吸入室11側
にリークして低下し、制御部材24は一部稼働位置側に回
動し、これによって吐出容量が減少する。吐出圧Pdが低
いと、プランジャ37がボール弁体33cを押す力が小さく
なり、吸入圧Psの値は高めに制御される。
圧縮機の起動時、制御部材24の受圧部26が圧力作動室
23の一部稼働側極端位置にあるが、吐出圧Pdが所定値に
達するまで、即ち、ΔP(=Pd−Pc)が所定値(3kg/cm
2)以下のときは、開閉弁38のボール弁体38cはばね38d
の付勢力により開弁位置にあり、開閉弁38は、連通孔38
aを開き、吐出圧Pdが連通孔38aを介して高圧室232に導
入される。この吐出圧Pdの導入により特に本実施例の場
合、シール部材27の締め代が小さく摩擦抵抗が小さいた
め、受圧部26は円滑に全稼働位置側に摺動する。
圧縮機の起動後、吐出圧Pdが所定値に達して定常運転
状態になると、吐出圧Pdはボール弁体38cをばね38dの付
勢力に抗して変位させ、連通孔38aを閉じる。これによ
って所定値以上となった高圧の吐出圧が、高圧室232
導入されるのが阻止され、オリフィス28のみからの吐出
圧Pdによる通常の圧力制御が行われる。
従って、一部稼働位置から全稼働位置側への敏速な対
応を必要とする起動時においては、吐出圧Pdがオリフィ
ス28及び開閉弁38の双方から導入されるので、制御部材
のスムーズな回動が可能となると共に、前述のようにシ
ール部材27の締め代を減少した場合はかかる減少による
シール性の低下のため高圧室232内制御圧Pcが上昇しな
い不具合がなく、確実に制御部材を全稼働位置側に移動
させることができる。
上記実施例は、開閉弁38を第5図に示すように高圧室
232に直接連通して設けたが、第6図に示すように、高
圧室232と開閉弁機構33とを連通する連通路32に設けて
も、上述と同様の効果が得られる。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明の可変容量型圧縮機は、
吐出圧と制御圧との差が小さい時開弁し吐出圧を前記圧
力作動室の高圧室に導入する開閉弁を設けたので、圧縮
機の起動時、制御部材は一部稼働位置から全稼働位置側
へ容易に回動することができ、起動性が向上すると共
に、圧力作動室の高圧室と吸入側とを連通する連通路を
開閉する弁体を有し吸入圧の変化に応じて上記連通路を
開閉する開閉弁機構を設けると共に、該開閉弁機構の弁
体に一端が当接し吐出圧に応じた付勢力で該弁体を閉弁
方向に付勢するプランジャを設けたので、圧縮機の吐出
容量を制御する制御圧の吸入側へのリーク流量を圧縮機
の運転状態に応じて適切に制御することができ、圧縮機
の吐出容量の可変制御性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図は可変容量型ベーン型圧縮機を軸心を通る45度の角
度で切った縦断面図、第2図は第1図のII−II線に沿う
断面図で、制御部材が全稼働位置にある状態を示す図、
第3図は第2図と同様の断面図で、制御部材が一部稼働
位置にある状態を示す図、第4図は第1図のIV−IV線に
沿う断面図、第5図は本発明の第一実施例に係る容量制
御機構部分の概略構成図、第6図は本発明の他の実施例
を示す第5図と同様の図、第7図は従来の吐出容量制御
機構部分の概略構成図である。 23……圧力作動室、231……低圧室、232……高圧室、24
……制御部材、26……受圧部、38……開閉弁、Pd……吐
出圧、Pc……制御圧。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダを成す一対のサイドブロックの少
    なくとも一方に設けられ且つ吸入側と吐出側とに連通す
    る圧力作動室と、該圧力作動室内を前記吸入側と連通さ
    れ吸入圧が導入される低圧室と前記吐出側と連通され吐
    出圧に応じた制御圧が導入される高圧室とに気密に区画
    するように該圧力作動室内にスライド可能に嵌装された
    受圧部を有する制御部材と、前記高圧室と前記吸入側と
    を連通する連通路を開閉する弁体を有し前記吸入圧の変
    化に応じて前記連通路を開閉する開閉弁機構とを備え、
    前記高圧室と前記低圧室との差圧に応じて前記制御部材
    が回動して圧縮開始時期を制御して吐出容量を可変制御
    するように構成された可変容量型圧縮機において、前記
    開閉弁機構の弁体に一端が当接し前記吐出圧に応じた付
    勢力で該弁体を閉弁方向に付勢するプランジャと、前記
    吐出圧と前記制御圧との差が小さい時開弁し前記吐出圧
    を前記圧力作動室の高圧室に導入する開閉弁とを設けた
    ことを特徴とする可変容量型圧縮機。
JP1139694A 1989-06-01 1989-06-01 可変容量型圧縮機 Expired - Lifetime JP2754400B2 (ja)

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