JP2750235B2 - アリーレンスルフィドポリマーの調製方法 - Google Patents

アリーレンスルフィドポリマーの調製方法

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JP2750235B2
JP2750235B2 JP4023565A JP2356592A JP2750235B2 JP 2750235 B2 JP2750235 B2 JP 2750235B2 JP 4023565 A JP4023565 A JP 4023565A JP 2356592 A JP2356592 A JP 2356592A JP 2750235 B2 JP2750235 B2 JP 2750235B2
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arylene sulfide
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0259Preparatory processes metal hydrogensulfides

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明はアリーレンスルフィドポリマーの製造に関す
る。一つの面では、本発明は高分子量のアリーレンスル
フィドポリマーの製造に関する。別の面では、本発明は
高分子量のフェニレンスルフィドポリマーの製造に関す
る。
【0002】高分子量のアリーレンスルフィドポリマー
は当該技術に周知のものであり、米国特許第3,91
9,177号明細書はこれらのポリマーを製造する方法
の典型例である。この特許文献は当該技術における意味
のある、そして貴重な進歩を代表するものではあるが、
重合の1サイクルの総時間を減らし、それによって重合
反応器の生産性を高める為の簡単化したプロセスに対す
る必要性がある。
【0003】発明の要約 より短い重合サイクル時間を持つ高分子量のアリーレン
スルフィドポリマーを製造する方法を提供するのが本発
明の一つの目的である。
【0004】一つの具体例において、アリーレンスルフ
ィドポリマーの重合の中で脱水のサイクル時間を減少す
ることによってより短い重合サイクル時間を達成する為
の簡単化された方法が今や発見された。脱水時間を減少
する為に重合が開始された後にアルカリ金属カルボン酸
塩の水性の混合物を添加できること、そして而も依然と
して製造されるアリーレンスルフィドポリマーの分子量
は匹敵できるものであるとの発見は全く予期もしなかっ
た。仮令、アルカリ金属カルボン酸塩が重合の開始以前
に添加すればポリマーの分子量を増加する重合調節剤と
して機能することは当該技術には周知のものであったと
しても。更に、例えば、脱水中に重合調節剤が存在する
と発泡を招き、結果として脱水のサイクル時間が増加す
るので、望ましくは重合調節剤は重合の後段に添加すべ
きであるという情況の中でアリーレンスルフィドポリマ
ーの重合中に短い重合時間が得られる簡単化した方法が
今や見出だされた。アルカリ金属カルボン酸塩の水性混
合物が重合を開始した後に添加することができ、而も依
然として匹敵する分子量のアリーレンスルフィドポリマ
ーを製造できるという事実も同じく予想外のことであ
る。
【0005】本発明によれば、(a)少なくとも一種の
硫黄源と少なくとも一種の環式の有機アミドから成る水
性混合物を脱水して脱水混合物を形成し、(b)該脱水
混合物に少なくとも一種のジハロ‐芳香族化合物を接触
させて重合用混合物を製造し、(c)該重合用混合物を
アリーレンスルフィドポリマーを形成するに足る温度と
時間の重合条件下に付し、そして(d)形成したアリー
レンスルフィドポリマーを回収する各工程からなり、こ
こで、アルカリ金属カルボン酸塩の水性混合物を、ジハ
ロ−芳香族化合物の転化率が約40%に達した後で且つ
重合の終結段階に入る前の約30分前までに重合用混合
物に添加する、アリーレンスルフィドポリマーの調製方
法が提供される。
【0006】更に本発明によれば、(a)少なくとも一
種の本質的に無水の硫黄源、少なくとも一種の環式有機
アミド、及び少なくとも一種のジハロ‐芳香族化合物を
接触させて重合用混合物を形成し、(b)該重合用混合
物をアリーレンスルフィドポリマーを形成するに足る温
度と時間の重合条件下に重合し、そして(c)アリーレ
ンスルフィドポリマーを回収する各工程からなり、ここ
で、アルカリ金属カルボン酸塩の水性混合物を、ジハロ
−芳香族化合物の転化率が約40%に達した後で且つ重
合の終結段階に入る前の約30分前までに重合用混合物
に添加する、アリーレンスルフィドポリマーの調製方法
が提供される。
【0007】発明の詳細な記述 本発明は(a)少なくとも一種の硫黄源と少なくとも一
種の環式の有機アミドから成る水性の混合物を脱水して
脱水混合物を形成し、(b)脱水混合物に少なくとも一
種のジハロ‐芳香族化合物を接触させて重合用混合物を
製造し、(c)重合用混合物をアリーレンスルフィドポ
リマーを形成するに足る温度と時間の重合条件下に重合
し、そして(d)アリーレンスルフィドポリマーを回収
する各工程からなり、ここで、重合用混合物にアルカリ
金属カルボン酸塩の水性混合物を、ジハロ‐芳香族化合
物の転化率が約40パーセントに達した後で且つ重合の
終結段階に入る前の約30分までに添加する、高分子量
のアリーレンスルフィドポリマーの調製方法に関する。
【0008】別の具体例では、本発明は、(a)少なく
とも一種の本質的に無水の硫黄源、少なくとも一種の環
式の有機アミド、及び少なくとも一種のジハロ‐芳香族
化合物を接触させて重合用混合物を形成し、(b)重合
用混合物をアリーレンスルフィドポリマーを形成するに
足る温度と時間の重合条件下に重合し、そして(c)ア
リーレンスルフィドポリマーを回収する各工程からな
り、ここで、重合用混合物にアルカリ金属カルボン酸塩
の水性混合物を、ジハロ‐芳香族化合物の転化率が約4
0パーセントに達した後で且つ重合の終結段階に入る前
の約30分までに添加する、高分子量のアリーレンスル
フィドポリマーの調製方法に関する。
【0009】本発明に従って造られたアリーレンスルフ
ィドポリマーは容易に回収することができ、それらのア
リーレンスルフィドポリマーが望まれる用途、例えば、
フィルム、繊維、成形コンパウンド及び複合材料などに
良く適している。用語、“アリーレンスルフィドポリマ
ー”は下記の式によって定義される: 但し、式の‐Ar‐S‐は反復単位であり、iはポリマ
ー分子中の反復単位の数を示し、Arは次の構造式から
成る群から選ばれる化合物である: 但し、上記の式でRは、水素原子と炭素原子数が1から
約4のアルキル基から構成される群から選ばれ、反復単
位の中のR基の全部における炭素原子の総数は0〜約1
2である。
【0010】本発明の方法に従って利用されるアルカリ
金属カルボン酸塩は式R′(COM)zによって表わ
すことができる。但し、式中のR′は、アルキル、シク
ロアルキル及びアリール並びにそれらの組み合わせであ
るアルカリール、アラルキル等から選ばれる炭化水素ラ
ジカルであり、該R′中の炭素原子の数は1から約20
の範囲内にあり、Mはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム及びセシウムから選ばれるアルカリ金属
であり、zは1〜3の整数である。
【0011】アルカリ金属カルボン酸塩の混合物は、こ
こではアルカリ金属カルボン酸塩の水溶液または水性ス
ラリーとして定義される。アルカリ金属カルボン酸塩の
混合物は、ジハロ‐芳香族化合物の転化率が約40パー
セントに達した後で且つ重合の終結段階に入る前の約3
0分までに、好ましくは、ジハロ‐芳香族化合物の転化
率が約45パーセントに達した後で且つ重合の終結段階
に入る前の約60分までに、最も好ましくは、ジハロ‐
芳香族化合物の転化率が約65パーセントに達した後で
且つ重合の終結段階に入る前の約60分までに重合混合
物に添加される。ここで用いられるジハロ‐芳香族化合
物の転化率とは次式によって定義される: 但し、上の式で過剰ジハロ‐芳香族化合物は、ジハロ‐
芳香族化合物を装入する時に硫黄源に関して相対的に過
剰のジハロ‐芳香族化合物の量であり、残留ジハロ‐芳
香族化合物は転化率を測定する時に残っているジハロ‐
芳香族化合物の量である。ジハロ‐芳香族化合物のモル
数が硫黄源のモル数に等しいか、又はそれより小さい時
は、上の方程式の過剰ジハロ‐芳香族化合物はゼロに等
しくなるだろう。ここで用いられる“重合の開始”と
は、重合混合物が重合を開始するのに十分な重合条件を
初めて受ける時点として定義される。ここで用いられる
“重合の終結段階に入る”とは、例えば、重合混合物か
らアリーレンスルフィドポリマーの回収を開始する等に
より、重合を有効に存続させるのに必要な条件を除去し
ても良いという積極的なステップを取る時点として定義
される。“重合の終結段階に入る”とは言っても、必ず
しもアリーレンスルフィドポリマーの重合が即座に終結
するとは限らない。寧ろ、経済的な理由からは、重合が
事実上終了した時点で、即ち、更に重合を続けることに
よって齎らされるであろうポリマーの分子量の増加が、
更に重合を続けるだけの価値を保証する程の意味が無く
なった時点でポリマーの回収が一般に開始される。
【0012】本発明のプロセスに用いることができるア
ルカリ金属カルボン酸塩の幾つかの例には、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸リチ
ウム、プロピオン酸ナトリウム、2‐メチル‐プロピオ
ン酸リチウム、酪酸ルビジウム、バレリアン酸リチウ
ム、バレリアン酸ナトリウム、ヘキサン酸セシウム、ヘ
プタン酸リチウム、2‐メチルオクタン酸リチウム、ド
デカン酸カリウム、4‐エチルテトラデカン酸ルビジウ
ム、オクタデカン酸ナトリウム、ヘンエイコサン酸ナト
リウム、シクロヘキサンカルボン酸リチウム、シクロド
デカンカルボン酸セシウム、3‐メチルシクロペンタン
カルボン酸ナトリウム、シクロヘキシル酢酸カリウム、
安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリ
ウム、m‐トルイル酸カリウム、フェニル酢酸リチウ
ム、4‐フェニルシクロヘキサンカルボン酸ナトリウ
ム、p‐トリル酢酸カリウム、4‐エチルシクロヘキシ
ル酢酸リチウム、アジピン酸ナトリウム、テレフタル酸
ナトリウム等及びその混合物が含まれる。使用した時の
効果と市場での入手のし易さから見て、差し当たって好
ましいアルカリ金属カルボン酸塩は酢酸ナトリウムであ
る。
【0013】本発明に従って使用されるアルカリ金属カ
ルボン酸塩の量は、使用される硫黄源化合物を基準とし
たモル比を用いて表わすことができる。広く言えば、ア
ルカリ金属カルボン酸塩対硫黄源化合物のモル比は、約
0.002:1から約4:1、好ましくは約0.1:1
から約2:1の範囲であろう。
【0014】本発明に従って使用されるジハロ‐芳香族
化合物は、1分子当たり、6個から約22個の炭素原子
を有する化合物である。ジハロ‐芳香族化合物上のハロ
ゲン置換基は、塩素、臭素及び沃素から構成される群か
ら選ぶことができる。好ましくは、ジハロ‐芳香族化合
物はジハロ‐置換ベンゼン、より好ましくはジクロロ‐
置換ベンゼンである。ジハロ‐芳香族化合物がp‐ジク
ロロベンゼン、並びにm‐ジクロロベンゼン、o‐ジク
ロロベンゼン及び下記の式 を有するアルキル‐置換ジクロロベンゼンの少なくとも
一種を合計で0〜約10モルパーセント含むp‐ジクロ
ロベンゼンとの混合物から構成される群から選ばれる時
に特に良い結果が期待される。但し、上の式でRは前に
本明細書の中で定義したようなものであり、少なくとも
一つのRは水素ではない。
【0015】幾つかの適当なジハロ‐芳香族化合物の例
を挙げれば、p‐ジクロロベンゼン、p‐ジブロモベン
ゼン、p‐ジヨードベンゼン、1‐クロロ‐4‐ブロモ
ベンゼン、1‐クロロ‐4‐ヨードベンゼン、1‐ブロ
モ‐4‐ヨードベンゼン、2,5‐ジクロロトルエン、
2,5‐ジクロロ‐p‐キシレン、1‐エチル‐4‐イ
ソプロピル‐2,5‐ジブロモベンゼン、1,2,4,
5‐テトラメチル‐3,6‐ジクロロベンゼン、1,
2,4,5‐テトラブチル‐3,6‐ジクロロベンゼ
ン、1‐エチル‐3‐ブチル‐2,5‐ジクロロベンゼ
ン、1‐エチル‐2,5‐ジヨードベンゼン、1‐ブチ
ル‐2,5‐ジクロロベンゼン、1‐ブチル‐4‐エチ
ル‐2,5‐ジブロモベンゼン、o‐ジクロロベンゼ
ン、m‐ジクロロベンゼン等、及びその二種又は二種以
上の混合物がある。有効性と市場での入手のし易さから
言って、当面好ましいジハロ‐芳香族化合物は、p‐ジ
クロロベンゼンである。
【0016】本発明のプロセスに用いられる環式の有機
アミドは、使用される反応温度と反応圧力において事実
上液体であるべきである。環式の有機アミドは、1分子
当たり、5個から約12個の炭素原子を持つことができ
る。幾つかの適当な環式の有機アミドの例には、N,
N′‐エチレンジピロリドン、N‐メチル‐2‐ピロリ
ドン、ピロリドン、カプロラクタム、N‐エチルカプロ
ラクタム、N‐メチルカプロラクタム及びその混合物が
含まれる。その効果と市場での入手のし易さから見て、
当面好ましい環式の有機アミドは、N‐メチル‐2‐ピ
ロリドンである。本発明の方法に従って用いられる環式
の有機アミドの量は、硫黄源化合物に対する環式の有機
アミドのモル比を用いて表わすことができる。広く言え
ば、環式の有機アミド対硫黄源化合物のモル比は、約
1.5:1から約25:1、好ましくは約2:1から約
8:1であろう。
【0017】脱水段階を必要とする本発明の具体例によ
れば、アリーレンスルフィドポリマーの製造に使用でき
る適当な硫黄源は、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属
水硫化物、チオラクタム、及び硫化水素を含む。本質的
に無水の硫黄源を必要とする本発明の具体例では、アリ
ーレンスルフィドポリマーの製造に使用できる適当な硫
黄源は、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物及
びチオラクタムを含むが、それらに限定されない。ここ
で用いられる“本質的に無水の硫黄源”という言葉は、
水を含まないか、含んでも事実上重合に悪影響を与えな
いような少量の水を含む硫黄源として定義される。更に
本発明によれば、追加のアルカリ金属水酸化物が存在し
なくても良好な結果を以てアルカリ金属硫化物を使用で
きるが、一方、アルカリ金属水酸化物のような追加の塩
基が存在する場合は、好ましくは他の適当な硫黄源が本
発明のプロセスに用いられる。使用する硫黄源がアルカ
リ金属水硫化物とチオラクタムの場合は、追加されるア
ルカリ金属水酸化物の量は、アルカリ金属水硫化物また
はチオラクタムの1モル当たり一般に約0.3から約
4、好ましくは約0.4から約2モルの範囲内にあるだ
ろう。本質的に無水のアルカリ金属水硫化物またはチオ
ラクタムを用いる時は、アルカリ金属水酸化物も同様に
本質的に無水の物であるべきである。ここで言う本質的
に無水のアルカリ金属水酸化物とは、水を全く含まない
か、又は含むとしても重合に事実上悪影響を与えない程
度の少量の水を含むアルカリ金属水酸化物として定義さ
れる。硫黄源として硫化水素を用いる時は、追加される
アルカリ金属水酸化物の量は、使用する硫化水素の1モ
ル当たり、一般に約1.3から約5モル、好ましくは約
1.4から約3モルの範囲内にあるだろう。
【0018】本発明に従って使用できるアルカリ金属水
酸化物には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、及び
その混合物が含まれる。市場での入手のし易さとこの化
合物を用いて好結果が得られることから、水酸化ナトリ
ウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物は、本発明のプ
ロセスにおいて水溶液として、又は無水の形で使用する
ことができる。例えば、約50重量パーセントの水酸化
ナトリウムを含む水酸化ナトリウムの水溶液は使用に便
利である。
【0019】本発明に従って用いることができるアルカ
リ金属水硫化物は、水硫化ナトリウム、水硫化リチウ
ム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウ
ム、及びその混合物を含む。市場での入手のし易さとそ
れを用いて好結果が得られることから、水硫化ナトリウ
ムが好ましく用いられる。本発明のプロセスでは、アル
カリ金属水硫化物は水溶液として便利に利用することが
できる。例えば、約60重量パーセントの水硫化ナトリ
ウムを含む水硫化ナトリウム水溶液は使用するのに便利
である。
【0020】本発明に従って使用できるチオラクタムに
は、2‐ピロリジンチオン、N‐メチル‐2‐ピロリジ
ンチオン、N‐エチル‐2‐ピロリジンチオン、N‐シ
クロヘキシル‐2‐ピロリジンチオン等、及びその混合
物が含まれる。その有効性の故に、N‐メチル‐2‐ピ
ロリジンチオンが好ましい。チオラクタムは無水の形
で、又は水性の混合物として使用できる。
【0021】本発明のプロセスの中で用いることができ
るアルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナ
トリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウ
ム及びその混合物がある。アルカリ金属硫化物は無水の
形で、水和物として、又は水性混合物として使用するこ
とができる。入手し易いのとそれを用いて好結果が得ら
れることから硫化ナトリウムが好ましい。
【0022】本発明に従ってアリーレンスルフィドポリ
マーを調製する時の反応物の比率は可成り大きく変動し
得るが、ジハロ−芳香族化合物対硫黄源中の二価の硫黄
の原子のモル比は、約0.8:1から約2:1、好まし
くは約0.95:1から約1.3:1の範囲内にあるべ
きである。
【0023】本発明の更に別の具体例では、ポリハロ‐
芳香族化合物を重合混合物中の一つの成分として本発明
のプロセスに使用することができる。使用されるポリハ
ロ‐芳香族化合物の量は、便宜的に、使用される硫黄源
化合物を基準としたモル比を用いて表わすことができ
る。広く言えば、ポリハロ‐芳香族化合物対硫黄源のモ
ル比は、約0.001:1から約0.02:1、好まし
くは、約0.002:1から約0.01:1、そして最
も好ましくは約0.004:1から約0.008:1の
範囲にあるだろう。
【0024】本発明のプロセスの中で用いることができ
るポリハロ‐芳香族化合物は次の式によって表わすこと
ができる: 但し、前記の式でXは弗素、塩素、臭素および沃素から
構成される群から選ばれるハロゲン原子であり、a は
3又は4であり、a+bは6である。a が3の時は、
各Zは好ましくは水素原子である。a が4の時は、Z
は水素原子であるか、又は、炭素原子数が1から約4の
アルキル基、‐NH 及び‐OR″(但し、R″は炭
素原子数が1から約4のアルキル基)を含む(但し、そ
れに限定されない)各種の置換基のいずれかで有り得
る。
【0025】本発明のプロセスに使用できる適当なポリ
ハロ‐芳香族化合物の例には、1,2,3‐トリクロロ
ベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン、1,3,
5‐トリクロロベンゼン、1,2,3‐トリフルオロベ
ンゼン、1,2,4‐トリフルオロベンゼン、1,3,
5‐トリフルオロベンゼン、1,2,3,4‐テトラク
ロロベンゼン、1,2,4,5‐テトラクロロベンゼ
ン、1,2,3,5‐テトラクロロベンゼン、1,2,
3,4‐テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5‐テ
トラフルオロベンゼン、1,2,3,5‐テトラフルオ
ロベンゼン、1,3‐ジクロロ‐4‐フルオロベンゼ
ン、1,3‐ジクロロ‐2‐フルオロベンゼン、2,
3,4,5‐テトラクロロアニリン、2,3,5,6‐
テトラクロロアニリン、2,3,4,5‐テトラクロロ
トルエン、2,3,4,6‐テトラクロロトルエン、
2,3,5,6‐テトラクロロトルエン、1‐メトキシ
‐2,3,5,6‐テトラクロロベンゼン、2‐メトキ
シ‐1,3,4,5‐テトラクロロベンゼン等、及びそ
れら任意の二種又は二種以上の混合物がある。その効
果、経済性および市場での入手のし易さから見て、当面
好ましいポリハロ‐芳香族化合物は1,2,4‐トリク
ロロベンゼンである。
【0026】適当な重合条件としては反応温度は広範囲
に変動し得るが、一般には約200℃から約450℃、
好ましくは、約210℃から約350℃の範囲内にある
だろう。反応時間は約1時間から約24時間、好ましく
は約2時間から約9時間、最も好ましくは約2.5時間
から約6時間の範囲内であろう。圧力は、ジハロ‐芳香
族化合物と環式の有機アミドを実質的に液相に維持し、
その中に実質的に硫黄源を保持するするのに十分なもの
でありさえすれば良い。
【0027】本発明に従ってアリーレンスルフィドポリ
マーを回収するのに種々の既知の方法を使うことができ
るけれども、例えば、米国特許第3,800,845号
明細書に記述されたような方法を使用するのが好まし
い。この方法では、加熱された重合混合物を等温蒸発に
掛けて、重合混合物上の圧力を反応圧力から事実上すべ
ての水と環式の有機アミドの大凡そ1/3を除去するに
足る圧力迄徐々に下げ、次いで濃縮された重合混合物を
断熱的にフラッシングさせながら別の容器に取り出して
圧力を凡そ大気圧に下げ、事実上すべての環式の有機ア
ミドをアリーレンスルフィドポリマーから除去する。フ
ラッシュされた反応混合物の残留物は水のような液体希
釈剤を用いてスラリー化することができ、アルカリ金属
ハロゲン化物とその他の不純分は水に溶解する。液体希
釈剤を濾過などの方法によって溶解した不純分と一緒に
除去すれば、跡に微粒子状のアリーレンスルフィドポリ
マーが残る。この洗浄工程は、必要なアリーレンスルフ
ィドポリマーの純度水準が達成される迄繰り返すことが
できる。使用できる別の方法は、米国特許第4,41
5,729号明細書に記述された“水による急冷”方法
であり、この場合は重合混合物を、例えば、水のような
環式の有機アミドには可溶性であるがアリーレンスルフ
ィドポリマーにとっては非溶剤である分離剤の十分量
と、アリーレンスルフィドポリマーが重合混合物中に溶
解する温度よりも高い温度で接触させて、相分離を生じ
させるか、又は相分離を高めるようにする。急冷し、相
分離させた混合物を、その後冷却すれば環式の有機アミ
ドの中に懸濁したアリーレンスルフィドポリマーのスラ
リーが得られるから、次ぎにスラリーを濾過して微粒子
状のアリーレンスルフィドポリマーを回収することがで
きる。分離したポリマーは上述のように洗浄することが
できる。
【0028】本発明の方法によって製造されるアリーレ
ンスルフィドポリマーは、充填剤、繊維、顔料、増量
剤、他のポリマー等とブレンドすることができる。アリ
ーレンスルフィドポリマーは硬化して、高い熱安定性と
良好な耐薬品性を有する硬化製品を製造することができ
る。ここで言う硬化とは、ポリマー乾燥後に酸素‐含有
雰囲気の存在でポリマーの上に加えられる熱処理から成
る別個のプロセスとして定義される。好ましい酸素‐含
有雰囲気は空気である。本発明のアリーレンスルフィド
ポリマーは、フィルム、繊維、成形品、および複合材料
の製造に有用である。
【0029】実施例 以下の実施例においてポリマーの溶融流量は、5分間の
予熱時間を使用できるように一部修正したASTM D
1238‐86、条件315/5.0の試験法によっ
て測定し、流量値は g/10分として表示した。同じ
く、g/10分として表示されるポリマーの押出量は、
5分間の予熱時間が使用できるように一部修正したAS
TM D 1238‐86、条件315/0.345の
試験法によって測定した。押出量測定に使用したオリフ
ィスは、直径が2.096±0.005mmで長さが3
1.75±0.05mmであった。
【0030】
【実施例1】実験番号1は、脱水段階の前に酢酸ナトリ
ウム重合調節剤を添加した対照実験である。
【0031】1リットル容のステンレス鋼製反応容器に
59.42重量パーセントのNaSHを含む水性混合物
として1.0g‐モルの水硫化ナトリウム(NaS
H)、1.0g‐モルの水酸化ナトリウム(NaO
H)、0.3g‐モルの酢酸ナトリウム(NaOAc)
及び2.5g‐モルのN‐メチル‐2‐ピロリドン(N
MP)を装入した。反応容器を窒素ガスでパージした
後、反応容器の攪拌機をスタートし、反応容器の内容物
を脱水の為に急速に加熱した。温度が145℃に達した
時に、脱水のガス抜き弁を開いて脱水を行なった。
【0032】脱水が終わった後、反応容器に1.01g
‐モルの p‐ジクロロベンゼン(DCB)と1.0g
‐モルのNMPを装入した。重合混合物を235℃に加
熱してその侭1時間保持し、その後更に265℃に加熱
してその温度に3時間保持して重合を行なった。反応容
器が冷却したら、内容物を取り出して、濾過し、熱い脱
イオン水で洗浄した。ポリマーを真空下に125℃で乾
燥して溶融流量が525g/10分の乾燥生成物を得
た。
【0033】対照実験2と3は実験1と類似の手順の中
で行なったが、実験1と異なった点は、脱水前にNaO
Acを添加せずに、脱水混合物にDCBを装入した直後
に水性の酢酸ナトリウム重合調節剤を添加したことであ
る。実験2では、0.3g‐モルの酢酸ナトリウムと
1.50g‐モルの水を添加した。実験3では、0.3
g‐モルの酢酸ナトリウムとと1.55g‐モルの水を
使用した。実験2と3のポリマー生成物の押出量は、夫
れぞれ22g/10分と18g/10分であった。
【0034】更に本発明の方法に従って五つの追加の実
験を行なったが、此の場合はPPS重合中に添加の時点
を色々に変えて水性の酢酸ナトリウム重合調節剤を重合
混合物に添加した。各実験共、1.55g‐モル又は
1.77g‐モルの水に溶解した酢酸ナトリウム0.3
g‐モルを、235℃の保持の0.5時間後または1時
間後に、又は265℃の保持の1時間後に添加した。実
験7では、265℃での保持は他の実験の場合の3時間
ではなく合計で2.5時間で行なった。
【0035】これらの実験の結果を表Iに要約する。本
発明の実験4〜8は対照実験1の場合と類似した溶融流
量を持つポリマーを与えた。本発明実験と際立って対照
的に、DCB装入の直ぐ後に水性の酢酸ナトリウムを添
加(実験2と3)したものは遥かに低い分子量のポリマ
ーを与えた。重合反応中の水性重合調節剤の添加が、脱
水の開始から重合調節剤を存在させた重合反応の場合と
類似の高い分子量のPPSを生産することは驚くべきこ
とである。
【0036】 表 I PPS重合 実験 水/酢酸ナトリウムの添加 溶融流量 押出量 No. 水 g‐モル 添加の時点 g/10分 g/10分 0 − 525 − 2 1.50 DCBの装入後 − 22 3 1.55 DCBの装入後 − 18 4 1.55 235℃で0.5時間後 354 4 5 1.55 235℃で0.5時間後 619 − 6 1.77 235℃で1.0時間後 619 − 7 1.55 265℃で1.0時間後 589 − 8 1.55 265℃で1.0時間後 367 −脚注 脱水前に酢酸ナトリウムを添加 指定した時間後に添加 対照実験 本発明の実験 本発明の効果をもっと明瞭に例示する為に表Iからの結
果を図1の中に、ポリマーの溶融流量値を重合期間中の
重合調節剤の添加時間の函数としてプロットする。実験
2と3からの溶融粘度値は押出量の単位で表わされてい
るから、これらの実験の溶融流量値は、2000g/1
0分の溶融流量に相当する近似値としてプロットされて
いる。対照実験1は、図1の中で約525g/10分の
位置に破線で示されている。重合時間は、235℃での
保持時間1時間、235℃から265℃迄の昇温時間
0.5時間および265℃における保持時間を含めてD
CBの装入からの合計時間として示されている。
【0037】
【実施例2】この実施例は、重合混合物への水性の重合
調節剤の添加を更に例証する為の追加のPPS重合実験
を示す。実験9は脱水前にNaOAcを添加して為され
た対照実験である。
【0038】対照実験9では、1リットル容のステンレ
ス鋼製の反応容器に59.085重量パーセントのNa
SHを含む水性混合物として1.0g‐モルのNaS
H、1.01g‐モルのNaOH、0.3g‐モルのN
aOAc(酢酸ナトリウム)、及び2.5g‐モルのN
MPを装入した。反応器を窒素ガスでパージした後、反
応器の攪拌機をスタートさせ、脱水の為に混合物をゆっ
くりと加熱した。温度が154℃に達した時に、脱水用
のガス抜き系統を開いて脱水を行なった。
【0039】脱水が終わった後に、1.01g‐モルの
DCBと1.0g‐モルのNMPを反応器に装入した。
実施例1の実験1に記述したように重合とポリマー回収
を行なって、溶融流量が207g/10分のポリマーを
得た。
【0040】本発明実験10、11、12は、脱水前に
NaOAcを添加せずに重合の間に酢酸ナトリウムの水
性溶液を添加した以外は、実験9に記述したのと類似の
方法で行なった。実験10の重合条件は、比較的低い温
度で比較的長い時間に若干修正した。
【0041】実験13は、重合混合物に水だけを添加し
てNaOAcは添加しなかった点以外は、実施例11と
同じ手順を用いて為された対照実験である。実験13か
ら得られたポリマーの押出量は17g/10分であった
が、このことは、水を添加しても発明実験の高められた
分子量を作り出さないことを示している。実験14は、
水とNaOAcのどちらも添加しなかった以外は、実験
9と類似の方法で行なった別の対照実験である。低い分
子量(押出量で36g/10分)は、本発明実験の高い
分子量を得る為には重合調節剤の存在が必要であること
を示している。
【0042】これらの結果は表IIに要約されているが、
その中で重合のサイクル時間、水の添加水準、NaOA
c添加量などの変数を色々に変えている。本発明実験1
0は対照実験9と類似している。実験11と12の溶融
流量は実験10の場合より多少高めであるが、これは重
合の終了から1時間前に重合調節剤を添加した場合、重
合サイクルの中で早い時期に重合調節剤を添加した時よ
りも調節剤の効果が若干劣ることを示唆している。実験
13と14の中で観察された比較的低い分子量は、分子
量を上げる為に重合調節剤が必要であることを示してい
る。
【0043】 表 II PPS重合 水と酢酸ナトリウムの添加の効果 添加 実験 重合 H2O NaOAc 添加の 溶融流量 押出量No. サイクル g‐モル g‐モル 時点2 g/10分 g/10分3 1時間,235℃ 0 0.30 −1 207 − 3時間,265℃ 104 1時間,220℃ 1.60 0.30 230℃で1.5時間 293 − 1.5時間,230℃ 2時間,265℃ 114 1時間,235℃ 1.60 0.27 265℃で2時間 565 − 2時間,265℃ 1時間,265℃ 124 1時間,235℃ 1.60 0.30 265℃で2時間 625 − 2時間,265℃ 1時間,265℃ 133 1時間,235℃ 1.60 0 265℃で2時間 − 17 2時間,265℃ 1時間,265℃ 143 1時間,235℃ 0 0 − − 36 3時間,265℃脚注 脱水段階の前に水と酢酸ナトリウムを添加 指定した時点で添加 対照実験 発明実験
【0044】
【実施例3】この実施例は、重合調節剤の存在無くして
は、これらのPPS重合に水を添加してもPPSの分子
量の有意的な増加は得られないことを証明する為の幾つ
かの対照実験を提供する。重合のサイクル、添加した水
の量、水を添加する時点を色々に変化させた。
【0045】実験15は、NaOAcを使用せずに26
5℃における保持時間を2時間とした以外は、実施例I
の実験1に記述したのと類似のやり方で行なった。実験
16〜19は重合のサイクルは同じようなものであった
が、しかし、この場合235℃の保持時間の間に水を添
加した。実験20と21では、より多量の水とより長い
重合時間を用いた。
【0046】重合の結果は表IIIに示されている。これ
らの結果は、重合サイクルを変えても、対照実験15と
比較してPPSの分子量に何等の有意的な増加が得られ
なかったことを示している。
【0047】 表 III PPS重合1に水の添加の効果 実験 重合のサイクル 水の添加 押出量 No. ℃における温度 g‐モル 添加の時点2 g/10分 15 1時間, 235℃ 0 − 22 2時間, 265℃ 16 1時間, 235℃ 1.55 235℃で0.5時間後 89 2時間, 265℃ 17 1時間, 235℃ 1.55 235℃で1時間後 21 2時間, 265℃ 18 1時間, 235℃ 1.55 235℃で1時間後 16 2時間, 265℃ 19 1時間, 235℃ 1.55 235℃で1時間後 12 2時間, 265℃ 20 1時間, 235℃ 4.0 265℃で2時間後 16 2時間, 265℃ 6時間, 265℃ 21 0.5時間,235℃ 4.0 265℃で1時間後 22 1時間, 265℃ 6時間, 265℃脚注 酢酸ナトリウムは添加せず 指定した時点で添加
【0048】
【実施例4】脱水の前に重合調節剤を添加し、重合サイ
クルの間に水を添加してもPPSの分子量が有意的には
高められなかったことを証明する為に、更に幾つかの対
照実験を行なった。
【0049】実施例1の実験1がこの一連の重合に対す
る対照実験である。実験22〜30は、重合サイクルの
中の色々な時点で水を添加したこと以外は、実験1と類
似のやり方で為されたものである。同じく実験30も2
35℃で0.5時間、265℃で1時間、265℃で6
時間の重合サイクルを使用した点が変わっている。
【0050】これらの実験の結果を表IVに要約する。水
の量とその添加時点を変化させても、対照(実験27〜
29対 実験1)の分子量よりも有意的に高い分子量の
PPSは得られず、又は対照(実験22〜26と30対
実験1)よりも低い分子量のPPSしか得られなかっ
た。
【0051】 表 IV PPS重合1への水の添加の効果 実験 水の添加 溶融流量 押出量 No. g‐モル 添加の時点2 g/10分 g/10分 1 0 − 525 − 22 1.50 235℃で0.5時間後 ー 37 23 1.55 235℃で0.5時間後 1359 15 24 1.55 235℃で0.5時間後 − 14 25 1.55 235℃で0.5時間後 740 9 26 0.25 265℃で1時間後 1106 − 27 1.00 265℃で1時間後 527 − 28 1.55 265℃で1時間後 312 − 29 1.55 265℃で1時間後 406 − 30 4.0 265℃で1時間後 961 −脚注 脱水前に酢酸ナトリウム(0.30g‐モル)を
添加 指定した時間後に添加
【0052】
【実施例5】PPSの重合を行ない、次ぎに235℃で
30分後と60分後におけるDCBの転化率を測定する
為に実施例1の本発明実験の中で水性のカルボン酸塩の
添加の時点で重合を終了させた。
【0053】実験31では、1リットル容の攪拌機付き
のステンレス鋼製反応容器に、58.805重量パーセ
ントのNaSHを含む水性混合物として1.0g‐モル
のNaSH、1.01g‐モルのNaOH、及び2.5
g‐モルのNMPを装入した。反応器を窒素ガスでパー
ジした後、攪拌機をスタートし、脱水の為に反応器を加
熱した。温度が157℃に達した時に、脱水用のガス抜
き系統を開いて脱水した。
【0054】脱水が終了した後、1.01g‐モルのD
CBと1.0g‐モルのNMPを反応器に装入した。混
合物を235℃に加熱し、235℃で30分間保持し
た。次いで、反応器を冷却し、蓋を開いて内容物を取り
出した。反応器の内容物にアセトンをブレンドし、濾過
し、その濾液に就いてガスクロマトグラフィーでDCB
含量を分析した。235℃で30分後のDCBの転化率
は48パーセントであった。
【0055】重合混合物を235℃で60分間加熱した
こと以外は、実験31の場合と同じ要領で実験32を実
施した。235℃で60分後のDCBの転化率は71パ
ーセントであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記述した重合の場合に、酢酸ナトリ
ウムの添加時間がポリ(フェニレンスルフィド)の分子
量に及ぼす効果を示すプロットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−20528(JP,A) 特開 平1−161022(JP,A) 特開 昭50−84698(JP,A) 特開 平3−258833(JP,A) 特開 昭61−7332(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 75/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも一種の硫黄源と少なく
    とも一種の環式の有機アミドから成る水性混合物を脱水
    して脱水混合物を形成し、(b)該脱水混合物に少なく
    とも一種のジハロ‐芳香族化合物を接触させて重合用混
    合物を製造し、(c)該重合用混合物をアリーレンスル
    フィドポリマーを形成するに足る温度と時間の重合条件
    下に付し、そして(d)形成したアリーレンスルフィド
    ポリマーを回収する各工程からなり、前記重合工程にお
    いて、前記ジハロ−芳香族化合物の転化率が40%に達
    した後で且つ前記重合が終結に入る前の30分までにア
    ルカリ金属カルボン酸塩の水性混合物を前記重合用混合
    物に添加する、アリーレンスルフィドポリマーの調製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記硫黄源がアルカリ金属硫化物、アル
    カリ金属水硫化物、チオラクタム及び硫化水素から構成
    される群から選ばれる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一種の硫黄源と少なくと
    も一種の環式の有機アミドから成る水性混合物が更にア
    ルカリ金属水酸化物を含む請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記環式の有機アミドがN‐メチル‐2
    ‐ピロリドンから成り、前記ジハロ‐芳香族化合物がp
    ‐ジクロロベンゼン、並びにp‐ジクロロベンゼンと合
    計で0から10モルパーセントまでのm‐ジクロロベン
    ゼン、o‐ジクロロベンゼン及び式: (式中、Rは水素原子または炭素原子数が1から4のア
    ルキル基であり、そして少なくとも一つのRは水素原子
    ではない)を有するアルキル置換ジクロロベンゼンのう
    ちの少なくとも一種との混合物から構成される群から選
    ばれる請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ金属水硫化物が水硫化ナト
    リウムから成り、前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナ
    トリウムから成り、前記ジハロ‐芳香族化合物がp‐ジ
    クロロベンゼンから成り、そして前記アルカリ金属カル
    ボン酸塩が酢酸ナトリウムから成る請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記重合用混合物が、式: [式中、Xは弗素、塩素、臭素又は沃素であるハロゲ
    ン、aは3又は4であり、a+bは6であり、そして、
    Zは水素原子、炭素原子が1から4のアルキル基、−N
    2又は−OR″(R″は炭素原子が1から4のアルキ
    ル基である)である。]により表されるポリハロ‐芳香
    族化合物を更に含む請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ金属カルボン酸塩の水性混
    合物の添加を重合の開始後30分から工程(d)を開始
    する前30分までの範囲の時間で行う請求項1〜6のい
    ずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 (a)水硫化ナトリウム、水酸化ナトリ
    ウム及びN‐メチル‐2‐ピロリドンから成る水性混合
    物を脱水して脱水混合物を形成し、(b)該脱水混合物
    にp‐ジクロロベンゼンを接触させて重合用混合物を製
    造し、(c)該重合用混合物をポリ(フェニレンスルフ
    ィド)を形成するに足る温度と時間の重合条件下に付
    し、そして(d)形成したポリ(フェニレンスルフィ
    ド)を回収する各工程からなり、前記重合工程におい
    て、前記p−ジクロロベンゼンの転化率が45%に達し
    た後で且つ前記重合が終結に入る前の60分までにアル
    カリ金属カルボン酸塩の水性混合物を前記重合用混合物
    に添加する、ポリ(フェニレンスルフィド)の調製方
    法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリ金属カルボン酸塩が酢酸ナ
    トリウムである請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アルカリ金属カルボン酸塩の水性
    混合物の添加を重合の開始後30分から工程(d)を開
    始する前60分までの範囲の時間で行う請求項8又は9
    記載の方法。
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