JP2749395B2 - 燃料供給量制御装置 - Google Patents

燃料供給量制御装置

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JP2749395B2
JP2749395B2 JP1250612A JP25061289A JP2749395B2 JP 2749395 B2 JP2749395 B2 JP 2749395B2 JP 1250612 A JP1250612 A JP 1250612A JP 25061289 A JP25061289 A JP 25061289A JP 2749395 B2 JP2749395 B2 JP 2749395B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、空燃比フイードバツク制御方式のエンジン
制御装置に係り、特に、自動車用ガソリンエンジンに好
適なエンジン制御装置診断システムに関する。
[従来の技術] 近年、マイコン(マイクロコンピユータ)を用いた各
種の制御装置が広く採用されるようになり、これに応じ
て、自動車用ガソリンエンジンなどにおいても、このマ
イコンを用いた、いわゆる電子式エンジン制御装置(以
下、EECという)が広く採用されるようになつてきてい
る。
そこで、このようなEECの従来例について、以下に説
明する。
この従来例は、特開昭60−111034号公報などにより開
示されているもので、以下、この従来例を第2図及び第
3図で説明する。
第2図はエンジンの制御系全体を概括的に示した一部
断面図で、図において、吸入空気はエアクリーナ2,スロ
ツトルチヤンバ4,吸気管6を通り、シリンダ8の中に供
給される。シリンダ8内で燃焼したガスは、シリンダ8
から排気管10を通り、大気中へ排出される。
スロツトルチヤンバ4には、燃料を噴射するためのイ
ンクジエクタ12が設けられており、このインジエクタ12
から噴出した燃料はスロツトルチヤンバ4の空気通路内
で霧化され、吸入空気と混合して混合気を形成し、この
混合気は吸気管6を通つて、吸気弁20の開弁により、シ
リンダ8の燃焼室へ供給される。
インジエクタ12の出口近傍には絞り弁14が設けられて
いる。絞り弁14は、アクセルペダルと機械的に連動する
ように構成され、運転者により駆動される。
スロツトルチヤンバ4の絞り弁14の上流には空気通路
22が設けられ、この空気通路22には電気的発熱体からな
る熱線式空気流量計、即ち流量センサ24が配設され、空
気流速に応じて変化する電気信号AFが取り出される。こ
の発熱体(ホツトワイヤ)からなる流量センサ24はバイ
パス空気通路22内に設けられているので、シリンダ8か
らのバツフアイア時に生じる高温ガスから保護されると
共に、吸入空気中のごみなどによつて汚染されることか
らも保護される。このバイパス空気通路22の出口はベン
チユリの最狭部近傍に開口され、その入口はベンチユリ
の上流側に開口されている。
インジエクタ12には、燃料タンク30からフユーエルポ
ンプ32を介して加圧された燃料が常時供給され、制御回
路60からの噴射信号がインジエクタ12に与えられたと
き、インジエクタ12から吸入管6の中に燃料が噴射され
る。
吸気弁20から吸入された混合気はピストン50により圧
縮され、添加プラグ(図示してない)によるスパークに
より燃焼し、この燃焼は運動エネルギーに変換される。
シリンダ8は冷却水54により冷却される。この冷却水の
温度は水温センサ56により計測され、この計測値TWはエ
ンジン温度として利用される。
排気管10の集合部にはO2センサ142が設けられ、排気
ガス中のO2の有無を計測して計測値λを出力する。
また、図示しないクランク軸にはエンジンの回転に応
じて基準クランク角度毎に及び一定角度(例えば0.5
度)毎に基準角信号及びポジシヨン信号を出すクランク
角センサが設けられている。
このクランク角センサの出力、水温センサ56の出力信
号TW,O2センサ142の出力信号λ及び発熱体24からの電気
信号AFはマイクロコンピユータなどからなる制御回路60
の出力によつてインジエクタ12及び点火コイルが駆動さ
れる。
さらに、スロツトルチヤンバ4には絞り弁14を跨いで
吸気管6に連通するバイパス26が設けられ、このバイパ
ス26には開閉制御されるバイパスバルブ61が設けられて
いる。
このバイパスバルブ61は絞り弁14を迂回して設けられ
たバイパス26に臨ませられ、パルス電流によつて開閉制
御され、そのリフト量によりバイパス26の断面積を変更
するもので、このリフト量は制御回路60の出力によつて
駆動部が駆動され制御される。即ち、制御回路60によつ
て駆動部の制御のため開閉周期信号が発生され、駆動部
はこの開閉周期信号によつてバイパスバルブ61のリフト
量を調節する。
EGR制御弁90は排気管10と吸入管6との間の通路を制
御し、排気管10から吸入管6へのEGR量が制御される。
従つて、第2図のインジエクタ12を制御して空燃比
(A/F)の制御と燃料増量制御とを行ない、バイパスバ
ルブ61とインジエクタ12によりアイドル時のエンジン回
転数制御(ISC)を行なうことができ、さらにEGR量の制
御を行なうことができる。
第3図はマイコンを用いた制御回路60の全体構成図
で、セントラル・プロセツシング・ユニツト102(以下C
PUと記す)とリード・オンリ・メモリ104(以下ROMと記
す)とランダム・アクセス・メモリ106(以下RAMと記
す)と入出力回路108とから構成されている。上記CPU10
2はROM104内に記憶された各種のプログラムにより、入
出力回路108からの入力データを演算し、その演算結果
を再び入出力回路108へ戻す。これらの演算に必要な中
間的な記憶はRAM106を使用する。CPU102,ROM104,RAM10
6,入出力回路108間の各種データのやり取りはデータ・
バスとコントロール・バスとアドレス・バスからなるバ
スライン110によつて行なわれる。
入出力回路108には第1のアナログ・デイジタル・コ
ンバータ122(以下ADC1と記す)と第2のアナログ・デ
イジタル・コンバータ124(以下ADC2と記す)と角度信
号処理回路126と1ビツト情報を入出力するためのデイ
スクリート入出力回路128(以下DIOと記す)との入力手
段を持つ。
ADC1にはバツテリ電圧検出センサ132(以下VBSと記
す)と冷却水温センサ56(以下TWSと記す)と大気温セ
ンサ136(以下TASと記す)と調整電圧発生器138(以下V
RSと記す)とスロツトルセンサ140(以下OTHSと記す)
とO2センサ142(以下O2Sと記す)との出力がマルチ・プ
レクサ162(以下MPXと記す)に加えられ、MPIX162によ
り、この内の1つを選択してアナログ・デイジタル・変
換回路164(以下ADCと記す)へ入力する。ADC164の出力
であるデイジタル値はレジスタ166(以下REGと記す)に
保持される。
また流量センサ24(以下AFSと記す)はADC2・124へ入
力され、アナログ・デイジタル・変換回路172(以下ADC
と記す)を介してデイジタル変換されレジスタ174(以
下REGと記す)へセツトされる。
角度センサ146(以下ANGLSと記す)からは基準クラン
ク角、例えば180クランク角を示す信号(以下REFと記
す)と微少角、例えば1度クランク角を示す信号(以下
POSと記す)とが出力され、角度信号処理回路126へ加え
られ、ここで波形整形される。
DIO128には絞り弁14が全閉位置に戻つているときに動
作するアイドル・スイツチ148(以下IDLE−SWと記す)
とトツプ・ギア・スイツチ150(以下TOP−SWと記す)と
スタート・スイツチ152(以下START−SWと記す)とが入
力される。
次にCPUの演算結果に基づくパネル出力回路及び制御
対象について説明する。インジエクタ制御回路1134(以
下INJCと記す)は演算結果のデイジタル値をパルス出力
に変換する回路である。従つて燃料噴射量に相当したパ
ルス幅を有するパルスINJがINJC1134で作られ、ANDゲー
ト1136を介してインジエクタ12へ引火される。
点火パルス発生回路1138(以下IGNCと記す)は点火時
期をセツトするレジスタ(以下ADVと記す)と点火コイ
ルの一次電流通電開始時間をセツトするレジスタ(以下
DWLと記す)とを有し、CPUよりこれらデータがセツトさ
れる。セツトされたデータに基づいてパルスIGNを発生
し、点火コイルに一次電流を供給するための増幅器62へ
ANDゲート1140を介してこのパルスIGNを加える。
バイパスバルブ61の開弁率は制御回路(以下ISCCと記
す)1142からANDゲート1144を介して加えられるパルスI
SCによつて制御される。ISCC1142はパルス幅をセツトす
るレジスタISCDとパルス周期をセツトするレジスタISCP
とを持つている。
EGR制御弁90を制御するEGR量制御パルス発生回路1178
(以下EGRCと記す)にはパルスのデユーテイを表わす値
をセツトするレジスタEGRDとパルスの周期を表わす値を
セツトするレジスタEGRPとを有している。このEGRCの出
力パルスEGRはANDゲート1156を介してトランジスタ90に
加えられる。
また、1ビツトの入出力信号は回路DIO128により制御
される。入力信号としてはIDLE−SW信号,START−SW信
号,TOP−SW信号がある。また、出力信号としては燃料ポ
ンプを駆動するためのパルス出力信号がある。このDIO
は端子を入力端子として使用するかを決定するためのレ
ジスタDDR192と、出力データをラツチするためのレジス
タDOUT194とが設けられている。
モードレジスタ1160は入出力回路108内部の色々な状
態を指令する命令を保持するレジスタ(以下MODと記
す)であり、例えばこのモードレジスタ1160に名セツト
することによりANDゲート1136,1140,1144,1156を総て動
作状態にさせたり、不動作状態にさせたりする。このよ
うにMODレジスタ1160に命令セツトすることにより、INJ
CやIGNC,ISCCの出力の停止や起動を制御できる。
DIO128にはフユーエル・ポンプ32を制御するための信
号DIO1が出力される。
従つて、このようなEECを適用すれば、空燃比の制御
など内燃機関に関するほとんど全ての制御を適切に行な
うことができ、自動車用として、厳しい排ガス規制にも
充分に対応できる。
ところで、これら第2図および第3図で説明したEEC
では、インジエクタ12による燃料の噴射が、エンジンの
回転に同期して周期的に断続して行なわれ、燃料噴射量
の制御は、1回の噴射動作におけるインジエクタ12の開
弁時間、つまり噴射時間Tiの制御によつて行なわれる。
そして、この従来例では、この噴射時間Tiを、基本的
には、以下の式により決定するようになつている。
Ti=α・TP・(Kl+Kt+Ks)・ (1+ΣKi)+Ts ……(1) TP=Kqonst・Qa/N ……(2) ここで、α:空燃比補正係数 TP:基本噴射時間 Kl:定常学習係数 Kt:過渡学習係数 Ks:シフト係数 Ki:各種補正係数 Ts:インジエクタの無効噴射時間 Kqonst:インジエクタ係数 Qa:吸入空気流量 N:エンジン回転数 すなわち、エンジンの吸入空気流量QAと回転数Nから
(2)式により基本燃料噴射時間TPを定め、大まかに理
論空燃比(A/F=14.7)が得られるようにし、O2センサ1
42の信号λにより空燃比補正係数αを変えてフイードバ
ツクによる空燃比の補正を行ない、さらに正確な理論空
燃比を得られるようにした上で、さらに定常学習係数Kl
によつて、空燃比制御に関係する各種アクチユエータや
センサの特性のばらつきや経年変化の補正を行なわせる
ようにし、これに、過渡学習係数Ktにより加速及び減速
の補正も行なわせ、これに、急激速時にシフト係数を減
算して、燃料噴射時間Tiを決定するものである。
ここで、学習係数Klについて説明する。O2センサ142
は排ガス中の酸素の有無に応じて二値信号(高,低レベ
ル電圧)を出力する。この二値信号に基づいて、空燃比
補正係数αをステツプ的に増減し、その後、漸増又は漸
減して空燃比制御を行なうことは周知である。O2センサ
の出力信号λによつて、空燃比のリツチ又はリーンを検
出して動く空燃比補正係数αの状態を第4図に示す。
ここで、O2センサの信号が反転したときの空燃比補正
係数αで、リーンからリツチの極値をαmax、リツチか
らリーンの極値をαminとし、その平均値αaveは次式で
計算する。
この平均値の考えは周知であるが、この従来例では、
平均値αaveが上限値(T.U.L)と下限値(T.L.L)の範
囲外にあるときは、平均値αaveと1.0の偏差Klを定常学
習補正量とするものである。この定常学習補正量Klの演
算は、O2センサによるフイードバツク補正を行なつてい
る全領域で実施する。
第5図に、定常学習補正量Klを書き込むテーブルを示
す。このテーブルは基本燃料噴射時間TPとエンジン回転
数Nとで決まる分割点にKlを書き込むようにしている。
この学習タイミングは、分割点が変わらないときで、極
値の回数がn回になつたときである。この第5図に示す
テーブルを定常学習マツプと定義する。この定常学習マ
ツプは分割点(ここでは64点)全てが学習により埋めら
れることは、実用上まずありえない。このため、未学習
の分割点は学習している分割点を参考にして、作成する
必要がある。
そこで、次に、この作成法について説明する。
第6図に、定常学習マツプ作成のために用いる、定常
学習マツプの分割点と同じ点数を持つ、バツフアマツプ
と比較マツプの一例を示す。
第7図に、定常学習マツプ作成のルーチンをブロツク
図で示す。(1)では、定常学習マツプと比較マツプは
全てクリアされており、バツフアマツプに定常学習補正
量を書き込んで行く。但し、この時点では、バツフアマ
ツプに二重書き込みはしない。(2)で、バツフアマツ
プの書き込み個数がC個になつたら、バツフアマツプの
内容を比較マツプに転送し、(3)で、バツフアマツプ
に書き込んであるC個の内容を参考にして、バツフアマ
ツプ全てを作成し、その内容を定常学習マツプに転送す
る。(4)では、比較マツプの内容をバツフアマツプに
転送する。この時点から、燃料噴射時間の計算にKlの値
を使用する。この時点までは、(1)式のKlは1.0であ
る。(5)で定常学習補正量を定常学習マツプとバツフ
アマツプの両方に書き込むと共に、空燃比補正係数αを
1.0にし、バツフアマツプと比較マツプの内容を比較す
る。この比較した内容の違いが、ある個数になると、
(6)において、(2)から(4)までのルーチンを繰
り返し行なうことになる。
この従来例によれば、定常学習補正Klは1.0からの偏
差を記憶するので、一回の補正量で、空燃比補正係数α
を1.0付近で制御することができ、排ガスの有害成分を
低減できる。
又、第5図に示す定常学習マツプで、基本燃料噴射時
間TP7以上及びエンジン回転数N7以上では、最右端列及
び最下端行のマツプ値を使用することになるので、パワ
ー領域でも、常に最適なパワーとなるような補正を行な
うことができる。
次に、定常学習係数Klの学習ルーチンの一例を第8
図,第9図のフローチヤートによつて説明する。
このフローチヤートにしたがつた処理はエンジン始動
後、所定の周期で繰り返され、まず、ステツプ300でO2
フイードバツク制御に入つているか否かを判定し、結果
がYesの場合はステツプ302に進む。結果がNoの場合はス
テツプ332に向かう。ステツプ302では、O2センサの信号
がλ=1(理論空燃比A/F=14.7)をよぎつたか否かを
判定する。結果がNoの場合はステツプ332に向い、周知
の積分処理(図示せず)を行なうことになる。結果がYe
sなら、ステツプ304に進み、(3)式に示す平均値α
aveを計算する。ステツプ306では、平均値αaveが第4
図に示す上・下限値の中に入つているか否を判定し、結
果がYesなら、正常なフイードバツク制御が行なわれて
いるので、ステツプ326でカンウンタをクリアし、ステ
ツプ332へ向かう。一方、平均値αaveが上・下限外にあ
るなら、ステツプ308で、平均値αaveと1との差を定常
学習補正量Klとする。次に、ステツプ310では、第5図
に示す、基本燃料噴射時間TPとエンジン回転数Nから決
まる現在の分割点を計算し、ステツプ312で、このルー
チンの1回前の分割点と比較して、分割点が変化してい
るか否かを判定する。分割点が変化しているなら(Ye
s)、定常学習補正量Klを書き込む分割点が定まつてい
ないので、ステツプ326に向かう。分割点が変化してい
ないなら、ステツプ314でカウンタをアツプし、ステツ
プ316でカウンタはnになつたか否かを判定する。カウ
ンタ値がnでないなら(No)、ステツプ332に向かう。
カウンタ値がnになつたら(Yes)、ステツプ318でカウ
ンタをクリアし、ステツプ320に進む。ステツプ320で
は、第7図で説明した(2)から(4)の動作である定
常学習マツプの最初の作成が行なわれたか否かを判定す
る。マツプ作成がまだなら、ステツプ322以降に進み、
第7図で説明した(1)の動作を行なう。ステツプ322
では、分割点には、既に書き込んであるか否かを判定す
る。既に書き込んであるなら(Yes)、何もしないでス
テツプ332に向かう。結果がNoなら、ステツプ324で、ス
テツプ308で計算した定常学習補正量Klを分割点に書き
込む。ステツプ320で、最初の定常学習マツプの作成を
したなら(Yes)、ステツプ328以降に進み、第7図で説
明した(5),(6)の動作を行なう。ステツプ328で
定常学習マツプ及びバツフアマツプの分割点に定常学習
補正量Klを加算する。そして、ステツプ330で空燃比補
正係数を1.0にする。
従つて、これらのステツプ300ないし332にしたがつた
処理が繰り返されることにより第7図で説明した
(1),(5),(6)の動作が得られたことになる。
次に、第9図のフローチヤートで、第7図に説明した
(2),(3),(4)の動作を説明する。
ステツプ350で、最初の定常学習マツプを作成したか
否かを判定する。作成がまだなら(No)、ステツプ354
に進み、バツフアマツプの書き込み個数のチエツクを行
なう。個数がn個になつたら、ステツプ356に進むが、
m個に達していないなら、ステツプ370に向かう。ステ
ツプ350で最初の定常学習マツプを作成したなら(Ye
s)、ステツプ352で、バツフアマツプと比較マツプのデ
ータの違いをチエツクする。バツフアマツプと比較マツ
プでその内容にl個の違いがあるなら、ステツプ356に
進み、定常学習マツプの作成を行なう。この内容にl個
の違いがないなら、ステツプ370に向かう。
ステツプ356で、マツプ作成中のフラグをセツトし、
学習結果の書き込みを禁止する。ステツプ358で、バツ
フアマツプの内容を比較マツプに転送し、ステツプ360
で、バツフアマツプを使用して、定常学習マツプの作成
を行なう。ステツプ362で、作成したバツフアマツプの
内容を定常学習マツプに転送し、ステツプ364で、比較
マツプの内容をバツフアマツプに転送する。ステツプ36
6で定常学習マツプを作成したというフラグをセツトす
る。このフラグは、ステツプ350及び第8図のステツプ3
20での判定に使用する。ステツプ368では、ステツプ356
でセツトしたマツプ作成中フラグをリセツトする。
従つて、この従来例によれば、マイコンによるエンジ
ン制御を、O2センサの出力によるO2フイードバツク制御
と空燃比補正係数の定常学習により実行することがで
き、優れた制御性を得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来技術では、閉ループ制御により得
られる空燃比フイードバツク係数を、エンジン回転数と
負荷により区分されている所定の学習マツプに累積加算
し、これにより、エンジンの個体差や経年変化による制
御定数の変化を補償している。
しかしながら、通例、特に自動車用のエンジンでは、
ほとんどが複数の気筒(シリンダ)を備えた、いわゆる
多気筒エンジン(マルチシリンダエンジン)である。
しかるに、上記従来技術では、このような多気筒エン
ジンの制御に特有な問題点について特に配慮がされてお
らず、各気筒間での吸入空気の分配の差や複数のインジ
エクタ間での特性の違い、或いは空気流量特性に対する
抜本的補正の欠如などにより、点火時期や空燃比の制御
に充分な精度を与えるという点で問題があつた。
本発明の目的は、多気筒エンジンに対応して、常に高
精度の運転制御が得られるようにした燃料供給量制御装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、各気筒ごとの空燃比を独立に検出し、エ
ンジンが特定の負荷状態にあるとき、空燃比フイードバ
ツク制御を解除し、各気筒ごとの空気比補正量を計測
し、この特定の負荷状態以外の負荷時に、学習値から制
御定数のマツチングを行うためのロジツクを起動するよ
うにして達成される。
[作用] 気筒別空燃比補正動作は、空燃比フイードバツクを一
時中断した状態でフイードバツク係数を少し増やし、こ
れによりリツチ側での運転を行いながら、各気筒の排気
タイミングに同期して空燃比センサの出力を取り込み、
このときリーン状態にある気筒について、対応する気筒
別補正メモリの内容に所定の一定値を累積加算するよう
に働くので、各気筒の空燃比を全て一定に保つことがで
きる。
さらに、上記気筒別空燃比補正を行わないときに、空
燃比の学習マツプの異なる2のデータ値から各制御定数
のマツチングを実施する。
これら2の処理により、各気筒に吸入される空気質量
のアンバランスや、複数のインジエクタ間での燃料噴射
特性の違いなどが補正され、かつ、吸入空気流量センサ
の特性の適正化などが与えられる。
[実施例] 以下、本発明による燃料供給量制御装置について、図
示の実施例により詳細に説明する。
上記従来技術として説明した部分は、マイクロコンピ
ユータによるエンジン制御、O2センサを用いた空燃比フ
イードバツク制御と空燃比補正係数の定常学習による定
常学習係数の作成方法の一例を示しているが、本発明で
は、2の異なる運転状態における空燃比補正係数から求
められる特性指標と、この特性指標を参照して制御定数
(インジエクタ係数、無効噴射時間、空気流量特性)を
補正する処理が中心になるので、まず、この処理につい
て説明する。なお、この実施例では、そのハード的な構
成及びマイコンによるエンジン制御の内容は、第2図な
いし第9図で説明した従来例と同じであるので、その説
明は省略する。
上記したように、このエンジン制御装置では、各セン
サやアクチユエータの制御定数(インジエクタ係数K
qonst、無効噴射時間TS、吸入空気流量特性Qa)を用い
て制御を遂行してゆくようになつている。
そこで、この制御定数が、エンジン,センサ、それに
アクチユエータの物理特性から、かなり外れている状態
が考えられ、以下、このような状態をアンマツチング状
態と呼ぶ。
そこで、このアンマツチング状態でのインジエクタ係
数Kqonstと無効噴射時間Ts、それに吸入空気流量特性Qa
を用いた場合の燃料噴射時間Tiは、(1)式の学習係数
が、それぞれ、 Kl=1.0,Ks=0,Ks=0 という定常学習状態にあつたとすれば、次式のようにな
る。
Ti=Kqonst・Qa/N・COEF・α+Ts ……(4) この状態を夫々マツチングされた値Kqonst*,Qa*,Ts
*,COEF*を使つて記述すると、次式となる。
Ti=Kqonst*・Qa*/N・COEF*+Ts* ……(5) (4)及び(5)式より、次式が成り立つ。
Kqonst・Qa/N・COEF+α+Ts=Kqonst*・ Qa*/N・COEF*+Ts* ……(6) ここで、Tp*=Kqonst*・Qa*/Nを使つて、まとめる
と次式となる。
α(N,Tp*)=E1・E2・E3・E4 ……(7) E1=(Ts*−Ts)/{Tp*・COEF*(N,Tp*)}+1 ……(8) E2=Kqonst*/Kqonst ……(9) E3=Qa*/Qa ……(10) E4=COEF*(N,Tp*)/COEF(N,Tp) ……(11) (7)〜(11)によれば、 Ts ;E1(主にTp*の関数、第14図参照) Kqonst;E2(定数) Qa ;E3(Qaの関数) COEF ;E4(N,Tp*の関数) 等々それぞれ積としてαに反映されることが分かる。
次に,α(N,Tp*)を第10図のように等Qa線が対角線
状に並ぶように、N,Tp*を分割した場合を考える。ここ
では簡単のため、4x4のマツプを考え、αの学習値は格
子の交点とする。次に、(7)式に従つてアンマツチン
グが生じたときの要因別の誤差Eを第11図に示す。この
ときのαマップの値を第12図に示す。ここで(11)式の
COEFはマツチングがほぼとれているものとし、E4=1と
して仮定する。ここで縦軸Tpに対してはE1の値がa1,a2,
……と変化し、対角線上ではQaのアンマツチングのE3の
値c1,c2……がかかり、すべてのマツプの値に対してイ
ンジエクタ係数のアンマツチング項E2のb1がかかつてい
る。
このときのαマツプの係数をマトリツクスとみなし、
その各要素を第12図に示すようにMijとする。
マトリツクスの各要素は第12図に示したような形で各
アンマツチング要因を反映している。例えば、第13図に
示すように、a4で規格化したa1〜a3はマトリツクスの要
素の割算としてそれぞれ求められる。そこで、このTp
対する特性を捕らえることにより、例えば第14図に示し
たような傾向(基本噴射時間Tpが小さな領域で、Tsアン
マツチング量に比例して大きく変化する)からTsを補正
しマツチングすることができる。
次に、第15図は第13図と同様にしてQaを補正している
ものである。このときはc4で規格化している。
以上の特性を考慮した上でアンマツチングな状態のマ
ツチングの係数を下記のようにする。
K1;Kqonst補正(スカラー;1変数) K2;(N,Tp);Ktrm補正(N,Tpマツプ;N分割数・Tp分割
数) K3;Ts補正(スカラー;1変数) K4(Qa);Qa補正(ベクトル;Qa分割数) これらの係数は、(4)及び(5)を考慮すると、そ
れぞれ以下のようにすればよい。
K1;Kqonst*/Kqonst ……(12) K2(N,Tp)=COEF*(N,Tp*)/COEF(N,Tp) ……(13) K3=Ts*−Ts ……(14) K4(Qa)=Qa*/Qa ……(15) また、燃料噴射は、次式の燃料噴射を行なう。
(16),(17)式によれば、O2フイードバツクにより
αに現われた係数の変化からその発生要因別にそれぞ
れ、Kqonst,Ts及びQa毎に修正すべき係数をふりわけ
る。特に、(17)式に示すように基本噴射時間はインジ
エクタ係数(Kqonst)の補正K1とQaの補正K4(Qa)の積
により補正される。更に、次式に示すように燃料噴射時
間Tiは、Tp′に対しCOFE′及びαの積を乗して算出し、
バツテリ補正電圧Ts′が加算され算出される。
以上の結果より、従来一括してαで補正していた燃料
噴射時間を発生要因別に分離し、特に基本噴射時間Tp
(17)式に示すように補正することができる。つまり、
発生要因毎の分離学習が実現できる。
以下、上述の解析をもとにマツチングの手順を検討す
る。
まず、Kqonst,Ts及びQaを設定し、O2フイードバツク
を行ない各種運転状態を実現し、α(N,Tp)マツプの定
常学習するようにする。この際、(1)式における各種
補正項は、定常時のフイードバツク制御の空燃比補正係
数であるKtrm以外は0となるような運転条件、つまり、
以下の条件で定常学習を行なう。
暖気運転後、運転を行ない、定常運転(|ΔN|<Δ
Ns,|ΔTp|<ΔTps)においてα(N,Tp)の学習を行な
う。
次に、αからの要因毎の分離を行なう。ここではま
ず、空気流量の補正を行なう。第12図のマトリツクスの
要素の特徴から、第15図に示すようにQa4のときのE4の
値であるc4で規格化した値は表に示すようにマトリツク
スの要素の除算により算出されることが分かる。表よ
り、要素によつては算出方法が数通りあることが分か
る。αマツプがすべて学習されている場合には、値のば
らつき具合より判定して平均処理が有効な場合には平均
処理するとよい。またαマツプの学習個数が少ない場合
には必要最小限の値を取得するようにして、Qa補正をす
ればよい。
つまり、Klqd4(Qa)については、まず次式の補正を
かけ相対誤差を1/c4一定にする。
K4#(Qa)=ci/c4 ……(19) Qai′(Qa)=K4#(Qa)・Qai ……(20) K4(Qa)=c4・K4#(Qa) ……(21) 以上示したようなQaテーブルの補正を行なうと同時
に、αマツプの対角要素を次式に示すように校正を行な
う。これはQaテーブルを(20)式により校正することに
よりαマツプへの影響因子がなくなつたため、行なう補
正である。
Mij=Mij・(c4/ck) ……(22) 但し、k=j−i+4 ……(23) i,j;1,2,3,4 つまり、j−i=一定の対角要素に対して一律補正をす
る。この結果、αマツプのQaに関する項はci=c4とな
る。
以上をまとめると、下記のようになる。
学習ずみのα(N,Tp)マツプより、まずQa誤差特性の
平坦化を行ない、Qa補正テーブルを作成する。ここで、
αマツプについても、Qa補正に対応したマツプの補正を
行なう。
Kqonst及びTsの補正については、次の2通りの方法が
ある。1つはαマツプのマトリツクスの係数の除算によ
りTsを補正する方法、もう1つはTp′とTiをプロツトし
てTsを補正する方法である。
第14図に示したように、無効噴射時間Tsにマンマツチ
ングがあり、Ts*−Tsが“0"でない場合にはTpに対して
双曲線の特性を示し、Tpが大きなところで1となる特性
となる。そこで、例えば、Tp1やTp2の低負荷領域のa1/a
4,a2/a4の値を1に近づけるようにTsの補正項Klqd3を増
減させてTsの最適値をみつける。ここで、例えば、Ts
小さい場合には第14図に示したように低負荷領域でのa1
/a4,a2/a4が1より大きくなるので、Klqd3を増す操作を
行なう。Tsが大きい場合にも、同様の方法でKlqd3を小
さくする。このとき、a1/a4の値が安定して増減傾向を
示すならば、Tsの収束速度を上げるため、増減の大きさ
を次式のように設定してもよい。
K3=K3+(constant)・a1/a4 ……(24) a1/a4等の係数の算出は第13図に示す通りである。
上記の手順でTsの最適値が所定の範囲内に入つた時
の、αマツプの値はほぼ一定のαsになつたとすれば、
各要素の値を“1"の近傍になるように共通項をくくりだ
すと、(5)から(10)より、(7)式のE1=1,E3=Qa
4*/Qa4の条件を考慮すると、次式が成り立つ。
Kqonst*/Kqonst・c4=αs ……(25) K1=Kqonst*/Kqonst ……(26) また、(21)式より、 K4(Qa)=ci=c4・(ci/c4)=c4・K4#(Qa) ……(27) (26)及び(27)式より、次式が成り立つ。
K1・K4(Qa)Kqonst*/Kqonst・c4・K4#(Qa) ……(28) ここで、(29)式を使うと次式となる。
K1・K4(Qa)=αs・K4#(Qa) ……(29) 以上をまとめると、以下のようになる。
改訂されたαマツプより、Tsアンマツチングに依存
し、Tpの関数となる特性値を算出し、Ts補正値を本特性
値を参照値として適正化する。
次に、前述の操作によりほぼ平坦化されたαマツプの
共通係数の値を使つて、Qaの一律誤差とKqonstの誤差率
の積を求める。以上の操作により、Ts及びKqonstの校正
ができる。
次に、Tp′−Tiプロツト法によるKqonst及びTsの補正
を示す。
Qaテーブルの補正が実行されていると、QaはQa′=Qa
*/c4となつている。このとき燃料噴射は次式となつて
いる。
Ti=Kqonst・K4#(Qa)・Qa/N・COQF*・ (Kqonst*/Kqonst・Qa4*/Qa4)+Ts*Tp′ ……(30) ここで、(Tp′,Ti)を取得し、プロツトすると、第1
6図に示すように、プロツトされた軌跡は直線状にな
り、Tp′=0なる切片が、Ts*となり、直線の傾きが、
(30)式の一部に示すような値となる。ここでマツチン
グのとれた状態でのCOEF*=1と考えられるので、直線
の傾きをksとすれば、次式が成り立つ。
Kqonst*/Kqonst・Qa4*/Qa4=K1・c4=ks……(31) 以上により、係数のマツチングが可能となり、これを
まとめると、下記のようになる。
定常時の各運転状態で、補正されたQaテーブルを使つ
て算出される基本噴射時間Tp及び噴射時間Tiを取得し、
(Tp,Ti)が形成する直線の傾きから、Qaの一律誤差とK
qonstの誤差との積を計算し、かつ、Tp=0の切片からT
sの補正値を求める。
この演算操作を繰り返すことにより、各制御定数の学
習による適正化が進んでゆく。そして、このように、各
制御定数の適正化が進むことにより、基本噴射時間が正
確になり、これに基づいて算出される点火時期も適正化
され、結果として、総合的に適正化されたエンジン制御
が得られることになる。
次に、以上の制御定数補正動作に必要な機能をブロツ
ク図で示すと、第17図のようになる。
まず、空燃比フイードバツク手段400は、上記したよ
うに、O2フイードバツクにより空燃比補正係数αを生成
する。
次に、定常学習手段500は、第8図及び第9図で説明
した定常学習処理を実施し、定常時での空燃比補正係数
αを学習する。
そして、この学習された空燃比補正係数αを使つて、
特性指標算出手段600により、制御定数の各々に関する
特性指標を算出する。
その後、この特性指標を参照して、制御定数補正手段
700により、制御定数の補正処理を実行し、制御定数の
適正化を行なうのである。
ここで、制御定数に関する特性指標とは、第13図及び
第15図に示した、 ai/a4,ci/c4 等の値を定義したものであり、学習された空燃比補正係
数αの要素間の除算により得られるもののことである。
なお、このとき、空燃比補正係数αは、数値が1.0の近
傍の値になるので、上記の除算に代えて、減算で処理す
ることもできる。
次に、以上の処理を、フローチヤートにより、さらに
詳細に説明する。
まず、第18図は概略フローで、定常学習処理500(第1
7図の定常学習手段)の後に特性補正ルーチン2000を実
行する。第19図は、この特性補正ルーチンHIMBASEの概
略フローである。
まず、処理2010で、学習個数が所定値NA以上あるか否
かを判定してから処理2020に進む。なお、この条件が満
たされていなかつたときには、特性補正処理は行なわな
い。
処理2020から処理2050では、詳細ロジツク2060と簡易
ロジツクのいずれを実行するかの振り分けを行なう。す
なわち、Qa特性の獲得数QANが所定値QANSよりも大き
く、かつ、Ts特性の獲得率NTSが所定値NTSSよりも大き
くなつていたと判断されたときだけ詳細ロジツク2060を
実行し、そうでなかつたときには簡易ロジツク2070を実
行するのである。
第20図は簡易ロジツクHIMSIMPの処理内容を示すフロ
ーチヤートで、この処理の実行に入ると、まず、マツチ
ング状況フラグ演算処理2110を実行する。ここでの処理
は、定常学習処理で得られた学習マツプの値が、前回の
値に対して、全体として、その変化量が所定範囲内に収
まつていた場合に、マツチング(補正処理)完了とし、
他方、この変化量が或る限度を越えたときには、マツチ
ングエラー(補正処理エラー)とする。そして、いずれ
の場合にも、対応するフラグFHIMC,FHIMEのいずれかを
セツトする。
判断処理2120,2130では、これらのフラグに応じた判
断を行ない、マツチング完了であれば、ここで終了にす
る。なお、このマツチング完了によつてリターンした後
は、ここには記載されていない、別のタスクにより所定
の比較的永い周期で起動され、定期的にマツチング処理
が実行されるようになつている。また、マツチングエラ
ーとなつたときには、マツチングエラー処理2150を実行
する。このマツチングエラー処理2150の内容は、この実
施例では、基本的に補正処理を解除し、定常学習による
空燃比補正係数による制御だけとするようになつてい
る。
しかして、ここで、マツチング完了でもなく、エラー
でもないと判断された場合、即ち、処理2130での結果が
Yesになつたときには、処理2135以下の処理の実行に進
む。
まず、この処理2135は、iの切換処理で、これは、次
のような内容である。すなわち、この実施例では、マツ
プを2系統有し、一方を現在使用中のマツプ、他方を演
算用マツプとしている。そこで、このマツプの切換え
を、i=1か、i=0かで実行するように、この処理21
35が設けられているのである。
次の処理2140では、Kqonstの補正を行なうために必要
な、マツプ内のTpが大きくなつている領域でのマツプ値
の検索を行なう。このTpが大きくなつている領域では、
Qa特性のばらつきが少ないことを条件とした場合、Ts
よる影響が少なく、ここではKqonstの影響が支配的にな
つているからである。
次に、空燃比補正係数αの中位平均算出処理2160を実
行する。ここでは、処理2140で抽出されたマツプ値αの
うち、最大値と最小値を示すものを除き、残りのものの
平均値を計算する処理を行なう。なお、ここでの抽出数
が2の場合には、それらの平均値、1の場合には、その
αの値をそのまま中位平均値ALPROCとして算出する。
処理2170では、Kqonstの補正値であるKLCD1に平均値A
LPROCを代入する処理を実行する。
次の処理2180は、マツプ条件検索処理で、マツプ内の
Tpが小さい領域でのマツプ値αの検索を行ない、上記の
処理2140,2160のときと同様にして、続く処理2190で中
位平均算出処理を行なう。
続く処理2200では、Tsの補正値K3iを、ゲインKKKCD3
の乗算により算出する処理を行なう。
以上による算出結果に続き、マツプ補正1処理2210で
は、Kqonst及びTsに関する学習マツプを補正し、その
後、処理2220で、マツプの補正が完了したことにより、
マツプの切換えを実行し、これにより、新規な係数によ
る制御が行なわれるようにする。
以上が、簡易ロジツクHIMSIMPによる特性補正処理の
内容である。
次に、第21図による詳細ロジツクHIMPRECについて説
明する。なお、この第21図のフローチヤートでは、Qa,K
qonst、それに、Tsの全てがアンマツチング状態にある
ときの補正処理について説明する。
まず、処理2410,2420,2430,2435、それに処理2450ま
での部分は、第20図で説明した、簡易ロジツクのときと
同様な、マツチング完了とエラーの判定処理である。
Qa特性テーブル算出処理2440では、このQaに関する特
性指標を算出するのであるが、このとき、特性指標の一
部しか算出できなかつたときには、残りについては、補
間計算により全ての特性指標を演算するようにする。こ
の補間計算により、学習が全部終了していない場合で
も、ここでの補正処理を実行させることができる。
次のTs特性テーブル演算処理2460では、同様にして、
Tsに関する特性指標を算出する。ここで、このTs特性指
標は、第14図で説明したように、単調な特性を示すの
で、算出結果が、単調特性を呈さなかつたときには、エ
ラーと判断できるので、このときには、エラーフラグFT
SCMPERをセツトさせるようになつており、この結果、エ
ラーになつたときには、判定処理2470で処理は終了され
る。
エラーが発生していなかつたときには、次の処理2480
で、Tsの補正値であるK3の算出処理を実行する。
続いてマツプ補正処理2500では、Kqonst,Ts,Qaによる
学習マツプの補正を行なう。そして、この学習マツプの
補正が完了した時点で、これを上記したときと同様に、
マツプの切換えを行ない、新規な補正係数によるエンジ
ン制御が得られるようにする。
従つて、以上が詳細ロジツクHINPRECの説明である。
ここで、制御定数と補正係数との関係について、まと
めてみると、下記の通りとなる。
(1) 制御定数 (a) インジエクタ(各々スカラー量) Kqonst:インジエクタ係数 Ks:インジエクタの無効噴射時間 (b) 吸入空気流量センサ(一次元テーブル) Qa(i)(ex)i=0〜63):空気流量特性 (2) 補正係数 K1′:インジエクタ係数の補正係数 Kqonst:Kqonst0・K1′ ……(32) K3:無効噴射時間の補正係数 Ts=Ts0+K3′ ……(33) K4(i):空気流量特性の補正係数 Qa(i)=Qa0(i)・K4′(i) ……(34) ここで、 Kqonsto Ts0 Qa0(i) は、それぞれの初期の基準値である。
ところで、上記したように、本発明は、このようなシ
ステムにおいて、多気筒エンジンに適用した場合での特
異性を考慮した点を特徴とするものであり、以下、この
点を中心にして説明を進めることにする。
第1図は本発明の一実施例における処理動作を示すフ
ローチヤートで、この実施例では、定数分離補正処理70
0及び気筒別空燃比補正処理840を同一ジヨブの中で行う
ように構成してある。なお、これらの振り分けは、気筒
別補正領域判定処理810で行われる。すなわち、定常運
転判定処理800で定常運転であると判断されたら、気筒
別補正領域であるか否かが調べられるのである。
この気筒別補正領域判定処理810での判定は、第22図
に示すように、基本噴射パルス幅が以下の式を満足する
かどうかにより判定する。
Tpl1≦Tp≦Tpl2 ……(35) Tph1≦Tp≦Tph2 ……(36) つまり、ここでは、Tpの範囲がTpl及びTphを含む上記
(35),(36)式のゾーンに入つているかどうかを調べ
る。もし、(35)あるいは(36)式を満足すれば、気筒
別補正領域という判定を行う。
“Yes"の判定が下れば、O2F/B(O2フイードバツク)
を中断し、α(F/B係数)を、次式のように、今まで使
つていたαに対し、ε(例えば3%)上乗せしたαで
燃料を噴く。
α=αOLD+ε ……(37) この結果を、O2センサの出力で見て、各気筒のリーン
傾向を調べる。なお、各気筒毎のA/F(空燃比)の分離
については後述する。
各気筒にリーンが発生したか否かを処理850で判定
し、リーンが存在する場合には、気筒別空燃比補正840
を実施する。ここで、気筒別空燃比補正は、第23図に示
す気筒別補正メモリを用いて実施する。
第22図に示したTplを中心とした低ゾーンでのTpに対
する各気筒の補正メモリとしては、K11,K21,K31,K41
有し、Tphを中心とした高ゾーンでのTpに対しては、6
メモリはK12,K22,K32,K42を使う。
気筒別補正は、O2センサ出力よりリーンと判定があつ
た場合、その該当の第k気筒の該当メモリKkjを以下の
ように Kkj=Kkj(OLD)+ε ……(38) と補正する(第28図参照)。ここで、それぞれのK
kj(k=1,2,3,4:j=1,2)は初期値として、“1.0"を入
れておく。なお、εは、例えばεと同様な3%でよ
い。
各気筒の補正は、他のTpに対して次式のように設定す
る。
Kk=f(Kk1,Kk2) ……(39) 第k気筒の補正量は(39)式で決まり、それぞれKk1,
Kk2の値から計算される。具体的例を第24図に示す。こ
こで、Tpが与えられた場合、Tpl,TphのKk1,Kk2の値を1
次補間してKkを求めている。
本発明では、気筒間の補正は、吸気マニフオールドの
形状及び点火順序に起因する“空気分配”のアンバラン
ス,インジエクタの特性のバラツキ、各シリンダの容積
充てん率の違いなどに依存するが、特に、ここでは空気
分配及びインジエクタの特性のバラツキを考慮してい
る。そのため、ここでは、2種のTpの値でこれらを補正
している。なお、他の実施例としては、回転数でKk1,K
k2を分担してもよいであろうし、Kk1(Nl,Tpl),Kk2(N
h,Tph)という分担により実施してもよい。また関数f
は、その変数依存性を考慮し、最適な関数をみつければ
よい。
ところで、燃料噴射への反映として、再度、燃料噴射
時間Tiについて説明すると、(40)式のようになる。
Ti=α・Kk・Tp・(Kl+Kt−Ks)・(1+ΣKi)+Ts ……(40) これは、(1)式に係数Kkが加わつたものであり、こ
の実施例では、気筒判別を行い、Kkにより気筒別補正を
行うものである。
第1図に戻り、処理850の判定において、リーンなし
となれば、O2F/Bを再開860とする。
一方、処理810の判定において、“No"の場合には、前
述の第21図までの図で説明した定数分離補正を実施す
る。この場合、ロジツク起動条件が成立した場合にだけ
実施するものである。
次に、気筒別A/F検出について説明する。
まず、第25図に示すように、注目したシリンダの排気
行程は、排気バルブ開の開始時点より排出ガスは排出バ
ルブより排出され始める。そして、距離lなる位置(排
気集合部)のO2センサ42にて検出される。排気集合部に
おいては、他の気筒(特に一行程早く排出されている気
筒)の排出ガスも残つているから、それらの混合ガスと
なる。しかしながら、次第に、注目する気筒の排出ガス
成分の分圧が高くなるので、その気筒のA/Fを現わすタ
イミング[クランクアングル]は、第26図に示すよう
に、当然依存する。
詳しくみると、エンジンの運転状態はエンジン回転数
Nと負荷Tpにより異なつてくるが、ここでは、クランク
アングルにて規定しておく。そして、排気行程開始から
の遅れのクランクアングルを考慮し、各気筒のリーン検
出を行う。
まず、リーン検出は、第27図(a−1)に示す検出ウ
インドーにより行う。そして、同図(a)のO2センサ出
力に対してリーン判定を行うと、この例では、図(a−
2)に示すように、第3気筒及び第2気筒がリーンとい
う判定結果が得られる。
しかしながら、これらについては、第28図に示す気筒
別補正処理840が行われることにより、まず、次回に
は、図の(b)に示すようになる。すなわち、この
(b)では第2気筒のリーンはなくなり、第3気筒のみ
となる。更にその次は、(c)図のようになり、すべて
リツチとなる。
この結果、領域をTplとすれば、 K11=1.0,K21=1.03,K31=1.06,K41=1.0となり、気筒
別補正として、第2気筒1.03、第3気筒1.06という量が
補正されることになる。
なお、この実施例では、αをF/B中断し、リツチぎみ
の状態にし、リーンスパイクのみの検出を行つたが、逆
にリーンぎみにしてリツチスパイクの検出を行う処理を
第1図(第28図)の830〜850の処理の後段に設けるよう
にしてやれば、全気筒のA/Fの平均値を容易にλ=1.0の
状態にすることができる。
従つて、この実施例によれば、少ないメモリ容量でエ
ンジンの全運転領域をカバーする気筒別補正が得られ、
かつ、学習値のバラツキを最小限に抑えることができる
ため、定数マツチングを充分正確に得ることができると
いう効果がある。
[発明の効果] 本発明によれば、各気筒別に補正が行われるため、充
分に木目細かな補正と安定したA/Fの学習値の取得が可
能になり、この結果、精度の高い定数マツチングが実現
でき、燃料噴射分や空気流量センサに必要とした煩雑な
調整が不要で、しかも高精度の燃料供給量制御装置をロ
ーコストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による燃料供給量制御装置の一実施例の
動作を示すフローチヤート、第2図は本発明の一実施例
が適用されたエンジンシステムの構成図、第3図は制御
回路のブロツク図、第4図は空燃比補正係数の説明図、
第5図は学習マツプの説明図、第6図はマツプの構成
図、第7図はマツプ変更手順の説明図、第8図は学習手
順を示すフローチヤート、第9図はマツプ作成変更手順
を示すフローチヤート、第10図はマツプ内容の説明図、
第11図は特性係数の説明図、第12図は学習値の説明図、
第13図,第14図,第15図はそれぞれ特性指標の説明図、
第16図は特性係数の関係説明図、第17図は動作機能を説
明するブロツク図、第18図は特性補正ルーチンの概略フ
ローチヤート、第19図は補正ロジツクのフローチヤー
ト、第20図は簡易ロジツクのフローチヤート、第21図は
詳細ロジツクのフローチヤート、第22図は本発明の一実
施例における気筒別補正領域判定の説明図、第23図は気
筒別補正メモリの説明図、第24図は気筒別補正量計算処
理の説明図、第25図はエンジン排気マニフオールドとO2
センサの位置関係の説明図、第26図は空燃比の検出遅れ
の説明図、第27図は空燃比の気筒別検出処理を説明する
ためのタイミングチヤート、第28図は気筒別空燃比補正
動作を示すフローチヤートである。 12……インジエクタ(燃料噴射弁)、24……吸入空気流
量センサ、56……冷却水温センサ、142……O2センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畑 敏夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 山本 徹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−29649(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの排ガス成分から検出した実空燃
    比が所定値に収斂するように燃料供給量を制御する空燃
    比フィードバック制御方式の多気筒内燃機関の燃料供給
    量制御装置において、 上記実空燃比をエンジンの各気筒ごとに分離して検出
    し、この検出結果に基づいて各気筒ごとの空燃比偏差を
    演算し、この空燃比偏差に基づいて各気筒ごとの空燃比
    補正データが格納されている気筒別補正メモリの内容を
    更新してゆく気筒別空燃比補正手段と、 複数の異なる運転状態における空燃比補正係数から特性
    指標を求め、 この特性指標を参照して制御定数を補正する定数分離補
    正手段と、 エンジンの負荷状態が、高負荷側に設定した所定の幅の
    領域内と、低負荷側に設定した所定の幅の領域内の何れ
    かにあるとき、肯定と判定し、上記領域を外れていると
    き否定と判定する判定手段とを設け、 上記判定手段による判定結果が肯定のとき、上記気筒別
    空燃比補正手段を動作させ、判定結果が否定のときは、
    上記定数分離補正手段を動作させるように構成したこと
    を特徴とする燃料供給量制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の発明において、 上記気筒別空燃比補正手段による上記空燃比偏差の演算
    処理は、上記空熱比フィードバック制御を中断させた状
    態で実行されるように構成したことを特徴とする燃料供
    給量制御装置。
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