JP2741752B2 - 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器 - Google Patents

非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器

Info

Publication number
JP2741752B2
JP2741752B2 JP63287162A JP28716288A JP2741752B2 JP 2741752 B2 JP2741752 B2 JP 2741752B2 JP 63287162 A JP63287162 A JP 63287162A JP 28716288 A JP28716288 A JP 28716288A JP 2741752 B2 JP2741752 B2 JP 2741752B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zero
phase
ground fault
voltage
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63287162A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02136025A (ja
Inventor
徳男 江村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP63287162A priority Critical patent/JP2741752B2/ja
Publication of JPH02136025A publication Critical patent/JPH02136025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2741752B2 publication Critical patent/JP2741752B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は非接地系の高圧配電線系統に適用する方向地
絡継電器に関する。
〈従来の技術〉 高圧配電線(3.3kV,6.6kV)の接地方式は一般に非接
地方式が採用されており、配電線に一線地絡事故が発生
すると、線路に流れる電流は配電線の対地静電容量によ
る充電電流によって大きな影響を受ける。このような配
電線の一線地絡事故の保護には従来より、事故時に発生
する零相電圧0と零相電流0を利用した方向地絡継電
器DGRが適用されている。
以下に高圧配電線で一線地絡事故が発生したときの従
来の方向地絡継電器の動作について図面を用いて説明す
る。
第3図は高圧母線に放射状の配電線が配置された系統
構成を示し、系統中の配電線に一線地絡事故が発生した
時の状況の一例を説明するための概要図で、第4図は、
第3図の系統内に発生した一線地絡事故を解析するため
に電気的等価回路で示したもの、第5図は接地形計器用
変圧器GPT(以下GPTと言う)の出力0と、第3図で省
略してある零相変流器ZCT(以下ZCTと言う)の出力0
とを入力として地絡事故を判定する方向地絡継電器DGR
(以下DGRと言う)とその出力によってフィーダーを開
閉する遮断器CB(以下CBと言う)の部分を拡大して示し
たものである。図中、A,B,Cは主変圧器TR(以下TRと言
う)の二次側に接続する3相高圧母線のA相、B相、C
相で、高圧母線A,B,CにはGPT、3系統の配電線フィーダ
ー1F,2F,3Fが連系されている。
高圧母線A,B,C並びに各フィーダー1F,2F,3Fの電圧
、電流等はフィーダーを表わす番号1〜3、相を示
す小文字のa,b,cを付して表わしており、フィーダー1F
のa相には地絡事故点Gが設定されている。ZCTは各フ
ィーダーの各々の母線側始端に設置され、その2次側か
ら零相電流0が取り出される。限流抵抗器rnはGPTの
3次巻線をブロークンデルタに結線して、終端抵抗とし
て挿入されたもので、この両端から零相電圧V0が取り
出され、前記零相電流0とともにDGRに入力される。Rg
は事故点Gにおける地絡抵抗、C1,C2,C3は各フィーダー
の1相当たりの対地静電容量を示している。
このように単一の電源から受電した高圧母線A,B,C,に
配電線のフィーダー1F,2F,3Fが全て放射状に配設された
配電系統においては、地域社会や需要家の発展の状況に
応じてフィーダー数が増設されるが、それに伴い配電線
網は面状に拡大することになる。このために配電線系統
内に発生する事故の要因も増加するので線路保安の強化
のために効果的な保護継電装置の設置が進められてい
る。
3.3kV,6.6kVの普通高圧配電線の保護継電方式として
は短絡保護と地絡保護が主体であるが、第3図に示した
ような放射状配電系統の場合には、短絡事故に伴う事故
電流は全て電源30側から事故点37に向かって流れ、その
大きさは受電端電圧と受電端から事故点Gまでの線路イ
ンピーダンスによって定められるので一般に過電流リレ
ーが設置されており短絡事故に際しては、これにより適
切な保護が行なわれている。
一方、地絡事故の場合には、高圧配電線系統では一般
に非接地方式が採用されているために、配電線に一線地
絡事故が発生しても、大きい地絡電流が流れることはな
いので、地絡電流の大きさには配電線網の対地静電容量
による充電電流が大きく影響を及ぼすことになる。この
ため、配電線の一線地絡事故時には過電流要素等は使用
せず、発生する零相電圧と零相電流との積によって動作
する電力形のDGRが一般に適用されている。第5図は第
3図で省略してあるDGR、CBの部分を中心に拡大して示
したもので、GPTの一時側はY結線として中性点を直接
接地し、三次側をブロークンデルタ結線として、その開
放端に制限抵抗rnが挿入され、その両端には零相電圧
0rの電圧が現れ、DGRの電圧要素として入力される。
又、ZCTの二次側から零相電流0rがDGRの電流要素とし
て入力される。ここで、0r0rの添字rはDGRのリレ
ー入力側を意味する。
次にフィーダー1Fのa相に地絡抵抗Rg[Ω]の地絡事
故が発生したときのDGRの動作について説明する。
先ず事故時の電流分布について見ると、第3図に点線
で示すように、各フィーダーの対地充電電流及び事故点
電流gは合成されてGPTの中性点電流nとなり、高圧
母線A,B,Cの各相に分流するが、GPTの三次回路がブロー
クンデルタとなっているので一時側でも均等に3等分さ
れて分流する。従ってキルヒホッフの第1法則から次式
の関係を導くことが出来る。
これらの式を各辺について加算すると次式を得る。
(a+b+c)+n=(1a+1b+1c)+
(2a+2b+2c)+(3a+3b+3c) ……(2) ここで、括弧内は零相電流を示しているので 30=a+b+c(TRから供給される零相電
流) 310=1a+1b+1c(フィーダー1Fの零相電
流) 320=2a+2b+2c(フィーダー2Fの零相電
流) 330=3a+3b+3c(フィーダー3Fの零相電
流) と置換すれば、 30+In=310+320+330 となるが、配電線は非接地方式としているので、TRから
の零相電流の供給は零であるから、結局n =310+320+330 ……(3) が得られる。
次いで、第4図の零相等価回路を用いて電圧分布の関
係を調べると、各相の対地電圧をa,b,c、GPTの
一次と三次の巻線比m、制限抵抗rnとすれば、 (a+b+c)/m=−rn・(m/3)n ……(4) が成立する。一方、零相電圧の定義から 30=a+b+cの関係があるので、0 =−rn(m・m/9)n ……(5) が得られる。Rnを制限抵抗の一次側換算値とすると、 Rn=rn(m・m/9) ……(6) となる。又、地絡事故点の電流をgとすると、 g=a/Rg ……(7) となる。従って、 310=1a+1b+1c=jωC1・a+g +jωC1・b+jωC1・c =jωC1(a+b+c)+g となるが、30=a+b+cを代入すると、 310=jω3C1・0+g ……(8) の関係が求められる。
この式は故障回線である配電線1FのZCTの一次側に流
れる零相電流が配電線1Fの対地静電容量を充電する対地
充電電流と地絡電流gから成っていることを示してい
る。尚、他の健全回線の零相電流は、 320=2a+2b+2c=jω3C2・0 ……(9) 330=3a+3b+3c=jω3C3・0 ……(10) が成立する。但し、ω=2πf fは系統周波数 又、相電圧を[V]とすると、1線地絡事故時は逆
相電圧が無いことから、 の関係がある。
以上、諸式の関係から、0 =−/[1+Rg{(1/Rn)+jω(3C1+3C2+3C
3)}] ……(12) g=−jω(3C1+3C2+3C3)0n ……(13) となってRgに対応する0の値を求めることが出来る。
第6図は零相電圧0と各フィーダーの零相電流
0,20,30の関係を示すベクトル図で、健全回
線の零相電流20、30と故障回線の零相電流10
とでは零相電圧0に対する位相関係に大きな差異が生
じ、方向が変化することが判る。この零相電流10
方向変化を利用するのが、非接地系配電線の地絡保護に
広く用いられているDGRで、その適用例を第5図に示
す。図は、前記第3図の故障回線1Fの始端部分について
拡大したもので、図示しない他のフィーダーについても
同様の接続が行なわれることは勿論である。
零相電流10を検出するためにフィーダー1Fの母線
側端部にZCTとCBを設け、高圧母線に設けたGPTの三次回
路電圧である0rとZCTの二次電流である10rによっ
てDGRを動作させるものである。
保護継電器としてのDGRの動作、不動作は第7図に示
すような複素平面上の位相特性図で判定することが出来
る。同図では、零相電圧0を基準ベクトルとし、零相
電流0との位相角θを最大感度角として保護範囲を設
定している様子を知ることが出来る。第7図に示される
DGRの動作域は、基準ベクトルである零相電圧に対し進
み側の方向にあり、これは第6図に示したベクトル図か
らすると反対の方向である。これは、保護継電器として
のDGRが慣習的に第7図の位相特性で製作され、方向を
誤らず正しく動作させるために、継電器への零相電流、
もしくは零相電圧の何れか一方の印加極性を反転してい
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 従来、非接地系の配電線路では地絡保護用として方向
地絡継電器が設置されるが、この場合の零相電圧の感度
は故障点の地絡抵抗値が例えば6000[Ω]以下の地絡故
障を検出するように設定され、その動作、不動作の様相
は第7図に示す位相特性図によって知ることが出来る。
しかし、第(12)式の分母に示されるように、配電線の
各フィーダーの対地容量の総和、C1+C2+C3の値によっ
て大きく変化する。このため、例えばフィーダーの増設
が行なわれ、改めて地絡抵抗を6000[Ω]に設定したと
すると、検出すべき零相電圧0の値を変更する必要が
発生する。所が、対地容量の推定や測定は極めて難し
く、且つ、精度の確保も困難であるため、試験用変圧
器、水抵抗器等を用いて実際に地絡を発生させて0
度を確認する、所謂人工地絡試験が不可欠とされてい
た。しかし、配電系統が大型化、多様化してきた昨今、
例えば太陽電池アレイによる家庭発電や燃料電池等との
連系やコージェネレーション等のシステムとの連系の普
及を考慮すると、実際に地絡電流を流して地絡事故を模
擬する人工地絡試験の実施は、上記システムとの連系点
に設置されている連系保護継電装置を誤って動作させて
しまうことになる。このため、人工地絡試験を実施せず
にDGRの動作感度を確認し、設定する方法や方式の開発
が切望されていた。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は方向地絡継電器をデジタル化することによて
演算機能を高め、DGRに与えられる零相電圧0と零相電
0から故障回線の地絡抵抗Rgを演算する過程におい
て、この地絡抵抗Rgを含む計算式の両辺に零相電圧0
の共役複素数0 *を乗じて内積を作ると、実数部(Re)
と純虚数部(Im)に分離し、実数である地絡抵抗Rgは分
離された実数部のみを対称とした演算で値を定めること
が出来ることを利用したもので、具体的には、 (1) 非接地系の高圧配電線を一線地絡事故が発生し
た場合において、零相電圧を検出する手段と、零相電流
を検出する手段と、地絡相の相電圧を抽出する手段と、
前記抽出する手段により得られた相電圧と前記高圧配電
線の零相電圧の共役複素数との内積1および前記高圧配
電線の零相電流と前記高圧配電線の零相電圧の共役複素
数との内積2を求める手段と、前記内積1の前記内積2
に対する比を求めこの比が地絡抵抗の設定値以下である
ことを判定する手段と、を有することを特徴とする非接
地系の高圧配電線用方向地絡継電器。
(2) 零相電圧と零相電流が事故時に計測される零相
電圧ならびに零相電流から事故前に常時計測される零相
電圧ならびに零相電流を減算した変化分零相電圧と変化
分零相電流である請求項1記載の非接地系の高圧配電線
用方向地絡継電器を構成するものである。
〈作用〉 非接地系配電線の一線地絡の場合、地絡抵抗Rgは実数
であるから、複素数の零相電流と、複素数の零相電圧と
の四則演算の形で表わされた地絡抵抗Rgを求める複素計
算式の中で複素数の代わりにその複素数の共役複素数を
用いて積演算の形式を作ると、実数部分のみを分離抽出
した演算によって地絡抵抗Rgを計算することが可能とな
る。
この演算過程を第1図(a相地絡の場合の例)の流れ
図に基づいて説明すると、第1段階にて、地絡事故の発
生が零相電圧0の測定によって検出され、整定値K1と
比較された後、第2段階で零相電流0の位相判定から
事故フィーダーか否かが弁別され、第3段階で地絡相が
弁別される。第4、第5段階ではデジタル演算方式の特
徴が活用され、ここの2つの段階で地絡故障相の相電圧
(例えばa相地絡の場合はa相電圧)と零相電圧の共役
複素数の内積演算と、配電線(フイーダー)の零相電流
と零相電圧の共役複素数の内積演算として行ってこれら
の実数部分のみを抽出し、更に前者の内積演算値と後者
の内積演算値の比によって地絡抵抗を求めこの値が設定
値以下であるか否かを判断する。具体的に数式を用いて
説明すると、 平衡3相配電系統において、一線地絡事故が配電線フ
ィーダー1Fのa相で発生した場合、その地絡抵抗Rg[k
Ω]、地絡電流g[A]、零相電流310、零相電
0、の関係は、前記第(7)式、第(8)式及び第
(11)式から与えられる。即ち、 g=a/Rg=(0+)/Rg ……(7) 310=Jω3C1・0+g ……(8) 両式より g=310−Jω3C1・0 ……(14) となり、 a=Rg・310−Jω3C1・Rg・0 ……(15) が得られる。
今、0の共役複素数を0 *で表わすものとし、第(1
5)式の両辺に乗算を行なうと、 a・0 *=Rg・3100 *−Jω3C1・Rg・0
0 * =Rg・3100 *−Jω3C1・Rg・|02 ……(16) となり、Rg、|02は何れも実数であるから右辺第2
項は純虚数となる。従って、第(16)式の両辺の実数部
について次式が成立する。但し、Re[ ]は実数部分で
あることを示している。
Re[a・0 *]=Re[Rg・3100 *] =Rg・Re[3100 *] ……(17) 従って、 Rg=Re[a・0 *]/Re[3100 *]……(18) 但し、Re[3100 *]≠0 として事故点Gの地絡抵抗Rgを求めることが出来る。即
ち、DGRの地絡抵抗検出感度がRg≦6000[Ω]に設定さ
れていれば、K2=6000となるので、一線地絡事故発生時
にDGRは、 Re[a・0 *]/Re[3100 *]≦K2……(19) の条件判断を行なうことによって動作もしくは不動作と
なる。
次に、不平衡3相配電系統である場合には、健全時に
おいても不平衡に基づく零相電流、零相電圧の残留分が
存在し、実際に事故発生時には判定の誤差となって現わ
れる。この誤差を補正するため、常時残留分を監視して
おき、事故発生時に検出した零相電流、零相電圧を残留
分によってベクトル的に補正して、第(18)式もしくは
第(19)式の零相電流を変化分(差分)零相電流に、ま
た、零相電圧を変化分(差分)零相電圧に置換すること
によって、平衡回線の場合と全く同様に正しい演算結果
を得ることが出来る。即ち、上記変化分(差分)を記号
Δを付して表わすことにすれば、平衡回路の場合と全く
同様に取り扱うことが出来るので、 Re[a・Δ0 *]=Rg・Re[3Δ10・Δ0 *] ……(20) が第(17)式同様に導かれる。但し、Δ0は地絡事故
時の零相電圧0より事故前の常時零相電圧0を減じて
補正したものとする。また、Δ10は地絡事故時の零
相電流10より事故前の常時零相電流残留分10を減
じて補正したものとする。又、aを事故時の地絡相の
電圧とすると、 Rg=Re[a・Δ0 *]/Re[3Δ10・Δ0 *] ……(21) 但し、Δ10・Δ0 *≠0 も又、同様に成立することがわかる。
〈実施例〉 (1) 第1図に示す実施例(1)は非接地系配電線に
適用されたデジタル形の方向地絡継電器の一線地絡時の
地絡抵抗を本発明に基づいて計算する手順を、平衡3相
系統に適用する場合の計算手順によって説明するもので
ある。尚、系統の構成は上述の第3図並びに第5図に示
した配電系統と同一であるとして説明している。
第1段階としてDGRの電圧要素に入力する零相電圧0
の値が或る設定値K1以上であるか否かによって地絡故障
の発生が検知される。この場合の故障検知は別置の地絡
過電圧継電器によって行なわれても良いが、ここでは第
3図と同様の回路構成のなかでフィーダー1Fに設置され
ているDGRの電圧要素によってa相に地絡故障が検出さ
れたものとしている。GPT34の巻線構成が1次6600
[V]、2次110[V]、3次110/3[V]、1次対3次
の巻線比は となり、制限抵抗rn35として50[Ω]が使用されてい
る。これを1次側に換算した値はRn=60[kΩ]となる
ので、DGRの零相電圧入力は、 となる。
次の第2段階として故障相の判別が実行されるが、こ
の場合の各フィーダーに設けられたZCT33の1次電流の
向きは健全回線と故障回線では異なり、この様相は、第
6図に示すベクトル図から明白であるように、零相電圧
を基準としてほぼ、180°に近い方向変化が現われてい
る。この方向変化を利用して地絡故障が自回線に発生し
たことを検出するのが方向地絡継電器の特色とされてい
る。
第3段階では各相の対地電圧から故障相が決定され、
ここではA相の一線地絡事故の発生が確認され、各種の
保護継電動作のための演算処理が開始される。
次の第4段階では、地絡故障相の相電圧と零相電圧の
共役複素数であるV0 *との内積演算と、配電線(フイー
ダー)の零相電流と零相電圧の共役複素数V0 *との内積
演算とを行いこれらの実数部のみを抽出する。第5段階
で、抽出された実数部について除算を行なって、その結
果と、地絡抵抗Rgの設定値K2との比較を行い、地絡抵抗
Rgの値が設定値K2の値以下であった時に地絡検出有り、
大であった時に地絡検出無しの判定を行なっている。
これらの演算を実行するために、具体的な配電線の対
地容量を、架空地線方式として算出し、以下に複素数表
示する。
1相当りの静電容量を0.005[μF/km]とし、恒長を1
F:10[km],2F:20[km],3F:30[km]と仮定すると、C1
=0.05[μF],C2=0.1[μF],C3=0.15[μF]と
なるので、ZCTの定格を1次200[mA],2次1.5[mA]、
として、DGRの零相電流入力は310・1.5/200[mA]
となる。
また、第(12)式より、0 =−(6600/SQR(3))/(1+Rg(.017+.339
j))[V] 但し、6.6kV系統にて、Rgの単位は[kΩ]とする。
となり、以下、同様に、 g=−(0.017+0.339j)・0[mA] 3・10=−(0.017+0.282j)・0[mA] 3・20=0.113j・0[mA] 3・30=0.170j・0[mA] (2) 第2図に示す実施例(2)は、本発明を非接地
系不平衡3相配電線に適用したデジタル形の方向地絡継
電器の、一線地絡時の地絡抵抗を計算する手順を説明す
るものであるが、その作用については既に詳述したよう
に、残留成分を常時測定しておき、事故時に計測された
零相電圧並びに零相電流から前記残留成分を減算する補
正を行なってから演算処理に移行するもので、その値は
第1図において零相電流10を変化分(差分)零相電
流Δ10に、また、零相電圧0を変化分(差分)零相
電圧Δ0に置換したものであり、その地絡抵抗Rgの判
定作用は第1図に示した過程と同等である。
第8図は上述したデジタル形の方向地絡継電器の位相
特性を示したもので、動作域と不動作域との境界は直線
状となり、平衡回線、不平衡回線を問わず安定した動作
を期待することが出来る。
〈発明の効果〉 デジタル形の方向地絡継電器において、本発明を適用
すると、地絡抵抗の演算過程中で、直線静電容量等の純
虚数成分を計算する部分を分離することが可能となり、
実数部分のみを取り出して演算を行なうので、見かけ上
配電線の対地静電容量とは無関係となる。従って高圧配
電線系統において、例えばフィーダー数の増減が行なわ
れても、その都度、配電線の対地静電容量の影響を大き
く受ける上記継電器の感度を確認するための人工地絡試
験を実施する必要性が皆無となる。従ってフィーダー増
減工事に付随する人工地絡試験の省略によって工事費用
の節減、並びに工事期間の短縮等、を計ることが出来、
その効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は非接地系平衡3相配電線系統に本発明を適用し
た時の手順を示す流れ図、第2図は非接地系不平衡3相
配電線系統に適用した時の手順を示す流れ図、第3図は
放射状に構成された配電線の系統を示す概要図、第4図
は、第3図の系統において一線地絡発生時の状況を解析
するための電気的等価回路図、第5図は第3図で省略さ
れている配電フイーダーの遮断器、方向地絡継電器の部
分を拡大した回路構成図、第6図は一線地絡時のベクト
ル図、第7図は従来技術による方向地絡継電器の動作判
定ベクトル図、第8図は本発明を適用したデジタル形方
向地絡継電器の動作判定ベクトル図である。 30……電源、31……主変圧器 32……高圧母線、33……零相変流器ZCT 34……接地形計器用変圧器GPT 35……限流抵抗器Rn、36……地絡抵抗Rg 37……事故点 41……方向地絡継電器DGR 42……遮断器CB

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非接地系の高圧配電線に一線地絡事故が発
    生した場合において、零相電圧を検出する手段と、零相
    電流を検出する手段と、地絡相の相電圧を抽出する手段
    と、前記抽出する手段により得られた相電圧と前記高圧
    配電線の零相電圧の共役複素数との内積1および前記高
    圧配電線の零相電流と前記高圧配電線の零相電圧の共役
    複素数との内積2を求める手段と、前記内積1の前記内
    積2に対する比を求めこの比が地絡抵抗の設定値以下で
    あることを判定する手段と、 を有することを特徴とする非接地系の高圧配電線用方向
    地絡継電器。
  2. 【請求項2】零相電圧と零相電流が事故時に計測される
    零相電圧ならびに零相電流から事故前に常時計測される
    零相電圧ならびに零相電流を減算した変化分零相電圧と
    変化分零相電流である請求項1記載の非接地系の高圧配
    電線用方向地絡継電器。
JP63287162A 1988-11-14 1988-11-14 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器 Expired - Lifetime JP2741752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63287162A JP2741752B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63287162A JP2741752B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02136025A JPH02136025A (ja) 1990-05-24
JP2741752B2 true JP2741752B2 (ja) 1998-04-22

Family

ID=17713882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63287162A Expired - Lifetime JP2741752B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2741752B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6198119A (ja) * 1984-10-19 1986-05-16 株式会社東芝 故障点標定装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6198119A (ja) * 1984-10-19 1986-05-16 株式会社東芝 故障点標定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02136025A (ja) 1990-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Brahma Fault location in power distribution system with penetration of distributed generation
RU2540851C2 (ru) Способ выбора короткозамкнутой фазы и определения типа короткого замыкания
WO1995024014A2 (en) One-terminal data fault location system
EP0079504A1 (en) Protective relaying methods and apparatus
CN1333503C (zh) 发电机定子绕组单相接地的保护及故障定位方法
Bretas et al. Fault location in unbalanced DG systems using the positive sequence apparent impedance
Schlake et al. Performance of third harmonic ground fault protection schemes for generator stator windings
Sidhu et al. A power transformer protection technique with stability during current transformer saturation and ratio-mismatch conditions
US20140309953A1 (en) Method for Locating of Single-Phase-to-Ground Faults of Ungrounded Power Distribution Systems
EP0464662B1 (en) Method and means for fault location in a multi-terminal network
Bishop et al. A primer on capacitor bank protection
CN111740379B (zh) 零序保护二、三段时间定值在线自动调整的方法
KR101989350B1 (ko) 중첩 무효 에너지 측정을 통한 마이크로그리드 보호계전기 및 그 제어 방법
JP2741752B2 (ja) 非接地系の高圧配電線用方向地絡継電器
CN112578310B (zh) 一种单相接地选线跳闸功能的检测方法
JP2001352663A (ja) 低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置
CN112684288A (zh) 一种利用三相故障信号电流实现小电流单相接地选线方法
CN113746069A (zh) 一种接地变压器接地故障的保护方法
JP2984294B2 (ja) 3端子平行2回線送電線の短絡故障点標定方法
JP2596671B2 (ja) 高圧配電線用ディジタル型地絡過電圧継電器
Anand et al. Backup Protection for Mutually Coupled Double-Circuit Multisection Nonhomogeneous Transmission Lines Using Wide-Area Measurements
US20030081364A1 (en) Crossover fault classification for power lines with parallel circuits
CN112230161B (zh) 一种单相接地故障选线功能的检测方法
US20230129666A1 (en) Coordination of protective elements in an electric power system
JPS60173480A (ja) 地絡電流方向判定装置